特許第6363486号(P6363486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田鉄工株式会社の特許一覧 ▶ 林テレンプ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000002
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000003
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000004
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000005
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000006
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000007
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000008
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000009
  • 特許6363486-車両用内装部品 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363486
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】車両用内装部品
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20180712BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20180712BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B60R13/02 B
   B60N3/00 C
   B60R7/04 C
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-247471(P2014-247471)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2016-107839(P2016-107839A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】大沼 健二
(72)【発明者】
【氏名】宮下 長武
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 研一
(72)【発明者】
【氏名】上森 健一
(72)【発明者】
【氏名】菅 慎太郎
【審査官】 佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−103676(JP,A)
【文献】 特開2012−096690(JP,A)
【文献】 特開2014−125122(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3058762(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
B60N 3/00
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質表皮材の折り返し端末部に設けられた係合穴を、基材の端末部に前記基材の面方向に突き出すように設けられた突設リブに係止させる構造を備えた車両用内装部品であって、
前記基材の端末部において前記突設リブに隣接して意匠面側に突き出すように設けられた内向きフランジ部が備えられ、
前記突設リブは、該突設リブの突出方向に板厚が漸減させられ
前記内向きフランジ部の先端面から前記突設リブの先端まで連続するように、前記突設リブの突出方向に対して傾斜させられた傾斜面を意匠面側に備え、
前記突設リブは、前記基材の端末部における周縁部であって、該端末部の厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に突設されたものである
ことを特徴とする車両用内装部品。
【請求項2】
前記係合穴は、前記軟質表皮材の折り返し端末部における屈曲部であって、該折り返し端末部の厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に形成されたものである
請求項1に記載の車両用内装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装部品に関し、特に、組付けを容易にし且つ巻き込み不良の発生を抑制するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
軟質表皮材の折り返し端末部に設けられた係合穴を、基材の端末部に設けられた突設リブに係止させる構造を備えた車両用内装部品が知られている。例えば、特許文献1の図10等に記載された車両用アームレストがその一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−213134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6は、従来の技術である車両用内装部品100における、基材102に対する軟質表皮材104の組付け構造を説明する部分断面図である。図6に示すように、前記車両用内装部品100は、前記軟質表皮材104の折り返し端末部に設けられた係合穴104aを、前記基材102の端末部に設けられた突設リブ102aに係止させる構造を備えている。図6に示すように、前記突設リブ102aは、所定の厚み寸法を備え、前記基材102の端末部における周縁部であって、その端末部の厚み方向に関して略中央に突設されている。前記係合穴104aは、前記軟質表皮材104の折り返し端末部における屈曲部であって、その折り返し端末部の厚み方向に関して略中央に形成されている。
【0005】
図6に示すような従来の技術では、前記基材102に対する前記軟質表皮材104の組付け作業が複雑で、且つ巻き込み不良等の不具合が発生し易いという弊害があった。すなわち、前記基材102に対する前記軟質表皮材104の組付けに際して、前記軟質表皮材104を図7に示すように作業者の指106等によりめくりあげる動作が必要となり、組付け加工時間が長くなる等の問題があった。更に、図8に示すように前記軟質表皮材104が前記突設リブ102aを乗り越えない不具合や、図9に示すように前記軟質表皮材104における端末部裏面側のR形状に前記突設リブ102aが引っ掛かる巻き込み不良が発生するおそれがあった。このような課題は、車両用内装部品の組付け性向上を意図して本発明者等が鋭意研究を継続する過程において、新たに見いだしたものである。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、組付けを容易にし且つ巻き込み不良の発生を抑制する車両用内装部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、軟質表皮材の折り返し端末部に設けられた係合穴を、基材の端末部に前記基材の面方向に突き出すように設けられた突設リブに係止させる構造を備えた車両用内装部品であって、前記基材の端末部において前記突設リブに隣接して意匠面側に突き出すように設けられた内向きフランジ部が備えられ、前記突設リブは、該突設リブの突出方向に板厚が漸減させられ、前記内向きフランジ部の先端面から前記突設リブの先端まで連続するように、前記突設リブの突出方向に対して傾斜させられた傾斜面を意匠面側に備え、前記突設リブは、その突設リブの突出方向に板厚が漸減させられその突出方向に対して傾斜させられた傾斜面を意匠面側に備え、前記突設リブは、前記基材の端末部における周縁部であって、その端末部の厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に突設されたものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
前記第1発明によれば、前記基材の端末部において前記突設リブに隣接して意匠面側に突き出すように設けられた内向きフランジ部が備えられ、前記突設リブは、該突設リブの突出方向に板厚が漸減させられ、前記内向きフランジ部の先端面から前記突設リブの先端まで連続するように、前記突設リブの突出方向に対して傾斜させられた傾斜面を意匠面側に備え、前記突設リブは、その突設リブの突出方向に板厚が漸減させられるように、その突出方向に対して傾斜させられた傾斜面を意匠面側に備え、前記突設リブは、前記基材の端末部における周縁部であって、その端末部の厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に突設されたものであることから、前記軟質表皮材の折り返し端末部を前記突設リブに当接させた状態で前記折り返し端末部を一方向に押すだけで、前記折り返し端末部が前記突設リブを乗り越えることができるため、組付け作業を簡単なものにできることに加え、前記折り返し端末部裏面側のR形状が前記突設リブに引っ掛かることを好適に抑制できる。すなわち、組付けを容易にし且つ巻き込み不良の発生を抑制する車両用内装部品を提供することができる。
【0009】
前記第1発明に従属する本第2発明の要旨とするところは、前記係合穴は、前記軟質表皮材の折り返し端末部における屈曲部であって、その折り返し端末部の厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に形成されたものである。このようにすれば、前記折り返し端末部裏面側のR形状が前記突設リブに引っ掛かることを更に好適に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の好適な実施例である車両用内装部品の構成を示す概略正面図である。
図2図1のII−II視断面図である。
図3図2の車両用内装部品に備えられた基材における端末部の構成を詳しく説明する図である。
図4図2の車両用内装部品に備えられた軟質表皮材における折り返し端末部の構成を詳しく説明する図である。
図5図2の車両用内装部品において、基材に対して軟質表皮材を容易に取り付け可能であることを説明する図である。
図6】本発明との比較のために、従来の技術である車両用内装部品における、基材に対する軟質表皮材の組付け構造を説明する部分断面図である。
図7図6に示す従来の車両用内装部品における組み付けに際して、作業者の指により軟質表皮材をめくりあげる動作が必要であることを説明する図である。
図8図6に示す従来の車両用内装部品における組み付けに際して、軟質表皮材が基材の突設リブを乗り越えないおそれがあることを説明する図である。
図9図6に示す従来の車両用内装部品における組み付けに際して、軟質表皮材における端末部裏面側のR形状に突設リブが引っ掛かる巻き込み不良が発生するおそれがあることを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面において、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の好適な実施例である車両用内装部品10(以下、単に部品10という)の構成を示す概略図であり、その意匠面側を示す正面図である。本実施例の部品10は、例えば、自動車のドアにおけるインナーパネルすなわちドア内板12に取り付けられる板状の部材であり、前記ドアの意匠面側に設けられる車両用ドアトリムの一部に相当する。本実施例において、意匠面とは、前記ドア内板12(部品10)等における車内から視認できる側の面をいうものであり、意匠面側とは、車両の車内(車室)側に相当する。反意匠面とは、前記意匠面の反対側の面すなわち車内から視認できない側の面をいうものであり、反意匠面側とは、車両の車外側に相当する。本実施例においては、ドア内板に取り付けられる車両用ドアトリムに本発明が適用された例について説明するが、本発明は、例えば、ラゲージサイドトリム、インストルメントパネル、アームレスト等の車両用内装部品や、その内装部品に取り付けられるオーナメント等にも好適に適用される。
【0013】
図2は、図1のII−II視断面図すなわち前記部品10における端末部(車両下方側の端末部)付近を拡大して示す部分断面図である。図2に示すように、前記部品10は、それぞれ板状に形成された軟質表皮材16、クッション材18、及び基材22を備えている。前記軟質表皮材16及び前記クッション材18が積層された表層部材20が、前記軟質表皮材16を車内側(車室側)として前記基材22の表面(意匠面側の面)に貼着されて構成されている。換言すれば、前記軟質表皮材16を表側(意匠面側)、前記クッション材18を裏側(反意匠面側)に備えた前記表層部材20が、前記軟質表皮材16を意匠面側として前記基材22の表面を被覆する構成とされている。
【0014】
前記軟質表皮材16は、作業者の指による力等により容易に弾性変形させられる比較的軟質(可撓性)の材料から構成されたものである。好適には、軟質合成樹脂材料から構成されたものであり、例えば、軟質ポリ塩化ビニルやスチレン系、オレフィン系、ポリエステル系等の各種の熱可塑性樹脂材料が好適に用いられる。或いは、織布や不織布、編布、塩化ビニル、軟質フィルム、ウールや牛革をはじめとする天然素材等、種々の表皮材料から構成されたものであってもよい。前記クッション材18は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂材料から、所定の弾力性すなわち押圧されることで弾性変形させられるクッション性を備えて構成されたものであり、ウレタンフォーム、スポンジゴム等が好適に用いられる。前記基材22は、好適には、比較的硬質の合成樹脂材料から構成されたものであり、例えば、ポリプロピレン樹脂、硬質ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂等が好適に用いられる。
【0015】
前記部品10において、前記クッション材18は、必ずしも設けられなくともよい。例えば、前記軟質表皮材16における反意匠面側の面に、前記基材22へ向かって突き出す多数の弾性突起が形成され、それら弾性突起がクッション部として機能することで、前記表層部材20のクッション性が確保されるものであってもよい。
【0016】
図2に示すように、前記部品10は、前記基材22の端末部22aを、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aが巻き込む端末部構造24を備えている。前記基材22は、その端末部が意匠面側に向けてフランジ状(鍔状)に突出させられた内向きフランジ部(鍔状部)26を備えている。換言すれば、前記基材22における前記端末部22aが折り曲げられ、意匠面側に向けて突出させられるフランジ状に形成されている。前記軟質表皮材16における前記折り返し端末部16aは、前記軟質表皮材16の端末部が車外側(車両外側、反意匠面側)に向けて折り返されると共に、前記内向きフランジ部26を含む前記基材22の端末部22aを巻き込むように構成されている。本実施例においては、前記部品10の車両下方側端末部に前記端末部構造24が適用された例について説明するが、前記部品10の車両上方側端末部、或いは車両側方(左右方向)側端末部等にも、本実施例の端末部構造24は好適に適用される。
【0017】
図3は、前記基材22における前記端末部22aの構成を詳しく説明する図である。図4は、前記軟質表皮材16における折り返し端末部16aの構成を詳しく説明する図である。図3に示すように、前記基材22の端末部22aには、単数又は複数(好適には複数、図2及び図3においては1つのみ例示)の突設リブ30が、前記端末部22aから前記基材22の面方向(車両上下方向に関する基材22の延伸方向)に突出して設けられている。図4に示すように、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aには、単数又は複数(好適には複数、図2及び図4においては1つのみ例示)の係合穴32が、前記軟質表皮材16の厚み方向に貫通して設けられている。
【0018】
前記突設リブ30及び前記係合穴32は、図2に示すように前記基材22に対して前記軟質表皮材16が取り付けられる際に相互に対応する位置に設けられている。好適には、前記部品10の周縁部例えば図1における部品10の輪郭に相当する部分に、等しい数の前記突設リブ30及び前記32が、それぞれ対応する位置に設けられている。好適には、前記部品10の輪郭に相当する部分の周方向に、複数の前記突設リブ30及び前記32が略等間隔に配設されている。前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aに設けられた前記係合穴32が、前記基材22の端末部22aに設けられた前記突設リブ30に係止させられることで、前記基材22に対して前記軟質表皮材16が取り付けられる。すなわち、本実施例において、前記端末部構造24は、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aに設けられた前記係合穴32を、前記基材22の端末部22aに設けられた前記突設リブ30に係止させる構造に相当する。
【0019】
前記突設リブ30は、前記基材22の端末部22aにおける周縁部34に設けられている。本実施例において、前記端末部22aにおける周縁部34とは、前記基材22を意匠面側から(或いは、反意匠面側から)見た場合の周縁に相当し、例えば、前記端末部22aにおける下端部(車両上下方向に関する下端)に相当する。換言すれば、前記周縁部34は、前記内向きフランジ部26を含む前記端末部22aにおける下側の端部に相当する。前記突設リブ30は、前記周縁部34から、例えば前記基材22の面方向に突出して設けられたものである。前記軟質表皮材16が前記基材22に取り付けられた状態において、前記周縁部34における前記突設リブ30が設けられていない部分は、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aにおける内側すなわち後述する屈曲部36の内側に当接させられる。前記突設リブ30は、前記周縁部34であって、前記端末部22aの厚み方向に関して比較的反意匠面寄り(厚み方向中央よりも反意匠面側)の位置に突設されたものである。すなわち、前記周縁部34において意匠面側と反対側の裏面側寄りに偏って突設されている。好適には、図3に示すように、前記突設リブ30における反意匠面側の面部30bが、前記基材22における反意匠面側の面部22bと連続する面となるように構成されている。
【0020】
前記突設リブ30は、その突設リブ30の突出方向に板厚が漸減させられるように構成されている。具体的には、図2及び図3に示すように、その突出方向に対して傾斜させられた傾斜面30aを意匠面側に備えている。前記突設リブ30の突出方向とは、前記周縁部34を基としてその突設リブ30が突出させられる方向であり、本実施例においては、前記基材22の面方向である。すなわち、前記突設リブ30の突出方向は、例えば、車両上下方向に関する前記基材22の延伸方向である。前記傾斜面30aは、好適には平面部であるが、所定の曲率を有する曲面部であってもよい。前記傾斜面30aが曲率を有する場合、好適には、反意匠面側に曲率中心を有する。前述のように、前記突設リブ30における反意匠面側の面部30bは、前記基材22における反意匠面側の面部22bと連続する面となるように構成されている。従って、前記突設リブ30の意匠面側に前記傾斜面30aが形成されていることで、前記突設リブ30がその突出方向に板厚が漸減させられるようになっている。すなわち、前記突設リブ30の突出方向に向かうにつれて板厚が徐々に減少するように構成されている。
【0021】
前記係合穴32は、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aにおける屈曲部36に形成されている。本実施例において、前記折り返し端末部16aにおける屈曲部36とは、その折り返し端末部16aにおいて屈曲させられた部分に相当する。換言すれば、前記折り返し端末部16aにおける、意匠面側の部分16bと反意匠面側の部分16cとの間の部分に相当する。前記係合穴32は、好適には、前記屈曲部36であって、前記折り返し端末部16aの厚み方向に関して反意匠面寄り(厚み方向中央よりも反意匠面側)の位置に形成されたものである。すなわち、前記屈曲部36において意匠面側と反対側の裏面側寄りに偏って形成されている。好適には、図4に示すように、前記係合穴32における反意匠面側の内面32aが、前記折り返し端末部16aにおける反意匠面側の部分16cの内面16dと連続する面となるように構成されている。斯かる構成により、前記係合穴32が形成された部分には、前記折り返し端末部16a内側におけるR形状すなわち前記反意匠面側の部分16cと前記屈曲部36との間における曲面形状(例えば、所定値以上の曲率を有する曲面)が存在しない。
【0022】
以上のように構成された本実施例の部品10においては、前記基材22に対する前記軟質表皮材16の組付けに際して、その軟質表皮材16の折り返し端末部16aを前記突設リブ30に当接させた状態で、前記折り返し端末部16aを一方向に押すだけで簡単に組付けを行うことができる。すなわち、図5に示すように、組付けを行う作業者の指40等が前記折り返し端末部16aを白抜矢印で示す方向に押すと、前記突設リブ30に形成された前記傾斜面30aが前記軟性表皮材16(折り返し端末部16a)を案内し、破線矢印で示すように前記折り返し端末部16aが前記突設リブ30を容易に乗り越える。これにより、前記軟質表皮材16を作業者の指40等によりめくりあげる動作が必要なくなり、組付け加工時間を短縮できる。更に、前記係合穴32においては、前記折り返し端末部16a内側におけるR形状が存在しないため、前記突設リブ30がそのR形状に引っ掛かることによる巻き込み不良を好適に抑制できる。
【0023】
本実施例によれば、前記突設リブ30は、その突設リブ30の突出方向に板厚が漸減させられるように、その突出方向に対して傾斜させられた傾斜面30aを意匠面側に備え、前記突設リブ30は、前記基材22の端末部22aにおける周縁部34であって、その端末部22aの厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に突設されたものであることから、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aを前記突設リブ30に当接させた状態で前記折り返し端末部16aを一方向に押すだけで、前記折り返し端末部16aが前記突設リブ30を乗り越えることができるため、組付け作業を簡単なものにできることに加え、前記折り返し端末部16a裏面側のR形状が前記突設リブ30に引っ掛かることを好適に抑制できる。すなわち、組付けを容易にし且つ巻き込み不良の発生を抑制する部品10を提供することができる。
【0024】
前記係合穴32は、前記軟質表皮材16の折り返し端末部16aにおける屈曲部36であって、その折り返し端末部16aの厚み方向に関して反意匠面寄りの位置に形成されたものであるため、前記折り返し端末部16a裏面側のR形状が前記突設リブ30に引っ掛かることを更に好適に抑制できる。
【0025】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0026】
10:車両用内装部品、16:軟質表皮材、16a:折り返し端末部、22:基材、22a:端末部、24:端末部構造、30:突設リブ、30a:傾斜面、32:係合穴、34:周縁部、36:屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9