(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記角度調整具の前記移動用開口部が、前記元部側凹部の周縁における前記横杆の前記元部側凹部からの離脱側の縁に、前記横杆を、係止解除可能に係止する係止突起を配設させていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のバウンサー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のバウンサーでは、シートフレーム部の傾斜角度を調整する際、角度調整具の所定の収納溝に対し、シート側調整部の横杆やベース部側の支持軸を収納させるように、一方の手で、角度調整具を持ち、他方の手で、シートフレーム部を持ち上げて、所定の収納溝の高さに、対応する横杆等を収納することとなっていた。すなわち、従来のバウンサーでは、シートフレーム部の傾斜角度を調整する際、両手が塞がり、簡便にシートフレーム部の傾斜角度を調整できなかった。そのため、例えば、シートフレーム部に組み付けたシートに幼児を載せたままでは、幼児の重量がシートフレーム部に掛かることから、安全に、傾斜角度を調整し難く、幼児をシートから下した状態で、シートフレーム部の傾斜角度を調整することとなって、シートフレーム部の角度調整に手間がかかっていた。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、シートフレーム部の傾斜角度の調整を簡便に行うことができるバウンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るバウンサーは、設置面に配置されるベース部と、
該ベース部の前端側で、角度調整機構を介在させて、前記ベース部に軸支される回動軸を有し、該回動軸を中心とした後上がりに前記ベース部から立ち上がる傾斜角度を、前記角度調整機構により調整されるとともに、前記回動軸の上方付近に設けられた弾性変形部により、上下に揺動可能とし、かつ、シートを組付可能として、前記ベース部の上方に配設されるシートフレーム部と、
を備えて構成されるバウンサーであって、
前記角度調整機構が、
前記シートフレーム部の前記回動軸に連結されて、対向して後方に延びる縦杆と、両側の前記縦杆の先端相互を連結するように、左右方向に沿って配設される横杆と、を設けたU字状のシート側調整部と、
前記シート側調整部の前記横杆の後方側で、左右方向に沿って前記ベース部に配設される支持軸と、
前記シート側調整部の前記横杆を収納可能に、それぞれ、前方側に開口を設けて後方側に向かって凹むように形成されるとともに、前記支持軸から略半径方向に沿ってずれて配置される少なくとも3つ以上の収納溝を有して、異なった前記収納溝に前記横杆を収納することにより、前記シートフレーム部の傾斜角度を調整可能として、前記支持軸に回動可能に支持される角度調整具と、
を備えて構成され、
前記角度調整具が、
全ての前記収納溝の開口側を連通させるように、前記支持軸の軸支部から連なって延びて、前記横杆を移動可能な移動用開口部、を設けた環状体として構成されるとともに、
前記軸支部から離れた上端側を前方へ付勢する付勢手段、を設けて構成され、
前記移動用開口部が、
前記軸支部から最も離れた前記収納溝の開口より前記軸支部から離れた先端に、前記横杆を収納可能な先端凹部を設け、
前記軸支部側に、前記ベース部に重ねるように前記シートフレーム部を折り畳む際に、前記横杆を収納可能な元部側凹部を設けて構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るバウンサーでは、ベース部にシートフレーム部を重ねた折畳状態から、シートフレーム部の後端側を持ち上げると、付勢手段の付勢力により、角度調整具が上端側を前方に付勢される状態となる。そして、シート側調整部の横杆も、シートフレーム部と同様に、持ち上がり、角度調整具の移動用開口部における収納溝側の内周面を、元部側凹部から離脱しつつ、摺動する。そして、横杆が、軸支部に最も近い収納溝の開口の位置に配置されると、付勢手段の付勢力により、横杆をその収納溝に収納するように、角度調整具が前方移動(前方回転)する。さらに、シートフレーム部を持ち上げると、横杆が、角度調整具を付勢手段の付勢力に抗して後方側に移動させ(後方回転させ)、収納されていた収納溝から離脱し、ついで、軸支部から二番目に遠い収納溝の開口の位置に配置され、そして、その配置位置では、再度、付勢手段の付勢力により、横杆をその収納溝に収納するように、角度調整具が前方移動(前方回転)する。
【0011】
すなわち、シートフレーム部を持ち上げるにしたがって、付勢手段の付勢力を利用して、軸支部に近い順の収納溝に、順次、横杆が収納されることとなって、角度調整具を手で持たなくとも、シートフレーム部の傾斜角度を小さく規定する順の収納溝に、横杆を自動的に収納でき、角度調整具を手で持たなくともよい分、容易にシートフレーム部の角度調整を行うことができる。
【0012】
したがって、本発明に係るバウンサーでは、シートフレーム部の傾斜角度の調整を簡便に行うことができる。
【0013】
そして、本発明に係るバウンサーでは、前記ベース部における前記支持軸の後方側に、左右方向に沿う横軸が配設され、
前記角度調整具が、
弾性反発力を発揮可能な合成樹脂から形成されるとともに、
前記横軸に対して、前記軸支部から離れた上端側を前方へ付勢するように、圧接する前記付勢手段としての弾性変形部を、一体的に配設させて、
構成されていることが望ましい。
【0014】
このような構成では、角度調整具の後部側に付勢手段としての弾性変形部が一体的に配設されており、別途、ばね等の部品を使用することなく、部品点数を抑制して、バウンサーを構成することができる。
【0015】
そして、角度調整具に弾性変形部を形成する場合、本発明に係るバウンサーでは、前記角度調整具の前記弾性変形部が、
左右方向に沿った軸心を有して、外周面を前記横軸に圧接可能に、前記横軸側に突出する略半割り円筒状として形成されるとともに、
前記横杆の前記軸支部から前記先端凹部まで移動する際の前記支持軸周りの前記角度調整具の回転時に、前記横軸と圧接される外周エリアにおいて、
前記元部側凹部から前記横杆を離脱させた位置付近から、前記軸支部から最も離れた前記収納溝の開口から前記横杆を離脱させる位置付近まで、前記角度調整具における前記軸支部から離れた上端側を前方へ付勢可能な付勢エリアと、
該付勢エリアに隣接して、前記先端凹部への前記横杆の収納時に、弾性変形して前記横軸を収納し、前記角度調整具を静止可能な静止エリアと、
を備え、
前記角度調整具の前記移動用開口部が、前記軸支部に最も近い前記収納溝に対向する内周面に、該収納溝側に隆起する突条を備え、
該突条が、
前記横軸を前記静止エリアに収納させた前記角度調整具の静止状態の際、下降する前記横杆と干渉して、前記支持軸周りで前記角度調整具を前方に回転させて、前記横軸を前記付勢エリアに配置可能で、かつ、
前記付勢エリアの付勢力による前記角度調整具の前方回転時に、前記横杆を、前記突条から離脱させて、前記横杆を前記軸支部に最も近い前記収納溝に収納させるように案内可能な案内用突条として、
構成されていることが望ましい。
【0016】
このような構成では、横杆を移動用開口部の元部側凹部から離脱させて先端凹部に収納させるまでは、弾性変形部の付勢エリアに横軸が圧接されて、順次、軸支部から遠ざかる順の収納溝に横杆を収納して、小さい傾斜角度から大きな傾斜角度と調整するように、シートフレーム部を配置させることができる。そして、横杆を移動用開口部の先端凹部に収納させると、横軸が弾性変形部の静止エリアに収納されて、角度調整具が、その配置状態で、静止する。ついで、シートフレーム部を下げて、横杆を移動用開口部の先端凹部から下方に移動させる。この下方移動時、横杆が、案内用突条と干渉して、横軸の圧接部位を静止エリアから付勢エリアに配置させるように、角度調整具を回転させる。そして、付勢エリアに横軸が圧接されることにより、角度調整具が、前方回転するように前方側へ付勢され、案内用突条から離脱する横杆を軸支部に最も近い収納溝に収納させ、その結果、シートフレーム部が、最も小さな傾斜角度位置に配置される。
【0017】
すなわち、横杆を移動用開口部の先端凹部に収納させた後では、一旦、横杆とともにシートフレーム部を下降させるだけで、再度、角度調整具を手で持つこと無く、軸支部に近い収納溝に収納でき、その後、順次、軸支部から遠ざかる順の収納溝に、横杆を収納させることができて、所定の傾斜角度に、シートフレーム部を配置させることができる。勿論、横杆を移動用開口部の先端凹部に収納させる際も、角度調整具を手で持たなくともよい。そのため、傾斜角度を大きくした後、小さな角度に戻したりする調整を、角度調整具を手で持たなくとも、簡便に行なえる。また、この調整中、シートフレーム部から手を離しても、横杆の案内用突条との干渉を利用して、確実に、軸支部に最も近い収納溝に横杆を収納でき、シートフレーム部を急激に折畳状態に落下させるような事態を避けることができ、安全に、シートフレーム部の傾斜角度を調整できる。
【0018】
さらに、この場合、本発明に係るバウンサーでは、前記移動用開口部が、前記案内用突条に隣接する前記軸支部側の内周面に、折畳用凹部を備え、
該折畳用凹部が、
前記横軸を前記静止エリアに収納させた状態を維持して、前記横杆の前記案内用突条のエリアを通過可能な下り傾斜面と、
該下り傾斜面に連なり、前記支持軸周りで前記角度調整具を前方に回転させて、前記横軸を前記付勢エリアに配置可能に、前記横杆と干渉する干渉面と、
を備えていることが望ましい。
【0019】
このような構成では、シートフレーム部をベース部に重ねる折畳状態とする際、横杆が案内用突条と干渉しても、横軸が静止エリアから外れないように、角度調整具を持って、横杆を、案内用突条のエリアから折畳用凹部の下り傾斜面に配置する。その後、角度調整具から手を離して、シートフレーム部を下げると、横杆が折畳用凹部の干渉面と干渉して、横杆が角度調整具を前方回転させる。そして、静止エリアから付勢エリアに横軸の圧接部位が変わることから、横杆が、移動用開口部における収納溝側の内周面に当接し、シートフレーム部をさらに下げるに従って、元部側凹部に収納されて、円滑に、シートフレーム部の折畳状態に移行できる。
【0020】
したがって、上記のような構成では、横杆が案内用突条のエリアを通過する時だけ、角度調整具を持つ必要が生ずるものの、他の傾斜角度の調整や折畳作業は、角度調整具をもつ必要が無く、簡便にシートフレーム部の上げ下げや折り畳みを行うことができる。
【0021】
また、本発明に係るバウンサーでは、前記角度調整具の前記移動用開口部が、前記元部側凹部の周縁における前記横杆の前記元部側凹部からの離脱側の縁に、前記横杆を、係止解除可能に係止する係止突起を配設させていることが望ましい。
【0022】
このような構成では、折畳状態のシートフレーム部が、横杆を係止突起に係止させて、折畳状態を維持できることから、折り畳んでバウンサーを持ち運ぶ際、シートフレーム部とベース部とが開かず、容易に、バウンサーを持ち運ぶことができる。勿論、係止突起は、係止解除可能に横杆を係止していることから、折畳状態のシートフレーム部の後端側を所定の強い力加減で持ち上げれば、横杆が、係止突起の係止から解除されて、元部側凹部から離脱し、所定の収納溝に収納可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係るバウンサーでは、前記シートが、幼児の着座時の臀部付近を収納する凹部と、該凹部の下縁付近から下方に延びて幼児の下肢付近を受け止める平面部と、を備え、
前記シートフレーム部が、前記シートの前記凹部と前記平面部との境界部位付近の左右方向の離隔寸法を、上下の近傍部位より広げる幅広部を設けて、前記シートを組み付ける左右の縦杆部、を配設させていることが望ましい。
【0024】
このような構成では、シートをシートフレーム部に組み付けて使用する際、シートの凹部の平面部側の縁付近に、最も、幼児の荷重が作用し易く、その部位の左右の縦杆部が、狭まろうとする。しかし、シートフレーム部の左右の縦杆部が、予め、荷重の作用し易い部位に、その近傍部位より離隔寸法を広げた幅広部を設けていれば、幼児の荷重によって、左右の縦杆部が接近しても、幅広部の余裕分、両者の離隔距離を十分確保できて、シートに着座している幼児に対し、窮屈な感覚を与えずにバウンサーを使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のバウンサー10は、
図1〜3に示すように、設置面Fに配置されるベース部20と、ベース部20の上方に配置されるシートフレーム部40と、シートフレーム部40に組み付けられるシート90と、を備えて構成される。
【0027】
ベース部20は、前端側の前パネル部21と、前パネル部21に固定されて後方に延びる脚フレーム部30と、を備えて構成される。脚フレーム部30は、上方から見て略U字形状とするように、鋼管を曲げ加工して形成され、前端側から相互に平行に後方に延びる左右の縦杆部31,32と、後縁を拡開した台形の底辺とするように、左右の縦杆部31.32の後端相互を連結する連結部33と、を備えて構成されている。左右の縦杆部31,32には、後部側に、相互を連結するように、左右方向に沿って配設される支持軸35と横軸36とが、配設されている。支持軸35は、横軸36の前方側に配置され、横軸36は、支持軸35の後方側に配置されている。
【0028】
また、縦杆部31,32の前端付近の下面側には、後述するシートフレーム部40の回動軸42を収納する凹部31a,32a(
図13参照)が、左右方向に連なるように、配設されている。
【0029】
連結部33の後端側の左右のコーナ部の下面側には、設置面Fに対してずれを防止して、バウンサー10を載置できるように、下面側に弾性を有したTPE等の合成樹脂を設け、上面側に形状保持性の高いABS樹脂等の合成樹脂を設けた2層構造からなるパッド38,38が取り付けられている。
【0030】
前パネル部21は、ポリプロピレンやABS樹脂等からなる合成樹脂製として、下面側に、脚フレーム部30の縦杆部31,32を収納する前後方向に延びるフレーム収納凹部22,22と、シートフレーム部40の回動軸42を収納する左右方向に延びる軸収納凹部23と、を備えている。軸収納凹部23は、左右方向の中央付近に、後述するシート側調整部43の縦杆44,45を後方に突出可能な縦杆用凹部24,24を後方に延設させている。
【0031】
そして、前パネル部21には、縦杆部31,32をフレーム収納凹部22から外れないように、縦杆部31,32の下面側に前パネル部21に固定されるポリプロピレン等の合成樹脂からなる当板26,26が配設されている。当板26,26は、縦杆部31,32の凹部31a,32aの配置位置に配設されており、シートフレーム部40の回動軸42も軸支することとなる。
【0032】
なお、縦杆部31,32は、前端を、前パネル部21の前縁付近の下面側にねじ止めされ、前パネル部21の後縁付近で、当板26によって、下面側を受け止められて、前パネル部21に取付固定されることとなる。
【0033】
また、前パネル部21の左右の縁の下面側にも、設置面Fに対してずれを防止して、バウンサー10を載置できるように、下面側に弾性を有したTPE等の合成樹脂を設け、上面側に形状保持性の高いABS樹脂等の合成樹脂を設けた2層構造からなるパッド37,37が取り付けられている。
【0034】
さらに、前パネル部21の軸収納凹部23の左右両端付近には、回動軸42の下面側を部分的に支持できるように、前後に分割された支持割り面部23aが形成されている。支持割り面部23aは、下方から回動軸42を強く軸収納凹部23内に挿入させれば、前後に割れ、挿入完了後、復元して、回動軸42の下面側を支持可能となる。
【0035】
シートフレーム部40は、
図2,4,5に示すように、ベース部20の前端側で、角度調整機構60を介在させて、ベース部20に軸支される回動軸42を有し、回動軸42を中心とした後上がりにベース部20から立ち上がる傾斜角度θを、角度調整機構60により調整される構成としている。また、シートフレーム部40は、回動軸42の上方付近に設けられた弾性変形部50により、上下に揺動可能とし、かつ、シート90を組付可能として、ベース部20の上方に配設される。
【0036】
実施形態の場合、シートフレーム部40は、鋼等の弾性変形可能な金属棒からなる前部側の前側軸部41と、前側軸部41の後端に嵌合されるステンレス等の金属管からなる後側軸部55と、を備えて構成される。
【0037】
前側軸部41は、左右方向に沿った回動軸42を前端に配置させ、回動軸42の左右両縁から上方に立ち上がって後方に延びる縦杆部48,49を配置させて構成されている。回動軸42は、左右方向の中央に、シート側調整部43を配設させて、左右両側の左側部42aと右側部42bとに分割されて配設されている。
【0038】
縦杆部48,49は、左側部42aと右側部42bとの両縁から回動軸42の軸直交方向で立ち上がる立上り部48a,49aと、立上り部48a,49aから略1/4円弧状に後方に曲がるコーナ部48b,49bと、を備え、そして、コーナ部48b,49bの後端側で相互に略直線状に後方向に延びる直線部48c,49cを経て、相互の離隔距離を広げるように、左右に拡開して、幅広部53を設けた後、相互に接近するように、曲がる屈曲部48d,49dを設けて、形成されている。そして、実施形態では、コーナ部48b,49b付近が弾性変形部50を構成している。
【0039】
後側軸部55は、左右の略前後方向に延びる縦杆部56,57と、縦杆部56,57の後端相互を連結する半円弧状の連結部58と、を備えて構成されている。縦杆部56,57の前端には、屈曲部48d,49dの後端が嵌挿されて、後側軸部55と前側軸部41とが連結されている。
【0040】
幅広部53の配置位置は、
図1に示すように、シート90をシートフレーム部40に被せて組み付けた際、シート90における幼児CHの臀部Pを収納する凹部92と、凹部92に臀部Pを収納させた幼児CHの下肢Lを受け止め可能に、凹部92の下縁92a付近から下方に延びる平面部93と、の境界、換言すれば、凹部92の下縁92a付近に配置される。
【0041】
なお、シート90は、
図1,4に示すように、下方側に挿入用開口92bを設けた組付凹部90aを、表裏の布材の間に配設させるとともに、既述の凹部92と平面部93とを設けて構成されている。そして、組付凹部90aには、シートフレーム部40の後側軸部55と弾性変形部50付近より後方の前側軸部41の部位とが、挿入されて、シート90がシートフレーム部40に組み付けられる。
【0042】
凹部92の前側には、シートベルト95が配設されている。
【0043】
なお、シートフレーム部40における回動軸42のベース部20による軸支構造は、
図3,13に示すように、左側部42aと右側部42bとにおいて、それぞれ、縦杆部31,32の凹部31a,32aと当板26との上下の支持と、支持割り面部23aの下面側の支持と、により行なわれている。
【0044】
実施形態の角度調整機構60は、
図1,6〜9に示すように、角度調整具61、既述のシート側調整部43、ベース部20の支持軸35、及び、ベース部20の横軸36、から構成されている。
【0045】
シート側調整部43は、シートフレーム部40の回動軸42に連結されて、回動軸42の左側部42aと右側部42bとの左右方向の中央側の端部から、それぞれ、対向して後方に延びる縦杆44,45と、両側の縦杆44,45の先端相互を連結するように、左右方向に沿って配設される横杆46と、を設けたU字状としている。
【0046】
そして、左右方向に沿ってベース部20に配設される支持軸35は、シート側調整部43の横杆46の後方側に配設されている。
【0047】
角度調整具61は、弾性反発力を発揮可能なポリアセタール等の合成樹脂から形成され、支持軸35に回動可能に軸支されるとともに、シート側調整部43の横杆46を収納可能に、それぞれ、前方側に開口70aを設けて後方側に向かって凹むように形成される収納溝70(71,72,73,74)が配設されている。これらの収納溝70における第1収納溝71,第2収納溝72,第3収納溝73,第4収納溝74は、支持軸35から略半径方向に沿って離れるにしたがって、後述する弾性変形部85の付勢方向側(前方側)に、ずれて配置されている。そして、これらの異なった第1収納溝71,第2収納溝72,第3収納溝73,第4収納溝74に横杆46を収納することにより、シートフレーム部40の傾斜角度θを調整可能としている。
【0048】
実施形態の場合、第1収納溝71,第2収納溝72,第3収納溝73,第4収納溝74は、順次、支持軸35から離れて配設されている。そして、支持軸35から離れた第1収納溝71,第2収納溝72,第3収納溝73,第4収納溝74に、順次、横杆46を収納すると、シートフレーム部40の傾斜角度θが、順次、大きくなるように構成されている。これらの第1収納溝71,第2収納溝72,第3収納溝73,及び、第4収納溝74では、横杆46の収納時、内周面の下側部位の支持側壁部71b,72b,73b,74bと内周面の開口70aと対向する底面側部位の底壁部71c,72c,73c,74cとを、横杆46を保持知る保持部位71a,72a,73a,74aとして、これらの保持部位71a,72a,73a,74aが横杆46を保持して、傾斜角度θを調整した際のシートフレーム部40を保持することとなる。支持側壁部71b,72b,73b,74bも、支持軸35から略半径方向に沿って離れるにしたがって、後述する弾性変形部85の付勢方向側(前方側)に、ずれて配置されている。
【0049】
なお、実施形態の角度調整具61は、支持軸35を嵌挿させる軸支孔64aを設けた軸支部64が、二分割可能な分割面62を備え、さらに、分割面62を間にして対向する部位には、相互に係合可能な係合部62a,62bが配設されている。そのため、支持軸35を軸支部64に軸支させる際には、分割面62,62相互を支持軸35の軸方向に沿ってずらしておき、支持軸35を対応する軸支孔64aの内周面側に配置するとともに、係合部62a,62b相互を係合して、軸支部64を形成すれば、支持軸35に対して、角度調整具61を軸支させて組み立てることができる。
【0050】
そして、角度調整具61は、全ての収納溝70の開口70a側を連通させるように、支持軸35の軸支部64から連なって延びて、横杆46を移動可能な移動用開口部66、を設けた環状体として構成されている。移動用開口部66は、軸支部64側に、第1収納溝71の開口70aから離れて横杆46を収納可能な元部側凹部67と、第4収納溝74の開口70aから離れた先端側に、横杆46を収納可能な先端凹部68と、を配設させて構成されている。
【0051】
先端凹部68の天井面68aは、
図9のA〜Cに示すように、第4収納溝74から離脱した横杆46が前方回転する際、角度調整具61を支持軸35回りで後方回転させるように構成されている。この後方回転時、角度調整具61は、後述するように、横軸36が、弾性変形部85の下側曲面部85dと圧接されていた状態から、凹部85eに嵌合され、その状態で、横杆46は、先端凹部68の先端部68bに収納され、それ以上の前方回転が規制されるように、設定されている。
【0052】
元部側凹部67には、回動軸42から略水平方向の後方側に延びるように、シート側調整部43が倒れる際、横杆46が収納されることとなる。そして、その際には、シートフレーム部40は、回動軸42を回転中心として、最も下方に回転された状態となり、ベース部20に重なる折畳状態となる。そして、その際の軸支部64における移動用開口部66側の内周面には、折畳時のシートフレーム部40がベース部20側から不用意に開かないように、横杆46を、係止解除可能に係止する係止突起82が、配設されている。
【0053】
また、角度調整具61は、軸支部64から離れた上端61a側を前方へ付勢する付勢手段としての弾性変形部85が、外周面側の軸支部64の後面側に、配設されている。この弾性変形部85は、角度調整具61と一体成形されて、ベース部20における支持軸35の後方に配置されている横軸36に対して、上端61a側を前方へ付勢するように、換言すれば、角度調整具61を前方回転させるように、圧接されている。
【0054】
実施形態の場合、弾性変形部85は、
図6に示すように、角度調整具61の後面61b側の下部61cにおいて、すなわち、軸支部64の後面側において、左右方向に沿った軸心を有して、外周面を横軸36に圧接可能に、横軸36側に突出する略半割り円筒状として形成されている。そして、弾性変形部85は、後方に突出するような略半割り円筒状の曲面部85cの下端の下結合部85aと上端の上結合部85bとを、角度調整具61の後面に一体的に結合させて、角度調整具61と一体成形されている。曲面部85cには、上下方向の中間部位に、横軸36を弾性変形させて収納可能な凹部85eが形成され、凹部85eを含めて、凹部85の下側の下側曲面部85dが、横軸36に圧接されるエリアとしている。
【0055】
そして、凹部85eに横軸36が嵌合されると、
図9のCに示すように、弾性変形部85の弾性反発力が中立状態となって、角度調整具61は、支持軸35回りで、その回転を停止可能に、構成されている。そしてこの時、後述する案内用突条76や折畳用凹部78が、角度調整具61の移動用開口部66の前側内周面66aに配置されていなければ、横杆46は、先端凹部68と元部側凹部67との両者間を、前側内周面66aの後方近傍で、各収納溝70の支持側壁部71b,72b,73b,74bの先端と干渉することなく、往復移動できるように、換言すれば、横杆46を、回動軸42を回転中心として、回動することができるように、移動用開口部66が構成されている。
【0056】
一方、横軸36が曲面部85cの下側曲面部85dに圧接されている場合には、角度調整具61は、
図6〜8に示すように、支持軸35回りで、上端61aを前方移動させるように、前方回転するように付勢される。そのため、この状態では、横杆46が、元部側凹部67を離脱してから先端凹部68まで移動するように、回動軸42を中心として、上方回転すると、まず、横杆46は、移動用開口部66の後側内周面66b側と摺動し、下側曲面部85dの付勢力に抗して、角度調整具61を後方回転させつつ、第1収納溝71の下側の支持側壁部71bを乗り越え、乗り越えた横杆46に対し、第1収納溝71を嵌めように、下側曲面部85dの付勢力により、角度調整具61が前方回転し、そして、横杆46が第1収納溝71に収納される。さらに、横杆46を上方回転させると、順次、
図6のB、
図7のA〜C、
図8のA,Bに示すように、下側曲面部85dの付勢力に抗して、角度調整具61を後方回転させつつ、下側の支持側壁部72b,73b,74bを乗り越えて、乗り越えた支持側壁部72b,73b,74bの上方の第2収納溝72,第3収納溝73,第4収納溝74に順次収納され、そしてさらに、
図9のA,Bに示すように、第4収納溝74を離脱することとなる。
【0057】
すなわち、支持軸35周りの角度調整具61の回転時の状態から見れば、横軸36と圧接される曲面部85cの外周エリアにおいては、付勢エリア86としての下側曲面部85dと、静止エリア87としての凹部85eとを備える構成となる。そして、付勢エリア86としての下側曲面部85dは、元部側凹部67から横杆46を離脱させた位置付近から、軸支部64から最も離れた第4収納溝74の開口70aから横杆46を離脱させる位置付近まで、角度調整具61の上端61a側を前方へ付勢するエリアとなる。また、静止エリア87としての凹部85eは、付勢エリア86に隣接するエリアとして、
図9のB,Cに示すように、天井面68aを経て先端凹部68へ収納される横杆46の押圧動作による角度調整具61の後方回転に伴なって、弾性変形して横軸36を収納するエリアとなり、そして、角度調整具61を静止させるエリアとなる。
【0058】
さらに、実施形態の角度調整具61には、移動用開口部66の前側内周面66aには、第1収納溝71に対向する部位に、第1収納溝71側に隆起する案内用突条76が配設されている。この案内用突条76は、
図10のA,Bに示すように、横軸36を静止エリア87に収納させた角度調整具61の静止状態の際、下降する横杆46と干渉して、支持軸35周りで角度調整具61を前方に回転させて、横軸36を付勢エリア86に配置可能で、かつ、
図10のCに示すように、付勢エリア86の付勢力による角度調整具61の前方回転時に、横杆46を、案内用突条76から離脱させて、横杆46を第1収納溝71に収納させるように案内可能に隆起する案内面76aを上面側に備えている。
【0059】
なお、案内用突条76の先端と第1収納溝71や第2収納溝72の支持側壁部71b,72bとの間には、横杆46の軸径より僅かに広い隙間Hが配設されている。しかし、この隙間Hは、広すぎないことから、横杆46が、案内面76aの押圧に伴なう角度調整具61の回転によって、横軸36が静止エリア87から付勢エリア88に移行するまで、支持側壁部71bの下面側に入り込むことが無いように、設定されている。
【0060】
さらに、実施形態の角度調整具61は、移動用開口部66が、案内用突条76に隣接する軸支部64側の前側内周面66aに、折畳用凹部78を備えて構成されている。この折畳用凹部78は、
図11のA,Bに示すように、横杆46の案内用突条76のエリアを通過可能な下り傾斜面79と、下り傾斜面79に連なって隆起し、支持軸35周りで角度調整具61を前方に回転させて、横軸36を付勢エリア86に配置可能に、横杆46と干渉する干渉面80と、を備えて構成されている。なお、実施形態の場合、案内用突条76をエリアを通過させる際には、横軸36が静止エリア87から外れないように、角度調整具61を手で保持して、横軸36を静止エリア87に収納させた状態を維持させ、そして、横杆46が下り傾斜面79を経て干渉面80付近に到達すれば、角度調整具61から手を放す。その状態で、横杆46を下降させれば、
図11のB、
図12のAに示すように、横杆46が干渉面80と干渉して、角度調整具61を支持軸35周りで前方に回転させることとなり、横軸36が付勢エリア86に配置されることとなって、横杆46が、第1収納溝71の支持側壁部71bの下方における移動用開口部66の後側内周面66bと当接する。そしてさらに、横杆46を下降させれば、横杆46は、後側内周面66bと摺動して、係止突起82を乗り越え、そして、元部側凹部67に収納されることとなる。そしてこの状態では、シートフレーム部40がベース部20の上方で重なるように折り畳まれた状態となる(
図14参照)。なお、この折り畳み完了時には、横杆46による元部側凹部67の内周面(下面側、すなわち、移動用開口部66の前側内周面66aの下端側)への押圧により、角度調整具61が前方回転して、横軸36が下側曲面部85dから離隔される状態となる(
図12のB参照)。
【0061】
実施形態のバウンサー10では、使用時、シートフレーム部40にシート90を被せるように組み付けて使用する。そして、
図14に示すようなベース部20にシートフレーム部40を重ねた折畳状態から、シートフレーム部40の後端40a側を持ち上げると、付勢手段85としての弾性変形部85の付勢エリア86の付勢力により、
図12のAに示すように、角度調整具61が上端側を前方に付勢される状態となる。また、シート側調整部43の横杆46も、シートフレーム部40と同様に、持ち上がり、角度調整具61の移動用開口部66における収納溝70側の内周面(後側内周面)66bを、元部側凹部67から離脱しつつ、摺動する。そして、横杆46が、
図6のAに示すように、軸支部64に最も近い第1収納溝71の開口70aの位置に配置されると、付勢手段としての弾性変形部85の付勢エリア86の付勢力により、横杆46をその収納溝71に収納するように、角度調整具61が前方移動(前方回転)する。さらに、シートフレーム部40を持ち上げると、横杆46が、
図6のBに示すように、角度調整具61を弾性変形部85の付勢力に抗して後方側に移動させ(後方回転させ)、収納されていた収納溝71から離脱し、ついで、軸支部64から二番目に遠い収納溝72の開口70aの位置に配置され、そして、その配置位置では、再度、弾性変形部85の付勢力により、横杆46をその収納溝72に収納するように、角度調整具61が前方移動(前方回転)する(
図7のA参照)。
【0062】
すなわち、
図6〜8に示すように、シートフレーム部40を持ち上げるにしたがって、付勢手段としての弾性変形部85の付勢力を利用して、軸支部64に近い順の収納溝71,72,73,74に、順次、横杆46が収納されることとなって、角度調整具61を手で持たなくとも、シートフレーム部40の傾斜角度θを小さく規定する順の収納溝71,72,73,74に、横杆46を自動的に収納でき、角度調整具61を手で持たなくともよい分、容易にシートフレーム部40の角度調整を行うことができる。
【0063】
したがって、実施形態のバウンサー10では、シートフレーム部40の傾斜角度θの調整を簡便に行うことができる。
【0064】
そして、実施形態のバウンサー10では、ベース部20における支持軸35の後方側に、左右方向に沿う横軸36が配設されている。さらに、角度調整具61が、弾性反発力を発揮可能な合成樹脂から形成されるとともに、横軸36に対して、軸支部64から離れた上端61a側を前方へ付勢するように、圧接する付勢手段としての弾性変形部85を、一体的に配設させて、構成されている。
【0065】
そのため、実施形態では、角度調整具61の後部側、すなわち、後面61bの下部61c側に、付勢手段としての弾性変形部85が一体的に配設されており、別途、ばね等の部品を使用することなく、部品点数を抑制して、バウンサー10を構成することができる。
【0066】
勿論、上記の点を考慮しなければ、コイルばねやねじりばね等を付勢手段を使用して、角度調整具61の上端61aを上方に付勢するように構成してもよい。
【0067】
そして、実施形態では、角度調整具61の弾性変形部85が、左右方向に沿った軸心を有して、外周面を横軸36に圧接可能に、横軸36側に突出する略半割り円筒状として形成されている。横杆46の軸支部64から先端凹部68まで移動する際の支持軸35周りの角度調整具61の回転時に、横軸36と圧接される弾性変形部85の外周エリアにおいて、付勢エリア86と静止エリア87とが配設されている。付勢エリア86は、元部側凹部67から横杆46を離脱させた位置付近から、軸支部64から最も離れた収納溝74の開口70aから横杆46を離脱させる位置まで、角度調整具61の上端61a側を前方へ付勢可能としている。静止エリア87は、
図9に示すように、付勢エリア86に隣接して、先端凹部68への横杆46の収納時に、弾性変形して横軸36を収納し、角度調整具61を静止可能としている。さらに、角度調整具61の移動用開口部66が、軸支部64に最も近い収納溝71に対向する内周面66aに、収納溝71側に隆起する突条76を備えている。この突条76は、横軸36を静止エリア87に収納させた角度調整具61の静止状態の際、下降する横杆46と干渉して、支持軸35周りで角度調整具61を前方に回転させて、横軸36を付勢エリア86に配置可能で、かつ、付勢エリア86の付勢力による角度調整具61の前方回転時に、横杆46を、突条76から離脱させて、横杆46を収納溝71に収納させるように案内可能な案内用突条76として、構成されている(
図10参照)。
【0068】
そのため、実施形態のバウンサー10では、
図6〜8に示すように、横杆46を移動用開口部66の元部側凹部67から離脱させてから先端凹部68に収納させるまでは、弾性変形部85の付勢エリア86に横軸36が圧接されて、順次、軸支部63から遠ざかる順の収納溝71,72,73,74に横杆46を収納して、小さい傾斜角度θから大きな傾斜角度θと調整するように、シートフレーム部40を配置させることができる。そして、横杆46を移動用開口部66の先端凹部68に収納させると、
図9,10に示すように、横軸36が弾性変形部85の静止エリア87に収納されて、角度調整具61が、その配置状態で、静止する。ついで、シートフレーム部40を下げて、横杆46を移動用開口部66の先端凹部68から下方に移動させる。この下方移動時、
図8に示すように、横杆46が、案内用突条76と干渉して、横軸36の圧接部位を静止エリア87から付勢エリア86に配置させるように、角度調整具61を前方回転させる。そして、付勢エリア86に横軸36が圧接されることにより、角度調整具61が、前方回転するように前方側へ付勢され、案内用突条76から離脱する横杆46を第1収納溝71に収納させ、その結果、シートフレーム部40が、最も小さな傾斜角度位置に配置される。
【0069】
すなわち、横杆46を移動用開口部66の先端凹部68に収納させた後では、一旦、横杆46とともにシートフレーム部40を下降させるだけで、再度、角度調整具61を手で持つこと無く、軸支部64に近い収納溝71に収納でき、その後、順次、軸支部64から遠ざかる順の収納溝72,73,73に、横杆46を収納させることができて、所定の傾斜角度に、シートフレーム部40を配置させることができる。勿論、横杆46を移動用開口部66の先端凹部68に収納させる際も、角度調整具61を手で持たなくともよい。そのため、傾斜角度θを大きくした後、小さな角度に戻したりする調整を、角度調整具61を手で持たなくとも、簡便に行なえる。また、この調整中、シートフレーム部40から手を離しても、横杆46の案内用突条76との干渉を利用して、確実に、軸支部64に最も近い収納溝71に横杆46を収納でき、シートフレーム部40を急激に折畳状態に落下させるような事態を避けることができ、安全に、シートフレーム部40の傾斜角度を調整できる。
【0070】
さらに、実施形態のバウンサー10では、移動用開口部66が、案内用突条76に隣接する軸支部64側の内周面66aに、折畳用凹部78を備えている。折畳用凹部78は、横軸36を静止エリア87に収納させた状態を維持して、横杆46の案内用突条76のエリアを通過可能な下り傾斜面79と、下り傾斜面79に連なり、支持軸35周りで角度調整具61を前方に回転させて、横軸36を付勢エリア86に配置可能に、横杆46と干渉する干渉面80と、を備えている。
【0071】
そのため、実施形態では、
図11のA,Bに示すように、シートフレーム部40をベース部20に重ねる折畳状態とする際、横杆46が案内用突条76と干渉しても、横軸36が静止エリア87から外れないように、角度調整具61を手で持って、横杆46を、案内用突条76のエリアから折畳用凹部78の下り傾斜面79に配置する。その後、角度調整具61から手を離して、シートフレーム部40を下げると、
図11のB、
図12のAに示すように、横杆46が折畳用凹部78の干渉面80と干渉して、横杆46が角度調整具61を前方回転させる。そして、静止エリア87から付勢エリア86に横軸36の圧接部位が変わることから、横杆46が、移動用開口部66における収納溝70側の内周面66bに当接し、シートフレーム部40をさらに下げるに従って、
図12のBに示すように、元部側凹部67に収納されて、円滑に、シートフレーム部40の折畳状態に移行できる。
【0072】
したがって、実施形態では、横杆46が案内用突条76のエリアを通過する時だけ、角度調整具61を持つ必要が生ずるものの、他の傾斜角度の調整や折畳作業は、角度調整具61をもつ必要が無く、簡便にシートフレーム部40の上げ下げや折り畳みを行うことができる。
【0073】
なお、上記の点を考慮しなければ、折畳用凹部78を設けずに構成してもよい。この場合、案内用突条76を通過する際に角度調整具61を手で持ち、元部側凹部67に横杆46が配置される直前までは、横軸36が静止エリア87に配置されるが、元部側凹部67に収納される際には、元部側凹部67の内周面に横杆46が当たり、角度調整具61を前方回転させて、横軸36が、静止エリア87から付勢エリア86に移行され、さらに、
図12のBに示すように、下側曲面部85から離脱した折り畳み状態となる。
【0074】
また、実施形態のバウンサー10では、角度調整具61の移動用開口部66が、元部側凹部67の周縁における横杆46の元部側凹部67からの離脱側の縁に、横杆46を、係止解除可能に係止する係止突起82を配設させている。
【0075】
そのため、実施形態では、折畳状態のシートフレーム部40が、横杆46を係止突起82に係止させて、折畳状態を維持できることから、折り畳んでバウンサー10を持ち運ぶ際、シートフレーム部40とベース部20とが開かず、容易に、バウンサー10を持ち運ぶことができる。勿論、係止突起82は、係止解除可能に横杆46を係止していることから、折畳状態のシートフレーム部40の後端40a側を所定の強い力加減で持ち上げれば、横杆46が、係止突起82の係止から解除されて、元部側凹部67から離脱し、所定の収納溝70に収納可能となる。
【0076】
さらに、実施形態のバウンサー10では、シート90が、幼児CHの着座時の臀部P付近を収納する凹部92と、凹部92の下縁92a付近から下方に延びて幼児CHの下肢L付近を受け止める平面部93と、を備え、シートフレーム部40が、シート90の凹部92と平面部93との境界部位付近の左右方向の離隔寸法を、上下の近傍部位より広げる幅広部53を設けて、シート90を組み付ける左右の縦杆部48,49を配設させている。
【0077】
そのため、実施形態では、シート90をシートフレーム部40に組み付けて使用する際、シート90の凹部92の平面部93側の縁92a付近に、最も、幼児CHの荷重が作用し易く、その部位の左右の縦杆部48,49が、狭まろうとする。しかし、シートフレーム部40の左右の縦杆部48,49が、予め、荷重の作用し易い部位に、その近傍部位より離隔寸法を広げた幅広部53を設けていれば、幼児CHの荷重によって、左右の縦杆部48,49が接近しても、幅広部53の余裕分、両者の離隔距離を十分確保できて、シート90に着座している幼児CHに対し、窮屈な感覚を与えずにバウンサー10を使用できる。