(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、頭部装着具が建設作業現場に従事する作業員の頭部に装着され、頭部を衝撃から保護するヘルメットである場合について説明する。
図1〜
図4、
図7に示すように、ヘルメット10は、本体12と、つば部14と、表示部16と、第1の操作入力部18と、情報提供部20と、測位部22と、音声出力部24と、制御部26とを含んで構成されている。
【0009】
図1〜
図4、
図5に示すように、本体12は、使用者の頭部Hに装着されるものであり、頭部Hを覆う半球状を呈し、FRP樹脂(繊維強化プラスチック)、あるいは、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂などの従来公知の様々な合成樹脂で構成されている。
図4に示すように、本体12の内面には、ヘッドバンド28と、ハンモック部材30と、複数の支持ベルト32とが設けられている。
ヘッドバンド28は、本体12の内面の下部に取着され本体12の下部の全周に沿って環状に延在している。
ハンモック部材30は、可撓性を有し、使用者の頭部Hの上部に当接する板状を呈している。
複数の支持ベルト32は、ハンモック部材30とヘッドバンド28とを連結するものである。
そして、本体12が頭部Hに装着された状態で、ハンモック部材30およびヘッド部材が頭部Hに当接することで、頭部Hと本体12の内面との間に空間が確保され、頭部Hに加わる衝撃がハンモック部材30および支持ベルト32によって緩和されるように構成されている。
【0010】
つば部14は、本体12の前部に設けられており、本実施の形態では、本体12の前部下縁から前方に突出するように本体12と一体的に設けられている。
つば部14は、前後方向の長さよりも左右方向の幅が大きな寸法で形成されている。
【0011】
図4、
図5に示すように、表示部16は、本体12を装着した使用者が上目遣いで視認可能なつば部14の下面1402の範囲に情報を表示するものである。
本実施の形態では、表示部16は、矩形板状を呈し、つば部14の下面1402に表示面を下方に向けて取着されている。
表示部16は、図面や作業指示書などの情報が表示可能な解像度を有していればよく、LCDディスプレイや有機ELディスプレイなどの従来公知の様々な画像表示装置が使用可能である。
【0012】
図7に示すように、第1の操作入力部18は、使用者の操作により表示部操作情報を受け付けるものである。
表示部操作情報は、表示部16に表示される情報の選択(例えば、図面や作業手順書といった情報の種類の選択)、情報の表示方法(例えば、頁の移動や頁数、表示内容の回転、表示内容の拡大縮小、表示内容のスクロール)などを指示するための情報である。
第1の操作入力部18としては、例えば、以下のものが使用可能である。
1)本体12あるいはつば部14に設けられたスイッチ
2)表示部16に設けられたタッチパネルスイッチ
3)本体12あるいはつば部14に設けられ音声を認識して表示部操作情報を受け付ける音声認識装置
なお、音声認識装置は、使用者の音声を検出する音声検出部と、検出された音声の音声認識処理を行なう音声認識部と、音声認識処理の結果に基づいて表示部操作情報を生成する情報生成部とを備えるものである。
したがって、第1の操作入力部18として音声認識装置を用いる場合は、使用者が「図面表示」、「作業手順書表示」といったように表示する情報を選択する内容を発話し、あるいは、「1頁進む(1頁戻る)」、「3頁」といったように表示する情報の頁の移動、頁数の指示を発話することで、音声認識装置が発話内容に基づいて表示部操作情報を生成する。
【0013】
情報提供部20は、表示部16に表示させる情報を提供するものである。
なお、表示部16に表示される情報は、使用者が作業を行なうに際して必要となる様々な情報を含む。
本実施の形態では、このような情報として、各種図面、作業手順書、作業現場の地図、作業の進捗段階に応じた予定図などが挙げられる。
また、本実施の形態では、表示部16で表示される情報の少なくとも一部は、測位情報と関連付けされており、情報提供部20は、測位情報と関連付けられた情報を提供できるように構成されている。
情報提供部20としては以下のものが使用可能であり、本体12あるいはつば部14に設けられている。
1)予め表示部16に表示させる情報を格納している記憶媒体
記憶媒体としては、メモリカードあるいはメモリICを用いることができる。
2)外部装置から無線回線を介して送信される情報を受信する受信装置
なお、記憶媒体は、予め情報が記録されたものを用いてもよく、あるいは、専用のリーダライタ装置により、記憶媒体の情報を書き換えるようにしてもよい。
また、受信装置と記憶媒体との双方を用い、受信装置で受信した情報を記憶媒体に書き込んでもよい。
【0014】
測位部22は、本体12あるいはつば部14に設けられ、GPS衛星などの測位衛星から送信される測位信号に基づいて、ヘルメット10を装着した使用者が位置する場所を示す測位情報を生成するものである。
【0015】
音声出力部24は、本体12あるいはつば部14に設けられ、使用者に音声情報を伝えるものである。音声出力部24は、例えば、スピーカーと、音声情報に基づいてスピーカーを鳴動させる駆動部とを含んでいる。
【0016】
制御部26は、コンピュータによって構成されている。
コンピュータは、CPUと、バスラインを介して接続されたROM、RAM、入出力インターフェースなどを含んでいる。
ROMは所定の制御プログラムなどを格納し、RAMはワーキングエリアを提供するものである。
入出力インターフェースは、第1の操作入力部18、情報提供部20、測位部22、表示部16、音声出力部24と接続されている。
制御部26は、CPUが前記プログラムを実行することによって、情報提供部20から情報を受け取ると共に、第1の操作入力部18で受け付けられた表示部操作情報に基づいて情報の表示を制御する表示制御部を実現している。
表示制御部は、第1の操作入力部18の操作により、例えば、以下の機能を提供する。
1)複数の情報から使用者が必要とする情報を選択する。例えば、メニュー画面や検索画面を表示部16に表示させ、第1の操作入力部18の操作により所望の情報を選択する。
2)表示部16に表示される情報を拡大、縮小する。
3)表示部16に表示される情報の角度を変更する。例えば、90度ずつ左右に回転する。
4)表示部16の表示面積よりも大きな面積を有する大きな情報を表示する場合、第1の操作入力部18の操作により表示部16に表示する部分を移動する(スクロールする)。
【0017】
次に、ヘルメット10の使用方法について説明する。
予め、使用者は、頭部Hにヘルメット10を装着しているものとする。
使用者は、第1の操作入力部18を操作することにより、表示部16に表示される情報の選択を指示する。
第1の操作入力部18は、操作に応じて受け付けた表示部操作情報を制御部26に供給する。
制御部26は、表示部操作情報に基づいて情報提供部20から必要な情報を受け取り、受け取った情報を表示部16に供給する。
また、使用者は、第1の操作入力部18を操作することにより、表示部16に表示される情報の表示方法を指示する。
これにより、
図6に示すように、表示部16に情報が表示される。本例では、表示される情報が、ボルトBと、2つのワッシャW1、W2と、ナットNとを組み立てる作業手順書である場合を示している。具体的には、ボルトB、ワッシャW1、W2、ナットNの組み立て順序を示す画像と、ボルトBの全長の数値と、ナットNの厚さの数値とが表示部16に表示される。
したがって、使用者は、
図5に示すように、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見ることで、作業手順書の情報を視認することができる。
【0018】
また、制御部26は、表示部16に表示させた情報に対応する音声情報(例えば、組み立ての作業の手順)を音声出力部24から出力させる。
本例では、「ボルトBの雄ねじ部を2枚のワッシャW1、W2に挿通させて、ナットNと螺合してください。」といったような音声情報が出力される。
この場合、使用者は、表示部16に表示される情報を視覚的に得ることに加えて、音声情報を聴覚的に得ることができるため、作業内容をより簡単に確実に理解することができ、作業効率を高める上で有利となる。
【0019】
また、制御部26は、測位部22から供給される測位情報に基づいて測位情報に対応する情報を情報提供部20から得て、表示部16に表示させる。
そのため、使用者は、自らが位置する場所に対応した情報(例えば、使用者が位置する場所が示された地図、あるいは、使用者が位置する場所に対応する図面など)を簡単に確実に得ることができるため、作業効率を高める上で有利となる。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヘルメット10の本体12を装着した使用者が上目遣いで視認可能なつば部14の下面1402の範囲に情報を表示する表示部16を設けたので、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで必要な情報を視認できる。
したがって、必要な情報を視認する際に、頭部Hからヘルメット10を外す必要がないため、頭部Hの保護を図りつつ、特別な操作を行なうことなく、容易に情報を視認する上で有利となる。
また、手元で図面や作業手順書などの資料を広げて見ることが困難な場合で狭い場所であっても、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで、必要な情報を確実に得ることができるため、狭い作業環境であっても作業効率を高める上で有利となる。
また、使用者の手が手摺を掴んでいたり、装置を操作していたりして、手で資料を把持することができない場合であっても、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで、必要な情報を確実に得ることができるため、手が塞がるような環境であっても作業効率を高める上で有利となる。
また、図面や作業手順書などの資料を汚損するおそれがある作業環境や、資料を雨水などで濡らすおそれがある作業環境であっても、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで必要な情報を確実に得ることができるため、作業環境を問わず作業効率を高める上で有利となる。
【0021】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について
図8を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分について重点的に説明する。
第2の実施の形態は、つば部14が、本体12に対して予め定められた方向に移動可能に設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
つば部14は、表示部16が設けられる下面1402と、下面1402の反対側に位置する上面1404と、下面1402と上面1404の前端を接続する前端部1406と、下面1402と上面1404の後端を接続する後端部1408とを備えている。
後端部1408には、上下方向に突出する一対の突片1410が左右方向に延在して形成されている。
本体12の前部下端寄りの箇所には、一対の突片1410を係合して本体12の周方向に移動可能に案内するガイド溝1202が形成され、ガイド溝1202の周方向の長さは、一対の突片1410の延在長さよりも大きな寸法で設けられている。
したがって、本実施の形態では、つば部14は、ガイド溝1202に案内されることで本体12の周方向に移動可能に設けられている。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、使用者の頭部前方に障害物が位置し、つば部14を使用者の前方に向けることができないような狭い場所であっても、つば部14を手で持って本体12の周方向に移動し、斜め上目遣いで表示部16を視認することができるため、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0022】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について
図9を参照して説明する。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態の変形例であり、つば部14が、本体12の周方向および前後方向の双方に移動可能に設けられている。
図9(A)〜(C)に示すように、つば部14は、本体部14Aと、スライド部14Bとを備えている。
本体部14Aは、第2の実施の形態と同様に、本体部14Aの一対の突片1410が本体12のガイド溝1202に案内されることで本体12の周方向に移動可能に設けられている。
さらに、本体部14Aの左右方向の中央には、下方に開放され前後方向に延在するガイド溝1410が設けられている。
スライド部14Bは、平面視した状態で本体部14Aの輪郭内に収まる形状と大きさ位の板状を呈している。
スライド部14Bの下面には表示部16が表示面を下方に向けて取着されている。
スライド部14Bの上面の左右方向の中央にはガイド溝1410に係合する係合部1412が設けられ、スライド部14Bは、係合部1412を介してガイド溝1410によって前後方向に移動可能に支持されている。
したがって、本実施の形態では、つば部14は、ガイド溝1202に案内されることで本体12の周方向に移動可能に設けられると共に、本体12が使用者の頭部Hに装着された状態で、スライド部14Bは、本体12に対して前後方向に移動可能に設けられている。
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、表示部16を備えるスライド部14Bを手で持って前後方向に移動できるため、使用者が上目遣いでより見やすい箇所に表示部16を動かすことができ、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0023】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について
図10を参照して説明する。
第4の実施の形態は、つば部14が本体12に対して上下方向に変位可能に設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
本体12の前部寄りの左右の側部に、同軸上に位置する一対の支軸1210が突設されている。
つば部14の後端部1408の左右両端に軸受部1420がそれぞれ設けられ、軸受部1420が支軸1210に回転可能に支持され、つば部14は支軸1210を中心として本体12に対して上下方向に揺動可能に設けられている。
そして、それら支軸1210と軸受部1420との間にクリック機構が設けられ、所定の揺動角度毎にクリック感が得られるように構成されている。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、つば部14を手で持って本体12に対して上下方向に揺動できるため、使用者が上目遣いでより見やすい箇所に表示部16を動かすことができるため、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0024】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について
図11を参照して説明する。
第5の実施の形態は、第2の実施の形態の変形例であり、つば部14を自動的に移動させるようにしたものである。
図11に示すように、
図7の構成に、移動部34と、第2の操作入力部36とが追加されている。
移動部34は、つば部14を予め定められた方向に沿って移動させるものである。
移動部34は、例えば、本体12に設けられたモータと、モータにより回転される歯車機構と、つば部14に設けられ歯車機構に噛合するラックとを含んで構成されている。
モータが正逆転することにより、歯車機構およびラックを介してつば部14が本体12の周方向に沿って左右方向に移動する。
【0025】
第2の操作入力部36は、使用者の操作によりつば部操作情報を受け付けるものである。
つば部操作情報は、つば部14の移動方向などを指示するための情報である。
第2の操作入力部36は、第1の操作入力部18と同様に、1)本体12あるいはつば部14に設けられたスイッチ、2)表示部16に設けられたタッチパネルスイッチ、3)本体12あるいはつば部14に設けられた音声認識装置によって構成される。
したがって、第2の操作入力部36として音声認識装置を用いる場合は、使用者が「左に移動」、「中央に移動」、「右に移動」といったようにつば部14の移動方向の指示を発話することで、音声認識装置が発話内容に基づいてつば部操作情報を生成する。
なお、第2の操作入力部36は、第1の操作入力部18と兼用してもよいし、別々に設けてもよい。
【0026】
制御部26は、前記CPUが前記プログラムを実行することによって、第2の操作入力部36で受け付けられたつば部操作情報に基づいて移動部34によるつば部14の移動を制御する移動制御部を実現している。
【0027】
第5の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、移動部34によりつば部14を自動的に移動させるため、つば部14の移動に際して行なう操作が最小限で済み、使い勝手の向上を図る上でより一層有利となる。
また、第5の実施の形態における移動部34、第2の操作入力部36、移動制御部26を、第3、第4の実施の形態に適用できることは無論であり、その場合、第5の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0028】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について
図12を参照して説明する。
第6の実施の形態は、つば部14が本体12に対して着脱可能に設けられているものである。
図12(A)、(B)に示すように、つば部14の後端部1408には、環状のゴムベルト38が取着されており、ゴムベルト38は、本体12の下部の外周面に沿って着脱可能な大きさで形成されている。
したがって、ゴムベルト38の内側に本体12の下部を挿入することでつば部14を本体12に装着でき、ゴムベルト38から本体12を取り外すことでつば部14を本体12から取り外すことができる。
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態に加え、つば部14を有さない本体12からなるヘルメット10であっても、表示部16を有するつば部14を容易に装着することができるので、表示部16を備えるヘルメット10を簡単に実現する上で有利となる。
【0029】
なお、実施の形態では、表示部16に表示される情報として、建築作業に関する図面、作業手順書、地図を例示したが、落雷、竜巻、豪雨、地震などの非常事態を報知する報知情報を表示部16に表示させてもよい。
その際、ヘルメット10は、情報提供部20として外部装置から無線回線を介して送信される情報を受信する受信装置を備える必要があり、制御部26(表示制御部)は、外部装置から送信される報知情報を表示部16に表示させる。
この場合、報知情報の表示に先立って、表示部16を点滅させて使用者の注意を喚起するようにすると、報知情報が表示されていることを使用者に確実に伝達でき、報知情報の見落としを防止する上で好ましい。
また、制御部26は、音声出力部24を用いてアラーム音を発生させて使用者の注意を喚起してもよいし、あるいは、音声出力部24を用いて上記報知情報を音声により使用者に報知してもよい。また、振動を発生するバイブレータを本体12に設けておき、制御部26は、報知情報が提供されたときに、バイブレータを駆動して使用者の注意を喚起してもよい。このようにすると、報知情報の見落としを防止する上でより好ましい。
【0030】
また、実施の形態では、頭部装着具が建設作業現場などで使用されるヘルメット10である場合について説明したが、頭部装着具は、オートバイ運転者用のヘルメット10であってもよい。
この場合、表示部16に表示する情報を、道路地図や交通情報とすれば、運転者は、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで、運転に関する情報を簡単に確実に視認することができ、頭部Hからヘルメット10を外す必要がないため、容易に情報を視認する上で有利となる。
【0031】
また、頭部装着具は、ゴルフなどのスポーツや外出時にかぶる帽子、あるいは、サンバイザーであってもよい。
例えば、頭部装着具がゴルフ用の帽子やサンバイザーである場合、表示部16に表示する情報を、コースに関する情報(現在位置からグリーンまでの残り距離、池やOBエリアなどの配置など)とすればよい。
この場合、使用者は、上目遣いでつば部14の下面1402の表示部16を見るだけで、コースに関する情報を簡単に確実に視認することができるため、ゴルフ用ナビゲーション端末を用いる場合に比較して、ゴルフ用ナビゲーション端末を手に持って操作をする手間がかからず、容易に情報を視認する上で有利となる。
【0032】
また、使用者の視力、あるいは、表示部16と使用者の眼との距離によっては、表示部16に表示される画像が見難くなることが考えられる。
そこで、表示部16と使用者の眼との間に視力を調整する光学系を設け、表示部16の表示内容が見やすくなるようにしてもよい。
この場合、光学系を、つば部14あるいは本体16に対して着脱可能に設けるようにしてもよい。そのようにすると、光学系が必要なときのみ光学系を後付できるため、使い勝手を向上する上で有利となる。
また、光学系が、使用者の眼と表示部16との間に位置する使用位置と、使用位置から退避する非使用位置との間で移動可能に設けても良い。そのようにすると、使用者の視力や表示部16の位置に応じて光学系を簡単に使い分けることができ、使い勝手を向上する上で有利となる。
【0033】
また、実施の形態では、第1の操作入力部18、情報提供部20、測位部22、音声出力部24、制御部26、移動部34、第2の操作入力部36が本体12あるいはつば部14に設けられている場合について説明した。
しかしながら、第1の操作入力部18、第2の操作入力部36を本体12,つば部14とは別体に設け、制御部26と第1の操作入力部18、第2の操作入力部36との間をケーブルや無線回線によって接続してもよい。このようにすると、第1の操作入力部18、第2の操作入力部36を操作し易い箇所、例えば、使用者の身体や衣服に取り付けることができ操作性の向上を図る上で有利となる。
また、第1の操作入力部18、情報提供部20、測位部22、音声出力部24、制御部26、移動部34、第2の操作入力部36を、本体12,つば部14とは別体に設けられた筐体に収納し、この筐体を使用者が首からぶら下げるなどして持ち運ぶようにしてもよい。その場合、制御部26と表示部16との間は、ケーブルによって接続してもよいし、無線回線によって接続してもよい。このようにすると、頭部装着具の軽量化を図る上で有利となる。