特許第6363422号(P6363422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363422
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   B01D46/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-158388(P2014-158388)
(22)【出願日】2014年8月4日
(65)【公開番号】特開2016-34617(P2016-34617A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】593107373
【氏名又は名称】株式会社アクシー
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】西川 浅太郎
(72)【発明者】
【氏名】小谷 恵介
(72)【発明者】
【氏名】広田 祥二
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−241421(JP,A)
【文献】 実開平06−036125(JP,U)
【文献】 実開昭58−014928(JP,U)
【文献】 実開昭56−020620(JP,U)
【文献】 実開昭51−163587(JP,U)
【文献】 特開平09−142140(JP,A)
【文献】 特開平10−263345(JP,A)
【文献】 特開2007−322068(JP,A)
【文献】 特開昭49−017568(JP,A)
【文献】 実公昭39−035797(JP,Y1)
【文献】 実開昭56−014619(JP,U)
【文献】 実開昭59−038630(JP,U)
【文献】 米国特許第06361578(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/
F24F 7/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の濾材と、多角形状に形成され、前記濾材の周縁部が嵌め込まれる保持溝を有する枠材と、前記枠材に装着されて前記濾材を保持する保持線材とを備えたフィルタにおいて、
前記保持線材は、少なくとも一つの折曲部を有し、その折曲部が前記枠材のいずれか一辺の中間位置で前記保持溝に入り込み、一端部が枠材のいずれか一辺の中間位置で保持溝の内底面に当接し、他端部が枠材のいずれか一辺の中間位置またはコーナ部で保持溝の内底面に当接するように弾性変形した状態で枠材に装着されるものとし、
前記保持線材の一端部に、前記枠材に保持線材を装着したときに前記保持溝からはみ出す把手を設けたことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記保持線材の把手が、前記保持線材の一端部を折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾材を嵌め込んだ枠材に線材で形成した保持部材を装着して濾材を保持するようにしたフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄装置は、一般に、シート状の濾材を組み込んだフィルタを、ダクト等の空気通路に設けられる取付枠に取り付け、そのフィルタに対して空気を通過させることにより、空気に含まれている異物をフィルタの濾材で捕捉して空気を清浄化している。そのフィルタは、濾材で捕捉した異物が増えるにつれて濾過性能が低下するため、定期的に濾材の交換ができるように、枠材の内周側に開口する保持溝に濾材の周縁部を着脱可能に嵌め込んだものがよく用いられる。
【0003】
そして、上記のように濾材を交換可能としたフィルタでは、使用中の濾材の抜け落ちや変形による濾過性能の低下を防止するために、濾材を嵌め込んだ枠材に線材で形成した保持部材(以下、「保持線材」と称する。)や金網等の格子状部材を装着して、濾材を保持するようにしたものが多い(例えば、特許文献1、2参照。)。その保持線材は、特許文献1に記載されたV字状のものや特許文献2に記載されたW字状のもの、あるいは台形の一方の底辺を除く3辺を形成するように折り曲げられたもの等、種々の形状のものがあるが、通常は、その形状によらず、折曲部が枠材のいずれか一辺の中間位置で保持溝に入り込み、両端部がそれぞれ枠材のコーナ部で保持溝の内底面に当接するように弾性変形して突っ張った状態で枠材に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−113319号公報(図12
【特許文献2】特開平8−224422号公報(図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように保持線材を装着したフィルタでは、濾材を交換する際に保持線材も脱着することになる。ところが、保持線材を枠材から取り外そうとすると、最初に保持線材の両端部および折曲部のうちの一つを枠材の保持溝から引き出すときに、弾性変形した状態で枠材に装着されている保持線材をさらに大きく弾性変形させる必要があり、これに手間がかかることが多い。例えば、台形の3辺をなす形状の保持線材を用いている場合は、その台形の脚にあたる部分の中央部を持って弾性変形させることになるので、保持線材の寸法によってはかなり大きな力が必要となることがある。このように、保持線材を枠材から取り外すのに手間がかかることが、濾材交換時の作業性を低下させる要因の一つとなっている。
【0006】
そこで、本発明は、濾材を保持する保持線材を備えたフィルタにおいて、濾材交換時の作業性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、シート状の濾材と、多角形状に形成され、前記濾材の周縁部が嵌め込まれる保持溝を有する枠材と、前記枠材に装着されて前記濾材を保持する保持線材とを備えたフィルタにおいて、前記保持線材は、少なくとも一つの折曲部を有し、その折曲部が前記枠材のいずれか一辺の中間位置で前記保持溝に入り込み、一端部が枠材のいずれか一辺の中間位置で保持溝の内底面に当接し、他端部が枠材のいずれか一辺の中間位置またはコーナ部で保持溝の内底面に当接するように弾性変形した状態で枠材に装着されるものとし、前記保持線材の一端部に、前記枠材に保持線材を装着したときに前記保持溝からはみ出す把手を設けた構成を採用した。
【0008】
上記の構成によれば、保持線材を枠材から取り外す際に、最初に作業者が保持線材の一端部に設けた把手を持って保持線材を弾性変形させることにより、保持線材の一端部を枠材の保持溝から容易に引き出すことができるので、保持線材の直線部分の中央部を持って保持線材を弾性変形させる場合よりも作業がしやすくなり、濾材交換時の作業性を向上させることができる。
【0009】
ここで、前記保持線材の把手は、前記保持線材の一端部を折り曲げて形成したものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフィルタは、上述したように、枠材に装着されて濾材を保持する保持線材の一端部に把手を設け、その把手を持って保持線材を弾性変形させることにより、保持線材の一端部を枠材の保持溝から引き出せるようにしたものであるから、保持線材の枠材からの取り外しが容易で、濾材交換作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】a、bは、それぞれ実施形態のフィルタの前面側および後面側の外観斜視図
図2図1のフィルタの要部の横断面図
図3】a〜dは、それぞれ図1の保持線材の取り外し手順を説明する正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。このフィルタは、図1(a)、(b)および図2に示すように、矩形のシート状に形成された濾材1と、濾材1の周縁部が着脱可能に嵌め込まれる保持溝2aを有し、前面側から後面側に(図2の下側から上側に)空気を通す矩形の枠材2と、枠材2の前面側に配される保持線材3と、枠材2の後面側に配される格子状部材4とを備え、その保持線材3と格子状部材4とで濾材1を挟み付けるようにして保持することにより、使用中の濾材1の抜け落ちや変形による濾過性能の低下を防止するようにしたものである。
【0013】
前記枠材2は、金属製で、製作時に格子状部材4を構成する各線材の端部を保持溝2a内に抱え込む状態で断面コの字状に形成される。したがって、格子状部材4は枠材2から取り外すことはできず、濾材1および保持線材3は枠材2の前面側から着脱される。
【0014】
前記保持線材3は、金属製の線材をその中央部の二箇所で折り曲げてZ字状に形成するとともに、一端部3aを三角形状に折り曲げて形成した把手5を設けたものであり、その一端部3aが枠材2の一側辺の中間位置で、各折曲部3b、3cが上辺および下辺の中間位置で、他端部3dが枠材2の他側辺と下辺の間のコーナ部でそれぞれ保持溝2aの内底面に当接するように弾性変形した状態で枠材2に装着される。そして、このように保持線材3を枠材2に装着したときに、把手5が保持溝2aからはみ出すようになっている。
【0015】
前記格子状部材4は、保持線材3の素材と同じ金属製線材を格子状に組んで、その交差位置で線材どうしを溶接したものであり、前述のように枠材2を製作する際に枠材2内に配置される。
【0016】
このフィルタは、上記の構成であり、濾材1を交換する際には、保持線材3を一旦枠材2から取り外し、濾材1を新しいものに取り換えた後に再び保持線材3を枠材2に装着することになる。その保持線材3の脱着手順を、図3に基づいて以下に説明する。
【0017】
保持線材3を枠材2から取り外そうとするときは、まず、図3(a)に示すように保持線材3の一端部3aに設けた把手5を指でつまみ、図3(b)の実線で示すように保持線材3を弾性変形させて、保持線材3の一端部3aを枠材2の保持溝2aから引き出す。そして、把手5を枠材2の前面よりもわずかに手前へ引いて指を離すと、図3(b)の一点鎖線で示すように保持線材3の弾性復元により一端部3aが枠材2から外れる。次に、図3(c)に示すように、保持線材3の一端部3aを左斜め上側へ引っ張って、一端側の折曲部3bを保持溝2aから引き出し、続いて、図3(d)に示すように、一端部3aを左斜め下側へ引っ張って、他端側の折曲部3cを保持溝2aから引き出す。最後に、保持線材3全体を左斜め上側へ引っ張って、他端部3dを保持溝2aから引き出せばよい。
【0018】
また、保持線材3を枠材2に装着するときは、取り外しの際と逆の手順で、保持線材3の他端部3dを枠材2の他側辺と下辺の間のコーナ部で保持溝2aの内底面に当接させた後、他端側の折曲部3c、一端側の折曲部3b、一端部3aの順で枠材2の保持溝2aに差し込んでいけばよい。
【0019】
このフィルタでは、上述したように、保持線材3を枠材2から取り外す際に、最初に作業者が保持線材3の一端部3aに設けた把手5を持って保持線材3を弾性変形させることにより、保持線材3の一端部3aを枠材2の保持溝2aから容易に引き出せるので、従来の保持線材を用いたものよりも作業がしやすく、濾材1の交換作業を効率よく行うことができる。
【0020】
なお、保持線材は、上述した実施形態のようなZ字状のものに限らず、少なくとも一つの折曲部を有する形状で、一端部に把手が設けられ、その折曲部が枠材のいずれか一辺の中間位置で保持溝に入り込み、一端部が枠材のいずれか一辺の中間位置で保持溝の内底面に当接し、他端部が枠材のいずれか一辺の中間位置またはコーナ部で保持溝の内底面に当接するように弾性変形した状態で枠材に装着されるものであればよい。
【0021】
また、保持線材の把手は、別体で形成して保持線材の一端部に取り付けるようにしてもよいが、実施形態のように一端部を折り曲げて形成した方が低コストで製作しやすい。
【符号の説明】
【0022】
1 濾材
2 枠材
2a 保持溝
3 保持線材
3a 一端部
3b、3c 折曲部
3d 他端部
4 格子状部材
5 把手
図1
図2
図3