特許第6363189号(P6363189)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363189
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】DC電力分配システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20180712BHJP
   H04B 3/54 20060101ALI20180712BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   H02J1/00 304C
   H04B3/54
   H02J1/00 309G
   G06F1/26 334B
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-526509(P2016-526509)
(86)(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公表番号】特表2016-525863(P2016-525863A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2014064007
(87)【国際公開番号】WO2015007523
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2017年6月30日
(31)【優先権主張番号】13176982.0
(32)【優先日】2013年7月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェント マティアス
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−199943(JP,A)
【文献】 特開平11−146559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−1/16
F21V 21/00−37/00
G06F 1/26
H04B 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC電力を電気デバイスに供給するための電源を備えるDC電力分配システムであって、前記電気デバイスを前記電源に電気的に接続するための単極接続デバイスを含み、前記単極接続デバイスは、
− 前記電気デバイスの電気デバイス接点が接続される接続デバイス接点と、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニットと、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点の極性を決定するための極性決定ユニットと、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されていることを前記負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、前記DC電力分配システムの前記DC電力を前記接続デバイス接点に提供するため、及び前記決定された極性を有する前記DC電力を提供するための電力提供制御ユニットと
を備える、DC電力分配システム。
【請求項2】
前記負荷存在検出ユニットが、前記接続デバイス接点に検出試験電圧を印加し、生じた検出試験電流を測定し、前記測定された検出試験電流に基づいて前記電気デバイスが前記接続デバイス接点に接続されているかどうか検出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記極性決定ユニットが、極性試験電流を測定し、前記測定された極性試験電流に応じて、前記電気デバイスの前記電気デバイス接点の前記極性を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記極性決定ユニットが、前記接続デバイス接点に極性試験電圧を印加し、前記極性試験電圧が印加されるときに前記極性試験電流を測定する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電気デバイスが、電気デバイスの複数のクラスのうちのクラスに割り当てられ、前記単極接続デバイスが、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されている場合に、前記電気デバイスの前記クラスを決定するためのクラス決定ユニットと、
− 前記電気デバイスの前記決定されたクラスに応じて、前記DC電力分配システムの前記DC電力を変換するための電力変換ユニットと
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記クラス決定ユニットが、分類試験電圧を前記接続デバイス接点に印加し、生じた分類試験電流を測定し、前記測定された分類試験電流に応じて前記電気デバイスを分類する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
− 前記負荷存在検出ユニットが、前記接続デバイス接点に検出試験電圧を印加し、生じた検出試験電流を測定し、前記測定された検出試験電流に基づいて前記電気デバイスが前記接続デバイス接点に接続されているかどうか検出し、
− 前記電気デバイスが、電気デバイスの複数のクラスのうちのクラスに割り当てられ、前記単極接続デバイスが、前記電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されている場合に前記電気デバイスの前記クラスを決定するためのクラス決定ユニットを備え、前記クラス決定ユニットが、分類試験電圧を前記接続デバイス接点に印加し、生じた分類試験電流を測定し、前記測定された分類試験電流に応じて前記電気デバイスを分類し、
− 前記システムが、更に、前記接続デバイス接点に接続される前記電気デバイス接点を有する前記電気デバイスを備え、前記電気デバイスが、前記検出試験電圧が前記接続デバイス接点に印加される場合に前記検出試験電流を発生するための検出抵抗と、前記分類試験電圧が前記接続デバイス接点に印加される場合に前記分類試験電流を発生するための分類抵抗とを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電気デバイスが、前記電気デバイスを制御するための電気デバイス制御ユニットを更に備え、前記電気デバイス制御ユニットが、前記接続デバイス接点に印加された電圧を測定し、前記測定された電圧が前記検出試験電圧であるか又は前記分類試験電圧であるかを判断し、前記測定された電圧が前記検出試験電圧である場合には前記検出抵抗を前記電気デバイス接点に接続し、前記測定された電圧が前記分類試験電圧である場合には前記分類抵抗を前記電気デバイス接点に接続する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電気デバイスが、
− 前記電気デバイスの電気負荷をドライブするためのドライバと、
− 前記ドライバによってドライブされる前記電気負荷と、
− 前記検出試験電圧又は前記分類試験電圧が測定されている場合に、前記ドライバ及び前記電気負荷を前記電気デバイス接点から絶縁するための絶縁スイッチと
を更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記単極接続デバイス、前記単極接続デバイスが電力線通信信号を送信及び/又は受信できるようにするための電力線通信ユニットを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気デバイスが、天井から吊るされる懸架型の天井構成要素を備え、電気負荷が、前記懸架型の天井構成要素に取り付けられ、前記システムが、前記天井から吊るされるときに前記懸架型の天井構成要素を担持するための担持要素を更に備え、前記担持要素が、前記電源によって供給されるDC電力も伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のDC電力分配システムで使用され、及び電気デバイスを前記DC電力分配システムに接続して、DC電力を前記電気デバイスに提供するための接続デバイスであって、前記接続デバイスは、単極であって、
− 前記電気デバイスの電気デバイス接点が接続される接続デバイス接点と、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニットと、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点の極性を決定するための極性決定ユニットと、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されていることを前記負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、前記DC電力分配システムの前記DC電力を前記接続デバイス接点に提供するため、及び前記決定された極性を有する前記DC電力を提供するための電力提供制御ユニットと
を備える、接続デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のDC電力分配システムのDC電力を提供するためのDC電力提供方法であって、
− 前記負荷存在検出ユニットによって、電気デバイスの電気デバイス接点が単極接続デバイスの接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するステップと、
− 極性決定ユニットによって、前記電気デバイスの前記電気デバイス接点の極性を決定するステップと、
− 前記電気デバイスの前記電気デバイス接点が前記接続デバイス接点に接続されていることを前記負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、前記電力提供制御ユニットによって、前記DC電力分配システムの前記DC電力を前記接続デバイス接点に提供するステップであって、前記DC電力が前記決定された極性を備える、ステップと
を含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載のDC電力分配システムのDC電力を提供するためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが前記システムを制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項1に記載のシステムに、請求項13に記載の方法のステップを実施させるためのプログラムコード手段を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配すべきDC電力を供給するための電源と、電気デバイスを電源に電気的に接続するための接続デバイスとを備えるDC電力分配システムに関する。更に、本発明は、接続デバイス、電気デバイス、並びにDC電力分配システムのDC電力を電気デバイスに提供するためのDC電力提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2009/237011 A1号は、照明モジュール及び識別回路を備える照明デバイスを備える照明システムを開示する。この照明システムは、更に、ドライバモジュール及び制御装置モジュールを備える固定デバイスを備え、照明デバイスは、固定デバイスに着脱可能に接続され、ドライバモジュールは、照明モジュールに電力を供給するように構成され、制御モジュールは、照明デバイスの識別回路と通信するように構成されて、データを検索し、そのデータに従ってドライバモジュールを制御する。
【0003】
部屋の天井に設置される既知のDC電力分配システムは、電気接点を備え、そこに、照明装置等の電気デバイスが、DC電力を受信するように電気的に接続され得る。時間と共に、電気接点は腐食し、これは、DC電力分配システムの性能の低下をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、DC電力を電気デバイスに供給するための電源を備えるDC電力分配システムを提供することであり、DC電力分配システムの性能が向上され得る。本発明の更なる目的は、DC電力分配システムの性能の向上を可能にする、DC電力分配システムのDC電力を提供するためのDC電力提供方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様では、DC電力を電気デバイスに供給するための電源を備えるDC電力分配システムであって、電気デバイスを電源に電気的に接続するための単極接続デバイスを含み、単極接続デバイスは、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続される接続デバイス接点と、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニットと、
− 電気デバイスの電気デバイス接点の極性を決定するための極性決定ユニットと、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するため、及び決定された極性を有するDC電力を提供するための電力提供制御ユニットと
を備える、DC電力分配システムが提供される。
【0006】
負荷存在検出ユニットが、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうか検出し、接続されている場合にのみ、電力提供制御ユニットが、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するため、接続デバイス接点が電気デバイスの電気デバイス接点に接続されていない状況では、電圧は接続デバイス接点に印加されず、それにより、時間にわたって一般的に生じ得る接続デバイス接点の腐食の可能性を低減する。時間にわたる接続デバイス接点の腐食が減少され得るため、DC電力分配システムの性能が向上され得る。更に、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点と接続されていないときには電圧が接続デバイス接点に印加されないため、設置者が感電する危険が減少され得る。更に、設置者が極性に配慮する必要なく、常に適正な極性で電気デバイスがDC電力分配システムに接続され得るため、電気デバイスの設置が単純化され得る。
【0007】
電気デバイスの電気デバイス接点を接続デバイスの接続デバイス接点に接続するために、ケーブルや電気コネクタ等、既知の接続要素が使用され得る。好ましくは、電源は、供給される電力を接続デバイスに伝送する電力バスバー等の導電体を介して、及び接続デバイスから電気デバイスに電力を転送するケーブル等の導電体を介して電気デバイスに接続される。
【0008】
好ましくは、接続デバイスは、電気デバイスが接続デバイス接点に接続されていないことを負荷存在検出ユニットが検出した場合に接続デバイス接点が接地に接続されるように適合される。
【0009】
電気デバイスは、好ましくは照明装置であり、接続された照明装置を有するDC電力分配システムは、照明システムを形成するものと見なされ得る。また、電気デバイスは、1つ又は複数の照明装置を備える懸架型の天井モジュールでよく、これは、照明クラウドと見なされ得る。1つ又は複数の電気デバイスが、DC電力分配システムに接続され得る。接続デバイスは天井に埋め込まれ得て、設置者が電気デバイスを接続デバイス接点に接続できるように、接続デバイスの接続デバイス接点に手が届く。
【0010】
負荷存在検出ユニットは、接続デバイス接点に検出試験電圧を印加し、生じた検出試験電流を測定し、測定された検出試験電流に基づいて電気デバイスが接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するように適合されることが好ましい。特に、負荷存在検出ユニットは、接続デバイス接点に電圧パルス、特に低電圧の短いパルス(例えば5Vの10msパルス)を印加するように適合され得る。それに対応して、負荷存在検出ユニットは、電流パルスを測定し、測定された電流パルスに基づいて電気デバイスが接続デバイス接点に接続されているかどうか判断するように適合され得る。負荷存在検出ユニットは、測定された電流を、電気デバイスが接続デバイス接点に接続されている場合に予想される1つ又は複数の所定の電流と比較することによって、電気デバイスが接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するように適合され得る。例えば、電気デバイスは、試験検出電圧を印加するときに、特定の検出試験電流を生じる識別インピーダンスを有することができ、ここで、特定の検出試験電流が測定される場合に、電気デバイスが接続されていることが検出され得る。これは、技術的に比較的単純に、電気負荷が接続されているか否かを高い信頼性で検出することを可能にする。
【0011】
更に、極性決定ユニットが、極性試験電流を測定し、測定された極性試験電流に応じて、電気デバイスの電気デバイス接点の極性を決定するように適合されることが好ましい。特に、極性決定ユニットが、接続デバイス接点に極性試験電圧を印加し、極性試験電圧が印加されるときに極性試験電流を測定するように適合される。例えば、電気デバイスが、DC電力分配システムへの接続用の2つの電気デバイス接点を有し、第1の電気デバイス接点が接地に接続されるべきであり、第2の電気デバイス接点がDC電力分配システムのDC電圧伝送要素に接続されるべきである場合、極性試験電圧が第2の電気デバイス接点に印加される場合に、第1の電気デバイス接点及び第2の電気デバイス接点で極性試験電流が測定され得て、それにより、第1の電気デバイス接点が接地に接続されるべきであり、第2の電気デバイス接点がDC電圧に接続されるべきであることを示す。この例では、第1の電気デバイス接点で、極性試験電流が接続デバイスに流れることができ、第2の電気デバイス接点で、極性試験電流が電気デバイスに流れることができ、即ち、第1と第2の電気デバイス接点での電気デバイスに関して、極性試験電流は異なる方向に流れ、従って異なる符合を有することがある。従って、測定される電流の符号が、極性を決定するために使用され得る。この例では、極性試験電圧が第1の電気デバイス接点に印加される場合、極性試験電流は流れず、従って測定されないことがあり、又は、所定の試験電流よりも小さいことがある非常に小さい極性試験電流のみが測定され得る。この状況が生じる場合、極性決定ユニットは、極性が、第1の電気デバイス接点が接地に接続されるべきであり、第2の電気デバイス接点がDC電圧に接続されるべきであるようなものであると決定することができる。従って、極性決定ユニットは、対応する接続デバイス接点に極性試験電圧を印加し、測定される極性試験電流の量に基づいて極性を決定するようにも適合され得る。例えば、極性試験電流が所定の閾値よりも大きい場合には、DC電圧がそれぞれの接続デバイス接点に接続されるべきであると判断され得て、極性試験電流が所定の閾値よりも小さい場合には、それぞれの接続デバイス接点が接地に接続されるべきであると判断され得る。
【0012】
検出試験電圧と極性試験電圧は同じでよく、また検出試験電流と極性試験電流も同じでよく、即ち、同じ試験電圧及び生じる同じ試験電流が、電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するため、及び電気デバイス接点の極性を決定するために使用され得る。
【0013】
好ましい実施形態では、電気デバイスは、電気デバイスの複数のクラスのうちのクラスに割り当てられ、接続デバイスは、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されている場合に、電気デバイスのクラスを決定するためのクラス決定ユニットと、電気デバイスの決定されたクラスに応じて、DC電力分配システムのDC電力を変換するための電力変換ユニットとを備える。この実施形態では、電力提供制御ユニットは、DC電力分配システムの変換されたDC電力を接続デバイス接点に提供するように適合される。これは、システムが、適合された方法で、即ちそれぞれの電気デバイスに適合されたDC電力を提供できるようにし、それにより、DC電力分配システムの性能を更に向上させる。また、この実施形態では、DC電力分配システムのDC電力、即ちこの場合にはDC電力分配システムの変換されたDC電力は、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ接続デバイス接点に提供され、ここで、DC電力、即ち変換されたDC電力は、決定された極性を与えられている。
【0014】
クラス決定ユニットが、分類試験電圧を接続デバイス接点に印加し、生じた分類試験電流を測定し、測定された分類試験電流に応じて電気デバイスを分類するように適合されることが好ましい。これは、技術的に比較的単純に、電気デバイスを高い信頼性で分類できるようにする。好ましくは、分類試験電圧は、検出試験電圧及び極性試験電圧よりも大きい。例えば、分類試験電圧は10Vでよく、検出試験電圧及び極性試験電圧は5Vでよい。特に、クラス決定ユニットは、接続デバイス接点に電圧パルス、特に低電圧の短いパルス(例えば10Vの10msパルス)を印加するように適合され得る。それに対応して、クラス決定ユニットは、電流パルスを測定し、測定された電流パルスに基づいて電気デバイスを分類するように適合され得る。クラス決定ユニットは、測定された電流を、所定のクラスに対応する1つ又は複数の所定の電流と比較することによって、電気デバイスを分類するように適合され得る。例えば、電気デバイスは、分類試験電圧を印加するときに特定の分類試験電流を生じる分類抵抗を有することができ、この分類試験電流を所定の分類電流と比較することによって、電気デバイスのクラスが決定され得る。
【0015】
負荷存在検出ユニット、極性決定ユニット、及びクラス決定ユニットは、同じユニットに一体化され得て、この同じユニットは、接続デバイス接点に電圧を印加し、生じた電流を測定し、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうか判断し、電気デバイスの電気デバイス接点の極性を決定し、測定された電流に応じて電気デバイスを分類する。これらの決定は、連続的に実施され得て、即ち、まず第1の電圧、即ち例えば5Vの試験検出電圧が印加され得て、生じた第1の電流が測定され得て、測定された第1の電流に基づいて、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイスの接続デバイス接点に接続されているかどうかが判断され得て、電気デバイス接点の極性も、測定された第1の電流から決定され得る。次いで、第2の電圧、即ち例えば10Vの分類試験電圧が印加され得て、生じた第2の電流が測定され得て、測定された第2の電流に基づいて、電気デバイスのクラスが決定され得る。
【0016】
一実施形態では、システムは、更に、接続デバイス接点に接続される電気デバイス接点を有する電気デバイスを備え、電気デバイスは、検出試験電圧が接続デバイスの接続デバイス接点に印加される場合に検出試験電流を発生するための検出抵抗と、分類試験電圧が接続デバイス接点に印加される場合に分類試験電流を発生するための分類抵抗とを備える。好ましくは、電気デバイスは、電気デバイスを制御するための電気デバイス制御ユニットを更に備え、電気デバイス制御ユニットは、接続デバイス接点に印加された電圧を測定し、測定された電圧が検出試験電圧であるか分類試験電圧であるかを判断し、測定された電圧が検出試験電圧である場合には検出抵抗を電気デバイス接点に接続し、測定された電圧が分類試験電圧である場合には分類抵抗を電気デバイス接点に接続するように適合される。
【0017】
電気デバイスが、電気デバイスの電気負荷をドライブするためのドライバと、ドライバによってドライブされる電気負荷と、検出試験電圧又は分類試験電圧が測定されている場合に、ドライバ及び電気負荷を電気デバイス接点から絶縁するための絶縁スイッチとを備えることが更に好ましい。
【0018】
接続デバイスは、接続デバイスがPLC信号を送信及び/又は受信できるようにするための電力線通信ユニットを更に備えることができる。また、電気デバイスは、PLC信号を送信及び/又は受信するためのPLCユニットを備えることができる。更に、接続デバイスは、電気デバイスをDC電力分配システムに機械的に固定するための機械的な固定要素を備えていてもよい。機械的な固定要素は、例えば、ねじ接合要素、差込式接合要素、スナップイン固定具要素等である。
【0019】
好ましい実施形態では、電気デバイスは、天井から吊るされる懸架型の天井構成要素を備え、電気負荷が、懸架型の天井構成要素に取り付けられ、システムは、天井から吊るされるときに懸架型の天井構成要素を担持するための担持要素を更に備え、担持要素は、電源によって供給されるDC電力も伝送するように適合される。担持要素は、好ましくは担持ケーブルである。好ましくは、幾つかの担持要素が、懸架型の天井要素を担持するために使用される。懸架型の天井要素は、1つ又は複数の光源を備えることができ、照明クラウドと見なされ得る。システムは、幾つかの懸架型の天井構成要素、特に、幾つかの照明クラウドを備えることができる。好ましくは、接続デバイスは、天井に取り付けられ、担持要素を介して電気デバイスに電気的に接続される。
【0020】
接続デバイスは、天井の外部に取り付けられてよく又は天井内部に取り付けられてよく、即ち天井に埋め込まれ得る。天井は、好ましくはコンクリート天井である。
【0021】
本発明の更なる態様では、請求項1に記載のDC電力分配システムで使用され、及び電気デバイスをDC電力分配システムに接続して、DC電力を電気デバイスに提供するための接続デバイスであって、単極であり、且つ
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続される接続デバイス接点と、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニットと、
− 電気デバイスの電気デバイス接点の極性を決定するための極性決定ユニットと、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するため、及び決定された極性を有するDC電力を提供するための電力提供制御ユニットと
を備える、接続デバイスが提供される。
【0022】
本発明の更なる態様では、請求項1に記載のDC電力分配システムで使用され、及び請求項12に記載の単極接続デバイスを介してDC電力分配システムに接続されて、DC電力を電気デバイスに提供するための電気デバイスであって、それぞれの接続デバイスの負荷存在検出ユニットが、検出試験電圧を、それぞれの接続デバイスの接続デバイス接点に印加し、生じた検出試験電流を測定し、測定された検出試験電流に基づいて、電気デバイスが接続デバイス接点に接続されているかどうか検出し、電気デバイスが、電気デバイスの複数のクラスのうちのクラスに割り当てられ、それぞれの接続デバイスが、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されている場合に、電気デバイスのクラスを決定するためのクラス決定ユニットを備え、クラス決定ユニットが、分類試験電圧を接続デバイス接点に印加し、生じた分類試験電流を測定し、測定された分類試験電流に応じて電気デバイスを分類するように適合され、電気デバイスが、
− それぞれの接続デバイスの接続デバイス接点と接続されるための電気デバイス接点と、
− それぞれの接続デバイスの接続デバイス接点に検出試験電圧が印加される場合に、検出試験電流を発生するための検出抵抗と、
− 接続デバイス接点に分類試験電圧が印加される場合に、分類試験電流を発生するための分類抵抗と
を備える、電気デバイスが提供される。
【0023】
本発明の更なる態様では、請求項1に記載のDC電力分配システムのDC電力を提供するためのDC電力提供方法であって、
− 負荷存在検出ユニットによって、電気デバイスの電気デバイス接点が単極接続デバイスの接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するステップと、
− 極性決定ユニットによって、電気デバイスの電気デバイス接点の極性を決定するステップと、
− 電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、電力提供制御ユニットによって、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するステップであって、DC電力が決定された極性を備える、ステップと
を含む、方法が提供される。
【0024】
本発明の更なる態様では、請求項1に記載のDC電力分配システムのDC電力を提供するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがシステムを制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項1に記載のシステムに、請求項14に記載の方法のステップを実施させるためのプログラムコード手段を備える、コンピュータプログラムが提供される。
【0025】
請求項1に記載のDC電力分配システム、請求項12に記載の接続デバイス、請求項13に記載の電気デバイス、請求項14に記載のDC電力提供方法、及び請求項15に記載のコンピュータプログラムは、特に従属請求項で定義されるような同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態はまた、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組合せでもよい。
【0027】
本発明のこれら及び他の態様は、本明細書で述べる実施形態から明らかになり、それらを参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】DC電力分配システムの一実施形態を概略的及び例示的に示す図である。
図2】接続デバイスの一実施形態を概略的及び例示的に示す図である。
図3】電気デバイスの一実施形態を概略的及び例示的に示す図である。
図4】照明クラウドの一実施形態を概略的及び例示的に示す図である。
図5】DC電力分配システムのDC電力を提供するためのDC電力提供方法の一実施形態を例示的に示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、DC電力分配システムの一実施形態を概略的及び例示的に示す。DC電力分配システム1は、DC電力を電気デバイス11に供給するための電源50を備える。システム1は、更に、電気デバイス11を電源50に電気的に接続するための接続デバイス4を備える。
【0030】
この実施形態では、電源50は、交流電源(図示せず)から受信された交流電力を、電気デバイス11に供給されるべきDC電源に変換するための電力変換ユニットを備える。別の実施形態では、電源50は、別のDC電源でもよい。
【0031】
接続デバイス4は、単極であり、電気デバイス11の電気デバイス接点19又は59が導電体20を介して接続される接続デバイス接点5と、電気デバイス11のそれぞれの電気デバイス接点19又は59が接続デバイス接点5に接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニット7と、電気デバイス11のそれぞれの電気デバイス接点19又は59が接続デバイス接点5に接続されていることを負荷存在検出ユニット7が検出した場合にのみ、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点5に提供するための電力提供制御ユニット6、9、10とを備える。この実施形態では、電力提供制御ユニットは、スイッチ9、10と、スイッチ9、10を制御するための制御装置6とによって形成される。更に、この実施形態では、負荷存在検出ユニット7は、制御装置6内に一体化される。導電体20は、ケーブル及び/又は別の導電性要素、特に別の金属要素、例えば導電性フック、チェーン、又はねじ山付きロッド、例えばねじ山付き鉄筋ボルト等を備えることもできる。
【0032】
この実施形態では、電気デバイス11は照明装置であり、接続された照明装置11を有するDC電力分配システム1は、照明システムを形成するものと見なされ得て、この照明システムは、建造物の部屋の天井に設置され得る。図1において、2つの接続デバイス4に接続された唯一の1つの照明装置11が概略的及び例示的に示されているが、DC電力分配システムは、より多くの照明装置又はセンサやファン等、他の電気デバイス、及びそれに対応してより多くの接続デバイスを備えることもできる。設置者が電気デバイスを接続デバイス接点5に接続できるように、接続デバイス4は、接続デバイス接点5に依然として手が届くように天井に埋め込まれ得る。
【0033】
負荷存在検出ユニット7は、接続デバイス接点5に検出試験電圧を印加し、生じた検出試験電流を測定し、測定された検出試験電流に基づいて電気デバイス11が接続デバイス接点5に接続されているかどうか検出するように適合される。特に、負荷存在検出ユニット7は、接続デバイス接点5に電圧パルス、特に低電圧の短いパルス(例えば5Vの10msパルス)を印加するように適合され得る。それに対応して、負荷存在検出ユニット7は、電流パルスを測定し、測定された電流パルスに基づいて電気デバイス11が接続デバイス接点5に接続されているかどうか判断するように適合され得る。負荷存在検出ユニット7は、測定された電流を、電気デバイス11がそれぞれの接続デバイス接点5に接続されている場合に予想される1つ又は複数の所定の電流と比較することによって、電気デバイス11がそれぞれの接続デバイス接点5に接続されているかどうか検出するように適合され得る。例えば、電気デバイス11は、試験検出電圧を印加するときに、特定の検出試験電流を生じる識別インピーダンスを備えることができ、ここで、特定の検出試験電流が測定される場合に、電気デバイス11が接続されていることが検出され得る。
【0034】
接続デバイス4は、更に、測定される検出試験電流に基づいて、電気デバイス11のそれぞれの電気デバイス接点19の極性を決定するための極性決定ユニット8を備え、即ち、検出試験電圧は、極性試験電圧とも見なされ得て、検出試験電流は、極性試験電流とも見なされ得る。やはり制御装置6と一体化される極性決定ユニット8は、測定される試験電流が正か負かに応じて、電気デバイス11のそれぞれの電気デバイス接点19、59の極性を決定するように適合される。
【0035】
DC電力は、電源50から導電体2、3(バスバーと見なされ得る)を介して接続デバイス4に提供される。第1の導電体2は、例えば56Vの電圧を搬送し、第2の導電体3は、接地に接続される。第1のスイッチ9は、第1の導体2を接続デバイス接点5に選択的に接続し、第2のスイッチ10は、第2の導電体3を接続デバイス接点5に選択的に接続する。スイッチ9、10は、好ましくは、試験電圧が接続デバイス接点5に印加されて試験電流が測定されるときにスイッチ9、10が開かれるように、即ち第1及び第2の導電体2、3が接続デバイス接点5に電気的に接続されないように制御装置6によって制御される。電気デバイス11がそれぞれの接続デバイス接点5に電気的に接続されていることが検出された後、及びそれぞれの接続デバイス接点5に接続されたそれぞれの電気デバイス接点19、59の極性が決定された後、制御装置6は、提供される電力がそれぞれの電気デバイス接点19のそれぞれの決定された極性に対応するようにスイッチ9、10を制御する。従って、例えば、図1において、制御装置6は、上側の接続デバイス4では、第1のスイッチ9が閉じられ(即ち導通し)、第2のスイッチ10が開かれ(即ち絶縁し)、下側の接続デバイス4では、第1のスイッチ9が開かれ、第2のスイッチ10が閉じられるように、スイッチ9、10を制御することができる。従って、制御装置6及びスイッチ9、10によって形成される電力提供制御ユニットは、決定された適正な極性でDC電力が提供されるように適合される。
【0036】
アイドル状態で、即ち、検出及び極性決定プロセスが行われておらず、電気デバイスがそれぞれの接続デバイス接点に接続されていない状態で、それぞれの接続デバイス接点は、接地(特に低抵抗から接地)に接続される。従って、それぞれの接続デバイス4の制御装置6は、このアイドル状態で、それぞれの第1のスイッチ9が開かれ、それぞれの第2のスイッチ10が閉じられているように適合される。それぞれの接続デバイス接点(コンタクトノードとも見なされ得る)を接地に接続することは、低い腐食性、ESDに対する保護、電気ショックに対する保護、パワードレインとしての使用可能性等の利益を有することができる。
【0037】
従って、接続デバイスは、様々な状態で動作可能であり得る。即ち、アイドル状態、走査状態(検出及び極性決定プロセスが行われる)、電力提供状態(電気デバイスの一方の側に接続された接続デバイスの接続デバイス接点が、例えば56Vの電圧を搬送する第1の導電体2に電気的に接続され、電気デバイスの別の側に接続された別の接続デバイスの接続デバイス接点が、接地導体である第2の導電体3に電気的に接続される)である。接続デバイスがアイドル状態である場合、接続デバイスは、接地スイッチ10を開き、検出試験電圧を挿入することによって、所定の時間間隔で走査状態に入る。所定の時間間隔は、秒、分、又は時間の範囲内でよい。例えば、所定の時間間隔は、5秒、1分、5分、1時間等でよい。好ましくは、接続デバイスは、それらが互いに独立して検出及び極性決定プロセスを開始するように適合され、この場合、接続デバイス4の一方が走査状態にあり、接続デバイス4の他方がアイドル状態にある場合に、識別及び極性決定プロセスが機能する。両方の接続デバイスが同時にそれらの走査状態にある可能性を減少するために、それぞれの接続デバイスがアイドル状態にある時間間隔は、好ましくは、走査状態で検出及び極性決定プロセスに必要とされる時間に比べて比較的大きい。
【0038】
図1を参照して上述した実施形態において、上側の電気デバイス接点19が(正極に接続されるべき)正の接点であり、下側の電気デバイス接点59が(負極に接続されるべき)負の接点である場合、負の接点59に電気的に接続された下側の接続デバイス4は、上側の接続デバイス4がその走査状態にある場合に負の試験電流を受ける。このようにして、下側の接続デバイス4は、上側の接続デバイス4がその走査状態にあることを検出することができる。それぞれの接続デバイス4は、電気デバイス11に接続された他方の接続デバイスが走査状態であることが検出された場合には、それ自体が走査状態に入るまでの時間を延長するように適合され得る。例えば、接続デバイスが、電気デバイスに接続された他方の接続デバイスがその走査状態にあることを検出した場合、それぞれの接続デバイスの休止タイマーがリセットされ得る。
【0039】
図2及び図3は、接続デバイス及び電気デバイスの更なる実施形態を概略的及び例示的に示し、これらは、図1を参照して上述したシステムで、それぞれ接続デバイス4及び電気デバイス11の代わりに使用され得る。
【0040】
図2に概略的及び例示的に示される接続デバイス104は、電力変換ユニット117と、制御ユニット115と、PLCユニット116と、パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114とを備える。接続デバイス104は、更に、第1のスイッチ109と、第2のスイッチ110と、抵抗118と、過電圧保護ユニット112と備える。パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御装置115とは、図3に概略的及び例示的に示される電気デバイス111の電気デバイス接点119、159が接続デバイス104の接続デバイス接点105に接続されているかどうか検出するように適合される。従って、この実施形態では、パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御装置115とは、負荷存在検出ユニットを形成する。特に、制御ユニット115は、上側の電気デバイス接点119に接続された抵抗118を介して検出試験電圧が接続デバイス接点105に印加されるようにパワーアップシーケンサ113を制御するように適合される。次いで、生じた電流は、電流測定ユニット114によって測定され得て、測定された電流、即ち検出試験電流は、制御装置115に提供され、制御装置115は、測定された検出試験電流に基づいて、電気デバイス111が接続デバイス接点105に接続されているかどうか検出する。この例では、測定された検出試験電流は正であり、これは、制御装置115が、電気デバイス接点119の極性が正であることを決定できるようにする。従って、パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御ユニット115とは、電気デバイス111の電気デバイス接点119の極性を決定するための極性決定ユニットも形成する。この状況では、下側の電気デバイス接点159に接続された接続デバイス104によって測定される検出試験電流は負であり、それにより、下側の電気デバイス接点159に接続された接続デバイス104の制御装置115は、この接続デバイス104が電気デバイス111の負の側に電気的に接続されていると判断することができる。下側の電気デバイス接点159に接続された接続デバイス104は、それ自体が電気デバイス111の負の側に電気的に接続されていると判断できるように、そのアイドル状態で生じ得る電流を測定するように適合される。従って、それぞれの接続デバイスが能動的に走査していないアイドル状態において、接続デバイスは、電流を測定し、それ自体が電気デバイス111の負の側に接続されているかどうかを判断することができる。更に、電気デバイス111の正及び負の側に接続された接続デバイス104の制御装置115は、導電体2、3を介して供給されるDC電力が適正な極性で接続デバイス104の接続デバイス接点105に提供されるようにそれぞれのスイッチ109、110を作動させるために、それぞれのパワーアップシーケンサを制御するように適合される。
【0041】
従って、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみDC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するように電力提供制御ユニットが適合されることは、この実施形態では、電気デバイスの正及び負の側での電気デバイス接点が接続デバイスの接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、電気デバイスの正の側に接続された第1の接続デバイスが正の電圧を提供し、電気デバイスの負の側は、負の側に接続された接続デバイスを介して接地に接続されることを意味する。それに対応して、決定された極性を有するDC電力を提供するように電力提供制御ユニットが適合されることは、電気デバイスの特定の側が正の側であり、電気デバイスの別の側が負の側であることが判断された場合に、電気デバイスの正の側、即ちそれぞれの電気デバイス接点が、正の電圧を印加する接続デバイスの接続デバイス接点に電気的に接続され、電気デバイスの負の側、即ち対応する電気デバイス接点が、電気デバイスの負の側を接地に接続する接続デバイスの接続デバイス接点に電気的に接続されることを意味する。
【0042】
また、この例では、電気デバイス111が接続されているかどうかを検出するため、及びそれぞれの接続デバイス接点105に接続されたそれぞれの電気デバイス接点119、159の極性を決定するために、好ましくは、低電圧の短いパルスがそれぞれの接続デバイス接点105に印加され、特に、5Vの10msパルスが接続デバイス接点105に印加され得る。
【0043】
この例では、下側の電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイス104が検出試験電圧をその接続デバイス接点105に印加する場合、ダイオード120が逆向きであり導通していないため、接続デバイス104は、反応を見ず、即ち検出試験電流を監視しない。従って、検出試験電圧に対する反応が測定され得なかった後、下側の電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイス104は再びそのアイドル状態に入り、即ち、それぞれの接続デバイス接点が接地に接続される。
【0044】
図2及び図3を参照して述べる実施形態では、電気デバイス接点119は、電気デバイス111の正の側であり、他方の電気デバイス接点159は、電気デバイス111の負の側である。電気デバイス接点119に接続された接続デバイス104がその走査状態にある場合、即ち、電気デバイス接点119に接続された接続デバイス104が、電気デバイス接点119に試験電圧を印加する場合、電気デバイス接点119に電気的に接続された接続デバイス104は、正の試験電流を測定し、電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイス104は、負の試験電流を測定する。試験電流の符号から、電気デバイス接点119に電気的に接続された接続デバイス104は、それ自体が電気デバイス111の正の側に接続されていることを知り、電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイス104は、それ自体が電気デバイス111の負の側に電気的に接続さていることを知る。従って、それぞれの電気デバイス接点119、159の極性は、それぞれの接続デバイス104によって測定される試験電流の符号に基づいて決定され得る。
【0045】
別の実施形態では、電気デバイスの負の側が幾つかの接続デバイスに電気的に接続される場合、試験電流は、負の側に、即ち対応する電気デバイス接点に電気的に接続された接続デバイス全てにわたって分流する。電気デバイスの正の側が幾つかの接続デバイスに電気的に接続されている場合、及びこれらの接続デバイスが一体に連結されている場合、実際に走査状態にあるそれぞれの接続デバイスは、接地モードでの他方の接続デバイスによって短絡され、これは検出され得る。例えばダイオードを使用することによって接続デバイスの正の側に接続された接続デバイスが電気的に結合解除される場合、これらの接続デバイスはそれぞれ、それらの走査状態にある場合に電気デバイスの負の側で負の試験電流を発生し、ここで、この負の試験電流は、電気デバイスの負の側に電気的に接続された、即ちそれぞれの電気デバイス接点に電気的に接続された1つ又は複数の接続デバイスによって測定され得る。これらの電流測定値は、それぞれの電気デバイス接点の極性を決定するために使用され得る。
【0046】
電気デバイス111は、電気デバイスの複数のクラスの1クラス、即ち電力クラスに割り当てられ、パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御装置115とは、電気デバイス111のそれぞれの電気デバイス接点119、159が接続デバイス接点105に接続されている場合に電気デバイス111のクラスを決定するように適合される。特に、接続デバイス104が電気デバイス111の正の側で電気デバイス接点119に電気的に接続されていると接続デバイス104の制御装置115が判断した場合、制御装置115は、分類試験電圧を接続デバイス接点105に印加するようにパワーアップシーケンサ113を制御し、ここで、電流測定ユニット114は、生じた分類試験電流を測定し、制御装置115は、測定された分類試験電流に応じて電気デバイス111を分類する。従って、パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御装置115とは、電気デバイス111のクラスを決定するためのクラス決定ユニットを形成する。パワーアップシーケンサ113と、電流測定ユニット114と、制御装置115とは、電気デバイス接点119が接続デバイス接点105に接続されているかどうか検出し、且つ接続デバイス接点105に接続された電気デバイス接点119の極性を決定するようにも適合されるため、この実施形態では、同じユニットが、それぞれの電気デバイス接点119が接続デバイス接点105に接続されているかどうか検出するため、接続された電気デバイス接点119の極性を決定するため、及び電気デバイス111のクラスを決定するために使用される。これらの検出及び決定ステップは、連続的に実施され得て、即ち、まず例えば5Vの試験検出電圧が印加され得て、生じた第1の電流が測定され得て、測定された第1の電流に基づいて、電気デバイス111のそれぞれの電気デバイス接点119が接続デバイス104の接続デバイス接点105に接続されているかどうかが判断され得て、それぞれの電気デバイス接点119の極性も、測定された第1の電流から決定され得る。次いで、例えば10Vの分類試験電圧が印加され得て、生じた第2の電流が測定され得て、測定された第2の電流に基づいて、電気デバイス111のクラスが決定され得る。検出及び分類試験電圧は、好ましくは、接続デバイス104の走査状態で印加される。
【0047】
電気デバイス111の正の側で電気デバイス接点119に接続された接続デバイス104が分類処置を実施する場合、電気デバイス111の負の側で電気デバイス接点159に接続された接続デバイス104は、電圧をその接続デバイス接点に能動的に印加せずに、分類試験電流を測定することができる。電気デバイス111の負の側で電気デバイス接点159に接続された接続デバイスが分類試験電流を測定することができるため、その接続デバイスは、それ自体が電力供給状態に入ってアイドル状態を出ることができることを知り、この例では、電力供給状態で、電気デバイス111の負の側で電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイス104は、この電気デバイス接点159を接地に接続する。この例では、電気デバイス111の負の側に電気的に接続された接続デバイス接点が接地に接続される電力提供状態と、この接続デバイス接点がやはり接地に接続されるアイドル状態との主な相違は、アイドル状態では、接続デバイス104が所定の時間間隔で電気デバイス検出処置を実施し、即ち、アイドル状態では、接続デバイス104が所定の時間間隔で走査状態に入り、一方、電力提供状態では、電気デバイス111の負の側で電気デバイス接点159に電気的に接続された接続デバイスは、電気デバイス111の負の側が接続デバイスの接続デバイス接点に電気的に接続されている限り、接続デバイス接点を接地に常に接続することである。
【0048】
従って、接続デバイス104が電気デバイス111の正及び負の側で電気デバイス接点119、159に電気的に接続される場合、正の側に接続された接続デバイス104は正の電流を測定し、負の側に接続された接続デバイス104は負の電流を測定する。接続デバイス104がこの電流を測定する限り、接続デバイス104は、それらのアイドル状態に入らず、所定の時間間隔で走査を開始しない。しかし、そのような電流が測定されず、接続デバイス104がそのアイドル状態にある場合、それぞれの接続デバイス104は、所定の時間間隔で走査状態に入り、接続デバイス接点への試験検出電圧の印加によって走査処置を開始する。
【0049】
アイドル状態で、それぞれの接続デバイス104がその間断的な走査状態にないとき、接続デバイス104の接続デバイス接点は接地に接続され、即ち、例えば、図1及び図2において、スイッチ10、110が閉じられ、即ち導通し、スイッチ9、109が開かれ、即ち絶縁する。接続デバイスが電気デバイスの正の側に接続される場合、走査状態で、接続デバイスは、検出試験電流を検出し、それ自体が電気デバイスの正の側に接続されていると判断し、次いで分類処置を行う。最後に、接続デバイスは、電力提供状態に入り、この状態で、電圧が供給され、即ち、例えば、スイッチ9又はスイッチ109が閉じられ、一方、それぞれスイッチ10又は110は開かれ、絶縁される。
【0050】
それぞれの接続デバイスがその電力提供状態にある間、電流が測定され、測定される電流が特定の所定の下側閾値未満になるまで、接続デバイスがその動作モード(これはまた、正若しくは負の電力供給モードとも見なされ得る)に留まる。下側閾値未満へのこの低下は、電気デバイスが取り外されていることを示すことがある。この状況では、それぞれの接続デバイスは、そのアイドル状態に再び入る。接続デバイスは、電力提供状態からアイドル状態に変わる前に所定の待機時間だけ待機するように適合され得て、電気デバイスが、正の電力供給をアクティブに保つために幾らかの電流を消費しながら低電力スタンバイモードで動作できるようにする。
【0051】
電気デバイスの負の側に新たに接続された接続デバイスは、その走査状態で、電気デバイスに接続されていることを検出しない。しかし、電気デバイスの正の側に接続された接続デバイスがその走査状態にあるとき、電気デバイスの負の側に接続された接続デバイスは、そのアイドル状態で負の電流を監視し、その電力提供状態に入り、その接続デバイス接点が接地に接続され、電力提供状態では、アイドル状態とは対照的に反復走査サイクルが実施されない。電気デバイスの負の側に接続された接続デバイスは、例えば1分の所定の待機時間にわたって測定電流が所定の下側閾値未満になるまで、特に電流が測定されなくなるまで、その電力提供状態(これは、負の電力供給状態とも見なされ得る)に留まる。これが当てはまる場合、電気デバイスの負の側に接続された接続デバイスは、再びそのアイドル状態に入り、アイドル状態は、所定の時間間隔で走査状態によって反復して中断される。
【0052】
また、分類試験電圧は、パルスとして印加され得る。例えば、10Vの10msパルスが印加され得て、生じた電流パルスは、電気デバイス111を分類するために測定及び使用され得る。クラス決定ユニット、特に制御装置115は、測定された電流を、所定のクラスに対応する1つ又は複数の所定の電流と比較することによって、電気デバイス111を分類するように適合され得る。特に、この実施形態では、電気デバイス111は、試験分類電圧を印加するときに特定の分類試験電流を生じる分類抵抗122を備え、この分類試験電流を所定の分類電流と比較することによって、電気デバイス111のクラスが決定され得る。接続デバイス104は、更に、電気デバイス111の決定されたクラスに応じて、DC電力分配システムのDC電力を変換するための電力変換ユニット117を備える。
【0053】
検出、極性決定、及び分類処置が完了された後、少なくとも電気デバイスの正の側に接続された接続デバイス104のパワーアップシーケンサ113がPLCユニット116を作動させることができる。また、検出、極性決定、及び分類処置が完了された後、電気デバイス111のPLCユニット126が作動され得る。従って、決定、極性決定、及び分類処置が完了された後、少なくとも電気デバイス111及び電気デバイス111の正の側に接続された接続デバイスが、PLCコマンドを交換することができる。好ましくは、決定、極性決定、及び分類処置中にPLCユニット116、126はアクティブでないため、PLCコマンドは、決定、極性決定、及び分類処置を妨害し得ない。更に、決定、極性決定、及び分類処置が完了された場合にのみPLCユニット116、126が作動されるため、エネルギー消費、並びに伝送及び放射される放出(EMI)が減少され得る。
【0054】
適切な電力状態を設定するためにPLC通信が使用され得て、即ち、PLC通信は、詳細な電力ネゴシエーションを可能にする。例えば、PLC通信プロセスは、2Aの最大電流で例えば5Vの標準電力で開始することができる。この標準電力は、特定の望みの電力を提供するために、電力ネゴシエーションを開始するために使用され得る。例えば、PLC通信を介して、電気デバイスは、特定の最終電圧を要求することができる。また、PLCユニットを使用することによって、それぞれの接続デバイスから最大限に利用可能な電力に関する情報等、他の電力/電圧/電流関連情報が通信され得る。
【0055】
過電圧保護デバイス112が、第2のスイッチ110、即ち接地スイッチ110に並列に配置されて、ESD又は同様の種類の過負荷状況に対して回路を保護する。幾つかの実施形態で述べられるスイッチ109、110、及びまた他のスイッチは、中継器や半導体スイッチ等でよい。
【0056】
図3に概略的及び例示的に示される電気デバイス111は、パワーアップシーケンサ125と、PLCユニット126と、制御装置127と、ドライバ128と、電気的負荷129(この実施形態では光源)とを備える。電気デバイス111は、更に、第1のスイッチ123と、第2のスイッチ124と、第3のスイッチ130と、検出抵抗121と、分類抵抗122とを備える。更に、ダイオード120は、電気デバイス111の正の側で上側の電気デバイス接点119に接続される。
【0057】
パワーアップシーケンサ125は、図3での上側の電気デバイス接点119に印加される電圧を測定し、測定された電圧が検出試験電圧であるか分類試験電圧であるか判断するように適合される。測定された電圧が検出試験電圧である場合、パワーアップシーケンサは、導通するように第1のスイッチ123を閉じ、絶縁するように第2のスイッチ124を開き、それにより、検出抵抗121を使用することによって検出試験電流を発生する。測定された電圧が試験分類電圧である場合、パワーアップシーケンサ125は、絶縁するように第1のスイッチ123を開き、導通するように第2のスイッチ124を閉じて、分類抵抗122を使用することによって分類試験電流を発生する。従って、パワーアップシーケンサ125と、スイッチ123、124とは、電気デバイス制御ユニットを形成するものと見なされ得て、この電気デバイス制御ユニットは、接続デバイス104の接続デバイス接点105に印加された電圧を測定し、測定された電圧が検出試験電圧であるか分類試験電圧であるかを判断し、測定された電圧が検出試験電圧である場合には検出抵抗121を上側の電気デバイス接点119に接続し、測定された電圧が分類試験電圧である場合には分類抵抗122を上側の電気デバイス接点119に接続するように適合される。
【0058】
検出及び分類処置中、パワーアップシーケンサ125は、特にドライバ128の内部インピーダンスが検出抵抗121及び分類抵抗122のインピーダンス以下である場合に、第3のスイッチ130が開かれ、即ち絶縁し、ドライバ128を電気デバイス接点119から絶縁することを保証する。検出及び分類処置が完了され、パワーアップシーケンサ125が例えば56Vの動作電圧を測定した後、パワーアップシーケンサ125は、第3のスイッチ130(絶縁スイッチとも見なされ得る)を閉じ、それにより、このスイッチが導通し、第1及び第2のスイッチ123、124を開き、それにより絶縁する。更に、次いで、パワーアップシーケンサは、PLCユニット126及び制御装置127に、それらが動作モードに入ることができることを知らせ、動作モードでは、PLCユニット126は、光源129の望ましい減光レベルを示すPLCコマンドを受信することができ、制御装置127は、PLCコマンドによって定義される減光レベルを示す制御信号をドライバ128に提供するように適合される。次いで、ドライバ128は、制御信号によって示される減光レベルに従って光源129をドライブする。
【0059】
従って、図3に概略的及び例示的に示される電気デバイス111の回路は、検出抵抗121を有し、これは識別抵抗とも見なされ得る。これは、検出試験電圧が印加されるとき、即ち検出パルス(識別パルスとも見なされ得る)がアサートされるときに明らかである。検出試験電圧は、例えば5Vでよい。検出抵抗121は、電動モードで電力消費を減少させるように切換え可能である。パワーアップシーケンサ125は、好ましくは、検出試験電圧(即ち、この実施形態では例えば5Vの検出パルス電圧)を分類試験電圧(例えば10V)から区別するための比較器を備え、ここで、パワーアップシーケンサ125は、これらの電圧が現れるときは常に、要求されるインピーダンスを示すために関連のスイッチ123、124を操作する。動作電圧が印加されるとき、絶縁スイッチ130が閉じられてよく、他のスイッチ123、124が開かれてよい。
【0060】
決定、極性決定、及び分類処置を実施するために使用される回路、特に、検出及び分類抵抗121、122と、スイッチ123、124と、パワーアップシーケンサ125とを備える回路は、電力供給目的で試験電流を使用するように適合され得て、即ち、この回路は、注入される試験電流によって電力供給され得る。従って、好ましくは、電気デバイスは、検出、極性決定、及び分類処置中にこの回路に電力供給するための個別の電源と、識別インピーダンスとを備えず、即ち、検出抵抗121は、好ましくは、検出、極性決定、及び分類機能の間断的な供給に十分な電力が利用可能であるように構成される。従って、決定、極性決定、及び分類処置の実施は、注入された試験電流によって電力供給され得る低電力での実施である。
【0061】
電気デバイスの様々なクラスが、以下の表に例示的に示される。
【0062】
【表1】
【0063】
この表において、第1の縦列では、様々なクラスが識別され、第2の縦列には、様々なクラスに対応する様々な分類インピーダンスが示され、第3の縦列には、10Vの分類試験電圧で得られる分類試験電流が列挙され、第4の縦列には、それぞれのクラスの電気デバイスによって要求されるそれぞれの電圧が挙げられている。この表によれば、例えば、分類抵抗122が5kΩのインピーダンスを有する場合、接続デバイス104のパワーアップシーケンサ113は、2mAの分類試験電流を測定し、制御装置115は、電力変換ユニット117を制御し、それにより、24Vの公称電圧が接続デバイス接点105に印加される。従って、分類インピーダンスは、要求される電圧/電流/電力レベルをプログラムするために使用され得る。
【0064】
一実施形態では、電気デバイスは、図4に概略的及び例示的に示されるような懸架型の天井構成要素を備えることができる。この実施形態では、電気デバイス211は、天井から吊るされる懸架型の天井構成要素242を備え、照明装置243及びセンサ242が、照明クラウドを形成するために懸架型の天井構成要素242に取り付けられる。特に、懸架型の天井構成要素242は、プレートでよく、プレート上に、照明装置243及びセンサ242が配置される。センサ242及び照明装置243は、導電体244を介して制御装置245と接続される。照明装置243及びセンサ242は、懸架型の天井構成要素242にある開口に配置され、それにより、照明装置243によって部屋が照明され得て、またセンサ242によって部屋が感知され得る。特に、センサ242は、部屋内の人の存在を検出するための存在検出センサでよく、センサ246及び照明装置243は、センサ246が部屋内の人の存在を検出した場合に照明装置243がオンに切り替えられるように適合される。
【0065】
電気デバイス211は、あるパターンで天井に配置され、パワージョイントとも見なされ得る接続デバイス204と、担持要素240とを使用することによって天井に取り付けられる。担持要素240は、懸架型の天井構成要素242を担持するように、また接続デバイス204によって提供されるDC電力を伝送するように適合される。担持要素204は、電気デバイス接点219を、接続デバイス204の接続デバイス接点と接続するように適合される。また、接続デバイス204は、電気デバイス211のそれぞれの電気デバイス接点219がそれぞれの接続デバイスの接続デバイス接点に接続されているかどうか検出するための一体型の負荷存在検出ユニットと、電気デバイス211のそれぞれの電気デバイス接点219がそれぞれの接続デバイス接点に接続されていることをそれぞれの負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみDC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するための電力提供制御ユニットとを備え、電力提供制御ユニットには、接続デバイス204が接続され、電力提供制御ユニットは、天井(図示せず)に組み込まれる。それぞれの接続デバイス204の負荷存在検出ユニット及び電力提供制御ユニットは、上述の実施形態で述べたように実装され得て、即ち、接続デバイス204は、例えば図2を参照して上述したような回路を備えることができる。提供されるDC電力は、制御装置245を介して照明装置213及びセンサ246に供給される。制御装置245は、それぞれの接続デバイス204のそれぞれの接続デバイス接点に印加された電圧を測定し、測定された電圧が検出試験電圧であるか分類試験電圧であるかを判断し、測定された電圧が検出試験電圧である場合には検出抵抗をそれぞれの電気デバイス接点219に接続し、測定された電圧が分類試験電圧である場合には分類抵抗をそれぞれの電気デバイス接点219に接続するように適合され得る。従って、制御装置245は、例えば図3を参照して上述した機能を提供するように適合され得て、即ち、図3を参照して上述したような回路を備えることができる。それに対応して、接続デバイス204は、例えば図2を参照して上述したようなクラス決定ユニット及び電力変換ユニットも備えることもできる。
【0066】
制御装置245は、ユーザがリモートコントローラによって制御装置245を制御できるようにするために、電力線又はワイヤレス通信用に適合され得る。更に、この実施形態では、それぞれの接続デバイス204によって形成される各パワージョイントは、DC電力供給のマイナス又はプラスを伝送するように適合され得る。
【0067】
以下では、DC電力分配システムのDC電力を提供するためのDC電力提供方法の一実施形態を、図5に示される流れ図を参照して述べる。
【0068】
ステップ301で、接続デバイスの負荷存在検出ユニットは、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイスの接続デバイス接点に接続されているかどうか検出する。ステップ302で、電力提供制御ユニットは、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、電力提供制御ユニットによって、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供する。
【0069】
既知のDC電力分配システムでの問題は、適正な極性を有する電気デバイスを接続することである。更なる問題は、未使用の接続点、即ち電気デバイスが接触され得ない未使用の接点である。なぜなら、それらは電力供給され、これが、接点の腐食、及び設置者の感電の可能性をもたらすからである。埋込型の接続点(接続ジョイントとも見なされ得る)、即ち天井又は部屋の別の部分に埋め込まれた接続点の場合、建造物の建設中でさえこれらに手が触れる可能性があり得る。これらの問題は、接続点として上述の接続デバイスを使用することによって解決することができる。
【0070】
接続デバイスは、好ましくは制御モジュールを備え、制御モジュールは、少なくとも、負荷存在検出ユニットと、極性決定ユニットと、電力提供制御ユニットとを備えて、検出された電気デバイスの存在及び極性検出に応じて、DC電力分配システムの一方の極へのそれぞれの電気デバイス接点の接続を可能にする。従って、接続デバイスを備えるDC電力分配システムは、不定の極性を有するDC電気デバイスを個々の接続デバイス、即ち個々の接続点に接続することを可能にする。これらの接続点は、電気デバイスが接続されない限り電力供給されない。電気デバイスは、好ましくは、小さい測定電圧、即ち検出試験電圧によって識別される。また、好ましくは、電気デバイスの極性が検出され、それぞれの接続点は、適合性のある電気デバイスが見つけられたときは常に、適正な極性を有するDC電源に切り換えられ得る。
【0071】
接続デバイスは、好ましくは、走査状態中に低電圧の短いパルスを印加する、即ち検出試験電圧を印加するように適合される。次いで、電流が測定され、接続されていることがある検出インピーダンス(識別インピーダンスとも見なされ得る)を決定するために使用される。例えば、対応する検出試験電流を測定することによって、接地に対する例えば25kΩの検出インピーダンスが見つけられた場合、適合性のある電気デバイスが識別されたため、好ましくはパワーアップシーケンスが開始される。電気デバイスのそれぞれの接地コネクタは、これらが負の検出試験電流パルスを搬送するため、識別され得る。更に、接続デバイスは、検出試験電流パルスの振幅に基づいて、並列の接地接続の数を決定するように適合され得る。
【0072】
更に、DC電力分配システムは、電力管理ユニットを備えることができ、電源管理ユニットは、電源、電力を消費する電気デバイス、若しくは接続デバイス等、DC電力分配システムの構成要素の1つに一体化されてよく、又は別個のユニットでもよい。電力管理ユニットは、好ましくは、DC電力分配システムの接続デバイスと通信するように適合されて、接続デバイスを監督し、ここで、電源管理ユニットは、接続デバイスから電力関連情報を収集し、どれほどの電力が利用可能であるかを計算するように適合され得る。電力管理ユニットは、過負荷状況でさえヒューズが飛ばず、幾つかの電気デバイス、例えば幾つかの照明装置がより低い電力で動作される、又は使用不可にされることを保証するように適合され得る。従って、電力管理ユニットは、フェイルセーフ動作を保証するための利用可能なパワーバジェットの管理を提供するために使用され得る。また、電力管理ユニットは、別の方法で電源を管理するようにも適合され得る。例えば、特定の電気デバイスが他の電気デバイスよりも高い優先順位を有する場合、電力管理ユニットは、より高い優先順位を有する電気デバイスが特定の電力レベルを確実に得るように適合され得て、それにより、全体的な電力消費が減少される必要がある場合に、他の電気デバイスに提供される電力が減少されるが、高い優先順位を有する電気デバイスに提供される電力は減少されない。高い優先順位を有する電気デバイスは、例えば、所定の最高温度よりも温度が高くなるべきでない冷凍室でよい。
【0073】
パワーアップシーケンスは、パワーオーバーイーサネット(登録商標)アプリケーションでのパワーアップと同様でよい。従って、上述したように、分類インピーダンスは、接続された電気デバイスのクラス、即ち電力クラスを決定するために使用され得て、次いで、対応する電力が提供され得る。
【0074】
一実施形態では、接続デバイスは、電気デバイスが接続デバイス接点に接続されていることが検出されたが、検出試験電流が未知である場合には、その接続デバイス接点に特定の電圧を印加するように適合され得る。従って、この場合、更なる識別をせずに、特定の電圧が接続デバイス接点に印加され得る。例えば5Vのこの電圧は、好ましくは最大電力で提供され、例えば公共充電を可能にするため又は他の目的で使用され得る。
【0075】
接続デバイスは、要求された電圧、電流、又は電力(これは、実際の電気デバイスの実際の電力クラスによって要求され得る)をサポートすることができるかどうか判断するように適合され得て、ここで、接続デバイスが要求された電圧、電流、又は電力をサポートすることができない場合には、接続デバイスは、パワーアップモードに入るのを拒否することができる。
【0076】
接続デバイス及び電気デバイスは、適切な電力条件を設定するために、PLCを可能にするように適合され得る。
【0077】
接続デバイスは、電気デバイスをDC電力分配システムに機械的に固定するための機械的な固定要素として機能するようにも適合され得る。例えば、接続デバイスは、ねじ、差込式コネクタ、カラビナを含むリング及びフック、押しボタン式固定具、スナップイン固定具等に基づく機械的な固定ソリューションを提供するように適合され得る。
【0078】
上述の実施形態では、接続デバイス、即ちパワージョイントは、部屋の天井に位置されるが、他の実施形態では、接続デバイスは他の位置にも構成され得る。例えば、それらは公共スペースに配置され得て、そこでは、妨げなく接続デバイスに手が届き、屋外用途では、例えば舗装道路で電気デバイスを接続するために舗装道路に組み込まれ得る。また、接続デバイスは、テントのフック、又はポール若しくは壁に組み込まれてもよく、ポール又は壁の間にランプが吊り下がることができる。接続デバイスは、例えば多目的ホールにおいて、展示パビリオンが接続デバイスによって機械的に固定されて電力供給され得るように、機械的な固定要素を備えることができる。接続デバイスは、自動電力及び極性設定のために接点のグリッドを形成することができる。
【0079】
上述の実施形態では、特定の分類インピーダンス及び分類試験電流に基づく分類処置を述べてきたが、他の実施形態では、分類処置は、他の分類インピーダンス及び分類試験電流に基づいていてもよい。
【0080】
接続デバイス接点が接地に、例えば建造物の保護接地に、又は別の接続デバイスの接続デバイス接点に誤って接続されている場合に接続デバイスが検出できるように、接続デバイスは、それぞれの接続デバイス接点に検出試験電圧が印加される場合に所定の試験検出電流を生じる直列抵抗を備えることができる。例えば、直列抵抗は、250Ωのインピーダンスを有することができ、それにより、接続デバイスは、試験検出電流が20mAである場合には、それ自体が接地又は別の接続デバイスに接続されていると判断することができ、この例では、検出試験電圧は5Vである。従って、20mAの試験検出電流を測定することによって、それぞれの接続デバイス接点が、接地に接続する別の接続デバイスに接続されている又は接地に直接接続されていることにより短絡されているかどうかが検出され得る。そのような偶発的な接続が検出された場合、これは、設置者等のユーザに示され得て、ユーザが接続デバイスを適切に接続できるようにする。従って、接続デバイスは、適正でない接続を示すために、光源、例えば発光ダイオード等の出力ユニットを備えることができる。
【0081】
接続デバイスがパワーバジェットを管理するように適合される場合、これは、好ましくは、DC電力分配システムが過負荷にならないことを保証するように実施される。
【0082】
更に、過電力保護を提供するために、それぞれの測定された電気的な値が対応する閾値よりも大きい場合、接続デバイスは、電流、電圧、及び/又は電力を測定して、電力提供をオフに切り替えるように適合され得る。特に、接続デバイスは、通常動作中、即ちパワーアップ後に電流を測定するように適合され得て、例えば短絡又は他の故障により、測定された電流が閾値よりも大きい場合、それぞれの電気デバイスに対する電力供給がオフに切り換えられ得る。
【0083】
DC電力分配システムの接続デバイスは、好ましくは、電気デバイスが、接続デバイスの2つ以上に、即ちパワージョイントに自由に接続され得るように適合される。更に、接続デバイスは、好ましくは、電気デバイスが接続デバイスに接続されているときに手が触れる可能性があるそれぞれの接続デバイスの全ての導電性の外面が絶縁材料で覆われるように適合されて、人の感電の可能性を減少し、腐食から封止する。
【0084】
上述の実施形態では、電気デバイスの正の側に第1の接続デバイスが接続され、電気デバイスの負の側に第2の接続デバイスが接続されるが、他の実施形態では、同じ側、即ち例えば同じ電気デバイス接点に複数の接続デバイスが接続され得る。これが当てはまる場合、電気デバイスの同じ側に接続された接続デバイスは、電流バランスが提供される、即ち電気デバイスの同じ側に接続された全ての接続デバイスが同じ電流を提供するように制御され得る。接続デバイスによって提供される電流を制御するために、図2を参照して上述した電力変換ユニット117、又はやはり図2を参照して上述したスイッチ109がそれに従って制御され得る。接続デバイスによって提供される電流を制御するためにスイッチが使用される場合、スイッチは、提供される電流を制限するために、線形モードでよく、又はパルス幅変調によって制御され得る。電流バランスを実施するために、電気デバイスの同じ側に接続された接続デバイスは、好ましくは、例えばPLCユニット116を介して、又は別の通信システムを介して互いに通信する。また、外部制御ユニット、例えば上述の電力管理ユニットが、電流バランスを実施するために使用され得て、この場合、外部制御ユニットは、それぞれの接続デバイスによって提供される電流を示す情報を様々な接続デバイスから受信することができ、制御ユニットは、それぞれの接続デバイスによって提供される電流を制御するための制御信号を接続デバイスに送信することができ、それにより様々な接続デバイスの間で電流のバランスが取られる。また、この場合、PLC又は別の通信システムが使用され得る。
【0085】
開示される実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から当業者には理解され、特許請求される発明を実施する際に実践され得る。
【0086】
特許請求の範囲において、用語「備える」は、他の要素又はステップを除外せず、単数詞は、複数を除外しない。
【0087】
単一のユニット又はデバイスが、特許請求の範囲に記載される幾つかの要素の機能を実現することができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されていることだけでは、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示さない。
【0088】
電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されているかどうかの検出、電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることが検出された場合のみのDC電力の提供、極性の決定、分類等、1つ又は複数のユニット又はデバイスによって行われる処置は、任意の他の数のユニット又はデバイスによって実施されてもよい。DC電力提供方法によるDC電力分配システムのこれらの処置及び/又は制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用ハードウェアとして実装され得る。
【0089】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一体に提供された又は他のハードウェアの一部としての適切な媒体、例えば光記憶媒体又はソリッドステート媒体に記憶/分散され得るが、他の形態でも、例えばインターネット又は有線若しくは無線電気通信システムを介しても分散され得る。
【0090】
特許請求の範囲内の任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0091】
本発明は、DC電力を照明装置等の電気デバイスに供給するための電源を備えるDC電力分配システムであって、電気デバイスの電気デバイス接点が接続される接続デバイス接点を備える接続デバイスと、電気デバイス接点が接続されているかどうか検出するための負荷存在検出ユニットと、電気デバイスの電気デバイス接点が接続デバイス接点に接続されていることを負荷存在検出ユニットが検出した場合にのみ、DC電力分配システムのDC電力を接続デバイス接点に提供するための電力提供制御ユニットとを含むDC電力分配システムに関する。従って、電気デバイスが接続されていない場合には電圧が接続デバイス接点に印加されず、それにより、腐食効果を低減し、設置者が感電する危険を減少する。
図1
図2
図3
図4
図5