(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る電子部品は、誘電体層と、第1の外部導体層と、第2の外部導体層と、第1の内部導体と、第2の内部導体とを具備する。
上記誘電体層は、誘電性材料からなり、第1の面と、上記第1の面と反対側の第2の面と、上記第1の面と上記第2の面に連通する複数の貫通孔を備える。
上記第1の外部導体層は、上記誘電体層の第1の面に設けられている。
上記第2の外部導体層は、上記誘電体層の第2の面に設けられている。
上記第1の内部導体は、上記複数の貫通孔に形成され、上記第1の外部導体層に接し上記第2の外部導体層と離間する第1の内部導体であって、第1の導電性材料からなる第1の導体部分と、上記第1の導電性材料よりマイグレーションを起こしにくい第2の導電性材料からなる第2の導体部分とを有し、上記第2の導体部分は、上記第1の導体部分の少なくともいずれか一端に接するように設けられている。
上記第2の内部導体は、上記複数の貫通孔に形成され、上記第2の外部導体層に接し上記第1の外部導体層と離間する。
【0014】
誘電体に形成された貫通孔に導体が配設された構造体は、内部導体を対向電極とするコンデンサとして利用することが可能である。上記構成によれば、第1の導電性材料からなる第1の導体部分の両端の少なくとも一端に配設された第2の導体部分が、マイグレーションを生じにくい第2の導電性材料からなるため、マイグレーションによる短絡を防止することが可能である。換言すれば、第1の導電性材料はマイグレーションの生じやすさを考慮する必要がないため、抵抗率等に応じて第1の導電性材料を選択することが可能となる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る電子部品は、絶縁体層と、第1の外部導体層と、第2の外部導体層と、第1の内部導体とを具備する。
上記絶縁体層は、絶縁性材料からなり、第1の面と、上記第1の面と反対側の第2の面と、上記第1の面と上記第2の面に連通する複数の貫通孔を備える。
上記第1の外部導体層は、上記絶縁体層の第1の面に設けられている。
上記第2の外部導体層は、上記絶縁体層の第2の面に設けられている。
上記第1の内部導体は、上記複数の貫通孔に形成され、両端がそれぞれ上記第1の外部導体層及び上記第2の外部導体層に接する第1の内部導体であって、第1の導電性材料からなる第1の導体部分と、上記第1の導電性材料よりマイグレーションを起こしにくい第2の導電性材料からなる第2の導体部分とを有し、上記第2の導体部分は上記第1の導体部分の少なくともいずれか一端に接するように設けられている。
【0016】
絶縁体に形成された貫通孔に内部導体が配設された構造体は、内部導体を導電経路とするインターポーザとして利用することが可能である。上記構成によれば、第1の導電性材料からなる第1の導体部分の両端の少なくとも一端に配設された第2の導体部分が、マイグレーションを生じにくい第2の導電性材料からなるため、マイグレーションによる短絡を防止することが可能である。換言すれば、第1の導電性材料はマイグレーションの生じやすさを考慮する必要がないため、抵抗率等に応じて第1の導電性材料を選択することが可能となる。
【0017】
上記第1の導電性材料はAg、Cu及びAuのいずれかであり、上記第2の導電性材料はNi、Ni合金及び有機導電体のいずれかであってもよい。
【0018】
Ag、Cu及びAuは比較的電気抵抗が小さく、導電体の材料として好適であるが、マイグレーションが生じやすい。このため、これらのいずれかの材料からなる第1の導体部分の一端に、マイグレーションが生じにくい、Ni、Ni合金及び有機導電体のいずれかの材料からなる第2の導体部分を配設することにより、マイグレーションの発生を防止することが可能となる。
【0019】
上記第1の導電性材料はNiであり、上記第2の導電性材料はNi合金及び有機導電体のいずれかであってもよい。
【0020】
第1の導電性材料としてNiを選択する場合、Niよりマイグレーションが生じにくいNi合金又は有機導電体を第2の導電性材料として選択することが可能である。
【0021】
上記誘電体層又は上記絶縁体層は、金属の陽極酸化によって形成された上記貫通孔を備える金属酸化物からなるものであってもよい。
【0022】
一部の金属(アルミニウム等)は、陽極酸化によって金属酸化物を形成する際に、自己組織化によって微細孔を形成する。このため、このような構造を利用してコンデンサやインターポーザ等の電子部品を作製することが可能である。一方で、陽極酸化における湿式工程や残渣の影響、貫通孔という形状によって、貫通孔に配設された内部導体においてマイグレーションが発生しやすくなる。本発明によれば、陽極酸化によって形成された貫通孔を利用する電子部品においても、マイグレーションの発生を防止することが可能である。
【0023】
上記第2の導体部分は、上記第1の導体部分の上記第1の面側の端と上記第2の面側の端にそれぞれ設けられていてもよい。
【0024】
この構成によれば、第1の導体部分の両端に第2の導体部分が設けられるため、第1の内部導体の両端におけるマイグレーションの発生を防止することが可能となる。
【0025】
上記第1の内部導体の第2の導体部分は、上記第1の導体部分と上記第1の外部導体層の間に設けられていてもよい。
【0026】
誘電体層に第1の外部導体層が配設され、第1の内部導体が第1の外部導体層と導通する構造では、第1の内部導体と第1の外部導体層の界面においてマイグレーションによる短絡が発生するおそれがある。上記構成によれば、第1の内部導体は、基部(第1の外部導体層側端部)に第2の導体部分が設けられているため、第1の内部導体と第1の外部導体層の界面におけるマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0027】
上記第1の内部導体の第2の導体部分は、上記第1の導体部分と上記第2の外部導体層の間に設けられていてもよい。
【0028】
誘電体層に第2の外部導体層が配設され、第1の内部導体が第2の外部導体層と離間する構造では、第1の内部導体と対向する第2の外部導体層の間で短絡が発生するおそれがある。上記構成によれば、第1の内部導体は、先端(第2の外部導体層側端部)に第2の内部導体が設けられているため、第1の内部導体と対向する第2の外部導体層の間におけるマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0029】
上記第1の内部導体の第2の導体部分は、さらに、上記第1の導体部分と上記第2の外部導体層の間に設けられていてもよい。
【0030】
この構成によれば、誘電体層に第1の外部導体層及び第2の外部導体層が配設されているが、第1の内部導体の両端に第2の導体部分が設けられているため、第1の内部導体の両端においてマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0031】
上記第2の内部導体は、上記第1の導電性材料からなる第3の導体部分と、上記第2の導電性材料からなる第4の導体部分とを有し、上記第4の導体部分は、上記第3の導体部分の両端に接して設けられていてもよい。
【0032】
この構成によれば、電子部品は、第1の外部導体層に導通する第1の内部導体と、第2の外部導体層に導通する第2の内部導体を備える。第1の内部導体の基部には第2の導体部分が配設され、第2の内部導体の基部には第4の導体部分が配設されているため、第1の内部導体と第2の内部導体の基部におけるマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0033】
上記第2の内部導体は、上記第1の導電性材料からなる第3の導体部分と、上記第2の導電性材料からなる第4の導体部分とを有し、上記第4の導体部分は、上記第3の導体部分と上記第1の外部導体層の間に両端を設して設けられていてもよい。
【0034】
この構成によれば、電子部品は、第2の外部導体層と離間する第1の内部導体と、第1の外部導体層と離間する第2の内部導体とを備える。第1の内部導体の先端には第2の導体部分が配設され、第2の内部導体の先端には第4の導体部分が配設されているため、第1の内部導体と第2の内部導体の先端におけるマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0035】
上記電子部品は、
上記第2の導体部分が、上記第1の導体部分に接し、上記第2の外部導体層とは離間するように、上記第1の導体部分と上記第2の外部導体層の間にさらに設けられている第1の内部導体と、
上記第4の導体部分が、上記第3の導体部分に接し、上記第1の外部導体層とは離間するように、上記第3の導体部分と上記第1の外部導体層の間にさらに設けられている第2の内部導体と、
を具備していてもよい。
【0036】
この構成によれば、第1の内部導体と第2の内部導体の、基部と先端におけるマイグレーションによる短絡の発生を防止することが可能である。
【0037】
本発明の一実施形態に係る回路モジュールは、上記電子部品を搭載する。
【0038】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、上記回路モジュールを搭載する。
【0039】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るインターポーザについて説明する。
【0040】
[インターポーザの構成]
図1は、本実施形態に係るインターポーザ100の構成を示す模式図であり、
図2はインターポーザ100の断面図である。これらの図に示すように、インターポーザ100は、絶縁体層101、第1外部導体層102、第2外部導体層103及び内部導体104を備える。
【0041】
絶縁体層101は、絶縁性材料からなる層である。絶縁体層101は、貫通孔(ポーラス)を形成することが可能な絶縁性材料からなるものとすることができ、特に陽極酸化されると自己組織化作用によってポーラスを生じる材料が好適である。このような材料としては、酸化アルミニウム(Al
2O
3)を挙げることができる。また、この他に絶縁体層101は、弁金属(Al、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Zn、W、Sb)の酸化物からなるものとすることが可能である。この他にも絶縁体層101は、貫通孔を形成することが可能な絶縁性材料からなるものとすることができる。絶縁体層101の厚みは特に限定されないが、例えば数μm〜数百μmとすることができる。
【0042】
図3は絶縁体層101の断面図である。同図に示すように、絶縁体層101には、複数の貫通孔101aが形成されている。絶縁体層101の層面方向に平行な表面を第1の面101bとし、その反対側の面を第2の面101cとすると、貫通孔101aは第1の面101b及び第2の面101cに垂直な方向(絶縁体層101の厚み方向)に沿って形成され、第1の面101b及び第2の面101cに連通するように形成されている。なお、
図3等に示す貫通孔101aの数や大きさは便宜的なものであり、実際のものはより小さく、多数である。貫通孔101aの孔径は特に限定されないが数十nm〜数百nmとすることができる。
【0043】
第1外部導体層102は導電性材料からなり、第1の面101bに配設されている。第1外部導体層102を構成する導電性材料は例えば、Cu、Ni、Cr、Ag、Pd、Fe、Sn、Pb、Pt、Ir、Rh、Ru、Al、Ti等の純金属やこれらの合金であるものとすることができる。第1外部導体層102の厚さは例えば数十nm〜数μmであるものとすることができる。また、第1外部導体層102は、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることも可能である。
【0044】
第2外部導体層103は導電性材料からなり、第2の面101cに配設されている。第2外部導体層103を構成する導電性材料は、第1外部導体層102と同様の導電性材料からなるものとすることができ、その厚さは例えば数nm〜数μmであるものとすることができる。第2外部導体層103の構成材料は第1外部導体層102の構成材料と同一でもよく異なっていてもよい。また、第2外部導体層103も、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることが可能である。
【0045】
内部導体104は、導電体であり、貫通孔101a内に形成されている。
図4は、内部導体104を示す模式図であり、
図2の拡大図である。同図に示すように、内部導体104は、第1導体部分104aと第2導体部分104bから構成されている。
【0046】
第1導体部分104aは、導電性材料からなる。以下、第1導体部分104aを構成する導電性材料を第1導電性材料とする。第1導電性材料は、電気抵抗率の低い材料が好適であり、例えば、Ag、Cu、Au及びNiのいずれかであるものとすることができる。第1導体部分104aは、
図4に示すように、貫通孔101aの長さ方向における中央部分に形成され、内部導体104の長さの大部分を占めるものとすることができる。
【0047】
第2導体部分104bは、導電性材料からなる。以下、第2導体部分104bを構成する導電性材料を第2導電性材料とする。第2導電性材料は、第1導電性材料よりマイグレーションを起こしにくい材料である。マイグレーションは、電界の影響で金属材料が非金属物質上を移動する現象であり、金属材料の変形を生じさせる。マイグレーションには、導電体中を移動する電子と金属原子の間での運動量の交換により、イオンが移動するエレクトロマイグレーションと、金属材料がイオンとして溶出し、還元されることで生じるイオンマイグレーションがある。
【0048】
マイグレーションの生じやすさは金属の融点、イオン化傾向、金属構造の質(粒径や粒界の多さ)、周辺環境(水分量やエネルギーストレス)等の要因によって決定される。具体的には、マイグレーションを生じやすい順は、Ag>Cu>(Ni、Au)>(Ni合金、有機導電体)である。
【0049】
上記のように、第2導電性材料は第1導電性材料よりマイグレーションを生じにくい材料である。このため、第1導電性材料がAg、Cu及びAuのいずれかである場合、第2導電性材料はNi、Ni合金及び有機導電体のいずれかであるものとすることができる。また、第1導電性材料がNiである場合、第2導電性材料はNi合金及び有機導電体のいずれかであるものとすることができる。
【0050】
なお、上記Ni合金は、W、Ti、V、Cr、Si、Al、Mo、Mn、Zn、Sn、Co、Fe、Ag、Cuのいずれか一つ又は複数である添加物とNiの合金であるものとすることができる。Ni合金の抵抗率は添加物の量で変動するが、Cuに10wt%のNiを添加した10%Ni−Cu合金の抵抗率は19×10
−6Ωcmである。
【0051】
また、上記有機導電体は導電性を有する高分子材料である。このような材料としては、ポリチオフェン(抵抗率1×10
−2Ωcm)、ポリアニリン(抵抗率2×10
−2Ωcm)、ポリピロール(抵抗率1×10
−2Ωcm)、ポリアセチレン(抵抗率2×10
−3Ωcm)等が挙げられる。
【0052】
第2導体部分104bは、
図4に示すように、貫通孔101a内において第1導体部分104aの両端に設けられ、第1導体部分104a、第1外部導体層102及び第2外部導体層103に接しているものとすることができる。即ち、第1導体部分104aは、第2導体部分104bを介して第1外部導体層102及び第2外部導体層103に接続されているものとすることができる。また、第2導体部分104bは必ずしも第1導体部分104aの両端に設けられなくてもよい。
図5及び
図6は、第2導体部分104bの配設位置を示す模式図である。
【0053】
図5に示すように第2導体部分104bは第1導体部分104aの第1の面101b側にのみ設けられてもよい。また、図示は省略するが、第2の面101c側にのみ設けられてもよい。さらに、
図6に示すように第2導体部分104bは、一部の内部導体104において第1の面101b側にのみ設けられ、他の内部導体104において第2の面101c側にのみ設けられてもよい。さらに、第2導体部分104bは必ずしも全ての内部導体104において設けられていなくてもよく、一部の内部導体104においてのみ設けられていてもよい。
【0054】
インターポーザ100は以上のような構成を有する。なお、インターポーザ100は、第1の面101b及び第2の面101cの両方又は一方に外部絶縁体層が配設されていてもよい。
図7は、外部導体層及び外部絶縁体層が設けられたインターポーザ100を示す模式図である。同図に示すように、インターポーザ100は、絶縁体層101、第1外部導体層102、第2外部導体層103及び内部導体104に加え、第1外部絶縁体層105及び第2外部絶縁体層106を備えるものとすることができる。
【0055】
第1外部絶縁体層105は絶縁性材料からなり、第1の面101bに配設されている。
第1外部導体層102及び第1外部絶縁体層105は第1の面101b上において任意の形状にパターニングされているものとすることができる。第1外部絶縁体層105の構成材料は特に限定されない。第2外部絶縁体層106は絶縁性材料からなり、第2の面101cに配設されている。第2外部導体層103及び第2外部絶縁体層106は第2の面101c上において任意の形状にパターニングされているものとすることができる。第2外部絶縁体層106の構成材料は特に限定されない。
【0056】
[インターポーザの効果]
インターポーザ100の効果について比較例との比較の上で説明する。
図8は、比較例に係るインターポーザ300を示す模式図である。同図に示すようにインターポーザ300は、絶縁性材料からなり、貫通孔を備える絶縁体層301、導電性材料からなり、貫通孔内に形成された内部導体302、及び導電性材料からなり、絶縁体層301の表裏に配設された外部導体層303を備える。内部導体302は一種類の金属材料、例えばCuやAg等からなる。
【0057】
インターポーザ300が使用に供され、内部導体302が電界に曝されると、マイグレーションが生じ、内部導体302を構成する金属材料が絶縁体層301上を移動する。
図8にマイグレーションによる金属材料の移動を矢印で示す。これにより、内部導体302の間で金属材料が接続され、短絡が発生する。特に、貫通孔を備える絶縁体層301は、アルミニウム等の陽極酸化によって形成することが可能であるが、陽極酸化における湿式工程での残渣の影響や貫通孔という形状によってマイグレーションが生じやすい。
【0058】
絶縁体層301の表面に外部導体層が設けられている場合においても、絶縁体層301と外部導体層の界面を介して金属材料が接続され、短絡が発生する。このように、インターポーザ300の構成では、長期的な信頼性に問題が生じるおそれがある。
【0059】
これに対し、本実施形態に係るインターポーザ100においては、内部導体104の両端の少なくともいずれか一方に、第1導体部分104aの金属材料(第1導電性材料)よりもマイグレーションが生じにくい金属材料(第2導電性材料)からなる第2導体部分104bが設けられている。これにより、マイグレーションが生じにくく、内部導体104間の短絡を防止することが可能である。
【0060】
[製造方法]
インターポーザ100の製造方法について説明する。
図9乃至
図12は、インターポーザ100の製造方法を示す模式図である。
【0061】
図9(a)は、絶縁体層101の元となる基材401を示す。基材401は、絶縁体層101となる金属酸化物の酸化前の金属であり、金属酸化物を酸化アルミニウムとする場合、基材401は金属アルミニウムとすることができる。
【0062】
基材401に陽極酸化を施すと、
図9(b)に示すように、基材401が酸化され、基材酸化物402が形成される。この際、基材酸化物402の自己組織化作用によって、基材酸化物402に孔Hが形成される。孔Hは酸化の進行方向、即ち基材401の厚み方向に向かって成長する。陽極酸化は、例えばシュウ酸溶液中で、基材401を陽極として電圧を印加することにより行うことが可能である。印加電圧は数V〜数百V、処理時間は数分〜数日とすることができる。
【0063】
なお、陽極酸化の前に基材401に規則的なピット(凹部)を形成しておき、このピットを基点として孔Hを成長させてもよい。このピットの配置により孔Hの配列を制御することが可能となる。ピットは、例えば基材401にモールド(型)を押圧することによって形成することが可能である。
【0064】
続いて、
図9(c)に示すように、酸化されていない基材401を除去する。基材401の除去は、例えば酸性溶液によるウェットエッチングによってすることができる。以降、基材酸化物402の孔Hが形成された側の面を表面402aとし、その反対側の面を裏面402bとする。
【0065】
続いて、
図10(a)に示すように、裏面402b側から基材酸化物402を所定の厚さで除去する。これは例えば反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によってすることができる。除去の厚さは、孔Hが裏面402bに連通する程度の厚さとする。
【0066】
続いて、
図10(b)に示すように、裏面402bに導電性材料からなる外部導体層403を配設する。外部導体層403は、スパッタ法、真空蒸着法等の各種成膜方法によって配設することが可能である。
【0067】
続いて、
図10(c)に示すように、孔H内に内部導体M1を配設する。内部導体M1は、上記第2導電性材料からなる。内部導体M1は外部導体層403を給電体として基材酸化物402に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。
【0068】
続いて、
図11(a)に示すように、孔H内に内部導体M2を配設する。内部導体M2は、上記第1導電性材料からなる。内部導体M2は外部導体層403を給電体として基材酸化物402に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。
【0069】
続いて、
図11(b)に示すように、孔H内に内部導体M3を配設する。内部導体M3は、上記第2導電性材料からなる。内部導体M3は外部導体層403を給電体として基材酸化物402に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。
【0070】
続いて、
図11(c)に示すように、表面402a側から基材酸化物402を所定の厚さで除去し、内部導体M3の先端を露出させる。これは例えば反応性イオンエッチングによってすることができる。
【0071】
続いて、
図12(a)に示すように、外部導体層403を除去する。外部導体層403の除去は例えば酸性溶液によるウェットエッチングによってすることができる。
【0072】
続いて、
図12(b)に示すように、表面402a上に外部導体層404を配設し、裏面402b上に外部導体層405を配設する。外部導体層404及び外部導体層405は、スパッタ法、真空蒸着法等の各種成膜方法によって配設することが可能である。
【0073】
以上のようにして、本実施形態に係るインターポーザ100(
図2参照)を作製することが可能である。なお基材酸化物402は絶縁体層101に相当し、内部導体M2は第1導体部分104aに、内部導体M1及び内部導体M3は第2導体部分104bにそれぞれ相当する。外部導体層404は第1外部導体層102に、外部導体層405は第2外部導体層103にそれぞれ相当する。
【0074】
なお、内部導体M1及び内部導体M3は、電解めっきによって形成されるものに限られず、電解重合によって形成される有機導電体であってもよい。即ち上記内部導体M1及び内部導体M3を配設する工程において、基材酸化物402を単量体溶液に浸漬させ、外部導体層403に電流を印可することによって、孔H内に有機導電体からなる内部導体M2及び内部導体M3を配設することが可能である。例えば、0.1Mのテトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム及び0.05Mのピロールを含むアセトニトリル溶液中で外部導体層403に1mA/cm
2の電流を印可することにより、孔H内にポリピロールを析出させることができる。
【0075】
本実施形態に係るインターポーザ100は、回路基板等の実装対象物にマイクロプロセッサ等の電子部品を実装する際、電子部品と実装対象物の間に配設され、回路モジュールを構成するものとすることができる。また、インターポーザ100を搭載する回路モジュールは他の電子部品と共に電子機器を構成するものとすることができる。
【0076】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るコンデンサについて説明する。
【0077】
図13は、本実施形態に係るコンデンサ200の構成を示す模式図であり、
図14はコンデンサ200の断面図である。これらの図に示すように、コンデンサ200は、誘電体層201、第1外部導体層202、第2外部導体層203、第1内部導体204及び第2内部導体205を備える。
【0078】
誘電体層201は、誘電性材料からなる層である。誘電体層201は、貫通孔(ポーラス)を形成することが可能な絶縁性材料からなるものとすることができ、特に陽極酸化されると自己組織化作用によってポーラスを生じる材料が好適である。このような材料としては、酸化アルミニウム(Al
2O
3)を挙げることができる。また、この他に誘電体層201は、弁金属(Al、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Zn、W、Sb)の酸化物からなるものとすることが可能である。この他にも誘電体層201は、貫通孔を形成することが可能な誘電性材料からなるものとすることができる。誘電体層201の厚みは特に限定されないが、例えば数μm〜数百μmとすることができる。
【0079】
図15は、誘電体層201の断面図である。同図に示すように、誘電体層201には、複数の貫通孔201aが形成されている。誘電体層201の層面方向に平行な表面を第1の面201bとし、その反対側の面を第2の面201cとすると、貫通孔201aは第1の面201b及び第2の面201cに垂直な方向(誘電体層201の厚み方向)に沿って形成され、第1の面201b及び第2の面201cに連通するように形成されている。なお、
図15等に示す貫通孔201aの数や大きさは便宜的なものであり、実際のものはより小さく、多数である。貫通孔201aの孔径は特に限定されないが数十nm〜数百nmとすることができる。
【0080】
第1外部導体層202は導電性材料からなり、第1の面201bに配設されている。第1外部導体層202を構成する導電性材料は例えば、Cu、Ni、Cr、Ag、Pd、Fe、Sn、Pb、Pt、Ir、Rh、Ru、Al、Ti等の純金属やこれらの合金であるものとすることができる。第1外部導体層202の厚さは例えば数十nm〜数μmであるものとすることができる。また、第1外部導体層202は、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることも可能である。
【0081】
第2外部導体層203は導電性材料からなり、第2の面201cに配設されている。第2外部導体層203を構成する導電性材料は、第1外部導体層202と同様の導電性材料からなるものとすることができ、その厚さは例えば数nm〜数μmであるものとすることができる。第2外部導体層203の構成材料は第1外部導体層202の構成材料と同一でもよく異なっていてもよい。また、第2外部導体層203も、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることが可能である。
【0082】
第1内部導体204は、導電体であり、貫通孔201a内に形成されている。
図16は、第1内部導体204及び第2内部導体205を示す模式図であり、
図14の拡大図である。同図に示すように、第1内部導体204は、第1導体部分204aと第2導体部分204b(204b
1及び204b
2)から構成されている。
【0083】
第1導体部分204aは、導電性材料からなる。以下、第1導体部分204aを構成する導電性材料を第1導電性材料とする。第1導電性材料は、電気抵抗率の低い材料が好適であり、例えば、Ag、Cu、Au及びNiのいずれかであるものとすることができる。第1導体部分204aは、
図16に示すように、貫通孔201aの長さ方向における中央部分に形成され、第1内部導体204の長さの大部分を占めるものとすることができる。
【0084】
第2導体部分204b(204b
1及び204b
2)は、導電性材料からなる。以下、第2導体部分204bを構成する導電性材料を第2導電性材料とする。第2導電性材料は、第1導電性材料よりマイグレーションを起こしにくい材料である。第1導電性材料がAg、Cu及びAuのいずれかである場合、第2導電性材料はNi、Ni合金及び有機導電体のいずれかであるものとすることができる。また、第1導電性材料がNiである場合、第2導電性材料はNi合金及び有機導電体のいずれかであるものとすることができる。
【0085】
なお、上記Ni合金は、W、Ti、V、Cr、Si、Al、Mo、Mn、Zn、Sn、Co、Fe、Ag、Cuのいずれか一つ又は複数である添加物とNiの合金であるものとすることができる。Ni合金の抵抗率は添加物の量で変動するが、Cuに10wt%のNiを添加した10%Ni−Cu合金の抵抗率は19×10
−6Ωcmである。
【0086】
また、上記有機導電体は導電性を有する高分子材料である。このような材料としては、ポリチオフェン(抵抗率1×10
−2Ωcm)、ポリアニリン(抵抗率2×10
−2Ωcm)、ポリピロール(抵抗率1×10
−2Ωcm)、ポリアセチレン(抵抗率2×10
−3Ωcm)等が挙げられる。
【0087】
第2導体部分204bは、
図16に示すように、貫通孔201a内において第1導体部分204aの両端に設けられているものとすることができる。以下、第2導体部分204bのうち、第1の面201b側に設けられているものを第2導体部分204b
1とし、第2の面201c側に設けられているものを第2導体部分204b
2とする。
【0088】
図16に示すように、第2導体部分204b
1は、貫通孔201aにおいて第1導体部分204aと第1外部導体層202の間に設けられ、第1導体部分204aと第1外部導体層202に接する。第2導体部分204b
2は、貫通孔201aにおいて第1導体部分204aと第2外部導体層203の間に設けられ、第1導体部分204aに接し、第2外部導体層203とは離間する。これにより、第1内部導体204は、第1外部導体層202に導通し、第2外部導体層203とは絶縁されている。なお、第2導体部分204b
2と第2外部導体層203の間は空隙であってもよく、絶縁材料が封入されていてもよい。
【0089】
第2内部導体205は、導電体であり、第1内部導体204が形成された以外の貫通孔201a内に第1内部導体204と対向するように形成されている。
図16に示すように、第2内部導体205は、第3導体部分205aと第4導体部分205b(205b
1及び205b
2)から構成されている。
【0090】
第3導体部分205aは、上記第1の導電性材料からなる。第3導体部分205aは、
図16に示すように、貫通孔201aの長さ方向における中央部分に形成され、第2内部導体2045の長さの大部分を占めるものとすることができる。
【0091】
第4導体部分205b(205b
1及び205b
2)は、上記第2の導電性材料からなる。第4導体部分205bは、
図16に示すように、貫通孔201a内において第3導体部分205aの両端に設けられているものとすることができる。以下、第4導体部分204bのうち、第2の面201c側に設けられているものを第4導体部分205b
1とし、第1の面201b側に設けられているものを第4導体部分205b
2とする。
【0092】
図16に示すように、第4導体部分205b
1は、貫通孔201aにおいて第3導体部分205aと第2外部導体層203の間に設けられ、第3導体部分205aと第2外部導体層203に接する。第4導体部分205b
2は、貫通孔201aにおいて第3導体部分205aと第1外部導体層202の間に設けられ、第3導体部分205aに接し、第1外部導体層202とは離間する。これにより、第2内部導体205は、第2外部導体層203に導通し、第1外部導体層202とは絶縁されている。なお、第4導体部分205b
2と第1外部導体層202の間は空隙であってもよく、絶縁材料が封入されていてもよい。
【0093】
なお、第2導体部分204bは必ずしも第1導体部分204aの両端に設けられなくてもよく、第4導体部分205bも必ずしも第3導体部分205aの両端に設けられなくてもよい。
図17及び
図18は、第2導体部分204b及び第4導体部分205bの配設位置を示す模式図である。
【0094】
図17に示すように第2導体部分204bは第1導体部分204aと第1外部導体層202の間にのみ設けられ、即ち第2導体部分204b
1のみが設けられてもよい。この場合、第1内部導体204の先端は第1導体部分204aであり、第2外部導体層203とは離間する。
【0095】
また、同図に示すように第4導体部分205bは第3導体部分205aと第2外部導体層203の間にのみ設けられ、即ち、第4導体部分205b
1のみが設けられてもよい。この場合、第2内部導体205の先端は第3導体部分205aであり、第1外部導体層202とは離間する。
【0096】
さらに、
図18に示すように第2導体部分204bは第1導体部分204aと第2外部導体層203の間にのみ設けられ、即ち第2導体部分204b
2のみが設けられてもよい。この場合、第1導体部分204aは第1外部導体層202に接し、第1内部導体204が第1外部導体層202と導通する。
【0097】
また、同図に示すように第4導体部分205bは、第3導体部分205aと第1外部導体層202の間にのみ設けられ、即ち第4導体部分205b
2のみが設けられてもよい。この場合、第3導体部分205aは第2外部導体層203に接し、第2内部導体205が第2外部導体層203と導通する。
【0098】
なお、
図14等においては、第1内部導体204及び第2内部導体205は1つおきに交互に表されているが、これらは便宜的なものであり、実際には交互でなくてもよい。第1内部導体204と第2内部導体205の数は同程度でなくてもよいが、同程度である方が好適である。
【0099】
コンデンサ200は以上のような構成を有する。誘電体層201を介して第1内部導体204と第2内部導体205が対向し、コンデンサを形成する。即ち、第1内部導体204と第2内部導体205は、コンデンサの対向電極(正極又は負極)として機能する。なお、第1内部導体204と第2内部導体205のどちらが正極又は負極であってもよい。
【0100】
また、コンデンサ200には、ここに示す以外の構成、例えば、第1外部導体層202及び第2外部導体層203上にそれぞれ形成された絶縁体層や、第1外部導体層202及び第2外部導体層203にそれぞれ導通する端子が設けられていてもよい。第1内部導体204及び第2内部導体205は、これらの端子を介して外部(実装基板の端子や配線等)に接続されるものとすることができる。
【0101】
[コンデンサの効果]
コンデンサ200の効果について比較例との比較の上で説明する。
図19は、比較例に係るコンデンサ500を示す模式図である。同図に示すようにコンデンサ500は、誘電体層501、外部導体層502及び内部導体503を備える。誘電体層501は、誘電性材料からなり、貫通孔を備える。外部導体層502は、導電性材料からなり、誘電体層501の表裏に配設されている。内部導体503は導電性材料からなり、誘電体層501の表裏の外部導体層502のいずれか一方に導通する。内部導体503は一種類の金属材料、例えばCuやAg等からなる。
【0102】
コンデンサ500が使用に供され、内部導体503が電界に曝されると、マイグレーションが生じ、内部導体503を構成する金属材料が誘電体層501上を移動する。
図19に金属材料の移動を矢印で示す。矢印Y1で示すように、内部導体503と外部導体層502の接続箇所においてマイグレーションが発生すると、内部導体503の金属材料が隣接する内部導体503に到達し、短絡が発生するおそれがある。また、矢印Y2で示すように、内部導体503の先端においてマイグレーションが発生すると、内部導体503の金属材料が離間する外部導体層502に到達し、短絡が発生するおそれがある。
【0103】
これに対し、本実施形態に係るコンデンサ200(
図14参照)においては、第1内部導体204と第1外部導体層202の接続箇所及び第2内部導体205と第2外部導体層203の接続箇所においてマイグレーションを生じにくい第2導電性材料からなる導体部分(第2導体部分204b
1及び第4導体部分205b
1)が設けられている。これにより、隣接する内部導体の間でのマイグレーションによる短絡を防止することが可能である。
【0104】
また、コンデンサ200においては、第1内部導体204と第2外部導体層203の間及び第2内部導体205と第1外部導体層202の間においても第2導電性材料からなる導体部分(第2導体部分204b
2及び第4導体部分205b
2)が設けられている。これにより、内部導体と外部導体層の間でのマイグレーションによる短絡を防止することが可能である。
【0105】
図17及び
図18に示すように、内部導体の両端のいずれか一方にのみ第2導電性材料からなる導体部分が設けられている場合であっても、少なくともその設けられている箇所におけるマイグレーションによる短絡を防止することが可能である。
【0106】
[製造方法]
コンデンサ200の製造方法について説明する。
図20乃至
図25は、コンデンサ200の製造方法を示す模式図である。
【0107】
図20(a)は、誘電体層201の元となる基材601を示す。基材601は、誘電体層201となる金属酸化物の酸化前の金属であり、金属酸化物を酸化アルミニウムとする場合、基材601は金属アルミニウムとすることができる。
【0108】
基材601に陽極酸化を施すと、
図20(b)に示すように、基材601が酸化され、基材酸化物602が形成される。この際、基材酸化物602の自己組織化作用によって、基材酸化物602に孔Hが形成される。孔Hは酸化の進行方向、即ち基材601の厚み方向に向かって成長する。陽極酸化は、例えばシュウ酸溶液中で、基材601を陽極として電圧を印加することにより行うことが可能である。印加電圧は数V〜数百V、処理時間は数分〜数日とすることができる。例えば、印加電圧を40Vとすると、孔径が100nmの孔Hが形成される。
【0109】
なお、陽極酸化の前に基材601に規則的なピット(凹部)を形成しておき、このピットを基点として孔Hを成長させてもよい。このピットの配置により孔Hの配列を制御することが可能となる。ピットは、例えば基材601にモールド(型)を押圧することによって形成することが可能である。
【0110】
上記陽極酸化がある程度進行した段階で、基材601への印加電圧を大きくすると、
図20(c)に示すように、一部の孔Hのピッチ(孔径及び孔間距離)が拡大するように自己組織化が進行する。一方で、孔Hのピッチが拡大したことによって、他の孔Hについては孔の形成が停止する。以下、孔の形成が停止した孔Hを孔H1とし、孔の形成が継続した(孔径が拡大した)孔Hを孔H2とする。
【0111】
このときの印加電圧は上記電圧の数倍、処理時間は数分〜数十分とすることができる。例えば、印加電圧を80Vとすると、孔径H2の孔径が200nmに拡大される。
図20(b)に示す1段階目の陽極酸化における印加電圧と、
図20(c)に示す2段階目の陽極酸化における印加電圧を上述した範囲内とすることにより、孔H1と孔H2の数を概ね同等とすることが可能である。また、2段階目の電圧印加の処理時間を上述の範囲内とすることにより、孔H2のピッチ変換が十分に完了しつつ、2段階目の電圧印加によって底部に形成される基材酸化物602の厚さを小さくすることができる。2段階目の電圧印加で形成される基材酸化物602は、後の工程で除去されるため、できるだけ薄いことが好ましい。
【0112】
続いて、
図21(a)に示すように、酸化されていない基材601を除去する。基材601の除去は、例えば酸性溶液によるウェットエッチングによってすることができる。以降、基材酸化物602の孔Hが形成された側の面を表面602aとし、その反対側の面を裏面602bとする。
【0113】
続いて、
図21(b)に示すように、裏面602b側から基材酸化物602を所定の厚さで除去する。これは例えば反応性イオンエッチングによってすることができる。この際、孔H2が裏面602bに連通し、孔H1は裏面602bに連通しない程度の厚さで、基材酸化物602を除去する。
【0114】
続いて、
図21(c)に示すように、表面602aに導電性材料からなる外部導体層603を成膜する。外部導体層603は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって成膜することが可能である。
【0115】
続いて、
図22(a)に示すように、孔H2内に内部導体M1を配設する。内部導体M1は、上記第2導電性材料からなる。内部導体M1は外部導体層603を給電体として基材酸化物602に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。孔H1にはめっき液が侵入しないため、孔H1内には内部導体M1は形成されない。
【0116】
続いて、
図22(b)に示すように、基材酸化物602を裏面602bから所定の厚さで再度除去する。これは、反応性イオンエッチングによってすることができる。この際、孔H1が裏面602bに連通する程度の厚さで基材酸化物602を除去する。
【0117】
続いて、
図22(c)に示すように、孔H1及び孔H2内に内部導体M2を配設する。内部導体M2は、外部導体層603を給電体として基材酸化物602に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。内部導体M2の材料は内部導体M1と同じ材料とすることができる。この際、孔H2には、先の工程によって内部導体M1が形成されているため、孔H2内の内部導体M2の先端は孔H1内の内部導体M2の先端より突出する。以下、孔H2内の内部導体M1及び内部導体M2を合わせて内部導体M3とする。
【0118】
続いて、
図23(a)に示すように、孔H1及び孔H2内に内部導体M4を配設する。内部導体M4は、上記第1導電性材料からなる。内部導体M4は外部導体層603を給電体として基材酸化物602に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。
【0119】
続いて、
図23(b)に示すように、孔H1及び孔H2内に内部導体M5を配設する。内部導体M5は、上記第2導電性材料からなる。内部導体M5は外部導体層603を給電体として基材酸化物602に電解めっきを施すことによって配設することが可能である。
【0120】
続いて、
図23(c)に示すように、基材酸化物602を裏面602bから所定の厚さで再度除去する。これは、反応性イオンエッチングによってすることができる。この際、孔H2内の内部導体M5が裏面602bに露出し、孔H1内の内部導体M5が裏面602bに露出しない程度の厚さで基材酸化物602を除去する。
【0121】
続いて、
図24(a)に示すように、裏面602bに導電性材料からなる外部導体層604を配設する。外部導体層604は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって配設することが可能である。
【0122】
続いて、
図24(b)に示すように、外部導体層603を除去する。外部導体層603の除去は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等によってすることができる。
【0123】
続いて、
図24(c)に示すように、外部導体層604を給電体として、基材酸化物602に電解エッチングを施す。孔H2における内部導体M3は内部導体M4及び内部導体M5を介して外部導体層604に導通しているため、エッチングされる。一方、孔H1における内部導体M2は外部導体層604に導通していないため、エッチングされない。
【0124】
続いて、
図25に示すように、表面602aに導電性材料からなる外部導体層605を配設する。外部導体層605は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって配設することが可能である。
【0125】
以上のようにして、本実施形態に係るコンデンサ200(
図14参照)を作製することが可能である。なお基材酸化物602は誘電体層201に相当し、外部導体層605は第1外部導体層202に、外部導体層604は第2外部導体層203にそれぞれ相当する。また、孔H1における内部導体M4は第1導体部分204aに、内部導体M2は第2導体部分204b
1に、内部導体M5は第2導体部分204b
2にそれぞれ相当する。孔H2における内部導体M4は第3導体部分205aに、内部導体M5は第4導体部分205b
1に、内部導体M3は第4導体部分205b
2にそれぞれ相当する。
【0126】
なお、内部導体M1、内部導体M2及び内部導体M5は、電解めっきによって形成されるものに限られず、電解重合によって形成される有機導電体であってもよい。即ち上記内部導体M1、内部導体M3及び内部導体M5を配設する工程において、基材酸化物602を単量体溶液に浸漬させ、外部導体層603に電流を印可することによって、孔H内に有機導電体からなる内部導体M2、内部導体M3及び内部導体M5を配設することが可能である。
【0127】
本実施形態に係るコンデンサ200は、回路基板等の実装対象物に搭載され、回路モジュールを構成するものとすることができる。また、コンデンサ200を搭載する回路モジュールは他の電子部品と共に電子機器を構成するものとすることができる。
【実施例】
【0128】
上記実施例及び比較例に係るインターポーザを作製し、マイグレーションを評価した。インターポーザは以下のようにして作製した。
【0129】
アルミニウム板を10℃の0.3Mシュウ酸溶液に浸漬させて40Vの電圧を23時間印可し、陽極酸化をおこなった(
図9(b)参照)。孔間のピッチが100nmの酸化アルミニウムが形成された。
【0130】
続いて、サンプルを酸性溶液に10分間浸漬させ、未反応のアルミニウム基材をウェットエッチングにより除去した(
図9(c)参照)。酸性溶液は0.1M塩化銅水溶液1Lに濃塩酸1Lを加えた液体である。
【0131】
続いて、反応性イオンエッチングにより裏面側に孔を開口させた(
図10(a)参照)。反応性イオンエッチングの条件は、出力20W、内圧5×10
−4Pa、BCl
3ガス導入後圧力2Pa、処理時間10分間とした。
【0132】
続いて、Cuターゲットを用いたスパッタによりサンプルの裏面にCu金属膜を配設した(
図10(b)参照)。スパッタ条件は、出力1800W、内圧1×10
−4Pa、Arガス導入後圧力1Pa、処理時間5分間とした。これにより、厚さ600nmのCu金属膜が形成された。
【0133】
続いて、サンプルをスルファミン酸Ni水溶液に浸漬させ、電解めっきを行った。これにより孔内に5μmのNiが析出した(
図10(c)参照)。
【0134】
続いて、サンプルを硫酸Cu水溶液に浸漬させ、電解めっきを行った。これにより孔内に90μmのCuが析出した(
図11(a)参照)。
【0135】
続いて、サンプルをスルファミン酸Ni水溶液に浸漬させ、電解めっきを行った。これにより孔内に5μmのNiが析出した(
図11(b)参照)。
【0136】
続いて、反応性イオンエッチングにより孔内のNiを露出させた(
図11(c)参照)。反応性イオンエッチングの条件は、出力20W、内圧5×10
−4Pa、BCl
3ガス導入後圧力2Pa、処理時間90分間とした。
【0137】
続いて、サンプルを酸性溶液に10分間浸漬させ、Cu金属膜をウェットエッチングにより除去した(
図12(a)参照)。酸性溶液は2倍希釈したWLC−C2(三菱ガス化学社製:過酸化水素−リン酸系液体)である。処理後、サンプルを流水洗浄した。
【0138】
続いて、サンプルの表裏面に、露出したNi内部導体に接するように、外部導体層をスパッタ法で配設した(
図12(b)参照)。
【0139】
以上のようにして、実施例に係るインターポーザを作製した。また、上記Cuを析出させる工程に代えて、シアン化銀水溶液中で電解めっきを行い、90μmのAgを析出させたインターポーザと、シアン化金水溶液中で電解めっきを行い、90μmのAuを析出させたインターポーザをそれぞれ作製した。
【0140】
さらに、比較例として、上記Niを析出させる工程、Cuを析出させる工程及び再度Niを析出させる工程に代えて硫酸Cu水溶液中、シアン化銀水溶液中、シアン化金水溶液中又はスルファミン酸Ni水溶液でそれぞれ電解めっきを行い、100μmのCu、Ag、Au又はNiをそれぞれ析出させたインターポーザを作製した。
【0141】
図26は実施例及び比較例に係るインターポーザの内部導体の構造を示す表である。同図に示すように、実施例1−3に係るインターポーザの内部導体は2種類の導電性材料から構成され、比較例1−4に係るインターポーザの内部導体は1種類の導電性材料から構成されている。
【0142】
実施例及び比較例に係るインターポーザについて熱信頼性試験を実施した。熱信頼性試験は、各インターポーザを85℃で1000時間加熱するものである。試験後の表面(貫通孔に平行な方向からみたインターポーザの表面)を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像した。
図27乃至
図30は撮像されたSEM像であり、
図27は比較例1、
図28は比較例2、
図29は比較例3、
図30は実施例1のものである。
【0143】
図27乃至
図29に示すように、比較例1−3に係るインターポーザにおいては表面において孔外部へのマイグレーションが生じていることが分かる。特にマイグレーションが最も生じやすいAgからなる内部導体の場合(比較例2、
図28)には、表面において径が数百nmの塊が多数形成されている。これに対し、
図30に示すように、実施例1に係るインターポーザにおいてはマイグレーションが生じていないことがわかる。
【0144】
また、実施例及び比較例に係るインターポーザについて内部導体の電気抵抗を測定した。電気抵抗はデジタルマルチメーターを使用し、四端子法によって測定した。測定結果を
図26に示す。
【0145】
比較例1−3に対して比較例4は約4倍の抵抗率を示した。したがって、マイグレーションの発生を防止するためにNiのみからなる内部導体を備えるインターポーザとすると、電気抵抗が過大となるおそれがある。これに対し、実施例1−3では、比較例1−3と大きく変わらない電気抵抗を示した。したがって、実施例1−3に係るインターポーザでは、マイグレーションの発生を防止しつつ、小さい電気抵抗を有するものとすることが可能であるといえる。
【0146】
なお、好ましい抵抗率は10×10
−8Ωm以下であり、合金や有機導電体からなる内部導体を備えるインターポーザでは、抵抗率が一桁以上大きくなる。抵抗率はインターポーザのESR(Equivalent Series Resistance)特性に影響するため、マイグレーションの生じやすさと抵抗率から、第1導電性材料及び第2導電性材料の組み合わせや各材料からなる導体部分の長さを適宜選択することが可能である。