特許第6363030号(P6363030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363030
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】情報処理システム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20180712BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20180712BHJP
【FI】
   G06F17/30 340A
   G06F17/30 340B
   G06Q30/02 398
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-21162(P2015-21162)
(22)【出願日】2015年2月5日
(65)【公開番号】特開2016-143380(P2016-143380A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100149157
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 創史
(72)【発明者】
【氏名】石黒 正雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 晶
(72)【発明者】
【氏名】廣井 和重
【審査官】 岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−048465(JP,A)
【文献】 特開2008−273497(JP,A)
【文献】 特開2014−241498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置、および前記情報処理装置と少なくとも一方向に電磁的方法により情報を伝達する端末とを備える情報処理システムであって、
ユーザの入力を受け付ける入力部と、
画面表示を行う表示部と、
前記入力部の入力、および前記表示部の表示に基づき、次に前記表示部に表示させる画面を決定して前記表示部に画面遷移を行わせる画面遷移処理部と、
前記画面遷移処理部が前記表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、
アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、
前記アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの嗜好を示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、
ユーザの入力に基づき前記アイテムデータベースを検索し、少なくとも前記アイテム属性を抽出するアイテム検索部と、
前記アイテム検索部が抽出する前記アイテム属性に関連付けられた属性スコアに、前記画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と備え
前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、
前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、
前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理システムにおいて、
音声或いは映像情報を取得する音声映像情報取得手段と、
前記音声或いは映像情報を基にしてユーザ状況を分析するユーザ状況分析手段とをさらに備え、
前記画面遷移スコア算出部は、前記ユーザ状況に基づき加算するスコアを変動させる情報処理システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理システムにおいて、
前記属性スコアデータベースから前記属性スコアが最大である属性を抽出し、前記アイテムデータベースから当該属性に関連付けられた前記アイテム名称を抽出する、推奨アイテム情報生成部をさらに備える情報処理システム。
【請求項4】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記推奨アイテム情報生成部は、
前記肯定的属性スコアが最大である属性を抽出し、前記アイテムデータベースから当該属性に関連付けられた前記アイテム名称を抽出する、肯定的推奨アイテム情報生成部と、
前記否定的属性スコアが最大である属性を抽出し、前記アイテムデータベースから当該属性に関連付けられた前記アイテム名称を抽出する、否定的推奨アイテム情報生成部と、を備える情報処理システム。
【請求項5】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記肯定的推奨アイテム情報生成部と前記否定的推奨アイテム情報生成部とのいずれを使用するかを選択する肯定否定選択部をさらに備える情報処理システム。
【請求項6】
請求項1記載の情報処理システムにおいて、
前記端末は、前記入力部および前記表示部を備え、
前記情報処理装置は、前記画面遷移処理部と、前記画面遷移スコア算出部と、前記アイテムデータベースと、前記属性スコアデータベースと、前記アイテム検索部と、前記スコア加算部とを備える、情報処理システム。
【請求項7】
請求項1記載の情報処理システムにおいて、
前記表示部は、初期画面を含む複数の画面を表示し、
前記スコア加算部は、前記画面遷移スコア算出部が前記画面遷移スコアを算出するごとに、当該画面遷移スコアを一時スコアとして積算し、前記画面遷移処理部が初期画面への遷移を決定した際に前記一時スコアを前記属性スコアに加算する、情報処理システム。
【請求項8】
ユーザの入力を受け付ける入力部、および画面表示を行う表示部を備える端末と通信を行う情報処理装置であって、
前記端末から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した信号に基づき、次に前記表示部に表示させる画面を決定して前記表示部に画面遷移を行わせる画面遷移処理部と、
前記画面遷移処理部が前記表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、
アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、
前記アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの関心の高さを示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、
ユーザの入力に基づき、前記受信部が受信した信号を使用して前記アイテムデータベースを検索し、少なくとも前記アイテム属性を抽出するアイテム検索部と、
前記アイテム検索部が抽出する前記アイテム属性に関連付けられた属性スコアに、前記画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と、を備え
前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、
前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、
前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する情報処理装置。
【請求項9】
ユーザの入力を受け付ける入力部と、
画面表示を行う表示部と、
前記入力部の入力、および前記表示部の表示に基づき、次に前記表示部に表示させる画面を決定して前記表示部に画面遷移を行わせる画面遷移処理部と、
前記画面遷移処理部が前記表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、
アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、
前記アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの関心の高さを示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、
ユーザの入力に基づき前記アイテムデータベースを検索し、少なくとも前記アイテム属性を抽出するアイテム検索部と、
前記アイテム検索部が抽出する前記アイテム属性に関連付けられた属性スコアに、前記画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と、を備え
前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、
前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、
前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量のアイテムからユーザの嗜好に合致したアイテムを抽出してユーザに推薦するレコメンド技術の研究・開発が盛んに行われている。例えば、デジタルテレビにおいては、ユーザが視聴や録画した番組の特徴を抽出して、それに類似した将来の番組をユーザに推薦する機能が搭載されている。この場合、番組単位に「ジャンル」「チャンネル」「時間帯」などの属性の値を持たせ、ユーザの嗜好情報として視聴・録画した番組の各属性の値をベクトル化し、一方で、推薦対象となる将来の番組についても同様にベクトル化する。そして、其々の属性のベクトル間の類似度を計算し、類似度が高い将来の番組を推薦する。属性ベクトルの類似度を計算する際には、ユークリッド距離や内積を算出する方式などが用いられる。特許文献1には、ユーザのコンテンツに対する行動およびコンテンツ情報に基づきユーザの嗜好を分析し、嗜好情報を生成する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−108918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、最終的にアイテムを確定させた際の画面遷移でしかユーザの嗜好を示すスコアを加算しないため、途中で終了させた場合にユーザの嗜好情報を生成することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様にかかる情報処理システムは、情報処理装置、および情報処理装置と少なくとも一方向に電磁的方法により情報を伝達する端末を備える。情報処理システムは、ユーザの入力を受け付ける入力部と、画面表示を行う表示部と、入力部の入力、および表示部の表示に基づき、次に表示部に表示させる画面を決定して表示部に画面遷移を行わせる画面遷移決定部と、画面遷移決定部が表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの関心の高さを示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、ユーザの入力に基づきアイテムデータベースを検索し、少なくともアイテム属性を抽出するアイテム検索部と、アイテム検索部が抽出するアイテム属性に関連付けられた属性スコアに、画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と、を備え、前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する。
本発明の第2の態様にかかる情報処理装置は、ユーザの入力を受け付ける入力部、および画面表示を行う表示部を備える端末と通信を行う。情報処理装置は、端末から送信される信号を受信する受信部と、受信部で受信した信号に基づき、次に表示部に表示させる画面を決定して表示部に画面遷移を行わせる画面遷移決定部と、画面遷移決定部が表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの関心の高さを示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、ユーザの入力に基づき、受信部が受信した信号を使用してアイテムデータベースを検索し、少なくともアイテム属性を抽出するアイテム検索部と、アイテム検索部が抽出するアイテム属性に関連付けられた属性スコアに、画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と、を備え、前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する。
本発明の第3の態様にかかる情報処理装置は、ユーザの入力を受け付ける入力部と、画面表示を行う表示部と、前記入力部の入力、および前記表示部の表示に基づき、次に前記表示部に表示させる画面を決定して前記表示部に画面遷移を行わせる画面遷移処理部と、前記画面遷移処理部が前記表示部に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部と、アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムデータベースと、前記アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの関心の高さを示す属性スコアを関連付けて記憶する属性スコアデータベースと、ユーザの入力に基づき前記アイテムデータベースを検索し、少なくとも前記アイテム属性を抽出するアイテム検索部と、前記アイテム検索部が抽出する前記アイテム属性に関連付けられた属性スコアに、前記画面遷移スコア算出部が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部と、を備え、前記属性スコアデータベースが記憶する前記属性スコアは、肯定的属性スコアと否定的属性スコアとから構成され、前記画面遷移スコア算出部の算出する前記画面遷移スコアは、肯定的画面遷移スコアと否定的画面遷移スコアとから構成され、前記スコア加算部は、前記肯定的画面遷移スコアを前記肯定的属性スコアに加算し、前記否定的画面遷移スコアを前記否定的属性スコアに加算する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画面遷移ごとにユーザの嗜好を示すスコアを加算するため、最終的にアイテムを確定することなく終了させた場合でもユーザの嗜好情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システムの全体構成を示す概略図
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図
図3】携帯端末のハードウェア構成を示す図
図4】情報処理装置の機能ブロック図
図5】携帯端末の機能ブロック図
図6】画面遷移DBの一例を示す図
図7】アイテムDBの一例を示す図
図8】検索属性DBの一例を示す図
図9】属性値スコアDBの一例を示す図
図10】属性値スコアを更新するプログラムの動作を表すフローチャート
図11】情報処理システムの動作例を示す図
図12】変形例5における一時スコアの増減を説明するフローチャート
図13】変形例6における属性値スコアDBの一例を示す図
図14】変形例6における推奨アイテム情報生成部の構成を示す模式図
図15】変形例9におけるシステム構成図
図16】変形例9におけるテレビの機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、図1〜11を参照して、本発明による情報処理システムの一実施形態を説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す概略図である。情報処理システム1は、情報処理装置101と、複数の携帯端末104から構成される。情報処理装置101は、ネットワーク通信機能を持つ公知のコンピュータシステム等の情報処理装置、たとえばサーバであり、携帯端末104からのリクエストを処理して、レスポンスを携帯端末104に送る。
【0009】
携帯端末104は、ネットワーク通信機能を持つPDA(PersonalDigital Assistance)である。ユーザが携帯端末104を操作することによって、携帯端末104が基地局103及びネットワーク102を介して情報処理装置101に接続される。ユーザが所望のサービスを受けるとき、携帯端末104は情報処理装置101にリクエストを送り、情報処理装置101からのレスポンスに対応して、携帯端末104はユーザに情報を提供する。
ネットワーク102は、例えば、携帯電話網やLAN(Local Area Network)やWAN(WideArea Network)などのイントラあるいはインターネット網であり、基地局103と協働して情報処理装置101と携帯端末104の間でリクエスト及びレスポンスデータの送受信を可能とする。
【0010】
基地局103は、例えば、携帯電話網の末端装置や無線LANなどのアクセスポイント等であり、上述の通り、ネットワーク102と協働して情報処理装置101と携帯端末104の間でリクエスト及びレスポンスデータの送受信を可能とする。
本実施形態では、本システム構成において、特に、携帯端末104は、携帯端末104上でのユーザの行動や操作に関する情報や設定情報を情報処理装置101に送信する。情報処理装置101は、受信した情報を基にして、大量にあるアイテムからユーザへの提示の候補となるアイテムを選択し、選択されたアイテムに関する情報と選択理由を携帯端末104に送信する。携帯端末104は、情報処理装置101から送信された、アイテムに関する情報と選択理由を画面上に表示する。
【0011】
図2〜3を参照して、情報処理装置101及び携帯端末104のハードウェア構成の一例を説明する。
図2は、情報処理装置101のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置101は、通信装置201と、中央処理装置202と、記憶装置203と、二次記憶装置204を備える。通信装置201と、中央処理装置202と、記憶装置203と、二次記憶装置204とは、バス205によって接続され、相互にデータの送受信が可能である。
通信装置201は、例えばLANカードなどのネットワークカードユニットである。通信装置201は、情報処理装置101をネットワーク102に接続可能とする。
【0012】
中央処理装置202は、マイクロプロセッサを主体に構成され、記憶装置203や二次記憶装置204に格納されているプログラムを実行し、情報処理装置101における処理を制御する。
記憶装置203は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)である。記憶装置203は、中央処理装置202によって実行されるプログラムや携帯端末104から受信したデータ等、情報処理装置101において処理されるデータ等を格納する。
二次記憶装置204は、例えばハードディスク装置や不揮発性メモリである。二次記憶装置204には、後述する検索対象の情報を含むデータベースや情報処理装置101が構築する各種データ及びデータベースが格納される。
【0013】
図3は、携帯端末104のハードウェア構成を示す図である。
携帯端末104はネットワーク通信機能を持つPDAや携帯電話等の公知の機器である。携帯端末104は、図3に示すとおり、通信装置301と、中央処理装置302と、入力装置303と、記憶装置304と、表示装置305とを備える。なお、各装置は、バス306によって接続され、各装置間で相互にデータの送受信が可能である。
通信装置301は、例えば既に知られる携帯電話における携帯電話網接続モジュールとそのドライバや、無線LAN接続モジュールとそのドライバ等である。通信装置301は、携帯端末104をネットワーク102に接続可能とする。
【0014】
中央処理装置302は、マイクロプロセッサを主体に構成され、記憶装置304に格納されているプログラムを実行し、携帯端末104における処理を制御する。
入力装置303は、既に知られるPDA等におけるタッチパネルや音声を入力するマイクとそのドライバ等によって構成される。入力装置303は、ユーザが携帯端末104に対して動作指示などを入力可能とする。ユーザが入力装置303を用いて、タッチパネル上で画面の遷移や検索結果からコンテンツを選択するなどの操作を入力することができ、また、マイクを介して検索条件などのリクエスト内容を入力することができる。
【0015】
記憶装置304は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)である。記憶装置304は、中央処理装置302によって実行されるプログラムや情報処理装置101から受信したデータ等、携帯端末104において処理されるデータ等を格納する。
表示装置305は、例えばPDA等における液晶パネルとそのドライバ等によって構成される。表示装置305は、携帯端末104内の情報を表示する。後述のとおり、遷移先画面の表示や、情報処理装置101から受信した検索結果あるいは推薦結果と推薦理由を表示する。
【0016】
(情報処理装置の機能構成)
図4〜5を参照して、情報処理装置101及び携帯端末104が備える機能を説明する。
図4は、情報処理装置101の中央処理装置202によって実行されるソフトウェアプログラムの機能を機能ブロックとして示す図である。なお、本来は、これらの機能ブロックに加え、各機能ブロックの起動や動作管理等を行うOS(Operating System)や制御プログラム等が存在するが、本実施形態では、これらの機能ブロックの連係動作を適宜説明することとし、OSや制御プログラムがここで適宜説明された連係動作に必要となる機能ブロックの起動や動作管理を行うことは自明であるので、これらOSや制御プログラムについては説明及び記載を省略する。
【0017】
情報処理装置101は、機能ブロックとして、図4に示すとおり、リクエスト・レスポンス送受信部401と、リクエスト・レスポンス処理部402と、検索装置403と、ルート案内アプリケーション420と、を備える。検索装置403は、入力取得部404と、画面遷移DB405と、画面遷移処理部406と、アイテムDB407と、アイテム検索部408と、検索属性DB409と、属性値スコア演算部410と、属性値スコアDB411と、検索アイテムデータ412と、推奨アイテム情報生成部413と、推奨アイテムリスト414と、を備える。
【0018】
リクエスト・レスポンス送受信部401は、携帯端末104からのリクエストデータ及び携帯端末へのレスポンスデータを通信装置201を用いて送受信する。
リクエスト・レスポンス処理部402は、リクエスト・レスポンス送受信部401で送受信するデータ、すなわち、携帯端末104との間で送受信するデータを処理する。具体的には、リクエスト・レスポンス処理部402は、携帯端末104の入力装置303で入力された情報、携帯端末104を識別する端末ID、および現在表示している画面を識別する画面IDをリクエスト・レスポンス送受信部401を経由して取得し、検索装置403内の入力取得部404に通知する。また、リクエスト・レスポンス処理部402は、検索装置403内の画面遷移処理部406が生成した画面遷移先の情報や、アイテム検索部408が生成した検索アイテムデータ、あるいは、属性値スコアDB411に基づいて生成した推薦アイテムデータを取得して、リクエスト・レスポンス送受信部401を経由して携帯端末104に送信する。
【0019】
入力取得部404は、前述のとおり、携帯端末104の入力装置303で入力された情報、ユーザID、および現在の画面IDを、リクエスト・レスポンス送受信部401とリクエスト・レスポンス処理部402を介して取得する。そして、入力された情報を、画面遷移処理部406で処理可能なように分類する。分類した情報を以下、入力データ分類と呼ぶ。入力データ分類の例として、検索条件「ラーメン」での検索指示や、店舗「AAA」の詳細表示指示、店舗「BBB」へのルート設定指示、店舗検索のキャンセル指示などがある。入力取得部404は、端末ID、現在の画面ID、および生成した入力データ分類を画面遷移処理部406に通知する。
【0020】
画面遷移DB405は、事前に定められた、画面遷移に関する情報を格納したデータベースである。画面遷移に関する情報の例として、画面元IDや前述の入力データ分類、画面遷移先ID、画面遷移先での処理等が挙げられる。
画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、入力取得部404から取得した入力データ分類と、現在の画面IDとを用いて、遷移先の画面IDおよび画面遷移先での処理を取得する。例えば、ある画面遷移元において、入力データ分類が検索条件「ラーメン」での検索指示の場合に、この条件に合致した画面遷移先を決定し、画面遷移先での処理が「検索」であれば、アイテム検索部408に、検索の指示を通知する。画面遷移先での処理が「決定」または「キャンセル」であれば、属性値スコア演算部410に属性値スコア生成の指示を通知する。属性値スコアの生成についての詳細は後述する。画面遷移先での処理が「推奨」であれば、推奨アイテム情報生成部413に推奨アイテムリスト414を生成させる。
【0021】
アイテムDB407は、ユーザへ提示する対象となる複数の店舗に関する情報を格納したデータベースである。アイテムDB407は、複数のレコードから構成され、1レコードに1店舗の情報が格納される。店舗に関する情報は、書誌的事項と属性から構成される。書誌的事項とは、たとえば、店舗の名称、住所、電話番号、営業時間などである。属性とは、飲食店、ラーメン、などである。書誌的事項は、後述する処理において特段の役割を有しない。属性は、ユーザの嗜好を示すものとしてユーザごとに属性値を付与して評価する。
【0022】
アイテム検索部408は、画面遷移処理部406より検索の指示が通知された際、画面遷移処理部406より検索条件を取得し、アイテムDB407を検索して検索条件を満たすレコードを抽出し、検索結果として検索アイテムデータ412を生成する。また、検索条件に含まれるアイテムの属性を検索属性として検索属性DB409に記憶する。生成された検索アイテムデータ412は、携帯端末104から、リクエスト・レスポンス送受信部401、リクエスト・レスポンス処理部402を経由して、検索アイテムデータ412を取得するリクエストを受けた際に、携帯端末104に送信される。
【0023】
検索属性DB409は、属性に関する検索条件を格納したデータベースであり、複数のレコードから構成される。各レコードは、検索対象属性と検索対象属性値とから構成される。検索属性DB409は、アイテム検索部408により作成される。
属性値スコア演算部410は、画面遷移処理部406から属性値スコアを更新する指示が通知されると動作する。属性値スコア演算部410は、検索属性DB409と後述する一時スコアを用いて、属性値スコアDB411に格納されている、該当するユーザの属性値スコアを更新する。
【0024】
属性値スコアDB411は、ユーザごと、アイテム属性ごとの属性値スコアを格納したデータベースである。具体的には、属性分類と属性値、ユーザ別の属性値スコアで構成されており、属性値スコア演算部410によってスコアが更新される。
情報処理装置101は、あるユーザIDを有する携帯端末104から、推薦アイテムデータ取得のリクエストを受けると以下のように動作する。まず、属性値スコアDB411に格納されている当該ユーザIDのスコアを参照し、属性値スコアが最も大きい属性値を抽出する。次に、アイテムDB407から抽出した属性値を有するレコード、すなわち店舗の情報を検索する。そして、抽出した属性値を推薦理由として、検索結果を推薦アイテムデータとして、携帯端末104に送信する。
【0025】
検索アイテムデータ412は、アイテム検索部408がアイテムDB407から抽出した、検索条件を満たすアイテムに関する情報である。検索アイテムデータ412は、リクエスト・レスポンス送受信部401、リクエスト・レスポンス処理部402を経由して、携帯端末104に送信される。
推奨アイテム情報生成部413は、画面遷移処理部406より推奨アイテム生成の指示が通知されると動作する。推奨アイテム情報生成部413は、画面遷移処理部406から対象属性に関する情報を取得し、アイテムDB407および属性値スコアDB411を参照し、ユーザの嗜好を反映した推奨アイテムリスト414を生成する。すなわち、属性値スコアDB411から、最大の属性値スコアを有する属性値を抽出する。次に、この属性値を有するレコードをアイテムDB407から検索し、検索結果を推奨アイテムリスト414とする。
【0026】
推奨アイテムリスト414は、推奨アイテム情報生成部413によりアイテムDB407から抽出された、ユーザに推奨する店舗のリストである。
画面遷移DB405、アイテムDB407、検索属性DB409、および、属性値スコアDB411は、二次記憶装置204に構築され、それぞれ必要なときに記憶装置に一時的に記憶されて使用されるように構成する。検索アイテムデータ412、および推奨アイテムリスト414は、記憶装置203に構築される。
ルート案内アプリケーション420は、地図情報および経路探索プログラムを備える既知のアプリケーションである。検索装置403から目的地の情報が出力されると、目的地までの経路を算出し、リクエスト・レスポンス送受信部401およびリクエスト・レスポンス処理部402を用いて、携帯端末104に経路案内を開始する。
【0027】
(携帯端末の機能構成)
携帯端末104の機能ブロックの一例について説明する。
図5は、携帯端末104の機能ブロックの一例を示す図である。なお、これらの機能ブロックの全てが中央処理装置302によって実行されるソフトウェアプログラムであるものとして説明するが、一部あるいは全ては、ハードウェアとして実現されてもよい。また、本来は、これらの機能ブロックに加え、各機能ブロックの起動や動作管理等を行うOS(Operating System)や制御プログラム等が存在するが、本実施形態では、これらの機能ブロックの連係動作を適宜説明することとし、OSや制御プログラムがここで適宜説明された連係動作に必要となる機能ブロックの起動や動作管理を行うことは自明であるので、これらOSや制御プログラムについては説明及び記載を省略する。
【0028】
図5に示すとおり、携帯端末104は、入力部501と、リクエスト・レスポンス送受信部502と、リクエスト・レスポンス処理部503と、表示部504とを備える。
入力部501には、ユーザにより画面遷移や、店舗選択や商品購入、コンテンツ視聴などを行うための操作が入力される。後述する表示部504により表示装置305に表示された情報に対して、ユーザが入力装置303を操作した情報を取得することによって、ユーザの操作履歴を取得する。
【0029】
リクエスト・レスポンス送受信部502は、入力部501により取得した入力情報を、通信装置301を介して情報処理装置101に送信する。リクエスト・レスポンス送受信部502は、通信装置301を介して、情報処理装置101内で生成した画面遷移先の情報を受信する。リクエスト・レスポンス送受信部502は、検索アイテムデータや、推薦アイテムデータを取得するための要求を、通信装置301を介して情報処理装置101に送信する。リクエスト・レスポンス送受信部502は、通信装置301を介して、情報処理装置101内で生成した検索アイテムデータや推薦アイテムデータに関する情報を受信する。
【0030】
リクエスト・レスポンス処理部503は、リクエスト・レスポンス送受信部502で受信した画面遷移先を基にして出力画面を生成する、また、リクエスト・レスポンス送受信部502で受信した検索アイテムデータや推薦アイテムデータ、推薦理由に関する情報を基にして出力画面を生成する。
表示部504は、リクエスト・レスポンス処理部503で生成した出力画面を表示装置305に表示する。
【0031】
(データ構造)
情報処理システム1において使用されるデータ、すなわち画面遷移DB405と、アイテムDB407と、検索属性DB409と、属性値スコアDB411、およびこれらのデータ構造について説明する。
(画面遷移DB)
画面遷移処理部406によって参照される画面遷移DB405のデータ及びデータ構造について説明する。
【0032】
図6は、画面遷移DB405のデータ及びデータ構造の一例を説明する図である。
図6に示すとおり、画面遷移DB405は、 複数のレコードから構成される。その各レコードは、画面遷移元IDと、画面遷移先IDと、入力データ分類と、画面遷移先処理と、画面遷移スコアとから構成される。これらの情報は、あらかじめ設定される。
画面遷移元IDと画面遷移先IDにはいずれも、画面を一意に識別するための識別子が格納される。これらの識別子は個々の画面固有のIDである。画面遷移元IDの識別子が示す画面が表示されている際に、所定の入力データ分類が入力されると、遷移先画面IDの識別子が示す画面へ遷移する。
【0033】
入力データ分類は、画面遷移元IDから画面遷移先IDに画面遷移するための、入力データ分類の条件を含んでいる。すなわち、入力データ分類は、「検索条件および検索指示」や「詳細データ表示指示」「ルート設定指示」「キャンセル指示」などを含む。それぞれの指示は、検索条件「ラーメン」での検索指示、店舗「AAA」の詳細表示指示、店舗「BBB」へのルート設定指示、店舗検索のキャンセル指示に相当する。
たとえば、図6に示す例において、遷移元画面IDが「2」であった場合に、画面IDが「3」と「1」と「10」に遷移する可能性がある。入力データ分類が「詳細データ表示指示」である場合には遷移先画面IDは「3」になり、入力データ分類が「キャンセル指示」である場合には遷移先画面IDは「1」になり、入力データ分類が「推奨表示指示」である場合には遷移先画面IDは「10」になる。
【0034】
画面遷移先処理は、画面遷移元IDから画面遷移先IDに画面遷移した際の画面遷移先で行われる処理の内容を表す情報が格納されており、例えば、「検索」「決定」「キャンセル」である。
画面遷移スコアは、画面遷移元IDから画面遷移先IDに画面遷移した際に後述する一時スコアに加算されるスコアである。
(アイテムDB)
アイテム検索部408によって参照されるアイテムDB407のデータ及びデータ構造について説明する。
【0035】
図7は、アイテム検索あるいはアイテム推薦の対象となる店舗に関する情報が格納されるアイテムDB407のデータ及びデータ構造の一例を説明する図である。
図7に示すとおり、アイテムDB407は、複数のレコードから構成され、各レコードは書誌的事項と属性とから構成される。書誌的事項は、アイテムIDと、アイテム名と、緯度・経度と、所在地と、からなる。これらの情報は予め定義される。
【0036】
アイテムIDは、アイテムを一意に識別するための識別子であり、個々のアイテム固有のIDである。
アイテム名は、アイテムIDで識別されるアイテム、すなわち店舗の名称である。
緯度・経度は、同一レコードのアイテム、すなわち店舗の所在地を緯度と経度により表したものである。
所在地は、同一レコードのアイテム、すなわち店舗の所在地である。
【0037】
属性は、大カテゴリと、中カテゴリと、小カテゴリと、雰囲気とから構成される。大カテゴリは、アイテムIDで識別されるアイテムに関する、アイテム属性「大カテゴリ」の値である。中カテゴリは、アイテムIDで識別されるアイテムに関する、アイテム属性「中カテゴリ」の値である。小カテゴリは、アイテムIDで識別されるアイテムに関する、アイテム属性「小カテゴリ」の値である。雰囲気は、アイテムIDで識別されるアイテムに関する、アイテム属性「雰囲気」の値である。アイテム属性の値は、数値であっても文字列であってもよい。
図7に示す例では、アイテムIDが1のアイテムは、「飲食店」、「ラーメン」、「博多ラーメン」、「賑やか」という属性値を有する。アイテムIDが2のアイテムは、「飲食店」、「ラーメン」、「横浜ラーメン」、「静か」という属性値を有する。
【0038】
(検索属性DB)
アイテム検索部408で生成される検索属性DB409のデータ及びデータ構造について説明する。
図8は、検索属性DB409のデータ及びデータ構造の一例を説明する図であり、特に、「店舗検索」のサービスを対象とした検索属性DB409の一例である。
図8に示すとおり、検索属性DB409に格納されるデータは、検索対象属性と、検索対象属性値とから構成される。
【0039】
検索対象属性は、検索条件に含まれるアイテム属性であり、アイテムDB407のアイテム属性である。
検索対象属性値は、検索条件に含まれるアイテム属性値であり、検索対象属性の属性に対する検索条件での属性値である。例えば、検索対象属性が「中カテゴリ」の場合、検索対象属性値として、中カテゴリに対する検索条件での値が格納されることになり、図7の例では、「ラーメン」や「レストラン」「ファーストフード」などがとりうる値である。検索条件がない場合は「−」が格納される。
図8の例は、(アイテム属性「大カテゴリ」=飲食店 AND アイテム属性「中カテゴリ」=ラーメン)という検索条件で検索すること示す。
【0040】
(属性値スコアDB)
属性値スコア演算部410によって生成される属性値スコアDB411のデータ及びデータ構造について説明する。
図9は、属性値スコアDB411のデータ及びデータ構造の一例を説明する図であり、特に「店舗検索」のサービスを対象とした属性値スコアの一例である。
図9に示すとおり、属性値スコアDB411は、検索対象属性と、検索対象属性値と、ユーザ別の属性値スコアで構成される。
【0041】
検索対象属性は、検索条件に含まれるアイテム属性であり、アイテムDB407のアイテム属性のいずれかである。
検索対象属性値は、検索条件におけるアイテム属性値、すなわち、検索対象属性の属性に対して取りうる属性値である。例えば、検索対象属性が「中カテゴリ」の場合、検索対象属性値として、中カテゴリに対する検索条件での値が格納され、図7の例では「ラーメン」や「レストラン」「ファーストフード」などが、とりうる値である。
【0042】
(フローチャート)
図10に、属性値スコアを更新するプログラムの動作を表すフローチャートの一例を示す。前述のとおり、属性値スコアDB411にはユーザIDごとに属性値スコアが記憶されるので、図10に示すフローチャートにより動作が表されるプログラムもユーザIDごとに別々に実行される。すなわち、属性値スコアや後述する一時スコアは、他のユーザIDを有する携帯端末104からの入力の影響を受けない。
【0043】
情報処理装置101は、携帯端末104からの入力を常時待ちうけており、携帯端末104から入力を受信すると、図10により動作が表されるプログラムを動作させる。ただし、すでに動作している場合には新たに動作させない。以下に説明する各ステップの実行主体は、中央処理装置202である。中央処理装置202は、実行しているプログラムが処理対象とするユーザIDを記憶し、ユーザIDごとに別々のプログラムを動作させる。
【0044】
ステップS601において、中央処理装置202は、一時的に画面遷移スコアの蓄積分を記憶する一時スコアをゼロにリセットし、ステップS602に進む。
ステップS602において、中央処理装置202は、携帯端末104からの新たな入力の有無を判断する。入力があると判断する場合はステップS603に進み、入力がないと判断する場合はステップS612に進む。
ステップS603において、中央処理装置202は、リクエスト・レスポンス送受信部401およびリクエスト・レスポンス処理部402を介して、入力取得部404に携帯端末104から受信した入力データ、および現在の画面IDを取得させる。中央処理装置202は、入力取得部404に携帯端末104の入力データを用いて入力データ分類を生成させて、ステップS604に進む。
【0045】
ステップS604において、中央処理装置202は、画面遷移処理部406に画面遷移DB405を参照させる。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を検索し、遷移元画面IDが入力取得部404が取得した現在の画面IDに一致し、入力データ分類がステップS603において生成した入力データ分類に一致するレコードを抽出する。この抽出処理により、遷移先画面ID、画面遷移先処理、および画面遷移スコアが決定される。すなわち、本ステップにより画面遷移スコアが算出される。次にステップS604Aに進む。
【0046】
ステップS604Aにおいて、中央処理装置202は、ステップS604において検索されたレコードの遷移先画面IDを、リクエスト・レスポンス処理部402およびリクエスト・レスポンス送受信部401を介して、携帯端末104に送信する。遷移先画面IDを受信した携帯端末104は、リクエスト・レスポンス処理部503により遷移先画面が生成され、表示部504に表示される。ただし、検索アイテムデータ412など情報処理装置101からの追加の情報が必要な場合には、まだ表示部504への表示が行われない。次に、ステップS605に進む。
【0047】
ステップS605において、中央処理装置202は、一時スコアにステップS604において検索されたレコードの画面遷移スコアを加算してステップS606に進む。
ステップS606において、中央処理装置202は、ステップS604において検索されたレコードの画面遷移先処理が、(1)「検索」、(2)「決定」または「キャンセル」、(3)「詳細」、(4)「推奨」のいずれであるかを判断する。中央処理装置202は、画面遷移先処理が、「検索」であると判断する場合はステップS607に進み、「決定」または「キャンセル」であると判断する場合はステップS610に進む。中央処理装置202は、画面遷移先処理が、「詳細」であると判断する場合はステップS606Aに進み、「推奨」であると判断する場合はステップS611に進む。
【0048】
画面遷移先処理が「詳細」である場合に実行されるステップS606Aにおいて、中央処理装置202は、アイテムDB407から詳細情報を要求されているアイテムに関する情報を取得し、取得した情報を携帯端末104に送信する。次にステップS602に戻る。
画面遷移先処理が「検索」である場合に実行されるステップS607において、中央処理装置202は、アイテム検索部408にアイテムDB407を読込ませる。アイテム検索部408は、入力取得部404が取得した検索条件に基づいて、アイテムDB407から条件に合致するアイテムデータを抽出し、検索アイテムデータ412を生成する。次にステップS608に進む。
【0049】
ステップS608において、中央処理装置202は、アイテム検索部408がステップS607において生成した検索アイテムデータ412をリクエスト・レスポンス処理部402およびリクエスト・レスポンス送受信部401を介して、携帯端末104に送信する。検索アイテムデータ412を受信した携帯端末104は、リクエスト・レスポンス処理部503により検索アイテムデータ412が表示部504に表示される。携帯端末104のユーザは、この遷移した表示画面が表示された表示部504を見て、さらなる入力を行う。次にステップS609に進む。
ステップS609において、中央処理装置202は、アイテム検索部408に検索属性DB409に記録される、検索対象属性と検索対象属性値から構成されるレコードを生成させる。この検索属性DB409は、ステップS610において使用される。次にステップS602に戻る。
【0050】
画面遷移先処理が「決定」または「キャンセル」である場合に実行されるステップS610において、中央処理装置202は、ステップS609において生成した検索属性DB409、および当該プログラムが処理対象としているユーザIDを、属性値スコア演算部410に読み込ませる。属性値スコア演算部410は、検索属性DB409に記録される全ての属性値を対象として、ステップS605において累積した一時スコアを加算する。すなわち、属性値スコア演算部410は、検索属性DB409を読込み、属性値スコアDB411の検索対象属性および検索対象属性値が一致するレコードにおいて、処理対象としているユーザIDの属性値スコアに、一時スコアを加算する。中央処理装置202は、画面遷移先処理が「決定」の場合には、ルート案内アプリケーション420に目的地を出力し、ルート案内を開始させる。次に、ステップS601に戻る。
【0051】
画面遷移先処理が「推奨」である場合に実行されるステップS611において、中央処理装置202は、推奨アイテム情報生成部413に推奨アイテムリスト414を生成させる。推奨アイテム情報生成部413は、属性値スコアDB411を検索し、最も属性値スコアが高い属性を抽出する。次に推奨アイテム情報生成部413は、アイテムDB407を検索し、その属性を有するアイテムを抽出して、推奨アイテムリスト414として保存する。次に、ステップS611Aに進む。
ステップS611Aにおいて、中央処理装置202は、ステップS611において生成した推奨アイテムリスト414を携帯端末104に送信し、ステップS601に戻る。
【0052】
携帯端末104からの入力がないと判断された場合に実行されるステップS612において、中央処理装置202は、最後の入力から所定時間以上、たとえば1時間以上経過しているか否かを判断する。中央処理装置202は、最後の入力から所定時間以上経過していると判断する場合はステップS613に進み、最後の入力から所定時間経過していないと判断する場合はステップS602に戻る。
【0053】
ステップS613において、中央処理装置202は、ステップS610と同様に、ステップS609において生成した検索属性DB409、および当該プログラムが処理対象としているユーザIDを、属性値スコア演算部410に読み込ませる。属性値スコア演算部410は、検索属性DB409に記録される全ての属性値を対象として、ステップS605において累積した一時スコアを加算する。その後、図10により動作が表されるプログラムを終了する。最後の入力から所定時間以上経過ことをもって、ユーザによる「キャンセル」操作と同視し、さらに、今後もしばらくはユーザからの入力がないと予想されるので、リソースを節約するためにプログラムを終了する。
【0054】
(動作例)
図11を用いて、情報処理システム1の動作を説明する。
図11は、携帯端末104の表示部504が表示装置305に表示する画面の遷移を示す図である。図13に示す各画面の画面IDは、図6に示す画面遷移DB405における画面IDと対応している。画面IDが「1」の時点で、属性値スコアDB411が図9に示すものであるとする。また、その携帯端末104のユーザIDが「UID1234」であるとする。
【0055】
画面IDが「1」の画面には、「飲食店」、「買物」、「運動」、「娯楽」という4つの検索用ボタンと、「オススメ」という推奨アイテムを得るためのボタンが表示される。画面IDが「1」以外の全ての画面には、「戻る」というボタンが備えられ、このボタンを押すとどの画面からでも画面IDが「1」の画面に戻る。
以下では、画面IDが順番に1〜5に遷移する例を最初に説明し、その後、他の例を説明する。
【0056】
(動作例:画面ID5まで到達する場合)
画面IDが「1」である画面が携帯端末104の表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作し、「飲食店」を選択すると、画面ID「1」と、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力を「検索条件・検索指示」であると判断する(図10、ステップS603)。
画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「1」で入力データ分類が「検索条件・検索指示」であるレコードを抽出する(図10、ステップS604)。
【0057】
抽出されたレコードにおける遷移先画面IDは「2」、画面遷移先処理は「検索」、画面遷移スコアは「10」である。中央処理装置202は、携帯端末104に遷移先画面ID「2」を送信する(図10、ステップS604A)。中央処理装置202は、現在の一時スコア「0」に画面遷移スコア「10」を加える(図10、ステップS605)。
アイテム検索部408は、アイテムDB407をキーワード「飲食店」により検索し、{ラーメン、レストラン、ファーストフード、和食}という項目を含む検索アイテムデータ412を生成する(図10、ステップS607)。
【0058】
中央処理装置202は、検索アイテムデータ412を携帯端末104に送信する(図10、ステップS608)。携帯端末104のリクエスト・レスポンス処理部503は、遷移先画面ID「2」と検索アイテムデータ412を受信すると、図11に示す画面IDが「2」の画面を表示する。
アイテム検索部408は、検索対象属性が「大カテゴリ」、検索対象属性値が「飲食店」であるレコードを検索属性DB409に保存し、携帯端末104からの入力を待機する(図10、ステップS609→ステップS602)。
【0059】
以下、詳細を省略して異なる点を中心に説明する。
画面IDが「2」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作し、「ラーメン」を選択すると、画面ID「2」と、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力を「検索条件・検索指示」であると判断する。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「2」で入力データ分類が「検索条件・検索指示」であるレコードを抽出する。このレコードの画面遷移スコアは「10」なので、中央処理装置202は、現在の一時スコア「10」に画面遷移スコア「10」を加える。すなわち、一時スコアは「20」となる。アイテム検索部408は、検索属性DB409に、検索対象属性が「中カテゴリ」、検索対象属性値が「ラーメン」であるレコードを保存する。
【0060】
画面IDが「3」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作し、AAAの「詳細表示」を選択すると、画面ID「3」と、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力が「詳細表示指示」であると判断する。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「3」で入力データ分類が「詳細表示指示」であるレコードを抽出する。このレコードの画面遷移スコアは「20」なので、中央処理装置202は、現在の一時スコア「20」に画面遷移スコア「20」を加える。すなわち、一時スコアは「40」となる。中央処理装置202は、アイテムDB407からAAAに関する詳細情報を取得し、携帯端末104に送信する(図10、ステップS606A)。
【0061】
画面IDが「4」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作し、「決定」を選択すると、画面ID「4」と、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力が「ルート設定」であると判断する。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「4」で入力データ分類が「ルート設定」であるレコードを抽出する。このレコードの画面遷移スコアは「50」なので、中央処理装置202は、現在の一時スコア「40」に画面遷移スコア「50」を加える。すなわち、一時スコアは「90」となる。
【0062】
属性値スコア演算部410は、属性値スコアDB411の検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコア、および検索対象属性が「中カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「ラーメン」である属性値スコアに、一時スコアである「90」を加算する(図10、ステップS610)。すなわち、図9の例において、ユーザIDが「UID1234」なので、検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコアを「70」から「160」に更新し、検索対象属性が「中カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「ラーメン」である属性値スコアを「40」から「130」に更新する。
中央処理装置202は、ルート案内アプリケーション420に目的地を出力し、ルート案内を開始させる。携帯端末104の表示部504には、画面ID「5」の画面が表示され、ルート案内が開始される。
【0063】
(動作例:画面ID5まで到達しない場合)
上述した動作例において、画面IDが「2」〜「4」のいずれかである画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作して「戻る」を選択した場合の動作を説明する。
画面IDが「2」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作して「戻る」を選択すると、画面ID「2」と、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力が「キャンセル指示」であると判断する。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「2」で入力データ分類が「キャンセル指示」であるレコードを抽出する。このレコードの画面遷移スコアは「0」なので、一時スコアは「10」から変化しない。
【0064】
属性値スコア演算部410は、属性値スコアDB411の検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコアに、一時スコアである「10」を加算する。すなわち、図9の例において、ユーザIDが「UID1234」なので、属性値スコアDB411の検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコアを「70」から「80」に更新する。
【0065】
画面IDが「3」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作して「戻る」を選択した場合には、以下のようになる。一時スコアが「20」なので、図9の例において、属性値スコアDB411の検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコアを「70」から「90」に更新し、検索対象属性が「中カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「ラーメン」である属性値スコアを「40」から「60」に更新する。
【0066】
画面IDが「4」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作して「戻る」を選択した場合には、以下のようになる。一時スコアが「40」なので、図9の例において、属性値スコアDB411の検索対象属性が「大カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「飲食店」である属性値スコアを「70」から「110」に更新し、検索対象属性が「中カテゴリ」、かつ検索対象属性値が「ラーメン」である属性値スコアを「40」から「80」に更新する。
【0067】
(動作例:推奨アイテムの表示)
上述した動作例において、画面IDが「1」〜「3」のいずれかである画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作して「オススメ」を選択した場合の動作を説明する。ただし、いずれの画面IDであっても同一の動作が行われるため、画面IDが「1」の場合のみを説明する。
【0068】
画面IDが「1」である画面が表示装置305に表示されている際に、ユーザが入力部501を操作し、「オススメ」を選択すると、画面IDと、その入力が情報処理装置101に送信される。情報処理装置101の入力取得部404が、携帯端末104からの入力を「推奨表示指示」であると判断する。画面遷移処理部406は、画面遷移DB405を参照し、遷移元画面IDが「1」で入力データ分類が「推奨表示指示」であるレコードを抽出する。
【0069】
抽出されたレコードにおける遷移先画面IDは「10」、画面遷移先処理は「推奨」、画面遷移スコアは「0」である。中央処理装置202は、携帯端末104に遷移先画面ID「10」を送信する(図10、ステップS604A)。中央処理装置202は、画面遷移スコアが「0」なので、現在の一時スコアである「0」を維持する(図10、ステップS605)。
【0070】
中央処理装置202は、推奨アイテム情報生成部413に推奨アイテムリスト414を作成させる。推奨アイテム情報生成部413は、属性値スコアDB411を参照し、属性値スコアが最大である「アミューズメント」を抽出する。推奨アイテム情報生成部413は、アイテムDB407から検索対象属性値が「アミューズメント」であるアイテムを検索し、推奨アイテムリスト414として保存する。推奨アイテム情報生成部413は、検索条件である「アミューズメント」、および生成した推奨アイテムリスト414を携帯端末104に送信する。
携帯端末104は、受信した推奨アイテムリスト414を表示部504に表示するとともに、検索条件である「アミューズメント」を、それらのアイテムが推奨された理由として併せて表示する。
【0071】
上述した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)情報処理システム1は、情報処理装置101、および情報処理装置101と通信を行う携帯端末104とを備える。情報処理システム1は、ユーザの入力を受け付ける入力部501と、画面表示を行う表示部504と、入力部501の入力、および表示部504の表示に基づき、次に表示部504に表示させる画面を決定して表示部504に画面遷移を行わせる画面遷移処理部406と、画面遷移処理部406が表示部504に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部(図10のステップS604)と、アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムDB407と、アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの嗜好を示す属性値スコアを関連付けて記憶する属性値スコアDB411と、ユーザの入力に基づきアイテムDB407を検索し、少なくともアイテム属性を抽出するアイテム検索部408と、アイテム検索部408が抽出するアイテム属性に関連付けられた属性値スコアに、画面遷移スコア算出部(図10のステップS604)が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部(図10のステップS610)と、を備える。
情報処理システム1をこのように構成したので、画面遷移が行われるごとにユーザの嗜好を示す属性値スコアが算出されるため、最終的にアイテムを確定することなく終了させた場合でもユーザの嗜好情報を生成することができる。
【0072】
(2)情報処理システム1は、属性値スコアDB411から属性値スコアが最大である属性を抽出し、アイテムDB407から当該属性に関連付けられたアイテム名称を抽出する、推奨アイテム情報生成部413を備える。
そのため、ユーザがアイテムを決定せずに途中でキャンセルした場合を含めた画面遷移に基づき算出された属性値を用いて、ユーザの嗜好や行動により合致したアイテムを抽出し、推薦することができる。
【0073】
(3)表示部504は、画面IDが1である初期画面を含む複数の画面を表示する。スコア加算部(図10のステップS610)は、画面遷移スコア算出部(図10のステップS604)が画面遷移スコアを算出するごとに、当該画面遷移スコアを一時スコアとして積算し(図10のステップS605)、画面遷移処理部406が画面IDが1である初期画面への遷移を決定した際に一時スコアを属性値スコアに加算する(図10のステップS610)。
そのため、ユーザが最終決定を行わなくても、画面IDが1である初期画面に戻ることにより属性値スコアを更新し、ユーザの嗜好に関する情報を蓄積できる。
【0074】
(変形例1)
推奨アイテム情報生成部413は、全ての属性を対象にして、最大の属性値スコアを有する属性を検索したが、検索方法はこれに限定されない。ユーザの明示の指定により検索対象とするアイテム属性を限定してもよいし、ユーザによる直前の選択に基づき検索対象とするアイテム属性を限定してもよい。
たとえば、ユーザの明示の指定により、アイテム属性「雰囲気」のアイテム属性値が「静か」であるアイテムのみを検索対象としてもよい。上述した実施形態の動作例にて示したように、ユーザが「飲食店」を選択した後に「オススメ」を押した場合には、アイテム属性値が「飲食店」であるアイテムのみを検索対象にしてもよい。
【0075】
(変形例2)
アイテムDB407に記録される書誌的事項、および属性は、上述した実施形態で述べたものに限定されない。複数の店舗に共通する特徴を、新たに属性として設定してもよいし、すでに記した属性をさらに細分化してもよい。すなわち、属性を極度に細分化して店舗1つずつに異なる属性を付与してもよい。
【0076】
(変形例3)
情報処理装置101が有するいずれかの機能、およびいずれかのデータベースを、ネットワークにより接続された他のサーバが備えてもよい。すなわち、複数のサーバが協調して動作することにより、上述した実施形態における、情報処理装置101と同等の機能を実現してもよい。特に、アイテムDB407をアイテム属性とそれ以外の情報に分離し、複数のサーバが分割して保存してもよい。
この変形例3によれば、情報処理装置101を多様なサーバにより構成することができ、バックアップの構成やスケールアウトが容易となる。
【0077】
(変形例4)
情報処理装置101が有するいずれかの機能、およびいずれかのデータベースを、携帯端末104が備えてもよい。すなわち、情報処理装置101と携帯端末104が協調して動作することにより、上述した実施形態における、情報処理装置101と同等の機能を実現してもよい。特に、ユーザに固有の情報である属性値スコアDB411の属性値を、携帯端末104に保存してもよい。
この変形例4によれば、情報処理装置101の構成を簡素にするとともに、情報処理装置101の負荷を軽減できる。属性値スコアDB411の属性値を携帯端末104に保存する場合は、頻繁に書き換えが行われるユーザに固有の情報を情報処理装置101から削除できるため、情報処理装置101の負荷を軽減できる。
【0078】
(変形例5)
上述した実施形態では、一時スコアには、あらかじめ画面遷移DB405に保存された画面遷移スコアのみが加算された。しかし、画面遷移に伴うユーザの反応に応じて、一時スコアを増減させてもよい。
すなわち、携帯端末104は、表示部504に表示する画面を遷移させた後、所定時間にわたって音声を録音し、情報処理装置101に送信してもよい。情報処理装置101は、受信した音声情報を解析し、その音声が肯定的な発言か否定的な発言かを判断し、一時スコアを増減させてもよい。
【0079】
ユーザの反応に応じて一時スコアを増減させる場合の、情報処理装置101における追加の処理をフローチャートを用いて説明する。
図12は、上述した実施形態で説明した図10により動作が表されるプログラムと平行して実行されるプログラムである。
ステップS1201において、中央処理装置202は、画面遷移した後で携帯端末104に入力された音声データを、リクエスト・レスポンス送受信部401およびリクエスト・レスポンス処理部402を介して取得する。次に、ステップS1202に進む。
【0080】
ステップS1202において、中央処理装置202は、取得した音声データに対して肯定的か否定的かの感情分析、いわゆるポジネガ分析を実行する。ポジネガ分析は様々な方法が知られているが、例えば、音声データをテキスト化し、ポジティブなワードの辞書、ネガティブなワードの辞書を利用して、それらのワードがどの程度含まれているかを基準に分析する。次に、ステップS1203に進む。
【0081】
ステップS1203において、中央処理装置202は、ステップS1202において行った感情分析の結果が、ポジティブ、ネガティブ、どちらでもない、のいずれに該当するかを判断する。ポジティブであると判断する場合はステップS1204に進み、ネガティブであると判断する場合はステップS1205に進み、いずれでもないと判断する場合は図12により動作が表されるプログラムを終了する。
ステップS1204において、中央処理装置202は、一時スコアにαを加算する。αは、あらかじめ定められた定数でもよいし、ステップS1202において分析した感情の強さに基づく数値でもよい。その後、図12により動作が表されるプログラムを終了する。
【0082】
ステップS1205において、中央処理装置202は、一時スコアにβを減算する。βは、あらかじめ定められた定数でもよいし、ステップS1202において分析した感情の強さに基づく数値でもよい。その後、図12により動作が表されるプログラムを終了する。
この変形例5によれば、入力データを基にしてユーザの操作中の感情を反映し、ユーザの嗜好や行動の特徴をより詳細に抽出することができる。
【0083】
(変形例6)
上述した実施形態では、ユーザの最終決定が「決定」か「キャンセル」かに関わらず、属性値スコアDB411の属性値に一時スコアを加算した。しかし、最終決定が「決定」の場合と「キャンセル」の場合とを区別し、異なる属性値として記録してもよい。
図13は、変形例6における属性値スコアDB411を示す図である。上述した実施形態では、属性値スコアDB411はユーザIDごと、アイテムごとに1つの属性値を1つずつ有していた。変形例6においては、属性値スコアDB411はユーザIDごと、アイテムごとに2つの属性値、すなわち肯定的な判断に基づく属性値(以下、肯定的属性値)と否定的な判断に基づく属性値(以下、否定的属性値)とを有する。
【0084】
図10のステップS610における処理を以下のように変更する。すなわち、中央処理装置202は、画面遷移先処理が「決定」の場合には、一時スコアを、属性値スコアDB411の該当するアイテム属性における肯定的属性値に加算してもよい。中央処理装置202は、画面遷移先処理が「キャンセル」の場合には、一時スコアを、属性値スコアDB411の該当するアイテム属性における、否定的属性値に加算してもよい。
さらに、推奨アイテム情報生成部413は、図14に示すように、肯定的推奨アイテム情報生成部413Aと、否定的推奨アイテム情報生成部413Bと、総合推奨アイテム情報生成部413Cと、選択部413Dと、を備えてもよい。図14は、変形例6における推奨アイテム情報生成部413の構成を示す模式図である。
【0085】
肯定的推奨アイテム情報生成部413Aは、属性値スコアDB411に保存されている、処理対象であるユーザIDの肯定的属性値に着目する。肯定的推奨アイテム情報生成部413Aは、属性値スコアDB411を検索して肯定的属性値が最大であるアイテム属性を抽出する。次に肯定的推奨アイテム情報生成部413Aは、アイテムDB407を検索してそのアイテム属性を有するアイテムを抽出し、推奨アイテムリスト414として保存する。
否定的推奨アイテム情報生成部413Bは、属性値スコアDB411に保存されている、処理対象であるユーザIDの否定的属性値に着目する。否定的推奨アイテム情報生成部413Bは、属性値スコアDB411を検索して否定的属性値が最大であるアイテム属性を抽出する。次に否定的推奨アイテム情報生成部413Bは、アイテムDB407を検索してそのアイテム属性を有するアイテムを抽出し、推奨アイテムリスト414として保存する。
【0086】
総合推奨アイテム情報生成部413Cは、属性値スコアDB411に保存されている、処理対象であるユーザIDの肯定的属性値および否定的属性値の和に着目する。総合推奨アイテム情報生成部413Cは、属性値スコアDB411を検索して肯定的属性値と否定的属性値の和が最大であるアイテム属性を抽出する。次に総合推奨アイテム情報生成部413Cは、アイテムDB407を検索してそのアイテム属性を有するアイテムを抽出し、推奨アイテムリスト414として保存する。すなわち、総合推奨アイテム情報生成部413Cは、上述した実施形態における推奨アイテム情報生成部413である。
【0087】
選択部413Dは、推奨アイテム情報生成部413が中央処理装置202から動作指令を受けた際に、肯定的推奨アイテム情報生成部413Aと、否定的推奨アイテム情報生成部413Bと、総合推奨アイテム情報生成部413Cと、のうちいずれを動作させるかを選択する。選択部413Dは、複数を選択することもできる。
【0088】
この変形例6によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)推奨アイテム情報生成部413は、肯定的属性値が最大である属性を抽出し、アイテムDB407から当該属性に関連付けられたアイテム名称を抽出する、肯定的推奨アイテム情報生成部413Aと、否定的属性値スコアが最大である属性を抽出し、アイテムDB407から当該属性に関連付けられたアイテム名称を抽出する、否定的推奨アイテム情報生成部413Bと、を備える。
そのため、肯定的属性値を用いて、ユーザの嗜好に合致している可能性が高いアイテムの情報をユーザに提供できる。また、否定的属性値を用いて、ユーザの嗜好性に合致しない可能性もあるが、幅広いアイテムの情報をユーザに提供できる。
【0089】
(2)推奨アイテム情報生成部413は、肯定的推奨アイテム情報生成部413Aと否定的推奨アイテム情報生成部413Bとのいずれを使用するかを選択する選択部413Dを備える。
そのため、肯定的属性値と否定的属性値の両方を保存していることから、両者のいずれに基づいて推奨アイテムリスト414を作成するかを、簡単に切り替えることができる。
【0090】
さらに、選択部413Dにより選択された肯定的推奨アイテム情報生成部413Aまたは否定的推奨アイテム情報生成部413Bのいずれかにより作成された推奨アイテムリスト414のアイテム数が、所定の数より少ない場合は以下のようにしてもよい。すなわち、選択部413Dにより選択されなかった他方により推奨アイテムリスト414をさらに作成し、両者が作成した推奨アイテムリスト414をあわせて携帯端末104に送信してもよい。
【0091】
(変形例7)
上述した実施形態では、遷移元の画面IDと遷移後の画面IDの組合せに対して画面遷移スコアを設定したが、画面遷移スコアの設定方法はこれに限定されない。
遷移後の画面IDだけに着目して画面遷移スコアを設定してもよい。すなわち、上述した実施形態では、画面IDが4から1に遷移する場合と、3から1に遷移する場合では異なる画面遷移スコアを設定可能であったが、遷移後の画面IDが同一であれば、遷移元の画面IDにかかわらず、画面遷移スコアは同一としてもよい。
【0092】
3つ以上の画面遷移に対して画面遷移スコアを設定してもよい。すなわち、画面IDの遷移が1、2、3の順番であった場合の画面遷移スコアを設定してもよいし、画面IDの遷移が、1、2、4の順番であった場合の画面遷移スコアを設定してもよい。
この変形例7によれば、画面遷移に対して詳細に画面遷移スコアを設定することができ、ユーザの嗜好を属性値スコアに詳細に反映させることができる。
【0093】
(変形例8)
上述した実施形態では、属性値スコアDB411は1つしか存在しなかった。しかし、複数の属性値スコアDB411を備え、状況に応じて属性値を更新する属性値スコアDB411を変更してもよいし、推奨アイテム情報生成部413が参照する属性値スコアDB411を変更してもよい。
すなわち、天気や時間帯、行動月、一緒に行動している人数、などに対応させて属性値スコアDB411を複数用意し、使い分けてもよい。条件ごとにユーザの嗜好が異なると考えられるからである。
【0094】
たとえば、時間帯を午前中、夕方まで、夜間の3つに区分し、属性値スコアDB411を3つ用意する。属性値スコア演算部410は、処理を行う時間帯に応じて属性値を更新する属性値スコアDB411を選択する。推奨アイテム情報生成部413は、処理を行う時間帯に応じて、参照する属性値スコアDB411を選択する。
この変形例8によれば、状況に応じたユーザの嗜好を反映した、推奨アイテムリスト414を生成できる。
【0095】
(変形例9)
上述した実施形態では、携帯端末104はPDAであったが、携帯電話でもよいし、カーナビゲーション端末でもよい。さらに、情報処理装置101と携帯端末104が協調動作することにより情報処理システム1を構成したが、上述した実施形態における情報処理装置101と携帯端末104との機能を一体として含んだ装置により情報処理システムを構成してもよい。
上述した実施形態では処理対象とするアイテムが店舗であったが、アイテムは店舗に限定されない。個々に識別が可能であり、分類が可能であれば処理対象のアイテムとなりえる。
【0096】
図15〜16を参照して、上述した実施形態における情報処理装置101と携帯端末104との機能を一体として含んだ装置を用いて、映像番組をアイテムとする変形例を以下に説明する。
システムの全体構成は、上述した実施形態と大きく異なるが、機能の詳細は同一である。上述した実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、上述した実施形態と同じである。
【0097】
図15は、情報処理装置を映像番組の推奨に用いる場合のシステム構成図である。
映像番組、および番組放送予定表(以下、番組表)を配信する番組放送サーバ701と、映像番組および番組表を電波として送信する電波塔702と、電波を受信するアンテナ703と、映像番組を録画・再生するテレビ705と、を備える。
番組放送サーバ701から配信される番組表には、映像番組の配信時間、映像番組が放送されるチャンネル、番組の詳細情報、および番組の属性が含まれる。番組の属性とは、たとえば、「教育」、「ニュース」、「音楽」、「映画」であり、さらに各属性について対象年齢により細分化されている。
【0098】
テレビ705のユーザは、入力装置、たとえばリモコンを用いてテレビ705を操作する。テレビ705は、番組検索画面、番組表一覧画面、それぞれの番組の詳細表示画面、録画決定画面、などをテレビの表示部に表示する。
ユーザは、テレビ705の表示部に番組表を表示させ、番組の詳細情報の閲覧や、映像番組の録画予約を行う。テレビ705は、ユーザが録画予約を行った映像番組の属性だけでなく、詳細情報を閲覧したのみの映像番組の属性も、当該ユーザの嗜好を表す属性であるとして記憶する。
【0099】
図16は、テレビ705によって実行されるソフトウェアプログラムの機能を機能ブロックとして示す図である。すなわち、テレビ705は、ユーザの嗜好情報を蓄積し推奨アイテムを抽出する機能において、上述した実施形態における情報処理装置101と同様の構成を備える。さらに、テレビ705は、映像番組を録画および再生するために、映像デコード部および録画再生部を備える。アンテナ703が受信する電波には、映像番組および番組表の情報が重畳されている。アイテムDB407は、アンテナ703から受信する番組表により更新される。映像デコード部の出力する映像番組は、表示部504に直接出力することもできるし、録画再生部により録画することもできる。
【0100】
この変形例9にかかるテレビ705は、以下の作用効果を奏する。
テレビ705は、ユーザの入力を受け付ける入力部501aと、画面表示を行う表示部504と、入力部501の入力、および表示部504の表示に基づき、次に表示部に表示させる画面を決定して表示部に画面遷移を行わせる画面遷移処理部406と、画面遷移処理部406が表示部504に画面遷移を行わせるごとに画面遷移スコアを算出する画面遷移スコア算出部(図10のステップS604)と、を備える。テレビ705はさらに、アイテム名称およびアイテム属性を関連付けて記憶するアイテムDB407と、アイテム属性および当該アイテム属性に対するユーザの嗜好を示す属性値スコアを関連付けて記憶する属性値スコアDB411と、ユーザの入力に基づきアイテムDB407を検索し、少なくともアイテム属性を抽出するアイテム検索部408と、アイテム検索部408が抽出するアイテム属性に関連付けられた属性値スコアに、画面遷移スコア算出部(図10のステップS604)が算出する画面遷移スコアを加算するスコア加算部(図10のステップS610)と、を備える。
そのため、テレビ705は、他の機器と通信を行うことなく、ユーザの嗜好情報の生成、および嗜好情報に基づいたアイテムの推奨ができる。
さらに、本変形例におけるレコーダは、パーソナルコンピュータであってもよいし、表示部を備えないレコーダであってもよい。
【0101】
上述した実施形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 … 情報処理システム
101 … 情報処理装置
104 … 携帯端末
202 … 中央処理装置
406 … 画面遷移処理部
408 … アイテム検索部
409 … 検索属性DB
410 … 属性値スコア演算部
412 … 検索アイテムデータ
413 … 推奨アイテム情報生成部
413A … 肯定的推奨アイテム情報生成部
413B … 否定的推奨アイテム情報生成部
413D … 選択部
414 … 推奨アイテムリスト
501 … 入力部
図1
図2
図3
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