(54)【発明の名称】ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離された化合物を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防または治療用薬学的組成物
【文献】
Biochimica et Biophysica acta,2005年 8月30日,1725(1),103-110
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピスタキア ウェインマニフォリア(Pistacia weinmannifolia)抽出物またはその分画物を有効成分として含む、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、COPD)の予防または治療用薬学的組成物であって、
前記抽出物は、水、C1〜C4のアルコール、またはこれらの混合溶媒による抽出物である、薬学的組成物。
前記分画物は、水、C1〜C4のアルコール、クロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、ブタノールまたはこれらの混合溶媒による分画物である、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記慢性閉塞性肺疾患は、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫(Emphysema)、多発性硬化症、急性及び慢性の炎症からなる群から選択されるいずれか一つ以上である、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記慢性閉塞性肺疾患は、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫(Emphysema)、多発性硬化症、急性及び慢性の炎症からなる群から選択されるいずれか一つ以上である、請求項8に記載の食品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記目的を達成するための一つの態様として、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア(Pistacia weinmannifolia)抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を有効成分として含む、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、 COPD)の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0017】
本発明の上記化合物は、下記化学式(1)または化学式(2)で示される化合物を含むものであってもよい。
【0020】
本発明の薬学的組成物は、薬剤学的に許容可能な担体をさらに含むものであってもよい。
【0021】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、不可逆的な気道の閉塞を伴うという点で喘息とは異なり、気道及び肺実質の炎症による細気管支及び肺実質の病理学的変化により発生する病気であり、閉塞性細気管支炎及び肺気腫(肺実質の破壊)を特徴とする。慢性閉塞性肺疾患の種類には、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎及び肺気腫がある。本発明の組成物の対象疾患は、好ましくは、慢性閉塞性肺疾患であってもよいが、本発明が適用可能な不可逆的な気道の閉塞を伴い、気道及び肺実質の炎症による細気管支及び肺実質の病理学的変化により発生する病気に限定されるものではない。
【0022】
本発明の目的上、本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物は、慢性閉塞性肺疾患を予防または治療するために使用される。
【0023】
本発明における用語「ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物」とは、ピスタキア ウェインマニフォリアの根、葉、茎などから適切な溶媒を使用して抽出して得られる抽出液、抽出液の希釈液または濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの 粗精製物または精製物の形をすべて含む。前記ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物は、天然、雑種、変種植物の様々な器官から抽出することができ、特に、ピスタキア ウェインマニフォリアの茎から得られた抽出液などであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物は、超音波抽出法、ろ過法及び還流抽出法など、当業界における通常の抽出方法を用いて製造することができ、ピスタキア ウェインマニフォリアは、商業的に販売されているものを購入して使用したり、自然から採取または栽培されたものを使用することができる。
【0025】
本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリア抽出物は、天然物から抽出物を製造する当業界に公知となった常法により、すなわち、通常の温度、圧力の条件下で通常の溶媒を使用して分離することができる。
【0026】
本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリア抽出物の製造には、水、C1−C4のアルコール(無水または含水低級アルコール)、またはこれらの混合溶媒が使用され得るが、これらに限定されるものではない。例えば、メタノールを使用してピスタキア ウェインマニフォリア抽出物を製造することができ、特に70〜95%のメタノールを抽出溶媒として用いることができる。また、溶媒として抽出時する際、加熱抽出、冷浸抽出、還流冷却抽出、または超音波抽出で行うことができる。これらの抽出は、室温で行うこともでき、低温または加温条件下で行うこともできる。次いで、抽出物を濾過及び/または減圧濃縮し、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物を得ることができる。上記抽出過程は、2〜3回繰り返すことができ、濾過、濃縮、凍結乾燥などの過程をさらに経ることができる。
【0027】
本発明の好ましい実施例では、採集されたピスタキア ウェインマニフォリアの茎を乾燥させた後、粉砕した。粉砕された粉末試料にその乾燥重量を基準にメタノールを20倍の体積で加えた後、常温で70〜95%のメタノール抽出物を得た。続いて、ろ過及び減圧濃縮した後、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を得た。
【0028】
本明細書における用語「分画物」とは、様々な構成成分を含む混合物から、特定の成分または特定のグループを分離する分画方法により得られた結果物を意味する。本発明では、上記のように製造されたピスタキア ウェインマニフォリア抽出物から、特定の成分または特定のグループを分離する分画方法により得られた結果物を意味する。
【0029】
本発明に係るピスタキアェインマニフォリア分画物を得るために、当業界において公知となった通常の分画溶媒、例えば、水、エタノール、メタノールのようなC1〜C4の無水または含水低級アルコールなどの極性溶媒、及びヘキサン、ブタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタンなどの非極性溶媒、またはこれらの混合溶媒が使用されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本発明のピスタキア ウェインマニフォリア分画物は、さらに精製過程を経て得たものも含むことができる。例えば、本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリア抽出物を、一定の分子量のカット−オフ値を有する限外ろ過膜に通過させて得た分画物、様々なクロマトグラフィー(サイズ、電荷、疎水性または親和性による分離のために製作されたもの)による分離などにより、さらに行われた様々な精製方法を用いて得られた分画物も、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア分画物に含まれる。
【0031】
本発明の好ましい実施例では、上記で得られたピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物に蒸留水を加えて懸濁した後、同量のヘキサンを加えてヘキサン層と水層に分離した。これを3回繰り返して行った後、ろ過、減圧濃縮してヘキサン分画物を得た。その後、上記ヘキサン分画物を除去し、残りの水層にクロロホルムを同量加えて同様の方法でクロロホルム分画物を得、再び残りの水層に酢酸エチルを同量加えて、同様の方法で酢酸エチル分画物を得た。これから、再び残りの水層にブタノールを同量加え、同様の方法でブタノール分画物を得た。
【0032】
本発明の具体的な実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物をローディングし、メタノール/水[0:100−>100:0(v/v)]を溶媒として溶出速度9mL/分で分画物を得た。これを通じて活性分画物1〜7を得た。
【0033】
本発明の具体的な実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリア有効分画物6種を濃度別に処理して細胞生存率を調べた結果、1μM以下では、細胞毒性がないことが確認された(
図5、表3)。
【0034】
また、本発明の具体的な実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリア有効分画物6を濃度別に処理してMUC5ACタンパク質の生成抑制効果を確認した結果、抽出物より優れた抑制効果が確認された(
図7、表4)。
【0035】
また、前記ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物またはその分画物は、代表的な活性成分として、下記化学式(1)または(2)で示される化合物を含み得る。
【0038】
本発明の一実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物またはその分画物から慢性閉塞性肺疾患(COPD)の炎症反応を抑制する3種の新規有効化合物を分離した。具体的には、前記ピスタキア ウェインマニフォリア有効分画物5を再度メタノール/水[10:90−>100:0(v/v)]を溶媒として、溶出速度14mL/分で小分画を得た。該小分画中から、前記化学式(1)で表される新規化合物PW12及び化学式(2)で表される新規化合物PW13を分離した。
【0039】
具体的には、2種の新規な有効化合物のうち、化学式(1)の化合物(PW12)は、分子式C
30H
22O
8であって、IUPAC命名法により2’,4’,3’’,2’’’,4’’’−ペンタヒドロキシ−4−O−3’’−ビカルコン(2’,4’,3’’,2’’’,4’’’-pentahydroxy-4-O-3’’-bichalcone)であり、本発明者らは、これをピスタカルコンと命名した。化学式(2)の化合物(PW13)は、分子式C
45H
34O
12であって、IUPAC命名法によりジ−(2,4−ジヒドロキシベンゾイル)−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロブタン−3−O−4’−ビカルコン(di-(2,4-dihydroxybenzoyl)-(3,4-dihydroxyphenyl)- (4-hydroxyphenyl)-cyclobutane-3-O-4’-bichalcone)であり、本発明者らは、これをピスタカルコンBと命名した。
【0040】
本発明の好ましい実施例では、ピスタキア・ウェインマニポリ抽出物または分画物から抽出した化合物2種を濃度別に処理して細胞生存率を調べた結果、1μM以下では細胞毒性がないことが確認された(
図6、表3)。
【0041】
また、本発明の具体的な実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物または分画物から抽出した化合物3種を濃度別に処理して、MUC5ACタンパク質の生成抑制効果を確認した結果、抽出物より優れた抑制効果が確認された(
図7、表4)。
【0042】
TNF−αのようなサイトカインとMIP−2のようなCXCケモカインは、肺血管の循環から肺胞までの好中球のトラフィッキング(trafficking)の活性に関与することが知られている。これらは、いずれも炎症に関連するサイトカインまたはケモカインであり、慢性閉塞性肺疾患の場合、好中球の数が増加し、上記サイトカインまたはケモカインが分泌される。よって、気道に炎症が生じ、筋肉の壁が厚くなり、粘液の分泌が増加することにより、気管支閉鎖が起こる。気管支が閉鎖されると、肺胞は拡張して損傷し、酸素と二酸化炭素の交換能力が損傷を受けるようになり、呼吸不全の発生が高くなる。特に、これらのサイトカインまたはケモカインは、COPDを患っている患者で発現が増加することが明らかになり、慢性閉塞性肺疾患との関連性が知られている。
【0043】
したがって、上記CXCL−1、TNF−α及びMIP−2からなる群から選択されるタンパク質の分泌を抑制することにより、慢性閉塞性肺疾患の反応を抑制することができる。
【0044】
一方、CD4
+細胞は、免疫を促進する細胞として知られており、上記細胞が過度に増加すると、自己免疫が発生し得る。慢性閉塞性肺疾患の患者の場合、健常者よりCD4
+細胞数が著しく増加することが知られている(非特許文献3)。
【0045】
一方、慢性閉塞性肺疾患の場合、Neutrophils Gr−1
+細胞数も増加する(非特許文献4)。
【0046】
したがって、上記のCD4
+及びNeutrophils Gr−1
+細胞を減少させることにより、慢性閉塞性肺疾患の反応を抑制することができる。
【0047】
まとめると、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物は、下記活性を示すものであってもよい。
【0048】
(a)気管支または血管周囲の炎症細胞数及び好中球数の減少;
(b)CD4
+またはNeutrophils
+Gr−1
+細胞数の減少;
(c)CXCL−1の生成抑制;
(d)TNF−αの生成抑制;
(e)MCP−2の生成抑制。
【0049】
本発明の具体的な実施例では、上記のように得られたピスタキア ウェインマニフォリア抽出物とその分画物のCOPD抑制効果を確認した結果、本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物は、標準タバコ抽出物を吸入させた動物モデルにおいて好中球の数を大幅に抑制し(表5を参照)、CD4
+、Neutrophils Gr−1
+細胞数(表6を参照)、CXCL−1(表7を参照)、TNF−α(表8を参照)及びMIP−2(表9を参照)を減少させることが確認された。
【0050】
上記結果から、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物とその分画物は、COPDの予防及び治療に有効に使用できることが分かった。
【0051】
したがって、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはその化合物を有効成分として含み、薬剤学的に許容可能な担体を含む、COPDの予防または治療用組成物を提供する。
【0052】
上記COPDは、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎及び肺気腫などの多発性硬化症、急性及び慢性の炎症からなる群から選択され得、好ましくは、慢性閉塞性肺疾患であってもよいが、本発明が適用可能な多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患が、これらに限定されるものではない。
【0053】
本発明における用語「慢性閉塞性肺疾患」とは、有害な粒子やガスの吸入により肺に非正常的な炎症反応が起こり、これによって徐々に気流制限が進行し、肺の機能が低下することにより呼吸困難を誘発する呼吸器疾患を言う。慢性閉塞性肺疾患の主な症状は、慢性的な咳または慢性的な痰(喀痰)をはじめとして呼吸困難などがあり、ベータ亢進剤、抗コリン薬、メチルキサンチン系などの気管支拡張剤または副腎皮質ホルモン吸入剤などが代表的な治療剤として使用される。本発明において、上記慢性閉塞性肺疾患は、好ましくは、慢性気管支炎または肺気腫であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0054】
本発明における用語「慢性気管支炎」とは、2年連続で1年に3ヶ月以上痰を伴う咳が持続する疾患を意味する。喫煙、大気汚染、職業暴露などの刺激による気管支の損傷が原因であると推定されており、主な症状としては慢性の咳、痰、運動時の呼吸困難などがある。また、慢性閉塞性肺疾患の特徴である急性増悪が起こり得、その際、数時間から数日の間に呼吸困難が急速に悪化し、痰の量が増えたり、痰の性状が粘液性から化膿性に変わると共に濃い黄色や青みがかった色を帯びるようになり、粘度が高くなって吐き出すことが困難になる。
【0055】
本発明における用語「肺気腫(Emphysema)」とは、終末細気管支(terminal bronchiole)遠位の気腔(airspace)の破壊により非正常的で、恒久的な末梢気道及び肺胞の拡張状態を意味する。有害粒子とガスの吸入により発生し、臨床的に最も意味のある危険因子は喫煙であることが知られている。主な症状としては、慢性的な咳と痰、呼吸困難などがある。
【0056】
本発明における用語「予防」とは、本発明に係る組成物の投与により、慢性閉塞性肺疾患をはじめとする多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の発症を抑制または遅延させるあらゆる行為をいう。
【0057】
本発明における用語「治療」とは、本発明に係る組成物の投与により、慢性閉塞性肺疾患をはじめとする多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の発症を抑制または遅延させるあらゆる行為をいう。
【0058】
本発明の薬学的組成物は単一製剤でも使用でき、慢性閉塞性肺疾患及び多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患に効果を有することが知られている認定された薬物をさらに含む配合製剤として、製造して使用することもできる。
【0059】
上記「薬学的に許容可能な」とは、生物体に深刻な刺激を与えず、投与活性物質の生物学的活性及び特性を阻害しないことを意味する。
【0060】
薬学的に許容可能な担体を含む、本発明の薬学的組成物は、経口または非経口のさまざまな剤形であってもよい。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は一つ以上の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単純な賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが挙げられるが、一般的に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用され得る。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを使用してもよい。
【0061】
上記薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか一つの剤形を有することができる。
【0062】
また、本発明の薬学的組成物は、薬剤学的に有効な量のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を含むことができる。本発明における用語「薬剤学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で、疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量のレベルは、個体の種類及び重症度、年齢、性別、薬物の活性、薬物に対する感度、投与時間、投与経路、及び排出の割合、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素、及びその他の医学分野でよく知られている要素に応じて決定することができる。本発明の薬学的組成物は、個々の治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤とは、順次または同時に投与することができる。そして、単一または多重投与することができる。上記要素をすべて考慮し、副作用を誘発せずに、最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、当業者によって容易に決定され得る。好ましくは、本発明に係る薬学的組成物は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物は、薬学的組成物に0.001〜1500μg/mLで含まれてもよく、より好ましくは0.001〜1000μg/mLで含まれてもよい。または、本発明に係る組成物は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物またはその分画物を1〜10重量%で含むものであってもよく、特に5〜10重量%で含むものであってもよい。また、本発明に係る薬学的組成物は、本発明においてピスタキア ウェインマニフォリアから分離した化合物、例えば、化学式(1)または化学式(2)で表される化合物を0.01〜10重量%で含むものであってもよい。
【0063】
他の態様として、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を含む薬学的組成物を、COPDの予防または治療が必要な個体に投与して、COPDを予防もしくは治療する方法を提供する。
【0064】
前記ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物については、上記で説明した通りである。
【0065】
上記COPDは、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性の炎症からなる群から選択され得、好ましくはCOPDであり得るが、本発明が適用可能な慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性炎症性疾患が、これらに限定されるものではない。
【0066】
本発明において、上記個体は、慢性閉塞性肺疾患を発症または発症し得るヒトを含むすべての動物を意味し、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物を、慢性閉塞性肺疾患の疑いがある個体に投与することにより、個体を効率的に治療することができる。具体的には、上記の個体は、COPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患などの予防または治療が必要な個体であり、ヒトだけでなく、これと類似した症状の治療を必要とする牛、馬、羊、豚、ヤギ、ラクダ、カモシカ、犬、猫などの哺乳動物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0067】
本発明における用語「投与」とは、任意の適切な方法で、患者に本発明の薬学的組成物を導入することを意味し、本発明による組成物の投与経路は、標的組織に到達することができるものであれば、経口または非経口の様々な経路を通じて投与することができる。
【0068】
本発明のCOPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の治療方法は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を薬学的に有効な量で投与することを含む。即ち、本発明のCOPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の治療方法は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を含む本発明の薬学的組成物を、薬学的に有効な量で投与することを含む。
【0069】
本発明ににおける用語「「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で、疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量のレベルは、個体の種類及び重症度、年齢、性別、疾患の種類、薬物の活性、薬物に対する感度、投与時間、投与経路、及び排出の割合、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素、及びその他の医学分野でよく知られた要素に応じて決定することができる。本発明の組成物は、個々の治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤と順次または同時に投与することができる。そして、単一または多重投与することができる。上記要素をすべて考慮し、副作用なしに最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定され得る。本発明の組成物の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間に応じて異なり、適切な1日の総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で処置医によって決定され得るが、一般的に、0.001〜1000mg/kgの量、好ましくは0.05〜200mg/kg、より好ましくは0.1〜100mg/kgの量を一日1回から数回に分けて投与することができる。前記組成物は、慢性閉塞性肺疾患の予防または治療を目的とする個体であれば特に限定されず、いかなる個体でも適用可能である。例えば、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、牛、羊、豚、ヤギなどの非ヒト動物、ヒト、鳥類や魚類など、いずれの個体にも適用することができ、投与の方式は当業界の常法であれば限定されない。例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内の硬膜または脳血管内注射により投与することができる。
【0070】
もう一つの態様として、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を、慢性閉塞性肺疾患の予防または治療に使用する用途を提供する。
【0071】
また、他の態様として、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を含む、慢性閉塞性肺疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0072】
本発明の食品組成物は、食品学的に許容可能な担体をさらに含むものであってもよい。
【0073】
前記ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれから分離した化合物及び慢性閉塞性肺疾患については、上記で説明した通りである。
【0074】
上記食品組成物は、COPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性または慢性肺疾患の抑制に役立つ機能を有することができる。
【0075】
本発明の食品組成物は、丸剤、粉末、顆粒、浸剤、錠剤、カプセルまたは液剤などの形態を含み、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物を添加することができる食品の種類は特に限定されず、例えば、各種飲料、ガム、お茶、ビタミン複合剤、健康補助食品類などがある。
【0076】
上記食品組成物には、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物以外にも、慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患抑制活性を妨げない他の成分を追加することができ、その種類は特に限定されるものではない。例えば、通常の食品のように、種々の生薬抽出物、食品学的に許容可能な食品補助添加剤、または天然炭水化物などを追加成分として含有させることができる。
【0077】
本発明における用語「食品補助添加剤(food supplement additives )」とは、食品に補助的に添加することができる構成要素を意味し、各剤形の健康機能食品を製造するのに添加されるものであって、当業者が適宜選択して使用することができる。食品補助添加剤の例としては、種々の栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などが含まれるが、上記例により、本発明の栄養補助添加剤の種類が限定されるものではない。
【0078】
上記天然炭水化物の例としては、ブドウ糖、果糖などの単糖類; マルトース、スクロースなどの二糖類; 及びデキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類及び、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。上述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(ソーマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。
【0079】
本発明の食品組成物には、健康機能性食品が含まれてもよい。本発明における用語「健康機能性食品」とは、人体に有用な機能性を有する原料や成分を使用して錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状及び丸剤などの形態で製造及び加工した食品をいう。ここで、機能性とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調整したり、生理学的作用などのような保健の用途に有用な効果を得ることを意味する。本発明の健康機能性食品は、当業界において通常用いられる方法により製造可能であり、上記製造時には、当業界において通常添加する原料及び成分を添加して製造することができる。また、一般的な薬品とは異なり、食品を原料として、薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがないという利点があり、携帯性に優れる。
【0080】
本発明の組成物を、健康機能食品に含有させて使用する場合、上記組成物をそのまま添加したり、他の健康機能食品または健康機能食品の成分と共に使用することができ、常法により適宜使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)に応じて適宜決定することができる。一般的には、食品の製造時に、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物またはその分画物は、原料組成物中1〜10重量%、好ましくは5〜10重量%の量で添加される。しかし、健康及び衛生を目的としたり、または健康の調節を目的とする長期間の摂取の場合には、前記の量が前記範囲未満でも使用できる。
【0081】
上記食品の種類には、特に制限はない。上記物質を添加する食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味での健康機能性食品をすべて含む。
【0082】
本発明における用語「「改善」とは、上記組成物を用いて、慢性閉塞性肺疾患の疑いのある個体及び発症した個体の症状が好転したり、有利になる全ての行為を意味する。
【0083】
本発明の組成物を含み得る健康機能食品の種類には特に制限はなく、具体的な例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味での健康機能食品をすべて含むことができ、動物のための飼料として利用される食品を含むことができる。
【0084】
また、本発明の健康機能食品組成物が飲料の形態で使用される場合には、通常の飲料のように、様々な甘味剤、香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。上記天然炭水化物は、ブドウ糖、果糖のような単糖類、マルトース、スクロースのような二糖類、デキストリン、シクロデキストリンのような多糖類、及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトールのような糖アルコールであってもよい。上記天然炭水化物の割合は、これに限定されるものではないが、本発明の組成物100mL当り、好ましくは約0.01〜0.04g、より好ましくは0.02〜0.03gであってもよい。上記甘味剤は、ソーマチン、ステビア抽出物のような天然甘味料及びサッカリン、アスパルテームのような合成甘味剤であり得る。
【0085】
上記以外に、本発明の健康機能食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。その外には、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。
【0086】
もう一つの態様として、本発明は、ピスタキア ウェインマニフォリア、その抽出物またはその分画物から分離した化学式(1)または化学式(2)で表される化合物を提供する。
【0089】
本発明の具体的な実施例では、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物またはその分画物から慢性閉塞性肺疾患(COPD)の炎症反応を抑制する2種の新規な有効化合物を分離した。具体的には、前記ピスタキア ウェインマニフォリアの有効分画物5を再度メタノール/水[10:90−> 100:0(v/v)]を溶媒として溶出速度14mL/分で小分画を得た。該小分画中から、前記化学式(1)で表される新規化合物PW12及び化学式(2)で表される新規化合物PW13を分離した。本発明者は、前記化学式(1)で表される新規化合物PW12をピスタカルコンと命名し、PW13をピスタカルコンBと命名した。
【0090】
以下、本発明を下記実施例及び製剤例により、より具体的に説明する。しかし、これら例は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、これらにより本発明が限定されるものではない。
【0091】
実施例1.ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物及び化合物の製造
1−1.ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物の製造
ピスタキア ウェインマニフォリア(Pistacia weinmannifolia J. Poiss. Ex Franch)のメタノール抽出物は、韓国生命工学研究院の海外生物素材ハブセンターの海外植物抽出物銀行から購入した。
【0092】
抽出過程を調べると、ピスタキア ウェインマニフォリアの茎20kgを採集して、乾燥機(50〜55℃)で自然乾燥(陰干し)を使用して水分を除去した後、粉砕した。粉砕された粉末試料の乾燥重量を基準に、メタノール30Lを加えた後、常温で抽出した。その後、ろ過及び減圧濃縮した後、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物542.2gを得た。その後の実験では、得られたピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を総(total)抽出物と称した。
【0093】
1−2.ピスタキア ウェインマニフォリア分画物の製造
前記実施例1−1で得たピスタキア ウェインマニフォリアの総抽出物542.2gに水5Lを加えて懸濁させ、同量のヘキサンを入れて水層とヘキサン層に分離した。この過程を同様の方法で、さらに3回繰り返して行い、濾過、減圧濃縮してヘキサン分画物(48.5g)を分離した。同様の方法で、上記ヘキサン層を分離し、残りの水層に同量のクロロホルムを加えて上記のような方法で分離し、クロロホルム分画物(16.3g)を得た。同様の方法で上記クロロホルム層を分離し、残りの水層に同量の酢酸エチルを加え、上記と同様の方法で分離し、酢酸エチル分画物(53.7g)を得た。同様の方法で、酢酸エチル層を分離し、残りの水層に同量のブタノールを加え、上記と同様の方法で分離してブタノール分画物(114g)を得た。残りの水層を濃縮し、水分画物(186.5g)を得た。
【0094】
1−3.ピスタキア ウェインマニフォリア有効分画物の製造
MPLC分析のために、MPLC機器(Interchim)にカラム(20mm×250mm; Resin; Zeoprep C18、10μm)を装着した後、メタノール抽出物を2gの量で繰り返してローディングした。この時、溶媒としては、メタノール/水[0:100−>100:0(v/v)]を使用し、溶出速度は、9mL/分であり、UV200−400mmの波長で検出し、活性分画物(Fr1〜
6)を得た。分析時間は、酢酸エチル分画物の場合には、120分とした。
【0095】
上記MPLC分析の結果を
図1及び表1に示した。
【0097】
1−4.ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物及び分画物の分析
上記実施例1−2で得たピスタキア ウェインマニフォリアの酢酸エチル分画物の活性分画を調べるために、これらを液体クロマトグラフィーであるUPLC(ultra performance liquid chromatography)で分析した。
【0098】
まず、UPLCの分析のために、酢酸エチル分画物(53.7g)をUPLC用0.25mmのメンブレンフィルターで1回濾過した。UPLC機器(Waters UPLC-Q-TOF)にカラム(Waters BEH C18 column、2.1×100mm、1.7mm)を装着した後、濾過されたそれぞれの分画物を0.3μLの量でローディングした。
【0099】
この時、UPLC分析に使用した溶媒としては、アセトニトリル+0.1%のギ酸/水+ 0.1%のギ酸[10:90−>100:0(v/v)]を使用し、溶出速度は、0.4mL/分とした。検出器にてUV200〜400nmの波長とMS(Mass spectrometry)を利用し、UPLCからの有効分画物及び分離された物質を、クロマトグラフィー形式で物質の分離度を確認した。
【0100】
上記UPLC−PDA−QTOF−MS分析の結果を
図2及び
図3a−bに示した。
【0101】
1−5.ピスタキア ウェインマニフォリア由来の化合物の抽出
前記実施例1−3で得た分画物Fr.5において、下記のような方法により新規化合物を分離した。
【0102】
具体的には、有効分画物Fr.5(821mg)をMPLC機器(YMC Lc-Forte/R)にカラム(YMC-DispoPack AT、40×500mm、45μm)を装着した後、有効分画物をローディングした。この時、溶媒としては、メタノール/水[10:90−> 100:0(v/v)]を使用し、溶出速度は14mL/分であり、UV254、280、320mmの波長で検出して小分画(Fr.5A-G)を得た。
【0103】
上記小分画Fr.5E(297mg)Prep−HPLC機器(Gilson)にカラム(YMC-Pack ODS AQ-HG、250×20mm、5μm)を装着した後、有効分画物を10mf/mLの量でローディングした。この時、溶媒としては、アセトニトリル/水[10:90−>100:0(v/v)]を使用し、溶出速度は14mL/分であり、UV254、280mmの波長で行い、下記物性値の化学式(1)で表される新規な構造の化合物PW12(15.3mg)を得た(表2及び
図4b)。
【0104】
上記小分画Fr.5F(156mg)Prep−HPLC機器(Gilson)にカラム(YMC-Pack ODS AQ-HG、250×20mm、5μm)を装着した後、有効分画物を10mf/mLの量でローディングした。この時、溶媒としては、アセトニトリル/水[10:90−> 100:0(v/v)]を使用し、溶出速度は14mL/分であり、UV254、280mmの波長で行い、下記物性値の化学式(2)で表される新規構造の化合物PW
13(20.5mg)を得た(表2及び
図4b)。
【0106】
実施例2.細胞毒性実験
実施例1
−1で製造及び抽出したピスタキア ウェインマニフォリア
のメタノール抽出物
(総抽出物)、その分画物及びこれらから分離した化合物の細胞毒性を確認するために、既存の文献に記載された方法を応用して実験した(非特許文献5)。
【0107】
2−1.細胞の準備及び培養
H292(CRL-1848)をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から購入した。H292細胞は、10%の牛胎児血清及び抗生物質が添加されたRPMI培地(SH30027.01、RPMI 1640、Gibco)で培養し、加湿された(humidified)5%のCO
2の大気条件下、37℃で培養した。TNF−αは、会社(300-01A、Peprotech、USA)から購入して使用した。
【0108】
2−2.細胞生存率アッセイ法(Cell viability assay)
上記細胞を培地(GM)中、96ウェルプレートに密度(1×10
3細胞/ウェル)で位置させた。24時間後に、細胞を試料と共に1日間共に培養した。細胞生存率をメーカーマニュアルに基づいて、判読キット(Cell Counting Kit-8, CK04-01, Dojindo Molecular Technologies, ML)を利用して三重値で判読した。吸光度(Absorbance)は、マイクロプレート測定器(VERSAmax microplate reader、SMP500-14915、Molecular Devices、USA)を用いて測定し、測定された吸光度は、標準曲線(standard curve)から細胞数に変換した。
【0109】
2−3.ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物及びこれから分離した化合物の細胞毒性の評価
ヒトの肺がん粘膜細胞であるH292細胞を、ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)を10%添加したRPMI培地(Gibco)に5×10
4細胞/mLの濃度で懸濁し、100μLずつ96ウェル−プレートに接種して、12時間付着させた。ピスタキア有効分画物6と3種の単一化合物(PW11、PW12、PW13)で濃度別に処理した後、24時間培養した。細胞数を数えることができるCCK−8(Dojindo社)キットで説明したように、培地90μLにCCK−8溶液を10μL混合して、ウェル当り100μLずつ添加し、最小30分から最大4時間まで反応させた後、570nmで吸光度を測定した。細胞生存率は、DMSO0.2%で処理した陰性対照群を100%とし、下記数式(1)に基づいて計算し、その結果は表3に示した通りである。
【0112】
本実験の結果、表3に示されるように、ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物及びこれらから分離した化合物の、濃度に応じたH292細胞の細胞生存率を調査した結果、1μM以下では、細胞毒性がないことが確認された。
【0113】
実施例3.MUC5ACタンパク質の生成阻害効果
実施例1
−1で製造及び抽出したピスタキア ウェインマニフォリア
のメタノール抽出物
(総抽出物)、その分画物及びこれらから分離した化合物の慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような炎症性疾患の予防または治療効果を分析するために、関連タンパク質であるMUC5ACタンパク質の分泌阻害効果の確認を試みた。そこで、MUC5ACタンパク質の生成に対する実施例の試料の阻害効果を確認するために、以下のように、文献に記載された方法を応用して実験した(非特許文献6)。
【0114】
3−1.ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物及びこれらから分離した化合物によるMUC5ACタンパク質の生成阻害効果
生成されたMUC5ACの免疫分析(immunoassay)のために回収した上澄液50μLを96ウェル−プレートに分注し、50℃に設定された恒温器で乾燥させた。1%のBSAが添加されたPBSで洗浄した後、MUC5AC抗体(ab3649、abcam社)と室温で1時間反応させ、二次抗体を分注して1時間反応させた。再洗浄した後、3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine peroxide solution(54827-17-7、Sigma-aldrich)を20分間反応させた後、硫酸溶液で反応を停止させた後、マイクロプレート測定器(VERSAmax microplate reader、SMP500-14915、Molecular Devices、USA)を用いて450nmで発色程度を測定し、その結果を下記
図1のグラフで示し、表4に示した。
【0116】
実施例4.標準タバコ抽出物で誘導された慢性閉塞性肺疾患(COPD)の動物モデルにおける効果の評価
4−1.実験動物及び気管支の慢性閉塞性肺疾患の誘導
本実験では、平均体重20g前後の8週齢のBALB/cの雄性マウスを実験動物として使用した。1週間の馴化期間を経た後に、基本的な身体検査で異常が観察されない動物を対象とした。
【0117】
標準タバコCM7(Coresta Monitering Cigarette 7、Heinr Borgwaldt、Germany)60本及びイソプロパノール(isopropanol) 、エタノール(ethanol、Merck、Germany)、n-ヘプタデカン(n‐heptadecane、Sigma-Aldrich、USA)を使用し、実験装置は、Automatic smoking machine(ISO 3308規格品、自動喫煙装置、モデル:RM20、Heinr Borgwaldt)を使用した。
【0118】
具体的には、標準タバコCM7(Coresta Monitering Cigarette 7、Heinr Borgwaldt、Germany)煙凝縮物の捕集は、ISO3402の規定に基づき、喫煙室(温度22±2℃、相対湿度60±5%)で行い、ISO3308の規定に基づき、RM20(Heinr Borgwaldt、Germany)自動喫煙装置(ISO3308規格品)を利用し、喫煙体積35.0±0.3 mL、喫煙サイクル60±0.5秒、喫煙時間2.00±0.02秒、及び吸殻の長さtip paper長さ+3mm(overwrap+3mm)にて、ISO標準喫煙方法で紙巻タバコを燃焼させ、92mmのケンブリッジフィルター(camberidge filter、ISO3308規格品)でタバコの煙凝縮物を捕集した(ISO3308、2000)。
【0119】
タバコの煙凝縮物が捕集されたケンブリッジフィルターをシガレットホルダー(cigaratte holder)から分離し、それぞれ100mLの三角フラスコに入れ、抽出溶媒イソプロパノールを50mLずつ加えてよく振とうした後、室温で8時間以上放置して抽出した。抽出後ろ過し、減圧濾過濃縮器で濃縮し、3つの三角フラスコ中の濃縮液をシンチレーションバイアル(scintillation vial)に集め、窒素ガスを利用して完全に濃縮した。7%の抱水クロラール(chloral hydrate)で麻酔した後、LPS+CS(LPS100μg/mLと標準タバコ抽出物(Cigarette smoking; CS)4mg/mLを1:1で混合)を、週1回、3週間鼻に100μLを吸入させて、慢性閉塞性肺疾患モデルを作製した。具体的には、弱く麻酔した後、動きがなくなったときに、マウスの前歯をゴムバンドで固定した状態で、鼻と口にLPS+CSの混合物を、それぞれ50μLずつ、合計100μL吸引させた。
【0120】
実験群は、(i)何の処理もしていない正常群(NC)、(ii)LPS+CSを処理した対照群(COPD)、(iii)LPS+CS処理の1時間前にP.ウェインマニフォリア
抽出物(実施例1−1で製造及び抽出したメタノール抽出物(総抽出物))を30mg/kg経口投与した実験群(P. weinmanifolia)に分けた。実験終了後、各群のマウスの血液、肺洗浄液及び肺組織を分離した。
【0121】
4−2.総粒子状物質の測定
タバコの煙凝縮物が捕集されたケンブリッジフィルターをシガレットホルダーから分離し、それぞれ100mLの三角フラスコに入れ、抽出溶媒イソプロパノールを50mLずつ加えてよく振とうした後、室温で8時間以上放置してタバコの煙凝縮物に含まれる物質を抽出した。抽出後ろ過し、減圧濾過濃縮器で濃縮し、3つの三角フラスコ中の濃縮液をシンチレーションバイアルに集め、窒素ガスを利用して完全に濃縮した。標準タバコ主流煙中のTPMの含量は、下記数式(2)を用いて計算した。
【0123】
上記数学式2において、TPMは、総粒子状粉塵物質、W
FHAは喫煙後フィルターホールダー(Filter holder)の重量、W
FHBは喫煙前のフィルターホールダーの重量、Nは1Trap当たり喫煙した本数(cig.)である。
【0124】
実施例5.気管支肺胞洗浄液内の炎症細胞生成数に対する抑制効果
ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物について、気管支肺胞洗浄液の分泌及び総細胞数を測定するために、マウスの気管支をACK溶液により37℃で5分間処理して赤血球を溶解させ、再度FBS−free/DMEM培養液で洗浄した後、0.04%のトリパンブルー(trypan blue)で染色した後、総細胞数を測定した。
【0125】
具体的には、血液採血後、解剖して肺胞洗浄液(BALF)から細胞を分離するために、FBS−free/DMEM培養液1mLを入れた注射器を気管支(trachea)に浸透させ、ひもで縛って固定した後、3回循環させて分離し、ACK(8.3gNH4Cl、1g KHCO3 in 1L脱塩水(demineralized water)+ 0.1mM EDTA)溶液により37℃で5分間処理して赤血球を溶解させ、再びFBS−free/DMEM培養液で洗浄した後、0.04%のトリパンブルーで染色した後、総細胞数を測定した。この時、試料としては、前記製造例1で得たメタノールの総抽出物を使用した。
【0126】
下記表5は、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物(Total)が、標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD動物モデルの気管支肺胞洗浄液内の総炎症細胞数中、好中球の生成に及ぼす影響を測定した結果である。
【0127】
NC:気道感作しない正常対照群;
COPD誘導:標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD誘導群;
P.Weinmannifolia抽出物処理後、COPD誘導:ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を投与した実験群。
【0129】
上記表5で確認できるように、標準タバコ抽出物で処理した動物モデルでは、好中球の数が急激に増加したのに対して、本発明のピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物で前処理した後、標準タバコ抽出物で処理した動物モデルでは、気管支肺胞洗浄液内の総炎症細胞数、及び炎症細胞中の好中球の数が減少することが確認された。特に、メタノール抽出物で前処理した場合、総炎症細胞数(70.6%、P<0.05)及び好中球の生成量(59.8%、P<0.05)が顕著に減少することが確認された。
【0130】
実施例6.気管支肺胞洗浄液内のCD4
+及びNeutrophils Gr−1
+細胞数に対する抑制効果
前記実施例5で分離したBAL細胞を、細胞数を5×10
5個に調整した後、4℃で免疫蛍光染色(immunogluorescence staining)を実施した。それぞれにPE−anti−CD4(553047、BD Pharmingen)及びPE−anti−Gr−1(553128、BD Pharmingen)を入れて、30分間氷中で反応させた。反応後、3回以上リン酸緩衝生理食塩水で水洗した後、フローサイトメーター(flow cytometer)のCell Questプログラム(643274、BD Pharmingen)を用いて、CD4
+及びGr−1
+ Neutrophil細胞の頻度をパーセント(%)で分析した後、総細胞数(total cells)を適用して、各組織における絶対総細胞数(absolute number)を算出した。
【0131】
下記表6は、COPD誘導動物モデルにおいて、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物が、気管支肺胞洗浄液内のCD4
+及びNeutrophils Gr−1
+細胞数に及ぼす影響を測定した結果である。
【0132】
NC:気道感作しない正常対照群;
COPD誘導:標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD誘導群;
P.Weinmannifolia抽出物処理後、COPD誘導:ピスタキアウェインマニフォリアのメタノール抽出物を投与した実験群。
【0134】
上記表6から確認できるように、COPD誘導群では、CD4
+及びNeutrophils Gr−1
+細胞数が、正常対照群に比べていずれも大幅に増加した。一方、薬物投与群であるP.Weinmannifolia 30mg/kg投与群では、COPD誘導群に比較してCD
+細胞数の増加が70.3%(P<0.05)、Neutrophil Gr−1
+細胞数の増加が86.7%(P<0.05)抑制された。
【0135】
実施例7.気管支肺胞洗浄液内のCXCL−1、TNF−α、MCP−2に対する抑制効果
マウスから分離したBALFにおいて、CXCL−1、TNF−α及びMCP−2レベルをELISA(enzyme-linked immuno-sorbent assay)で測定した。CXCL−1、TNF−α及びMCP−2のそれぞれの抗体をcoating緩衝溶液(291195、R&D System)で希釈し、microwellにcoatingした後、4℃でovernight放置した。各wellを3回washing緩衝溶液で洗浄した後、血清(10倍希釈)を100μLずつ分注した。1時間室温で放置した後、2回washing緩衝溶液で洗浄した後、antibody Avidin−HRP conjugeted(DY998、R&D System)100μLで処理し、1時間室温で放置した後、再び洗浄した。TMB基質を100μLずつ分注し、室温で30分間放置した後、50μLのstop溶液で処理した後、ELISA leader(Emax、Molecular Devices)にて450nmで吸光度を測定した。
【0136】
下記表7は、COPD誘導動物モデルにおいて、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物が、気管支肺胞洗浄液内のCXCL−1の生成に及ぼす影響を測定した結果である。
【0137】
NC:気道感作しない正常対照群;
COPD誘導:標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD誘導群;
P.Weinmannifolia抽出物処理後、COPD誘導:ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を投与した実験群。
【0139】
上記表7で確認できるように、COPD誘導群は、気管支肺胞洗浄液内のCSCL−1の生成が正常対照群に比べて著しく増加した。しかし、P.Weinmannifolia 30mg/kg投与群ではCOPD誘発群に比較してCXCL−1の生成が67.0%(P<0.05)抑制された。
【0140】
併せて、下記表8は、COPD誘導動物モデルにおいて、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物が、炎症因子であるTNF−aに及ぼす影響を測定した結果である。
【0141】
NC:気道感作しない正常対照群;
COPD誘導:標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD誘導群;
P.Weinmannifolia抽出物処理後、COPD誘導:ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を投与した実験群。
【0143】
上記表8で確認できるように、COPD誘導群では、気管支肺胞洗浄液内におけるTNF−αの生成が正常対照群に比べて著しく増加した。しかし、薬物投与群であるP.Weinmannifolia 30mg/kg投与群では、COPD誘発群に比較してTNF−αの生成が62.8%(P<0.05)抑制された。
【0144】
併せて、下記表9は、COPD誘導動物モデルにおいて、ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物が、気管支肺胞洗浄液内でのMCP−2の生成に及ぼす影響を観察した結果である。
【0145】
NC:気道感作しない正常対照群;
COPD誘導:標準タバコ抽出物で誘導されたCOPD誘導群;
P.Weinmannifolia抽出物処理後、COPD誘導:ピスタキア ウェインマニフォリアのメタノール抽出物を投与した実験群。
【0147】
上記表9で確認できるように、COPD誘導群では、気管支肺胞洗浄液内におけるTMCP−2の生成が、正常対照群に比べて著しく増加した。しかし、薬物投与群のP.Weinmannifolia 30mg/kg投与群では、COPD誘発群に比較してMCP−2の生成が62.8%(P<0.05)抑制された。
【0148】
また、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物は、COPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の予防または治療用効果を誘導する濃度で、ほぼ細胞毒性がないことが確認された。これは、本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物が人体に副作用を誘発することなく、慢性閉塞性肺疾患の治療に有用な天然物質であることを確認したものであり、COPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患の予防、改善または治療用薬学的組成物、食品組成物及び機能性飼料などに、安全に使用できることを示している。
【0149】
上記結果を総合すると、本発明に係るピスタキア ウェインマニフォリア抽出物が、高いCOPD及び慢性閉塞性気管支炎、慢性細気管支炎、肺気腫、多発性硬化症、急性及び慢性肺疾患に対する抑制活性を有することを確認した。
【0150】
下記には、本発明の組成物による製剤例を例示する。
【0151】
製剤例1.薬学的製剤の製造
本発明のピスタキア ウェインマニフォリア抽出物または分画物を含む薬学的製剤は、次のように常法により製造した。
【0152】
※散剤の製造
− 上記の実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物2gまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.002〜2g(0.01〜10重量%)
− 乳糖 1g
【0153】
上記成分を混合し、気密包に充填して散剤を製造した。
【0154】
※錠剤の製造
− 上記の実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物100mgまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.1〜100mg(0.01〜10重量%)
− トウモロコシ澱粉 100mg
− 乳糖 10mg
− ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0155】
上記成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法により打錠して錠剤を製造した。
【0156】
※カプセル剤の製造
− 上記の実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物100mgまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.1〜100mg(0.01〜10重量%)
− トウモロコシ澱粉 100mg
− 乳糖 100mg
− ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0157】
上記成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法により、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0158】
※丸剤の製造
− 上記の実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物1gまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.1〜100mg(0.01〜10重量%)
− 乳糖 1.5g
− グリセリン 1g
− キシリトール 0.5g
【0159】
上記成分を混合した後、常法により1丸当り4gとなるように製造した。
【0160】
※顆粒の製造
− 上記の実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物150mgまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.1〜100mg(0.01〜10重量%)
− 大豆抽出物 50mg
− ブドウ糖 200mg
− 澱粉 600mg
【0161】
上記成分を混合した後、30%のエタノール100mgを添加し、60℃で乾燥して顆粒を形成した後、包に充填した。
【0162】
製剤例2.食品組成物または食品の製造
2−1.小麦粉食品の製造
前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物0.5〜5.0重量%、または化合物をピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.01〜10重量%を小麦粉に添加し、この混合物を利用して、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー及び麺類を製造し、慢性閉塞性肺疾患の予防または改善用食品を製造した。
【0163】
2−2.乳製品(dairy products)の製造
前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物5〜10.0重量%、または化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.01〜10重量%を牛乳に添加し、上記のミルクを使用し、バター、アイスクリームのような様々な乳製品を製造した。
【0164】
2−3.禅食の製造
玄米、大麦、もち米、鳩麦を公知の方法でアルファ化させて乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末を製造した。黒豆、黒ごま、えごまも公知の方法で蒸して乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末を製造した。前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれから分離した化合物の溶液を真空濃縮機で減圧濃縮し、噴霧し、熱風乾燥機で乾燥して得た乾燥物を、粉砕機で粒度60メッシュに粉砕して乾燥粉末を得た。
【0165】
上記で製造した穀物類、種実類及びピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、その分画物またはこれらから分離した化合物の乾燥粉末を、次の割合で配合して製造した。
【0166】
穀物類(玄米30重量%、ハトムギ15重量%、大麦20重量%)
種実類(えごま7重量%、黒豆8重量%、黒ごま7重量%)
【0167】
ピスタキア ウェインマニフォリア抽出物または分画物の乾燥粉末(3重量%)または化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)(1重量%)
【0168】
霊芝(0.5重量%)
地黄(0.5重量%)
【0169】
製剤例3.飲料の製造
3−1.健康飲料の製造
【0170】
前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物1000mgまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)1〜1000mg(0.01〜10重量%)
【0171】
クエン酸 1000mg
オリゴ糖 100g
梅濃縮液 2g
タウリン 1g
精製水を加えて全量900mL
【0172】
通常の健康飲料の製造方法に応じて、上記成分を混合した後、85℃で約1時間攪拌し、加熱した後、作られた溶液を濾過して滅菌された2L容器に取得して密封滅菌した後、冷蔵保管して、本発明の健康飲料組成物の製造に使用する。
【0173】
上記組成比は、比較的嗜好飲料に適した成分を好ましい実施例で混合した組成比としたが、需要層、需要国、使用用途など地域的、民族的嗜好度に応じて、その配合比を任意に変更して実施してもよい。
【0174】
3−2.野菜ジュースの製造
前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物5gまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.05〜5gを、トマトまたはにんじんジュース1,000mLに加えて、健康増進用野菜ジュースを製造した。
【0175】
3−3.フルーツジュースの製造
前記実施例1−1、1−2及び1−3でそれぞれ製造したピスタキア ウェインマニフォリア抽出物、分画物1gまたは化合物ピスタカルコン(PW12)もしくはピスタカルコンB(PW13)0.01〜1gを、リンゴまたはブドウジュース1,000mLに加えて、健康増進用フルーツジュースを製造した。
【0176】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形で実施され得ることを理解するであろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的なものではないものとして理解されなければならない。本発明の範囲については、上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。