(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363514
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】利用証発行装置、管理サーバ、および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20180712BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20180712BHJP
G06Q 20/34 20120101ALI20180712BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20180712BHJP
G07B 5/00 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/18
G06Q20/34
G07B1/00 E
G07B5/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-8569(P2015-8569)
(22)【出願日】2015年1月20日
(65)【公開番号】特開2016-134011(P2016-134011A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 泰三
【審査官】
田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−011172(JP,A)
【文献】
特開2000−020775(JP,A)
【文献】
特開2005−332144(JP,A)
【文献】
特開2005−165582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07B 1/00
G07B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料の交通機関の利用に用いられる媒体から利用者の識別情報を読み取る読取部と、
前記交通機関の利用を管理する管理サーバと通信する通信部と、
前記交通機関の利用を証する利用証を発行する発行部と、
前記読取部により読み取られた利用者の識別情報を前記管理サーバに送信するように前記通信部を制御し、前記管理サーバから前記通信部に返信された前記利用者が利用した対象区間の先着順の情報に基づいて、前記利用証に前記先着順の情報を表示して発行するように前記発行部を制御する制御部と、
を備える利用証発行装置。
【請求項2】
前記管理サーバから前記通信部に返信される情報は、前記利用者による前記交通機関の利用履歴を含み、
利用者の入力操作を受け付けると共に画像を表示する入力・表示部を備え、
前記制御部は、前記交通機関の利用履歴に基づく画像を前記入力・表示部に表示させ、前記利用者により前記入力・表示部を用いて選択された利用履歴に対応する利用証を発行するように前記発行部を制御する、
請求項1記載の利用証発行装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記利用者が利用した対象区間の土地柄を表す図案を前記利用証に表示されるように、前記発行部を制御する、
請求項1記載の利用証発行装置。
【請求項4】
有料の交通機関の利用を管理する管理サーバであって、
前記交通機関の利用を証する利用証を発行する利用証発行装置と通信するサーバ側通信部と、
前記交通機関で、前記利用証の発行対象となる対象区間に関する対象区間情報、および前記利用証の発行対象となる対象区間の利用に係る先着順の情報を含む前記交通機関の利用履歴情報を記憶する記憶部と、
前記利用証発行装置から前記サーバ側通信部に利用者の識別情報の受信に対応し、前記対象区間に該当する利用履歴及び先着順の情報を前記利用履歴情報から抽出し、前記抽出した利用履歴及び前記先着順の情報を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御するサーバ側制御部と、
を備える管理サーバ。
【請求項5】
前記対象区間情報には、前記利用証の発行対象となる前記交通機関の利用期間に関する情報が更に含まれ、
前記サーバ側制御部は、前記対象区間および前記利用期間に該当する利用履歴を前記利用履歴情報から抽出し、前記抽出した利用履歴を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御する、
請求項4記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記サーバ側制御部は、前記利用証発行装置が前記対象区間の土地柄を表す図案を含む情報を、前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御する、
請求項4記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記対象区間情報には、前記利用証の発行場所に関する情報が更に含まれ、
前記サーバ側制御部は、前記利用者の識別情報の送信元である利用証発行装置が前記発行場所に該当する利用履歴を前記利用履歴情報から抽出し、前記抽出した利用履歴を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御する、
請求項4記載の管理サーバ。
【請求項8】
有料の交通機関の利用を管理する管理サーバの管理プロクラムであって、
前記交通機関の利用を証する利用証を発行する利用証発行装置と通信するサーバ側通信部と、前記利用証の発行対象の前記交通機関の対象区間の利用に係る先着順の情報を含む前記交通機関の利用履歴情報、および前記利用証の発行対象となる前記交通機関の対象区間に関する対象区間情報を記憶する記憶部とを備える管理サーバに、
前記利用証発行装置から前記サーバ側通信部により受信した利用者の識別情報に対応し、前記対象区間に該当する利用履歴及び先着順の情報を前記利用履歴情報から抽出させ、
前記抽出させた利用履歴及び先着順の情報を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御させる、
管理プログラム。
【請求項9】
前記対象区間情報には、前記利用証の発行対象となる前記交通機関の利用期間に関する情報が更に含まれ、
前記管理サーバに、
前記対象区間および前記利用期間に該当する利用履歴を前記利用履歴情報から抽出させ、
前記抽出させた利用履歴を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御させる、
請求項8記載の管理プログラム。
【請求項10】
前記管理サーバに、
前記利用証発行装置が前記対象区間の土地柄を表す図案を含む前記利用証を発行するための情報を、前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御させる、
請求項8記載の管理プログラム。
【請求項11】
前記対象区間情報には、前記利用証の発行場所に関する情報が更に含まれ、
前記管理サーバに、
前記利用者の識別情報の送信元である利用証発行装置が前記発行場所に該当する利用履歴を前記利用履歴情報から抽出させ、前記抽出させた利用履歴を前記利用証発行装置に送信するように前記サーバ側通信部を制御させる、
請求項8記載の管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、利用証発行装置、管理サーバ、および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種イベントへの参加や乗物への乗車・搭乗等の記念として適した記念チケットの印刷が可能なシステムが知られている。しかしながら、有料の交通機関の分野において同様のサービスを行うものは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−11041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、有料の交通機関の利用証を自動的に発行することができる利用証発行装置、管理サーバ、および管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の利用証発行装置は、読取部と、通信部と、発行部と、制御部とを備える。読取部は、有料の交通機関の利用に用いられる媒体から利用者の識別情報を読み取る。通信部は、前記交通機関の利用を管理する管理サーバと通信する。発行部は、前記交通機関の利用を証する利用証を発行する。制御部は、前記読取部により読み取られた利用者の識別情報を前記管理サーバに送信するように前記通信部を制御し、前記管理サーバか
ら前記通信部に
返信され
た前記利用者が利用した対象区間の先着順の情報に基づいて、
前記利用証に前記先着順の情報を表示して発行するように前記発行部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施形態の利用証発行装置1および管理サーバ100の機能構成図。
【
図4】個人情報テーブル132として記憶される情報の一例を示す図。
【
図5】利用履歴テーブル134として記憶される情報の一例を示す図。
【
図6】対象区間テーブル136として記憶される情報の一例を示す図。
【
図8】利用証発行装置1および管理サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図9】利用証発行装置1および管理サーバ100により実行される処理の流れの他の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の利用証発行装置、管理サーバ、および管理プログラムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、利用証発行装置は、有料道路の利用証を発行する装置であり、有料道路の利用に用いられる媒体は、ETC(Electronic Toll Collection System)カードであるものとして説明する。利用証発行装置は、例えば、有料道路のサービスエリアまたはパーキングエリア、有料道路の出口付近のコンビニエンスストアなどに設置される。なお、これに限らず、利用証発行装置は、鉄道の利用証を発行する装置であり、鉄道の利用に用いられる媒体は、交通系のICカード或いはこれと同等の機能を有する携帯電話などの電子媒体であってもよい。
【0008】
図1は、実施形態の利用証発行装置1の外観構成図である。
図1に示すように、利用証発行装置1は、ETCカード挿入口2と、割引券排出口3と、入力・表示部4と、コイン投入口5と、利用証排出口6とを備える。
【0009】
図2は、実施形態の利用証発行装置1および管理サーバ100の機能構成図である。
図2に示すように、利用証発行装置1は、入力・表示部4と、リーダ部10と、通信部11と、金銭収受部12と、発行部13と、制御部20とを備える。
【0010】
ETCカード挿入口2には、利用者のETCカードが挿入される。ETCカードは、例えば接触型ICカードである。リーダ部10は、ETCカード挿入口2の内部に設けられ、挿入されたETCカードから情報を読み取る。
【0011】
割引券排出口3からは、利用証の発行に伴って発行される観光地の割引券などが排出される。
【0012】
入力・表示部4は、例えばタッチパネル式ディスプレイ装置である。入力・表示部4は、管理サーバ100から通信部11が受信する利用履歴などに基づく画像を表示すると共に、利用者によるタッチ操作の位置を検出する。なお、利用証発行装置1は、専用キーやダイヤル、スライドスイッチなどの操作デバイスを備えてもよい。
【0013】
コイン投入口5には、利用証の発行料金としてコイン(硬貨)が投入される。コイン投入口5の内部の金銭収受部12は、コイン投入口5に投入されたコインを計数し、計数結果が利用証の発行料金以上である場合に、その旨を示す情報を発行部13に出力する。なお、金銭収受部12は、ETCの機能を利用して、利用証の発行料金をクレジット決済で収受してもよい。
【0014】
利用証排出口6からは、発行部13により発行された利用証が排出される。利用証とは、有料道路の利用を証する証書であり、より具体的には、例えば有料道路の対象区間の利用を証する証書である。
図3は、利用証の内容を例示した図である。図示するように、利用証には、「記念通行証」などのタイトル、発行日、対象区間、発行元などが印刷される。対象区間は、例えば新しい路線が開通したときに設定される。また、利用証には、その対象区間が設定されて以来、何番目の利用者であるかを示す情報が印刷されてよい。
【0015】
また、利用証には、対象区間の土地柄を示す図案Mが印刷されてよい。この図案Mは、例えば後述する管理サーバ100から送信される画像データに基づいて印刷される。また、これに代えて、利用証発行装置1が図案の元になる画像データを幾つか保持しておき、管理サーバ100によって選択されたものが印刷されるようにしてもよい。
【0016】
なお、利用証は、紙媒体に印刷されたものでなく、携帯電話などの電子デバイスに送信される画像データであってもよい。この場合、利用者は、電子デバイスにおいて画像を起動させることで、利用証を視認することができる。
【0017】
利用証発行装置1は、管理サーバ100と通信することで、利用証の発行に必要なデータを取得する。通信部11は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などのネットワークNWを介して管理サーバ100と通信するための通信インターフェースなどを含む。
【0018】
管理サーバ100は、例えば、ETCを管理する事業者によって運営される。管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置、ネットワークNWに接続するためのサーバ側通信部110などを含むコンピュータ装置である。なお、管理サーバ100が使用する記憶装置の一部は、ネットワークNWに接続されたNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。
【0019】
管理サーバ100は、サーバ側通信部110の他、プロセッサがプログラムを実行することで機能するサーバ側制御部120と、上記各種記憶装置により実現される記憶部130とを備える。なお、サーバ側制御部120は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア機能部であってもよい。記憶部130には、個人情報テーブル132、利用履歴テーブル134、対象区間テーブル136などが記憶される。これらのテーブルに記憶される情報は、サーバ側制御部120によって制御される。
【0020】
図4は、個人情報テーブル132として記憶される情報の一例を示す図である。図示するように、個人情報テーブル132には、利用者の識別情報であるIDに対応付けられて、利用者の氏名や住所などの情報が記憶される。サーバ側制御部120は、図示しない会員入会受付端末から入力された情報に基づいて、個人情報テーブル132に新たなレコードの追加、レコードの編集または削除を行う。
【0021】
図5は、利用履歴テーブル134として記憶される情報の一例を示す図である。図示するように、個人情報テーブル132には、利用者の識別情報であるIDに対応付けられて、利用日時、入口料金所、出口料金所、発行可否を示す情報、発行済か否かを示す情報などが記憶される。図中、発行可否における「OK」は発行可能であることを、「NG」は発行不可であることを示す。サーバ側制御部120は、図示しないETC路側装置から入力された情報に基づいて、利用履歴テーブル134に新たなレコードの追加、レコードの編集または削除を行う。また、サーバ側制御部120は、対象区間テーブル136に記憶された情報を参照して発行可否の判定を行ない、発行可否を示す情報を利用履歴テーブル134に書き込む。また、サーバ側制御部120は、利用証発行装置1から入力された情報に基づいて、利用履歴テーブル134における発行済か否かを示す情報を更新する。
【0022】
図6は、対象区間テーブル136として記憶される情報の一例を示す図である。図示するように、対象区間テーブル136には、開始日時と終了日時で規定される利用期間に関する制約情報と、対象区間と、その対象区間に関する利用証の発行場所と、現在の日付における発行可否を示す情報と、先着制限の有無および人数とが、互いに対応付けられて記憶される。本実施形態における利用証は、対象区間を開始日時と終了日時の間に通行した場合に(或いは通行する見込みである場合に)、対象区間テーブル136によって規定されている発行場所で発行される。
【0023】
図7は、利用証が発行可能となる場面の例を示す図である。
図7に示すように、利用証は、有料道路TRの対象区間である料金所Aと料金所Bを通行した後のサービスエリアまたはパーキングエリア(図中、SA/PA)x、或いは対象区間を通行して有料道路TRから退出した一般道FRにあるコンビニエンスストアyなどで発行される。サーバ側制御部120は、例えば、
図5におけるレコードR2に基づいて、対象の利用者に対し、サービスエリアまたはパーキングエリアx、或いはコンビニエンスストアyで利用証を発行可能であると判定する。
【0024】
また、
図7に示すように、利用証は、有料道路TRの対象区間である料金所Aと料金所Bの間にあるサービスエリアまたはパーキングエリアzにおいて発行可能としてもよい。サービスエリアまたはパーキングエリアzに車両があるということは、その後に料金所Bを通行する、すなわち対象区間AからBを通行する見込みだからである。サーバ側制御部120は、例えば、
図5におけるレコードR1に基づいて、対象の利用者に対し、サービスエリアまたはパーキングエリアzで利用証を発行可能であると判定する。
【0025】
なお、
図7に示す場面に限らず、例えば、ETCの料金収受機が利用証発行装置を兼ねてもよい。
【0026】
利用証発行装置1の説明に戻る。発行部13は、例えば、利用証の元になる基材を蓄積するスタッカ、スタッカから印刷部に基材を搬送する搬送部、基材に印刷する印刷部、印刷部によって印刷された利用証を利用証排出口6に排出する排出部などを備える。発行部による印刷内容などは、制御部20によって制御される。
【0027】
制御部20は、サーバ側制御部120と同様、CPUなどのプロセッサがプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。なお、制御部20は、LSIやASICなどのハードウェア機能部であってもよい。制御部20は、利用者によってETCカードがETCカード挿入口2に挿入されたときに、ETCカードからリーダ部によって読み取られるIDを管理サーバ100に送信するように通信部11を制御する。そして、管理サーバ100から返信され通信部11によって受信された情報に基づいて、利用証を発行部13に発行させるか否かを決定する。また、制御部20は、管理サーバ100から返信され通信部11によって受信された情報に基づいて、利用証の内容を決定する。
【0028】
以下、上記のようなサービスを実現するために利用証発行装置1および管理サーバ100が実行する処理の内容について説明する。
図8は、利用証発行装置1および管理サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0029】
まず、利用証発行装置1は、ETCカード挿入口2にETCカードが挿入されるまで待機する(ステップS200)。ETCカード挿入口2にETCカードが挿入されると、利用証発行装置1の制御部20は、ETCカードからIDを読み取り、読み取ったIDを管理サーバ100に送信するようにリーダ部10および通信部11を制御する(ステップS202)。
【0030】
管理サーバ100のサーバ側制御部120は、サーバ側通信部110により受信したIDで利用履歴テーブル134を検索し、該当するETCカードが利用可能であるか否かを判定する(ステップS204)。そして、管理サーバ100のサーバ側制御部120は、ETCカードの利用可否を示す情報を利用証発行装置1に送信するようにサーバ側通信部110を制御する(ステップS206)。
【0031】
利用証発行装置1の制御部20は、通信部11により受信された情報に基づいて、ステップS200で挿入されたETCカードが利用可能であるか否かを判定する(ステップS208)。ETCカードが利用可能でないと判定した場合、利用証発行装置1の制御部20は、ETCカードを利用者に返却するように、図示しない排出機構を制御する(ステップS226)。
【0032】
一方、ETCカードが利用可能であると判定した場合、利用証発行装置1の制御部20は、受信可能な利用履歴のレコード数を管理サーバ100に送信するように、通信部11を制御する(ステップS210)。この「受信可能な利用履歴のレコード数」は、例えば、利用証発行装置1の仕様に基づいて決定される数である。例えば、高性能な利用証発行装置1の場合、「受信可能な利用履歴のレコード数」は多くなり、低性能な利用証発行装置1の場合、「受信可能な利用履歴のレコード数」は少なくなる。
【0033】
管理サーバ100のサーバ側制御部120は、サーバ側通信部110により受信したレコード数分の最新の利用履歴であって、利用者のID、対象区間、期間、先着順、および発行場所に関する条件を満たす利用履歴を利用履歴テーブル134から読み出し(抽出し)、読み出した利用履歴を利用証発行装置1に送信するようにサーバ側通信部110を制御する(ステップS212)。
【0034】
利用証発行装置1の制御部20は、通信部11により受信された情報に基づいて、利用履歴を入力・表示部4に表示させる(ステップS214)。次に、利用証発行装置1の制御部20は、表示させた利用履歴のうち1つの利用履歴が選択されたか否かを判定する(ステップS216)。表示させた利用履歴のうち1つの利用履歴が選択されると、利用証発行装置1の制御部20は、投入された金額が利用証の発行料金以上であることを示す情報が金銭収受部12から入力されたか否かを判定する(ステップS218)。なお、ステップS216とステップS218の判定は、
図8に示す順序ではなく、ステップS218の判定が先に行われてもよいし、順序に関係なく、双方が満たされたか否かを一度に判定するようにしてもよい。
【0035】
表示させた利用履歴のうち1つの利用履歴が選択され、且つ投入された金額が利用証の発行料金以上であることを示す情報が金銭収受部12から入力された場合、利用証発行装置1の制御部20は、利用証の発行を管理サーバ100に通知するように通信部11を制御する(ステップS220)。管理サーバ100は、選択された利用履歴に対応する画像データを利用証発行装置1に送信するようにサーバ側通信部110を制御する(ステップS222)。ここで、「選択された利用履歴に対応する画像データ」とは、選択された利用履歴が表す対象区間の土地柄を示す図案M(
図3参照)の画像データである。
【0036】
画像データを受信すると、利用証発行装置1の制御部20は、画像データを反映させて利用証を発行するように発行部13を制御する(ステップS224)。次に、利用証発行装置1の制御部20は、ETCカードを利用者に返却するように、図示しない排出機構を制御する(ステップS226)。一方、管理サーバ100のサーバ側制御部120は、利用履歴の対象レコードにおける「発行済」の項目を、「済」に変更する(ステップS228)。
【0037】
(その他の実施形態)
なお、利用証発行装置1は、
図8のフローチャートで例示した処理に代えて、
図9に示す処理を行ってもよい。
図9は、利用証発行装置1および管理サーバ100により実行される処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図9におけるステップS200からステップS212までの処理については、
図8と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
利用証発行装置1の制御部20は、最新の利用履歴を管理サーバ100から受信すると、投入された金額が利用証の発行料金以上であることを示す情報が金銭収受部12から入力されたか否かを判定する(ステップS213)。投入された金額が利用証の発行料金以上であることを示す情報が金銭収受部12から入力されると、利用証発行装置1の制御部20は、通信部11により受信された情報に基づいて、利用履歴を入力・表示部4に表示させる(ステップS214)。次に、利用証発行装置1の制御部20は、表示させた利用履歴のうち1つの利用履歴が選択されたか否かを判定する(ステップS216)。
【0039】
表示させた利用履歴のうち1つの利用履歴が選択されると、利用証発行装置1の制御部20は、利用証の発行を管理サーバ100に通知するように通信部11を制御する(ステップS220)。管理サーバ100は、選択された利用履歴に対応する画像データを利用証発行装置1に送信するようにサーバ側通信部110を制御する(ステップS222)。
【0040】
画像データを受信すると、利用証発行装置1の制御部20は、画像データを反映させて利用証を発行するように発行部13を制御する(ステップS224)。次に、利用証発行装置1の制御部20は、ETCカードを利用者に返却するように、図示しない排出機構を制御する(ステップS226)。一方、管理サーバ100のサーバ側制御部120は、利用履歴の対象レコードにおける「発行済」の項目を、「済」に変更する(ステップS228)。
【0041】
以上のような制御により、利用証発行装置1は、有料道路の利用証を自動的に発行することができる。また、管理サーバ100は、利用証発行装置1に有料道路の利用証を自動的に発行させることができる。これによって、利用証発行装置1および管理サーバ100は、有料道路の利用を促進することができる。一部の利用者の間では、新しく開通した路線を利用したことを示す利用証は、記念品としての価値が高いからである。
【0042】
また、利用証発行装置1および管理サーバ100によれば、対象区間の先着順が表示される利用証を発行するため、利用証の記念品としての価値を高めることができる。また、利用証発行装置1および管理サーバ100によれば、対象区間の土地柄を表す図案が表示される利用証を発行するため、利用証の記念品としての価値を更に高めることができる。
【0043】
なお、上記実施形態において説明した事項は、適宜、省略または変更されてもよい。例えば、対象区間テーブル136から「開始日時」と「終了日時」の項目が省略され(すなわちその日において有効な対象区間のみのデータが格納され)、
図8または
図9のステップS212の処理においてサーバ側制御部120は、サーバ側通信部110により受信したレコード数分の最新の利用履歴であって、利用者のID、対象区間、先着順、および発行場所に関する条件を満たす利用履歴を利用履歴テーブル134から読み出し(抽出)してもよい。また、同様に対象区間テーブル136から「発行場所」の項目、或いはその他の項目が省略されてもよい。
【0044】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、有料の交通機関(有料道路)の利用に用いられる媒体(ETCカード)から利用者の識別情報を読み取るリーダ部10と、交通機関の利用を管理する管理サーバ100と通信する通信部11と、交通機関の利用を証する利用証を発行する発行部13と、リーダ部10により読み取られた利用者の識別情報を管理サーバ100に送信するように通信部11を制御し、管理サーバ100から返信され通信部11により受信された情報に基づいて、利用証を発行するように発行部13を制御する制御部20と、を持つことにより、有料道路の利用証を自動的に発行することができる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1…利用証発行装置、2…ETCカード挿入口、3…割引券排出口、4…入力・表示部、5…コイン投入口、6…利用証排出口、10…リーダ部、11…通信部、12…金銭収受部、13…発行部、20…制御部、100…管理サーバ、110…サーバ側通信部、120…サーバ側制御部、130…記憶部、132…個人情報テーブル、134…利用履歴テーブル、136…対象区間テーブル