(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遅延付与媒質を低温から高温に変化させてテラヘルツ波の電場振幅の時間波形を取得することと、前記遅延付与媒質を高温から低温に変化させてテラヘルツ波の電場振幅の時間波形を取得することとを交互に行って、該時間波形の積算値を求める、
請求項1〜6の何れか1項に記載のテラヘルツ波時間波形取得装置。
【背景技術】
【0002】
テラヘルツ波は、光波と電波との中間の領域に相当する0.01THz〜100THz程度の周波数を有する電磁波であり、光波と電波との間の中間的な性質を有している。このようなテラヘルツ波の応用として、測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波の電場振幅の時間波形を測定することで該測定対象物の情報を取得する技術が研究されている。
【0003】
テラヘルツ波を用いた測定対象物の情報の測定技術は、一般に以下のようなものである。すなわち、光源(例えばフェムト秒レーザ光源)から出力されたパルス光は、分岐部により2分岐されてポンプ光およびプローブ光とされる。そのうちポンプ光はテラヘルツ波発生素子(例えば非線形光学結晶や光導電アンテナ素子)に入力されて、これにより、このテラヘルツ波発生素子からパルステラヘルツ波が発生する。この発生したテラヘルツ波は、測定対象部で透過または反射されることで該測定対象物の情報(例えば、吸収係数、屈折率)を取得し、その後、プローブ光と略同一タイミングでテラヘルツ波検出素子(例えば、電気光学結晶や光導電アンテナ素子)に入力される。テラヘルツ波およびプローブ光が入力されたテラヘルツ波検出素子により、両光の間の相関値が検出される。
【0004】
テラヘルツ波検出素子として電気光学結晶が用いられる場合、テラヘルツ波およびプローブ光は、合波部により合波されて電気光学結晶に入力され、この電気光学結晶においてテラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態が変化する。電気光学結晶におけるプローブ光の偏光状態の変化が検出され、ひいては、テラヘルツ波の電場振幅が検出されて、測定対象物の情報が得られる。
【0005】
また、テラヘルツ波検出素子として光導電アンテナ素子が用いられる場合、テラヘルツ波およびプローブ光の入力に応じて、両者の相関値を表す電流が光導電アンテナ素子の2つの電極の間に生じる。この相関値に基づいてテラヘルツ波のスペクトルが求められ、さらに測定対象物の情報が得られる。
【0006】
一般に、テラヘルツ波のパルス幅はピコ秒程度であるのに対して、プローブ光のパルス幅はフェムト秒程度であり、テラヘルツ波と比べてプローブ光のパルス幅は数桁狭い。このことから、テラヘルツ波検出素子へのテラヘルツ波またはプローブ光の入力タイミングが掃引されることで、テラヘルツ波の電場振幅の時間波形が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1の構成を示す図である。第1実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1は、光源10、分岐部20、ミラー21〜23、テラヘルツ波発生素子31、テラヘルツ波検出素子32、遅延付与媒質40、温度調整部50および解析部60を備え、測定対象物100の情報を取得するものである。
【0019】
光源10は、一定の繰返し周期Tでパルス光L
0を出力するものであり、好適にはパルス幅がフェムト秒程度であるパルスレーザ光を出力するフェムト秒パルスレーザ光源である。分岐部20は、光源10から出力されたパルス光L
0を分岐して、一方の分岐光をポンプ光L
1としてミラー21へ出力するとともに、他方の分岐光をプローブ光L
2としてミラー22へ出力する。分岐部20は例えばビームスプリッタである。
【0020】
テラヘルツ波発生素子31は、分岐部20から出力されミラー21により反射されたポンプ光L
1を入力して、テラヘルツ波L
Tを発生し出力する。テラヘルツ波発生素子31は、例えば、非線形光学結晶(例えばZnTe)、光導電アンテナ素子(例えばGaAsを用いた光スイッチ)、半導体(例えばInAs)および超伝導体の何れかを含んで構成される。
【0021】
テラヘルツ波発生素子31から出力されるテラヘルツ波L
Tは、光波と電波との中間の領域に相当する0.01THz〜100THz程度の周波数を有する電磁波であり、光波と電波との間の中間的な性質を有している。また、このテラヘルツ波L
Tは、一定の繰返し周期Tで発生し、パルス幅が数ピコ秒程度である。このテラヘルツ波L
Tは、遅延付与媒質40および測定対象物100を透過して、テラヘルツ波検出素子32に入力される。テラヘルツ波L
Tは、測定対象物100を透過することで、測定対象物100の情報(例えば、吸収係数、屈折率)を取得する。
【0022】
テラヘルツ波検出素子32は、テラヘルツ波発生素子31から出力され測定対象物100を透過したテラヘルツ波L
Tを入力するとともに、分岐部20から出力されミラー22,23により反射されたプローブ光L
2を入力する。テラヘルツ波検出素子32は、これら入力したテラヘルツ波L
Tとプローブ光L
2との間の相関値を検出する。
【0023】
遅延付与媒質40は、テラヘルツ波発生素子31からテラヘルツ波検出素子32までのテラヘルツ波L
Tの光路上に設けられている。遅延付与媒質40は、テラヘルツ波発生素子31と測定対象物100との間の光路上に設けられてもよいし、測定対象物100とテラヘルツ波検出素子32との間の光路上に設けられてもよい。
【0024】
遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tに対する屈折率が温度に依存する材料からなる。遅延付与媒質40は、温度に応じた遅延をテラヘルツ波L
Tに与えることができる。すなわち、遅延付与媒質40は、その温度を変化させることにより、テラヘルツ波検出素子32へのプローブ光入力タイミングに対するテラヘルツ波入力タイミングを掃引することができる。
【0025】
遅延付与媒質40は、テラヘルツ波に対する透過率が高く、かつ、熱膨張が少なく屈折率温度変化が高い材料からなるのが好ましい。遅延付与媒質40の材料として、シリコンの他、ガラス、フッ化カルシウム、ジンクセレン、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、方解石、ゲルマニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド、水晶、サファイア、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン、テフロン(登録商標)などが挙げられる。
【0026】
温度調整部50は、遅延付与媒質40の温度を調整する。温度調整部50は、例えばペルチエ素子等を含んで構成され、遅延付与媒質40の温度を各値に精密に設定することができる。
【0027】
解析部60は、温度調整部50により遅延付与媒質40の温度を各値に設定したときにテラヘルツ波検出素子32により検出された相関値を入力する。解析部60は、各温度設定値における相関値に基づいて、テラヘルツ波検出素子32に入力されたテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を取得する。
【0028】
テラヘルツ波時間波形取得装置1は以下のように動作する。光源10から一定の繰返し周期Tで出力されたパルス光L
0は、分岐部20により2分岐されてポンプ光L
1およびプローブ光L
2とされる。分岐部20から出力されたポンプ光L
1がミラー21により反射されてテラヘルツ波発生素子31に入力すると、このテラヘルツ波発生素子31においてテラヘルツ波L
Tが発生する。
【0029】
テラヘルツ波発生素子31から出力されたテラヘルツ波L
Tは、遅延付与媒質40および測定対象物100を透過してテラヘルツ波検出素子32に入力される。分岐部20から出力されたプローブ光L
2は、ミラー22,23により反射されてテラヘルツ波検出素子32に入力される。テラヘルツ波検出素子32により、入力されたテラヘルツ波L
Tとプローブ光L
2との間の相関値が検出される。
【0030】
テラヘルツ波L
Tの光路上に設けられている遅延付与媒質40の温度が温度調整部50により各値に設定され、各温度設定値においてテラヘルツ波検出素子32により相関値が検出され、その検出された相関値が解析部60に入力される。そして、解析部60により、各温度設定値における相関値に基づいて、テラヘルツ波検出素子32に入力されたテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形が取得される。さらに、この時間波形に基づいて測定対象物100の情報が得られる。
【0031】
テラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形の計測に際しては、時間波形の取得を複数回行なって、これら複数の時間波形を積算することで、S/N比の向上を図るのが一般的である。本実施形態の構成において、遅延付与媒質40を低温から高温に変化させてテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形の取得を行なうことを繰り返してもよいし、逆に、遅延付与媒質40を高温から低温に変化させてテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形の取得を行なうことを繰り返してもよい。しかし、これらの場合のように温度を一方向に変化させる期間においてのみ時間波形を取得することとすると、温度を逆方向に変化させて開始温度に戻すのに時間を要する。
【0032】
したがって、本実施形態では、遅延付与媒質40を低温から高温に変化させてテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を取得することと、遅延付与媒質40を高温から低温に変化させてテラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を取得することとを交互に行って、該時間波形の積算値を求めるのが好適であり、このようにすることにより短時間でS/Nが優れた時間波形を求めることができる。
【0033】
図2〜
図7は、遅延付与媒質40の構成例を示す図である。これらの図に示される遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tを入力面から内部に入力し、テラヘルツ波L
Tを内部において反射させながら伝搬させた後、テラヘルツ波L
Tを出力面から外部へ出力する。遅延付与媒質40の内部におけるテラヘルツ波L
Tの反射回数は1回でもよいが、反射回数が複数回であると温度変化による遅延変化量を大きくすることができて好ましい。また、遅延付与媒質40の内部におけるテラヘルツ波L
Tの反射が全反射であると損失低減の点で好ましい。
【0034】
図2に示される第1構成例では、遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tを入力面から内部に入力し、対向する2面により交互にテラヘルツ波L
Tを4回反射させた後、テラヘルツ波L
Tを出力面から外部へ出力する。
【0035】
図3に示される第2構成例では、遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tを入力面から内部に入力し、4面により順次にテラヘルツ波L
Tを10回反射させて周回させた後、テラヘルツ波L
Tを出力面から外部へ出力する。第1構成例と比べて、この第2構成例では、同程度の大きさの遅延付与媒質40を用いた場合であっても遅延変化量を大きくすることができる。
【0036】
図4に示される第3構成例では、遅延付与媒質40の入力面にテラヘルツ波発生素子31が一体化されて設けられている。この構成例では、遅延付与媒質40の入力面におけるテラヘルツ波L
Tの入射損失を小さくすることができるので、テラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を効率よく取得することができる。
【0037】
図5に示される第4構成例では、遅延付与媒質40の出力面にテラヘルツ波検出素子32が一体化されて設けられている。この構成例では、遅延付与媒質40の出力面におけるテラヘルツ波L
Tの出射損失を小さくすることができるので、テラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を効率よく取得することができる。
【0038】
図6に示される第5構成例では、遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tを内部において反射させながら伝搬させる際に該テラヘルツ波L
Tを平行光にする反射面40aを有する。この構成例では、テラヘルツ波発生素子31が光導電アンテナ素子である場合のように、テラヘルツ波発生素子31から出力されるテラヘルツ波L
Tが発散光であるときに、そのテラヘルツ波L
Tを反射面40aでの反射時に平行光とすることができる。
【0039】
図7に示される第6構成例では、遅延付与媒質40は、テラヘルツ波L
Tを内部において反射させながら伝搬させる際に該テラヘルツ波L
Tを収斂光にする反射面40bを有する。この構成例では、テラヘルツ波検出素子32が光導電アンテナ素子である場合のように、テラヘルツ波検出素子32に入力されるテラヘルツ波L
Tが収斂光であるのが好ましいときに、そのテラヘルツ波L
Tを反射面40bでの反射時に収斂光とすることができる。
【0040】
なお、テラヘルツ波発生素子31およびテラヘルツ波検出素子32の双方が光導電アンテナ素子である場合には、遅延付与媒質40は、テラヘルツ波発生素子31から発散して出力されるテラヘルツ波L
Tを平行光に変換する反射面40a、および、その平行光とされたテラヘルツ波L
Tを収斂光に変換する反射面40b、の双方を有するのが好適である。
【0041】
遅延付与媒質40の一例として、材料がシリコンであって、入力面から出力面までのテラヘルツ波L
Tの光路に沿った幾何学的距離が450mmである場合を想定する。このような遅延付与媒質40では、温度が20℃から40℃に変化すると、屈折率が約0.0032だけ変化し、光路長が1.44mmだけ変化する。この光路長の変化量1.44mmは、時間幅4.8psに相当するので、テラヘルツ波L
Tの電場振幅の時間波形を取得するのに十分である。
【0042】
本実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1は、遅延付与媒質40の温度を各値に設定することで、テラヘルツ波検出素子32へのテラヘルツ波入力タイミングを掃引することができる。本実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1は、機械的遅延付与機構を用いる従来の装置と比べて、容易に小型化することができる。
【0043】
また、従来の装置における機械的遅延付与機構70は、
図8に示されるように、入力光L
inをミラー71,72により反射させて出力光L
outとするものであって、図中の矢印方向に沿ってミラー71,72を移動させることにより光路長を変化させるものである。機械的遅延付与機構70では、出力光L
outの方向は、入力光L
inの方向の反対方向に固定されている。これに対して、本実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1における遅延付与媒質40では、
図9に示されるように、入力テラヘルツ波L
T_inの方向に対して出力テラヘルツ波L
T_outの方向を様々に設定することができ、光学系の配置の自由度が大きい。この点でも、本実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置1は、機械的遅延付与機構を用いる従来の装置と比べて、小型化することができる。
【0044】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置2の構成を示す図である。第2実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置2は、光源10、テラヘルツ波発生素子31、テラヘルツ波検出素子32、遅延付与媒質40、温度調整部50、解析部60、光ファイバカプラ80および光ファイバ81〜83を備え、測定対象物100の情報を取得するものである。
【0045】
図1に示された第1実施形態の構成と比較すると、第2実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置2は、分岐部として光ファイバカプラ80を備える点、光源10から光ファイバカプラ80までパルス光をパルス光導光用光ファイバ81により導光する点、光ファイバカプラ80からテラヘルツ波発生素子31までポンプ光をポンプ光導光用光ファイバ82により導光する点、光ファイバカプラ80からテラヘルツ波検出素子32までプローブ光をプローブ光導光用光ファイバ83により導光する点、および、遅延付与媒質40の入力面にテラヘルツ波発生素子31が一体に設けられている点、で相違する。
【0046】
第2実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置2は、第1実施形態の構成と同様の効果を奏する他、光ファイバ81〜83を備えることにより以下のような効果をも奏する。すなわち、第2実施形態では、光源10から出力されるパルス光、ならびに、光ファイバカプラ80から出力されるポンプ光およびプローブ光は、光ファイバにより導光され、自由空間を伝搬することがないので、光軸ずれの問題が抑制される。したがって、時間波形の測定の安定性が高い。
【0047】
なお、本実施形態において、遅延付与媒質40から光ファイバ82にまで温度が伝わってしまうと、ポンプ光導光用光ファイバ82の屈折率が変化して、ポンプ光導光用光ファイバにより導光されるポンプ光の遅延時間が変化してしまい、その結果、適切な時間遅延を与えられない可能性がある。そこで、テラヘルツ波発生素子31とポンプ光導光用光ファイバ82とが互いに熱的に分離されていることが好ましい。
【0048】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置3の構成を示す図である。第3実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置3は、第1実施形態の構成において、複数の遅延付与媒質を備えることとしたものである。同図では、2つの遅延付与媒質40A,40Bが示され、また、遅延付与媒質40Aの温度を調整する温度調整部50A、および、遅延付与媒質40Bの温度を調整する温度調整部50Bも示されている。
【0049】
本実施形態では、テラヘルツ波発生素子31からテラヘルツ波検出素子32までのテラヘルツ波L
Tの光路上に、これら複数の遅延付与媒質を1つずつ配置して、その配置した遅延付与媒質の温度を各値に設定してテラヘルツ波の電場振幅の時間波形を取得して、該時間波形の積算値を求める。2つの遅延付与媒質40A,40Bを用いる場合には、これらを交互にテラヘルツ波L
Tの光路上に配置する。
【0050】
第3実施形態のテラヘルツ波時間波形取得装置3は、第1実施形態の構成と同様の効果を奏する他、複数の遅延付与媒質を備えることにより以下のような効果をも奏する。すなわち、1つの遅延付与媒質を備える場合に遅延付与媒質の温度を一方向に変化させる期間においてのみ時間波形を取得することとすると、温度を逆方向に変化させて開始温度に戻すのに時間を要するのに対して、このような問題を解消する為に、第3実施形態では、同じ温度に設定した同一の遅延付与媒質を二つ用意し、それらを交互に切り替えてテラヘルツ波の光路に挿入することで、積算測定の時間を短縮することができる。
【0051】
具体的には、まず、一つ目の遅延付与媒質40Aをテラヘルツ波の光路に挿入し、この遅延付与媒質40Aの温度を低温から高温に(例えば20℃から40℃に)掃引して時間波形を測定する。一回目の掃引が終わると(例えば遅延付与媒質40Aが温度40℃になると)、遅延付与媒質40Aを温度20℃に待機させておいた遅延付与媒質40Bと入れ替える。そうすると、全く同じ掃引開始遅延時間で、さらに同一方向の時間軸から二回目の時間波形を取得することができる。この二回目の掃引中に遅延付与媒質20Aの温度を20℃に下げておく。そして、二回目の掃引が終わったタイミングで、再度、遅延付与媒質40Aに入れ替えて、同様に時間波形を取得する。これを交互に繰り返すことで、積算測定の時間を短縮することができる。