特許第6363445号(P6363445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363445
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】自動二輪車の後部構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/28 20060101AFI20180712BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20180712BHJP
   B62J 99/00 20090101ALI20180712BHJP
   B62J 15/00 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B62J1/28 C
   B62J23/00 D
   B62J99/00 D
   B62J15/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-189923(P2014-189923)
(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-60371(P2016-60371A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井高 賢士
(72)【発明者】
【氏名】池田 真二
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平1−62984(JP,U)
【文献】 実開昭63−192193(JP,U)
【文献】 実開昭59−110293(JP,U)
【文献】 特開平6−32269(JP,A)
【文献】 特開2014−108748(JP,A)
【文献】 特開昭61−125972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/28, 1/14, 1/12
B62J 15/00,23/00,99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームの後部を形成するリヤフレームに、車体の後部を覆うテールカバーと同乗者が把持するリヤグリップとを択一的に取り付ける自動二輪車の後部構造であって、
前記リヤフレームに着脱自在に取り付けられて前記テールカバーを支持するブラケットを備え、
前記リヤグリップは、前記ブラケットが取り外された状態で前記リヤフレームに取り付けられ、
前記リヤフレームに設けられた、前記ブラケットを前記リヤフレームに取り付けるねじ孔が、前記リヤグリップの取り付けに共用されている自動二輪車の後部構造。
【請求項2】
車体フレームの後部を形成するリヤフレームに、車体の後部を覆うテールカバーと同乗者が把持するリヤグリップとを択一的に取り付ける自動二輪車の後部構造であって、
前記リヤフレームに着脱自在に取り付けられて前記テールカバーを支持するブラケットを備え、
前記リヤグリップは、前記ブラケットが取り外された状態で前記リヤフレームに取り付けられ、
前記リヤフレームに、リヤフェンダとその上部に連結されるシートカバーとを含むリヤカバー体が取り付けられ、
前記ブラケットが、前記リヤカバー体を貫通した第1ねじ体により前記リヤフレームに取り付けられている自動二輪車の後部構造。
【請求項3】
車体フレームの後部を形成するリヤフレームに、車体の後部を覆うテールカバーと同乗者が把持するリヤグリップとを択一的に取り付ける自動二輪車の後部構造であって、
前記リヤフレームに着脱自在に取り付けられて前記テールカバーを支持するブラケットを備え、
前記リヤグリップは、前記ブラケットが取り外された状態で前記リヤフレームに取り付けられ、
前記テールカバーに嵌合突起が形成され、前記ブラケットに前記嵌合突起が嵌合する嵌合孔が形成されている自動二輪車の後部構造。
【請求項4】
請求項3に記載の後部構造において、前記テールカバーが、前記ブラケットの一端部に挿入されて前記テールカバーの前記ブラケットに対する位置規制を行う挿入凹部を有する自動二輪車の後部構造。
【請求項5】
請求項3または4に記載の後部構造において、さらに、前記テールカバーを前記ブラケットに取り付ける第2ねじ体を備えている自動二輪車の後部構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の後部構造において、前記リヤグリップは、第3ねじ体によりカラーを介して前記リヤフレームに取り付けられている自動二輪車の後部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームの後部を形成するリヤフレームに、車体の後部を覆うテールカバーと同乗者が把持するリヤグリップとを択一的に取り付ける自動二輪車の後部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車において、同乗者が把持するリヤグリップの有無を選択できるものがある(例えば、特許文献1)。これにより、ユーザの選択の幅が広がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−072483号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような自動二輪車では、リヤグリップ有りのモデルと無しのモデルとで、車体の後部を覆うテールカバーの構造が異なる。そのため、リヤグリップ有りのモデル用のテールカバーと、リヤグリップ有りのモデル用のテールカバーの両方を準備する必要がある。
【0005】
本発明は、複数のテールカバーを用意することなく、リヤグリップ有りのモデルと無しのモデルとを選択できる自動二輪車の後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の自動二輪車の後部構造は、車体フレームの後部を形成するリヤフレームに、車体の後部を覆うテールカバーと同乗者が把持するリヤグリップとを択一的に取り付ける自動二輪車の後部構造であって、前記リヤフレームに着脱自在に取り付けられて前記テールカバーを支持するブラケットを備え、前記リヤグリップは、前記ブラケットが取り外された状態で前記リヤフレームに取り付けられている。
【0007】
上記構成によれば、リヤグリップ無しのモデルでは、リヤフレームに着脱自在に取り付けられたブラケットを介して、テールカバーがリヤフレームに支持されている。一方、リヤグリップ有りのモデルでは、ブラケットおよびテールカバーが取り外された状態で、リヤグリップがリヤフレームに取り付けられている。このように、リヤグリップ有りのモデルでは、テールカバーが不要であるから、複数のテールカバーを準備する必要がない。また、テールカバーを不要としたので、同乗者からのリヤグリップの視認性もよい。
【0008】
本発明において、前記リヤフレームに設けられて前記ブラケットを前記リヤフレームに取り付けるねじ孔が、前記リヤグリップの取り付けに共用されていることが好ましい。この構成によれば、ブラケット取付用のねじ孔を、リヤグリップの取り付けに共用しているので、リヤグリップ無しのモデルでもリヤグリップ有りのモデルでも、ねじ孔が外側方に露出しない。その結果、自動二輪車の外観が向上する。
【0009】
本発明において、前記リヤフレームに、リヤフェンダとその上部に連結されるシートカバーとを含むリヤカバー体が取り付けられ、前記ブラケットが、前記リヤカバー体を貫通した第1ねじ体により前記リヤフレームに取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、リヤカバー体を取り外すことなく、ブラケットおよびテールカバーの着脱を行うことができる。
【0010】
本発明において、前記テールカバーに嵌合突起が形成され、前記ブラケットに前記嵌合突起が嵌合する嵌合孔が形成されていることが好ましい。この構成によれば、テールカバーのブラケットへの取り付けが容易である。さらに、テールカバーの外側にボルトが露出するのを抑制でき、その結果、自動二輪車の外観が向上する。
【0011】
前記テールカバーが前記ブラケットに前記嵌合構造により支持される場合、前記テールカバーが、前記ブラケットの一端部に挿入されて前記テールカバーの前記ブラケットに対する位置規制を行う挿入凹部を有することが好ましい。この構成によれば、テールカバーの位置決めが容易であり、テールカバーのブラケットへの取り付けがさらに容易になる。
【0012】
前記テールカバーが前記ブラケットに前記嵌合構造により支持される場合、さらに、前記テールカバーを前記ブラケットに取り付ける第2ねじ体を備えていることが好ましい。この構成によれば、前記嵌合構造と第2ねじ体とにより、テールカバーをブラケットに強固に支持できる。
【0013】
本発明において、前記リヤグリップは、第3ねじ体によりカラーを介して前記リヤフレームに取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、カラーの厚さ、すなわち軸方向寸法を、ブラケットの厚さと同程度とすることにより、リヤグリップとブラケットの取付具を共用できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自動二輪車の後部構造によれば、リヤグリップ有りのモデルでは、テールカバーが不要であるから、リヤグリップ有りのモデル用のテールカバーと無しのモデル用の2つのテールカバーを準備する必要がない。また、テールカバーを不要としたので、同乗者からのリヤグリップの視認性もよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る後部構造を備えた自動二輪車の後部におけるリヤグリップが取り付けられていない状態を示す側面図である。
図2】同自動二輪車の後部におけるリヤグリップが取り付けられた状態を示す側面図である。
図3】同後部構造におけるブラケットの取り付けを示す分解斜視図である。
図4】同ブラケットを示す側面図である。
図5】同自動二輪車のテールカバーを車体内側から見た内面図である。
図6】同ブラケットにテールカバーを取り付けた状態を車体内側から見た内面図である。
図7】同テールカバーの取付構造を示す横断面図である。
図8】グリップを示す側面図である。
図9】グリップの取り付けを示す分解斜視図である。
図10】同後部構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。この明細書中の左右方向は、自動二輪車に乗車したライダーから見た左右を言う。
【0017】
図1および2は本発明の一実施形態に係る後部構造を備えた自動二輪車の後部の側面図である。この自動二輪車は、同乗者が把持するリヤグリップの有無を選択できるタイプであり、図1はリヤグリップが取り付けられていない状態を示し、図2はリヤグリップが取り付けられた状態を示している。図1に示す自動二輪車の車体フレームFRは、前半部を構成するメインフレーム(図示せず)と、メインフレームの後部に連結されて車体フレームFRの後半部を構成するリヤフレーム2とを有している。メインフレームの前端部に図示しないフロントフォークを介して前輪が支持されている。
【0018】
メインフレームの後端下部のスイングアームブラケット(図示せず)にスイングアーム4が上下揺動自在に支持されている。スイングアーム4の後端部に後輪6が支持されている。メインフレームの中央下部に支持されたエンジン(図示せず)によりチェーンのような動力伝達部材8を介して後輪6を駆動する。
【0019】
リヤフレーム2にライダー用シート10および同乗者用シート12が支持されている。同乗者用シート12の下方で、リヤフレーム2にリヤカバー体14が取り付けられている。図2に示すように、リヤカバー体14は、リヤフレーム2の下部を下方および側方から覆うリヤフェンダ16と、その上部に連結されて同乗者用シート12の下部の外周を覆うシートカバー18とを有している。
【0020】
図1に示すリヤグリップが取り付けられていない状態では、リヤカバー体14の外側方に、車体の後部を覆う樹脂製のテールカバー20が左右一対取り付けられている。一方、図2に示すリヤグリップが取り付けられた状態では、リヤカバー体14の外側方に、同乗者が把持する左右一対のリヤグリップ22が取り付けられている。このように、本実施形態の自動二輪車は、リヤフレーム2にテールカバー20とリヤグリップ22とを択一的に取り付けることができる。以下にその構造について詳しく説明する。
【0021】
まず、図1のテールカバー20の取付構造について説明する。取付構造は左右のテールカバー20共通であるから、ここでは左側のテールカバー20についてのみ説明する。テールカバー20は、図3に示すブラケット24を介してリヤフレーム2に支持される。ブラケット24は、板金を折り曲げ加工して形成されたもので、リヤフレーム2に着脱自在に取り付けられている。
【0022】
図4に示すように、ブラケット24は、前後方向に延びる本体部25を有し、この本体部25の前後両端部に第1ボルト挿通孔26、26が形成されている。さらに、本体部25から上下方向に延びる複数の突片28が形成されている。本実施形態では、本体部25の前部寄りおよび後部寄りに上方に突出する2つの突片28,28がそれぞれ形成され、これら2つの突片28,28の間に下方に突出する1つの突片28が形成されている。突片28の数、位置はこれに限定されない。各突片28に左右方向を向く貫通孔からなる嵌合孔28aが形成されている。
【0023】
本体部25の前端部から前方斜め下方に延びる延長部30が形成されている。延長部30の先端部にほぼ上下方向に延びるねじ孔30aが形成されている。ねじ孔30aは溶接ナットにより構成されている。本体部25の後端部に、後方斜め上方に延びる差込片32が形成されている。ブラケット24における本体部25および延長部30に、長円形の複数の肉抜き孔34が形成され、ブラケット24の軽量化を図っている。本実施形態では、本体部25に4つの肉抜き孔34が形成され、延長部30に1つの肉抜き孔34が形成されている。肉抜き孔34の数、位置はこれに限定されず、また、肉抜き孔34はなくてもよい。
【0024】
図5は、テールカバー20を内側から見た図である。テールカバー20の前部(右側)方の下部に、ほぼ上下方向を向く第2ボルト挿通孔36が形成されている。また、テールカバー20の後部の内面に、前方斜め下方に開口した挿入凹部38が設けられている。さらに、テールカバー20の内面における前記嵌合孔28a(図4)に対応する位置に、車幅方向内側に突出する嵌合突起40が形成されている。
【0025】
つぎに、テールカバー20の車体への取り付けを説明する。まず、図3に示すブラケット24を取り付ける。同図に示すように、リヤカバー体14には、左右方向を向いた貫通孔42が前後方向に並んで2つ形成されている。
【0026】
リヤカバー体14の貫通孔42に円筒状のカラー44を挿通したのち、ボルトのような第1ねじ体46をブラケット24の第1ボルト挿通孔26、カラー44の中空部の順に挿通させ、図7に示すリヤフレーム2に溶接したステー45に設けられた第1ねじ孔48に締め付ける。これにより、ブラケット24がリヤフレーム2に取り付けられる。
【0027】
第1ねじ体46による締結箇所は前後方向に並んで2つ設けられているが、図7は、前側の締結箇所を示しており、本実施形態の前側の締結箇所では、第1ねじ孔48は溶接ナットにより形成されている。ただし、第1ねじ孔48は溶接ナットに限定されない。図示されていない後側の締結箇所における第1ねじ孔48も、溶接ナットで構成してもよく、それ以外の構造であってもよい。
【0028】
つぎに、ブラケット24にテールカバー20を取り付ける。まず、図3に示すように、ブラケット24の3つの嵌合孔28aに、ゴムのような弾性体からなる鍔付きの筒状のグロメット50を装着する。さらに、ブラケット24の差込片32に、ゴムのような弾性体からなるラバー部材52を装着する。
【0029】
図6は、テールカバー20およびブラケット24を幅方向内側から見た図である。図6では、第1ボルト挿通孔26に挿通された第1ねじ体46(図3図7)を省略している。同図に示すように、テールカバー20の挿入凹部38に、ラバー部材52が装着されたブラケット24の差込片32を差し込む。これにより、ブラケット24に対して、テールカバー20が位置決めされる。さらに、ブラケット24の3つの嵌合孔28aに装着されたグロメット50の中空孔に、テールカバー20の嵌合突起40を嵌め込む。つまり、テールカバー20の嵌合突起40がグロメット50を介してブラケット24の3つの嵌合孔28aに嵌合される。これにより、テールカバー20がブラケット24に取り付けられる。
【0030】
すなわち、図7に示すように、テールカバー20がブラケット24を介してリヤフレーム2に支持される。最後に、ボルトのような締結部材からなる第2ねじ体54を、テールカバー20の第2ボルト挿通孔36に挿通したのち、ブラケット24のねじ孔30aに締め付ける。これにより、テールカバー20がブラケット24に強固に固定される。
【0031】
つぎに、テールカバー20と択一的に取り付けられる図2のリヤグリップ22の取付構造について説明する。取付構造は左右のリヤグリップ22に共通であるから、ここでは左側のリヤグリップ22についてのみ説明する。図8に示すように、リヤグリップ22は、アルミニウム合金の鋳物からなる前後方向に長い長尺状の部材であり、その前後方向両端部の被支持部58、58と、これら被支持部58、58の間の把持部60とを有している。被支持部58、58は車体に支持される部位で、把持部60は同乗者が把持する部位である。各被支持部58に、左右方向を向いた貫通孔からなる第3ボルト挿通孔62が形成されている。
【0032】
図9に示すように、リヤグリップ22は、ブラケット24およびテールカバー20が取り外された状態でリヤフレーム2に取り付けられる。詳細には、リヤカバー体14の貫通孔42に円筒状のカラー44を挿通したのち、ボルトのような第3ねじ体46をリヤグリップ22の第3ボルト挿通孔62、ワッシャ64およびカラー44の順に挿通させ、リヤフレーム2に設けられた第1ねじ孔48(図7)に締め付ける。このように、リヤグリップ22がワッシャ64およびカラー44を介して第3ねじ体によりリヤフレーム2に取り付けられる。
【0033】
図9のカラー44および第3ねじ体46はそれぞれ、図3のカラー44および第1ねじ体46と同じものである。また、図9のワッシャ64の厚さ寸法と、図3のブラケット24の厚さ寸法は同じである。さらに、図7のリヤフレーム2に設けられた第1ねじ孔48は、ブラケット24のリヤフレーム2への取り付けと、リヤグリップ22(図9)のリヤフレーム2への取り付けに共用されている。
【0034】
図10は、説明の便宜上、右側にブラケット24およびテールカバー20を取り付け、左側にリヤグリップ22を取り付けた状態を示している。なお、図10では、同乗者用シート12は取り外されている。同図に示すように、ブラケット24およびリヤグリップ22は、共通のねじ体46により共通の第1ねじ孔48に取り付けられている。
【0035】
上記構成によれば、リヤグリップ22無しのモデルでは、図3のリヤフレーム2に着脱自在に取り付けられたブラケット24を介して、図1のテールカバー20がリヤフレーム2に支持されている。一方、図2のリヤグリップ22有りのモデルでは、図1のブラケット24およびテールカバー20が取り外された状態で、図2のリヤグリップ22がリヤフレーム2に取り付けられている。このように、リヤグリップ22有りのモデルでは、テールカバー20が不要であるから、リヤグリップ22有りのモデルと無しのモデルとで別々のテールカバーを準備する必要がない。また、リヤグリップ22有りのモデルでは、テールカバー20を不要としたので、同乗者からのリヤグリップ22の視認性もよい。
【0036】
図1のブラケット24を用いずにテールカバー20を直接取り付けると、リヤカバー体14に取付部(係止部)を設ける必要がある。その場合、テールカバー20を取り外すと、リヤグリップ22有りのモデルでは、この取付部が外側方に露出して外観上好ましくない。また、ブラケット24を用いずにテールカバー20をリヤフレーム2にボルト止めすると、テールカバー20の外側方にボルトが露出し、やはり外観上好ましくない。上記構成では、ブラケット24を介してテールカバー20をリヤフレーム2に取り付けるとともに、ブラケット24と図2のリヤグリップ22とで、共通の第1ねじ孔48を用いることで、外観を損なうことなく、リヤグリップ22有りのモデルでテールカバー20を不要とできる。
【0037】
また、ブラケット24およびグリップ22が、リヤカバー体14を貫通した第1ねじ体46によりリヤフレーム2に取り付けられている。これにより、リヤカバー体14を取り外すことなく、ブラケット24、テールカバー20(図1)およびグリップ22の着脱を行うことができる。
【0038】
図6に示すテールカバー20の嵌合突起40が、ブラケット24の嵌合孔28a(図4)嵌合している。このような嵌合構造により、テールカバー20のブラケット24への取り付けが容易になるうえに、テールカバー20の外側にボルトが露出するのが抑制されて、自動二輪車の外観が向上する。
【0039】
また、テールカバー20の挿入凹部38に、ブラケット24の後端部の差込片32が挿入されている。これにより、テールカバー20がブラケット24に対する位置規制が行われ、テールカバー20のブラケット24への取り付けが一層容易になる。
【0040】
図7に示す第2ねじ体54により、テールカバー20がブラケット24に取り付けられているので、図6に示した嵌合突起40と嵌合孔28aとの嵌合構造と合わせて、テールカバー20のブラケット24に対する支持が強固になる。
【0041】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
2 リヤフレーム
16 リヤフェンダ(リヤカバー体)
18 シートカバー(リヤカバー体)
20 テールカバー
22 リヤグリップ
24 ブラケット
28a 嵌合孔
38 挿入凹部
40 嵌合突起
44 カラー
46 第1ねじ体(第3ねじ体)
48 第1ねじ孔
54 第2ねじ体
FR 車体フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10