(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363296
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】半永続スケジューリングの制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20180712BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20180712BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W72/04 150
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-524018(P2017-524018)
(86)(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公表番号】特表2017-534211(P2017-534211A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】CN2015078111
(87)【国際公開番号】WO2016070596
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2017年5月2日
(31)【優先権主張番号】201410610412.7
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,シャオヤン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−527208(JP,A)
【文献】
特開2013−98641(JP,A)
【文献】
特表2012−523146(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0294247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップと、
前記動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断し、超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップと、を含む
半永続スケジューリングの制御方法。
【請求項2】
前記動的トラフィック統計情報は、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含み、
前記履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップは、具体的に、
前記現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップを含む
請求項1に記載の半永続スケジューリングの制御方法。
【請求項3】
前記動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断するステップは、具体的に、下記の方法のうちの1つを含み、
前記動的スケジューリング新伝送回数を取得した場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断する方法、
前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得した場合、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かを判断する方法、並びに
前記動的スケジューリング新伝送回数及び前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得した場合、その判断方法は、
前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かのみを判断する方法、
前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かのみを判断する方法、及び
前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かも判断し、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かも判断する方法のうちの1つを含む
請求項2に記載の半永続スケジューリングの制御方法。
【請求項4】
前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、前記超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップは、具体的に、
超える場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えない場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップを含む
請求項1〜3のいずれか1項に記載の半永続スケジューリングの制御方法。
【請求項5】
前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、前記超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップは、具体的に、
超える場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えない場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップを含む
請求項1〜3のいずれか1項に記載の半永続スケジューリングの制御方法。
【請求項6】
履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得する情報取得モジュールと、
前記情報取得モジュールが取得した動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断する情報判断モジュールと、
前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えないと判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるスケジューリング制御モジュールと、を備える
半永続スケジューリングの制御装置。
【請求項7】
前記動的トラフィック統計情報は、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含み、
前記情報取得モジュールは、前記現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するように配置される
請求項6に記載の半永続スケジューリングの制御装置。
【請求項8】
前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送回数を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、
前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、
前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量及び前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かのみを判断したり、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かのみを判断したり、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かも判断し、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かも判断したりするように配置される
請求項7に記載の半永続スケジューリングの制御装置。
【請求項9】
前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、前記現在の期間内で半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる
請求項6〜8のいずれか1項に記載の半永続スケジューリングの制御装置。
【請求項10】
前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる
請求項6〜8のいずれか1項に記載の半永続スケジューリングの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム分野に関し、特に半永続スケジューリングの制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、移動通信システムにおいては、一般的に共有型リソース割り当てスケジューリング方法を採用しており、その利点は無線通信リソースを最大限に利用できることにある。このようなスケジューリング方法について、従来の回線交換ドメインの音声トラフィックがすでに除去され、その代わりにデータドメインのVoIP(Voice over Internet Protocol、ネットワーク電話)トラフィックがある。しかし、音声ユーザの人数が往々にして比較的膨大であるため、共有型リソース割り当て方法によれば、伝送するたびに関連した制御情報を送信する必要があるので、制御情報のオーバーヘッドが大きすぎる。このようなパケットサイズが比較的固定化され、且つ着信時間間隔が一定の規則を満たすリアルタイムトラフィックに対して、半永続スケジューリング技術を採用することで、制御情報のオーバーヘッドを効果的に低減させることができる。
【0003】
SPS(Semi−Persistence Scheduling、半永続スケジューリング)は、特定のトラフィックのために設計した一定時刻で予め割り当てされたリソースを利用し、他の時刻で動的スケジューリング(再送)メカニズムを採用するスケジューリング方法である。具体的には、半永続スケジューリングが活性化された後、ペイロードサイズが一定である、周期性のトラフィックに適応されるように、指定されたリソースブロックが指定されたユーザに周期的に割り当てられ、これによって、リソースの割当てや指示等の情報によるシステムオーバーヘッドを減少することを達成し、半永続スケジューリングにおいてデータの再送には動的スケジューリングの方法を採用する。一般的に、VoIPトラフィックのパケットのサイズが比較的固定し、且つ一定の規則の周期性を有するため、比較的半永続スケジューリングに合致する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LTE(Long Term Evolution、ロングタームエボリューションシステム)システムにおいて、ユーザ装置にVoIPトラフィックのみがある場合、又は、VoIPトラフィック以外に、少量の非VoIPトラフィックもある場合、SPSスケジューリングを採用することで、スケジューリングの目的をよく達成することができ、また大量のPDCCH(Physical Downlink Control Channel、下り物理制御チャネル)リソースを節約する。しかし、ユーザ装置にVoIPトラフィックのみがあるのではなく、他の大量の動的スケジューリングトラフィックもある場合には、SPSスケジューリングを採用する必要はない。動的トラフィックデータ量が比較的多いため、動的スケジューリングが比較的頻繁であり、したがって、PDCCHの節約程度が予想ほど優れてなく、またシステムの複雑性を増加させて、VoIPトラフィックと非VoIPトラフィックとの間でスケジューリングアルゴリズムの切り替えを行う必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、従来技術に提供された通信システムには常に動的スケジューリングが採用されるため、リソースの無駄をもたらし、システムオーバーヘッドが大きすぎる問題を少なくとも解決するための半永続スケジューリングの制御方法及び装置が提供される。
【0006】
本発明によれば、上記技術問題を解決するための半永続スケジューリングの制御方法が提供され、前記方法は、履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップと、前記動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断し、超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップと、を含む。
【0007】
本発明の一実施例において、前記動的トラフィック統計情報は、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含み、前記履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップは、具体的に、前記現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップを含む。
【0008】
本発明の一実施例において、前記動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断するステップは、具体的に、下記の方法のうちの1つを含み、前記動的スケジューリング新伝送回数を取得した場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断する方法、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得した場合、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かを判断する方法、並びに前記動的スケジューリング新伝送回数及び前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得した場合、その判断方法は、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かのみを判断する方法、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かのみを判断する方法、及び前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かも判断し、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かも判断する方法のうちの1つを含む。
【0009】
本発明の一実施例において、前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、前記超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップは、具体的に、超える場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えない場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップを含む。
【0010】
本発明の一実施例において、前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、前記超える場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えない場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップは、具体的に、超える場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えない場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップを含む。
【0011】
本発明の実施例の他の態様によれば、履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得する情報取得モジュールと、前記情報取得モジュールが取得した動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断する情報判断モジュールと、前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えないと判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるスケジューリング制御モジュールと、を備える半永続スケジューリングの制御装置がさらに提供される。
【0012】
本発明の一実施例において、前記動的トラフィック統計情報は、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含み、前記情報取得モジュールは、前記現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するように配置される。
【0013】
本発明の一実施例において、前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送回数を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、前記情報判断モジュールは、前記情報取得モジュールが前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量及び前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かのみを判断したり、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かのみを判断したり、前記動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かも判断し、前記動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かも判断したりするように配置される。
【0014】
本発明の一実施例において、前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、前記現在の期間内で半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0015】
本発明の一実施例において、前記履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、前記スケジューリング制御モジュールは、前記情報判断モジュールが超えると判断する場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、前記現在の期間内で前記半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、半永続スケジューリングの制御方法及び装置が提供され、履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報によって、半永続スケジューリング状態を有効にするか否かを制御することによって、半永続スケジューリングの使用の柔軟性を向上させ、システム複雑性を低下させるとともに、音声トラフィックのサービス品質が保証され、SPSの適用場面を柔軟に確定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1に提供された半永続スケジューリングの制御方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例2に提供された半永続スケジューリングの制御装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例の図面を併せて、本発明の実施例の技術手段を明確で完全に説明し、説明された実施例があくまでも本発明の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な動作をせずに得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0019】
以下、具体的な実施形態によって図面を併せて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
図1は、本発明の一実施例に提供された半永続スケジューリングの制御方法のフローチャートである。
図1に示すように、この半永続スケジューリングの制御方法は、
S101:履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するステップを含む。
【0020】
具体的には、半永続スケジューリングの使用の柔軟性を向上させ、システム複雑性を低下させるために、履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報によって、半永続スケジューリング状態を有効にするか否かを制御することができ、これによって、チャネルリソースを節約し、システムオーバーヘッドを低減させる目的を達成することができる。
【0021】
本実施例において、上り動的トラフィック又は下り動的トラフィックに対して、両方が独立し、互いに干渉しないため、いずれもそれぞれ履歴期間内で上り動的トラフィック及び下り動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報によって、上り下りにそれぞれ作用できるので、本実施例の方法は上り下りを区分せず、上り動的トラフィック及び下り動的トラフィックのいずれに対しても適用可能である。この動的トラフィック統計情報は、動的トラフィックが動的スケジューリング中で生成して累積した情報であり、このような情報は、動的トラフィックが動的スケジューリング中で表現していった行動特徴を表示でき、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含む。この動的トラフィック統計情報の取得方法については、現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的スケジューリング新伝送回数及び/又は動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得し、ここで、この履歴期間と現在の期間が連続する期間であり、即ち、現在の時間窓に隣接する1つ前の時間窓内の動的トラフィックの動的スケジューリング新伝送回数及び/又は動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得し、例えば、現在の3s内のリソーススケジューリング方法を確定するために、1つ前の3s内の動的トラフィックの動的スケジューリングの動的スケジューリング新伝送回数及び/又は動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得してもよく、又は、1つ前の3s中の1s毎の動的トラフィックの動的スケジューリングの動的スケジューリング新伝送回数及び/又は動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得してもよいステップを含むが、これに限定されない。
【0022】
図1に示すように、この半永続スケジューリングの制御方法は、
S102:トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断するステップをさらに含む。
【0023】
具体的には、履歴期間内でトラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得した直後に、この動的トラフィック統計情報が予め配置された所定の閾値を超えるか否かを判断でき、且つ異なる場面によって異なる数値を配置できる。動的トラフィック統計情報に対して判断を行い、動的トラフィック統計情報のいずれも所定の閾値を超えると判断すると、S103に進み、そうでなければ、S104に進む。
【0024】
本実施例において、取得した動的トラフィック統計情報によって、動的トラフィック統計情報についての判断方法及び判断結果は、下記の方法のうちの1つを含むが、これに限定されない。
【0025】
方法1:履歴期間内の動的トラフィックの動的スケジューリング新伝送回数を取得する場合、この動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値Mを超えるか否かを判断し、超えると判断する場合、S103に進み、超えないと判断する場合、S104に進む。
【0026】
方法2:履歴期間内の動的トラフィックの動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、この動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値Nを超えるか否かを判断し、超えると判断する場合、S103に進み、超えないと判断する場合、S104に進む。
【0027】
方法3:履歴期間内の動的トラフィックの動的スケジューリング新伝送回数及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、下記の方法のうちの1つを含む。
(1)この動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値Mを超えるか否かのみを判断し、超えると判断する場合、S103に進み、超えないと判断する場合、S104に進む。
(2)この動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値Nを超えるか否かのみを判断し、超えると判断する場合、S103に進み、超えないと判断する場合、S104に進む。
(3)この動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値Mを超えるか否かも判断し、この動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値Nを超えるか否かも判断し、動的スケジューリング新伝送回数及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの1つでも所定の閾値を超えると、S103に進み、そうでなければ、S104に進み、即ち、動的スケジューリング新伝送回数及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のいずれもが所定の閾値を超えない場合のみに、S104に進み、そうでなければ、S103に進む。
【0028】
図1に示すように、この半永続スケジューリングの制御方法は、
S103:現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当てるステップをさらに含む。
【0029】
具体的には、動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、履歴期間内のリソーススケジューリング方法によって、その具体的な制御方法は、下記の方法のうちの1つを含む。
【0030】
方法1:履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、現在の期間内でこの半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0031】
方法2:履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、現在の期間内でこの半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0032】
なお、音声トラフィックが動的スケジューリングに参加する場合、音声トラフィックの優先度が高いため、動的スケジューリングをする時には音声トラフィックを優先的にパッケージングし、第1順位で音声トラフィックのサービス品質を保証するので、動的スケジューリングが音声トラフィックに影響を与えるおそれがない。
【0033】
図1に示すように、この半永続スケジューリングの制御方法は、
S104:現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるステップをさらに含む。
【0034】
具体的には、動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えないと判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当て、履歴期間内のリソーススケジューリング方法によって、その具体的な制御方法は、下記の方法を含む。
【0035】
方法1:履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、現在の期間内でこの半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0036】
方法2:履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、現在の期間内でこの半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0037】
半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てることによって、VoIPトラフィックのみがある場合、又は、VoIPトラフィック以外に少量の非VoIPトラフィックもある場合に、SPSスケジューリングを採用することで、スケジューリング目的をよく達成することができ、また大量のPDCCHリソースが節約される。
【0038】
実施例2
図2は、本発明の実施例2に提供された半永続スケジューリングの制御装置の構造を示す図である。
図2に示すように、この半永続スケジューリングの制御装置は、履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得する情報取得モジュール1と、情報取得モジュール1が取得した動的トラフィック統計情報が所定の閾値を超えるか否かを判断する情報判断モジュール2と、情報判断モジュール2が超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用せずにリソースを割り当て、超えないと判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てるスケジューリング制御モジュール3と、を備える。
【0039】
好ましくは、情報取得モジュール1が取得した動的トラフィック統計情報は、動的スケジューリング新伝送回数、及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量のうちの少なくとも1つを含み、情報取得モジュール1は、現在の期間に隣接する1つ前の履歴期間内で動的トラフィックが動的スケジューリングにより生成して累積した動的トラフィック統計情報を取得するように配置される。
【0040】
好ましくは、情報判断モジュール2は、情報取得モジュール1が動的スケジューリング新伝送回数を取得する場合、動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、情報判断モジュール2は、情報取得モジュール1が動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かを判断するように配置され、情報判断モジュール2は、情報取得モジュール1が動的スケジューリング新伝送回数及び動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量を取得する場合、動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かのみを判断したり、動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かのみを判断したり、動的スケジューリング新伝送回数が所定の第1の閾値を超えるか否かも判断し、動的スケジューリング新伝送トラフィックデータ量が所定の第2の閾値を超えるか否かも判断したりするように配置される。
【0041】
好ましくは、履歴期間内で半永続スケジューリング状態がすでに活性化された場合、スケジューリング制御モジュール3は、情報判断モジュール2が超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリング状態を非活性化させ、半永続スケジューリングリソースを解放し、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、スケジューリング制御モジュール3は、現在の期間内で半永続スケジューリング状態を保持し、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0042】
好ましくは、履歴期間内で半永続スケジューリング状態が活性化されていない場合、スケジューリング制御モジュール3は、情報判断モジュール2が超えると判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリング状態を活性化させず、動的スケジューリングを採用してリソースを割り当て、超えないと判断する場合、現在の期間内で半永続スケジューリング状態を活性化させ、半永続スケジューリングを採用してリソースを割り当てる。
【0043】
実施例3
本実施例では、新伝送回数の所定の第1の閾値Mを配置することを例として、如何に半永続スケジューリングを有効にするかを説明しており、他の類似の配置については、例えばトラフィックデータ量の所定の第2の閾値Nにも同様に適用される。
【0044】
(1)統計ウィンドウの長さ(履歴時間窓)を1sと仮定する。LTEシステムの通常スケジューリングの場面で、QCI1トラフィックのみを確立し、QCI1トラフィックの関連パラメータを配置し、トラフィックの新伝送回数の所定の第1の閾値Mを100に配置し、SPSスケジューリング参数を配置し、ここで、このQCI1トラフィックはVoIPトラフィックである。QCI1トラフィックが確立に成功した後、VoIPトラフィックの特殊性、すなわち、毎秒最多50個のパケットのデータまでになるため、Mに到達できず、これによって、現在の時間窓内でSPS状態が成功的に活性化される。SPS状態が活性化された後、動的スケジューリングの回数が0まで下がり、動的スケジューリング場面まで退出されない。このような場面で、SPS状態でPDCCHリソースが最大限に節約される。
【0045】
(2)統計ウィンドウの長さ(履歴時間窓)を1sと仮定する。LTEシステムの通常スケジューリングの場面で、QCI1トラフィック及びQCI8トラフィックを確立し、QCI1、QCI8トラフィックの関連パラメータを配置し、QCI8の速度要件を50Mに配置し、トラフィックの新伝送回数の所定の第1の閾値Mを100に配置し、SPSスケジューリング参数を配置し、ここで、このQCI1トラフィックはVoIPトラフィックであり、QCI8は非VoIPトラフィックである。QCI1、QCI8トラフィックが確立に成功した後、VoIPトラフィックの特殊性、すなわち、毎秒最多50個のパケットのデータまでになるが、QCI8トラフィックの速度要件が50Mであるため、動的スケジューリングはQCI8トラフィックのスケジューリングを頻繁に行い、ほぼフルスケジューリングである。このとき、大量の動的スケジューリングがMを超えたため、現在の時間窓内でSPS状態を活性化させできない。動的スケジューリングが同時にQCI1及びQCI8トラフィックをともにスケジューリングし、且つQCI1トラフィックの優先度が比較的高いため、QCI1トラフィックのサービス品質を優先的に保証する。
【0046】
(3)統計ウィンドウの長さ(履歴時間窓)を1sと仮定する。LTEシステムの通常スケジューリングの場面で、QCI1トラフィック及びQCI8トラフィックを確立し、QCI1、QCI8トラフィックの関連パラメータを配置し、QCI8の速度要件を50kに配置し、トラフィックの新伝送回数の所定の第1の閾値Mを100に配置し、SPSスケジューリング参数を配置し、ここで、このQCI1トラフィックはVoIPトラフィックであり、QCI8は非VoIPトラフィックである。QCI1、QCI8トラフィックが確立に成功した後、VoIPトラフィックの特殊性、すなわち、毎秒最多50個のパケットのデータまでになり、また、QCI8トラフィックの速度要件がただ50kであるため、QCI1とQCI8トラフィックとを加算した動的スケジューリング回数でもMを超えることができず、これによって、現在の時間窓内でSPS状態が成功的に活性化される。QCI1トラフィックがSPSによって処理されて、大量のPDCCHリソースが節約され、少量のQCI8トラフィックが回数の比較的少ない動的スケジューリングによって処理されるため、消費されるPDCCHリソースも比較的少ない。
【0047】
(4)統計ウィンドウの長さ(履歴時間窓)を3sと仮定する。3s窓内にある3つの1sの小窓が三回連続で1s内にMより小さい場合、現在の時間窓内でSPS状態が成功的に活性化される。LTEシステムの通常スケジューリングの場面で、QCI1トラフィックのみを確立し、QCI1トラフィックの関連パラメータを配置し、トラフィックの新伝送回数の所定の第1の閾値Mを100に配置し、SPSスケジューリング参数を配置し、ここで、このQCI1トラフィックはVoIPトラフィックである。QCI1トラフィックが確立に成功した後、VoIPトラフィックの特殊性、毎秒最多50個のパケットのデータまでになるため、Mに到達できない。三回連続でMより小さい場合、現在の時間窓内でSPS状態が成功的に活性化される。SPS状態が活性化された後、動的スケジューリングの回数が0まで下がり、動的スケジューリング場面まで退出されない。このような場面で、SPS状態でPDCCHリソースが最大限に節約される。
【0048】
(5)統計ウィンドウの長さ(履歴時間窓)を3sと仮定する。LTEシステムの通常スケジューリングの場面で、QCI1トラフィックのみを確立し、QCI1トラフィックの関連パラメータを配置し、トラフィックの新伝送回数の所定の第1の閾値Mを300に配置し、SPSスケジューリング参数を配置し、ここで、このQCI1トラフィックはVoIPトラフィックである。QCI1トラフィックが確立に成功した後、VoIPトラフィックの特殊性、毎秒最多50個のパケットのデータまでになるため、3s内にわたってMに到達できず、即ち、3s内にわたってMより小さいとき、現在の時間窓内でSPS状態が成功的に活性化される。SPS状態が活性化された後、動的スケジューリングの回数が0まで下がり、動的スケジューリング場面まで退出されない。このような場面で、SPS状態でPDCCHリソースが最大限に節約される。
【0049】
以上の内容は、具体的な好ましい実施形態を併せた本発明のさらなる詳細な説明であり、本発明の具体的な実施がこれらの説明に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の構想を逸脱しない範囲内で、さらに複数の簡単な演繹又は代替を行うことができ、これら全てが本発明の範囲に含まれるとみなすべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
上記のように、本発明の実施例に提供された半永続スケジューリングの制御方法及び装置によれば、半永続スケジューリングの使用の柔軟性を向上させ、システム複雑性を低下させるとともに、音声トラフィックのサービス品質が保証され、SPSの適用場面を柔軟に特定できるという効果を備える。