特許第6362799号(P6362799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6362799
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】マウス型リハビリトレーニング装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/12 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   A63B23/12
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-565126(P2017-565126)
(86)(22)【出願日】2015年6月16日
(86)【国際出願番号】KR2015006071
(87)【国際公開番号】WO2016204319
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0084136
(32)【優先日】2015年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516335706
【氏名又は名称】ネオフェクト シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】NEOFECT Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】バン、ホヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヨングン
(72)【発明者】
【氏名】リー、スービン
(72)【発明者】
【氏名】ユー、キョンファン
(72)【発明者】
【氏名】ロ、ソンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホヨン
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5451936(JP,B1)
【文献】 特開2007−185325(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0288560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/00− 5/00
A61H 99/00
A63B 23/12−23/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手が載置されるマウス本体と、
前記マウス本体を移動させるホイールと、
前記マウス本体が所望の方向に移動するように前記ホイールの位置を整列する第1モータと、
前記第1モータにより整列された前記ホイールが所望の位置に移動するように前記ホイールを回転させる第2モータと、
前記第2モータと前記ホイールとの間に設けられ、前記第2モータから前記ホイールに伝達される動力を断続するクラッチと、
前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御する制御部とを含むことを特徴とするマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1モータにより前記ホイールの方向を整列し、設定されたパターンに応じて使用者が前記マウス本体を自力で所望の位置に移動させる第1運転モードと、前記第1モータにより前記ホイールの方向を整列し、設定されたパターンに応じて前記第2モータの回転により前記マウス本体を所望の位置に移動させる第2運転モードのうち何れか1つの運転モードで前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項3】
前記第1運転モードで前記クラッチは前記ホイールと前記第2モータを連結解除し、前記第2運転モードで前記クラッチは前記ホイールと前記第2モータを連結することを特徴とする請求項2に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項4】
前記第1運転モード中に前記マウス本体が定められた時間の間に設定されたパターンの所望の位置に移動しない場合、前記制御部は、前記マウス本体を前記第2運転モードで運転するように制御することを特徴とする請求項2に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項5】
前記マウス本体にローリング可能に設けられ、前記マウス本体の水平を維持し、自由自在に方向転換が可能な複数のキャスタを含むことを特徴とする請求項1に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項6】
前記第1モータの軸に結合されて回転する駆動ギアと、
前記駆動ギアと噛み合って回転する縦動ギアと、
前記縦動ギアに支持され、前記マウス本体に回転自在に設けられ、前記クラッチを挟んで一側に前記第2モータが支持され、他側に前記ホイールがローリング可能に支持され、前記縦動ギアの回転により回転する回転ブラケットとを含むことを特徴とする請求項1に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項7】
前記ホイールと前記クラッチを挟んで第2モータと対向するように前記回転ブラケットに支持され、前記回転ブラケットに作用する重心を維持するウェイトを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項8】
前記マウス本体から突出し、使用者の手が把持されるハンドルを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項9】
前記ハンドルは、前記マウス本体に旋回可能に設けられることを特徴とする請求項8に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記ハンドルの操作信号に基づいて前記ハンドルの指示方向に前記マウス本体が移動するように前記第1モータを駆動して前記ホイールの位置を整列させ、前記第2モータと前記ホイールを前記クラッチで選択的に連結して前記ホイールが回転するように制御することを特徴とする請求項9に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ハンドルの操作信号に基づいて前記ハンドルの指示反対方向に前記マウス本体が移動するように前記第1モータを駆動して前記ホイールの位置を整列させ、前記第2モータと前記ホイールを前記クラッチで連結して前記ホイールが回転するように制御することを特徴とする請求項9に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項12】
前記マウス本体に設けられ、印刷物に印刷された印刷パターンに対する座標データを認識するパターン認識部を更に含み、
前記制御部は、前記パターン認識部により認識された印刷パターンに対する座標データに基づいて前記マウス本体が移動するように前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。
【請求項13】
前記パターン認識部は、光学認識センサ又はフォトセンサであることを特徴とする請求項12に記載のマウス型リハビリトレーニング装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウス型リハビリトレーニング装置に関し、より詳細には、手首及び肩の関節部位をリハビリトレーニングできるマウス型リハビリトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体の各関節部位は、関節部位と隣接する部位が関節部位を基準にして回転自在な構造を有する。
【0003】
一方、お年寄りや筋力の弱いリハビリ患者は健常者と比べて関節運動が困難であり、実質的に運動が必要であるにも拘わらず、一般の運動器具では運動することが現実的に難しい状況である。
【0004】
特に、手首及び肩のような関節部位を手術した患者の場合は、自ら運動することが不可能であるので、筋肉が弱くなり、円滑な栄養の供給がなされず、手首及び肩の関節部位が硬直し、硬くなる恐れがある。
【0005】
従って、関節の変形を防止し、正常な活動に復帰するためには長時間の痛みを伴うリハビリ運動を行わなければならない。
【0006】
一方、従来のリハビリトレーニング装置は、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を拘束して無理な運動をしないようにする程度の機能を有するものが大部分であった。
【0007】
そのため、近年はアクチュエータにより関節角度を変化させるように構成するリハビリトレーニング装置の研究が進められている。
【0008】
従って、本出願人は、使用者が手を載置した状態で手首及び肩の関節部位をリハビリトレーニングできるマウス型リハビリトレーニング装置を開発するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、コンパクトな装置が実現でき、手が載置されるマウス本体を使用者の特性に応じて多様なパターンで移動させて使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うマウス型リハビリトレーニング装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、使用者が微細な筋力を使用してマウス本体を所望の方向に移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うマウス型リハビリトレーニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題を解決するために、本発明のマウス型リハビリトレーニング装置は、手が載置されるマウス本体と、前記マウス本体を移動させるホイールと、前記マウス本体が所望の方向に移動するように前記ホイールの位置を整列する第1モータと、前記第1モータにより整列された前記ホイールが所望の位置に移動するように前記ホイールを回転させる第2モータと、前記第2モータと前記ホイールとの間に設けられ、前記第2モータから前記ホイールに伝達される動力を断続するクラッチと、前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記制御部は、前記第1モータにより前記ホイールの方向を整列し、設定されたパターンに応じて使用者が前記マウス本体を自力で所望の位置に移動させる第1運転モードと、前記第1モータにより前記ホイールの方向を整列し、設定されたパターンに応じて前記第2モータの回転により前記マウス本体を所望の位置に移動させる第2運転モードのうち何れか1つの運転モードで前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御できる。
【0013】
前記第1運転モードで前記クラッチは前記ホイールと前記第2モータを連結解除し、前記第2運転モードで前記クラッチは前記ホイールと前記第2モータを連結できる。
【0014】
前記第1運転モード中に前記マウス本体が定められた時間に設定されたパターンの所望の位置に移動しない場合、前記制御部は、前記マウス本体を前記第2運転モードで運転するように制御できる。
【0015】
前記マウス本体にローリング可能に設けられ、前記マウス本体の水平を維持し、自由自在に方向転換が可能な複数のキャスタを含むことができる。
【0016】
前記第1モータの軸に結合されて回転する駆動ギアと、前記駆動ギアと噛み合って回転する縦動ギアと、前記縦動ギアに支持され、前記マウス本体に回転自在に設けられ、前記クラッチを挟んで一側に前記第2モータが支持され、他側に前記ホイールがローリング可能に支持され、前記縦動ギアの回転により回転する回転ブラケットとを含むことができる。
【0017】
前記ホイールと前記クラッチを挟んで第2モータと対向するように前記回転ブラケットに支持され、前記回転ブラケットに作用する重心を維持するウェイトを更に含むことができる。
【0018】
前記マウス本体から突出し、使用者の手が把持されるハンドルを更に含むことができる。
【0019】
前記ハンドルは、前記マウス本体に旋回可能に設けられることができる。
【0020】
前記制御部は、前記ハンドルの操作信号に基づいて前記ハンドルの指示方向に前記マウス本体が移動するように前記第1モータを駆動して前記ホイールの位置を整列させ、前記第2モータと前記ホイールを前記クラッチで選択的に連結して前記ホイールが回転するように制御できる。
【0021】
また、前記制御部は、他の実施形態として、前記ハンドルの操作信号に基づいて前記ハンドルの指示反対方向に前記マウス本体が移動するように前記第1モータを駆動して前記ホイールの位置を整列させ、前記第2モータと前記ホイールを前記クラッチで連結して前記ホイールが回転するように制御できる。
【0022】
前記制御部は、また他の実施形態として、前記ハンドルの操作信号に基づいて前記第1モータを駆動して前記ハンドルの指示方向に前記ホイールの位置を整列させ、前記第2モータと前記ホイールを前記クラッチで連結して前記ハンドルの指示反対方向に前記マウス本体が移動するように前記ホイールを回転するように制御できる。
【0023】
前記マウス本体に設けられ、印刷物に印刷された印刷パターンに対する座標データを認識するパターン認識部を更に含み、前記制御部は、前記パターン認識部により認識された印刷パターンに対する座標データに基づいて前記マウス本体が移動するように前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御できる。
【0024】
前記パターン認識部は、光学認識センサ又はフォトセンサであり得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ホイールを第1モータで位置合わせし、第2モータで回転させてマウス本体を移動させることによって、コンパクトな装置が実現でき、使用者の特性に応じて多様なパターンで関節運動を行うだけでなく、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うという効果を奏する
【0026】
また、ジョイスティック形態のハンドルを設けることによって、使用者が微細な筋力を使用してマウス本体を所望の方向に移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行う。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置の斜視図である。
図2図1の底面斜視図である。
図3図1の上部フレームとハンドルが除去された状態の斜視図である。
図4図3の正面図である。
図5図3の左側面図である。
図6図3の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0029】
図1乃至図6には、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置が示されている。
【0030】
これらの図面に示されているように、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、マウス本体11、ホイール25、第1モータ31、第2モータ41、クラッチ45、制御部81を含む。
【0031】
マウス本体11は3段のフレームからなり、各フレームは間隔をおいて積層される構造を有する。マウス本体11は、マウス本体11の上部をなし使用者の手が載置される上部フレーム13と、マウス本体11の下部をなす下部フレーム17と、上部フレーム13と下部フレーム17との間に設けられる中間フレーム21とを含む。中間フレーム21には、ハンドル85が装着されるハンドル装着孔23が形成されている。このようなマウス本体11の内部には、第1モータ31、第2モータ41、クラッチ45、制御部81が収納される。
【0032】
ホイール25はマウス本体11の下部の中央に配置され、マウス本体11を移動させる。ホイール25の一領域は下部フレーム17から突出するように後述するホイール軸27に結合されている。
【0033】
第1モータ31は中間フレーム21に設けられ、マウス本体11が所望の方向に移動するようにホイール25の位置を整列する役割を果たす。第1モータ31は、中間フレーム21の上部に配置された支持ブラケット35により支持されている。
【0034】
第2モータ41は中間フレーム21に設けられ、第1モータ31により整列されたホイール25が所望の位置に移動するようにホイール25を回転させる役割を果たす。第2モータ41は、中間フレーム21の下部に配置される後述する回転ブラケット61により支持されている。
【0035】
クラッチ45は、第2モータ41とホイール25との間に設けられ、クラッチ45の一側は第2モータ41の軸43に連結され、クラッチ45の他側はホイール軸27に連結され、第2モータ41からホイール25に伝達される動力を断続、例えば、第2モータ41の回転力をホイール25に伝達及び伝達解除する。ここで、クラッチ45は、電子クラッチ、摩擦クラッチ、流体クラッチなどが適用されることができる。
【0036】
一方、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、第1モータ31及び第2モータ41からホイール25に動力を伝達する動力伝達部として駆動ギア51と、縦動ギア55と、回転ブラケット61とを含む。
【0037】
駆動ギア51は、第1モータ31の軸33に結合され、第1モータ31の駆動により回転する。
【0038】
縦動ギア55は駆動ギア51と噛み合って回転し、縦動ギア55の内側に嵌合された連結ブッシュ57により回転ブラケット61に連結される。また、縦動ギア55の外側には軸受59が設けられ、縦動ギア55は軸受59により中間フレーム21に回転自在に支持される。これにより、縦動ギア55が回転するのに伴い回転ブラケット61も回転するようになる。
【0039】
本実施形態では、駆動ギア51と縦動ギア55が互いに直角をなし、噛み合って回転するベベルギアの形態を有する。
【0040】
回転ブラケット61は、連結ブッシュ57により縦動ギア55に支持され、互いに間隔をおいて配置される第1支持板63、第2支持板65、第1支持板63と第2支持板65とを互いに連結する連結板67を含む。
【0041】
第1支持板63には第2モータ41が支持され、第2支持板65にはホイール軸27が回転自在に支持され、連結板67には連結ブッシュ57が支持される。
【0042】
これにより、縦動ギア55の回転に伴い回転ブラケット61は360°の角度で回転自在になる。
【0043】
一方、第1支持板63と第2支持板65との間には、クラッチ45とホイール25が配置される。
【0044】
クラッチ45の一側は第2モータ41の軸43に連結され、他側はホイール軸27に連結される。ホイール25は、クラッチ45と第2支持板65との間に位置し、ホイール軸27に結合される。
【0045】
また、回転ブラケット61の第2支持板65には、回転ブラケット61に作用する重心を維持するウェイト71が設けられる。ウェイト71は、ホイール25とクラッチ45を挟んで第2モータ41と対向するように回転ブラケット61の第2支持板65に支持される。
【0046】
これにより、回転ブラケット61がホイール25を中心に回転するとき、第2モータ41の反対側に位置するウェイト71が重さバランスを取るのに伴い第2モータ41の重さにより回転ブラケット61が一方に偏る現象を防止するようになり、マウス本体11がバランスを崩さず、安定して移動できるようになる。
【0047】
一方、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、マウス本体11の水平を維持し、自由自在に方向転換が可能な複数のキャスタ75を含む。
【0048】
複数のキャスタ75は、マウス本体11の下部フレーム17に等間隔をなして配置され、下部フレーム17にローリング可能に突出している。本実施形態では、4つのキャスタ75が設けられると示されているが、これに限定されず、キャスタ75は一対以上設けられることができる。
【0049】
本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10の制御部81は、回路基板の形態でマウス本体11の中間フレーム21に設けられ、第1モータ31、第2モータ41及びクラッチ45の駆動を制御する。
【0050】
制御部81は、マウス本体11が第1運転モード、又は第2運転モードのうち何れか1つの運転モードで運転されるように制御する。
【0051】
第1運転モードとは、第1モータ31によりホイール25の方向を整列し、設定されたパターンに応じて使用者がマウス本体11を自力で所望の位置に移動させる一種のアクティブ(active)運転モードをいう。
【0052】
即ち、制御選択ボタン89により第1運転モードが選択されると、制御部81は第1モータ31に制御信号を送信し第1モータ31を駆動させ、第2モータ41とホイール25が連結されないようにクラッチ45を断続する。第1モータ31が駆動するのに伴い駆動ギア51は回転し、駆動ギア51と噛み合った縦動ギア55が回転して回転ブラケット61が回転し、これによりホイール25の方向が整列される。そして、ホイール25の方向が整列されると、使用者がマウス本体11を自力で所望の位置に移動させることによって、リハビリ運動を行うようになる。
【0053】
従って、第1運転モードの場合、マウス本体11の移動方向は、第1モータ31により誘導されるが、マウス本体11を所望の位置に移動させることは使用者が自ら制御しなければならない。
【0054】
第2運転モードとは、第1モータ31によりホイール25の方向が整列された状態で設定されたパターンに応じて第2モータ41の回転によりマウス本体11を所望の位置に移動させる一種のパッシブ(passive)運転モードをいう。
【0055】
即ち、制御選択ボタン89により第2運転モードが選択されると、制御部81は第1モータ31に制御信号を送信し第1モータ31を駆動させ、第2モータ41とホイール25が連結されないようにクラッチ45を断続する。第1モータ31が駆動するのに伴い駆動ギア51は回転し、駆動ギア51と噛み合った縦動ギア55が回転して回転ブラケット61が回転し、これによりホイール25の方向が整列される。そして、ホイール25の方向が整列されると、制御部81はクラッチ45に制御信号を送信し第2モータ41とホイール25が連結されるようにクラッチ45を断続し、また第2モータ41に制御信号を送信し第2モータ41を駆動させて、第2モータ41の回転力をクラッチ45を介してホイール25に伝達してホイール25を回転させる。
【0056】
従って、第2運転モードの場合、マウス本体11の移動方向は第1モータ31により誘導されるが、マウス本体11の移動は第2モータ41により行われるので、使用者は自分の意思に関係なくマウス本体11に手を載置した状態でプログラムに設定されたパターンに応じてリハビリ運動を行うようになる。
【0057】
一方、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、第1運転モード中にマウス本体11が定められた時間の間にプログラムに設定されたパターンの所望の位置に移動しない場合、制御部81がマウス本体11を第2運転モードで運転するように制御できる。
【0058】
即ち、使用者が自らマウス本体11を所望の位置に移動させる途中に、マウス本体11が定められた時間の間にプログラムに設定されたパターンの所望の位置に移動しないと制御部81が判断すると、制御部81はクラッチ45に制御信号を送信し第2モータ41とホイール25が連結されるようにクラッチ45を断続し、また第2モータ41に制御信号を送信し第2モータ41を駆動させて、第2モータ41の回転力をクラッチ45を介してホイール25に伝達してホイール25を回転させることによって、使用者は自分の意思に関係なくマウス本体11に手を載置した状態でプログラムに設定されたパターンに応じてリハビリ運動を行うようになる。
【0059】
ここで、本実施形態では、制御部81がマウス本体11の中間フレーム21に設けられると示されているが、これに限定されず、制御部81は上部フレーム13又は下部フレーム17に設けられることもできる。
【0060】
また、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、使用者の手が把持されるハンドル85を更に含む。
【0061】
ハンドル85は棒状を有し、マウス本体11の上部フレーム13から上方へ突出される。ハンドル85は、ジョイスティックのようにマウス本体11に旋回可能に設けられ、マウス本体11の移動方向を指示する。
【0062】
マウス本体11のハンドル装着孔23の周辺には、ハンドル85の前、後、左、右の動きに対応して複数の弾性部材87として板バネが配置されており、これにより使用者がハンドル85を一側に旋回させた後に把持解除すると、ハンドル85は弾性部材87の弾性力により旋回される前の状態に復元する。
【0063】
制御部81は、ハンドル85の操作信号に基づいてハンドル85の指示方向にマウス本体11が移動するように第1モータ31に制御信号を送信し、第1モータ31を駆動してホイール25の位置を整列させる。そして、ホイール25の方向が整列されると、制御部81はクラッチ45に制御信号を送信し第2モータ41とホイール25が選択的に連結されるようにクラッチ45を断続し、第2モータ41に制御信号を送信し第2モータ41を駆動させてホイール25を回転させる。
【0064】
これにより、使用者は第1運転モード又は第2運転モードのうち何れか1つの運転モードでリハビリ運動を行う。
【0065】
また、制御部81は、マウス本体11が第3運転モードで運転されるように制御できる。
【0066】
第3運転モードとは、ハンドル85の操作信号に基づいてハンドル85の指示反対方向にマウス本体11を移動させる一種の抵抗(resistant)運転モードをいう。
【0067】
第3運転モードは、ハンドル85の操作信号に基づいてハンドル85の指示反対方向にマウス本体11が移動するように第1モータ31を駆動してホイール25の位置を整列させ、第2モータ41とホイール25をクラッチ45で連結してホイール25を回転させる。
【0068】
これにより、制御選択ボタン89により第3運転モードが選択されると、制御部81は、ハンドル85の指示反対方向にマウス本体11が移動するように第1モータ31に制御信号を送信し第1モータ31を駆動してホイール25の位置を整列させる。次に、制御部81はクラッチ45に制御信号を送信し第2モータ41とホイール25が連結されるようにクラッチ45を断続し、また第2モータ41に制御信号を送信し第2モータ41を駆動させて、第2モータ41の回転力をクラッチ45を介してホイール25に伝達してハンドル85の指示反対方向にマウス本体11が移動するようにホイール25を回転させる。
【0069】
これにより、使用者は、第3運転モードでマウス本体11がハンドル85の指示反対方向に移動せず、ハンドル85の指示方向に移動するように力を加えるのに伴い、使用者の筋力を増大させ、リハビリトレーニングを行う。
【0070】
一方、制御部81は、第3運転モードの他の実施形態として、ハンドル85の操作信号に基づいて第1モータ31を駆動してハンドル85の指示方向にホイール25の位置を整列させ、第2モータ41とホイール25をクラッチ45で連結してハンドル85の指示反対方向にマウス本体11が移動するようにホイール25を回転するように制御できる。
【0071】
ここで、ハンドル85はマウス本体11のハンドル装着孔23に旋回しないように設けられ、使用者がマウス本体11に手を載置すると同時にハンドル85を把持することによって、手を安定してマウス本体11に載置し、リハビリ運動を行うこともできる。
【0072】
また、本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、パターン認識部91を更に含む。
【0073】
パターン認識部91は、マウス本体11の下部フレーム17の底部面に設けられ、マウスパッドとしての役割を果たすセンシングシート(図示せず)のような印刷物に予め印刷された印刷パターンに対する座標データを認識する。パターン認識部は、センシングシートなどのような印刷物に表示された印刷パターンを認識する光学認識センサ(Optical Identification Sensor、OIDセンサ)又はフォトセンサを用いて設けられることができる。以下、パターン認識部として光学認識センサを適用した場合について説明する。
【0074】
本発明の一実施形態に係るマウス型リハビリトレーニング装置10は、パターン認識部として第1光学認識センサ91と第2光学認識センサ93が設けられ、各光学認識センサ91、93はマウス本体11の下部フレーム17の底部面に離間して配置される。
【0075】
従って、印刷物に印刷された印刷パターンの一例として、円形、楕円形、螺旋形、多角形のうち何れか1つの形状に対する座標データを第1光学認識センサ91と第2光学認識センサ93を介して認識し、各光学認識センサ91、93は、認識された座標データを制御部81に転送する。一方、第1光学認識センサ91と第2光学認識センサ93を離間して配置することによって、制御部81はマウス本体11の移動方向と現在の位置を認識できる。
【0076】
一方、マウス本体11が前述した第1運転モード又は第2運転モードによっては移動せず、印刷物に印刷されたパターンに応じて移動するように制御選択ボタン89を操作すると、第1光学認識センサ91と第2光学認識センサ93が印刷物に印刷された印刷パターンに対する座標データを認識し、認識した印刷パターンに対する座標データを制御部81に転送する。これにより、制御部81は、第1光学認識センサ91と第2光学認識センサ93から転送された印刷パターンに対する座標データに基づいてマウス本体11が移動するように、第1モータ31、第2モータ41及びクラッチ45の駆動を制御し、使用者は自分の意思に関係なくマウス本体11に手を載置した状態で印刷物に印刷されたパターンに応じてリハビリ運動を行う。
【0077】
このように、本発明によれば、ホイールを第1モータで位置合わせし、第2モータで回転させてマウス本体を移動させることによって、コンパクトな装置が実現でき、使用者の特性に応じて多様なパターンで関節運動を行うことができるだけでなく、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0078】
また、ジョイスティック形態のハンドルを設けることによって、使用者が微細な筋力を利用してマウス本体を所望の方向に移動させて使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うことができる。
【要約】
【課題】本発明はマウス型リハビリトレーニング装置に関する。
【解決手段】手が載置されるマウス本体と、前記マウス本体を移動させるホイールと、前記マウス本体が所望の方向に移動するように前記ホイールの位置を整列する第1モータと、前記第1モータにより整列された前記ホイールが所望の位置に移動するように前記ホイールを回転させる第2モータと、前記第2モータと前記ホイールとの間に設けられ、前記第2モータから前記ホイールに伝達される動力を断続するクラッチと、前記第1モータ、前記第2モータ及び前記クラッチの駆動を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6