(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363003
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】杭打込み用ヘッドの案内器具および杭打ち工法
(51)【国際特許分類】
E02D 13/10 20060101AFI20180712BHJP
E01B 37/00 20060101ALI20180712BHJP
E02D 7/06 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
E02D13/10
E01B37/00 B
E02D7/06
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-234211(P2014-234211)
(22)【出願日】2014年11月19日
(65)【公開番号】特開2016-98497(P2016-98497A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】594036766
【氏名又は名称】株式会社Kouwaグローバルビュー
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】井澤 美和
【審査官】
亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−037819(JP,A)
【文献】
実開昭56−013143(JP,U)
【文献】
特開2013−142223(JP,A)
【文献】
特開昭60−195226(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3000591(JP,U)
【文献】
特開2011−111830(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0139548(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00−13/10
E01B 27/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の垂直部が対向し各々の上端において水平部で連結された略コの字形状に一体化されたコ字杭を打ち込む際に使用するものであって、
長手方向の部材と短手方向の部材を有する枠形状の本体部と、
上下方向に貫通するとともに長手方向に形成される貫通孔、又は、長手方向に形成される凹溝と、
前記本体部の長手方向又は短手方向の端部に設けられる一対の案内凸部と、
該ヘッドの底面に設けられて前記水平部を差し込む凹部と、
を備える杭打込み用ヘッドを案内する杭打込み用ヘッドの案内器具であって、
該案内器具は、縦方向に配置され前記垂直部を挿通するパイプ形状の一対の案内部と、該案内部に縦方向に設けられ前記案内凸部を案内する一対のスリットと、前記案内部から延びだすパイプ形状のグリップ部と、前記案内部の上部に固定される第1抑え部と、前記案内部の下部に固定される第2抑え部と、を備え、前記杭打込み用ヘッド及び前記コ字杭が前記案内部に案内されることを特徴とする杭打込み用ヘッドの案内器具。
【請求項2】
バラストを収容した袋状物を路盤の上に複数積み上げるステップと、
積み上げられた複数の前記袋状物に対し、打ち込む位置に案内器具を置くステップと、
請求項1の杭打込み用ヘッドとコ字杭を、前記案内器具に装着し、前記第1抑え部、第2抑え部、及び、グリップ部により前記杭打込み用ヘッド及びコ字杭の姿勢を制御し、杭打機械の打設部を前記貫通孔に入れるか、又は、前記凹溝に当てて、前記コ字杭を打撃することにより、前記案内器具に沿って前記杭打込み用ヘッド及び前記コ字杭を下降させ、前記コ字杭を前記袋状物に貫通させて前記袋状物を積層した状態で路盤の上に固定するステップと、
を備えた杭打ち工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道等の路盤の上に積み上げられた土嚢、あるいは、バラストを収容した袋状体等に杭を打ち込んで固定するための杭打込み用ヘッド
の案内器具および杭打ち工法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の工法は、地震動により道床に大きな慣性力が作用するような場合であっても、有道床軌道の道床が変形するのを抑制する技術を提供ための提案である。すなわち、この発明工法は、積層体31は、バラストを包含する複数の袋状に形成された袋状物32を、道床3ののり尻部からのり肩部にかけ、外端部から内端部へ向かうほど下方へ下がるように傾斜させながら路盤1の上に積み上げることで形成され、さらに有道床軌道100(路盤1)の延長方向に延設するように配置した構造を有している。このことにより、外向きの(あるいは外側の)水平力を受けたときに積層体31が滑動または転倒するのを防止することができ、したがって、地震動により道床3に大きな慣性力が作用するような場合であっても、有道床軌道100の道床3が変形するのを抑制することができる。杭打ち用の打ち込み治具37は、市販の電動ブレーカーに取り付けるための円柱形状の取付部37aと、有道床軌道100の道床3に打ち込まれる鉄筋棒35の頭部を取り付け可能な略直方体形状の治具本体37bと、を備える。そして、治具本体37bには、鉄筋棒35の連結部材35cおよび棒状部材35a、35bの上端部を挿入するための挿入孔37cが形成されている。そして、打ち込み治具37は、取付部37aを市販の電動ブレーカーの杭打ち用アタッチメントに取り付けるとともに、この挿入孔37cに鉄筋棒35の連結部材35cおよび棒状部材35a、35bの上端部を挿入して、鉄筋棒35を有道床軌道100の道床3に打ち込むときに使用される。このように、市販の電動ブレーカーに使用することができ、機械施工で1度に2本の鉄筋を打ち込むことができ、施工性や作業性を損なうことなく水平支持力を向上させることができる。
【0003】
特許文献2に記載の器具は、ハンドブレーカー、または杭打機械械により、土嚢等にコ字杭を打ち込むための器具及び工法の発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-37819号公報
【特許文献2】特開2013-142223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2では、有道床軌道等において、杭を打ち込む場合には、電動ブレーカとヘッドが結合した一体式構造であり、どうしても結合部が弱く、負荷がかかって折れてしまうなど、いろいろな箇所で破損が生じてしまう不都合がある。そのため、交換作業が必要となり煩雑であった。また、打ち込み作業中に、打ち込み機械の打設部に取り付けたヘッドの位置が、コ字杭に対して不安定になりやすい。
【0006】
そこで本発明は、ヘッドや杭打機
械の打設部の破損を防止することができ、ヘッドのコ字杭に対する位置の安定性を確保できる杭打ち込み用ヘッド
の案内器具及び杭打ち工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記諸問題を解決するために、本発明は、二本の垂直部が対向し各々の上端において水平部で連結された略コの字形状に一体化されたコ字杭を打ち込む際に使用するものであって、長手方向の部材と短手方向の部材を有する枠形状の本体部と、上下方向に貫通するとともに長手方向に形成される貫通孔、又は、長手方向に形成される凹溝と、前記本体部の長手方向又は短手方向の端部に設けられ
る一対の案内凸部と、該ヘッドの底面に設けられて前記水平部を差し込む凹部と、を備え
る杭打込み用ヘッドを案内する杭打込み用ヘッドの案内器具であって、該案内器具は、縦方向に配置され前記垂直部を挿通するパイプ形状の一対の案内部と、該案内部に縦方向に設けられ前記案内凸部を案内する一対のスリットと、前記案内部から延びだすパイプ形状のグリップ部と、前記案内部の上部に固定される第1抑え部と、前記案内部の下部に固定される第2抑え部と、を備え、前記杭打込み用ヘッド及び前記コ字杭が前記案内部に案内されることを特徴とする杭打込み用ヘッド
の案内器具である。
【0008】
前記コ字杭とは、二本の杭を水平部により連結したことにより略コ字形状を有する杭全般を指し、細部の形状によらない。また、水平部とは、二本の杭を横方向において連結することを意味する、R形状のものを含むものであり、例えば、U字杭は本発明におけるコ字杭に含まれるものである。
【0009】
本体部の材質は鉄などの金属製が好ましいが、硬質の弾性体でもよく、前記コ字杭の硬度より小さくかつ打設音が響かないように用いられる弾性体である一方、コ字杭を打ち込むのに必要な打設力を伝達するに足る剛性を備えたものである。その弾性体材料として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。
【0010】
また、本発明は、バラストを収容した袋状物を路盤の上に複数積み上げるステップと、積み上げられた複数の前記袋状物に対し、打ち込む位置に案内器具を置くステップと、請求項1の杭打込み用ヘッドとコ字杭を、前記案内器具に装着し、
前記第1抑え部、第2抑え部、及び、グリップ部により前記杭打込み用ヘッド及びコ字杭の姿勢を制御し、杭打機械の打設部を前記貫通孔に入れ
るか、又は、前記凹溝に当てて、前記コ字杭を打撃することにより、前記案内器具に沿って前記杭打込み用ヘッド及び前記コ字杭を下降させ、前記コ字杭を前記袋状物に貫通させて前記袋状物を積層した状態で路盤の上に固定するステップと、を備えた杭打ち工法である。
【0011】
杭打機械とは、杭打ち作業時に打設力を作用させる機器であり、ハンドブレーカや油圧ブレーカ等の打設力を有する機器が挙げられる。また、打設力とは、ハンドブレーカや油圧ブレーカ等による振動・打撃や、掛矢による人力での打撃により杭を打ち込む力全般をいう。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、杭打機械の打設部と、杭打ち用ヘッドとが分離しているので、杭打機械の杭打ちの軸部の損傷を防止できる。また、貫通孔または凹溝を使って杭打ちを行うので、杭打機械の打設部の長手方向への移動が容易、かつ、確実となる。打ち込み機の打設部の動きを案内するので、打撃目標からずれた打撃を防止することで、不必要な作業を回避し、作業効率が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明実施形態の杭打込み用ヘッドの斜視図である。
【
図2】同じく杭打込み用ヘッドの別の角度からの斜視図である。
【
図3】同実施形態の杭打込み用ヘッドの使用状態説明図である。
【
図5】本発明実施形態の案内器具の右側面図である。
【
図6】同実施形態の杭打込み用ヘッドとコ字杭との使用状態を示す平面図である。
【
図7】同実施形態の別の形態の案内器具の斜視図である。
【
図8】同実施形態の別の形態の案内器具の別の角度からの斜視図である。
【
図9】同実施形態の別の形態の案内器具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による杭打込み用ヘッド1の構成について
図1〜
図8を参照して説明する。杭打込み用ヘッド1(以下、単にヘッド1と略す)は、二本の垂直部2aが対向し各々の上端において水平部2bで連結された略コの字形状に一体化されたコ字杭2(
図3参照)を打ち込む際に使用するものであって、長手方向の第1板材3aと短手方向の第2板材3bを有する本体部3と、本体部3の上下方向に貫通するとともに長手方向に形成される貫通孔4と、本体部3の長手方向又は短手方向の端部に設けられ、案内器具5に沿って案内される一対の案内凸部6と、底面に設けられて水平部2bを差し込む凹部7と、を備えることを特徴とする。以下、詳細に説明する。
【0015】
ヘッド1は、金属製または硬質の弾性体により構成され、コ字杭2の上に載置され、貫通孔4内で、ハンドブレーカや油圧ブレーカ等の杭打機械90(
図3参照)の打設部91を作業員が位置を移動させながら、打設力をコ字杭2に伝達することで、打ち込みが行われる。ヘッド1は、打設部91とは別体になっており、着脱交換可能に装着し使用するものではない。
【0016】
ヘッド1は、
図1〜
図3に示す通り、下方向に連続的に開口する溝状の凹部7を有する。ヘッド1は左右に長手方向を配置した略直方形状であり、その底面において凹部7が長手方向に直線状に延設され左右を貫通している。凹部7は、
図3に示すように、ヘッドに対しその横断面形状が長方形形状であることが望ましい。またこれに限らず、台形形状であってもよく、また凹部7の天井部の形状は、対象となる杭の水平部の断面形状に合わせ、例えば円形や鋭角、鈍角を頂点として持つ多角形形状であってもよい。
【0017】
ヘッド1の材質は金属が好ましが、硬質の弾性体で構成されてもよい。弾性体材料は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成ゴム(ウレタンゴム等)、天然ゴム等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成ゴム、天然ゴム等により製造された複合素材も使用の対象となる。コ字杭2の材質より硬度において小さいものが適材であり、あまり硬くなると騒音が激しくなり、あまり柔らかくなると打撃力が低下する。また、コ字杭2の径、長さ、材質や、打ち込み対象となる袋状物Bの密度や深さにより材質を選定することが望ましい。なお、ヘッド1全体を男性体材料としてもよく、また、コ字杭2に当る部分だけを弾性体としてもよい。ヘッド1の材質が硬質の弾性体で構成されることにより、騒音の低減と、ヘッド1やコ字杭2の傷みを減少させることができる。
【0018】
打ち込み対象となるコ字杭2は、水平部2bの両端から下垂する二本の垂直部2aを持つ杭である(
図6参照)。垂直部2aはその先端部が尖った棒状であることが好ましい。各垂直部2aが通常の一本の杭に相当する部分である。水平部2bと垂直部2aの長さにおける比率は施工対象工事の施工品質や設計基準によるものとし、水平部2bが垂直部2aより短いことが好ましい。また、垂直部2aは同寸であることが望ましいが、施工品質や設計基準によってはそれぞれ異寸法であってもよい。水平部2bと垂直部2aとの角度は90度が一般的であるが、施工品質や設計基準によって60度から120度の角度で構成される場合があり、また二本の垂直部2aが同じ角度でなくてもよい。
【0019】
コ字杭2の材質は金属製、特に鉄筋が望ましいが、コンクリート製、樹脂製、セラミック製又は木製であってもよい。また、コ字杭2は、その断面が円形であることが望ましいが、これに限らず、角形等でも利用可能である。また、先端が針のように先細りであってもよいし、全体の断面と同形状であってもよく、施工対象工事の施工品質や設計基準による多様な仕様に合わせる形状であることが望ましい。
【0020】
袋状物Bは、網状の袋にバラストを入れたもので、これは、ジオテキパックなどと称されている。新幹線等の鉄道線路の路盤に好適である。コ字杭2は袋状物Bを貫通し、路盤に到達するまで打ち込まれる。
【0021】
本体部3は、角形の形状に形成されており、平行で間隔を開けて長手方向に設けた一対の第1板材3aと、平行で間隔を開けて短手方向に設け側板である第1板材3aと端部同士が接合した一対の端板である第2板材3bを備えている。第1板材3aと第2板材3bの上面が面一となっている。第2板材3bの高さは第1板材3aよりも高さが短くなっている。
【0022】
案内器具5は、作業中に、ヘッド1とコ字杭2がずれたり脱落したりしないようにするためのものである。
図4〜
図6に示す通り、横断面がコ字形状の一対の縦方向に配置されるアングル形状の案内部50と、案内部50の下部から上方に湾曲状に延び出す縦パイプ形状のグリップ部51と、案内部50の底面に形成される支持板52と、案内部50の上部に固定される第1抑え部53と、案内部50の下部に固定される第2抑え部54と、案内部50とグリップ部51とを連結する連結パイプ55と、を備えている。第1抑え部53は手で把持して、姿勢を調整するためのものである。第2抑え部54は足で押さえて姿勢を調整するためのものである。
図6に示す通り、一対の案内部50は連続溝が対面するように配置されており、この案内部50の連続溝にコ字杭2が上下方向に遊嵌され、その上から一対の案内凸部6が遊嵌されることでヘッド1が配置され、コ字杭2及び案内凸部6が上下に移動可能に、案内部50に動きを規制されながら案内されるようになっている。
【0023】
図7〜
図9は案内器具5の変更形態の案内器具105である。横断面がパイプ形状の一対の縦方向に配置される案内部150と、案内部150の下部から上方に湾曲状に延び出すパイプ形状のグリップ部151と、案内部150の底面に形成される支持板152と、案内部150の上部に固定される第1抑え部153と、案内部150の下部に固定される第2抑え部154と、案内部150とグリップ部151とを連結する連結パイプ155と、を備えている。一対の案内部150はパイプに縦方向にスリット157を備えたもので、一対のスリット157が対面するように配置されている。また、上部は切り欠き部158が形成されて、案内凸部6を当てつけてスリット157まで誘導できるようになっている。この案内部150のスリットにコ字杭2が上下方向に遊嵌され、その上から一対の案内凸部6が遊嵌されることでヘッド1が配置され、コ字杭2及び案内凸部6が上下に移動可能に、案内部150に動きを規制されながら案内されるようになっている。
【0024】
以下、本発明の実施形態であるヘッド1の打ち込み方法について
図3〜
図6を用いて説明する。まず、バラストを収容した袋状物Bを有道床軌道の路盤上に複数積み上げるステップを行う。
【0025】
有道床軌道(図示略)の構成については引用文献1に詳細に説明されているので、図示および説明はこれを援用するが、簡単に説明する。有道床軌道は、路盤上にバラスト等を敷設し、台形等の所定断面形状の床状構造となるように締固め、有道床軌道の延長方向に延設することにより形成された道床と、その長手方向が道床の延長方向に直交するよう道床上に並べて設置された複数のまくらぎと、複数のまくらぎの上面に道床の延長方向に沿って締結された一対のレールと、を備えている。
【0026】
バラストを包含する複数の袋状の袋状物Bを、道床ののり尻部からのり肩部にかけ、外端部から内端部へ向かうほど下方へ下がるように傾斜させながら路盤の上に積み上げることで形成され、さらに有道床軌道の延長方向に延設するように配置した構造を有する。袋状物Bを、外端部から内端部へ向かうほど下方へ下がるように水平面に対して傾斜させる。袋状物Bを構成する複数の袋状物Bを道床の内側へ向けてずらしながら積み上げる。複数の袋状物Bを有道床軌道の延長方向へ袋状物Bの幅寸法の半分の長さずつ、ずらしながら積み上る。この袋状物Bは、コンパクターによって転圧される。袋状物Bはネットを袋状に形成し、袋状物Bの内部と外部とを連通させる連通孔が多数形成される。袋状物Bの連通孔については、バラストが挿通できない程度の大きさに形成される。袋状物Bの連通孔は、上下方向に隣接する袋状物Bの連通孔の何れかと対向するよう配置され、コ字杭2を挿通可能である。
【0027】
この積層体Sは、道床の袋状物Bとまくらぎの間に、ネットを袋状に形成した複数の袋状物Bにバラストを包含させて上下方向に積み上げ、さらに有道床軌道の延長方向に延設し、且つ、これら袋状物Bを有道床軌道の延長方向へ袋状物Bの幅寸法の半分の長さずつ、ずらしながら積み上げる例が示される。積層体Sは、路盤の上に敷設されたバラストの上に設置される。積層体Sは、コンパクターによって転圧される。積層体Sは袋状物Bと接するように配置されており、この積層体Sとまくらぎとの間にはバラストが配置される。袋状物Bは、上述のようにネットを袋状に形成しているため、袋状物Bと同様に、袋状物Bの内部と外部とを連通させる連通孔(図示省略)が多数形成されている。なお、袋状物Bの連通孔については、バラストが挿通できない程度の大きさに形成されている。
【0028】
このようにして、積み上げられた複数の袋状物Bに対し、コ字杭2を打ち込む位置に案内器具5を置くステップを行う。支持板52の底面が袋状物Bの外面と接する。打ち込み作業は、基本的には2人または3人一組で行う。一人はグリップ51を持ち、荷重を支える人、もう一人は打設部91を操作する人、もう一人は補助員である。作業者は手で第1抑え部53を抑え、足で第2抑え部54を押さえることができ、打ち込み方向などの姿勢の制御ができる。
【0029】
杭打込み用ヘッド1とコ字杭2を、案内器具5に装着する。装着順序としては、まず、コ字杭2を案内部50の連続溝に差し込み、その後に、ヘッド1の案内凸部6を前記連続溝に差し込むと、凹部7の下面に水平部2bの上面が当接する。つぎに杭打機械90の打設部91を貫通孔4に入れ
図3の矢印に示す通り長手方向に移動させながらコ字杭2を打撃することにより、案内器具5に沿って杭打込み用ヘッド1及びコ字杭2が下降してゆき、コ字杭2を袋状物Bに貫通させて袋状物Bを積層した状態で路盤の上に固定するステップを行う。
【0030】
すなわち、ヘッド1の凹部7がコ字杭2の水平部2bに係合し、貫通孔4に入った打設部91が長手方向に移動しながら、コ字杭2の水平部2bに上から打設力を加えて、コ字杭2を袋状物Bに貫通させる。ヘッド1の使用について、上方向からに限らず、斜方向または横方向からも打設部91の打設力を加えることができる。複数の袋状物Bに対し地面から見て水平に、垂直に、または斜めにコ字杭2を打ち込むことができ、必要な施工基準を満たすことができる。
【0031】
コ字杭2は、鉄製の棒材をコの字形に曲げることで形成されており、バラストとの摩擦を多く得るために異形鋼棒を用いる。コ字杭2は、上端部から下端部へ向かうほど道床の内部側へ垂直面に対して袋状物Bを上方から下方へ挿通される。コ字杭2は、袋状物Bの上面の連通孔から内部へ2つの垂直部2aの先端部を先頭に挿入されており、互いに対向する袋状物Bの連通孔を貫通した状態で、コ字杭2の先端部が袋状物Bの下の路盤に埋設されるとともに、中央部が袋状物Bの内部に位置する。コ字杭2が、袋状物Bの最上層の袋状物Bに外端部から内側へ所定距離のところから挿入される。垂直部2aは互いに隣接する袋状物Bのそれぞれに挿入される。コ字杭2は、袋状物Bを構成する上下に接触する複数の袋状物B同士を連結するとともに、有道床軌道の延長方向に隣接する複数の袋状物B同士を連結する。
【0032】
コ字杭2は、積層体Sに対しては、路盤に対する垂直となる姿勢で、積層体Sを上方から下方へ挿通される。具体的には、コ字杭2は、積層体Sの上面の連通孔から内部へ2つの垂直部2aの先端部を先頭に挿入されており、互いに対向する袋状物Bの連通孔を貫通した状態で、先端部が積層体Sの下の路盤に埋設されるとともに、中央部が積層体Sの内部に位置している。
【0033】
本発明の実施形態であるヘッド1の効果について説明する。本発明実施形態であるヘッド1によると、有道床軌道等において、杭を打ち込む場合には、杭打機械90の打設部91にヘッド1を取り付ける必要がなく、打設部91の故障することを防止できる。また、コ字杭2の打ち込み作業中に、杭打機械90の打設部91に取り付けたヘッド1の位置が、コ字杭2に対して安定し、姿勢を調整しやすくなる。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、様々な改変、置換、欠失等を行うことが出来るものであり、それらの改変物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、ヘッド1、コ字杭2、本体部3、貫通孔4、案内器具5、案内凸部6、凹部7は図面に示すものに限られず様々な形状をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
鉄道線路や道路の路盤への杭打ち用の杭打機械の損傷を低減でき、杭打ち作業効率を高める。
【符号の説明】
【0036】
1・・・杭打込み用ヘッド
2・・・コ字杭
2a・・・垂直部
2b・・・水平部
3・・・本体部
3a・・・第1板材
3b・・・第2板材
4・・・貫通孔
5、105・・・案内器具
6・・・案内凸部
7・・・凹部
50、150・・・案内部
51、151・・・グリップ部
52、152・・・支持板
53、153・・・第1抑え部
54、154・・・第2抑え部
55、155・・・連結パイプ
90・・・杭打機械
91・・・打設部
157・・・スリット
158・・・切り欠き部
B・・・袋状物
S・・・積層体