特許第6363205号(P6363205)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6363205変換中のコンバーチブル型モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避する機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363205
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】変換中のコンバーチブル型モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避する機構
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20180712BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G06F3/0484
   G06F1/16 312F
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-541490(P2016-541490)
(86)(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公表番号】特表2017-500661(P2017-500661A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】CN2013090531
(87)【国際公開番号】WO2015096084
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】プツォルー,デイヴィッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウッドラフ,ブライアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】フオン,チュヨン
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,ケヴィン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,シアーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ケヴィー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥッタ,プロナイ
【審査官】 ▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−168618(JP,A)
【文献】 特開2011−204129(JP,A)
【文献】 特開2005−277775(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/147726(WO,A1)
【文献】 特開2002−258982(JP,A)
【文献】 特開2006−065989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 3/01
G06F3/03−G06F3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部がハードウェアで実装される制御ロジックであって、モバイルデバイスのベースユニット内の第1加速度計と、前記ベースユニットに取り付けられるディスプレイパネル内の第2加速度計とから収集される動作データを処理し、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断し、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間は前記モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避するよう、所定の時間の間、前記モバイルデバイスの1つ以上の入力デバイスを一時的に無視するか無効にするよう構成される制御ロジック
を備え、
前記制御ロジックは、前記ベースユニット内に配置される第1磁気計と前記ディスプレイパネル内に配置される第2磁気計から収集される磁気データに基づいて、前記ベースユニットに対する前記ディスプレイパネルの向きを決定し、前記第1及び第2加速度計から収集される動作データと、前記第1及び第2磁気計からの磁気データに基づいて前記モバイルデバイスの動作モードを決定するように構成される、デバイス。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断することは、前記ディスプレイパネルの面と前記ベースユニットの面との間の角度を決定することを備える、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記モバイルデバイスの前記動作モードは、クラムシェルモード、タブレットモード、テントモード及びスタンドモードのうちのいずれか1つであり、前記第1及び第2磁気計によって検出される磁場の強さ及び/又は極性に基づいて決定される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記制御ロジックは、前記モバイルデバイスの現在の動作モードを示す信号を、プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムに伝送し、前記オペレーティングシステムが、前記モバイルデバイスの前記決定された動作モードに適した前記モバイルデバイスの動作環境を調整することを可能にするよう構成される、
請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記制御ロジックは、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記ディスプレイパネルのタッチスクリーンから受け取られるいずれの入力も無視するように構成される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記制御ロジックは、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記モバイルデバイスのタッチパッドから受け取られるいずれの入力も無視するように構成される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御ロジックは、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記モバイルデバイスのキーボードから受け取られるいずれの入力も無視するように構成される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
モバイルシステムであって:
その中に配置されるプロセッサとメモリを有するベースユニットであって、その中に組み込まれる第1加速度計及び第1磁気計を有するベースユニットと;
前記ベースユニットに取り付けられるディスプレイパネルであって、モバイルデバイスが複数の動作モードで動作できるように、前記ベースユニットに対して回転可能に動く能力を有し、かつ、その中に組み込まれる第2加速度計及び第2磁気計を有するディスプレイパネルと;
少なくとも一部がハードウェアで実装される制御ロジックであって、前記第1及び第2加速度計から収集される動作データを処理して、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断し、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間は前記モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避するように、所定の時間の間、前記モバイルデバイスの1つ以上の入力デバイスを一時的に無視するか無効にするよう構成される制御ロジックと;
を備え、
前記制御ロジックは、前記第1及び第2磁気計から収集される磁気データに基づいて、前記ベースユニットに対する前記ディスプレイパネルの向きを決定し、前記第1及び第2加速度計から収集される動作データと、前記第1及び第2磁気計からの磁気データに基づいて前記モバイルデバイスの動作モードを決定する、モバイルシステム。
【請求項9】
前記制御ロジックは、前記ディスプレイパネルの面と前記ベースユニットの面との間の角度を決定し、その角度の変化に基づいて、前記ディスプレイパネルが、前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断するように構成される、
請求項8に記載のモバイルシステム。
【請求項10】
前記モバイルデバイスの前記動作モードは、クラムシェルモード、タブレットモード、テントモード及びスタンドモードのうちのいずれか1つであり、前記第1及び第2磁気計によって検出される磁場の強さ及び/又は極性に基づいて決定される、
請求項8に記載のモバイルシステム。
【請求項11】
前記制御ロジックは、前記モバイルデバイスの現在の動作モードを示す信号を、前記プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムに伝送し、前記オペレーティングシステムが、前記モバイルデバイスの前記決定された動作モードに適したモバイルデバイスの動作環境を調整することを可能にするよう構成される、
請求項10に記載のモバイルシステム。
【請求項12】
前記制御ロジックに結合されるタッチパネルコントローラを更に備え、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記制御ロジックは、前記ディスプレイパネルのタッチスクリーンから受け取られるいずれの入力も無視するように前記タッチパネルコントローラに指示するよう構成される、
請求項8に記載のモバイルシステム。
【請求項13】
前記制御ロジックに結合されるタッチパッド及びタッチパッドコントローラを更に備え、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記制御ロジックは、前記タッチパッドから受け取られるいずれの入力も無視するように前記タッチパッドコントローラに指示するよう構成される、
請求項8に記載のモバイルシステム。
【請求項14】
前記制御ロジックに結合されるキーボード及びキーボードコントローラを含み、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記制御ロジックは、前記キーボードから受け取られるいずれのキーストロークも無視するように前記キーボードコントローラに指示するよう構成される、
請求項8に記載のモバイルシステム。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、該プロセッサに動作を実行させるコンピュータプログラムであって、前記動作は、
モバイルデバイス内に配置され、少なくとも一部がハードウェアで実装される制御ロジックによって、前記モバイルデバイスのベースユニットに配置される第1加速度計と、前記モバイルデバイスのディスプレイパネル内に配置される第2加速度計とから動作データを収集するステップであって、前記ディスプレイパネルは、前記モバイルデバイスが複数の動作モードで動作することを可能にするよう、前記ベースユニットに対して回転可能に動作する能力を有する、ステップと、
前記制御ロジックによって、前記第1及び第2加速度計から収集される前記動作データに基づいて、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断するステップと、
前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間前記モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避するように、所定の時間の間、前記モバイルデバイスの1つ以上の入力デバイスを一時的に無視するか無効にするステップと、
前記制御ロジックによって、前記ベースユニット内に配置される第1磁気計と前記ディスプレイパネル内に配置される第2磁気計から収集される磁気データに基づいて、前記ベースユニットに対する前記ディスプレイパネルの向きを決定するステップと、
前記制御ロジックによって、前記第1及び第2加速度計から収集される動作データと、前記第1及び第2磁気計からの磁気データに基づいて前記モバイルデバイスの動作モードを決定するステップと、
を含む、コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いているかどうかを判断することは、前記ディスプレイパネルの面と前記ベースユニットの面との間の角度を決定することを備える、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記動作モードは、クラムシェルモード、タブレットモード、テントモード及びスタンドモードのうちのいずれか1つであり、前記第1及び第2磁気計によって検出される磁場の強さ及び/又は極性に基づいて決定される、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記動作は、前記モバイルデバイスの現在の動作モードを示す信号を、プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムに伝送するステップを更に備え、前記オペレーティングシステムが、前記モバイルデバイスの前記決定された動作モードに適した前記モバイルデバイスの動作環境を調整することを可能にする、
請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記動作は、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記ディスプレイパネルのタッチスクリーンから受け取られるいずれの入力も無視するステップを更に備える、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記動作は、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記モバイルデバイスのタッチパッドから受け取られるいずれの入力も無視するステップを更に備える、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記動作は、前記ディスプレイパネルが前記ベースユニットに対して動いている間、前記モバイルデバイスのキーボードから受け取られるいずれの入力も無視するステップを更に備える、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項15乃至21のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記録する非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に電子モバイルデバイスに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、モバイルデバイスの動作モードの遷移中に、モバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を防止することに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイスは、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス(MID)、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)及び他の同様のデバイスを含め、ビジネスや個人的使用を含む様々な目的のために多様なアプリケーションを提供する。
【0003】
モバイルデバイスは、ユーザがそのようなアプリケーションのために命令及び応答を入力することを可能にする1つ以上の入力機構を必要とする。モバイルデバイスがより小さくなり、更に充実した機能を有すると、減少した数のユーザ入力デバイス(スイッチ、ボタン、トラックボール、ダイアル、タッチセンサ及びタッチスクリーンのような)を使用して、増大する数のアプリケーション機能を実行する。
【0004】
「ツーインワン(Two-in-Ones)」とも呼ばれるウルトラブックコンバーチブル(Ultrabook(登録商標)convertibles)は、図1に示されるクラムシェル(従来的なラップトップ)モード101と、タブレットモード102で動作する能力を有する。一部のウルトラブックコンバーチブルは、テントモード103及びスタンドモード104においても動作することができる。クラムシェルモードは、画面がキーボードに面して2つが平行になるクラムシェル閉モードと、画面が横長の向き(landscape orientation)でユーザに面して、クラムシェル閉状態から180°未満で開いたクラムシェル開モードのいずれかとすることができる。テントモードは、画面が、横長の向き又は反転した(ひっくり返された:inverted)横長の向きでユーザに面していて、クラムシェル閉状態から180°以上開いているが、タブレット(360°)状態までは完全には開いていない構成を指す。タブレットモードは、画面が、横長、縦長、反転した横長又は反転した縦長の向きでユーザに面している構成を指す。キーボードは、画面とは反対の方向に面していて、この2つは平行である。スタンドモードは、画面が横長モードでユーザに面し、キーボードがテーブル上にくっついて置かれている構成を指す。画面はキーボードに対して270度と360度の間で接合される。
【0005】
モード間の変換は、画面又はディスプレイパネルが、ベースユニットの一部としてのキーボードの上面に折り重なるよう、あるいはキーボードを隠すよう、画面又はディスプレイパネルをフリップするか、ねじる必要がある。これを行う間、ユーザがシステムの一部を意図せずに触る可能性があり、この接触が副次的影響を招く。例えばユーザが誤ってタッチスクリーンを触り、これによりカーソルの入力フォーカスが変わる可能性があり、あるいはユーザが押そうとしていないキーボード上のキーを押してしまう可能性がある。意図せずに接触される可能性があるシステムの他の部分には、タッチパッド、タッチパッドボタン、あるいは音量アップ、音量ダウン、ミュート、画面回転ロック又は電源ボタン等のシステムボタンがある。システムに予想外の反応をさせること(例えばクラムシェルモードとタブレットモードとの変換の間にユーザが意図せずに電源ボタンを触ったことによるシャットダウン)は、不適切なユーザ経験である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態は、限定ではなく例として添付の図面に図示されており、図面では同様の参照番号は、同様の要素を指す。
図1】コンバーチブル型モバイルデバイスの特定の動作モードを示す図である。
図2】一実施形態に係るモバイルデバイスを例示するブロック図である。
図3】一実施形態に係るモバイルデバイスのアーキテクチャを例示するブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る異なるコンポーネントの間の特定のトランザクションを例示するタイムラインの図である。
図5】一実施形態に従ってモバイルデバイスを動作する方法を例示するフロー図である。
図6】一実施形態に係るモバイルデバイスの特定の動作モードを例示するブロック図である。
図7】一実施形態に従ってモバイルデバイスの動作モードを決定する方法を例示するフロー図である。
図8】一実施形態に係るモバイルデバイスを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な実施形態及び態様は、以下で議論される詳細と関連して説明されることになり、添付の図面は様々な実施形態を図示するであろう。以下の説明及び図面は、本発明の例示であって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するよう、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、特定の例では、本発明の実施形態の簡潔な議論を提供するために、周知又は従来的な詳細は説明されない。
【0008】
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態において」というフレーズの登場は、必ずしも全て同じ実施形態を指していない。
【0009】
本発明の実施形態は、一般に、モバイルデバイスの動作についてのタッチセンサジェスチャの認識を対象とする。
【0010】
本明細書で使用されるとき、「モバイルデバイス」は、モバイル電子デバイス又はシステムを意味し、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス(MID)、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)及び他の同様のデバイスを含む。
【0011】
「タッチセンサ」は、ユーザの物理的なタッチによって生成される入力信号を提供するように構成されるセンサを意味し、デバイス又はシステムのユーザの親指又は他の指による接触を検出するセンサを含む。
【0012】
一部の実施形態において、モバイルデバイスは、信号の入力のためのタッチセンサを含む。一部の実施形態において、タッチセンサは、複数のセンサ素子を含む。一部の実施形態では、方法、装置又はシステムは:(1)複数の同時ユーザインタフェースモードのためのゾーン型タッチセンサ;(2)アプリケーションに基づくジェスチャ識別アルゴリズムの選択;及び(3)タッチセンサのニューラルネットワークの光学的較正を提供する。
【0013】
一部の実施形態において、モバイルデバイスは、モバイルユーザの指による操作用に設計される計装面(instrumented surface)を含む。一部の実施形態において、モバイルデバイスは、モバイルデバイスユーザの親指(又は他の指)により特にアクセス可能であり得るデバイスのサイド上のセンサを含む。一部の実施形態において、センサの面は、任意の形状で設計され得る。一部の実施形態において、センサは、サドル形状の楕円形の交点(oblong intersection)として構築される。一部の実施形態において、タッチセンサは、タッチセンサと対話するのに使用される親指と比べて比較的小さい。
【0014】
一部の実施形態において、センサのための器具使用(instrumentation)は、容量センサ及び/又はデバイス入力素子の面の下に組み込まれる光若しくは他のタイプのセンサの使用を通して行われる。一部の実施形態において、これらのセンサは、全体的な感度及び信号の精度を向上させるため、複数の可能性のあるパターンのうち1つで配置されるが、(例えばセンサエリアのエッジでの動き、小さな動き又は特定のジェスチャを含む)異なる動作又は特徴に対して感度を向上させるように配置されてもよい。容量センサのための多くの異なるセンサ配置が可能であり、これには限定されないがセンサ配置を含む。
【0015】
一部の実施形態において、センサは、センサとインタフェースし、かつ標準のインタフェースバス等のバスを介して汎用プロセッサ等のコンピュータプロセッサと接続するよう設計される、制御集積回路を含む。一部の実施形態において、サブプロセッサは、センサ入力データを収集する責任を有するコンピュータプロセッサに様々に接続され、この場合、コンピュータプロセッサは、アプリケーション(適用)に応じて一次CPUであっても二次マイクロコントローラであってもよい。一部の実施形態において、センサデータは、全てのセンサ入力を処理する責任を有するプロセッサにこのデータが到達する前に、複数のサブプロセッサを通過することがある。
【0016】
一部の実施形態によると、コンバーチブル型ウルトラブックのようなモバイルデバイス又はモバイルシステムは、センサロジック(センサコントローラ、センサ制御ロジック、センサマイクロコントローラ又は単に制御ロジックとも呼ばれる)を含み、このセンサロジックは、モバイルデバイスの蓋又はディスプレイパネル内とベースユニット内に配置される2つの加速度計に接続してこれらを制御し、蓋とベースユニットの相対的な角度をモニタする。蓋とベースユニットとの間の角度が変化し始めると、センサロジックは、変換(例えばクラムシェルからスレートへ、あるいはその反対)が起こっていることを指示するよう信号をもたらす。組込みコントローラ(EC:embedded controller)又は制御ロジックは、他のコントローラ(タッチコントローラ、タッチパッドコントローラ)とともにこの信号を受け取り、変換期間の間、一時的に、これらの機能を無効にするか、対応するセンサ又はキーボードから受け取った入力信号を無視する。これを行うことにより、変換処理中の意図しないユーザ入力の発生を低減することが可能である。
【0017】
別の実施形態によると、2つの加速度計を使用することに加えて、モバイルデバイスは更に、加速度計との組合せで1つ以上の磁気計を含み、モバイルデバイスが動作している動作モードを決定する。一実施形態において、蓋とベースがタブレットモード又はクラムシェル閉モードで同一平面上にあるとき、磁気計は蓋状態の確認(confirmation)を提供する。加速度計は、3次元で重力方向(gravity)に対する面の角度を測定することができる。2つの加速度計を有するウルトラブックは、蓋とベースとの間の重力方向に対する角度の差を使用して、2つの面の間の角度を計算することができる。対向する面上の磁石と反対に配置される一方の面内の磁気計を使用して、面の向き(orientation)を感知することができる。例えば蓋が閉じているとき、磁場は強い陽極性(strongly positive)であり、蓋が開いているとき、磁場は強い陰極性(strongly negative)であり得る。1つ以上の軸上で観察される磁場の強さは、強い陽極性又は強い陰極性であり得る。加速度計及び磁気計からの情報は、センサソリューションにおける他の物理的又は融合センサと組み合されてよく、その面の空間及び位置におけるプラットフォームの位置の正確な表現を計算することができる。動作モードを表す情報に基づいて、オペレーティングシステム(OS)は、検出された動作モードに対してより適切な動作環境を再構成するか、調整を行うことができる。
【0018】
図2は、一実施形態に係るモバイルデバイスを例示するブロック図である。図2を参照すると、モバイルデバイス200は、(ディスプレイパネルとも呼ばれる)1つの面上にディスプレイ画面を有する蓋250及びベースユニット(又は単にベース)260の上にそれぞれ配置される、1つ以上の加速度計202A及び202Bを含む。制御ロジック201(例えばセンサロジックのようなマイクロコントローラ等)が、加速度計202A〜202Bに結合されて、加速度計202A〜202Bによってキャプチャされた動作データを処理し、ベースユニット260に対する蓋250の角度を決定する。制御ロジック201は、以下で説明される機能のような、複数の機能を実行することができるハードウェアコントローラを含み得る。本出願を通して、コントローラは、ハードウェア、ソフトウェア又はその組合せとして実装され得る制御ロジックの例として使用される。蓋250とベース260との間の角度の変化に基づいて、センサロジック201は、蓋250が、ベース260に対して動いているかどうか(例えば閉、開、フリップ、ひねる、回転又はその組合せ)を判断することができる。蓋250が動いている場合、一実施形態によると、センサロジックは、ほとんどのユーザがモバイルデバイスの異なるモードの遷移を完了させることになる所定の時間の間、ユーザ入力を受け取るようタッチスクリーンやタッチパッド又はキーボード等の他の入力デバイス又は回路を制御するコントローラを一時的に無効し、あるいはそのような入力デバイス又は回路に当該入力デバイスとのいずれのユーザ対話も無視させることができる。一実施形態において、所定の時間は、約1秒から3秒の間に及ぶことがあり、この所定の時間は、ユーザ又は管理者が構成可能であり、モバイルデバイスの持続的なストレージエリアに格納され得る。したがって、入力デバイス又は回路との意図しないユーザ対話を回避することができる。
【0019】
別の実施形態によると、モバイルデバイス200は更に、蓋250とベース260内にそれぞれ配置される1つ以上の磁気計203A〜203Bを含む。磁気計203A〜203Bから収集される磁気データに基づいて、センサロジック201は、ベース260に対する蓋250の向きを計算又は決定することができる。ベース260に対する蓋250の向きに基づいて、センサロジック201は、モバイルデバイス200がどの動作モード(例えば図1に示されるようなクラムシェルモード、タブレットモード、テントモード及びスタンドモード)で動作しているかを決定することができる。センサロジック201は、この情報を、オペレーティングシステム等の他のソフトウェアに通信することができ、これにより、オペレーティングシステムは、その特定の動作モードに最も最適であるモバイルデバイス200の動作環境を調整することができる。
【0020】
図3は、一実施形態に係るモバイルデバイスのアーキテクチャを例示するブロック図である。モバイルデバイス300は、図2のデバイス200の一部として実装され得る。図3を参照すると、モバイルデバイス300はセンサロジック201を含み、センサロジック201は、それぞれ動作データ及び磁気データを受け取って処理する1つ以上の加速度計202及び1つ以上の磁気計203に結合される。加速度計202は、モバイルデバイスの蓋とベースユニット上に配置され得る。一実施形態では、加速度計202によって収集される動作データ(例えば蓋とベースとの間の角度の変化)に基づいて、方向検出器302が、基準信号304を考慮して、蓋(ディスプレイパネル)がベースユニットに対して及び/又は移動方向に対して動いているかどうかを決定するよう構成される。蓋がベースに対して動いていると判断される場合、センサロジック201は、組込みコントローラ301に信号を送信することにより通知するよう構成される。組込みコントローラ301は、その後、ユーザ入力デバイスとの全ての意図しないユーザ対話を回避するため、他のコントローラを無効にするか、他のコントローラに、関連するユーザ入力デバイス又は回路を無視させる。
【0021】
一実施形態において、組込みコントローラ301は、タッチスクリーンコントローラ305を無効にするか、タッチスクリーンコントローラ305に、関連するタッチスクリーン309とのいずれのユーザ対話も無視させることができる。組込みコントローラ301は、タッチパッドコントローラ306を無効にするか、タッチパッドコントローラ306に、関連するタッチパッド310とのいずれのユーザ対話も無視させることができる。組込みコントローラ301は、キーボードコントローラ307を無効にするか、キーボードコントローラ307に、関連するキーボード311とのいずれのユーザ対話も無視させることができる。同様に、組込みコントローラ301は、例えばシステムボタン(例えば音量ボタン、ミュートボタン、画面回転ロックボタン、電源ボタン)のような、他の入力デバイスを無効にするか無視することができる。
【0022】
一実施形態によると、蓋の角度に対する変化を検出することは、センサロジック201内に現在の蓋の角度を格納し、図4に示されるように、測定される加速度が変化する場合、中断(interrupt)を生じるようにベースの加速度計と蓋の加速度計の双方を構成することによって実行される。図4を参照すると、この中断が生じるとき、センサロジック201は、双方とも重力方向に向くことになる両加速度計202A〜202Bの現在の値を読み取り、加えてプラットフォームのユーザの操作から何らかの追加の加速度を読み取る。センサロジック201は、2つの加速度値を使用して蓋とベースとの間の角度を計算し、新たな角度値を以前の角度読取値と比較する。読取値が異なる場合、これは、蓋とベースとの間の角度が変化している(すなわち変換イベントが発生している)ことを示す。変換イベントが発生しているとき、センサロジック201は、信号(例えば汎用入出力:GPIO(general-purpose input-output)信号)をアサートする。この信号は、組込みコントローラ301によって受け取られ、組込みコントローラ301は、電源ボタン、音量ボタン及びキーボード等のような1つ以上の入力デバイスを制御する。この信号は、タッチパネルコントローラ305及びタッチパッドコントローラ306によっても受け取られる。これらのデバイスは全て、信号を受け取ると、全ての入力を一時的にマスクする。センサロジック201は、蓋とベースとの間の角度に対して検出される更なる変化なしに短い時間(例えば100ミリ秒又はms)が経過した後、信号のアサートを停止することになる。信号がデアサート(deassert)されると、組込みコントローラ301、タッチパネルコントローラ305、タッチパッドコントローラ306及び任意の他のデバイスは、入力のマスクを停止して通常の動作を再開する。
【0023】
図3に戻ると、センサロジック201は更に、磁気計203から取得した磁気データを処理して、モバイルデバイスの向きを決定する向き検出器303を含む。磁気計203から収集される磁気データと、加速度計202から収集される動作データとに基づいて、センサロジック201は、モバイルデバイスが動作しているのはどの動作モードであるか(例えばクラムシェル、タブレット、テント及びスタンドモード)を決定することができる。検出された動作モードに基づいて、更なる構成が調整されることもある。
【0024】
図5は、一実施形態に従ってモバイルデバイスを動作させる方法を例示するフロー図である。方法500は、ソフトウェア、ハードウェア又はその組合せを含む処理ロジックによって実行され得る。例えば方法500は、センサロジック201及び/又は組込みコントローラ301によって実行され得る。図5を参照すると、ブロック501において、処理ロジックは、モバイルデバイス内に配置される1つ以上の加速度計から取得される動作データに基づいて、モバイルデバイスの蓋/ディスプレイパネルとベースとの間の動きを決定する。ブロック502において、処理ロジックは、任意選択により、モバイルデバイス内に配置される1つ以上の磁気計から取得される磁気データに基づいて、ベースに対する蓋の向きを決定する。ブロック503において、処理ロジックは、動作データ及び/又は磁気データに基づいて、モバイルデバイスが第1の動作モード(例えばクラムシェルモード)から第2の動作モード(例えばタブレットモード)に遷移していることを決定する。504において、処理ロジックは、所定の時間の間、モバイルデバイスの1つ以上の入力デバイス又はインタフェース(例えばタッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、他のボタン)を一時的に無効にするか無視して、全ての意図しないユーザアクションを回避する。一実施形態において、所定の時間は約1秒から3秒に及び、この時間は、ユーザ又は管理者が構成可能であり、モバイルデバイスの持続的なストレージエリア(例えばBIOSのようなハードドライブ又は読取専用メモリ)に格納され得る。
【0025】
上述のように、一部のモバイルデバイス、例えば360度のヒンジのツーインワンのウルトラブックの設計は、従来的なクラムシェルノートブックとして、タブレットデバイスとして構成されてよく、テントモードではヒンジを上にし、あるいはスタンドモードではヒンジをフラットにしてテーブル上に立つ。プラットフォームの機能を有効又は無効にするために、システムにとって、ベースに対する蓋の角度を知ることはより良いことである。例えばタブレット、テント、スタンド又は蓋が閉じたモードでは、キーボード及びタッチパッドを無効にすることができる。蓋が閉じているときは、スクローンがターンオフされ、パワーセーブ機能が有効にされ得る。一実施形態によると、タブレットモード又は蓋が閉じたモードにおいて蓋とベースが同一平面上にあるとき、磁気計は蓋状態の確認を提供する。
【0026】
加速度計は、3次元で重力方向に対する面の角度を測定することができる。2つの加速度計を有するウルトラブックは、蓋とベースとの間の重力方向に対する角度の差を使用して、2つの面の間の角度を計算することができる。対向面上の別の磁気計(例えば第2の磁気計)の反対に配置される一方の面内の磁気計(例えば第1の磁気計)を使用して、その面の向きを感知することができる。例えば蓋が閉じているとき、磁場は強い陽極性である可能性があり、蓋が開いているとき、磁場は強い陰極性である可能性がある。1つ以上の軸上で観察される磁場の強さは、強い陽極性又は強い陰極性であり得る。加速度計及び磁気計からの情報は、センサソリューションにおける他の物理又は融合センサと組み合わされてよく、その表面の空間及び位置におけるプラットフォームの位置の正確な表現を計算することができる。そのような情報は、蓋の閉イベント及び開イベントのようなイベントの形でオペレーティングシステム(OS)に通信されてもよく、これは、次いでシステムを、例えばスタンバイ状態に入るかスタンバイ状態を出ること等のように、異なる手法で動作させる。
【0027】
一実施形態によると、モバイルデバイスは、少なくとも1つの磁気計を含み、蓋の閉状態とタブレット状態を区別する。蓋の角度計算がセンサロジック(例えばマイクロコントローラ)で実行しているために、システムが低電力状態にあるときも、継続的に接続型スタンバイ(connected standby)で動作し、蓋の角度の関する状態を維持することができる。プラットフォームの構成を常に認識することは、プラットフォームが低電力状態にある間に面が動かされたとしても、システムは予測されるとおりに挙動するので、より良いユーザ経験をもたらすことになる。センサロジックは、プラットフォームの電力状態を認識しているので、蓋が、蓋の閉位置又はタブレット位置に近くなるまで、磁気計を感知する蓋を無効にすることによって、電力をセーブすることができる。センサロジックはまた、動きが第1の加速度計において検出されるまで第2の加速度計を無効にすることによって、電力をセーブすることもできる。一実施形態において、加速度計によって与えられる動作データ及び磁気計によって与えられる磁気データに基づいて、例えば図6に示されるように、モバイルデバイスの動作モード(例えばクラムシェル、タブレット、テント及びスタンドモード)を決定することができ、そしてモバイルデバイスの動作モードに基づいて、オペレーティングシステムは、その特定の動作モードに適切な動作環境を構成又は調整することができる。
【0028】
典型的なクラムシェルシステムでは、キーボード上の任意のキーを押すことにより、プラットフォームコントローラハブ(PCH:platform controller hub)におけるGPIO変化状態が生じることになる。PCHは、プロセッサ又はCPUとともに使用されるサポート機能及び特定のデータ経路を制御する。これは、クロッキング(システムクロック)、フレキシブル・ディスプレイ・インタフェース(FDI:Flexible Display Interface)及びダイレクト・メディア・インタフェース(DMI:Direct Media Interface)を含むが、FDIは、集積グラフィクス(integrated graphics)を用いるプロセッサをサポートするのにチップセットが必要とされるときにのみ使用される。したがって、I/O機能は、以前のアーキテクチャと比べて、この新たな中央ハブとプロセッサとの間で再割り当てされる:すなわち、以前のアーキテクチャでは、一部のノースブリッジ機能、メモリコントローラ及びPCI-eレーンはCPUに統合されていたが、PCHはサウスブリッジの従来的な役割に加えて、残りの機能を引き受けていた。典型的にPCHは、オペレーティングシステムによって、これが生じるときにシステムを起こすよう構成されているであろう。問題となるGPIOは、組込みコントローラによって駆動されることが多く、これは実際にキーの押下を検出するデバイスである。360°ヒンジシステムでは、キーボードは単に、クラムシェル状態のときに(システムがそのようにするよう構成されていると仮定すると)潜在的なシステム起動を引き起こすべきである。これは、プラットフォームが、異なる電力状態にあるときにクラムシェル状態対閉、テント又はタブレットモードを区別できることを必要とする。ECは、クラムシェル状態対他の状態を検出し、ボタン押下された指示を転送することができるよう想定される。
【0029】
システムがクラムシェル状態か否かを判断するために、ECは、センサロジックからの入力GPIOに依拠する。このGPIOは、TABLET_MODE GPIO(タブレットモードGPIO)と呼ばれる。センサロジックは、一方が蓋内にあり、もう一方がベース内にある2つの加速度計を使用して、これらの間の重力ベクトルの読取値(gravity vector reading)における差を測定して、これらの間の角度(0〜360°)を決定する。角度が>180°の場合、センサロジックはTABLET_MODE GPIOの状態をアクティブ(High:高)に設定する。角度が≦180°の場合、センサロジックは、TABLET_MODE GPIOの状態を非アクティブ(Low:低)に設定する。
【0030】
対処しなければならない角条件(corner condition)が存在すること、0°状態と360°状態は、加速度計を使用するだけでは区別不可能であることが認識される。したがって、磁気計を使用して、これらの2つの状態間を区別する。磁石(又はスピーカのような磁気物体)をシステムの反対の面に配置する。蓋がベースの角度に対して0°又は360°に近いことを加速度計が示すと、システムのベース内の磁気計を使用して、その磁石の相対的な極性を検出する。磁石の極性は、システムが閉じているか(0°)タブレット構成であるか(360°)を示す。センサロジックは、蓋の角度と磁気計の状態の組合せを使用して、LID_OPEN_GPIOと呼ばれるGPIOをトリガする。
【0031】
典型的なクラムシェルシステムでは、LIDを閉じる又は開けることにより、PCH上でGPIO変化状態が起こる。典型的に、PCHは、OSによって、この変化状態が生じるとき(潜在的に、蓋を開ける指示に対してこれを起動する)、システムに通知するように構成されているであろう。問題となるGPIOは、ホール効果スイッチにより直接又は(例えばECを介して)間接的に駆動され得る。典型的に、ホール効果スイッチはベース内に配置されることになり、この場合、蓋内の磁石は、蓋が閉じる又は開くときにホール効果スイッチが状態を変化させるように向けられる。ホール効果スイッチは、蓋内に配置されてもよいが、これは望ましくない蓋とベースとの間の追加のワイヤを必要とする。
【0032】
360°ヒンジシステムでは、ホール効果スイッチは、蓋の閉/開と、タブレットモードに入ること/出ることを区別することができないであろう。これは、両シナリオでは、蓋内の磁石を、ホール効果スイッチから極めて近くに持っていくか、あるいは極めて近くから取り出すという事実に起因する。ホール効果スイッチの代わりに、センサロジックを360°ヒンジシステム内で使用して、蓋の閉/蓋の開を検出する。センサロジックは、蓋及びベース内で加速度計を使用し、システムが蓋の閉状態又はタブレットモード状態に入る/出るかどうかを判断し、次いで磁気計に加えて既知の極性の磁石を使用して、蓋の閉/開の遷移と、タブレット入/出の遷移とを区別する。この情報に基づいて、センサロジックは、蓋の閉イベント又は蓋の開イベントを指示するよう、PCHに対するGPIO信号の状態を変更する。
【0033】
図7は、一実施形態に従って、モバイルデバイスの動作モードを決定する方法を例示するフロー図である。方法700は、ソフトウェア、ハードウェア又はその組合せを含み得る処理ロジックによって実行され得る。例えば方法700は、センサロジック201及び/又は組込みコントローラ301によって実行され得る。図7を参照すると、ブロック701において、センサロジックは、モバイルデバイスの蓋とベースとの間の動きを検出する。ブロック702において、センサロジックは、蓋とベースとの間の角度を計算して更新する。ブロック703において、センサロジックは、以前の角度からの角度の変化が5度より大きいかどうかを判断する。5度超でない場合は、ブロック704において何もアクションを取る必要がない;そうではなく、5度より大きい場合は、ブロック705において、新たな角度を格納して、信号をアサートし、タイマーをアクティブにする。ブロック706において、角度の変化が、−10度より大きく(例えば350度)かつ10度より小さいかどうかを判断する。そうである場合、ブロック707において、磁気計を読み取り、ブロック709において蓋が閉じているかどうかを判断する。蓋が閉じている場合、モバイルデバイスは、ブロック712においてクラムシェル閉モードで動作しており、そうでない場合、モバイルデバイスは、ブロック711において、テント、スタンド又はタブレットモードで動作している。
【0034】
角度が−10度から10度の範囲内でない場合、ブロック708において、角度が10度より大きくかつ180度より小さいかどうかを判断する。そうである場合、ブロック710において、モバイルデバイスはクラムシェル開モードで動作している。そうでない場合は、ブロック711において、モバイルデバイスは、テント、スタンド又はタブレットモードで動作している。
【0035】
一実施形態において、モバイルデバイスは、その上に配置されるプロセッサとメモリを有するベースユニットであって、その中に組み込まれる第1の加速度計を有するベースユニットと;ベースユニットに取り付けられるディスプレイパネルであって、モバイルデバイスが複数の動作モードで動作できるように、ベースユニットに対して回転可能に動く能力を有し、かつ、その中に組み込まれる第2の加速度計を有するディスプレイパネルと;第1及び第2の加速度計から収集される動作データを処理して、ディスプレイパネルがベースユニットに対して動くかどうかを判断し、ディスプレイパネルが動く間はモバイルデバイスとの意図しないユーザ対話を回避するように、所定の時間の間、モバイルデバイスの1つ以上の入力デバイスを一時的に無視するか無効にするよう構成されるコントローラと;を含む。コントローラは、ディスプレイパネルの面とベースユニットの面との間の角度を決定し、その角度の変化に基づいて、ディスプレイパネルが、ベースユニットに対して動くかどうかを判断するように構成される。モバイルデバイスは更に、ベースユニット内に配置される第1の磁気計と、ディスプレイパネル内に配置される第2の磁気計を含み、コントローラは、第1及び第2の磁気計から収集される磁気データに基づいて、ベースユニットに対するディスプレイパネルの向きを決定するように構成される。コントローラは、第1及び第2の磁気計によって検出される磁場の強さ及び/又は極性に基づいて、モバイルデバイスが、クラムシェルモード、タブレットモード、テントモード及びスタンドモードのうちの1つで動作するかどうかを判断することになる。コントローラは、磁気データに基づいてモバイルデバイスの現在の動作モードを示す信号を、プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムに伝送し、オペレーティングシステムが、モバイルデバイスの決定された動作モードに適したモバイルデバイスの動作環境を調整することを可能にするように構成される。モバイルデバイスは更に、コントローラに結合されるタッチパネルコントローラを含み、コントローラは、ベースユニットに対するディスプレイパネルの移動中に、ディスプレイパネルのタッチスクリーンから受け取られるいずれの入力も無視するようにタッチパネルコントローラに指示するよう構成される。モバイルデバイスは更に、コントローラに結合されるタッチパッド及びタッチパッドコントローラを含み、コントローラは、ベースユニットに対するディスプレイパネルの移動中に、タッチパッドから受け取られるいずれの入力も無視するようにタッチパッドコントローラに指示するよう構成される。モバイルデバイスは更に、コントローラに結合されるキーボード及びキーボードコントローラを含み、コントローラは、ベースユニットに対するディスプレイパネルの移動中に、キーボードから受け取られるいずれのキーストロークも無視するようにキーボードコントローラに指示するよう構成される。
【0036】
図8は、本発明の一実施形態とともに使用され得るデータ処理システムの例を示すブロック図である。例えばシステム900は、上述の処理又は方法のいずれかを実行する上述のデータ処理システムのいずれかを表すことができる。システム900は、多くの異なるコンポーネントを含むことができる。これらのコンポーネントは、集積回路(IC)、その一部、別個のデバイス又はコンピュータシステムのマザーボードやアドインカード等のような回路基板に適合される他のモジュールとして、あるいは、コンピュータシステムのシャーシ内に他の方法で組み込まれるコンポーネントとして実装されることが可能である。システム900は、コンピュータシステムの多くのコンポーネントの高レベルなビューを示すよう意図されていることにも留意されたい。しかしながら、特定の実装では追加のコンポーネントが存在してもよく、さらに、他の実装では、図示されるコンポーネントの異なる構成もあり得ることが理解されよう。システム900は、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、サーバ、携帯電話、メディアプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナルコミュニケータ、ゲームデバイス、ネットワークルータ若しくはハブ、無線アクセスポイント(AP)若しくはリピータ、セットトップボックス又はこれらの組合せを表すことができる。
【0037】
一実施形態において、システム900は、バス又は相互接続910を介してプロセッサ902、メモリ903及びデバイス905〜908を含む。プロセッサ901は、シングルプロセッサコア又はマルチプロセッサコアがその中に含まれる、シングルプロセッサ又はマルチプロセッサを表してもよい。プロセッサ901は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)等のような1つ以上の汎用プロセッサを表してもよい。より具体的には、プロセッサ901は、複数命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、あるいは他の命令セットを実装するプロセッサ又は命令セットの組合せを実装するプロセッサとすることができる。プロセッサ901は、1つ以上の専用プロセッサ、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、セルラ又はベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、グラフィクスプロセッサ、ネットワークプロセッサ、通信プロセッサ、暗号プロセッサ、コプロセッサ、組込みプロセッサ又は命令を処理することができる任意の他のタイプのロジックとすることもできる。
【0038】
プロセッサ901は、例えば超低電圧プロセッサのような低電力のマルチコアプロセッサソケットとすることができ、システムの様々なコンポーネントとの通信のために主処理ユニット及び中央ハブとして動作することができる。そのようなプロセッサはシステムオンチップ(SoC)として実装され得る。一実施形態において、プロセッサ901は、i3、i5、i7のようなIntel(登録商標)Architecture Core(登録商標)ベースのプロセッサ、あるいはカルフォルニア州サンタクララのIntel社から入手可能な別のそのようなプロセッサとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、カルフォルニア州サニーベールのAdvanced Micro Devices社(AMD)から入手可能なもの、ARMホールディングスによるARMベースの設計又はMIPSテクノロジによるMIPSベースの設計又はそのライセンシーや採用者等から入手可能なような他の低電力プロセッサが代わりに存在してもよい。
【0039】
プロセッサ901は、本明細書で議論される動作及びステップを実行するための命令を実行するよう構成される。システム900は更に、ディスプレイコントローラ及び/又はディスプレイデバイスを含み得る、グラフィクスサブシステム904と通信するグラフィクスインタフェースを含む。
【0040】
プロセッサ901は、メモリ903と通信することができ、実施形態においては、メモリ903は、複数のメモリデバイスを介して所与の量のシステムメモリを提供するよう実装されることが可能である。例として、メモリは、JEDEC(Joint Electron Devices Engineering Council)のLPDDR(low power double data rate)ベースの設計、例えばJEDEC JESD 209-2E(2009年4月公表)による現在のLPDDR2規格、あるいはLPDDR2に対する拡張を提示して帯域幅を増加させることになるLPDDR3とも呼ばれる次世代のLPDDR規格に従うものとすることができる。例として、2/4/8ギガバイト(GB)のシステムメモリが存在することがあり、1つ以上のメモリ相互接続を介してプロセッサ901に結合され得る。様々な実装において、個々のメモリデバイスは、シングルダイパッケージ(SDP)、デュアルダイパッケージ(DDP)又はクオードダイパッケージ(QDP)のような異なるパッケージタイプのものとすることができる。一部の実施形態では、これらのデバイスをマザーボードに直接はんだ付けして、低プロファイルのソリューションを提供することができ、他の実施形態では、デバイスは、所与のコネクタによってマザーボードに結合することができる、1つ以上のメモリモジュールとして構成され得る。
【0041】
メモリ903は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、静的RAM(SRAM)又は他のタイプのストレージデバイスのような、1つ以上の揮発性ストレージ(又はメモリ)デバイスを含み得る。メモリ903は、プロセッサ901又は任意の他のデバイスによって実行される命令のシーケンスを含め、情報を格納することができる。例えば様々なオペレーティングシステム、デバイスドライバ、ファームウェア(例えば入出力基本システム又はBISO)及び/又はアプリケーションの実行可能コード及び/又はデータをメモリ903内にロードして、プロセッサ901によって実行することができる。オペレーティングシステムは、例えばMicrosoft(登録商標)によるWindows(登録商標)オペレーティングシステム、AppleによるMacOS(登録商標)/iOS(登録商標)、Google(登録商標)のAndroid(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)又はVxWorksのような他のリアルタイム若しくは組込みオペレーティングシステムのような任意の種類のオペレーティングシステムとすることができる。
【0042】
システム900は更に、無線トランシーバ905、入力デバイス906、オーディオIOデバイス907及び他のIOデバイス908を含む、デバイス905〜908のようなIOデバイスを含み得る。無線トランシーバ905は、WiFiトランシーバ、赤外線トランシーバ、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、WiMaxトランシーバ、無線携帯電話トランシーバ、衛星トランシーバ(例えば全地球測位システム(GPS)トランシーバ)又は他の無線周波数(RF)トランシーバ又はその組合せとすることができる。
【0043】
入力デバイス906は、マウス、タッチパッド、(ディスプレイデバイス904と一体化され得る)タッチセンサ型スクリーン、スタイラス等のポインタデバイス及び/又はキーボード(例えば物理的キーボード又はタッチセンサ型スクリーンの一部として表示される仮想キーボード)を含み得る。例えば入力デバイス906は、タッチスクリーンに結合されるタッチスクリーンコントローラを含み得る。タッチスクリーン及びタッチスクリーンコントローラは、容量式、抵抗性、赤外線及び表面音響波技術を含む複数のタッチセンサ技術、並びにタッチスクリーンとの1つ以上の接触点を決定するための他の近接性センサアレイ又は他の要素を使用して、例えば接触及び動き、あるいその中断(break)を検出することができる。
【0044】
オーディオIOデバイス907は、音声認識、音声複製(voice replication)、デジタル記録及び/又は電話機能のような、音声対応型の機能を容易にするスピーカ及び/又はマイクロフォンを含み得る。他のオプションのデバイス908は、ストレージデバイス(例えばハードドライブ、フラッシュメモリデバイス)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、パラレルポート、シリアルポート、プリンタ、ネットワークインタフェース、バスブリッジ(例えばPCI-PCIブリッジ)、センサ(例えば加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、光センサ、コンパス、近接性センサ等)又はその組合せを含み得る。オプションのデバイス908は更に、画像処理サブシステム(例えばカメラ)を含んでよく、このような画像処理サブシステムには、写真やビデオクリップの記録のようなカメラ機能を容易にするために使用される、電荷結合素子(CCD)又は相補型MOS(CMOS)光学センサといった光センサが含まれ得る。特定のセンサは、センサロジック(図示せず)を介して相互接続910に結合され、一方、キーボード又は熱センサのような他のデバイスは、システム900の特定の構成又は設計に応じて、組込みコントローラ(図示せず)によって制御され得る。
【0045】
データ、アプリケーション、1つ以上のオペレーティングシステム等のような情報の永続的なストレージを提供するために、大容量ストレージ(図示せず)がプロセッサ901に結合してもよい。様々な実施形態において、より薄くて軽いシステム設計を可能にし、さらにはシステムの応答性を改善するために、この大容量ストレージが半導体デバイス(SSD)により実装され得る。しかしながら、他の実施形態では、大容量ストレージは主として、より少ない量のSSDストレージを有するハードディスクドライブ(HDD)を使用して実装され、パワーダウンイベント中にコンテキスト状態及び他のそのような情報の不揮発性ストレージを可能にするSSDキャッシュとして機能することができ、これによりシステムアクティビティの再始動において素早いパワーアップが起こることが可能になる。また、フラッシュドライブは、例えばシリアル周辺インタフェース(SPI)を介して、プロセッサ901に結合されてもよい。このフラッシュドライブは、基本入出力ソフトウェア(BIOS)を含むシステムソフトウェアだけでなく、システムの他のファームウェアの不揮発性ストレージを提供することができる。
【0046】
システム900は、データ処理システムの様々なコンポーネントとともに図示されているが、コンポーネントを相互接続する任意の特定のアーキテクチャ又は方法を表すようには意図されておらず;したがって、そのような詳細は、本発明の実施形態に密接に関係していないことに留意されたい。また、認識されるように、より少ないコンポーネント又は恐らくはより多くのコンポーネントを有するネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話及び他の処理システムが、本発明の実施形態とともに使用されてもよい。
【0047】
前述の詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズム及び象徴的表現に関して提示されている。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理の分野の当業者が、彼らの研究の趣旨を最も効果的に他の当業者に伝えるのに使用される方法である。アルゴリズムは、ここでは一般に、所望の結果につながる自己矛盾のない一連の動作であるように考えられる。動作は、物理的な量の物理的な操作を必要とするものである。
【0048】
しかしながら、これら及び同様の用語は全て、適切な物理的量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される便宜的ラベルに過ぎないことを心に留めておくべきである。上記の議論から明らかなように特に明記されない限り、本説明全体を通して、以下の特許請求の範囲で述べるような用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報ストレージ、伝送又はディスプレイデバイス内の物理的量として同様に表される他のデータへと操作して変換する、コンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスのアクション及びプロセスを指す。
【0049】
図面に示される技術は、1つ以上の電子デバイスに格納されて実行されるコード及びデータを使用して実装され得る。そのような電子デバイスは、コンピュータ読取可能媒体を使用してコード及びデータを(内部的に、かつ/又はネットワークを介して他のデバイスと)格納及び通信し、そのような媒体には、例えば非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体(例えば磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ)及び一時的なコンピュータ読取可能伝送媒体(例えば電子、光、音響又は他の形式の伝搬信号−例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号)等がある。
【0050】
前述の図面に示される処理又は方法は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック等)、ファームウェア、ソフトウェア(例えば非一時的なコンピュータ読取可能媒体)又はその双方の組合せを備える処理ロジックによって実行され得る。処理又は方法は、幾つかの逐次的動作に関して上述されているが、説明される動作の一部は異なる順序で実行されてもよいことを認識されたい。さらに、一部の動作は、逐次的ではなく並行に実行されてもよい。
【0051】
上記のように本明細書では、本発明の実施形態は、具体的な例示の実施形態に関連して説明されている。以下の特許請求の範囲で説明されるように、本発明の広範な精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことが可能であることは明らかであろう。したがって、本明細書は、限定的意味ではなく、例示的意味で解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8