(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1以上の二次電池と、前記二次電池を保持するための電池ホルダと、前記二次電池と電気的に接続された電子回路を実装する回路基板と、前記回路基板に一端が接続され、外部の接続端子と接続するために延長された引出線と、を備える電池コアパックと、
前記電池コアパックが収納されてなる、可撓性シートからなる防水袋と、
前記電池コアパックが収納された前記防水袋を収納してなる、一方向に延在された外装ケースと、
を備える電源装置であって、
前記防水袋は、前記外装ケースの延在する長手方向に延びる袋状であって、前記長手方向の両端を閉塞すると共に、中間部分には前記長手方向と交差する幅方向に延びる開口部を開口して、前記開口部から外側に突出する開閉フラップを前記開口部の開口縁に沿って連結しており、
前記電池コアパックが前記開閉フラップの開口端から前記防水袋の内部に収納されると共に、前記引出線が前記開閉フラップから前記防水袋の外部に引き出されており、
前記開閉フラップは、当該電源装置の設置方向に対して、鉛直下方側に折り畳まれて、前記開口端を下向きに位置させてなることを特徴とする電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例1に係る電源装置100を、
図1〜
図12に示す。これらの図に示す電源装置100は、給電対象の電気機器を接続して給電するための携帯型の電源装置である。具体的には、電源装置100は、複数の二次電池22を備える電池コアパック50を防水袋40に収納して、この防水袋40を外装ケース10に収納している。図に示す電源装置100は、外装ケース10の外観をボトル状としており、直立させた姿勢で上端を開口して、給電対象の電気機器を接続するためのソケット部15を設けている。ソケット部15には、
図13に示すように出力ユニット90を接続可能であり(詳細は後述)、この出力ユニット90を介して他の電気機器BDを駆動したり、電力を供給したりできる。なお、給電対象の電気機器には、この出力ユニット90も含まれる。すなわち、出力ユニット90自体が負荷としてなんらかの動作を行う形態も、本発明に包含する。また、外装ケースには、充電端子19を設けており、この充電端子19には、
図13に示すようにACアダプタACを接続して、ACアダプタACから電力供給を受けて内蔵する二次電池22を給電する。
【0020】
(電池コアパック50)
電池コアパック50は、
図10〜
図12に示すように、複数の二次電池22を電池ホルダ20で定位置に保持している。さらに、電池コアパック50は、複数の二次電池22と電気的に接続された電子回路を実装した回路基板30を備えており、この回路基板30を電池ホルダ20に連結して固定している。
【0021】
(二次電池22)
二次電池22には、一方向に延長された形状の外装缶を有する電池を使用できる。ここでは、外装缶を円筒形とした円筒形電池を採用している。また二次電池22は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等、既知の二次電池が適宜利用できる。特にリチウムイオン二次電池は、体積当たりのエネルギー密度が高く、小型化、大容量化の点で好ましい。リチウムイオン二次電池は規格化された仕様のものを利用でき、この例では、18650型を8本使用し、4200Ahを実現している。
【0022】
(電池ホルダ20)
二次電池22を収納する電池ホルダ20は、絶縁性に優れた樹脂製とする。
図12の分解斜視図に示す例では、4本の二次電池22の延長方向の半分を保持する電池サブホルダ21を4個接合して、一つの電池ホルダ20を構成している。図の電池サブホルダ21は、4本の二次電池22の中心が長方形の四隅に位置するように、各々の二次電池22を挿入する4本の保持筒部を一体的に連結している。この電池サブホルダ21は、4本の保持筒部に挿入される4本の二次電池22を互いに平行な姿勢で配列すると共に、電池両端の電極端子を同一面に配置している。さらに、4本の二次電池22が定位置に配列された2組の電池サブホルダ21を軸方向に連結して全体で8本の二次電池22を所定の配列で連結している。これにより、複数の二次電池22を外装ケース10内に重量バランスよく配置できる。
【0023】
電池ホルダ20に収納している二次電池22は、電極端子にリード板23を接続して、隣接する二次電池22を直列と並列に接続している。
図12に示す電池ホルダ20は、片側に上下それぞれ2本ずつの二次電池22を平行に保持し、両側で計8本の二次電池22を保持している。この例では、4本の二次電池22を直列に接続し、2組を並列に接続している。図の電池コアパック50は、隣り合う2本の二次電池22を並列接続して電池対とし、2つの電池対を長手方向に直列接続して電池接続体を構成し、さらに2組の電池接続体を互いに平行で逆向きに配置すると共に、これ等を直列に接続して、8本の二次電池22を4直2並に接続している。ただ、これらは一例であり、本発明は、使用する二次電池の種類や数、直列や並列等の接続形態を限定せず、用途や要求される仕様に応じて適宜変更できる。
【0024】
(回路基板30)
電池ホルダ20の側面には、
図11の分解斜視図に示すように回路基板30が配置される。回路基板30には、放電回路や充電回路等の電子回路が実装されており、電池ホルダ20に保持された二次電池22の充放電を行う。回路基板30に実装された放電回路は、電池ホルダ20に保持された複数の二次電池22の出力を所定の電力に変換してソケット部15に出力する。また、回路基板30に実装された充電回路は、充電端子19から供給される電力を変換して、電池ホルダ20に保持された複数の二次電池22を充電する。
【0025】
さらに、回路基板30上には、発光部32と、スイッチ部33とが異なる位置に実装されている。発光部32は、外装ケース10の、スイッチ操作部18の中央部と対向する位置に設けられている。この発光部32は、スイッチ操作部18の操作に応じて、あるいは電源装置の動作状態に応じて発光し、その発光色や発光パターンでもって状態をユーザに告知する。このような発光部32には、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の半導体発光素子が好適に利用できる。
【0026】
(カバー部36)
さらに、図に示す電池コアパック50は、電池ホルダ20の側面に固定された回路基板30の表面をカバーして保護するカバー部36を設けている。回路基板30は、スイッチ部33や半導体素子等が実装されているため、その凹凸が防水袋40への挿入時に引っかかったり、あるいは使用時にこれらの凹凸が防水袋40の内面と接触して、防水袋40を破損することが考えられる。そこで、回路基板30の上面には、カバー部36を配置して、これらの凹凸が直接に防水袋40に触れることを阻止し、防水袋40を保護している。カバー部36は、外装ケース10の内面に沿うように、
図3に示すように、側面36Aの断面視を曲面状とすることが好ましい。また、カバー部36は、回路基板30と絶縁するため、絶縁性の素材とすることが好ましい。さらにカバー部36は、十分な強度を発揮するよう、硬質な素材で構成することが好ましい。加えてカバー部36を装着した状態で、回路基板30を視認できるよう、透光性を有する素材とすることが好ましい。このような素材としては、軽量で成形が容易な樹脂が好ましく、例えばPPやPS、PET等のプラスチック製とできる。
【0027】
図10、
図11に、このようなカバー部36の一例を示す。この例では、カバー部36を電池ホルダ20の側面形状とほぼ合致する形状に形成し、係合させている。具体的には、
図11において電池ホルダ20の正面の凹部と合致するよう、カバー部36の上下面の端面36Bを凸状に形成して、回路基板30を挟み込んだ状態でこれらを係合させている。またカバー部36の側面36Aの曲面は、上述の通り外装ケース10の内面とほぼ一致するように、曲率半径を外装ケース10の内径とほぼ等しい半径としている。さらに、カバー部36は、上下の端面36Bと側面36Aの上下端との境界となる両端コーナー部を面取りして面取り部36xを設けている。このカバー部36は、詳細には後述するが、防水袋40に挿入する工程で、このカバー部36の面取り部36xを防水袋40の内面に沿って摺動させることで、スムーズに案内できる特徴がある。このようなカバー部36を、
図11の分解斜視図に示すように、電池ホルダ20の、回路基板30を配置する基板装着面側に係合させて電池コアパック50とする。
【0028】
(引出線35)
さらに、電池コアパック50は、回路基板30に実装された電子回路や、二次電池22の出力ラインをソケット部15や充電端子19に電気接続するために、回路基板30から延長された複数の引出線35を備えている。図に示す引出線35はリード線で、外装ケース10の底部に配置された充電端子19に接続される第1の引出線35Aと、外装ケース10の上端部に配置されたソケット部15や信号端子31に接続される第2の引出線35Bとで構成されている。これ等の引出線35は、一端を回路基板30に接続すると共に、他端を防水袋40から引き出して、ソケット部15や充電端子19、信号端子31等の接続端子に接続されている。この引出線35は、電池ホルダ20の側面の内、
図3及び
図7に示すように、回路基板30を配置した側と反対側に配置することが好ましい。電池ホルダ20は、回路基板30が配置されない側の側面には空間が形成されるので、このスペースを有効に利用して、外装ケース10を大型化することなく、引出線35の取り回しを実現できる。
【0029】
ここで、信号端子31は、電子回路のソフトウェアを書き換えるための接続端子や、電子回路の接続状態や動作状態をチェックするテスト端子であって、
図6の例では、回路基板30とは別にサブ基板30Bを設けて、サブ基板30B上に信号端子31を実装しており、防水袋40の外に配置し、内ケース13から信号端子31を突出させている。これにより、外ケース14を外した状態で信号端子31にアクセス可能とできる。
【0030】
(防水袋40)
本発明の電池コアパック50は、防水性を実現するために、防水袋40に収納される。防水袋40は、電池コアパック50を収納しやすいように、また、外装ケース10に収納しやすいように可撓性シートを袋状に加工して製作される。可撓性シートは、耐水性を有する材質とする。さらに、可撓性シートは、好ましくは透光性を有する素材とすることで、防水袋40で被覆した後の内部の様子を視認でき、断線などの異常が発生してないことを確認し易くできる。また、回路基板に実装されるLED等の表示部の発光を外部に透過できる。このような材質としては、プラスチックシートが使用でき、例えばポリイミド(PI)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が使用できる。これらのプラスチックシートは、可撓性と耐熱性に優れている特長がある。また、二次電池22の安全弁が開弁されたときに排出される電解液によって、溶融し化学反応を起こすこともない。ただ、防水袋40に使用される可撓性シートには、上述したもの以外の他のプラスチックシートも使用することができる。
【0031】
防水袋40は、
図9、及び
図14〜
図16に示すように、一方向に延在する袋状であって、具体的には、防水袋40を収納する外装ケース10が延在する長手方向に延びる袋状に成形されている。防水袋40は、長手方向の両端を閉塞している。さらに、防水袋40は、内部に電池コアパック50を挿入し、かつ、回路基板30から延長された引出線35を外部に引き出すために、中間部分に開口部42を開口している。防水袋40の中間部分に開口される開口部42は長手方向と交差する幅方向に延びる形状としている。さらに、防水袋40は、開口部42からの浸水を防止するために、開口部42から外側に突出する開閉フラップ43を備えている。開閉フラップ43は、開口部42の開口縁に沿って連結している。
【0032】
図14と
図15の防水袋40は、長手方向に延びる袋本体41の両端を閉塞して閉塞端41aとすると共に、袋本体41の中間部分には2列の開口部42を開口して設けて、それぞれの開口部42に開閉フラップ43を連結している。図の袋本体41は、両端側の閉塞端部41Aと中間の中間部41Bとを連結してなる袋状としており、閉塞端部41Aと中間部41Bとの間に開口部42を設けて開閉フラップ43を連結している。開口部42の開口縁に沿って連結される開閉フラップ43は、突出する先端縁を開口して開口端43aとしている。図に示す開閉フラップ43は、2枚の可撓性シートからなるフラップ片43Aを対向して配置すると共に、対向するフラップ片43Aの両側縁を連結して両端を開口している。開閉フラップ43の一方の開口縁は、開口部42の開口縁に連結しており、他方の開口縁は開口端43aとしている。この構造の開閉フラップ43は、対向するフラップ片43Aを互いに離れるように開くことで筒状に開口される構造としている。このように2枚のフラップ片43Aで形成される開閉フラップ43は、2枚のフラップ片43Aを互いに密着させる。
【0033】
開閉フラップ43は、袋本体41からの突出長さ(T1、T2)を長くすることにより防水効果を高くできるが、使用する可撓性シートの量が多くなって製造コストが高くなる。反対に袋本体41からの突出長さ(T1、T2)を短くすると、使用する可撓性シートの量が少なくなって低コストにできるが、防水効果が低下する。したがって、開閉フラップ43の突出長さ(T1、T2)はこれ等のことを考慮して決定される。開閉フラップ43の突出長さ(T1、T2)は、1〜8cm、好ましくは1.5〜6cm、さらに好ましくは2.5〜4.5cmとする。なお、詳細には後述するが、
図14において右側に配置される第1の開閉フラップ43Xは、電池コアパック50が挿入される開口部となると共に、袋本体40の端縁側に配置されることからその突出長さ(T1)に制約を受けるが、
図14において左側に配置される第2の開閉フラップ43Yは、電池コアパック50が挿通されないので、その突出長さ(T2)を第1の開閉フラップ43Xの突出長さ(T1)よりも長くすることもできる。
【0034】
防水袋40の中間部分に2列に開口される開口部42は、袋本体41の長手方向に離間して互いに平行に設けている。図の防水袋40は、幅方向に延びる開口部42を直線状に開口している。袋本体41に開口する開口部42を幅方向に延びる直線状とする構造は、開口部42の開口縁に沿って連結された開閉フラップ43を、2枚のフラップ片43Aを互いに密着させた状態で長手方向のいずれの側にも容易に折り畳みできる。ただ、開口部42は、必ずしも直線状に開口する必要はなく、多少湾曲し、あるいは傾斜する形状とすることもできる。幅方向に直線状に開口される開口部42は、開口長さ(H1)を、袋本体41の内幅(W)と等しくしている。さらに、開閉フラップ43の開口端43aにおける開口長さ(H2)を袋本体41の内幅(W)とほぼ等しくしている。この構造は、
図17に示すように、開閉フラップ43を開いて筒状に変形させる状態で、開口部42の内形が袋本体41の横断面における内形とほぼ等しくなるように開口部42を開口することができる。このため、開口された開閉フラップ43から電池コアパック50をスムーズに挿入できる。
【0035】
防水袋40は、
図17に示すように、電池コアパック50を収納する状態では、袋本体41を筒状に変形させて、すなわち、袋本体41を構成する対向する可撓性シートを互いに離れるように開くことにより、電池コアパック50を収納する収納スペース45を内部に形成することができる。したがって、防水袋40は、電池コアパック50を簡単かつスムーズに収納できるように、筒状に変形された状態における横断面の最大面積が、電池コアパック50の横断面における断面積よりも大きくなるように形成される。ただ、防水袋40は、筒状に変形された状態での横断面を大きくすると、電池コアパック50を収納しやすくなるが、防水袋40全体も大きくなるため、使用する可撓性シートの量が多くなると共に、余分な可撓性シートが嵩張る状態となって外装ケース10に収納する際に邪魔になることがある。したがって、防水袋40は、以上のことを考慮して、筒状に変形された状態における横断面の最大面積が、電池コアパック50の横断面積の1〜2倍、好ましくは1.0〜1.5倍となるように設計される。ここで、筒状に変形される防水袋40の断面積の大きさは、袋本体41の内幅(W)の大きさで調整することができる。
【0036】
本発明の防水袋40は、
図17に示すように、電池コアパック50を収納する際には、袋本体41や開閉フラップ43を筒状に変形させるが、電池コアパック50が収納されない状態では、
図16に示すように、対向する可撓性シートを互いに密着させて、袋本体41及び開閉フラップ43を薄いシート状に形成することができる。さらに、袋本体41から突出する開閉フラップ43を袋本体41の表面に沿って折り畳むことにより、全体を1枚のシート状に形成することができる。したがって、この防水袋40は、電池コアパック50が収納されない状態では、全体を薄いシート状として嵩張ることなく省スペースに収納して運搬できる。
【0037】
本発明の防水袋40は、例えば、幅の等しい1枚ないし複数枚のプラスチックシートを積層すると共に、側縁と端縁を互いに連結することにより、袋本体41と開閉フラップ43とを形成することができる。積層されたプラスチックシートの側縁や端縁は、熱シールにより溶着して連結することができる。ただ、プラスチックシートの側縁や端縁は、接着して連結することもできる。さらに、
図15の袋本体41の端縁は、プラスチックシートを折り返すことにより閉塞端41aを形成している。この構造は、熱溶着や接着の工程を省いて製造コストを低減できる。
【0038】
さらに、プラスチックシートは、一方の面を熱溶着される面とし、他方の面を熱溶着されない面とすることで、複数枚を積層して熱溶着する状態で、一度の熱シールにより袋本体41と開閉フラップ43の側縁部をそれぞれ熱溶着して連結しながら、袋本体41の溶着部と開閉フラップ43の溶着部とを互いに溶着されない状態に形成できる。このことを実現するプラスチックシートとして、熱溶着が可能な溶着層と、熱溶着されない非溶着層とが積層された多層シートを使用することができる。このような多層シートとして例えば、溶着層を低密度ポリエチレン(LDPE)とし、非溶着層をポリエチレンテレフタラート(PET)として、これ等の層を積層してなる多層シートが使用できる。この多層シートは、互いに溶着させる部位においては、溶着層が対向する姿勢となるように積層すると共に、互いに溶着させない部位においては、非溶着層が対向する姿勢となるように積層されて、積層部を同時に熱シールすることができる。
【0039】
図18は、2枚の多層シート47を使用して、2つの開閉フラップ43を有する防水袋40を製造する状態を示している。この方法は、
図18に示すように、第1の多層シート47Aを、溶着層47aが上面となるように配置し、両端部を袋本体41の閉塞端41aとなる位置で内側に折り返して折り返し部分を互いに積層し、この積層部分により、袋本体41の閉塞端部41Aを両側に形成する。この状態で、袋本体41の閉塞端部41Aは、溶着層47aが互いに対向する状態で積層される。さらに、折り返された多層シート47の先端部を、それぞれ中間部分の開口部42を設ける位置で外側に折り返してフラップ片43Aとする。この状態で、袋本体41の閉塞端部41Aの上面と、フラップ片43Aとは非溶着層47bが互いに対向する状態で積層される。さらに、折り返されたフラップ片43Aと、第1の多層シート47Aの中間部41Bの上面に第2の多層シート47Bを積層する。第2の多層シート47Bは、溶着層47aが下面となるように配置され、両端部をフラップ片43Aとして第1の多層シート47Aのフラップ片43Aの上面に対向して積層し、中間部分を袋本体41の中間部41Bとして第1の多層シート47Aの中間部41Bに対向して積層する。この状態で、積層されたフラップ片43Aは、溶着層47aが互いに対向する状態で積層されると共に、第1の多層シート47Aの中間部41Bと第2の多層シート47Bの中間部41Bは、溶着層47aが互いに対向する状態で積層される。
【0040】
以上の状態で積層された第1の多層シート47Aと第2の多層シート47Bの両側縁を熱シールする。両側縁が熱シールされた多層シート47は、
図14〜
図16のハッチングで示すように、対向する溶着層47aが溶着されて溶着部48が形成され、対向する非溶着層47bは溶着されることなく互いに連結されない状態となる。なお、この図は、溶着された溶着部48をハッチングで示している。これにより、袋本体41の両側縁部と開閉フラップ43の両側縁部が溶着により連結された防水袋40が製造される。この防水袋40は、側縁のみを溶着して袋状に加工できるので、能率よく多量生産でき、また袋本体41と開閉フラップ43の両側を確実に連結できる。
【0041】
以上の防水袋40は、袋本体41の両端において、可撓性シートを折り返す構造により閉塞端41aとしたが、防水袋40は、
図19に示すように、袋本体41の両端を熱溶着等により封止して閉塞端41aとすることもできる。この防水袋40は、例えば、
図20に示すように、4枚の多層シート47を所定の姿勢で積層して熱シールすることにより製造できる。
【0042】
この方法は、
図20に示すように、第1の多層シート47Aを、溶着層47aが上面となるように配置し、第1の多層シート47Aの両端部の上面に第3の多層シート47Cと第4の多層シート47Dを積層する。第3の多層シート47Cと第4の多層シート47Dは、溶着層47aが第1の多層シート47Aの溶着層47aと対向するように積層される。第3の多層シート47Cと第4の多層シート47Dは、第1の多層シート47Aとの積層部によって袋本体41の両端部に閉塞端部41Aを形成すると共に、内側の先端部を開口部42となる位置で外側に折り返してフラップ片43Aとする。さらに、折り返されたフラップ片43Aと、第1の多層シート47Aの中間部41Bの上面に第2の多層シート47Bを積層する。第2の多層シート47Bは、溶着層47aが下面となるように配置され、両端部をフラップ片43Aとして第3の多層シート47Cと第4の多層シート47Dのフラップ片43Aの上面に対向して積層し、中間部分を袋本体41の中間部41Bとして第1の多層シート47Aの中間部41Bに対向して積層する。
【0043】
以上の状態で積層された4枚の多層シート47の両側縁を熱シールする。熱シールされた多層シート47は、
図19のハッチングで示すように、対向する溶着層47aが溶着されて溶着部48が形成され、対向する非溶着層47bは溶着されることなく互いに連結されない状態となる。さらに、
図19のクロスハッチングで示すように、袋本体41の両端を熱シールして溶着部48を形成して両端を閉塞する。すなわち、第3の多層シート47Cの先端縁と第1の多層シート47Aの先端縁を溶着して閉塞端41aとし、第4の多層シート47Dの先端縁と第1の多層シート47Aの先端縁を溶着して閉塞端41aとする。これにより、袋本体41の両側縁部及び両端縁と開閉フラップ43の両側縁部が溶着により連結された防水袋40が製造される。
【0044】
さらに、防水袋40は、
図21と
図22に示すように、1枚の多層シート47を折り返して所定の姿勢で積層して熱シールすることにより2つの開閉フラップ43を形成することもできる。この方法は、
図22に示すように、1枚の多層シート47を、溶着層47aが上面となるよう1に配置し、両端部を袋本体41の閉塞端41aとなる位置で内側に折り返して折返し部分を互いに積層する。この積層部分により、袋本体41の閉塞端部41Aが両側に形成される。さらに、折り返された多層シート47の先端部を、それぞれ中間部分の開口部42を設ける位置で外側に折り返す。
図22において右側の折り返し片はフラップ片43Aとして、袋本体41の閉塞端部41Aの上面に積層する。また、
図22において左側に折り返した多層シート47は、開閉フラップ43の先端となる位置で内側に折り返されると共に、折り返し片の先端部が図において右側のフラップ片43Aと対向する位置まで延長されて積層される。この折り返し片は、先端部をフラップ片43Aとして右側のフラップ片43Aの上面に対向して積層し、後端部を左側のフラップ片43Aと積層し、さらに、中間部分を袋本体41の中間部41Bとして第1の多層シート47Aの中間部41Bに対向して積層する。
【0045】
以上の状態で積層された多層シート47の両側縁を熱シールする。両側縁が熱シールされた多層シート47は、
図21のハッチングで示すように、対向する溶着層47aが溶着されて溶着部48が形成され、対向する非溶着層47bは溶着されることなく互いに連結されない状態となる。これにより、袋本体41の両側縁部と開閉フラップ43の両側縁部が溶着により連結された防水袋40が製造される。さらに、
図21において左側の開閉フラップ43の先端をカットして開口端43bを設ける。この開口端43bは、電池コアパック50から引き出される引出線35を挿通するための開口であって、電池コアパック50を挿入するための開口部とはならないので、開閉フラップ43の全体にわたって開口することなく、開口幅(H3)を小さくして開口面積を小さくできる。このように開口端43bの面積を小さくできる開閉フラップ43は、この部分からの液体の浸入をさらに極減できる。
【0046】
以上のようにして製造された防水袋40は、以下の工程で電池コアパック50を内部に収納する。なお、以下に示す工程は、電池コアパック50の挿入方向として、引出線35の一端が接続された側を後方とし、引出線35の接続されない側を前方として防水袋40に挿入する手順を示している。ただ、電池コアパック50は、引出線35の一端が接続された側を前方として防水袋40に挿入することもできる。また、以下の説明において、防水袋40に設けた2つの開閉フラップ43を区別しやすくするために、電池コアパック50を挿入する側(図において右側)の開閉フラップ43を第1の開閉フラップ43Xとし、電池コアパック50の進行方向(図において左側)の開閉フラップ43を第2の開閉フラップ43Yとしている。
【0047】
(1)
図16に示すように、防水袋40の開閉フラップ43を折り畳んで袋本体41の閉塞端部41Aに積層する状態に重ねる。
(2)
図17に示すように、防水袋40の両側縁を内側に押圧しながら、閉塞端部41Aに積層された開閉フラップ43を開いて防水袋40を筒状に開口する。
【0048】
(3)
図23(a)に示すように、筒状に開口された第1の開閉フラップ43Xから電池コアパック50を挿入する。このとき、電池コアパック50の挿入に先だって、第2の引出線35Bを第1の開閉フラップ43Xから挿入し、袋本体41の中間部41Bを通過させて第2の開閉フラップ43Yから防水袋40の外部に引き出す。
【0049】
(4)
図23(b)に示すように、筒状に開口された第1の開閉フラップ43Xから袋本体41の中間部41Bの内側に形成される空間(収納スペース45の一部となる)に向かって電池コアパック50を挿入する。このとき、前述のように、電池コアパック50の片側面に固定したカバー部36の面取り部36xを防水袋40の内面に沿って摺動させることで、例えば、電池コアパック50を前傾姿勢として挿入することでスムーズに挿入できる。
【0050】
(5)袋本体41の中間部41Bまで電池コアパック50の先端を挿入した後、
図23(c)に示すように、挿入される電池コアパック50の進行方向側の閉塞端部41Aを広げて、袋本体41の先端側を閉塞する。この状態で、先端側の第2の開閉フラップ43Yは、第2の引出線35Bを外側に引き出した状態で閉塞される。その後、
図23(d)に示すように、先端側の閉塞端部41Aの内側に形成された空間(収納スペース45の一部となる)に、電池コアパック50の先端部を挿入する。
【0051】
(6)袋本体41の中間部41Bまで電池コアパック50の後端を挿入した後、
図23(e)に示すように、電池コアパック50の後端側の閉塞端部41Aを広げて袋本体41の後端側を閉塞する。この状態で、後端側の第1の開閉フラップ43Xは、第1の引出線35Aを外側に引き出した状態で閉塞される。その後、
図23(f)に示すように、電池コアパック50を後退させて、後端側の閉塞端部41Aの内側に形成された空間(収納スペース45の一部となる)に電池コアパック50の後端部を挿入する。
【0052】
(7)
図23(g)に示すように、第2の引出線35Bが引き出された第2の開閉フラップ43Yと第1の引出線35Aが引き出され第1の開閉フラップ43Xを同じ方向に折り畳む。
図23(g)に示す防水袋40は、2つの開閉フラップ43を電池コアパック50の挿入側に折り畳んでいる。これらの開閉フラップ43の折り畳み方向は、防水袋40が収納される外装ケース10の使用姿勢、すなわち、電源装置の基本となる載置方向によって特定される。したがって、この工程では、開閉フラップ43は、開口端43aが鉛直下方側に向かうように折り畳まれる。2つの開閉フラップ43が同じ方向に折り畳まれた状態で、第2の引出線35Bは防水袋40の先端方向に配線され、第1の引出線35Aは防水袋40の後端方向に配線される。
【0053】
(8)さらに、同方向に折り畳まれた開閉フラップ43の表面を、
図23(g)の一点鎖線で示すように、外装テープ46で被覆する。外装テープ46は、防水袋40を巻回する状態で被覆して張着される。これにより、引出線35が引き出された開閉フラップ43は、袋本体41の表面に密着する状態で固定される。
【0054】
本発明の電池コアパック50は、引出線35の一端が接続された側が、外装ケース10に収納される状態では下側となる例を示したが、電池コアパック50は、引出線35の一端が接続された側が上側となる姿勢で外装ケースに収納することもできる。この場合は、引出線35が引き出された2つの開閉フラップ43は、
図23(b)と反対方向(図においては左方向)に折り畳なれる。すなわち、引出線35が引き出される開閉フラップ43は、防水袋40に挿入される電池コアパック50や引出線35の接続位置にはとらわれず、電池コアパック50が収納された防水袋40を外装ケース10に収納する状態で電源装置の基本姿勢における上下方向により開閉フラップの折り畳み方向が決定される。
【0055】
本発明の防水袋40は、第1の開閉フラップ43Xを電池コアパック50の挿入側とするので、袋本体41の挿入側となる閉塞端41aに接近して設けている。この防水袋40は、
図23(g)に示すように、電池コアパック50を収納して第1の開閉フラップ43Xを折り畳んだ状態では、袋本体41の端縁よりも手前の位置に開口端43aが配置されるのが望ましい。したがって、
図14に示すように、電池コアパック50の挿入側(図において右側)の閉塞端部41Aの長さ(D1)は、第1の開閉フラップ43Xの突出長さ(T1)以上で、例えば、第1の開閉フラップ43Xの突出長さ(T1)の1〜3倍、好ましくは1〜2倍とする。さらに、袋本体41の中間部41Bの長さ(D2)は、好ましくは、2つの開閉フラップ43を左右のいずれの方向に折り畳んだ状態においても互いに積層されない長さ、すなわち、D2≧T1、D2≧T2とする。ただ、折り畳まれる開閉フラップ43は、互いに積層されてもよい。さらに、袋本体41は、
図23(d)に示すように、好ましくは、電池コアパック50の進行方向(図において左側)の閉塞端部41Aと中間部41Bとで電池コアパック50を収納できる長さとする。すなわち、進行方向側の閉塞端部41Aの長さ(D3)と中間部41Bの長さ(D2)の和が、電池コアパック50の全長(L)よりも大きくなるように設計される。ただし、閉塞端部41Aの長さ(D3)と中間部41Bの長さ(D2)の和は、電池コアパック50の全長(L)よりも多少小さくすることもできる。閉塞端部41Aの長さ(D3)と中間部41Bの長さ(D2)の和は、ここに電池コアパック50を案内した状態で、後端側の閉塞端部41Aを閉塞できる長さであれば良い。なお、
図23(g)においては、右方向に折り畳まれた2つの開閉フラップ43の両方を1枚の外装テープ46で被覆できるように、2つの開閉フラップ43を接近して設けているが、2つの開閉フラップ43はこれよりも離間して配置することもできる。この場合、折り畳まれた第1の開閉フラップ43Xと第2の開閉フラップ43Yは、それぞれ個別に外装テープ46で被覆される。
【0056】
本発明の実施例の防水袋40は、両端が閉塞された袋本体41の片側面の2箇所に開口部42を開口して、片側面に2つの開閉フラップ43を設けているが、防水袋40は、1箇所に開口部42を開口して1つの開閉フラップ43を設けることも、3箇所以上に開口部42を設けて3つ以上の開閉フラップ43を設けることもできる。袋本体41の1箇所に開口部42を開口して開閉フラップ43を設ける防水袋40は、例えば、
図24と
図25に示すように、1枚の可撓性シートを閉塞端41aとなる両端で折り返すと共に、中間部分において対向する両端部を積層してフラップ片43Aとし、両側縁を熱溶着して連結することで袋状に製造することができる。
【0057】
さらに、防水袋40は、
図26に示すように、袋本体41の両面に開口部42を開口して開閉フラップ43を設けることもできる。この防水袋40は、電池コアパック50から延長された複数の引出線35を防水袋40の両面側にそれぞれ引き出して配線できる。この防水袋40は、収納された電池コアパック50から延長される複数の引出線35を防水袋40の両面側に引き出し可能となるので、引出線35の配線の設計を変更できる。この防水袋40も、前述の
図18〜
図22に示す防水袋40と同様に、1枚ないし4枚の多層シート47を使用して2個の開閉フラップ43を形成することが可能となる。
【0058】
なお、複数の開閉フラップ43を備える防水袋40においては、袋本体41に対して連結される複数の開閉フラップ43の配置を対称の位置とすることもできる。例えば、
図14に示す防水袋40においては、2個の開閉フラップ43を線対称の位置に配置することができ、
図26に示す防水袋においては、2個の開閉フラップ43を点対称の位置に配置することができる。この構造の防水袋40は、電池コアパック50を収納する工程において、方向性なく使用できるので、組み立て時における防水袋40の取り扱いを簡単にできる。
【0059】
(外装ケース10)
外装ケース10は、一方向に延長され、その長手方向が鉛直方向となる姿勢にて自立可能な形状としている。この外装ケース10は、
図7の分解斜視図に示すように、内ケース13と、内ケース13に被せる外ケース14とで構成される。外ケース14は、好ましくは金属製として強度を向上できる。外ケース14には、
図1に示すように側面の中間よりやや上方に、放電等を操作するためのスイッチ操作部18を設けている。また
図2の背面図に示すように、底面近傍には充電端子19を設けている。充電端子19には、
図11に示すようにACアダプタACを接続することができ、ACアダプタACから電力供給を受けて内蔵する二次電池22を給電する。
【0060】
なお、スイッチ操作部18は、ユーザが操作しやすいように上方に設けている。その一方で充電端子19は、底面近傍に設けることでACアダプタの接続時にACアダプタのコードが邪魔にならないようにしている。また、スイッチ操作部18と充電端子19とは、円筒形の外装ケース10のほぼ反対面に設けられている。これにより、ユーザがスイッチ操作部18を操作する際、充電端子19が視認されず、見栄えをよくできる。
【0061】
(内ケース13)
内ケース13は、
図8の分解斜視図に示すように、第一ケース11と第二ケース12に二分割される。二分割された第一ケース11と第二ケース12は、ネジなどで連結されて固定され、あるいは係止構造で連結される。この内ケース13は、樹脂製とすることで、絶縁性を発揮し、内部に収納される二次電池22や回路基板30との意図しない導通を回避する。また樹脂製の内ケース13は軽量で、安価に成型できるといった利点も得られる。
【0062】
内ケース13内には、
図8の分解斜視図に示すように、電池コアパック50が収納された防水袋40が収納される。防水袋40で被覆された電池コアパック50は、内ケース13の内側に圧入して定位置に収納することができる。さらに、内ケース13に収納される電池コアパック50は、ネジによる螺合により、内ケース13の定位置に固定することもできる。
図8に示す内ケース13は、第一ケース11と第二ケース12を結合する止ネジ24を、電池コアパック50を内ケース13に固定するネジと共用することで、部品点数を低減し、かつ製造工程を省力化して低コスト化を実現している。
図8に示す内ケース13は、止ネジ24を各側面の鉛直方向に2箇所、さらに左右対称位置にそれぞれ、計4箇所に設けて螺合している。この止ネジ24は、防水袋40を貫通するように、木ねじとする。また、木ねじで穿孔された箇所から防水袋40内に浸水しないよう、木ねじの刺入部分には防水構造が施される。例えば、ねじ穴の部分にパッキンを配置して、穿孔された防水袋40の周囲をパッキンで押圧することにより、防水袋40と外装ケース10内面とを密着させて防水を図る。
【0063】
さらに、
図3と
図8に示す内ケース13は、電池コアパック50の回路基板30を、止ネジ26を介して定位置に固定している。この止ネジ26は、
図3に示すように、第一ケース11を貫通すると共に、電池コアパック50のカバー部36と回路基板30を貫通して電池ホルダ20に設けたボスにねじ込まれて、これらを連結している。この止ネジ26も防水袋40を貫通するように木ねじとし、さらにこの貫通部分から防水袋40に浸水しないよう、パッキン等の防水構造が施される。
【0064】
(ソケット部15)
さらに外装ケース10の上端側には、ソケット部15を設けている。ソケット部15は、回路基板30に実装された放電回路と電気的に接続され、回路基板30に実装された電圧変換回路で所定の電圧に変換された二次電池22の出力を外部の電子機器などに出力するため部材である。このソケット部15は有底筒状に形成され、外装ケース10を直立させた状態で上端にて開口している。ソケット部15には、出力ユニット90を挿抜可能に連結できる。出力ユニット90は、ソケット部15と電気的に接続されて、ソケット部15から供給される電力でもって、様々な出力や動作を行う。このように、出力ユニット90をソケット部15に着脱式とすることで、様々な出力ユニット90を用意し、用途に応じて交換可能とし、様々な目的に電源装置を活用できる。
【0065】
ソケット部15には、
図13に示すように出力ユニット90を接続可能であり、この出力ユニット90を介して他の電気機器BDを駆動したり、電力を供給したりできる。すなわち、この電源装置100は、電池ホルダ20で保持される複数の二次電池22の出力を回路基板30に実装された放電回路で変換して、所定の電力をソケット部15から出力できる。なお、給電対象の電気機器には、この出力ユニット90も含まれる。すなわち、出力ユニット90自体が負荷としてなんらかの動作を行う形態も、本発明に包含する。
【0066】
(出力ユニット90)
出力ユニット90は、
図13の例で示すように、最大2Aの出力が可能なUSB(商品名)端子Bタイプを2基備えた出力ユニット90Aとすることができる。あるいは、LEDや蛍光灯、白熱電球などの発光体を設けた照明ユニットからなる出力ユニット90Bとすることもできる。あるいは、電気毛布や電気あんか、ヒータなどの発熱体や、ファンを設けた扇風機なども出力ユニット90Cとして利用できる。あるいは、DC−ACコンバータを内蔵しAC100V等の出力が可能なコンセントを設けた出力ユニット90Dとしてもよい。あるいはまた、ACアダプタ等に利用されている、数字の「8」の字状の断面形状を有するめがね型コネクタなどを設けた出力ユニット90Eとしてもよい。
【0067】
なお、本実施の形態において、電源装置100を複数の二次電池22で構成されるとしたが、電源装置を1個の大型の二次電池で構成するとしてもよい。また、本実施の形態において、電源装置100に1個の電池ホルダ20を配置するとしたが、電源装置に直列又は並列接続された複数の電池ホルダを配置するとしてもよい。
【0068】
また以上の例では、
図1に示すように電源装置100を、ソケット部15が上向きとなる直立姿勢での使用状態において、防水性を発揮できるよう、開閉フラップの開口が鉛直下方側に向くように折り畳んだ例を説明した。この構成は、ソケット部15が上向きとなる直立姿勢を、電源装置の使用時の基本姿勢としたものである。ただ、本発明はこの構成に限らず、電源装置の使用時の基本姿勢に応じて、開閉フラップの開口の向きを適宜変更できる。例えば、ソケット部が下向きとなる姿勢を、電源装置の使用時の基本姿勢とした電源装置においては、該基本姿勢において開閉フラップの開口が鉛直下方となるように折り畳む。この場合は、
図1に示したようにソケット部が上向きとなる姿勢に電源装置を直立させた状態で、開閉フラップの開口が鉛直上方側に開口する向きに折り畳まれていることとなる。このように、電源装置の使用時の基本姿勢に応じて、開閉フラップの開口が鉛直下方側になるように、折り畳み方向は適宜設定される。なお、ソケット部が下向きになる姿勢での使用は、例えばソケット部に電球等の照明を接続し、照明が下向きとなる姿勢で電源装置を高所から吊り下げて使用するような態様が挙げられる。また、このようにソケット部を下向きとした状態で電源装置の外装ケースを固定し易いよう、外装ケースの底面側にはマウントねじなどの固定部材を設けることができる。