(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363463
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】再生複合材
(51)【国際特許分類】
B27N 3/02 20060101AFI20180712BHJP
B32B 21/04 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
B27N3/02 C
B27N3/02 B
B27N3/02 D
B32B21/04
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-207145(P2014-207145)
(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公開番号】特開2016-74169(P2016-74169A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】503097440
【氏名又は名称】株式会社エコウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岩本 正秋
(72)【発明者】
【氏名】五十川 慎一
【審査官】
竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−070535(JP,A)
【文献】
特開2000−229385(JP,A)
【文献】
特開2004−114356(JP,A)
【文献】
特開2000−301670(JP,A)
【文献】
特開平04−142931(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0076847(US,A1)
【文献】
米国特許第06083601(US,A)
【文献】
特開2004−174721(JP,A)
【文献】
特開2002−256107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 1/00 − 9/00
B32B 1/00 −43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木粉とオレフィン系プラスチックと熱膨張性黒鉛とを含む芯材と、前記芯材の表面の少なくとも一部に積層され、木粉とオレフィン系プラスチックと金属水酸化物系難燃剤とを含む表層材とから構成され、
前記芯材は、木粉を30〜60質量%、オレフィン系プラスチックを20〜40質量%、熱膨張性黒鉛を3〜20質量%含有し、
前記表層材は、木粉を10〜50質量%、オレフィン系プラスチックを30〜60質量%、金属水酸化物系難燃剤を10〜50質量%含有することを特徴とする再生複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木粉とプラスチックを主成分とする再生複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場や工場などから排出される木材及びプラスチックを粉砕して加熱混合した材料を押出成形にて成形した再生複合材は、木材の風合いを持ちつつ腐敗しにくい等といった特性を併せ持つことから、建築材料等として広く使用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記再生複合材では、難燃性を付与するため、塩化ビニル樹脂や臭素系難燃剤、アンチモン系難燃剤等のハロゲン化合物が使用されてきた。しかし、ハロゲン化合物を含んでいると、燃焼時に塩素ガスなどの有害ガスが発生するため、脱塩処理が必要となり、環境とコストに影響するという問題がある。
そこで、特許文献2では、塩化ビニル樹脂の一部をABS樹脂で代替した木質様樹脂成形体及び木質様積層樹脂成形体の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−102923号公報
【特許文献2】特開2013−173808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載されている木質様樹脂成形体及び木質様積層樹脂成形体も塩化ビニル樹脂を含んでいるため、環境に影響することにかわりはない。また、木質様積層樹脂成形体の場合、化粧層に含まれる木粉が5〜20質量%と少ないため、木質感に乏しいという難点もある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、難燃性が高くハロゲンフリーな再生複合材を提供することを目的とする。また、合成木材製品としての外観及び性能を損なわない再生複合材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る再生複合材は、木粉とオレフィン系プラスチックと熱膨張性黒鉛とを含む芯材と、前記芯材の表面の少なくとも一部に積層され、木粉とオレフィン系プラスチックと金属水酸化物系難燃剤とを含む表層材とから構成され
、
前記芯材は、木粉を30〜60質量%、オレフィン系プラスチックを20〜40質量%、熱膨張性黒鉛を3〜20質量%含有し、
前記表層材は、木粉を10〜50質量%、オレフィン系プラスチックを30〜60質量%、金属水酸化物系難燃剤を10〜50質量%含有することを特徴としている。
【0008】
本発明では、プラスチックにオレフィン系プラスチックを使用すると共に、難燃剤として熱膨張性黒鉛と金属水酸化物系難燃剤を使用することにより、難燃性が高くハロゲンフリーな再生複合材を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る再生複合材では、芯材に熱膨張性黒鉛、表層材に金属水酸化物系難燃剤をそれぞれ含有させることにより、外観及び性能を損なうことなく、必要とされる難燃性を有するハロゲンフリーな再生複合材を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
続いて、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
【0012】
本発明の一実施の形態に係る再生複合材は、幅100mm〜190mm程度、厚さ約30mm、長さ4000mm程度とされた長方形板状の再生複合材である。芯材とその表裏面及び両側面を覆う表層材とから構成され、表層材の厚さは0.3〜2mm程度である。
なお、芯材の内部に長手方向に延在する中空部が形成されていてもよい。
【0013】
芯材は、木粉を30〜60質量%、オレフィン系プラスチックを20〜40質量%、熱膨張性黒鉛を3〜20質量%含有している。
また、表層材は、木粉を10〜50質量%、オレフィン系プラスチックを30〜60質量%、金属水酸化物系難燃剤を10〜50質量%含有している。
【0014】
木粉は、住宅解体時に出る廃材、パレットに使われていた木材及び間伐材などを粉砕したものである。
オレフィン系プラスチックは、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などであり、工場廃棄物のトレーや自動車のバンパーなどをフレーク状に砕いたものである。
木粉及びオレフィン系プラスチックの割合は、従来の再生複合材と同様でよい。
【0015】
熱膨張性黒鉛及び金属水酸化物系難燃剤は、難燃性を付与するために添加される。
熱膨張性黒鉛を樹脂に添加した場合、当該樹脂が炎などの高温にさらされた際、熱膨張性黒鉛が膨張して樹脂表面を覆い、樹脂の燃焼を防止する。
金属水酸化物系難燃剤は、それ自体燃焼せず、分解時に吸熱すると共に、分解して熱容量の大きな水分子を放出する。金属水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどを好適に使用することができる。
【0016】
熱膨張性黒鉛が3質量%未満の場合、芯材の難燃性が不十分となる。一方、熱膨張性黒鉛が20質量%を超えると、コストが掛かりすぎて好ましくない。
また、金属水酸化物系難燃剤が10質量%未満の場合、表層材の難燃性が不十分となる。一方、金属水酸化物系難燃剤が50質量%を超えると、表層材として好ましい分量の木粉やオレフィン系プラスチック等を確保することが難しくなる。
【0017】
ここで、再生複合材の製造方法の一例について説明しておく。
住宅解体時等に出る廃材は、受入検査を経た後、金属や小石などの異物が除去され、段階的な粉砕が行われる。そして、最終的に篩い機で粒度を揃えた粒径数百ミクロン程度の木粉とされ、配合工程へ送られる。
また、プラスチック工場から出るオレフィン系プラスチックは、受入検査後、粉砕機により粒径10mm程度に粉砕され、配合工程へ送られる。
配合工程では、木粉、オレフィン系プラスチック、熱膨張性黒鉛を所定の比率にて加熱混合して芯材用の中間原料(ペレット)を作製すると共に、木粉、オレフィン系プラスチック、金属水酸化物系難燃剤を所定の比率にて加熱混合して表層材用の中間原料(ペレット)を作製する。そして、押出機により芯材用及び表層材用の中間原料を再度加熱し、金型を用いて所定の形状に成形する。
【0018】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、芯材の四周面が表層材で覆われているが、芯材の表面のみなど、芯材の表面の少なくとも一部が表層材で覆われていてもよい。
【実施例】
【0019】
本発明に係る再生複合材の難燃性を検証するために実施した耐燃性試験について説明する。
耐燃性試験は、JIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」の5.24.1 A法によって実施した。
試験片の形状は、長さ127mm、幅13mmの短冊状とし、芯材と表層材の二層構成とした。表1に芯材及び表層材の配合を示す。なお、金属水酸化物系難燃剤には水酸化マグネシウムを使用した。
なお、熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度は約220℃、1000℃における熱膨張度は100cc/g以上である。また、オレフィン系プラスチックにはポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂、顔料には無機顔料、添加剤にはPEWAX他を使用した。
【0020】
【表1】
【0021】
耐燃性評価は、試験片の炎が消えるまでの平均時間、並びに消火後における試験片(表層材及び芯材)の燃焼した長さ(燃焼距離)とした。
炎が180秒間以上消えない場合は可燃性とし、燃焼距離が25mm以下の場合は不燃性、25mmを超え、100mm以下の場合は自消性とする。
試験結果を表2に示す。不燃性もしくは自消性である場合、その試験片は合格とした。
【0022】
【表2】
【0023】
全ての実施例がほぼ1分以内に消炎している。また、実施例2の燃焼距離は15〜25mm、その他の実施例の燃焼距離は20mm程度である。従って、全ての実施例は不燃性の要件を満足している。実操業時における材料のバラツキ等を考慮した場合、本発明に係る再生複合材は、少なくとも自己消化性の要件を満足していると考えられる。