(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記軸受面の内方表面に接触する内方表面を含み、
前記第2の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの外方表面に接触する外方表面を含む、請求項1に記載の外科用器具。
前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記嵌入面の中央表面が第3の脛骨植え込みコンポーネントの中央表面に接触し、前記第3の脛骨植え込みコンポーネントのサイズが、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも小さく、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい、請求項3に記載の外科用器具。
前記第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントと接触したときに、前記第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントそれぞれの前側部分に接触するように適合された前壁延長部を有する前壁を更に含む、請求項1に記載の外科用器具。
前記嵌入面がそれぞれ、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含む、請求項8に記載の外科用器具。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様によれば、整形外科的関節形成処置で使用される外科用器具は、第1及び第2の端部を有するシャフトと、シャフトの第2の端部に配設されたインパクターヘッドと、を含む。インパクターヘッドは、第1及び第2の離間配置された端部と、インパクターヘッドの第2の端部に配設された、2つの離間配置された嵌入面と、嵌入面の間に配設された空洞と、を含む。空洞は、少なくとも第1の脛骨植え込みコンポーネント及び第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズとは異なるサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起を収容するように適合される。一実施形態では、嵌入面はそれぞれ、第1の脛骨コンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含む。
【0005】
第1の区画は、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の前方面に接触する前方面を含んでもよい。第2の区画は、インパクターが嵌入のために位置付けられたときに第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の後方面に接触する後方面を含んでもよい。
【0006】
更なる実施形態では、第1の区画は、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の内方表面に接触する内方表面を含み、第2の区画は、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の外方表面に接触する外方表面を含む。
【0007】
別の実施形態では、第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズは、第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい。
【0008】
更なる実施形態では、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、嵌入面の中央表面は第3の脛骨植え込みコンポーネントの中央表面に接触し、第3の脛骨植え込みコンポーネントのサイズは、第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも小さく、第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい。
【0009】
外科用器具は、第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントと接触したときに、それらそれぞれの前側部分に接触するように適合された前壁延長部を有する前壁を更に含んでもよい。
【0010】
前壁延長部は、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、第1の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起に接触してもよく、インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接触してもよい。
【0011】
別の態様では、整形外科的関節形成処置で使用される外科用器具は、第1及び第2の端部を有するシャフトと、シャフトの第2の端部に取り付けられたインパクターヘッドであって、第1及び第2の離間配置された端部、並びにインパクターヘッドの第2の端部に配設される2つの離間配置された嵌入面、を含む、インパクターヘッドと、を含む。空洞は、嵌入面の間に配設され、第1の脛骨植え込みコンポーネント及び第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズとは異なるサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起を収容するように適合される。前壁は、インパクターヘッドの第2の端部に形成され、2つの離間配置された嵌入面と組み合わせて、少なくとも第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントを嵌入するための安定面を形成する、前壁延長部を含む。前壁延長部は、インパクターヘッドが嵌入のために個々の脛骨コンポーネント上に位置付けられたとき、第1の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起及び第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接触する。
【0012】
一実施形態では、前壁延長部及び嵌入面は、複数の異なるサイズの脛骨植え込みコンポーネントのための3つの安定した接点を提供する。
【0013】
嵌入面はそれぞれ、第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含んでもよい。
【0014】
第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズは、第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きくてもよい。
【0015】
別の実施形態では、嵌入面は、嵌入面の前方面が軸受面の前方面に接触し、かつ嵌入面の内方表面が軸受面の内方表面に接触するようにして、第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面に接触する。嵌入面はまた、嵌入面の後方面が軸受面の後方面に接触し、かつ嵌入面の外方表面が軸受面の外方表面に接触するようにして、第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面に接触してもよい。
【0016】
更なる態様では、第1及び第2の端部と、外科用器具の第2の端部に配設されたインパクターヘッドであって、インパクターヘッドの第1の端部に配設された、離間配置された嵌入面と、嵌入面の間に形成された空洞と、前壁から延在する前面延長部と、を含む、インパクターヘッドと、を有する、外科用器具を使用する方法が開示される。方法は、脛骨植え込みコンポーネントを患者の準備された脛骨に挿入する工程と、脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起がインパクターヘッドの空洞内へと延在している状態で、外科用器具の端部を脛骨植え込みコンポーネントに隣接させて位置付ける工程と、を含む。第1のサイズを有する第1の脛骨植え込みコンポーネントが利用される場合、方法は、インパクターヘッドの前面延長部を後方安定化隆起の前側カム面に接して位置付けて、脛骨植え込みコンポーネントを嵌入する間の安定性をインパクターヘッドに提供する工程を含む。第1のサイズとは異なる第2のサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントが利用される場合、方法は、インパクターヘッドの前面延長部を第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接して位置付けて、脛骨植え込みコンポーネントを嵌入する間の安定性をインパクターヘッドに提供する工程を含む。
【0017】
方法は、更に、嵌入面の前方面が第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の前方面に接触するようにして、軸受面と接触させて嵌入面を位置付ける工程を含んでもよい。
【0018】
方法はまた、嵌入面の内方表面が第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の内方表面に接触するようにして、軸受面と接触させて嵌入面を位置付ける工程を含んでもよい。
【0019】
一実施形態では、方法は、嵌入面の後方面が第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の後方面に接触するようにして、軸受面と接触させて嵌入面を位置付ける工程を更に含む。
【0020】
別の実施形態では、方法は、嵌入面の外方表面が第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の外方表面に接触するようにして、軸受面と接触させて嵌入面を位置付ける工程を含む。
【0021】
嵌入面はそれぞれ、第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、第2の脛骨コンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を有してもよく、第2の脛骨コンポーネントのサイズは、第1の脛骨コンポーネントのサイズよりも大きい。
【0022】
前面延長部及び嵌入面は、複数の異なるサイズの脛骨植え込みコンポーネントのための3つの安定した接点を提供してもよい。
【0023】
別の実施形態では、方法は、第1及び第2の脛骨植え込み片に圧力を印加する工程を含み、圧力の方向は、第1及び第2の脛骨植え込み片の長手方向軸線に平行である。
【0024】
本開示の他の態様及び利点は、類似の構造が類似の参照番号を有する、以下の図面及び詳細な説明を考察することによって明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
詳細な説明は、特に次の図面を参照する。
【
図1】大腿骨コンポーネントと、修正軸受(revision bearing)と、脛骨トレイと、を含む、人工膝関節の分解組立図である。
【
図2】
図1の人工膝関節の脛骨トレイの上面斜視図である。
【
図3】
図1の人工膝関節の修正軸受の底面斜視図である。
【
図4】
図2の脛骨トレイに対する
図3の修正軸受の垂直設置を示す分解組立側面図である。
【
図5】
図1の人工膝関節の軸受を打ち込んで脛骨トレイとの固定を支援するためにインパクターヘッドが使用される、ツールの端部に取り付けられたインパクターヘッドの斜視図である。
【
図6】
図5のツール及びインパクターヘッドの分解組立斜視図である。
【
図7】
図5及び6のインパクターヘッドの上面及び前側面を示し、インパクターヘッドをツールに取り付けるためにインパクターヘッドの端部に形成された切欠きを示す斜視図である。
【
図8】
図5及び6のインパクターヘッドの前側面及び底面を示し、インパクターヘッドから外側に延在する前面延長部を示す斜視図である。
【
図9】
図5及び6のインパクターヘッドの前側面の立面図である。
【
図10】インパクターヘッドの嵌入脚体の間に形成された空洞を示す、
図5及び6のインパクターヘッドの後側面の立面図である。
【
図11】
図5及び6のインパクターヘッドの上面及び後側面の斜視図である。
【
図12】
図5及び6のインパクターヘッドの側面、前側面、及び底面の斜視図である。
【
図13】嵌入面を形成する前のインパクター本体の後側面の立面図である。
【
図14】嵌入面を形成する前の
図13のインパクター本体の側面立面図である。
【
図15】サイズ10の軸受面を使用して嵌入面が部分的に形成された後のインパクター本体の後側面の立面図である。
【
図16】サイズ10の軸受面を使用して嵌入面が部分的に形成された後のインパクター本体の側面立面図である。
【
図17】サイズ10の脛骨軸受の隆起を収容するための貫通孔がインパクター本体に形成された後のインパクター本体の後側面の立面図である。
【
図18】サイズ1の軸受面と最終的な嵌入面を形成するために除去されたインパクター本体の部分とを示すインパクター本体の後側面の立面図である。
【
図19】サイズ1の軸受面と最終的な嵌入面を形成するために除去されたインパクター本体の部分とを示すインパクター本体の側面立面図である。
【
図20】サイズ1の軸受面に適応するように材料が除去された後の最終的な嵌入面を示すインパクター本体の後側面の立面図である。
【
図21】サイズ1の軸受面に適応するように材料が除去された後の最終的な嵌入面を示すインパクター本体の側面立面図である。
【
図22】サイズ10の軸受の隆起を見せるためにインパクター本体の端部を透明なものとして示している、サイズ10の軸受面の軸受面に隣接して配設された最終的な嵌入面を有するインパクター本体の側面立面図である。
【
図23】インパクターヘッドの前壁から延在する、サイズ10の軸受面の前側カム面の形状に適応する押出し部を示す、
図22の図に類似した側面立面図である。
【
図24】完全に形成された後の前面延長部を更に示す、
図23の図に類似した側面立面図である。
【
図25】インパクターがサイズ1の修正軸受と接触している、
図5及び6のツール及びインパクターの側面立面図である。
【
図26】インパクターがサイズ1の修正軸受と接触している、
図5及び6のツール及びインパクターの斜視図である。
【
図27】インパクターがサイズ10の修正軸受と接触している、
図5及び6のツール及びインパクターの側面立面図である。
【
図28】インパクターがサイズ10の修正軸受と接触している、
図5及び6のツール及びインパクターの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の概念は様々な修正及び代替の形態の影響を受けやすいが、本開示の特定の例示の実施形態が例示として図面に示され、本明細書において詳細に記載される。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定しようとするものではなく、反対に、本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正、等価物、及び代替物を、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとして包含することを意図することを理解すべきである。
【0027】
前側、後側、内側、外側、上位、下位など、解剖学的構造の参照を表す用語は、本開示全体を通して、本明細書に記載する整形外科用植え込み片及び患者の天然の解剖学的構造の両方を参照するのに使用されてもよい。かかる用語は、解剖学の研究及び整形外科分野の両方において十分に理解されている意味を有する。明細書及び特許請求の範囲における、かかる解剖学的参照用語の使用は、特段の指定がない限り、それらの十分に理解される意味と一致することが意図される。
【0028】
人工膝関節34は、一般に、大腿骨コンポーネント36と、脛骨トレイ38と、軸受39と、を含む。例示の脛骨トレイ38及び軸受39は
図1〜4に示されている。脛骨トレイ38はプラットフォーム50を含み、プラットフォームは、その下面54から離れる方向に延在する細長いステム52などの固定具を有する。細長いステム52は、患者の脛骨の外科的に準備された端部に埋め込まれるように構成される。軸受39は脛骨トレイ38に固定可能である。特に、軸受39は、本明細書にその開示の全体を参照により組み込む、同時係属中のWyssらの米国特許出願第13/788,921号、名称「Fixed−Bearing Knee Prosthesis Having Interchangeable Components」で詳細に考察されているように、脛骨トレイ38にスナップ嵌めされてもよい。
【0029】
図1及び4を参照すると、軸受39は、大腿骨コンポーネント36の内側顆表面59及び外側顆表面61と共に関節接合するように構成された、軸受面62、64を含む。具体的には、大腿骨コンポーネント36は、患者の大腿骨の外科的に準備された端部に埋め込まれるように構成され、患者の天然の大腿骨顆部の構成をエミュレートするように構成される。そのため、内側顆表面59及び外側顆表面61は、天然の大腿骨の顆部を模倣するような形で構成(例えば、湾曲)される。内側顆表面59及び外側顆表面61は、その間に顆間切欠き65を画成するように互いに離間して配置される。
【0030】
軸受39は、軸受面62、64の間で軸受39の上面68から上方に延在する後方安定化隆起66を含む。後方安定化隆起66の表面は、大腿骨コンポーネントに画成された対応するカム面を係合して、人工膝関節の屈伸中の安定性を提供する、前側カム面69及び後側カム面(図示せず)を画定する。膝蓋骨がその上に乗る膝蓋骨面71は、前側カム面69の前側に配設される。
【0031】
図1に見られるように、軸受面62、64はそれぞれ、後方安定化隆起66に隣接した内方表面70と、湾曲した軸受面を形成する中央表面72と、内方表面の反対側の外方表面74と、を含み、それらは全て軸線75に沿って離間配置される。軸受面62、64は、軸線75に平行な軸線79に沿って離間配置された、前側表面76と、中央表面77と、後側表面78と、を更に含む。
【0032】
図3及び4を参照すると、軸受39は、軸受39の下面82から下方に延在する補強ピン80を更に含む。補強ピン80は、中実構造のものであってもよく、又はボア(図示せず)が中に形成されて、かかるボアにプレス嵌めされるか又は別の形で挿入されてもよい剛化ピン(図示せず)を収容してもよい。
図4に見られるように、軸受39が脛骨トレイ38に装填されると、補強ピン80は脛骨トレイ38を最初に係合する。このようにして、補強ピン80は脛骨トレイ38のボア84に受け入れられ、それによって軸受39及び補強ピン80を脛骨トレイ38上に垂直に装填することが必要になる。垂直によって、軸受39が矢印102によって示される方向で、脛骨トレイ38の長手方向軸線100に沿って装填されることを意味する。軸受39から外側に延在する多数の可撓性タブ104は、脛骨トレイ38の多数のアンダーカット106内で保定されて、軸受39を脛骨トレイ38に固定するように構成される。タブ104をアンダーカット106内で位置付けるために、方向102で下向きの圧力を軸受面62、64に働かせなければならない。
【0033】
大腿骨コンポーネント36及び脛骨トレイ38など、天然の骨を係合する人工膝関節のコンポーネントは、コバルトクロム合金など、生体適合性の金属で構築されてもよいが、他の材料も使用されてもよい。これらのコンポーネントの骨係合面は、コンポーネントを骨にセメント接合するのを容易にするように、非平滑化されてもよい。かかる表面はまた、恒久的な定着のために骨の内成長を促進するように、多孔質コーティングされてもよい。
【0034】
軸受39は、高分子材料など、軸受39と大腿骨コンポーネントとの間の滑らかな関節接合を可能にする材料で構築されてもよい。1つのかかる高分子材料は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である。
【0035】
上述したように、脛骨植え込みコンポーネントの構築には、軸受39及び補強ピン80が脛骨トレイ38上に垂直に装填されることを要する。したがって、かかる装填のために、軸受39を垂直に駆動するツール130が設計されており、
図5及び6に示されている。
【0036】
図5及び6に最も良く示されるように、ツール130は、取付け端部142及び自由端144を有する中央シャフト140を含む。取付け端部142は、ラッチフィンガー148を操作するレバーアーム146を有する万能の着脱が容易なコネクタ(universal quick-release connector)を含む。ラッチ149は、ラッチフィンガー148の端部に配設されて、様々な機器の終片を、例えばインパクターヘッド150をツール130に簡単に着脱する。ラッチフィンガー148は、レバーアーム146を内側に移動させるとラッチフィンガー148が開くようにして、閉位置へと付勢される。取付け端部142は、複数の同心の円筒154、156、158で形成される中央突起152を更に含み、円筒はそれぞれ、隣のものから延在し、またそれぞれが延在する起点の円筒154、156、158よりも小さい直径を有しており、円筒158が最も小さい直径を有し、円筒154が最も大きい直径を有する。
【0037】
ツール130は、インパクターヘッド150が取り付けられるものとして本明細書に記載されるが、パンチ、リーマー、挿入器、抽出器、インパクター、又は機器の終片を制御するためのハンドピースもしくはツールを使用することが望ましい、他の任意の機器を含むがそれらに限定されない、任意の機器の終片がツール130の万能コネクタに接続されてもよい。特定の手術中、ツール130は、手術室で必要なツールの数を最小限に抑えるため、複数の異なる終片と共に用いられてもよい。任意に、ツール130及びインパクターヘッド150は一体的に形成されてもよい。
【0038】
ツール130の自由端144は、ツール130の使用中に、ハンマー又はマレットなどのツールによる強打を受けるためのストライクゾーン(strike zone)を提供する、中央のわずかに隆起した円形部分(図示せず)を有する、全体的に丸み付けられた形状を有する。中央シャフト140は、使用中にツール130を把持してもよいハンドルを形成する。
【0039】
図7〜9を参照すると、インパクターヘッド150は、インパクターヘッド150の取付け端部174の前方面173に形成された空洞172を有する本体170を含む。空洞172は、互いに対して同心で配設され、対応する円筒状の空洞を形成するように直径が階段状にされた、円筒状の壁176、178、180を含む。特に、壁176は、壁178、180の直径よりも大きい直径を有し、壁178は、壁180の直径よりも大きい直径を有する。壁176、178、180は、より詳細に後述するように、ツール130の取付け端部142から延在する中央突起152の円筒154、156、158をそれぞれ収容するようにサイズ決めされる。
【0040】
図7〜9に見られるように、インパクターヘッド150は、切欠き182が形成された外壁181を更に含み、切欠き182は、空洞172と部分的に連通しており、空洞172の下に延在する。突出部184は、切欠き182に形成された表面186から外側に延在し、外壁181から内側に離間配置されている。
【0041】
インパクターヘッド150は、例示的には、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリカーボネート(PC)などの高分子材料から形成されるが、他の好適な材料から形成されてもよい。
【0042】
インパクターヘッド150は、レバーアーム146を押し下げ、それによってラッチフィンガー148をヒンジの周りで回転させ、ラッチフィンガー148を持ち上げることによって、ツール130に取り付けられる。この操作の間、ツール130は、ラッチフィンガー148がインパクターヘッド150の外壁181にある切欠き182と位置合わせされるまで回転させられ、円筒154、156、158をそれぞれ壁176、178、180に隣接させて、ツール130の突起152がインパクターヘッド150の空洞172に挿入される。突起152は、
図5に示されるような円筒156の外方表面190が、
図6に示されるように内方表面192に隣接して、円筒状の壁178と共に円筒状の空洞を形成するまで挿入される。その後、レバーアーム146は解放されるので、ラッチフィンガー148が切欠き182に入り、ラッチ149が突出部184と干渉して、インパクターヘッド150がツール130から外れるのが防止される。同様のやり方で、インパクターヘッド150は、レバーアーム146を押し下げ、それによってラッチフィンガー148を切欠き182から外し、その結果、ラッチ149を移動させて突出部184と干渉しないようにすることによって、取り外されてもよい。
【0043】
上述のように、他の機器の終片がツール130と共に用いられてもよい。他の機器の終片は、インパクターヘッド150の構造、例えば、円筒状の壁176、178、180、切欠き182、及び突起184に類似した、ツール130の取付け構造を収容する構造を含んでもよい。
【0044】
インパクターヘッド150は、特定のやり方でツール130に対して着脱されるものとして記載されているが、インパクターヘッド150は任意の好適なやり方でツール130に着脱されてもよいことが理解されるべきである。
【0045】
図7〜12を参照すると、インパクターヘッド150は、取付け端部174とは反対側の本体170の端部に打撃端部(impact end)200を含む。インパクターヘッド150の打撃端部200は、2つの離間配置された嵌入脚体202を含む。
図3〜5及び8に見られるように、前面延長部204は、インパクターヘッド150の前方面173から外側に延在する。前面延長部204は、一般に、嵌入脚体202の中心点206の間を延在する、あるいは前方面173に沿った任意の距離を延在してもよい、幅を有する。1つの例示の代替実施形態では、前面延長部204はインパクターヘッド150の本体170の側縁部207の間を延在する。いずれにせよ、前面延長部204の幅及び輪郭は、より詳細に後述するように、インパクターヘッド150と共に使用される脛骨軸受39のサイズ及び形状に全体的に適応するように意図される。
【0046】
インパクターヘッド150は、
図10〜12に示されるように、嵌入脚体202の間で本体170の後方面212に形成された空洞210を更に含む。空洞210は、嵌入脚体202の間を横方向に延在する幅W1と、嵌入面208と壁214との間を長手方向に延在して空洞210の頂端部を形成し、嵌入面208と切欠き182との間で離間配置される、高さH1と、を有する。
【0047】
嵌入脚体202は、より詳細に後述するように、軸受39の軸受面62、64の形状に一致するように適合された前方の嵌入面208で終端する。
図8及び10に最も良く見られるように、嵌入面208はそれぞれ、空洞210に隣接した内方表面216と、中央表面217と、内方表面216とは反対側の外方表面218と、を含み、それらは全て、
図12に見られるように、インパクターヘッド150が軸受39と接触しているときに軸線75に平行な軸線219に沿って離間配置される。嵌入面208はそれぞれ、インパクターヘッド150が軸受39と接触して位置付けられたときに軸線79に平行である軸線235に沿って離間配置された、前方面232と、中央表面233と、後方面234と、を更に含む。
【0048】
脛骨トレイ38及び軸受39を含む、様々なサイズの脛骨植え込みコンポーネント(並びに大腿骨コンポーネント36)が提供されてもよい。単一サイズの脛骨トレイ38と、選択された脛骨トレイ38と互換性のある単一サイズの軸受39と、が、患者に対して選択される。例示の実施形態では、脛骨トレイ38及び軸受39は最小サイズ1から最大サイズ10までのサイズ1〜10で提供されてもよい。脛骨トレイ38及び軸受39のサイズが増加するのにつれて、脛骨トレイ38及び軸受39の機構、例えば軸受39の軸受面62、64のサイズが増加してもよい。
【0049】
図13〜21を参照すると、インパクターヘッド150の前方嵌入面208の輪郭をどのように形作ったかについて示されている。特に、嵌入面208が顆表面59、61をエミュレートし、様々な軸受39(即ち、サイズ1〜10)の軸受面62、64の形状に一致することを可能にする、輪郭又は幾何学形状を嵌入面208に提供するために、様々な工程がなされた。形成された嵌入面を有さないインパクター本体220であって、位置合わせされたサイズ10の軸受面224の幾何学形状223を示す画像が、
図13及び14に示されている。軸受面224は、脛骨軸受39のサイズ、形状、及び輪郭をデジタル的にエミュレートする。
図15及び16に見られるように、サイズ10の軸受面224は、嵌入面222の、特に嵌入面208の内方表面216及び前方面232の輪郭を部分的に形成するのに使用される。サイズ10の軸受面224は、サイズ10の挿入脛骨軸受の少なくとも軸受面と噛合するのに適した幾何学形状を有する、部分的に形成された嵌入面222を提供する。その後、
図17に見られるように、貫通孔226がサイズ10の隆起を収容するように、インパクター本体220を通る貫通孔226が形成される。より具体的には、完成した空洞210の高さH1及びW1は、
図10に見られるように、サイズ10の隆起を収容するのに十分な大きさである。
【0050】
その後、サイズ1の軸受面230の幾何学形状228を使用して、インパクター本体220の嵌入面222が更に形成される。具体的には、サイズ1の軸受面230は、
図18及び19では、部分的に形成された嵌入面222と交差して、切り取られるか又は除去されるインパクター本体220の部分236を示すように描かれている。最終的な嵌入面208は
図20及び21に見られる。サイズ1の軸受面230は、サイズ1の挿入脛骨軸受の軸受面と噛合するのに適した幾何学形状を有する、最終的な嵌入面208を提供する。より具体的には、嵌入面208の外方表面218及び後方面234は、少なくともサイズ1の軸受に一致する。サイズ10及びサイズ1の軸受面224、230が、最終的な嵌入面208を形成するのに使用されるので、最終的な嵌入面208は、全てのサイズの脛骨軸受に、例えばサイズ1〜10の脛骨軸受に一致する。
【0051】
サイズ1〜10を有する脛骨軸受と共に使用される本開示の原理について記載しているが、本明細書に開示する原理は、任意の数の異なるサイズの脛骨植え込みコンポーネントと共に使用されてもよいことが理解されるべきである。また、本明細書に記載する成形又は形成工程は、最も小さい脛骨軸受及び最も大きい脛骨軸受に関して記載しているが、成形又は形成工程は、任意のサイズの脛骨軸受を用いて達成されてもよい。
【0052】
次に
図22〜24を参照すると、インパクターヘッド150の前面延長部204の輪郭を形成するためになされた工程が示される。インパクターヘッド150は、
図22では、前面延長部204を形成する前に、嵌入面208がその形成後に、サイズ10の軸受面224の軸受面と接触した状態で示されている。
図23を参照すると、押出し部240が、インパクターヘッド150の前壁173から延在し、サイズ10の軸受面224の前側カム面242に一致して形成されている。
図23にやはり見られるように、押出し部240は、膝蓋骨曲線244にも一致する幾何学形状を有する。膝蓋骨曲線244を使用して、
図24に見られるように、前壁173が形成される。
【0053】
外科的処置中の特定の工程について次に詳細に記載するが、当業者であれば、本出願はそれらの特定の工程に限定されず、インパクターヘッド150が取り付けられたツール130は、特定の外科医によって好まれるような任意の一連の工程で、かつ外科的処置中に必要な工程に応じて使用されてもよいことを認識するであろう。
【0054】
全膝置換外科処置中に、取り付けられたインパクターヘッド150と共にツール130を使用することについて、
図25〜28を参照して次に簡潔に考察する。修正外科処置では、脛骨トレイ38は既に患者の切除された脛骨に埋め込まれている。主要軸受(図示せず)は、好適な機器を使用して除去され、適切なサイズの修正軸受39が選択される。修正外科処置について記載しているが、外科処置は、脛骨の切除、リーミング、及び/又は準備の工程、患者の脛骨表面に適切な穴を穿孔する工程、並びに脛骨トレイ38を装填する工程を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0055】
図4に示し、
図4を参照して上述したように、軸受39の補強ピン80は脛骨トレイ38のボア84に挿入され、軸受39は、軸受39のタブ90が脛骨トレイ38のアンダーカット92に達するまで、下側へと移動される。ツール130は、その後、インパクターヘッド150の嵌入面208を軸受39の軸受面62、64に隣接させて位置付けられる。この位置で、軸受39の後方安定化隆起66が、インパクターヘッド150内に形成された空洞172内に位置付けられる。
【0056】
詳細に上述したように、嵌入面208及び前面延長部204は、軸受39のサイズに関係なくインパクターヘッド150の揺動を防ぐ輪郭を有して形成される。特に、嵌入面208及び前面延長部204は、各軸受39に対して3つの直接的な安定した接点を提供する。例えば、より小さな軸受39、例えばサイズ1の軸受と共に使用されるとき、
図25及び26に見られるように、嵌入面208の外方表面218は軸受面62、64の外方表面74に接触し、嵌入面208の後方面234は軸受面62、64の後方面78に接触し、前面延長部204は軸受39の膝蓋骨面71に接触する。より大きな軸受39、例えばサイズ10の軸受と共に使用されるとき、
図27及び28に見られるように、嵌入面208の内方表面216はより大きな軸受39の軸受面62、64の内方表面70に接触し、嵌入面208の
前方面232は軸受面62、64の
前方面76に接触し、前面延長部204は軸受39の隆起66の前側カム面69に接触する。中間サイズの軸受39、例えばサイズ5の軸受と共に使用されるとき、嵌入面208の中央表面217は軸受面62、64の中央表面72に接触してもよく、前面延長部204は、隆起66の前側カム面69と軸受39の膝蓋骨面71との間の地点に接触してもよい。軸受39のサイズに係わらず、嵌入面208及び前面延長部204は、各軸受39上の3つの異なる接触点に一致して安定した嵌入面を提供する、3つの表面を提供する。
【0057】
インパクターヘッド150が軸受39に対して適切に位置付けられた後、ハンマー、マレット、又はツール130の自由端144を叩くのに適した他のツールを使用することによって、軸受39が脛骨トレイ38に押し付けられる。ツール130の自由端144を叩くことによって方向102で働く圧力によって、軸受39上のタブ90が脛骨トレイ38のアンダーカット92を越え、軸受39が脛骨トレイ38上で固定される。外科医は、軸受39を適切に嵌めるため、ツール130の自由端144を複数回叩く必要があることがある。
【0058】
特定の脛骨植え込みコンポーネントについて本明細書に描写しているが、本出願の原理は他の脛骨コンポーネントと共に使用されてもよい。更に、ツール130は、外科的プロセス中に他の様々な機器の終片と併せて使用されてもよい。
【0059】
本明細書を読むことによって明白になるように、本明細書に開示される実施形態のいずれかにおける特徴の任意のものは、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態のいずれかに組み込まれてもよい。
【0060】
図面及び上述の記載において本開示を詳細に例証し記載してきたが、かかる例証及び記載は、特性を制限するものではなく例示として見なされるものとし、単なる例示の実施形態が図示され記載されており、本開示の趣旨の範囲内にある全ての変更及び修正が保護されることを望むものであることを理解されたい。
【0061】
本明細書に記載される装置、システム、及び方法の様々な特徴から派生する、本開示の複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替実施形態は、記載された特徴の全てを含まないことがあり、それでも依然として、かかる特徴の利点の少なくともいくつかから利益を得ることに留意されたい。当業者であれば、本発明の特徴の1つ以上を組み込んだ、かつ本開示の趣旨及び範囲内にある装置、システム、及び方法について、独自の実現例を容易に考案してもよい。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科的関節形成処置で使用される外科用器具であって、
第1の端部及び第2の端部を有するシャフトと、
前記シャフトの前記第2の端部に配設されたインパクターヘッドであって、
第1及び第2の離間配置された端部、
前記インパクターヘッドの前記第2の端部に配設された、2つの離間配置された嵌入面、並びに
前記嵌入面の間に配設され、少なくとも第1の脛骨植え込みコンポーネント及び前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズとは異なるサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起を収容するように適合された、空洞、を含む、インパクターヘッドと、を含み、
前記嵌入面がそれぞれ、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含む、外科用器具。
(2) 前記第1の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記軸受面の前方面に接触する前方面を含み、
前記第2の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの後方面に接触する後方面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記第1の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記軸受面の内方表面に接触する内方表面を含み、
前記第2の区画が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたときに前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの外方表面に接触する外方表面を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズが、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記嵌入面の中央表面が第3の脛骨植え込みコンポーネントの中央表面に接触し、前記第3の脛骨植え込みコンポーネントのサイズが、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも小さく、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい、実施態様3に記載の外科用器具。
【0063】
(6) 前記第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントと接触したときに、前記第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントそれぞれの前側部分に接触するように適合された前壁延長部を有する前壁を更に含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記前壁延長部が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記後方安定化隆起に接触し、
前記前壁延長部が、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接触する、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 整形外科的関節形成処置で使用される外科用器具であって、
第1の端部及び第2の端部を有するシャフトと、
前記シャフトの前記第2の端部に取り付けられたインパクターヘッドであって、
第1及び第2の離間配置された端部、
前記インパクターヘッドの前記第2の端部に配設される2つの離間配置された嵌入面、
前記嵌入面の間に配設され、第1の脛骨植え込みコンポーネント及び前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズとは異なるサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起を収容するように適合された、空洞、並びに
前記インパクターヘッドの前記第2の端部に形成された前壁であって、前記2つの離間配置された嵌入面と組み合わせて、少なくとも前記第1及び第2の脛骨植え込みコンポーネントを嵌入するための安定面を形成する前壁延長部を含む、前壁を含む、インパクターヘッドと、を含み、
前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記前壁延長部が前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記後方安定化隆起に接触し、前記インパクターヘッドが嵌入のために位置付けられたとき、前記前壁延長部が前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接触する、外科用器具。
(9) 前記前壁延長部及び前記嵌入面が、複数の異なるサイズの脛骨植え込みコンポーネントのための3つの安定した接点を提供する、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記嵌入面がそれぞれ、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含む、実施態様8に記載の外科用器具。
【0064】
(11) 前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズが、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい、実施態様8に記載の外科用器具。
(12) 前記嵌入面が、前記嵌入面の前方面が前記軸受面の前方面に接触し、かつ前記嵌入面の内方表面が前記軸受面の内方表面に接触するようにして、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面に接触し、
前記嵌入面が、前記嵌入面の後方面が前記軸受面の後方面に接触し、かつ前記嵌入面の外方表面が前記軸受面の外方表面に接触するようにして、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面に接触する、実施態様8に記載の外科用器具。
(13) 整形外科的関節形成処置中に外科用器具を使用する方法であって、前記外科用器具が、第1及び第2の端部と、前記外科用器具の前記第2の端部に配設されたインパクターヘッドであって、前記インパクターヘッドの前記第2の端部に配設された、離間配置された嵌入面、前記嵌入面の間に形成された空洞、前記インパクターヘッドの前記第2の端部で前壁から延在する前面延長部、を含むインパクターヘッドと、を含み、前記方法が、
脛骨植え込みコンポーネントを患者の準備された脛骨に挿入する工程と、
前記脛骨植え込みコンポーネントの後方安定化隆起が前記インパクターヘッドの前記空洞内へと延在している状態で、前記外科用器具の端部を前記脛骨植え込みコンポーネントに隣接させて位置付ける工程と、
第1のサイズを有する第1の脛骨植え込みコンポーネントが利用される場合、前記インパクターヘッドの前記前面延長部を前記後方安定化隆起の前側カム面に接して位置付けて、前記脛骨植え込みコンポーネントを嵌入する間の安定性を前記インパクターヘッドに提供する工程と、あるいは、
前記第1のサイズとは異なる第2のサイズを有する第2の脛骨植え込みコンポーネントが利用される場合、前記インパクターヘッドの前記前面延長部を前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの膝蓋骨軸受面に接して位置付けて、前記脛骨植え込みコンポーネントを嵌入する間の安定性を前記インパクターヘッドに提供する工程と、を含む、方法。
(14) 前記嵌入面の前方面が前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の前方面に接触するようにして、前記軸受面と接触させて前記嵌入面を位置付ける工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記嵌入面の内方表面が前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの前記軸受面の内方表面に接触するようにして、前記軸受面と接触させて前記嵌入面を位置付ける工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
【0065】
(16) 前記嵌入面の後方面が前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の後方面に接触するようにして、前記軸受面と接触させて前記嵌入面を位置付ける工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記嵌入面の外方表面が前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの前記軸受面の外方表面に接触するようにして、前記軸受面と接触させて前記嵌入面を位置付ける工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記嵌入面がそれぞれ、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第1の区画と、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントの軸受面の輪郭に一致する輪郭を有する第2の区画と、を含み、前記第2の脛骨植え込みコンポーネントのサイズが、前記第1の脛骨植え込みコンポーネントのサイズよりも大きい、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記前面延長部及び前記嵌入面が、複数の異なるサイズの脛骨植え込みコンポーネントのための3つの安定した接点を提供する、実施態様13に記載の方法。
(20) 前記第1又は第2の脛骨植え込みコンポーネントに圧力を印加する工程を更に含み、前記圧力の方向が、前記第1又は第2の脛骨植え込みコンポーネントの長手方向軸線に平行である、実施態様13に記載の方法。