【実施例】
【0045】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表3〜表5に示す配合量は質量部を表す。
(増粘剤1〜12の合成)
オートクレーブにグリセリンとNaOHを仕込み、さらにエチレンオキサイドを表1に示す反応モル比で加え、150℃で規定時間付加反応して、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを得た。
【0046】
増粘剤7は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを表1に示す反応モル比で加え(PO1モル、EO7モル)、それ以外は上記と同様の条件で付加反応を行い、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルを得た。
【0047】
温度計、窒素導入管、撹拌機を備えた四つ口フラスコに、前記において得られたポリオキシエチレングリセリルエーテル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルと表1に示す脂肪酸を入れ、必要に応じてアルカリ触媒を加え、200℃にて規定時間反応を行い、酸価10以下になるまで反応を行って、表1に示す増粘剤1〜12を得た。
【0048】
増粘剤1〜11はいずれも室温(25℃)で液状であり、増粘剤12は固体であった。
【0049】
増粘剤1〜12におけるグリセリンへのエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の付加モル、増粘剤1〜12の酸価とけん化価を表1に示す。また使用した脂肪酸の中和価(NV)と分子量(MW)を表2に示す。
【0050】
なお、表1及び表2において、けん化価(SV)は基準油脂分析試験法2.3.2−1996に従って試料1g中の遊離酸の中和及びエステルのけん化に要する水酸化カリウムのmg量で測定した。酸価(AV)は基準油脂分析試験法2.3.1−1996に従って試料1g中に含有する遊離酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg量で測定した。中和価(NV)は基準油脂分析試験法3.3.1−1996に従って脂肪酸1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg量で測定した。分子量(MV)は上記の測定値から平均分子量を算出した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
前記において得られた増粘剤1〜12を用いて次の評価を行った。
【0054】
表3及び表4に示す配合量で各成分を配合し、洗浄剤組成物を調製した。
【0055】
表3では、界面活性剤としてアニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ミヨシ油脂(株)「スパミンSA」)及び両性界面活性剤(ラウラミドプロピルベタイン、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスLB−2」)、カチオン化ポリマー(カチオン化セルロース、東邦化学工業(株)「カチナールHC−200」)、増粘剤として増粘剤1〜12、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、又はポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル(PEG脂肪酸モノエステル)、及び水を配合し、pH6に調整した。
【0056】
表4では、界面活性剤としてアニオン界面活性剤(カリウム石鹸、ミヨシ油脂(株)「コスメチックソープKS−100」)及び両性界面活性剤(ラウラミドプロピルベタイン、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスLB−2」)、増粘剤として増粘剤1〜12、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、又はポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル(PEG脂肪酸モノエステル)、及び水を配合し、pH9.5に調整した。
【0057】
[外観]
上記の各成分を配合し、均一に撹拌した後、溶液状態を目視にて次の基準で評価した。
評価基準
○:透明
×:白濁
【0058】
[粘度]
洗浄剤組成物の25℃での粘度(mPa・s)を測定した。粘度の測定条件は次の通りである。
使用粘度計:B型粘度計(東機産業社製)
ローターNo.2
ローター回転数:12rpm
【0059】
[泡立ち]
洗浄剤組成物の起泡性及び泡の安定性について次の方法で評価を行った。JIS K−3362−6.5(ロスマイルス法)に準拠し、洗浄剤組成物の濃度0.1%(有効分)、液温40℃で測定を行い、起泡直後と5分後のそれぞれの値を測定した(mm)。
【0060】
評価結果を表3及び表4に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
[加水分解安定性]
増粘剤1〜12、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、又はポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、及び水を表5に示す量で配合し、均一に撹拌して試料を調製した。試料の調製時とその1ヶ月後のそれぞれの酸価を測定した。
【0064】
評価結果を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
表3〜表5より、増粘剤1〜7を用いた洗浄剤組成物は、外観が透明で、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0067】
前記の増粘剤を用いた洗浄剤組成物の好適な処方例を次に示す。
洗浄剤組成物の原料には下記原料を使用した。
アニオン界面活性剤1
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ミヨシ油脂(株)
「スパミンSA」
アニオン界面活性剤2
カリウム石鹸、ミヨシ油脂(株)「コスメチックソープKS−100」
アニオン界面活性剤3
ココイルメチルタウリンNa、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスAM−1」
アニオン界面活性剤4
ラウレススルホコハク酸Na、東邦化学工業(株)「コハクールL−300」
アニオン界面活性剤5
ラウレスカルボン酸Na、ライオン(株)「エナジコールEC−30」
アニオン界面活性剤6
ヤシ油脂肪酸カリウム、ミヨシ油脂(株)「コスメチックソープDCK−4N」
両性界面活性剤1
ラウラミドプロピルベタイン、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスLB−2」
両性界面活性剤2
コカミドプロピルベタイン、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスCB−1」
両性界面活性剤3
ラウリルヒドロキシスルタイン、ミヨシ油脂(株)「アンホレックスLSB」
両性界面活性剤4
ココアンホ酢酸Na、ミヨシ油脂(株)「アンホレックス30S」
ノニオン界面活性剤
ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、ミヨシ油脂(株)「Mファインオイル
COG−7M」
カチオン化ポリマー
カチオン化セルロース、東邦化学工業(株)「カチナールHC−200」
保湿剤
グリセリン、ミヨシ油脂(株)「化粧用濃グリセリン」
パール化剤
ジステアリン酸グリコール、ミヨシ油脂(株)「パルナーSEG−A」
【0068】
以下、処方中の原料は質量部(有効分)で表す。
【0069】
(処方例1:シャンプー)
アニオン界面活性剤1 10質量部
両性界面活性剤1 4質量部
両性界面活性剤3 2質量部
ノニオン界面活性剤 3質量部
カチオン化ポリマー 0.3質量部
増粘剤1 3質量部
水 残余(全量100質量部)
【0070】
上記の各成分を配合し、pH6の洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。
このシャンプーは、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0071】
(処方例2:シャンプー)
アニオン界面活性剤5 15質量部
両性界面活性剤1 5質量部
パール化剤 1質量部
両性界面活性剤4 2質量部
カチオン化ポリマー 0.5質量部
増粘剤3 5質量部
水 残余(全量100質量部)
【0072】
上記の各成分を配合し、pH6の洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。
このシャンプーは、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0073】
(処方例3:コンディショニングシャンプー)
アニオン界面活性剤4 15質量部
両性界面活性剤3 5質量部
カチオン化ポリマー 0.3質量部
ノニオン界面活性剤 3質量部
増粘剤4 3質量部
水 残余(全量100質量部)
【0074】
上記の各成分を配合し、pH6の洗浄剤組成物(コンディショニングシャンプー)を調製した。
このコンディショニングシャンプーは、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0075】
(処方例4:ボディシャンプー)
アニオン界面活性剤2 15質量部
両性界面活性剤1 5質量部
保湿剤 5質量部
増粘剤3 3質量部
水 残余(全量100質量部)
【0076】
上記の各成分を配合し、pH9.5の洗浄剤組成物(ボディシャンプー)を調製した。
このボディシャンプーは、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0077】
(処方例5:ハンドソープ)
アニオン界面活性剤6 10質量部
両性界面活性剤3 3質量部
両性界面活性剤2 2質量部
保湿剤 3質量部
増粘剤5 3質量部
水 残余(全量100質量部)
【0078】
上記の各成分を配合し、pH9.5の洗浄剤組成物(ハンドソープ)を調製した。
このハンドソープは、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。
【0079】
(処方例6:洗顔料)
アニオン界面活性剤3 10質量部
両性界面活性剤3 3質量部
両性界面活性剤4 2質量部
増粘剤2 2質量部
水 残余(全量100質量部)
【0080】
上記の各成分を配合し、pH6の洗浄剤組成物(洗顔料)を調製した。
この洗顔料は、増粘性と泡立ちが良好で、更に増粘剤の加水分解性が低く安定性も良好であった。また製造時には、増粘剤は室温液状でハンドリングが容易であり、不快な臭気もなかった。