(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
レコード巻きテープを載置する回転可能な載置台と、前記載置台に載置された前記レコード巻きテープの軸方向に沿って配置され、前記載置台とともに回転可能な案内軸と、前記案内軸の周囲を囲むように配置された案内環であって、前記案内軸との間に環状隙間を形成する案内環と、発光部及び受光部を有し、前記レコード巻きテープから引き出されたテープの前記環状隙間における位置を検出するセンサーと、前記載置台及び前記案内軸を回転させる回転機構と、を備え、前記発光部及び前記受光部は、検出光が前記案内軸の外側になるように前記案内環に配置されていることを特徴とするテープ供給装置が明らかとなる。このようなテープ供給装置によれば、テープの検出精度を高めることができる。
【0012】
前記案内環の上側及び下側の少なくとも一方に、前記案内軸の半径よりも大きい半径の円板状の案内板が配置されていることが望ましい。これにより、テープが案内板の外周縁によって案内軸から離れるように案内される。
【0013】
前記案内板の半径は、前記検出光と前記案内軸の中心との距離よりも大きいことが望ましい。これにより、テープが検出光を横切らない問題を解消できる。
【0014】
前記軸方向から見たときに、2個の前記センサーの検出光が交差しており、
前記案内板の半径は、前記軸方向から見たときの2個の前記センサーの検出光の交点と前記案内軸の中心との距離よりも大きいことが望ましい。これにより、環状隙間におけるテープの移動方向が同じであれば、検出光を遮るセンサーの順序が変わらないので、テープの移動方向の誤検出を抑制できる。
【0015】
前記案内環の内周面の半径と前記案内板の半径との差は、前記テープの幅よりも小さいことが望ましい。これにより、環状隙間の中でテープが自転して捻れることを抑制できる。
【0016】
前記軸方向から見たときに、前記案内環と前記案内板との間の隙間を通過する前記検出光の長さは、前記テープの幅よりも小さいことが望ましい。これにより、テープが検出光と平行になることを抑制できる。
【0017】
前記載置台に載置された第1レコード巻きテープ及び第2レコード巻きテープのうちの一方のレコード巻きテープの外側のテープ端と他方のレコード巻きテープの内側のテープ端とが、テープの表裏を一致させて接続されており、前記第2レコード巻きテープに接続された側とは反対側の前記第1レコード巻きテープのテープ端から、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープのテープを供給することが望ましい。これにより、一度に供給できるテープ長を長くできる。
【0018】
2個の前記センサーの平行な検出光の進行方向が逆向きであることが望ましい。これにより、受光部が別のセンサーの検出光を受光しにくくなり、誤検出を抑制できる。
【0019】
複数の前記発光部及び複数の前記受光部が、前記案内環で交互に配置されていることが望ましい。これにより、受光部が別のセンサーの検出光を受光しにくくなり、誤検出を抑制できる。
【0020】
少なくとも3個以上の前記センサーの検出結果に基づいて、前記環状隙間における前記テープの移動方向を検出することが望ましい。これにより、環状隙間におけるテープの移動方向を検出することによって、例えば載置台の回転方向や回転速度を決定できる。
【0021】
===第1実施形態===
<テープ供給装置30と捻れ検出部36>
図1は、テープ供給装置30の説明図である。テープ供給装置30は、張力調節機構32と、載置台20と、回転機構34と、捻れ検出部36と、コントローラー38とを有する。載置台20には、レコード巻きテープ10が載置されている。
【0022】
以下の説明では、
図1に示すように、上下方向を定義する。すなわち、レコード巻きテープ10の軸に平行な方向を「上下方向」とし、レコード巻きテープ10の2つの面(テープ11の側辺から構成される2つの面)のうち、載置台20の側を「下」とし、逆側を「上」とする。
【0023】
レコード巻きテープ10は、テープ11の側辺(テープ11の幅方向の端)が揃った状態で重ねて巻き回されたテープである。レコード巻きテープ10は、テープ幅と同程度の幅の芯材にテープ11をレコード巻きすることによって製造される場合や、幅広の芯材に幅広の原反を巻き付けたものを所定幅にスリット(裁断)して製造される場合などがある。
ここでは、芯材の無いレコード巻きテープ10(コアレスタイプのレコード巻きテープ)が用いられる。芯材は、レコード巻きテープ10の製造時から無くても良いし、使用時にレコード巻きテープ10から外されても良い。
【0024】
張力調節機構32は、引き出されるテープ11の張力を調節する機構である。張力調節機構32は、例えば、メインローラー32A及び従動ローラー32Bと、メインローラー32Aを回転させるトルク調節モーター32Cとを有する。テープ供給装置の下流側の装置(後述の押出し装置47:
図7参照)からテープ11が引き取られており、張力調節機構32は、トルク調節モーター32Cを制御して、メインローラー32A及び従動ローラー32Bから送り出されるテープ11の張力を調節している。
テープ11は、メインローラー32Aと従動ローラー32Bとの間に挟まれている。テープ11がメインローラー32Aと従動ローラー32Bとの間に挟まれることによって、テープ11の捻れがメインローラー32A及び従動ローラー32Bの上流側に蓄積され、捻れたテープ11が下流側に供給されることを抑制している(但し、捻れの数が許容捻れ回転数(後述:
図4参照)を超えてしまうと、捻れたテープ11が下流側に供給されてしまうことがある)。
【0025】
レコード巻きテープ10からテープ11を引き出す力は、メインローラー32Aから直接的に付与されるのではなく、メインローラー32Aよりも下流側の装置(後述の押出し装置47:
図7参照)から付与されている。メインローラー32Aは、テープ11にバックテンションを付与する役割を果たしている。コントローラー38は、不図示の引張装置を駆動してテープ11の供給量や供給速度を制御しつつ、メインローラー32Aのトルクを制御してテープ11のテンションを制御する。また、メインローラー32Aは、テープ11の送り出しをガイドする役割を果たしている。
なお、レコード巻きテープ10からテープ11を引き出す力を、メインローラー32Aよりも下流側の引張装置(不図示)から付与する代わりに、メインローラー32Aの回転力から直接的に付与しても良い。この場合、コントローラー38は、トルク調節モーター32Cを駆動してメインローラー32Aの回転量を制御することによって、テープ11の供給量や供給速度を制御することになる。
【0026】
載置台20は、レコード巻きテープ10を載置する台である。載置台20の中央には案内軸36Aが配置されている。載置台20は、案内軸36Aを中心にしながら上下方向を軸として回転可能に支持されている。載置台20が回転すると、レコード巻きテープ10も一緒に回転することになる。
【0027】
回転機構34は、載置台20及び案内軸36Aを回転させる機構である。コントローラー38が回転機構34のモーターを駆動すると、案内軸36Aを中心にしながら載置台20(及びレコード巻きテープ10)と案内軸36Aが回転する。上から見たときの載置台20の回転方向がレコード巻きテープ10の巻き方向(レコード巻きテープ10の内側から外側に向かってテープ11の巻かれている方向)と逆方向になるように、回転機構34は載置台20を回転させることになる。ここでは、上から見たときのレコード巻きテープ10の巻き方向が反時計回りなので、上から見た載置台20の回転方向は時計回りになる。
【0028】
捻れ検出部36は、テープ11の捻れを検出する機能を有する。捻れ検出部36は、案内軸36A及び案内環36Bと、検出センサー50とを有する。
【0029】
案内軸36Aは、レコード巻きテープ10の内側から引き出されたテープ11を上側に案内する部材である。案内軸36Aは、上下方向に延びた丸棒状の部材であり、レコード巻きテープ10の中心の中空部を貫通するように配置されている。このように案内軸36Aを配置するために、案内軸36Aを載置台20に着脱可能に構成しておき、載置台20にレコード巻きテープ10をセットするときには案内軸36Aを外しておき、レコード巻きテープ10のセット後にレコード巻きテープ10の中心の中空部を貫通するように案内軸36Aを装着すると良い。
【0030】
案内軸36Aは、載置台20の回転中心に位置しており、載置台20とともに回転する。案内軸36Aを載置台20とともに回転させることにより、テープ11と案内軸36Aとの擦れを抑制できるため、摩耗粉の発生や静電気の発生を抑制できる。
【0031】
案内軸36Aは、載置台20及び載置台20上のレコード巻きテープ10よりも上側に突出している。この上側に突出した部位において、案内軸36Aの周囲を囲むように案内環36Bが配置されている。言い換えると、案内軸36Aは、環状の案内環36Bの中空部を貫通するように配置されている。
【0032】
案内環36Bは、テープ11の移動範囲をその内側に制限する環状の部材である。案内環36Bは、案内軸36Aの周囲を囲むように配置されており、案内環36Bは、案内軸36Aとの間で環状の隙間を形成する。レコード巻きテープ10から引き出されたテープ11は、案内軸36Aと案内環36Bとの間に形成された環状の隙間を通じて、供給されることになる。案内環36Bは、回転しないように外部から固定されている。
【0033】
検出センサー50は、案内軸36Aと案内環36Bとの間の隙間におけるテープ11を検出するセンサーである。検出センサー50は、発光部51と受光部52とを有し(
図2参照)、検出光によってテープ11の有無を検出する光学式センサーで構成されている。検出センサー50の検出結果(受光部52の受光信号)は、コントローラー38に出力される。
【0034】
図2は、検出センサー50の配置の説明図である。
図中には、上から見た捻れ検出部36(案内軸36A、案内環36B、検出センサー50)の配置が示されている。ここでは、4個の検出センサー50が案内環36Bに配置されている。それぞれの検出センサー50は、発光部51及び受光部52を有している。ここでは、4個の検出センサー50の符号に添字「A」〜「D」を付けることによって各検出センサー50を区別すると共に、発光部51及び受光部52の符号にも同様の添字「A」〜「D」を付けることによって各発光部51及び各受光部52を区別する。
【0035】
発光部51は、対向する受光部52へ検出光(例えばレーザー光)を照射する。受光部52は、検出光の受光量に応じた受光信号をコントローラー38に出力する。図中には、検出センサー50の検出光が矢印で示されている。
発光部51が発光する光は、直線的に進行する平行光だけでなく、拡散光でも良い。発光部51の発光する光が拡散光の場合、受光部52から外れる光が存在する。発光部51が発光する光のうち、受光部52から外れる光は、検出に寄与しないため、検出光にはならない。すなわち、検出光とは、発光部51から照射され受光部52に向かう方向の光(受光部52が受光可能な方向の光)を指し、受光部52から外れる方向の光は検出光には含まれない。なお、検出光は、赤外光でも良いし、可視光でも良い。
【0036】
テープ11が検出光を遮ると、受光部52が受光する検出光の受光量が低下する。このため、受光量が所定の閾値以下に低下した受光部52の位置に基づいて、環状の隙間におけるテープ11の位置が検出可能である。例えば
図2に示すように、受光部52Aが検出光を受光していない場合、検出センサー50Aの検出光の光路の位置にテープ11があることになる。
また、検出センサー50が3個以上あれば、受光量が所定の閾値以下に低下した受光部52が切り替わることに基づいて、テープ11が環状の隙間を移動したことと移動方向が検出可能である。例えば検出センサー50Cと検出センサー50Bがテープ11を検出した後に検出センサー50Aがテープ11を検出した場合、
図2に示すように、上から見てテープ11が反時計回りに移動していると考えられる。
後述するように、コントローラー38は、捻れ検出部36の検出結果(受光部52の受光信号)に基づいて、テープ11が検出センサー50の検出光を横切る毎に(若しくはテープ11が環状の隙間を1周移動したことを検出する毎に)、テープ11の移動方向に応じてカウント値を増減する。このカウント値は、テープ11の捻れの状態を示す情報になる。
【0037】
本実施形態では、2本の平行な検出光が案内軸36Aを挟むように、2個の検出センサー50が配置されている。この2本の平行な検出光の進行方向が逆向きになるように、2個の検出センサー50のそれぞれの発光部51及び受光部52が互い違いに配置されている。これにより、発光部51から拡散光が照射されたとしても、受光部52が別の検出センサー50の発光部51の光を受光しにくいため、誤検出を抑制できる。
【0038】
また、本実施形態では、案内環36B上で発光部51と受光部52が交互に並ぶように、4個の検出センサー50のそれぞれの発光部51及び受光部52が配置されている。この配置によっても、受光部52が別の検出センサー50の発光部51の光を受光しにくいため、誤検出を抑制できる。
【0039】
ところで、
図1に示す載置台20を固定したままレコード巻きテープ10の内側からテープ11を上に引き出すと、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11の位置は、レコード巻きテープ10の巻き方向(ここでは反時計回り)と同じ方向に移動する。例えばレコード巻きテープ10の1周分のテープ11が引き出されると、テープ11が環状の隙間を1周し、この結果、張力調節機構32の上流側にテープ11の捻れが1つ形成されることになる。
そこで、コントローラー38は、捻れ検出部36の検出結果に基づいてカウント値を増減させ、カウント値に応じて載置台20の回転を制御して、テープ11の捻れを解消させる。
【0040】
図3は、コントローラー38の処理のフロー図である。作業者が載置台20にレコード巻きテープ10をセットし、
図1に示すようにレコード巻きテープ10のテープ11をテープ供給装置30にセットした後、
図3に示す処理が開始される。
【0041】
まずコントローラー38は、テープ11の捻れの状態を示すことになるカウント値をゼロにリセットする(S001)。次に、コントローラー38は、捻れ検出部36を起動してカウントを開始する(S002)。
【0042】
その後、外部の装置(後述の押出し装置47:
図7参照)からテープ11が引き出される(S003)。このとき、載置台20のレコード巻きテープ10から引き出されたテープ11に捻れが形成されると、テープ11が検出センサー50の検出光を横切るため、コントローラーは、検出センサー50の検出結果に基づいてカウント値をインクリメント(加算)又はデクリメントする。そして、コントローラー38は、カウント値に応じて、載置台20の回転速度を制御する(S004〜S008)。
【0043】
テープ11の供給速度(レコード巻きテープ10からテープ11を引き出す速度)に対して載置台20の回転速度が遅い場合、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11は、レコード巻きテープ10の巻き方向(ここでは反時計回り:
図2参照)と同じ方向に移動する。コントローラー38は、反時計回り(
図2に示す方向)に移動するテープ11が検出センサー50の検出光を横切ったとき、カウント値をインクリメント(加算)させる。
一方、テープ11の供給速度に対して載置台20の回転速度が速い場合、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11は、レコード巻きテープ10の巻き方向と反対方向(ここでは時計回り)に移動する。コントローラー38は、時計回りに移動するテープ11が検出センサー50の検出光を横切ったとき、カウント値をデクリメント(減少)させる。
なお、テープ11の供給速度に対する載置台20の回転速度が適切に設定されていれば、テープ11の捻れが解消されている状態であるため、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11は、移動しない。このため、カウント値は変化しないことになる。
このように、カウント値は、捻れの状態(捻れの方向と数)を示す情報になる。
【0044】
カウント値がゼロの場合、テープ11の供給速度に対する載置台20の回転速度が適切に設定されているため(テープ11の捻れが解消されている状態であるため)、現在の速度をそのまま維持する(S005)。カウント値がプラスの値の場合、テープ11が
図2に示すように移動しており、テープ11の供給速度に対して載置台20の回転速度が遅いため、コントローラー38は、載置台20の回転速度を増速する(S006)。逆に、カウント値がマイナスの値の場合、テープ11の供給速度に対して載置台20の回転速度が速いため、コントローラー38は、載置台20の回転速度を減速する(S007)。このようにコントローラー38が載置台20の回転速度を制御することによって、張力調節機構32よりも上流側のテープ11の捻れが解消される。
【0045】
なお、張力調節機構32の上流側のテープ11の捻れはゼロでなくても許容される。ある程度の捻れは、レコード巻きテープ10からメインローラー32Aとの間に蓄積できるためである。張力調節機構32よりも上流側に蓄積できる捻れの数(許容捻れ回転数)は、レコード巻きテープ10からメインローラー32Aまでの距離(繰り出し距離)が長いほど、多くなる。
図4は、繰り出し距離と許容捻れ回転数との関係を示すグラフである。横軸の繰り出し距離は、レコード巻きテープ10からメインローラー32Aまでの距離である。縦軸の許容捻れ回転数は、メインローラー32Aから上流側に捻れが送り出されずに済む回転数である。ここでは、幅20mm、厚さ0.25mmの不織布が用いられている。グラフに示す通り、許容捻れ回転数は、繰り出し距離が長くなるほど、多くなる。この傾向は、テープ11の材質や形状(幅、厚さ)が変更されても、同様である。
このように、張力調節機構32の上流側でのテープ11の捻れは、ある程度許容されるので、捻れ検出部36による捻れの検出に対する載置台20の回転の応答の遅れは、ある程度許容されている。この結果、張力調節機構32の上流側のテープ11にある程度の捻れができることがある。但し、張力調節機構32のメインローラー32Aと従動ローラー32Bとの間にテープ11が挟まれているため、捻れたテープ11が張力調節機構32の下流側に供給されることを抑制できる。
【0046】
本実施形態では、コントローラー38は、カウント値に基づいて載置台20の回転速度を制御しているが、コントローラー38の制御対象は、載置台20の回転速度に限られるものではない。例えば、コントローラー38は、カウント値に基づいて載置台20の回転量(回転角度)を制御しても良い。カウント値は、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11の移動方向及び移動角度(移動量)を示しているため、例えばコントローラー38が所定角度とカウント値との積に相当する角度分だけ載置台20を回転させれば、テープ11の捻れを解消させることができる。
【0047】
コントローラー38は、テープ11の供給を停止するまでの間、S004〜S007の処理を継続する(S008)。そして、作業者等から停止指令を受けたとき(S008でYES)、コントローラー38は、回転機構34を停止させる(S009)。これにより、テープ11の供給が終了し、テープ供給装置30の動作が終了する。
【0048】
<比較例>
図5Aは、第1比較例の検出センサー50の配置の説明図である。第1比較例では、受光部52が案内環36Bではなく、案内軸36Aに配置されている。
第1比較例では、回転する案内軸36Aに受光部52を配置する必要があるため、受光部52との配線が複雑になり、この結果、検出センサー50が故障しやすくなる。これに対し、本実施形態では、検出センサー50の受光部52(及び発光部51)が案内環36Bに配置されるため、検出センサー50の配線が容易になるという利点がある。
【0049】
図5Bは、第2比較例の検出センサー50の配置の説明図である。第2比較例では、検出センサー50の発光部51及び受光部52のいずれも案内軸36Aには配置されてなく、外部(例えば案内環36B)から固定されている。第2比較例では、発光部51が案内軸36Aに検出光を照射し、検出光が案内軸36Aで反射され、受光部52が反射光を受光する。テープ11が検出光を遮ると、受光部52が受光する検出光の受光量が低下するため、これによりテープ11の位置が検出可能である。
第2比較例では、回転する案内軸36Aに検出光を照射する必要があるため、案内軸36Aが回転中に振動してしまうと、反射光の光路がずれてしまい、検出センサー50が誤検出するおそれがある。これに対し、本実施形態では、検出光は、発光部51から案内軸36Aの外側を通過して受光部52に直接届き、案内軸36Aで反射させないため、案内軸36Aが回転中に振動しても誤検出のおそれは無く、テープの検出精度を高めることができる。
【0050】
<光ケーブル1の製造方法(テープ供給装置30の使用方法)>
図6は、テープ11を有する光ケーブル1の断面図である。
図7は、テープ供給装置30を用いた光ケーブル1の製造装置40の工程図である。
【0051】
光ケーブル1は、3つの光ファイバユニット2と、押え巻きテープ11と、外被7(シース)とを有する。押え巻きテープ11は、前述のレコード巻きテープ10から供給されたテープ11である。
【0052】
光ファイバユニット2は、5枚の4心光ファイバテープ3を識別糸4で巻き付けてユニット化した部材である。識別糸4は、幅2mm×厚さ0.1mmの色付き糸である。3つの光ファイバユニット2の識別色を異ならせることによって、作業者が各光ファイバユニット2を識別できる。
図7に示すように、ボビン43からそれぞれ供給されてくる5枚の4心光ファイバテープ3にバンドル装置44が識別糸4を螺旋状に巻き付けることによって、5枚の4心光ファイバテープ3が識別糸4によって束ねられて、光ファイバユニット2が構成される。SZ分線盤42が撚り回転方向を1回転毎に反転することによって、3つの光ファイバユニット2がSZ型に撚り合わされる。撚り合わされた3つの光ファイバユニット2は、テープフォーマー41に供給される。
【0053】
押え巻きテープ11は、3つの光ファイバユニット2を包む部材である。光ケーブル1内において、押え巻きテープ11は、渦巻き形状になっており、幅方向の両端部が重なりを持ったオーバーラップ構造になっている。押え巻きテープ11は、テープ供給装置30からテープフォーマー41に供給される。テープフォーマー41には、押え巻きテープ11とともに、3つの光ファイバユニット2も供給されており、テープフォーマー41は、3つの光ファイバユニット2を包みながら押え巻きテープ11を渦巻き形状に形成する。テープフォーマー41の下流側には押出し装置47が配置されている。
【0054】
押え巻きテープ11は、例えば加熱により形状が保持される熱可塑性テープから構成される。具体的には、押え巻きテープ11には、ポリイミドテープ、ポリエステルテープ、ポリプロピレンテープ、ポリエチレンテープ等が使用される。この他、押え巻きテープ11として不織布を利用することができる。この場合、不織布は、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等をテープ状に形成したものが使用される。なお、不織布は、吸水パウダー等を付着・塗布させたものや、そのための表面加工を施したものであっても良い。押え巻きテープ11は、不織布にポリエステルフィルム等のフィルムを貼り合わせたものでも良い。押え巻きテープ11は、たとえ加熱されても、内側の光ファイバテープ3や外側の外被7に対しては非接着とされている。これは、光ケーブル1の端末部での口出し作業時や中間分岐作業時に、光ケーブル1から光ファイバテープ3(若しくは光ファイバ心線)を取り出し易くするためである。
【0055】
外被7は、光ファイバユニット2及び押え巻きテープ11を内部に収容するように被覆する部材である。外被7には、抗張力体5及び引き裂き紐6が設けられている。抗張力体5は、外被7の収縮に抗い、外被7の収縮により光ケーブル1に印加される歪みや曲げを抑制する部材である。一対の抗張力体5が、押え巻きテープ11を挟むように、外被7の内部に設けられている。引き裂き紐6は、光ケーブル1の分岐作業時に光ケーブル1を長手方向に引き裂く際に用いられる部材である。一対の引き裂き紐6は、一対の抗張力体5を結ぶ線に対して直交する線上に、押え巻きテープ11を挟むように、外被7の内部に設けられている。
【0056】
押出し装置47には、SZ型に撚り合わされた3つの光ファイバユニット2と、押え巻きテープ11と、2本の抗張力体5と、2本の引き裂き紐6とが供給される。押出し装置47は、抗張力体5と引き裂き紐6をそれぞれの供給源から繰り出しながら、3つの光ファイバユニット2を収容した押え巻きテープ11を走行させつつ、押え巻きテープ11の周囲に外被7を被覆する。これにより、
図6に示す60心の光ケーブル1が製造される。製造された光ケーブル1はドラム48に巻き付けられる。
【0057】
===第2実施形態===
図8Aは、テープ11が案内軸36A側に寄った場合の参考説明図である。前述の
図2に示すテープ11は、直交する2本の検出光の交点よりも外側に位置しているが、
図8Aに示すテープ11は、直交する2本の検出光の交点よりも内側(案内軸36A寄り)に位置している。この結果、
図8Aのテープ11の移動方向は、
図2とは逆方向であるにも関わらず、テープ11によって検出光を遮られる検出センサー50の順序(図中で既に検出光を遮られている検出センサー50Aと、次に検出光を遮られる検出センサー50C)は、
図8Aと
図2とで同じになってしまう。この結果、テープ11の回転方向を誤検出し、カウント値の増減を誤るおそれがある。
【0058】
図8Bは、
図8Aよりも更にテープ11が案内軸36A側に寄った場合の参考説明図である。このようにテープ11が検出光よりも案内軸36A側に寄った場合(テープ11が検出光と案内軸36Aとの間を移動する場合)には、テープ11が検出光を横切らないため、検出センサー50がテープ11を検出できないという問題が生じる。
【0059】
そこで、第2実施形態では、案内軸36Aに案内板を設け、テープ11が案内軸36Aに寄りすぎないようにしている。
【0060】
図9A及び
図9Bは、第2実施形態の捻れ検出部36の説明図である。
図9Aは、捻れ検出部36を上から見た図であり、
図9Bは、捻れ検出部36を横から見た図である。なお、
図9Aでは、検出光と案内板(上側案内板54及び下側案内板55)との位置関係を示すため、上側案内板54を透過させている。
【0061】
図9Bに示すように、第2実施形態の捻れ検出部36は、上側案内板54及び下側案内板55を備えている。上側案内板54は、案内環36Bの上側に設けられた円板状の部材であり、その外周縁でテープ11を案内する部材である。下側案内板55は、案内環36Bの下側に設けられた円板状の部材であり、その外周縁でテープ11を案内する部材である。上側案内板54及び下側案内板55は、いずれも案内軸36Aに固定されている。
【0062】
図9Aに示すように、上から見ると、案内環36Bは、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁を囲むように配置されている。つまり、上側案内板54及び下側案内板55の外径は、案内環36Bの内径よりも小さい。このため、上から見ると、案内環36Bと、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁との間には、環状の隙間が形成される。この環状の隙間を通じて、レコード巻きテープ10から引き出されたテープ11が供給されることになる。
【0063】
図9A及び
図9Bに示すように、上側案内板54及び下側案内板55の半径L2(外周縁と案内軸36Aの中心軸との距離)は、案内軸36Aの半径よりも大きい。このため、テープ11は、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁によって、案内軸36Aから離れるように案内される。この結果、テープ11が案内軸36Aに寄ることによって生じる問題(
図8A及び
図8B)が生じにくくなる。
【0064】
また、
図9A及び
図9Bに示すように、上側案内板54及び下側案内板55の半径L2(外周縁と案内軸36Aの中心軸との距離)は、検出光と案内軸36Aの中心軸との距離L1(最短距離)よりも大きい。このため、
図9Aに示すように、検出光の光路の一部は、上側案内板54及び下側案内板55の上又は下を通過する。言い換えると、
図9Aに示すように、上から見ると、検出光の光路の一部は、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁よりも内側に位置する。これにより、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁に案内されたテープ11が案内軸36Aから離れるため、
図8Bに示すようにテープ11が検出光を横切らない問題を解消できる。
【0065】
加えて、
図9Aに示すように、上側案内板54及び下側案内板55の半径L2(外周縁と案内軸36Aの中心軸との距離)は、上から見たときに直交する2本の検出光の交点と案内軸36Aの中心軸との距離よりも大きい。つまり、
図9Aに示すように、上から見ると、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁は、直交する2本の検出光の交点よりも案内軸36Aから離れている。言い換えると、
図9Aに示すように、上から見ると、直交する2本の検出光の交点は、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁よりも内側に位置する。すなわち、直交する2本の検出光の交点は、上側案内板54及び下側案内板55の上又は下に位置する。これにより、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁に案内されたテープ11は、直交する2本の検出光の交点よりも常に外側に位置するため、環状隙間におけるテープ11の移動方向が同じであれば、検出光を遮られる検出センサー50の順序は変わらないので、テープ11の移動方向の誤検出を抑制できる。
【0066】
また、上から見たときに直交する2本の検出光は、上下方向の位置が同じでなくても良い。例えば、検出センサー50Aを案内環36Bの上側に配置し、検出センサー50Cを案内環36Bの下側に配置することによって、2本の検出光が実際には交差しないようにすることも可能である。但し、このような場合においても、上から見たときには2本の検出光は交差しており、
図9Aに示すように、上側案内板54及び下側案内板55の半径L2(外周縁と案内軸36Aの中心軸との距離)が、上から見たときに直交する2本の検出光の交点と案内軸36Aの中心軸との距離よりも大きいことが望ましい。これにより、テープ11の移動方向の誤検出を抑制できる。
【0067】
また、本実施形態では、案内環36Bの上側及び下側の両方に案内板(上側案内板54及び下側案内板55)を配置しているが、上側又は下側のいずれか一方だけに案内板を配置しても良い。但し、案内環36Bの上側及び下側の両方に案内板を配置すれば、環状隙間におけるテープ11が案内軸36Aから確実に離れるため、有利である。
【0068】
===第3実施形態===
図10A及び
図10Bは、テープ11の姿勢と受光量との関係の参考説明図である。
図10Aに示すようにテープ11の面が検出光を遮ると、受光部52の受光量が大きく減少するため、検出センサー50は、受光部52の受光信号の変化によって、テープ11を検出できる。但し、
図10Bに示すように、テープ11が検出光と平行になると、受光部52の受光量がほとんど変化しないため、検出センサー50がテープ11を検出できないことがある。このため、環状隙間におけるテープ11の姿勢は、検出光と平行にならないことが望ましい。
【0069】
図10Cは、環状隙間でのテープ11の自転の参考説明図である。環状隙間の幅Gが広すぎると、環状隙間の中でテープ11が自転してテープ11が捻じられることがある。テープ11の自転による捻れは検出センサー50では検出できないため、環状隙間の中でテープ11が自転しないことが望ましい。
【0070】
そこで、第3実施形態では、環状隙間の幅を狭めて、テープ11が検出光と平行になることや、テープ11が環状隙間の中で自転することを抑制している。
【0071】
図11は、第3実施形態の捻れ検出部36の説明図である。同図は、捻れ検出部36を上から見た図であり、検出光と案内板との位置関係を示すため、上側案内板54を透過させている。第3実施形態の捻れ検出部36は、第2実施形態の捻れ検出部36とほぼ同様の構成である。但し、第3実施形態の上側案内板54及び下側案内板55の外径は、第3実施形態の上側案内板54及び下側案内板55よりも大きく、第3実施形態の環状隙間(案内環36Bと、上側案内板54及び下側案内板55の外周縁との間の隙間)の幅G1は、第2実施形態よりも狭くなっている。
【0072】
第3実施形態では、環状隙間の幅G1が、テープ11の幅Wよりも小さく設定されている。言い換えると、案内環36Bの内周面の半径と上側案内板54(又は下側案内板55)の半径との差G1は、テープ11の幅Wよりも小さく設定されている。これにより、第3実施形態では、環状隙間の中でテープ11が自転してテープ11が捻じられることを抑制している。
【0073】
また、第3実施形態では、環状隙間の上を通過する検出光の長さG2も、テープ11の幅Wよりも小さく設定されている。言い換えると、上から見たときの検出光の位置における環状隙間の長さG2は、テープ11の幅Wよりも小さく設定されている。これにより、テープ11の姿勢が検出光と平行になることを抑制できる。
【0074】
===第4実施形態===
レコード巻きテープ10は、トラバース巻きテープと比べて一般的に1個当たりのテープ長が短い。このため、レコード巻きテープ10を用いる際に、テープ11が無くなるたびに製造ラインを一旦停止し、新しいレコード巻きテープ10を継ぎ足していると、製造ラインの効率が低下してしまう。
【0075】
そこで、第4実施形態では、複数のレコード巻きテープ10のテープ端を予め接続することによって、一度に供給できるテープ長さを長くしている。
【0076】
図12Aは、第4実施形態のテープ端12の接続方法の説明図である。ここでは、レコード巻きテープ10の載置台20については考慮しないことにする。以下の説明では、上側のレコード巻きテープ10に関する符号には添字「A」を付し、下側のものには添字「B」を付けることがある。
また、以下の説明では、レコード巻きテープ10の軸から見て遠い側を「外側」と呼び、逆側を「内側」と呼ぶことがある。また、テープ11の外側の面を「表(おもて)」又は「表(おもて)面」、テープ11の内側の面を「裏」又は「裏面」と呼ぶことがある。図中では、テープ11の裏面に網掛けが施されている。
【0077】
2個のレコード巻きテープ10が上下に配置されている。上側のレコード巻きテープ10Aでは、外側のテープ端12Aが引き出されている。下側のレコード巻きテープ10Bでは、内側のテープ端12Bが引き出されている。そして、引き出されたテープ11は、いずれも捻られることなく、テープ11の表裏を一致させてテープ端12同士が接続される。つまり、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ端12Aの上縁と、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bの上縁とを合わせるとともに、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ端12Aの下縁と、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bの下縁とを合わせて、互いのテープ端12が接続される。
【0078】
なお、テープ端12の接続には、例えば熱融着、圧着、接着、超音波接合、縫合などの接続方法が用いられる。ここではテープ端12同士が直接接続されているが、短い中継テープ等の中継物を介して間接的にテープ端12同士が接続されても良い。
【0079】
図12Bは、
図12Aのように接続した2個のレコード巻きテープ10のテープ供給方法の説明図である。
2個のレコード巻きテープ10を接続した後、上側のレコード巻きテープ10Aの内側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの内側からテープ11Aが供給される。そして、上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの内側からテープ11Bが供給される。
【0080】
このように、予め2個のレコード巻きテープ10のテープ端12同士を接続することによって、上側のレコード巻きテープ10Aが尽きた後も連続して下側のレコード巻きテープ10Bからテープ11Bを供給することが可能になる。これにより、一度に供給できるテープ長を長くしつつ、レコード巻きテープ10からテープ11を直接的に供給できる。
【0081】
図13A〜
図13Cは、第4実施形態のテープ端12の接続手順の説明図である。
【0082】
まず、作業者は、
図13Aに示すように、下側の載置台20Bにレコード巻きテープ10Bを載置する。そして、作業者は、
図13Aに示すように、このレコード巻きテープ10Bの内側からテープ端12Bを引き出し、このテープ端12Bを上側の載置台20Aの開口部21に通す。このとき、作業者は、開口部21を通したテープ11Bの面が載置台20Aの表面と平行になるように、テープ11Bを配置することが望ましい。これにより、このテープ11Bを挟むように別のレコード巻きテープ10Aを載置する作業(次の作業:
図13B参照)が容易になる。
【0083】
次に、作業者は、
図13Bに示すように、上側の載置台20Aに別のレコード巻きテープ10Aを載置する。このとき、作業者は、
図13Bに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの下面から下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bを外側に出した状態で、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ11Bを挟んで上側の載置台20Aにレコード巻きテープ10Aを載置する。
【0084】
次に、作業者は、
図13Cに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12Aと、レコード巻きテープ10Aの下面から外側に出ているテープ端12B(下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B)とをテープ11の表裏を一致させて接続する。これにより、テープ端12の接続作業が完了する。
【0085】
なお、ここでは2個のレコード巻きテープ10の接続について説明したが、上下に3個以上のレコード巻きテープ10を配置し、上下に隣接するレコード巻きテープ10を上記と同様に接続しても良い。この場合、作業者は、下側の載置台20に載置されるレコード巻きテープ10から順にテープ端12の接続作業を行うことになる。
【0086】
図14A〜
図14Cは、第4実施形態のテープ11の供給方法の説明図である。
【0087】
2個のレコード巻きテープ10の接続作業後(
図13C参照)、
図14Aに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの内側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの内側からテープ11Aが供給される。
【0088】
上側のレコード巻きテープ10Aは、その下面でテープ11Bを挟むように載置台20Aに載置されている(
図14A参照)。但し、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ11Aを供給し続けると、
図14Bに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aが無くなるため、上側のレコード巻きテープ10Aの下面で挟まれていたテープ11Bも供給可能な状態になる。
【0089】
上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの内側からテープ11Bが供給される。
このとき、
図14Cに示すように、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ11Bは、上側の載置台20Aの外側を経由せずに、上側の載置台20Aの内側(開口部21)を通じて供給される。このため、この供給方法によれば、図中の点線で示すように、レコード巻きテープ10の外側に支持部材22を配置して、上側の載置台20Aを下側の載置台20Bで支持することが可能である。
【0090】
図15は、第4実施形態のテープ供給装置30の説明図である。なお、第4実施形態のコントローラー38は、第1実施形態と同様に、捻れ検出部36の検出センサー50の検出結果に応じてカウント値を増減させるとともに、カウント値に基づいて載置台20の回転速度を制御している。
【0091】
第4実施形態では、3つの載置台20が上下方向に並んで配置されている。載置台20の中央には開口部21(
図15では不図示:
図13A、
図14B、
図14C参照)が形成されている。但し、一番下の載置台20には開口部21が無くても良い。上下に並ぶ載置台20は、各載置台20の間に設けられた支持部材22によって一体的に連結されている。
【0092】
それぞれの載置台20には、レコード巻きテープ10が載置されている。3個のレコード巻きテープ10のうちの上下に並ぶ2個のレコード巻きテープ10に注目すると、
図13A〜
図13Cと同様に、上側のレコード巻きテープ10の外側のテープ端12と下側のレコード巻きテープ10の内側のテープ端12とがテープ11の表裏を一致させて接続されている。これにより、3個分のレコード巻きテープ10のテープ11を一度に供給することが可能である。
【0093】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0094】
<テープ供給装置について>
前述のテープ供給装置は、光ケーブル1の製造に用いられる押え巻きテープ11を供給していた。但し、テープ供給装置は、他の用途に用いられても良い。例えば、テープ供給装置は、包装体の製造に用いられる包装用テープを供給しても良いし、チップ部品の製造に用いられるテープ状のチップ型電子部品収納台紙を供給しても良い。
【0095】
<検出センサー50について>
前述の実施形態では、2本の平行な検出光の進行方向が逆向きになるように、2個の検出センサー50のそれぞれの発光部51及び受光部52が互い違いに配置されていた(
図2参照)が、2本の平行な検出光の進行方向が同じ向きであっても良い。但し、この場合、発光部51から拡散光が照射されると、一方の検出センサー50の受光部52が、他方の検出センサー50の検出光を受光するおそれがある。
【0096】
また、前述の実施形態では、複数の発光部51及び複数の受光部52が案内環36B上で交互に配置されていた(
図2参照)が、受光部52が隣接して配置されても良い。但し、この場合、発光部51から拡散光が照射されると、隣接する2つの受光部52の一方が、他方の検出光を受光するおそれがある。
【0097】
また、前述の実施形態では、検出センサー50が3個以上あったため、受光量が所定の閾値以下に低下した受光部52が切り替わることに基づいて、環状隙間におけるテープ11の移動方向が検出可能であった。但し、テープ11の移動方向を検出しなくても良い場合(例えば、テープの捻れ方向が既知の場合)には、検出センサー50が1個又は2個でも良い。