特許第6363364号(P6363364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363364
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20180712BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20180712BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B65D83/08 A
   B65D83/08 B
   B65D21/02 301
   A47K10/20 A
   A47K10/20 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-49730(P2014-49730)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-174658(P2015-174658A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】冨田 亜沙美
【審査官】 谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−075681(JP,A)
【文献】 実開昭62−002553(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3170615(JP,U)
【文献】 実開昭58−107338(JP,U)
【文献】 特開2005−132407(JP,A)
【文献】 特開2005−035592(JP,A)
【文献】 特表平08−500806(JP,A)
【文献】 実公昭59−011871(JP,Y2)
【文献】 特表平08−504614(JP,A)
【文献】 米国特許第04293072(US,A)
【文献】 実公昭61−001068(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 83/08 − 83/76
B65D 5/00 − 5/76
B65D 23/00 − 25/56
B65D 21/00 − 21/08
A47K 7/00 − 7/08
A47K 10/00 − 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄葉紙が積層または巻回された薄葉紙集合体を収納する箱体と、
前記箱体の底面部に設けられた第一連結部と、
前記箱体の天面部に設けられ、異なる薄葉紙収納容器の箱体に設けられた前記第一連結部と連結するための第二連結部と、を備え、
前記箱体は、前記薄葉紙を取り出すための取出し口を備え、
前記取出し口は前記薄葉紙収納容器同士が上下方向に連結された際に露出した位置に設けられ
前記底面部は取り外し可能であり、前記第一連結部を前記箱体の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができ、
前記天面部は取り外し可能であり、前記第二連結部を前記箱体の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができることを特徴とする薄葉紙収納容器。
【請求項2】
薄葉紙が積層または巻回された薄葉紙集合体を収納する箱体と、
前記箱体の底面部に設けられた第一連結部と、
前記箱体の天面部に設けられ、異なる薄葉紙収納容器の箱体に設けられた前記第一連結部と連結するための第二連結部と、を備え、
前記箱体は、前記薄葉紙を取り出すための取出し口を備え、
前記取出し口は前記薄葉紙収納容器同士が上下方向に連結された際に露出した位置に設けられ、
前記第一連結部は、前記底面部から下方に突出し、下端部が水平方向に突出したフック形状に形成され、
前記第二連結部は、前記天面部から上方に突出し、上端部が水平方向に突出したフック形状に形成され、上下方向に摺動可能であり、
前記第一連結部は、水平方向に突出した部分の上面に第一嵌合部を有し、
前記第二連結部は、水平方向に突出した部分の下面に第二嵌合部を有し、
一の薄葉紙収納容器の前記第一連結部と、他の薄葉紙収納容器の前記第二連結部とを嵌合させた状態で、前記他の薄葉紙収納容器の前記第二連結部を下方向に摺動させることで、前記第一嵌合部と、前記第二嵌合部とを連結させることができることを特徴とする薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記薄葉紙収納容器同士は、上下方向に隙間を有して連結され、
前記取出し口は、天面部と正面部により形成される角部に跨って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記第一連結部及び前記第二連結部は、前記箱体の内部又は前記箱体から突出しないように外表面に沿った状態に収納可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄葉紙をポップアップ式に取り出せるように複数枚積層して包装した包装体では、取出し口を包装体の天面のほぼ中央に設けたものが広く用いられている。このような包装体は、天面のほぼ全体が広く開放された状態で使用しなければならないため、設置場所が限定される。
そこで、取出し口を天面と側面に跨った角部付近に設けた包装用容器が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このような包装用容器によれば、様々な方向から薄葉紙を取り出すことができ、例えば、机の引き出しに収納して使用する場合に、引き出しを大きく開いて上面全体を露出させなくても薄葉紙を取出せるなど、様々な使い方に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4216896号公報
【特許文献2】特許第4977269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、特定の目的に特化した薄葉紙が多く開発されており、用途に応じて複数種類の薄葉紙を使い分けることが多くなっている。
上記特許文献1及び2に記載の発明は、取出し口の少なくとも一部は天面に面しているため、複数の包装体を上下方向に積み重ねて天面が覆われた状態では、薄葉紙を取出し難いという問題点がある。
一方、複数の薄葉紙包装体を並べて上面が開放された状態で一つ一つ設置するには広い場所が必要となる。
【0005】
本発明の主たる課題は、上下方向に複数積み重ねても内部に収納された薄葉紙の取出しが容易な薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、薄葉紙収納容器において、
薄葉紙が積層または巻回された薄葉紙集合体を収納する箱体と、
前記箱体の底面部に設けられた第一連結部と、
前記箱体の天面部に設けられ、異なる薄葉紙収納容器の箱体に設けられた前記第一連結部と連結するための第二連結部と、を備え、
前記箱体は、前記薄葉紙を取り出すための取出し口を備え、
前記取出し口は前記薄葉紙収納容器同士が上下方向に連結された際に露出する位置に設けられ、
前記底面部は取り外し可能であり、前記第一連結部を前記箱体の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができ、
前記天面部は取り外し可能であり、前記第二連結部を前記箱体の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、薄葉紙収納容器において、
薄葉紙が積層または巻回された薄葉紙集合体を収納する箱体と、
前記箱体の底面部に設けられた第一連結部と、
前記箱体の天面部に設けられ、異なる薄葉紙収納容器の箱体に設けられた前記第一連結部と連結するための第二連結部と、を備え、
前記箱体は、前記薄葉紙を取り出すための取出し口を備え、
前記取出し口は前記薄葉紙収納容器同士が上下方向に連結された際に露出した位置に設けられ、
前記第一連結部は、前記底面部から下方に突出し、下端部が水平方向に突出したフック形状に形成され、
前記第二連結部は、前記天面部から上方に突出し、上端部が水平方向に突出したフック形状に形成され、上下方向に摺動可能であり、
前記第一連結部は、水平方向に突出した部分の上面に第一嵌合部を有し、
前記第二連結部は、水平方向に突出した部分の下面に第二嵌合部を有し、
一の薄葉紙収納容器の前記第一連結部と、他の薄葉紙収納容器の前記第二連結部とを嵌合させた状態で、前記他の薄葉紙収納容器の前記第二連結部を下方向に摺動させることで、前記第一嵌合部と、前記第二嵌合部とを連結させることができることを特徴とする。
【0007】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の薄葉紙収納容器において、
前記薄葉紙収納容器同士は、上下方向に隙間を有して連結され、
前記取出し口は、天面部と正面部により形成される角部に跨って設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の薄葉紙収納容器において、
前記第一連結部及び前記第二連結部は、前記箱体の内部又は前記箱体から突出しないように外表面に沿った状態に収納可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る薄葉紙収納容器によれば、当該薄葉紙収納容器を上下方向に複数積み重ねても、それぞれの薄葉紙収納容器の内部に収納された薄葉紙を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第一実施形態の薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図2図1の薄葉紙収納容器を積み重ねた状態を示す斜視図である。
図3図1のIII−III線における断面図である。
図4】第二実施形態の薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図5図4の薄葉紙収納容器のV−V線における断面図である。
図6図4の薄葉紙収納容器のVI−VI線における断面図である。
図7】第三実施形態の薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図8図7の薄葉紙収納容器を積み重ねた状態を示す斜視図である
図9図7の薄葉紙収納容器のIX−IX線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0013】
<薄葉紙>
本発明の薄葉紙収納容器1は、キッチンタオル、ペーパータオル、ティシュー、キッチン用不織布等の、シートタイプの紙製品である薄葉紙を収納するものである。例えば、ポップアップ式に取り出せるように積層された薄葉紙、または、一定幅に形成された帯状ペーパーがロール状に巻かれ、幅方向に延在する破断用のミシン目が所定の間隔毎に形成された薄葉紙を収納できる。
また、薄葉紙収納容器1は、薄葉紙を可撓性フィルムやカートンブランクよりなる箱で包装した包装体を収納することも可能である。
なお、以下の説明では、本発明に係る薄葉紙収納容器1は、薄葉紙の積層体を収納するものとする。
【0014】
<薄葉紙収納容器>
薄葉紙収納容器1は、図1に示すように、積層体を収納する箱体2と、箱体2を上下方向に積み重ねて連結する連結部3と、を備える。箱体2及び連結部3は、合成樹脂、金属、木材等、任意の素材を用いて、周知の方法で成型することが可能である。
【0015】
箱体2は、積層体を収納し得る内部空間が形成される形状のものであれば任意であり、例えば、直方体状、立方体状等の六面体状のものを挙げることができる。図1に示される薄葉紙収納容器1は、箱体2を直方体状に構成した例である。箱体2は、収納する積層体より若干大きく形成される。
【0016】
なお、以下の説明では、図1に示すように、箱体2の正面方向を前方、背面方向を後方、高さ方向を上下方向、取出し口21の長手方向を左右方向、とする。
【0017】
箱体2は、薄葉紙を一枚ずつ外部へ取出すことができる取出し口21、及び、積層体を収納するための図示しない詰替え口を備える。
取出し口21の大きさ及び形状は任意であるが、例えば、図1に示すように、天面部22及び正面部23により形成される角部に跨るように設けると、薄葉紙集合体がロール状であってもポップアップ式に取出す積層体形状であっても容易に薄葉紙を取り出すことができ、また、薄葉紙収納容器1を上下方向に積み重ねても、取出し口21が前面付近にあるため取出し易く好ましい。
詰替え口は、箱体2の何れの面に設けられても良いが、連結部3による連結を外すことなく、薄葉紙収納容器1を積み重ねたままで積層体を収納できるように、例えば背面部に形成されると良い。
【0018】
連結部3は、箱体2の底面部24に設けられた第一連結部31と、箱体2の天面部22に設けられた第二連結部32を備え、一つの薄葉紙収納容器1の第一連結部31と、別の薄葉紙収納容器1の第二連結部32を連結することにより、複数の箱体2を上下方向に積み重ねて連結することができる。
第一連結部31及び第二連結部32の形状は任意であるが、連結時に取出し口21の全体が露出されることが好ましい。例えば、図1に示すように、取出し口21が天面部22及び正面部23により形成される角部に跨って形成される薄葉紙収納容器1においては、二つの薄葉紙収納容器の箱体2同士が上下方向に10〜20mm離間して連結されると、薄葉紙を摘まんで取出し易く好適である。
【0019】
連結部3は、複数の箱体2を容易に連結したり取り外したりすることができるものであれば任意であるが、さらに、積み重ねた箱体2が前後及び左右方向にずれないように連結され、連結部3が箱体2の外表面から突出しない状態に収納可能であると、積み重ねずに用いる場合にも邪魔にならないため好ましい。また、連結部3は、箱体2と一体化されていても良いし、連結時のみ取り付けても良い。
以下、連結部3の具体的な構造について、例を挙げて詳細に説明する。
【0020】
<第一実施形態>
第一実施形態における連結部3は、例えば、図1に示すように、箱体2の底面部24の左右両端部付近から下方に突出し、更に下端部が左右方向の外側に向いたL字型のフック形状を有する第一連結部31と、箱体2の天面部22の左右両端部付近から上方に突出し、更に端部が左右方向の内側に向いて突出したL字型のフック形状を有する第二連結部32と、を備える。
より具体的には、図1及び図3(a)に示すように、第一連結部31は、例えば、箱体2の底面部24の左右両端部付近から10mm下方に突出し、更に下端部が左右方向の30mm外側に向いており、第二連結部32は、箱体2の天面部22の左右両端部付近から最大で10mm上方に突出し、更に上端部が左右方向の30mm内側に向いている。
【0021】
第一実施形態の箱体2において、第一連結部31を備えた底面部24は、取り外し可能であり、第一連結部31を箱体2の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができる(図3(a)、(b))。また、第二連結部32を備えた天面部22も同様に、取り外し可能であり、第二連結部32を箱体2の内側又は外側の任意の方向に向けて取り付けることができる(図3(a)、(b))。
第一実施形態の箱体2においては、天面部22を取り外すことで内部の積層体を詰替え可能である。
【0022】
図2に示すように、1つの薄葉紙収納容器1Aの第二連結部32Aと、同一形状を備えた別の薄葉紙収納容器1Bの第一連結部31Bを、前後方向にスライドさせて嵌合すると、箱体2Aの天面部22Aと箱体2Bの底面部24Bとの間に約20mmの隙間が空いた状態で、薄葉紙収納容器1A、1Bが上下方向に積み重ねて連結される。
具体的には、例えば、第一連結部31及び第二連結部32が磁石となっていて磁力によって連結されたり、あるいは、第一連結部31及び第二連結部32の何れか一方に係合溝を設け、他方を当該係合溝に係合させると、薄葉紙取出し時などに薄葉紙収納容器1A、1Bが前後方向にずれ難い。
【0023】
連結した薄葉紙収納容器1A、1Bの上部又は下部に、さらに別の薄葉紙収納容器1Cを連結することも可能であり、その場合も同様に、全ての薄葉紙収納容器1から容易に薄葉紙を取出すことができる。
【0024】
第一実施形態の連結部3によれば、複数の薄葉紙収納容器1を上下方向に積み重ねて設置しても、それぞれの薄葉紙収納容器1の取出し口21の全体が露出しているため、内部に収納された薄葉紙を容易に取り出すことができる。また、積み重ねる薄葉紙の数や順番を、使用状況に応じて自在に変更できる。
また、積み重ねずに使用する場合には、第一連結部31及び第二連結部32を箱体2の内面に向けて収納することができるので、設置時に邪魔にならない。
また、積み重ねずに使用する場合であっても、必要に応じて底面部の第一連結部を箱体の外側に向けて使用することができ、収納容器を載置する床面等から底面部を浮かせて使用することができるので、衛生的である。
【0025】
<第二実施形態>
第二実施形態における連結部3は、例えば、図4に示すように、箱体2の底面部24の左右両端部付近から下方に突出し、更に下端部が左右方向の外側に向いたL字型のフック形状を有する第一連結部31と、箱体2の天面部22の左右両端部付近から上方に突出し、更に端部が左右方向の内側に向いて突出したL字型のフック形状を有する第二連結部32と、を備える。より具体的には、第一連結部31は、例えば、箱体2の底面部24の左右両端部付近から15mm下方に突出し、更に下端部が左右方向の30mm外側に向いており、第二連結部32は、箱体2の天面部22の左右両端部付近から最大で15mm上方に突出し、更に上端部が左右方向の30mm内側に向いている。
一つの薄葉紙収納容器1Aの第二連結部32Aと、別の薄葉紙収納容器1Bの第一連結部31Bを前後方向にスライドさせて嵌合すると、図2に示す第一実施形態と同様に、薄葉紙収納容器1A、1Bを上下に積み重ねて連結することができる。
【0026】
図5(a)、(b)に示すように、第一連結部31と箱体2との接合部分はヒンジ313となっており、第一連結部31は箱体2に対して回動可能である。また、箱体2の左右の側面部及び底面部24には、第一連結部31の形状に凹んだ収納部25が設けられている。これにより、薄葉紙収納容器1を積み重ねずに単独で使用する際には、L字型のフック形状である第一連結部31を、箱体2の底面部24及び側面部の収納部25に収納させる(図5(b))ことで、箱体2の外表面から突出させずに収納できる。
また、図5(b)に示すように、第一連結部31に設けられた凹部312は、第一連結部31を収納部25に収納した際には、箱体2の側面部に設けられた凸部311と嵌合可能であるため、第一連結部31を箱体2の収納部25に安定した状態に固定可能である。
【0027】
第二連結部32は、図5に示すように、箱体2に対して上下方向にスライド可能に形成され、第二連結部32を上方に引き出した状態では、第二連結部32の下部に設けられた前後方向に突出した突出部323がストッパーとなって、第二連結部32が箱体2から抜けないようになっている(図6(a))。また、箱体2の天面部22には、第2連結部32を内部に収納可能な収納部26が設けられている。これにより、薄葉紙収納容器1を積み重ねずに単独で使用する際には、図5(b)、図6(b)のように、第二連結部32を押し下げることで、箱体2の外表面から突出せず、箱体2の内部及び天面部22の外表面に沿った状態(図5(b)、図6(b))に収納できる。
【0028】
また、第二連結部32は、上端の左右方向内向きに突出した部分の下面に凸部321を備え、薄葉紙収納容器1を積み重ねた際に凸部321と第一連結部31の凹部312が嵌合可能とすると、薄葉紙収納容器1Aの第二連結部32Aと、薄葉紙収納容器1Bの第一連結部31Bを前後方向にスライドさせて嵌合した後に、第二連結部32を押し下げることによって、凸部321と凹部312を嵌合することができ、薄葉紙収納容器1A、1Bが前後方向にずれることなく連結される。
【0029】
1つの薄葉紙収納容器1Aの第一連結部31Aと、同一形状を備えた別の薄葉紙収納容器1Bの第二連結部32Bを、前後方向にスライドさせて嵌合すると、図2に示す第一実施形態と同様に、箱体2Aの天面部22Aと箱体2Bの底面部24Bとの間に約15mmの隙間が空いた状態で、薄葉紙収納容器1A、1Bが上下方向に積み重ねて連結される。さらに、第二連結部32を押し下げることで、第一連結部31の凹部312と第二連結部32の凸部321が嵌合され、薄葉紙収納容器1Aと薄葉紙収納容器1Bが前後方向にずれないように固定される。
【0030】
第二実施形態の連結部3によれば、複数の薄葉紙収納容器1を上下方向に積み重ねて設置しても、それぞれの薄葉紙収納容器1の取出し口21の全体が露出しているため、内部に収納された薄葉紙を容易に取り出すことができる。また、積み重ねる薄葉紙の数や順番を、使用状況に応じて自在に変更できる。
また、積み重ねずに使用する場合には、第一連結部31及び第二連結部32を箱体2の外表面に沿った状態に収納することができるので、設置時に邪魔にならない。
また、積み重ねずに使用する場合であっても、必要に応じて底面部の第一連結部を箱体の外側に向けて使用することができ、収納容器を載置する床面等から底面部を浮かせて使用することができるので、衛生的である。
さらに、第一連結部31の凹部312と第二連結部32の凸部321によって、前後方向にずれないように固定可能なので、取出し時などに積み重ねた薄葉紙収納容器同士がずれることがない。
また、上端にフック等を取り付けて、扉の上部などに引っ掛けて使用することもできる。
【0031】
<第三実施形態>
第三実施形態における連結部3は、例えば、図7に示すように、箱体2の底面部24の左右両端部付近から下方に突出した第一連結部31と、箱体2の天面部22の左右両端部付近に設けられた孔である第二連結部32と、を備える。
より具体的には、図7に示すように、第一連結部31は箱体2の底面部24の左右両端部付近から約20mm下方に突出し、第二連結部32は箱体2の天面部22の左右両端部付近に設けられた孔又は凹部である。第一連結部31の下端から5〜10mm上方の前端及び後端には、前後方向に5mmずつ突出した凸部311を備える。第一連結部31の凸部311を除いた前後方向長さは、第二連結部の前後方向長さとほぼ等しく、一つの薄葉紙収納容器1Aの天面部22A付近の第二連結部32Aと、別の薄葉紙収納容器1Bの底面部24Bの第一連結部31Bは嵌合可能であり、図8に示すように、箱体2Aの天面部22Aと箱体2Bの底面部24Bとの間に約15mmの隙間が空いた状態で、薄葉紙収納容器1A、1Bを上下に積み重ねて連結することができる。
【0032】
第一連結部31と箱体2との接合部分は、図9(a)、(b)に示すように、ヒンジ313となっており、第一連結部31は箱体2に対して回動可能である。また、箱体2の底面部24には、第一連結部31の形状に凹んだ収納部25が設けられている。これにより、薄葉紙収納容器1を積み重ねずに単独で使用する際には、第一連結部31を、箱体2の底面部に沿った状態(図9(a))に収納できる。
【0033】
第一連結部31の凸部311は、第一連結部31の前端及び後端に位置して前後方向に突出した凸部に限られるものではなく、第一連結部31の全体が第二連結部32に入らないようなストッパーとして機能するものであれば、形状及び位置は任意である。例えば、左右方向に突出した凸部を備えても良い。
また、第二連結部32が箱体2の内部に貫通する孔でなく、凹部である場合は、第一連結部31に凸部311を設ける必要はない。
【0034】
第二連結部32は、箱体2の内部に貫通しない凹部、又は、開閉可能に形成された孔であれば、積み重ねて使用しない場合でも、箱体2の内部に埃等が入らないため、衛生的である。
【0035】
また、第一連結部31が箱体2の底面部24の左右両端部付近に設けられた孔であり、第二連結部32が箱体2の天面部22の左右両端部付近から上方に突出し、第一連結部31と第二連結部32が嵌合可能であっても良い。
【0036】
第三実施形態の連結部3によれば、複数の薄葉紙収納容器1を上下方向に積み重ねて設置しても、それぞれの薄葉紙収納容器1の取出し口21の全体が露出しているため、内部に収納された薄葉紙を容易に取り出すことができる。また、積み重ねる薄葉紙の数や順番を、使用状況に応じて自在に変更できる。
また、積み重ねずに使用する場合には、第一連結部31を箱体2の底面部24に沿った状態に収納することができるので、設置時に邪魔にならない。
また、積み重ねずに使用する場合であっても、必要に応じて底面部の第一連結部を箱体の外側に向けて使用することができ、収納容器を載置する床面等から底面部を浮かせて使用することができるので、衛生的である。
さらに、一つの薄葉紙収納容器の上に別の薄葉紙収納容器を載置するだけで連結可能であり、スライドさせて嵌合させる手間が不要なので、設置が容易である。
【0037】
なお、本発明は上記実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記実施の形態においては、取出し口21を天面部22及び正面部23により形成される角部に跨るように設けるとしたが、例えば、特にロール状シートの収納に適した薄葉紙収納容器1’として、取出し口21’を正面部23に設けても良い。このような薄葉紙収納容器1’においては、上方に別の薄葉紙収納容器1’を積み重ねた時に、天面部22と底面部24の間に上下方向に隙間が空かないような連結部3’が形成されても良い。このように取出し口21’を正面部23に設けた薄葉紙収納容器1’と、上記実施の形態に記載の取出し口21を天面部22及び正面部23により形成される角部に跨るように設けた薄葉紙収納容器1とを、任意に組み合わせて積み重ねられるように連結部3および連結部3’が形成されると、さらに好適である。
【符号の説明】
【0038】
1、1A、1B、1C、1’ 薄葉紙収納容器
2、2A、2B、2C 箱体
21、21A、21B、21C、21’ 取出し口
22、22A、22B、22C 天面部
23、23A、23B、23C 正面部
24、24A、24B、24C 底面部
25、26 収納部
3、3’ 連結部
31、31A、31B、31C 第一連結部
32、32A、32B、32C 第二連結部
311、311A、311B、321 凸部
312、322 凹部
313 ヒンジ
323 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9