(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362960
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
A47J31/46
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-165394(P2014-165394)
(22)【出願日】2014年8月15日
(62)【分割の表示】特願2011-539937(P2011-539937)の分割
【原出願日】2009年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-208316(P2014-208316A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2014年8月15日
【審判番号】不服2016-16961(P2016-16961/J1)
【審判請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】01967/08
(32)【優先日】2008年12月10日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【合議体】
【審判長】
山崎 勝司
【審判官】
佐々木 正章
【審判官】
窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第97/27793(WO,A1)
【文献】
特開昭61−106117(JP,A)
【文献】
特開2005−349302(JP,A)
【文献】
特開2001−167355(JP,A)
【文献】
特表2005−537196(JP,A)
【文献】
米国特許第4620953(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー飲料またはミルク飲料の調製のために熱湯および蒸気を作るためのボイラー(1)を含むコーヒーメーカーであって、
熱湯および蒸気を作るための、前記ボイラー(1)内に配置された加熱用コイル(2)と、
熱いミルクまたはミルクフロスを作るための、前記ボイラー(1)内に配置されたコイル状の管(13)が設けられ、
前記加熱用コイル(2)とコイル状の管(13)の接続(3、4および14、15)は前記ボイラーのタンク(16)のカバー(17)に取り付けられており、さらに
前記コイル状の管(13)が、ミルク容器(8)又はすすぎ水源(25)に交互に接続されることが可能であり、
前記コーヒーメーカーが運転停止状態にあるときに前記コイル状の管(13)がすすぎ水で満たされミルク残留物が当該コイル状の管(13)にこびり付くことを防止し、前記コーヒーメーカーを始動させると前記すすぎ水が廃水として排出される
ことを特徴とする、コーヒーメーカー。
【請求項2】
前記コーヒーメーカーが、ミルク又はすすぎ水を交互に運ぶポンプ(10)を有し、前記コイル状の管(13)が、バルブにより前記ミルク容器(8)または前記すすぎ水源(25)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項3】
前記ポンプ(10)は通過制御装置と協同し、前記コイル状の管(13)にそれぞれ分配されるミルクまたはすすぎ水の量が前記通過制御装置により制御されることを特徴とする、請求項2に記載のコーヒーメーカー。
【請求項4】
前記ポンプ(10)が歯車伝動ポンプの形式からなり、前記通過制御装置が前記ポンプの回転速度に従って前記ミルクまたはすすぎ水の量を調節可能であることを特徴とする、請求項3に記載のコーヒーメーカー。
【請求項5】
前記コイル状の管(13)が、洗浄水を運ぶ管に接続されることが可能であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコーヒーメーカー。
【請求項6】
前記コイル状の管(13)が、バルブにより廃水出口管(28)に接続されることが可能であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のコーヒーメーカー。
【請求項7】
前記ボイラー(1)が加熱用コイル(2)を有する円筒状タンク(16)の形式からなり、前記コイル状の管(13)が前記ボイラー内の前記加熱用コイル(2)の上方に取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコーヒーメーカー。
【請求項8】
請求項1ないし6に記載のコーヒーメーカーを使用して熱いミルク飲料またはミルクフロスを作るための方法であって、ミルクは、該ミルクを加熱するために前記コーヒーメーカーのボイラー(1)内に配置されたコイル状の管(13)を通してミルク容器(8)からポンプ(10)により運ばれ、
運転の間に、予め定められた量のミルクまたは予め定められた量のすすぎ水が交互に前記ポンプ(10)により前記コイル状の管(13)を通して運ばれることを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記ミルクと前記すすぎ水とは歯車伝動ポンプ(10)により運ばれ、
前記ミルクまたはすすぎ水のそれぞれの予め定められた移動量が、時間に従って前記ポンプ(10)の回転速度により決定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ボイラー(1)の運転を中止した後、洗浄剤を有しまたは有しない洗浄水が前記コイル状の管(13)または冷たいミルクのための管(27)を経て自動的に循環することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー飲料またはミルク飲料の調製のための熱湯および蒸気を作るためのボイラーを含むコーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコーヒーメーカーは多種多様の実施形態で知られている。例えば、欧州特許第0761150号にはこのタイプのコーヒーメーカーが記載されており、このコーヒーメーカーには、調製されたコーヒーのための流出口と、熱湯を取り出すための出口および蒸気を取り出すための出口とが設けられている。しかし、実際のところ、コーヒーに加えて、熱いミルクや冷たいミルク、あるいはミルクフロスをも作る多機能装置が求められることが多い。このため、2つの異なるユニット、すなわちコーヒーを作るための1つのユニットと、ミルクまたはミルクフロスを作るための他の1つのユニットとが求められている。このような装置は構造的に複雑であり、また、一方におけるコーヒーの調製および他方における熱いミルク及びミルクフロスの調製のための別個の加熱要素のために比較的高いエネルギ消費をもたらし、特に、多くの場合、このために連続フロー加熱器が用いられている。そのようなわけで、人はより一層欠点に敏感になっている。というのは、経験上、ミルクは連続フロー加熱器のパイプ内で簡単にこびり付くことが分かっているからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第0761150号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、基本的に、これらの不都合を回避することにあり、また、エネルギの節約、低消費および正常状態で、コーヒー飲料と、熱いミルクまたは冷たいミルクあるいはミルクフロスの各飲料との双方を作る、冒頭で述べたタイプのコーヒーメーカーを提供することにある。本発明は、また、この目的に特に適する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、コーヒーメーカーに、熱いミルクまたはミルクフロスを作るためにコーヒーメーカーのボイラー内に配置されたコイル状の管が設けられている本発明により達成される。このタイプの配列では、前記コイル状の管の内部のミルクまたはミルクフロスはコーヒーを調製するための熱湯によって加熱されるため、熱いミルクまたはミルクフロスを調製するための別個の加熱要素を不要とすることができる。これは、空間の節約になり、また、コスト節減の効果を有する。
【0006】
さらに、本発明によれば、前記コイル状の管が、バルブにより、交互に、ミルク容器または水源に接続されことが可能である。このようにして、わずかに複雑な構造とすることにより、前記コイル状の管をすすぎ、ミルクの各加熱プロセス後のミルクの残留を全てなくし、また、完璧な衛生状態下での正常な運転を維持することができる。
【0007】
ここでは、本発明により、前記コーヒーメーカーのポンプがミルクまたは水を交互に運ぶことができるような構造的に単純な配列の枠組み内で、前記コイル状の管は、前記ポンプによって制御される一方向バルブにより、前記ミルク容器または前記水源に接続可能である。
【0008】
さらに、本発明によれば、前記ポンプが通過制御装置と協同し、前記通過制御装置により、前記コイル状の管にそれぞれ送られるミルクまたは水の量が制御される。制御され計量された送り量によって、前記ミルク及び水の消費が必要量に制限される。
【0009】
この関連の中で、供給ポンプが歯車伝動ポンプの形式であれば制御上有利であり、前記通過制御装置は前記ポンプの回転速度に従って調節可能である。
【0010】
また、本発明によれば、冷たいミルクまたは冷たいミルクフロスをも作ることができる。追加のバルブにより、冷たいミルクは前記コイル状の管に送られずに出口に直接に送られる。
【0011】
有利なことに、前記コイル状の管は、前記通過制御装置によって操作可能である一方向バルブにより後段に接続されることが可能である廃水出口管に接続されることが可能である。したがって、コーヒーメーカーには、前記コイル状の管を通して送られる洗浄水の排出にも選択的に使用されることが可能である、汚れたすすぎ水のための別個の出口が与えられる。
【0012】
それは、前記ボイラーが好ましくは加熱用コイルを有する円筒状のタンクの形をしていれば、構造的にまた加熱のために有利であり、前記コイル状の管は前記ボイラー内において前記加熱用コイルの上方に取り付けられる。
【0013】
さらに、それは、前記コイル状の管の接続部と前記加熱コイルの接続部とが前記ボイラーのカバーに取り付けられれば、有利である。これにより、前記加熱用コイルおよび前記コイル状の管の取り付けおよび取り外しが極めて容易なものになる。
【0014】
また、本発明に係る前記ボイラーは、熱いミルクまたはミルクフロスの分配ユニットの構成要素として、既存のコーヒーメーカーに取り付けられるようにすることができる。前記ミルクまたはミルクフロスのための別個の加熱装置は、そうでなければ必要であっただろうが、こうすることで不要となる。
【0015】
ミルクの消費、すすぎ水およびエネルギの最適化のため、本発明によれば、運転の間、予め決められた量のミルクまたは予め決められた量のすすぎ水が前記コイル状の管を通して交互に送られる。
【0016】
供給ポンプのような歯車伝動ポンプを有するミルク加熱装置では、事前に定められた通過量の容易に調整可能の制御の関連において、それは、通過量が時間に従って前記ポンプの回転速度により決定されるならば有利である。
【0017】
さらに、本発明によれば、前記ポンプが停止状態にあるときに前記コイル状の管がすすぎ水で満たされ、前記ポンプを始動させると、すすぎ水が廃水として排出される。このようにして、熱いミルクまたはミルクフロスを抽出した後、前記コイル状の管および前記出口管の双方が、実際に今ここでミルクがこびり付くことができないため、ミルクの残留がない状態に維持され、これが保証される。
【0018】
また、この関連において、本発明によれば、前記ボイラーの運転中止後、例えば長く運転を中止した後、洗浄剤を有しまたは有しない洗浄水が前記コイル状の管を自動的に循環する。
【0019】
以下において、本発明が図面を参照して典型的な実施形態によりさらに詳細に説明される。これらは以下のように示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】図式的に示された、熱いミルクまたはミルクフロス、および、冷たいミルクまたはミルクフロスを作るための装置を含む本発明に係るコーヒーメーカーである。
【
図2】拡大して示す、
図1のコーヒーメーカーのボイラーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示されたコーヒーメーカーは、
図1の右方に、ボイラー1と、接続部3、4を有する加熱用コイル2と、水の供給用および出口用の管5、6とが示されるように、それ自体知られている水加熱装置を備える。
【0022】
さらに、前記コーヒーメーカーは、ミルク容器8、ミルク加熱装置9、冷たいミルクまたはミルクフロスを、管27を介して、出口22に迂回させるためのバイパスバルブ26と、対応する供給用および出口用の管11、12と共にあるポンプ10とからなる熱いまたは冷たいミルクまたはミルクフロスを作るための装置7を備える。
【0023】
ミルク加熱装置9は、ボイラー1内において加熱用コイル2の上方に取り付けられたコイル状の管13を備え、また、接続部14、15により供給用および出口用の管11,12に接続することができる。
【0024】
図2および
図3に見ることができるように、ボイラー1は、カバー17を有するほぼ円筒状のタンク16の形をしている。加熱用コイル2の接続部3、4と、コイル状の管13の接続部14,15とがカバー17に取り付けられている。このように、全ての接続部は容易に利用可能である。さらに、所望であれば、カバー17を取り外した後、前記加熱用コイルおよび/または前記コイル状の管を交換することは容易である。
【0025】
調節可能の空気量調整器19を有する送気管18により、起泡のために特定量の空気をミルクに混ぜ合わせることができる。空気の供給を許しまたは妨ぐために、作動バルブ20が設けられている。
【0026】
ミルクはポンプ10によって吸い上げられ、コイル状の管13を通して運ばれ、ここで、前記ボイラーの熱湯との熱交換により所望温度に加熱される。次に、それは出口管12を通り、制限器バルブ21を経由して、熱いミルクまたはミルクフロス分配出口22に送られ、また、ここで適当な容器23に集められる。
【0027】
正常運転を常に維持するため、特定量のミルクまたはミルクフロスと、一方向バルブ24を通してすすぎ水源25から運ばれる特定量のすすぎ水とが交互にコイル状の管13に運ばれる。したがって、熱いミルクまたはミルクフロスの抽出後、その度に、コイル状の管13はすすぎ洗いされ、そのため、前記コーヒーメーカーが完璧な衛生状態下で常に機能するようにミルクのいかなる残留からも解放されることが保証される。同じことが、すすぎのためにバルブ26により接続を断つことができる冷たいミルクのパイプ27にも適用される。戻しバルブ37が、ミルクが前記ポンプを通して運ばれることを保証する。
【0028】
一方向バルブ24は、通過制御装置(図示せず)により操作される。使用後のすすぎ水は、前記通過制御装置(図示せず)により一方向バルブ24に合わせて操作される一方向バルブ21を通して排出される。
【0029】
運ばれるミルクまたはミルクフロスのそれぞれの量は、時間通りにポンプ10の回転速度に従って前記通過制御装置により調整することができる。このようにして、ミルクとすすぎ水との消費を最適化することができる。さらに、コイル状の管13の必要熱量も低減される。
【0030】
前記コーヒーメーカーが運転状態におかれると、供給ポンプ10が始動してボタンが押されるときに廃水として除去されるすすぎ水でコイル状の管13が満たされる。次いで、ポンプ10は、前記通過制御装置により予め定められ、また、時間に従って前記ポンプの回転速度により定められるのと同量のミルクまたはミルクフロスを運ぶ。ミルクまたはミルクフロスがコイル状の管13および出口22を経てカップ又は同様の容器23に入るとすぐ、その直後に、予め定められた量のすすぎ水が再び通され、余分な水が廃水として廃水出口管28に流出する。供給ポンプ10が停止されると、その後、前記すすぎ水は前記コイル状の管と前記管とに残る。
【0031】
前記コイル状の管の永続的な洗浄のため、前記コーヒーメーカーの運転を停止した後、洗浄液が洗浄バルブ29を通して源8から供給管11に運ばれ、ポンプ10により出口管12に汲み上げられるようにすることができ、その結果、例えば、毎晩、運転の終了後に、洗浄液が前記コイル状の管と後段に接続された複数の管とを経て循環し、これによりミルクの残留がないように維持される。
【0032】
さらに、管11内の逆行すすぎを可能にする一方向バルブ30が水入口25に設けられている。さらに、管11が通気バルブ31により空にされるようにし、あるいは廃水容器32につながるようにすることができる。
【0033】
使用後のすすぎ及び洗浄用の水を排出するため、廃水出口管28が設けられている。後者は、一方向バルブ21を介して、コイル状の管13の出口管15に接続されるようにすることができる。
【0034】
ミルクまたはミルクフロスを加熱するためにボイラー1を使用することにより、一方でコーヒーをまた他方でミルクまたはミルクフロスのための2つの別個の加熱要素を有するコーヒーメーカーと比べて、エネルギの消費は少ない。本発明によりミルクまたはミルクフロスが供給され、計量されて前記コイル状の管に送られるという事実は、また、実質的にこれに貢献する。
【0035】
さらに、例えばミルクまたはミルクフロスを加熱するための別個のフロー加熱器をこれにより不要とすることができるため、大きさもまたコーヒーメーカーの物理的空間を低減することに寄与する。連続フロー加熱器の内部を完全に洗浄するためにこれを頻繁に分離しなければならないことも、このタイプの連続フロー加熱器の不都合であることが知られている。
【0036】
言うまでもなく、本発明の枠組み内において、前記ボイラー内の加熱用コイル2に代えて、例えば加熱用ロッドまたは前記ボイラーの壁に付けられた壁加熱器を提供することが可能である。また、当然に、本発明に係る前記ボイラーを既存のコーヒーメーカーに取り付けることができる。
【符号の説明】
【0037】
1…ボイラー、2…加熱用コイル、8…ミルク容器、10…ポンプ、16…タンク、13…コイル状の管、17…タンクのカバー、24…一方向バルブ、25…すすぎ水源、26…バイパスバルブ、27…管。