【実施例】
【0087】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0088】
<原料化合物及び溶媒>
原料化合物及び溶媒を以下の手法により準備した。
【0089】
(1)溶媒精製方法
モレキュラーシーブス3A (Nacalai tesque、円筒状、Φ1.6mm)を、減圧下300 ℃で4時間乾燥することで活性化した。室温まで冷却し、真空・Arガスライン操作によりアルゴン雰囲気に置換した。すばやくセプタムで蓋をし、グローブボックス(Arガス)内に移した。
【0090】
DMF
シュレンクチューブにDMF (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated)を50 mL入れ、超音波をかけながら、真空・アルゴンラインを用いて減圧、アルゴン置換を3回行った。グローブボックス(Arガス)に移した。
【0091】
グローブボックス内でサンプル瓶に活性化モレキュラーシーブス3A 10 g、DMF 50 mLを入れ、18時間静置した。メンブランフィルター(PTFE、0.45 μm)で濾過し、脱水したDMFを得た(以下、脱水DMFとする)。
【0092】
カールフィッシャー法によって測定した水分含量は、脱水前が40ppmであったのに対し、脱水後は8ppmであった。
【0093】
イソプロピルアルコール (2−プロパノール)
シュレンクチューブに2−プロパノール (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated)を50 mL入れ、超音波をかけながら、真空・アルゴンラインを用いて減圧、アルゴン置換を3回行った。グローブボックス(Arガス)に移した。
【0094】
グローブボックス内でサンプル瓶に活性化モレキュラーシーブス3A 10 g、2−プロパノール 50 mLを入れ、18時間静置した。メンブランフィルター(PTFE、0.45 μm)で濾過し、脱水した2−プロパノール(以下、脱水2−プロパノールとする)を得た。
【0095】
カールフィッシャー法によって測定した水分含量は、脱水前が20ppmであったのに対し、脱水後は8ppmであった。
【0096】
(2)ハロゲン化鉛
(2−1)減圧精製法
パイレックス(登録商標)製ガラスチューブ(250 mm L φ8 mm)に、PbI
2(Aldrich社製, 99.999%, trace metal basis)を3.0 g入れ、真空ラインのゴムホース(8φ)に接続した。これをオイルポンプにて減圧した(0.2mm Hg)。内部を減圧したガラスチューブを電気炉(405 ℃)に入れ、PbI
2を溶かし、そのまま10分間オイルポンプにて減圧した。電気炉からガラスチューブを取り出し、室温まで冷却した後、真空ライン操作により、アルゴンガスで戻した。ホースを外して素早くセプタムでフタをして、グローブボックス(Arガス)に入れた。グローブボックス内でPbI
2をかき出し、2.9 gのPbI
2(減圧精製品)を得た。
【0097】
(2−2)蒸留精製法
パイレックス(登録商標)製のスリ付き(19/24)ガラスチューブ(200 mm L φ20 mm)にPbI
2(Aldrich, 99.999%, trace metal basis)を7.5 g入れ、上記(2−1)と同様に装置を組んだ。オイルポンプにて減圧した(0.8 mm Hg)後、ガラスチューブを電気炉(500 ℃)に入れ、PbI
2を蒸留した。電気炉からガラスチューブを取り出し、室温まで冷却した後、真空ライン操作により、アルゴンガスで戻した。グローブボックス(Arガス)内で蒸留したPbI
2をかき出し、6.8 gのPbI
2(蒸留精製品)を得た。
【0098】
(2−3)再結晶精製法
グローブボックス中でPbI
2を493 mg (1.07 mmol)量り取り、脱水DMF 1.0 mLを加え、70 ℃で加熱撹拌して溶解させた後、室温まで冷却した。母液をデカンテーションで取り除き、結晶を脱水DMF 0.3 mLで洗った。洗浄液をデカンテーションで取り除き、室温で減圧乾燥することでPbI
2・DMF錯体(再結晶精製品)を287 mg (0.537 mmol)得た。構造は単結晶X線結晶構造解析により確認した。
【0099】
(2−4)ハロゲン化鉛中の含有水分量の測定
装置:
カールフィッシャー水分計(AQ-300、平沼産業株式会社製)と、試料の水分を気化するための電気炉を組み合わせて、間接蒸着滴定法により、固体の水分量を測定した。用いた装置の概略図を
図1に示す。
【0100】
蒸発させた水分を電解液に導入するための乾燥ガスとして、高純度グレード(京都帝酸株式会社製、純度99.999%)の窒素ガスを用い、濃硫酸 (ナカライテスク、特級、95%)のバブラー(Φ 20 mm、高さ 300 mm)を通してさらに乾燥し、流量計を取り付けて流量を制御して使用した。
【0101】
パイレックス(登録商標)製ガラス管(Φ 25 mm,、長さ 400 mm)からカールフィッシャー装置のガス導入口への連結は、PFAチューブ(Φ 2 mm)を用いて行った(ステンレス製の針は測定を阻害する)。また、カールフィッシャー装置からのガスの出口には塩化カルシウム(ナカライテスク、特級、95%)管をつないだガス抜き管を取り付けた。
【0102】
装置の乾燥と試料の準備:
パイレックス(登録商標)製ガラス管にガラス製ボートを入れ、カールフィッシャー水分計につながずに(テフロン(登録商標)チューブを抜いておく)流量 20 mL/minで窒素ガスを2時間フローして予備乾燥を行った。流量20 mL/minで窒素ガスをフローしながら、ガラス管をセラミックヒーターで410 ℃で10分間加熱した後、室温まで冷却した。ガラス製ボートを取り出し、グローブボックス(Ar)中で上記(2−2)で蒸留精製したPbI
2を841 mg 量り取った。ガラス製ボートをガラス管の中に戻し、流量20 mL/minで窒素ガスを10分間フローした。
【0103】
バックグランド測定(測定前):
テフロン(登録商標)チューブをカールフィッシャー水分計に差し込み、装置の安定化を行った後、溶液を撹拌しながら流量20 mL/minで窒素ガスを7分間流し、カールフィッシャー水分計に導入した。窒素ガスの導入を停止し、水分量の測定を行った(測定値181.9 μg:測定前バックグラウンド)。
【0104】
サンプル測定:
装置の安定化を行った後、サンプルの入ったガラス管を410 ℃のセラミックヒーターの中に設置し、溶液を撹拌しながら流量20 mL/minで窒素ガスを7分間導入した(すべて溶解するまで6分30秒程かかった)。窒素ガスの導入を停止し、水分量の測定を行った(測定値 262.7 μg)。
【0105】
バックグランド測定(測定後):
装置の安定化を行った後、サンプルの入ったガラス管を410 ℃のセラミックヒーターの中に入れたまま、溶液を撹拌しながら流量20 mL/minで窒素ガスを7分間バブリングした。窒素バブリングを停止し、測定を行った。(測定値 184.6 μg:測定後バックグラウンド)
測定値からバックグラウンドの平均を差し引き、水分含量79.5 μg(94.5 ppm)を見積もった。
【0106】
同様の方法によって、市販品のPbI
2(Aldrich, 99.999% trace metal basis)、上記(2−1)で減圧精製したPbI
2及び上記(2−2)で蒸留精製したPbI
2についても、水分含量を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
(3)ヨウ化メチルアンモニウムの合成と精製法
500 mLの丸底フラスコにHI水溶液 (57 wt%, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 65.0 mL 492 mmol) に対して、メチルアミンのメタノール溶液 (40%, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 60.4 mL, 592 mmol) を0 ℃で10分間かけて滴下し、その後2時間撹拌した。生成した白色固体をろ過にて分取した。減圧下60 ℃で24時間乾燥した後、メタノール(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated) に溶かし、溶液の上にエーテル(ジエチルエーテル(Kanto Chemical Co., Ltd., Dehydrated)をさらに有機溶剤精製装置(Glass contour)で精製したもの)を加えて、二層拡散法により再結晶した。
【0109】
得られた無色板状の結晶を、簡易型グローブボックス(N
2ガス)中で、ろ過して回収し、減圧下60 ℃で24時間乾燥した。75.6 g (476 mmol)のヨウ化メチルアンモニウムを収率97%で無色板状結晶として得た。その後、不活性雰囲気下を保ったまま、グローブボックス(Arガス)内に移した。
【0110】
以下の操作において、特に明記する場合を除き、本方法により精製したヨウ化メチルアンモニウムを用いた。
【0111】
<ペロブスカイト型太陽電池>
実施例1
25mm x 25 mmのFTO(旭硝子株式会社製:10 Ω/□)を6 M HCl水溶液と亜鉛粉末を用いてエッチングした後、1wt%中性洗剤水溶液、アセトン、2−プロパノール、蒸留水の順に10分ずつ超音波洗浄を行った。エアガンで乾燥し、20分間オゾン洗浄を行った。
【0112】
450℃に加熱した基板上に、75wt% Ti(OiPr)
2(acac)
2のイソプロピルアルコール溶液をエタノールで40倍に希釈した溶液(0.05 M)を用いてスプレーパイロリシスを行った。キャリアガスには0.5 MPaの窒素を用い、高さ30 cmから水平に毎秒20 cmの速度でエアブラシを移動させ、3分間450℃で加熱した。この吹付け、加熱を3回繰り返した。室温まで基板を冷却した。
【0113】
0 ℃に冷却した蒸留水100 mLとTiCl
4 (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級) 440 μLから調製したTiCl
4水溶液にオゾン洗浄した基板を浸漬し、70 ℃のホットプレート上で30分撹拌した。室温まで冷却し、取り出した基板を蒸留水で2回洗浄した後、エアガンで乾燥した。
【0114】
電気炉に入れて加熱した(15分かけて500 ℃まで昇温、20分間500 ℃で保温、その後室温まで冷却した)。
【0115】
TiO
2ペースト(日揮触媒化成株式会社製、 PST 18NR) 658 mgにエタノール(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated)を 2.30 gを加え、15分間vortex mixerで撹拌した。得られた懸濁液に1時間超音波をかけ、メソポーラスTiO
2懸濁液を得た。電気炉から取り出した基板に、メソポーラスTiO
2懸濁液をスピンコートした。(5000 r.p.m., 30 s)。エタノール(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated)をしみこませた綿棒でワニ口クリップとFTOガラス基板との接触部分を拭き取り、130 ℃のホットプレートで30分加熱した。
【0116】
基板を電気炉に移し、加熱した(1時間かけて500 ℃まで昇温、500 ℃で30分間保温、室温まで冷却した)。 基板を取り出し、グローブボックス(Arガス)の中に移した。
【0117】
PbI
2 (減圧精製品) 465 mgに脱水DMF 1.0 mLを加え、70 ℃に加熱し30分撹拌することで、黄色溶液を得た。
【0118】
ガラス基板を予め70 ℃に加熱しておき、PbI
2溶液をスピンコート(6500 r.p.m., 5 s)した。脱水DMFをしみ込ませた綿棒でワニ口クリップとFTOガラス基板との接触部分をふきとり、70 ℃のホットプレート上で1時間加熱した後、室温まで冷却した。
【0119】
グローブボックス (Arガス)中で、ヨウ化メチルアンモニウム 200 mg、脱水2−プロパノール 20 mLを混合し、ヨウ化メチルアンモニウム溶液を調製した。別途準備した脱水2−プロパノール50 mL にPbI
2をスピンコートした基板を予め約1秒間浸漬し、取り出してヨウ化メチルアンモニウム溶液中に約20秒間浸漬した。取り出して、脱水2−プロパノール50 mLに約3秒浸漬して洗浄した。取り出してすぐにブロワーで表面の溶媒を乾燥させ、その後70 ℃のホットプレート上で30分加熱することで赤黒色のペロブスカイトを形成した基板を得た。
【0120】
グローブボックス (Arガス) 中で、spiroOMeTAD(Merck, SHT-263) 106 mg, LiTFSI (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級) 13.5 mg, tris[2-(1H-pyrazol-1-yl)-4-tert-butylpyridine]cobalt(III) tris(bis(trifluoromethylsulfonyl) imide)] 12.6 mg、4-t-ブチルピリジン(Aldrich, 96%) 43 μL, クロロベンゼン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級を蒸留したもの) 1.5 mLを混合し、HTMの溶液を調製した。
【0121】
ペロブスカイトを形成した基板に対して、HTMの溶液をスピンコートした(4000 r.p.m., 30s)。クロロベンゼン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級を蒸留したもの)をしみ込ませた綿棒でワニ口クリップとFTOガラス基板との接触部分をふきとり、70 ℃のホットプレート上で30分間加熱した。室温まで冷却した。
【0122】
グローブボックス(N
2ガス)中の蒸着機を用いて金電極を80 nm蒸着し、セルを作製した。
【0123】
実施例2
PbI
2溶液の濃度を1.1Mとした他は、実施例1と同様にしてセルを製造した。
【0124】
実施例3
上記(2−2)で蒸留精製したPbI
2を用いた他は、実施例1と同様にしてセルを製造した。
【0125】
参考例1
25mm x 25 mmのFTO ガラス基板 (旭硝子:10 Ω/□)を6 M HCl水溶液と亜鉛粉末を用いてエッチングした後、1wt%中性洗剤水溶液、アセトン、2−プロパノール、蒸留水の順に10分ずつ超音波洗浄を行った。エアガンで乾燥し、20分間オゾン洗浄を行った。
【0126】
450℃に加熱した基板上に、75wt% Ti(OiPr)
2(acac)
2のイソプロピルアルコール溶液をエタノールで40倍に希釈した溶液(0.05 M)を用いてスプレーパイロリシスを行った。キャリアガスには0.5 MPaの窒素を用い、高さ30 cmから水平に毎秒20 cmの速度でエアブラシを移動させ、3分間450℃で加熱した。この吹付け、加熱を3回繰り返した。室温まで基板を冷却した。
【0127】
0 ℃に冷却した蒸留水100 mLとTiCl
4 (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級) 440 μLから調製したTiCl
4水溶液にオゾン洗浄した基板を浸漬し、70 ℃のホットプレート上で30分撹拌した。室温まで冷却し、取り出した基板を蒸留水で2回洗浄した後、エアガンで乾燥した。
【0128】
電気炉に入れて加熱した(15分かけて500 ℃まで昇温、20分間500 ℃で保温、その後室温まで冷却した)。
【0129】
TiO
2ペースト(日揮触媒化成, PST 18NR) 658 mgにエタノール (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated) 2.30 gを加え、15分間voltex mixerで撹拌した。得られた懸濁液に1時間超音波をかけ、メソポーラスTiO
2懸濁液を得た。電気炉から取り出した基板に、メソポーラスTiO
2懸濁液をスピンコートした。(5000 r.p.m., 30 s)。エタノール (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Super Dehydrated)をしみこませた綿棒でワニ口クリップとFTOとの接触部分を拭き取り、130 ℃のホットプレートで30分加熱した。
【0130】
基板を電気炉に移し、加熱した(1時間かけて500 ℃まで昇温、500 ℃で30分間保温、室温まで冷却した)。 基板を取り出し、グローブボックス(Arガス)の中に移した。
【0131】
市販品のPbI
2 (Aldrich, 99.999%, trace metal basis) 462 mgに脱水DMF2 mLを加え、100 ℃に加熱、10時間撹拌した。得られた黄色懸濁液を70 ℃まで冷却、静置した。基板を予め70℃に加熱しておき、PbI
2懸濁液の上澄みをスピンコート(6500 r.p.m., 5 s)した。脱水DMFをしみ込ませた綿棒でワニ口クリップとFTOガラス基板との接触部分をふきとり、70 ℃のホットプレート上で1時間加熱した。室温まで冷却した。
【0132】
グローブボックス(Arガス)中で、ヨウ化メチルアンモニウム(精製品) 205 mg、脱水2−プロパノール20 mLを混合し、ヨウ化メチルアンモニウム溶液を調製した。別途用意した脱水2−プロパノール 50 mL にPbI
2をスピンコートした基板を予め約1秒浸漬し、取り出してヨウ化メチルアンモニウム溶液中に約20秒間浸漬した。取り出して脱水2−プロパノール50 mLに約3秒浸漬することで洗浄した。取り出して、すぐにブロワーで溶媒を乾燥し、70 ℃のホットプレートで30分加熱することでペロブスカイトを形成した基板を得た。
【0133】
グローブボックス(Arガス)中で、spiroOMeTAD(Merck, SHT-263) 106 mg、 LiTFSI (Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級) 13.5 mg、 tris[2-(1H-pyrazol-1-yl)-4-tert-butylpyridine]cobalt(III) tris(bis(trifluoromethylsulfonyl) imide)] 12.6 mg、4-t-ブチルピリジン(Aldrich, 96%) 43 μL、クロロベンゼン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級を蒸留したもの) 1.5 mLを混合し、HTMの溶液を調製した。ペロブスカイトを形成した基板に対して、HTMの溶液をスピンコートした(4000 r.p.m., 30s)。クロロベンゼン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 特級を蒸留したもの)をしみ込ませた綿棒でワニ口クリップとFTOガラス基板との接触部分をふきとり、70 ℃のホットプレート上で30分間加熱した。室温まで冷却した。
【0134】
グローブボックス(N
2ガス)中の蒸着機を用いて金電極を80 nm蒸着し、セルを作製した。
<評価>
試験例1
以下、実施例1及び参考例1のセルを用いて、各種測定を行った。
【0135】
JIS C8913:1998 のシリコン結晶系太陽電池セルの出力測定方法に準拠した方法で測定した。ソーラーシュミレーター(分光計器社製 SMO-250III型)に、AM1.5G相当のエアマスフィルターを組み合わせ、2次基準 Si 太陽電池で100mW/cm
2の光量に調整して測定用光源とし、色素増感型太陽電池セルの試験サンプルに光照射をしながら、ソースメーター(Keithley Instruments Inc. 製,2400型汎用ソースメーター)を使用してI−Vカーブ特性を測定し、I−Vカーブ特性測定から得られた開放電圧(V
oc)、短絡電流(I
sc)、フィルファクター(FF)を導出した。そして、短絡電流密度(J
sc)、及び光電変換効率(PCE)を以下の式1及び式2を用いて算出した。
【0136】
式1:短絡電流密度(J
sc)(mA/cm
2)=I
sc(mA)/有効受光面S(cm
2)
式2:光電変換効率(PCE)(%)=V
oc(V)×J
sc(mA/cm
2)×FF×100/100(mW/cm
2)
得られた結果を表2および
図2に示す。
【0137】
【表2】
【0138】
試験例2
実施例1と同様の方法により、セルを作成し、各種測定を行うことで、再現性を評価した。その結果を
図3に示す。
【0139】
図3の結果からも明らかなとおり、本発明の方法により製造されたセルは、光電変換効率等のばらつきが非常に小さく、再現性が非常に高い。非特許文献2のサポーティングにおいて、統計的に示された光電変換効率の平均値がおよそ5%であることを考慮すれば、本発明の方法は再現性が非常に高い。