(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363070
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】電気輸送薬物配送のための電流制御
(51)【国際特許分類】
A61N 1/30 20060101AFI20180712BHJP
A61N 1/08 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
A61N1/30
A61N1/08
【請求項の数】23
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-517237(P2015-517237)
(86)(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公表番号】特表2015-519177(P2015-519177A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2013029114
(87)【国際公開番号】WO2013187951
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2016年2月12日
(31)【優先権主張番号】13/493,314
(32)【優先日】2012年6月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513226346
【氏名又は名称】インクライン・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】513243516
【氏名又は名称】アルザ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・イー・ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ヘイター
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・レムキー
(72)【発明者】
【氏名】スコット・サトレ
(72)【発明者】
【氏名】コリンナ・エックス・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ダブリュ・リード
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・イー・ドハティ
【審査官】
伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−025509(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0043244(US,A1)
【文献】
特表平11−511677(JP,A)
【文献】
特表平05−508558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/30
A61N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電流電源を有する電気輸送薬物配送システムであって、前記システムは、
電源と、
前記電源に接続された第1患者接点と、
電流制御トランジスタに接続された第2患者接点と、
前記電流制御トランジスタの電圧を計測するように構成された検知回路であって、前記検知回路は、前記第1患者接点における電力を制御するフィードバックを提供するように構成され、前記第2患者接点は、前記電流制御トランジスタのみを通じて前記検知回路に接続されるため、前記第2患者接点が前記検知回路から電気的に絶縁される、検知回路と、
を具備し、
第1患者接点は、スイッチを介して電源に接続され、前記スイッチは安全機能として作動する、システム。
【請求項2】
前記電流制御トランジスタは、マイクロコントローラからの入力を受信する増幅器によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検知回路は、前記電流制御トランジスタに印加される前記電圧と閾値電圧とを比較するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記検知回路は、フィードバック回路へ入力を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
消費電力を最小化する間、電流を一定に維持するために、前記フィードバック回路は、前記電流制御トランジスタにおける前記電圧と前記閾値電圧との間の前記比較に基づいて前記電源を自動的に制御する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
定電流電源を有する電気輸送薬物配送システムであって、前記システムは、
電源と、
前記電源に接続された第1患者接点と、
トランジスタに接続された第2患者接点と、
前記第1患者接点と前記第2患者接点との間の前記接続が閉じられたときに、前記トランジスタへ制御信号を提供するための電流制御フィードバック回路であって、前記トランジスタは、前記第2患者接点に接続される、電流制御フィードバック回路と、
前記接続が閉じられたときに、前記トランジスタに印加される電圧を計測するように構成される検知回路であって、前記検知回路は、前記第1患者接点における電力を制御するフィードバックを提供するように構成される、検知回路と、を具備し、
前記第2患者接点は、前記トランジスタのみを通じて前記電流制御フィードバック回路および検知回路に接続され、
第1患者接点は、スイッチを介して電源に接続され、前記スイッチは安全機能として作動する、システム。
【請求項7】
前記トランジスタは、FETを含み、さらに前記第2患者接点は、前記トランジスタのドレインに接続されるとともに、前記制御信号は、前記トランジスタのゲートに印加される電圧を具備する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記トランジスタに提供される前記制御信号は、マイクロコントローラからの入力を受信する増幅器によって制御される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記フィードバック回路は、前記電源に印加される電圧を制御する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記フィードバック回路は、前記トランジスタの電圧を基準電圧と比較する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記フィードバック回路は、前記トランジスタのゲート電圧と前記基準電圧との間の前記比較に基づいて前記電源を制御する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記検知回路は、前記トランジスタによって前記第1及び第2患者接点から絶縁される、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1患者接点は、アノードであるとともに、前記第2患者接点は、カソードである、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記フィードバック回路は、定量電流を配送するために十分な電源を提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記フィードバック回路は、170μAの定量電流を配送するのに十分な電源を提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1患者接点と前記第2患者接点との間の前記接続は、患者の皮膚によって閉じられるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項17】
前記トランジスタは、前記第2患者接点と検知レジスタとの間に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項18】
前記フィードバック回路は、定量電流を提供するためのデジタルーアナログ変換器を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項19】
定電流電源を含む電気輸送薬物配送システムを処理するための方法であって、前記方法は、
患者の皮膚を介してカソードへ接続されたアノードへアノード電圧を印加するステップと、
前記カソードに接続されたトランジスタへ制御信号を提供するステップと、
前記アノードの電力を制御するように構成された検知回路によって前記トランジスタの電圧を検出するステップであって、前記カソードは、前記トランジスタによって前記電圧の検出から絶縁される、ステップと、
前記トランジスタの電圧を閾値電圧と比較するステップと、
前記トランジスタの電圧と前記閾値電圧との間の前記比較に基づいて前記アノードに印加される前記アノード電圧を制御するステップと、
を具備する方法。
【請求項20】
前記トランジスタは、FETであるとともに、前記制御信号は、前記トランジスタのゲートに印加される電圧を具備する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アノード電圧は、前記検知回路からの入力に応答して前記アノードに印加される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記トランジスタに印加される前記制御信号は、増幅器によって前記トランジスタに提供され、前記増幅器は、前記トランジスタによって前記アノードおよび前記カソードから絶縁される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記トランジスタから提供される電流は、定量電流である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において言及されるすべての公報および特許出願は、個々の公報または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれるように示されたのと同じように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般には、電気輸送薬物配送デバイスに関する。特に、前記発明は、安全性の改善された定電流電源回路を開示する。
【背景技術】
【0003】
自動薬物配送システムを含む様々な薬物配送システムが、知られている。薬物の不適当な(例えば、多すぎるか少なすぎる)投薬量の配送の結果は、生命を脅かしうるため、薬物配送システムが非常に正確であることは、極めて重要である。薬品を患者達に配送するように構成された薬物配送システムは、可能性の低い偶然の配送事故でさえも防止するように構成されなければならない。特に、薬物を患者へ電気的に配送する、経皮または他の電気輸送薬物配送デバイスを含む薬物配送システムは、薬物を前記患者へ偶然提供することを防止する。
【0004】
本明細書において使用される「電気輸送」という用語は、一般に、皮膚、粘膜、または爪のような細胞膜を通じた作用薬(例えば、薬物)の配送に関する。前記配送は、電位の適用によって引き起こされるか促進される。例えば、有益な治療の作用薬は、前記皮膚を通じた電気輸送によって人間の身体の全身循環をもたらされうる。広く使用される電気輸送処理、電気移動(および、イオン導入と呼ばれるもの)は、電気によって引き起こされる荷電イオンの伝送に関する。別の種類の電気輸送、電気浸透は、液体の流動に関する。前記液体は、電界の影響下で配送されるべき前記作用薬を包含する。さらに別の種類の電気輸送処理、電気穿孔は、電場の適用による生物の細胞膜内に一時的に存在する孔の形成に関する。作用薬は、受動的(例えば、電気的な補助なしで)、または能動的(例えば、電位の影響の下で)のどちらでも、前記孔を通じて配送されることができる。しかしながら、任意の所定の電気輸送処理において、1つより多いこれらの処理は、ある程度同時に発生しうる。したがって、本明細書において使用される前記「電気輸送」という用語は、その最も幅広い可能な解釈がされるべきである。そのため、特定の機能または実際に輸送される作用薬の機能に関係なく、負荷されたものか、負荷されていないものか、あるいはそれらの混合物であってもよい少なくとも1つの作用薬の輸送が電気的に引き起こされるか改善されることを含む。
【0005】
一般に、電気輸送デバイスは、皮膚、爪、粘膜または、他の身体の表面の一部と電気的に接触している少なくとも2つの電極を使用する。一般に「ドナー」または「アクティブ」電極と呼ばれる、一方の電極は、そこから作用薬が身体に配送される電極である。典型的に「カウンター」または「リターン」電極と呼ばれる、もう一方の電極は、身体を通じて電気回路を閉じるために機能する。例えば、配送されるべき作用薬が正に荷電している、すなわちカチオンである場合、アノードがアクティブまたはドナー電極であり、カソードは、回路を完成させる役目を果たす。あるいは、作用薬が負に荷電している、すなわちアニオンである場合、カソードがドナー電極になる。さらに、アニオン性およびカチオン性の作用薬イオンの両方が、あるいは荷電されていない溶解された作用薬が配送される場合、アノードおよびカソードの両方がドナー電極とみなされてもよい。
【0006】
さらに、電気輸送配送システムは、身体に輸送されるべき作用薬の少なくとも1つの貯留手段または供給源を必要とする。このようなドナーの貯留手段の例は、ポウチ(pouch)もしくはキャビティ(cavity)、多孔質スポンジ(porous sponge)もしくはパッド(pad)、並びに親水性ポリマーもしくはゲルマトリックスを含む。このようなドナー溜めは、アノードもしくはカソードならびに身体の表面に電気的に接続されるとともにそれらの間に配置され、固定の、あるいは再生可能な1つ以上の作用薬または薬物の供給源を提供する。電気輸送デバイスは、1つ以上のバッテリーのような電気的な電源を有する。典型的に、前記電源の一方の極は、前記ドナー電極に電気的に接続され、一方で、反対の極は、前記カウンター電極に電気的に接続される。加えて、いくつかの電気輸送デバイスは、電極を通じて印加される電流を制御する電気式制御器を有し、それによって作用薬配送の割合を調整する。さらに、パッシブ・フラックス制御細胞膜(passive flux control membranes)、デバイスが身体の表面との接触することを維持するための接着剤、絶縁部材(insulating members)、および不浸透性の支援部材(impermeable backing members)は、電気輸送デバイスのいくつかの他の潜在的なコンポーネントである。
【0007】
小型の、長時間の間皮膚に着用されるように適用された自己内蔵型電気輸送薬物配送デバイスが提案されている。例えば、米国特許第6171294号、米国特許第6881208号、米国特許第5843014号、米国特許第6181963号、米国特許第7027859号、米国特許第6975902号、および米国特許第6,216,033号を参照。これらの電気輸送作用薬配送デバイスは、電源(例えば、バッテリー)および前記電極と電気的に接続された電気回路を典型的に使用する。小型イオンフォレーシス(iontophoretic)薬物配送デバイスのような電気的コンポーネントは、好ましくは小型化されるとともに、集積回路(すなわちマイクロチップ)またはプリント回路のどちらかの形態であってもよい。例えば、バッテリー、レジスタ、パルス発生器、キャパシタ等のような電子コンポーネントは、前記電源によって供給される電流の振幅、極性、波形のタイミング等を制御する電気回路を形成するために電気的に接続される。小型の、自己内蔵型電気輸送配送デバイスの他の例は、米国特許第5,224,927号、米国特許第5,203,768号、米国特許第5,224,928号、および米国特許第5,246,418号に開示されている。
【0008】
電気輸送薬物配送デバイスと共に使用されるために適切であるような可変抵抗負荷に供給する定電流源が、既に説明されたが、そのようなシステムは、カソードの電圧および/または電流を測定するために前記カソードの使用を必要とする。例えば、Colnの米国特許5,804,957号は、可変抵抗負荷のための定電流電源システムを説明している。このシステムは、前記負荷(患者)へ既定の電流を提供するための第2の出力端末(例えば、アノード)に接続された定電流回路と定電流制御回路とを含む。電圧供給制御回路は、前記定電流回路に渡って前記第2の端末の電圧を監視するとともに、前記可変抵抗負荷への既定の電流を維持するために前記第2の端末を予め選択された電圧を維持するために前記電圧の供給を調節する。例えば
図1を参照すると、前記カソード(コンパレータ「スロットル」要素140を介して)を直接監視する電圧制御回路を含む先行技術のシステムが図示されている。
【0009】
しかしながらいくつかの形態において、前記第2の患者端末(例えば、カソード)を直接監視することなく前記印加される電流を制御するとともに監視することが有益である。この構成は、回路のリスク管理の側面から回路の制御の側面を分離することができる。
【0010】
例えば、前記患者端末(例えば、カソード)に直接接続されていない前記回路を、切り替え要素を使用して間接的に監視および制御することを含む、電気輸送薬物配送デバイスを監視するとともに制御するための方法、デバイス、システムが本明細書において説明される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般に、患者端末のカソードから直接計測することなく印加される電流を間接的に制御および/または監視することによって、電気輸送薬物配送デバイスの患者接点から薬物を配送するための電流および/または電圧の適用を制御するためのデバイスおよび方法が、本明細書において説明される。具体的には、前記患者接点(例えば、アノードおよびカソード)から絶縁されたフィードバック電流および/または電圧制御モジュールを有する定電流配送システムを含む電気輸送薬物配送システムが、本明細書において説明される。いくつかの形態において、前記フィードバックモジュールは、トランジスタによって前記患者接点から絶縁され、フィードバック電流および/または電圧制御の測定は、前記トランジスタではなく前記患者接点(例えば、カソード)において実施される。
【0012】
例えば、定電流電源を有する電気輸送薬物配送システムが、本明細書において説明される。いくつかの形態において、前記システムは、電源と、電源に接続された第1患者接点と、電流制御トランジスタに接続された第2患者接点と、前記トランジスタの電圧を測定するための検知回路とを含み、前記第2患者接点は、前記電流制御トランジスタのみを通じて前記検知回路に接続されるため、前記第2患者接点は、前記検知回路から電気的に絶縁される。いくつかの形態において、前記第1患者接点は、前記電源と間接的に接続されてもよい。
【0013】
前記電流制御トランジスタは、マイクロコントローラからの入力を受信する増幅器によって制御されてもよい。任意の適切なトランジスタが使用されてもよい。例えば、前記トランジスタは、FETまたは二極式トランジスタであってもよい。前記電流制御トランジスタがFETである形態において、前記第2患者接点は、前記トランジスタのドレインに接続されてもよい。
【0014】
いくつかの形態において、前記検知回路は、前記トランジスタにおける電圧と閾値電圧とを比較するように構成される。前記検知回路は、フィードバック回路に入力を提供してもよい。いくつかの形態において、このフィードバック回路は、定電流が維持することができないことを示すために前記トランジスタ(例えば、ドレインが患者と接触しているときの前記トランジスタのゲート)における電圧と前記閾値電圧との間の前記比較に基づいて、アラームを提供してもよい。前記フィードバック回路は、消費電力を最小化する間、定電流を一定に維持するために、前記トランジスタにおける電圧と前記閾値電圧との間の前記比較に基づいて前記電源を自動的に制御してもよい。例えば、いくつかの形態において、前記電流は、約170μAに維持されてもよい。
【0015】
定電流電源を有する電気輸送薬物配送システムも本明細書において説明され、前記システムは、電源と、前記電源に接続された第1患者接点と、トランジスタ(例えば、トランジスタのドレイン)に接続された第2患者接点と、前記第1患者接点と前記第2患者接点との間の接続が閉じられたときに前記トランジスタへ制御信号を提供するための電流制御フィードバック回路であって、前記トランジスタは、前記第2患者接点に接続される、電流制御フィードバック回路と、前記接続が閉じられたたときに、前記トランジスタにおける電圧を測定するための検知回路であって、前記第2患者接点は、前記トランジスタのみを通じて前記電流制御フィードバック回路と検知回路とに接続される。例えば、前記トランジスタのゲートに接続されてもよい前記フィードバック/検知回路から独立した前記第2患者接点は、前記トランジスタのドレインに接続されてもよい。
【0016】
上述したように、前記トランジスタは、二極トランジスタおよび/または電界効果トランジスタ(FET)を含む任意の適切なトランジスタであってもよい。例えば、前記トランジスタがFETである場合、前記第2患者接点は、前記トランジスタのドレインに接続されてもよく、前記制御信号は、前記トランジスタのゲートに印加される電圧を具備してもよい。いくつかの形態において、前記制御信号が前記二極トランジスタのベースに印加される電流を具備する間、前記トランジスタは、二極トランジスタであるとともに、前記第2患者接点は、コレクタに接続される。一般に、前記制御信号は、前記トランジスタに印加される電圧および/または電流であってもよい。
【0017】
いくつかの形態において、前記トランジスタに供給される前記制御信号は、マイクロコントローラからの入力を受信する増幅器によって制御されてもよい。
【0018】
前記フィードバック回路は、前記電源に印加される前記電圧を制御してもよい。例えば、いくつかの形態において、前記フィードバック回路は、前記トランジスタ(例えば、ゲート)の電圧と基準電圧とを比較する。前記フィードバック回路は、前記トランジスタのゲート電圧と前記基準電圧との間の前記比較に基づいて前記電源を制御する。前記フィードバック回路は、定電流を配送するために十分な電源を提供してもよい。例えば、前記フィードバック回路は、約170μAの定電流を配送するために十分な電源を提供してもよい。前記フィードバック回路は、定電流を提供するためのデジタル―アナログ変換器を含んでもよい。
【0019】
一般に、前記検知回路は、前記トランジスタによって前記第1および第2患者接点から絶縁(例えば、電気的な絶縁)されてもよい。前記トランジスタは、前記第2患者接点と検知レジスタとの間に配置されてもよい。
【0020】
前記第1患者接点は、アノードであってもよく、かつ前記第2患者接点は、カソードであってもよい。前記第1患者接点と前記第2患者接点との間の前記接続は、典型的に、患者の皮膚によって閉じられるように(例えば、接続されるように)構成される。
【0021】
定電流電源を含む電気輸送薬物配送システムを処理するための方法が、本明細書において説明され、前記方法は、前記アノードとカソードとの間の接続を形成するためにアノードおよびカソードで患者の皮膚に接するステップと、アノード電圧を前記アノードへ印加するステップと、前記カソード(例えば、前記ドレインにおいて)に接続されたトランジスタ(例えば、ゲート)へ制御信号を提供するステップと、前記トランジスタにおける電圧を検出するステップであって、前記カソードは、前記トランジスタによって前記電圧の検出から絶縁される、ステップと、前記トランジスタの電圧と閾値電圧と比較するステップと、前記トランジスタの電圧と前記閾値電圧との間の前記比較に基づいて前記アノードに印加される前記アノード電圧を制御するステップと、を具備する。
【0022】
前記方法は、任意の適切なトランジスタの使用を含んでもよい。例えば、前記トランジスタは、FETであってもよく、かつ前記制御信号は、前記トランジスタのゲートに印加される電圧を具備する。前記アノード電圧は、入力に応答して前記アノードに印加されてもよい。前記トランジスタに印加される前記制御信号は、増幅器によって前記トランジスタへ提供されてもよく、前記増幅器は、前記トランジスタによって前記アノードと前記カソードから絶縁される。上述したように、任意の適切な制御信号が使用されてもよく、具体的には電気の電圧および/または電流であってもよい。
【0023】
これらの形態において、前記トランジスタに提供される前記電流は、定電流である。例えば、前記提供される電流は、約170μAに制御されてもよい。
【0024】
いくつかの形態において、前記方法は、前記トランジスタの電圧と前記閾値電圧との比較に基づいて前記アノードに印加される前記電圧を調節するステップを含む。
【0025】
本発明の新規な特徴について、添付の特許請求の範囲に特に記載する。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例示的実施形態を記載する以下の詳細な説明および添付の図面を参照して得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、従来技術のイオントフォレーシス経皮薬物配送システムの概略図である。
【
図2】
図2は、コントローラ、薬物配送回路、フィードバック回路、アノード、カソードを含む電気輸送薬物配送システムとともに使用するための例示の電気輸送薬物配送回路のブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2の前記フィードバック回路の概略図である。
【
図4】
図4は、
図2の前記電気輸送薬物配送回路の概略図である。
【
図5】
図5は、例示の電気輸送薬物配送回路の処理の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の例示の実施形態が詳細に参照され、その例示の実施形態が添付の図面において図示される。本発明は、前記例示の実施形態と合わせて説明されるが、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解されよう。反対に、本発明は、添付の請求項によって定義される本発明の精神および範囲内の代替、修正、および等価物を含むことが意図される。
【0028】
有効な作用薬の経皮配送のための1つの方法は、電気輸送によって無傷の皮膚を通じて身体へ前記有効な作用薬を能動的に輸送するための電流の使用を含む。電気輸送技術は、イオン導入、電気浸透、および電気穿孔を含んでもよい。イオン導入デバイスのような電気輸送デバイスは、当技術分野において既知である。アクティブまたはドナー電極と呼ばれる1つの電極は、そこから前記有効な作用薬が身体に配送される電極である。カウンターまたはリターン電極と呼ばれる別の電極は、身体を通じて電気回路を閉じるために機能する。前記患者の身体組織、例えば皮膚に併せて、前記回路は、前記電極の電気エネルギー源と、通常、前記デバイスが電流を配送することが「オン」である時に前記デバイスを通過する前記電流を制御することのできる回路と、への接続によって完成される。前記身体へ配送された物質が、イオン性であるとともに、正に荷電している場合、正電極(前記アノード)は、前記アクティブ電極となるとともに、負電極(前記カソード)は、前記カウンター電極として機能する。前記配送されたイオン性の物質が、負に荷電している場合、カソードの電極は、前記アクティブ電極となるとともに、アノードの電極は、前記カウンター電極となる。
【0029】
スイッチによって操作される治療薬配送デバイスは、スイッチを起動することによって1または複数回の投与量の治療薬を患者に供給することができる。起動と同時に、そのようなデバイスは、治療薬を患者に配送する。患者によって制御されるデバイスは、前記患者に必要に応じて自分で治療薬を投与する能力を提供する。例えば、前記治療薬は、十分な痛みを感じたときに患者が投与する鎮痛剤であることができる。
【0030】
以降において詳細に説明されるように、任意の適切な薬物(あるいは複数の薬物)が、本明細書において説明される前記デバイスによって配送されてもよい。例えば、前記薬物は、フェンタニル(例えば、フェンタニルHCL)またはスフェンタニルのような鎮痛剤であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記電気輸送システムの異なる部分は、別々に保存されるとともに、使用するために互いに接続される。例えば、使用する前に互いに接続される部分を有する電気輸送デバイスの例は、米国特許第5,320,597号(Sage, Jr.ら)、米国特許第4,731,926号(Sibalis)、米国特許5,358,483(Sibalis)号、米国特許第5,135,479号(Sibalisら)、英国特許公報GB2239803(Devaneら)、米国特許第5,919,155号(Lattinら)、米国特許第5,445,609号(Lattinら)、米国特許第5,603,693号(Frenkelら)、国際特許公開WO1996036394(Lattinら)、米国特許2008/0234628A1(Dentら)において開示されたものを含む。
【0032】
一般に、本明細書において説明される前記システムおよびデバイスは、1つの薬物または複数の薬物を患者(例えば、皮膚または細胞膜を通じて)電気輸送するためのアノードおよびカソードと、前記配送を制御する(例えば、前記配送をオンまたはオフにする)ためのコントローラとを含む。本明細書において説明されるすべての実施形態は、前記患者に薬物が配送されてはならないように、前記アノードとカソードとの間の(閾値を超える)電位および/または電流が存在するかどうかを判定するために、前記デバイスがオフである(しかし、それにも拘らず電力が供給されている)時に、そうでなければ、デバイスのためのコントローラが前記デバイスを「オフ」にした時に、前記アノードおよびカソードを監視するためのオフ電流モジュールを含んでもよい。前記コントローラは、前記デバイスがオンの時に前記電圧を調整し、前記アノードとカソードとの間に電流/電圧が印加し、かつそれによって薬物を配送するためのアクティベーションコントローラ(例えば、アクティベーションモジュールまたはアクティベーション回路)を含んでもよい。
【0033】
本明細書を通して、特に明記しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形を含むことを意図する。したがって、例えば、「a polymer(ポリマー)」への言及は、単一のポリマーならびに2つ以上の異なるポリマーの混合物を含み、「a contact(接点)」は複数の接点を参照してもよく、「a post(柱)」は複数の柱を示してもよい、等である。
【0034】
本明細書で用いる場合、「使用者」という用語は、医療従事者であれ、患者であれ、または他の人間であれ、治療薬を患者に送達することを目的としてデバイスを使用する者を示す。
【0035】
一般に、本明細書において説明される前記デバイスは、前記デバイスによって電流の印加を調整するための制御論理および/または回路を含んでもよい。例えば、
図2は、薬物を配送するために電流の印加を制御するための概略図を図示する。フィードバック回路は、コントローラによって制御または調整されてもよく、かつ前記薬物配送回路の一部となってもよい(あるいは独立してもよい)。前記コントローラおよび回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または(制御論理を含む)それらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。例えば、
図2において図示されるように、システムは、アノード、カソード、およびフィードバック回路を含んでもよい。前記フィードバック回路は、前記アノードとカソードとの間に電流を提供するとともに薬物を配送するために前記薬物配送モジュールの一部をなしてもよい(または前記薬物配送モジュールによって使用されてもよい)。前記デバイスは、さらに前記デバイスの処理を制御するコントローラを含んでもよい。前記コントローラは、プロセッサまたはASICを含んでもよい。
【0036】
一般に、前記フィードバック回路は、前記デバイスによって実施される一種の自己診断と呼ばれる。
図3は、前記患者電極(アノードおよびカソード)に渡って印加される前記電流および/または電圧を制御するためのフィードバック回路の1つの形態を図示するとともに、前記フィードバック回路は、
図4の構成に含まれるとともにより詳細に説明される。
【0037】
図4は、患者に薬物を配送するために電流の印加を制御する前記回路を示す1つの形態図示す。この例において、前記薬物の投与は、前記電極(アノードからカソード)を通じて前記電流の制御によって調整される。この例における前記電流は、(例えば、10ビットDACを使用して)プログラム可能であるが、あらかじめ設定されてもよい。例えば、図示されるように、前記ターゲット電流は、170μAの電流を使用して投与する薬を配送するようにあらかじめ設定されてもよい。
【0038】
図4において、点線は、図式的にASICコンポーネントを示し、この集積回路は、前記RSENSEレジスタから独立されてもよい。前記患者組織(以下「組織」)は、前記アノードとカソード要素との間の前記回路を完成させる。いくつかの形態においてRsenseは、前記プリント基板上にある。前記Rsenseは、(例えば、前記ASIC内ではなく)前記基板上にあってもよい。例えば、前記Rsenseおよび点線で囲まれたすべてのものが、前記プリント基板上にあってもよい。前記アノードおよび前記カソードが、前記患者に接続されてもよい。
【0039】
図4において、上記アノードは、電流を配送するとともに、それによって薬物の配送を駆動するための電圧を印加する電圧源であるVHVである。いくつかの形態において、Vboostも、前記VHVの一部として含まれても(または前記VHVに接続されても)よい。加えて、スイッチS1は、前記アノードへの電圧の印加を制御するためのソフトウェアを利用したスイッチを含んでもよい。前記S1スイッチは、電流が配送されないときに、(ソフトウェアを介して)制御するための安全機能として作動してもよい。たとえ他の電圧が存在していても、前記電圧は、完全にオフにされるとともに、前記スイッチは、開放される、前記アノードは、浮動(floating)する。したがって、前記アノードが浮動しているため(および回路を完全に開放するため、電流を流すための電子源が存在しないため)電流は、前記アノードを通じてカソードへ流れることができない。
【0040】
この例において、前記S1スイッチが閉じているとき、電流は、前記組織を通して前記アノードから流れてもよく、前記カソードを通して前記M2スイッチ(トランジスタ)へ戻ってもよい。この例において、前記M2スイッチは、電流の流れを制御するための弁として作動するトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ)である。前記M2スイッチは、Rsenseレジスタへ流下し、接地へ向かう前記電流を調整する電流制御弁またはスロットルと呼ばれる。図式的に、前記電流は、様々なレベルで前記電流を制御することを可能にする前記M2スイッチによって抑えられる。例えば、
図4において、前記電流レベルは、およそ170uAであるように設定される。この例において、Rsenseは、前記電流の範囲および/または最大値を設定するために使用される。電流の矩形波が配送されてもよい。
【0041】
さらに、M2は、増幅器(例えば、Amp1)によって調整されてもよい。この例において、Amp1は、アナログ増幅器であって、前記Amp1への入力は、170μAレベルを目標に設定されたデジタル−アナログ変換器(DAC)である。したがって、マイクロコントローラは、目標の配送電流(例えば、170μA)に対応するアナログーデジタル変換器を使用してデジタル信号を設定するために使用されてもよい。
【0042】
したがって、処理において、前記コントローラ(例えば、マイクロコントローラ)は、電流が配送されない時、前記DACは、0に設定され、電流が配送される時、170uAに設定されるように、Rsenseへ流れるための電流を許可するAMP1へのアナログ出力を提供するように構成されてもよい。したがって、M2(ゲート)への前記入力は、コンパレータ(例えば、CMP1)を使用して前記トランジスタのゲートにおける前記電圧を監視するために使用されてもよい。いくつかの形態において、前記ゲートにおける前記電圧は、閾値(Vthreshold)と比較される。前記M2のゲートにおける前記電圧が、ローである場合、前記電圧は増加されてもよく、ハイである場合、前記電圧は低下されてもよい。このフィードバックは、
図4において図示されるようにVHVを調節するために用いられてもよい。
【0043】
前記カソードが、前記電流制御トランジスタのみに接続されるとともに、前記検知回路に直接接続されないため、前記検知回路における電圧障害は、前記第2患者接点から絶縁されるとともに、アノードからカソードへの追加の電流の流れをもたらさず、したがって前記患者への追加の薬物の配送をもたらさない。
【0044】
前記電圧は、そのDACおよびAMP1の前記電流を設定するために変更されてもよい。例えば、前記電流は、170uAに設定されてもよく、本明細書において説明される前記制御システムは、定電流源を提供するために、それが170uAを超えることを防ぐ。そのDAC、AMP1、およびM2は、M2を通して流れることのできる電流の最大量を制限する。前記DACを170uAに設定することは、前記電圧に関わらず前記電流を170uAを超えることから防ぐ。この構成において、前記電圧が、持つべき値よりも高い場合、オームの法則によって、V=IRであり、ここでRは、前記皮膚の抵抗であり、かつIは、前記目標の170uAであり、前記電圧は、制限されることができる。前記M2は、170uAに制限するために前記電流の最大量を抑圧し、前記電圧が調節されることを可能にする。電力が現在の電圧と等しい間、前記電流が(例えば、170μAに)固定される時、電圧の最低量のみを提供することによって電力の量を最小化することができる。これは、必要とされる最低量の電圧のみを使用することによって、前記バッテリーの電力を温存するのに役立ってもよい。実際に、前記制御及び監視回路は、必要に応じて自動的に前記電圧を落とすように前記電圧を調節してもよい。浸透(saturation)を維持するために前記M2におけるゲートを監視するため、前記電源電圧VHVの値は、前記設定された値(例えば、170μA)の電流を配送するのに十分な上記レベルに維持される。前記浸透レベル以下で、前記ゲートは、170uAより少ない電流を配送してもよい。これを防止するために、前記電圧は、浸透される限界に達するまで低下されることができるとともに、この閾値に達するとすぐに、前記コンパレータは、その浸透と検知するとともに前記電圧のバックアップを調節してもよい。このフィードバック(電圧フィードバック)は、前記M2ゲート(スロットル)の前記レベルで行われるとともに、前記M2の前記ゲートを閾値と絶えず比較する恒常的なフィードバックループを提供する。
【0045】
このフィードバックループは、例えば、前記カソードではなく(例えば、前記カソードにおける前記電圧を監視することによって)前記スロットルにおいて発生するため、追加の利益が実現される。前記VHVを制御するためにそのゲート(M2)における前記電圧を監視することは前記カソードを少しも変更することなく(例えば、接触することなく)、例えば、前記システムの監視と制御の側面の電気的な絶縁を維持して、前記ブースト電圧の制御を可能にする。これは、前記デバイスを適切な電流を印加することおよびそれによって薬物を配送することから阻害する前記デバイスのリスク管理の側面から、管理の側面の分離を可能にする。前記カソード(および/またはアノード)が監視のために使用されないため、この処理において、前記アノード−カソード電圧の自己検査計測は、前記アノードおよびカソードに渡る前記電圧および/または電流の制御を独立して実施されてもよい。その代わりに、前記カソードは、前記薬物を配送するために使用されてもよい。
【0046】
この構成は、消費電力を減らすための前記電圧の制御を可能にし、および/または、前記カソードにおいて監視をする必要なしに前記電圧の監視および制御するため、前記スロットルの地点におけるモニタリングによって、前記システムの効率化を図ることができ、前記アノードおよびカソードを通る電流の流れに関する前記アノードおよびカソードで計測を行うことのみで、前記システムが安全目的に対処することができる。したがって、前記カソードは、前記電極(例えば、カソード)への計測ラインの接続を必要としない。したがって、前記電圧の制御は、エラー検出(例えば、リーク電流検出)のような安全機能から独立している。さらに、この構成は、そのようなエラー検出メカニズムから前記電圧制御メカニズムを分離する。エラー検出メカニズムは、(例えば、前記ASICS内の)アナログ―デジタル変換器を含んでもよく、かつ前記アナログ―デジタル変換器は、前記カソード、前記VHV電圧、またはその他における前記電圧を計測するために多重化される。しかしながら、前記フィードバック検出および前記電圧および電流の制御は、前記カソードの前記レベルではなく前記カソード(例えば、ゲートM2)から調整されてもよい。
【0047】
この論理的な分離の利点は、リーク電流が存在するか否か(安全性の問題があるか否か)に関連したアノードおよびカソード上の計測のみを行うことを含んでもよい。前記ゲートM2における計測は、(例えば、2クロックチック数毎に)絶えず進行していてもよい。これは、この構成において前記カソードにおける計測が必要ないため、前記カソードは、前記ゲートM2を通じて前記フィードバック回路から絶縁されたままである。前記アノード・カソードの計測は、そこに電流が流れていないことの独立した確認である。この問題において前記システムを構成することによって、前記カソードは、前記電圧を制御する前記フィードバックから独立される。分離は、前記電流を配送する事実上の患者との接続から前記フィードバックメカニズムを分離することを可能にする。したがって、前記電圧は、患者の安全のためにより重要ではないとともに、前記電圧の前記監視および制御は、前記システムおよび前記バッテリー電力の効率化を提供するように構成される。電流は、前記カソードと接地との間の追加の回路を必要とすることなく前記トランジスタの前記ドレインから前記ソースを通じて流れてもよく、この追加の電流経路を通じて機能不全の機会(例えば、追加の電流の流れ)を減らす。患者の安全は、前記回路における小さなエラーによってさえ、劇的に影響されることができる。したがって、いくつかの形態において、本願明細書において開示及び説明されたように、前記アノード/カソードのみへの前記接続が、必ず存在するように前記システムは、限定される。
【0048】
いくつかの形態において、本願明細書において説明される前記システムおよび方法は、前記印加された電圧を制御するために使用された前記フィードバックモジュールから、前記患者との接続(例えば、アノードおよびカソード)を絶縁するとともに、前記患者との接続の間の前記電流を調整するためにゲート(例えば、トランジスタM2)を使用する。この例において、前記フィードバックモジュールは、前記トランジスタの前記電圧と閾値電圧とを比較するコンパレータを含む回路として構成される。
【0049】
いくつかの形態において、この回路は、前記電流が前記目標の電流レベル(例えば、170μA)以下となるように、前記患者との接続の間の前記電流を調整する。前記回路は、前記電流が170uAを超えたときに感知してもよい。
【0050】
図5は、電気輸送薬物配送システムの前記患者との接続(例えば、アノードおよびカソード)を渡る前記電圧および/または電流を調整するための方法のある実施形態を模式的に図示する。この例において、患者との接続の組は、前記患者回路を完成させるための患者組織(例えば、皮膚)と接触するように構成される。前記第1の患者との接続(いくつかの構成における前記アノード、他の構成における前記カソード)は、電圧源を駆動するために接続される。前記駆動する電圧源と前記第1の患者との接続との間の前記接続は、スイッチまたはゲートによって調整されてもよく、前記スイッチまたはゲートは、(例えば、マイクロコントローラによって)調整されるか、制御されてもよい。前記第2の患者との接続(例えば、いくつかの形態においけるカソード、他の形態におけるアノード)は、トランジスタのドレイン(あるいは他のスロットル要素)へ直列で接続されるとともに、前記第1及び第2の患者との接続の間に印加される前記電流および電圧を監視および制御するためのフィードバックモジュールは、このトランジスタゲートによって前記第2の患者との接続から絶縁される。
【0051】
この処理において、電圧は、まず前記第1の患者との接続(例えば、アノード)に印加され、その後または前に、前記第1および第2の患者との接続との間で皮膚との接触によって接続が、形成される。電流は、前記第2患者接点の下流の前記トランジスタのドレインへ提供されるとともに、フィードバックモジュールは、前記第1および第2患者接点の絶縁中の前記トランジスタのゲートにおける前記電圧を検出する。前記トランジスタのゲートにおける前記電圧は、閾値電圧と比較されるとともに、この比較は、前記第1の患者との接続における前記印加された電圧を調節するために使用される。同様の例において、目標の電流は、前記第1および第2の患者との接続の間の前記電流を調整するために、(例えば、マイクロコントローラから)前記トランジスタへ提供されてもよい。
【0052】
上述の前記定電流電源は、様々な患者の抵抗に対して一様に目標の電流(例えば、薬物配送電流)を低い電圧で配送するための前記システムの投与を調整するために使用されてもよい。例えば、
図3および4において図示された前記回路は、投与期間(例えば、10分の投与)の間、既定の170μAの薬物配送電流を配送することによって薬物の投与を提供するために使用されてもよい。
図3及び4において図示された前記アノードおよびカソードを制御する前記回路は、前記電圧ブースト変換器(VHV)の前記出力を前記スイッチS1を通じて前記アノード電極(EL_A)へ接続するための回路を含む制御ブロックを包含する。10ビットDACは、前記電流出力を前記所望の投与する電流に比例した値に設定するように構成するために使用される。前記DACは、前記M2のゲートの駆動によってEL_AおよびEL_Cを通じて流れる前記電流を制御するAMP1を駆動する。前記M2のソースは、AMP1へフィードバックされ前記電圧低下を引き起こすRsenseを通る前記電流の流れを検出する。EL_AとEL_Cとの間の前記皮膚の抵抗を変更するため、Rsenseを通る前記電流を投与し、前記電流は、AMP1の前記出力において変化をトリガする。EL_AとEL_Cとの間の前記抵抗へ前記プログラムされた電流を配送するための十分な電圧が存在しない場合、AMP1は、浸透される。配送機能は、この回路の様々な地点の制御および監視のために利用することができる。
【0053】
上記の本発明の具体的な実施形態の説明は、説明と解説を目的として提示されている。それらは、網羅的であったり、開示された形態そのものに本発明を限定することを意図していない。明らかに上記の開示を考慮して多数の変形および変更が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際的な応用を最適に説明するために選択されるとともに説明され、それにより当業者は、考えられる特定の使用に適した様々な変更を行い、本発明および様々な実施形態を最良に利用することが可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらと等価物によって定義されることが意図される。