特許第6363524号(P6363524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363524
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】レーダ装置及びレーダ信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/90 20060101AFI20180712BHJP
   G01S 13/44 20060101ALI20180712BHJP
   G01S 7/32 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G01S13/90 164
   G01S13/44
   G01S7/32 250
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-17275(P2015-17275)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-142578(P2016-142578A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 晋一
(72)【発明者】
【氏名】安達 正一郎
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−304321(JP,A)
【文献】 特開平10−078481(JP,A)
【文献】 特開2009−074924(JP,A)
【文献】 特開平07−092257(JP,A)
【文献】 特開2013−195190(JP,A)
【文献】 米国特許第4855747(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−7/42
G01S 13/00−13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実開口アンテナの受信信号から取得される目標をレンジ及びドップラ周波数の両軸で追跡し、前記目標の画像中心を得てレンジ圧縮及びAZ圧縮することにより、レンジ−ドップラ周波数軸で目標を画像化するISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar:逆合成開口レーダ)方式のレーダ装置において、
前記実開口アンテナの受信信号からモノパルス出力であるΣ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームを生成してサンプリング出力するビーム生成手段と、
前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームのサンプリング出力からレンジ−ドップラ周波数軸におけるレンジ−ドップラ画像を生成する画像生成手段と、
前記Σビームのレンジ−ドップラ画像の中で所定の目標画像を抽出する目標画像抽出手段と、
前記抽出された目標画像について、前記Σビームによるレンジと前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームによるモノパルス測角値とに基づいて前記目標画像のドップラ−レンジセルの位置を算出して目標画像を得る目標画像取得手段と
を具備するレーダ装置。
【請求項2】
前記目標画像取得手段は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒットを2分割し、前記Σビームによる和信号ΣSARによりドップラ−レンジセルを選定し、選定したセルに対応するΣSARと前記Σビームによる差信号ΔSARを用いたモノパルス処理により円錐角θSARを測角し、測角した円錐角θSARの中で最も前記ΔAZ及びΔELのビームそれぞれの測角値θAZ、θELに近い角度θAZcalとθELcalにより、前記ドップラ−レンジセルの位置を算出する請求項1記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記ビーム生成手段は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒット内で、疑似ランダム順に前記Σビーム、ΔAZビーム及びΔELビームを切り替えてサンプリング出力する請求項1または2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記目標画像取得手段は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒットを2分割し、前記Σ、ΔAZ、ΔELの各ビームの出力から第1のモノパルス測角曲線を算出し、前記Σビームによる和信号ΣSARと前記Σビームによる差信号ΔSARから第2のモノパルス測角曲線を算出し、所定のレンジ範囲毎にテーブル化して、観測した目標レンジにより前記第1、第2のモノパルス測角曲線を切り替えて、切り替えられたモノパルス測角曲線に基づいて前記目標画像のドップラ−レンジセルの位置を算出する請求項1記載のレーダ装置。
【請求項5】
実開口アンテナの受信信号から取得される目標をレンジ及びドップラ周波数の両軸で追跡し、前記目標の画像中心を得てレンジ圧縮及びAZ圧縮することにより、レンジ−ドップラ周波数軸で目標を画像化するISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar:逆合成開口レーダ)方式のレーダ信号処理方法において、
前記実開口アンテナの受信信号からモノパルス出力であるΣ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームを生成してサンプリング出力し、
前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームのサンプリング出力からレンジ−ドップラ周波数軸におけるレンジ−ドップラ画像を生成し、
前記Σビームのレンジ−ドップラ画像の中で所定の目標画像を抽出し、
前記抽出された目標画像について、前記Σビームによるレンジと前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームによるモノパルス測角値とに基づいて前記目標画像のドップラ−レンジセルの位置を算出して目標画像を得るレーダ信号処理方法。
【請求項6】
前記目標画像の取得は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒットを2分割し、前記Σビームによる和信号ΣSARによりドップラ−レンジセルを選定し、選定したセルに対応するΣSARと前記Σビームによる差信号ΔSARを用いたモノパルス処理により円錐角θSARを測角し、測角した円錐角θSARの中で最も前記ΔAZ及びΔELのビームそれぞれの測角値θAZ、θELに近い角度θAZcalとθELcalにより、前記ドップラ−レンジセルの位置を算出する請求項5記載のレーダ信号処理方法。
【請求項7】
前記ビーム生成は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒット内で、疑似ランダム順に前記Σビーム、ΔAZビーム及びΔELビームを切り替えてサンプリング出力する請求項5に記載のレーダ信号処理方法。
【請求項8】
前記目標画像の取得は、前記実開口アンテナの合成開口長におけるCPI(Coherent Processing Interval:コヒーレント処理間隔)の任意の複数ヒットを2分割し、前記Σ、ΔAZ、ΔELの各ビームの出力から第1のモノパルス測角曲線を算出し、前記Σビームによる和信号ΣSARと前記Σビームによる差信号ΔSARから第2のモノパルス測角曲線を算出し、所定のレンジ範囲毎にテーブル化して、観測した目標レンジにより前記第1、第2のモノパルス測角曲線を切り替えて、切り替えられたモノパルス測角曲線に基づいて前記目標画像のドップラ−レンジセルの位置を算出する請求項5記載のレーダ信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、レーダ装置及びレーダ信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置にあっては、画像により目標を識別する方法として、目標の重心等をレンジ及びドップラの両軸で追跡して画像中心を取得し、レンジ圧縮及びAZ圧縮することにより、レンジ−ドップラ軸で目標を画像化するISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar:逆合成開口レーダ)処理が知られている(非特許文献1参照)。従来のISAR処理では、剛体目標が移動している場合、その目標の回転運動により、目標上の各反射点におけるドップラ速度が異なる。このため、ISAR処理によって生成した画像が真の目標形状と異なり、形状寸法の絶対値とも異なるのが通常である。
【0003】
したがって、ISAR画像により目標を識別する方法では、目標の回転や振動によるドップラ速度の変化により、生成画像の形状や寸法が真の目標とは大きく異なってしまい、識別が困難になる場合があった。
【0004】
また、ISAR画像を基に、大きさを持つ目標内の特定の点を検出して追跡する場合には、クロスレンジが絶対値と異なるため、誤差が大きく追跡できなくなるという問題があった。
【0005】
また、ISAR画像を生成しないドップラレーダ等において、大きさを持つ目標を測角する場合には、測角点が広がった複数点のベクトル合成(複素合成)になるため、グリントノイズが大きくなって測角の精度も低下してしまうという問題があった。
【0006】
また、目標が被搭載機のフライト軸方向にある場合には、剛体目標の回転運動が小さいと、クロスレンジ方向の左右上下等の目標の反射点のドップラが同じになるため、真の目標形状とSAR画像の形状が大きく異なってしまい、識別できないという問題があった。
【0007】
また、合成開口長が短い場合には、剛体目標の回転運動が小さくても、画像セルの絶対位置精度が低いという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】SAR方式(ISAR)、吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.280-283(1996)
【非特許文献2】SAR方式(レンジ圧縮)、大内、“リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎”、東京電機大学出版局、pp.131-149(2003)
【非特許文献3】SAR方式(AZ圧縮)、大内、“リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎”、東京電機大学出版局、pp.171-178(2003)
【非特許文献4】SAR処理方式(ポーラフォーマット変換再構成処理)、MEHRDAD SOUMEKH,“Synthetic Aperture Radar Signal Processing”, JOHN WILEY & SONS,INC.,pp.319-325(1999)
【非特許文献5】位相モノパルス(位相比較モノパルス)方式、電子情報通信学会、改訂レーダ技術、pp.262-264(1996)
【非特許文献6】振幅モノパルス(振幅比較モノパルス)方式、電子情報通信学会、改訂レーダ技術、pp.260-262(1996)
【非特許文献7】ファーフィ−ルドレンジ、電子情報通信学会、改訂レーダ技術、pp.144-145(1996)
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−304321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上述べたように、従来のレーダ装置に適用されるISAR処理では、レーダ観測位置と目標の複数反射点の各点との相対速度が異なる場合に、生成画像の形状や寸法が真の目標形状や寸法と大きく異なってしまうという課題があった。この課題に伴い、目標の識別能力や目標内の特定点の位置観測能力が低下する、ドップラレーダ等にあってはグリントノイズが大きくなって測角の精度も低下してしまう、目標の位置を観測可能な被搭載機のフライト軸方向に目標がある場合には、真の目標形状とSAR画像の形状が大きく異なって識別できない、合成開口長が短い場合には、剛体目標の回転運動が小さくても、画像セルの絶対位置精度が低いという課題があった。
【0011】
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、レーダと目標の複数反射点の各点の相対速度が異なる場合でも、真の目標形状や寸法に近い画像を生成することができるレーダ装置とそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。さらには、識別能力向上、目標内の特定点の位置観測精度の向上、ドップラレーダ等におけるグリントノイズを低減して高精度に測角し目標の位置を観測することができる自機のフライト軸方向に目標がある場合でも目標形状に近いSAR画像を生成し、また、剛体目標の回転運動が小さく、合成開口長が小さい場合でも絶対位置精度の高いSAR画像を得ることのできるレーダ装置とレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本実施形態は、実開口アンテナの受信信号から取得される目標をレンジ及びドップラ周波数の両軸で追跡し、前記目標の画像中心を得てレンジ圧縮及びAZ圧縮することにより、レンジ−ドップラ周波数軸で目標を画像化するISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar:逆合成開口レーダ)方式のレーダ装置において、ビーム生成手段により、前記実開口アンテナの受信信号からモノパルス出力であるΣ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームを生成してサンプリング出力し、画像生成手段により、前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームのサンプリング出力からレンジ−ドップラ周波数軸におけるレンジ−ドップラ画像を生成し、目標画像抽出手段により前記Σビームのレンジ−ドップラ画像の中で所定の目標画像を抽出し、前記目標画像取得手段により、前記抽出された目標画像について、前記Σビームによるレンジと前記Σ、ΔAZ及びΔELそれぞれのビームによるモノパルス測角値とに基づいて前記目標画像のドップラ−レンジセルの位置を算出して目標画像を得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
図2図1に示すレーダ装置において、狭帯域処理器の構成を示すブロック図。
図3図1に示すレーダ装置において、合成開口におけるISAR処理の概要を説明するための概念図。
図4図1に示すレーダ装置において、合成開口による取得データからPRI毎のデータ列を抽出する様子を示す図。
図5図1に示すレーダ装置において、参照信号として生成される近似曲線を示す図。
図6図1に示すレーダ装置において、SAR画像を取得する手順を示す図。
図7図1に示すレーダ装置において、ポーラフォーマット変換により格子点のデータを生成する様子を示す図。
図8図1に示すレーダ装置において、レンジ・測角値に基づく座標変換による画像変換の様子を示す図。
図9】第2の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
図10図9に示すレーダ装置において、合成開口におけるISAR処理の概要を説明するための概念図。
図11図9に示すレーダ装置において、ビームの円錐の曲線特性を示す概念図。
図12】第3の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
図13図12に示すレーダ装置におけるサンプル手法を説明するための図。
図14】第4の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
図15】(a)はレンジ1〜Nのビーム幅の広がり具合を示し、(b)はレンジ1〜Nの誤差電圧と目標レンジとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図1乃至図8を参照して、第1の実施形態に係るレーダ装置について説明する。
【0016】
図1は第1の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すレーダ装置において、アンテナ1は複数のアンテナ素子を配列して大開口アレイを形成してなるフェーズドアレイアンテナであり、送受信器2の送受信部21から特定の周期で繰り返し供給される特定周波数の送信パルス信号(以下、PRF(Pulse Repetition Frequency)信号)を指定方向に送出してその反射波を受信する。送受信器2は、送受信部21において、アンテナ1の複数のアンテナ素子でそれぞれ受信された信号をビーム制御部22からの指示に従って位相制御を施し合成することで、任意の方向に受信ビームを形成してPRF受信信号を取得する。ここで、ビーム制御部22は指定された目標方向の測角値に基づいてΣビーム、ΔAZビーム、ΔELビームを形成するように、送受信部21に対して各ビームに対応する位相制御を施す。これにより、送受信部21はΣ信号、ΔAZ信号、ΔEL信号を生成して信号処理器3へ出力する。
【0017】
上記信号処理器3に入力されたΣ信号、ΔAZ信号、ΔEL信号は、それぞれの系統において、AD(Analog-Digital)変換部311,312,313で系統別にデジタル信号に変換されて狭帯域処理部32に送られる。狭帯域処理部32は、入力したΣ信号、ΔAZ信号、ΔEL信号から目標方向を測角演算する。ここで得られた測角値(Σ、ΔAZ、ΔEL)はビーム制御部22に送られる。
【0018】
図2に上記狭帯域処理部32の具体的な構成を示す。図2において、デジタル化されたΣ信号、ΔAZ信号、ΔEL信号は、それぞれの系統において、データ抽出部3211〜3213に送られる。データ抽出部3211〜3213は、サンプリングレートを下げて処理規模を削減するために、入力されたΣ信号、ΔAZ信号、ΔEL信号を所定の周波数フィルタに通した後、PRI(Pulse repetition Interval)内のデータをレンジセル単位で取得する。各データ抽出部3211〜3213で得られたΣ、ΔAZ、ΔELそれぞれのレンジセル信号は、PRI軸FFT(Fast Fourier Transformation)処理部3221〜3223によってPRI軸の周波数領域信号に変換された後、レンジ(時間)圧縮部3231〜3233によってレンジ軸上でパルス圧縮されてレンジ圧縮信号となる。
【0019】
このうち、Σ系統のレンジ圧縮信号については、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理部324に送られ、そのCFAR処理によって複数の極値を持つレンジセルが検出される。ここで検出されたレンジセルに対し、スレショルド検出部325は、閾値以上の極値を持つレンジセルを検出してそのレンジ圧縮信号を出力する。また、ΔAZ系統、ΔEL系統のレンジ圧縮信号については、それぞれセル検出部3261,3262に送られ、それぞれΣ系統のスレショルド検出部325で検出されたレンジセルに対応するレンジセルの信号が抽出されて、Σ系統の検出セルの信号と共に測角部327に送られ、ここで目標方向の測角演算が行われる。
【0020】
一方、上記AD変換部311でデジタル化されたΣ系統の受信信号は、データ抽出部33に送られる。このデータ抽出部33では、目標重心等の代表点のドップラ−レンジを観測してビームを目標方向に指向させ、ドップラ−レンジの情報を基にして、AZ圧縮用の際の参照信号を生成するためのデータを抽出する。ここで抽出されたデータは、PRI軸FFT処理部34にてCPI(Coherent Processing Interval)毎にPRI軸の周波数領域信号に変換され、レンジ圧縮部35にてレンジ軸上でパルス圧縮される。このパルス圧縮信号は、CFAR処理部36に送られ、そのCFAR処理によって複数の極値を持つレンジセルが検出される。ここで検出されたレンジセルに対し、スレショルド検出部37は、閾値以上の極値を持つレンジセルが検出する。レンジ・ドップラ算出部38は、スレショルド検出部37で検出されたレンジセルの信号からCPI毎に目標のレンジとドップラ周波数を算出する。参照信号生成部39は、CPI毎に検出したレンジとドップラ周波数からパルス圧縮のための参照信号を生成する。
【0021】
また、上記AD変換部311〜313でデジタル化されたΣ、ΔAZ、ΔELそれぞれの受信信号は、データ抽出部3A1,3A2,3A3にてサンプリング周波数を満足するための所定の周波数フィルタに通される。そして、レンジ圧縮部3B1,3B2,3B3によってレンジ圧縮され、さらにAZ圧縮部3C1,3C2,3C3によって参照信号に基づいてクロスレンジ圧縮(AZ圧縮)された後、ポーラフォーマット変換による画像化部3D1,3D2,3D3に送られる。画像化部3D1,3D2,3D3は、レンジ・クロスレンジ圧縮された受信信号に対して2次元FFT処理により周波数領域の信号に変換した後、ポーラフォーマット変換による画像処理を行い、2次元逆FFT処理により時間領域に信号に戻して画像化する。尚、画像化部3D1,3D2,3D3は、画像品質を向上する場合に用いればよく、省略可能である。
【0022】
その後、Σ系統では、セル選定部3Eにおいて、画像化部3D1,3D2,3D3で生成された画像の中で振幅が所定のスレショルドを超えるセルを選定する。また、ΔAZ,ΔEL系統では、セル選定部3Eで選定されたセルをセル抽出部3F1,3F2に通知し、選定セルに対応するΔAZ,ΔELのセルを抽出する。測角部3Gは、セル選定部3E及びセル抽出部3F1,3F2で得られたΣ、ΔAZ、ΔELのセルの信号から目標方向を測角し、画像化部3Hは測角部3Gで測角された目標を画像化し出力する。
【0023】
上記構成によるレーダ装置において、以下、図3乃至図8を参照してそのISAR処理を説明する。
【0024】
まず、図3を参照してレーダ装置の合成開口の概要を説明する。飛翔体搭載のレーダ装置では、実開口ビームを目標に常に照射するように向けて、合成開口時間(1サイクル)内にPRI(Pulse Repetition Interval)間隔でパルスを送信し、その反射波を受信してパルス毎にPRI内のデータをレンジセル単位で取得する。この取得データを用いてISAR処理を実施して目標のISAR画像を得る。尚、図3は飛翔体搭載のレーダ装置の場合を示しているが、ISAR画像を得られれば、レーダ装置は固定の場合でもよい。
【0025】
図1において、ビーム制御部22により画像化したい範囲にビームを指向させて送受信し、その受信信号をΣ、ΔAZ、ΔELそれぞれの系統振り分けてデジタル信号に変換する。ビーム指向方向は、狭帯域処理部32により、目標方向を測角した方向とする。この測角については、狭帯域処理を用いなくても、広帯域のモノパルス測角の結果を用いてもよい。
【0026】
狭帯域処理部32では、図2に示すように、図1の系統のΣ、ΔAZ及びΔELのAD変換出力を入力とし、データ抽出部3211〜3213により、サンプリングレートを下げて処理規模を削減するために、周波数フィルタで所定の帯域を抽出した後、サンプリングする。そのうち、Σ系統の信号をPRI軸FFT処理部34でPRI軸の周波数領域信号に変換して、レンジ圧縮部35でレンジ方向にパルス圧縮し、CFAR処理部36で複数の極値を持つレンジセルを検出し、スレショルド検出部37で閾値以上の極値を持つレンジセルを検出する。この検出したセルに対応するΔAZとΔELのセルをセル抽出部3261,3262で抽出し、測角部327でΣ、ΔAZ及びΔEL信号を用いて測角する。この測角値を用いて、図1のビーム制御部22によりビームを目標方向に指向させる。
【0027】
次に、図1のΣ系のデータ抽出部33により、必要なサンプルデータを抽出する。データ抽出33では、目標重心等の代表点のドップラ−レンジを観測し、ビームを目標方向に指向させたときのドップラ−レンジ情報をもとにして、AZ圧縮用の参照信号を生成するためのデータを抽出する。すなわち、図4に示すように、合成開口のために取得したデータNallの中から、重複を含めてNヒットのPRIデータをPRI1〜PRINまで抽出する。ここで、CPI(m)(m=1〜M)とすると、CPI毎にPRI軸FFT処理部34でPRI軸の周波数領域信号に変換し、レンジ圧縮部35でレンジ方向にパルス圧縮し、CFAR処理部36で複数の極値を持つセルを検出し、スレショルド検出部37でスレショルド以上の極値を持つセルを検出し、レンジ・ドップラ算出部38により、目標のレンジ及びドップラ周波数を算出する。次に、参照信号生成部39により、CPI毎に算出したレンジとドップラ周波数により、図5に示す参照信号Refの近似曲線を算出する。これを定式化すると次の通りである。
【数1】
【0028】
一方、アンテナ1のモノパルス出力ΣとΔAZとΔELの出力は、それぞれAD変換部311,312,313によりデジタル信号に変換され、データ抽出部3A1,3A2,3A3によりサンプリング出力され、レンジ圧縮部3B1,3B2,3B3により変調信号の波形に対応するレンジ圧縮用の参照信号と相関演算された後、AZ圧縮部3C1,3C2,3C3において(1)式で生成された参照信号との相関演算によりAZ圧縮される。これを定式化すると次の通りである。
【0029】
まずレンジ圧縮について述べる(非特許文献2参照)。レンジ圧縮は、入力信号とレンジ圧縮用信号の相関処理であり、これを周波数領域で行う場合について定式化すると次の通りである。
【数2】
【0030】
また、参照信号sref(線形チャープ信号)は次式で表現できる。
【数3】
【0031】
この参照信号sref(t)のサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
【数4】
【0032】
時間軸上の信号にするには、このsを逆フーリエ変換すればよいが、この後クロスレンジ圧縮(AZ圧縮、非特許文献3参照)を行うために、信号sの(ω,u)軸のままとする。次にクロスレンジ圧縮を行うが、その参照信号は(1)式を用い、ω軸については同じ値を入れたものとする。
【数5】
【0033】
(5)式と(6−3)式を乗算して信号csを得る。
【数6】
【0034】
これを用いて、u軸でFFT処理して周波数領域の信号fcs(ω,ku)を得る。
【数7】
【0035】
FFT画像出力は、信号fcsのω軸に関する逆FFTにより算出することができる。
【数8】
【0036】
次に、より精度の高い画像生成手法として、図6及び図7を参照してポーラフォーマット変換による画像化部3D1,3D2,3D3のSAR画像処理について述べる(非特許文献4参照)。
【0037】
図6は第1の実施形態に係るレーダ装置でSAR画像を取得する手順を示している。まず、サンプリング時間tに対する合成開口長のサンプル点のデータuを入力信号sig(t,u)として取り込んで(S11)、t軸に対するフーリエ変換(FFTx(ω,u))を行い(S12)、その結果Sin(ω,u)に参照信号のt軸に対するフーリエ変換(FFTx(ω,u))の結果を乗算してレンジ圧縮を行い(S13)、レンジ圧縮の出力sを得る。このレンジ圧縮信号sを用いて、u軸に関してフーリエ変換する(S14)。
【数9】
【0038】
次にAZ圧縮用の参照信号を生成する。
【数10】
【0039】
また、kx,kyは次式により求めることができる。
【数11】
【0040】
画像中心については、レンジ、ドップラ、角度を観測して、次式により算出する位置とする。
【数12】
【0041】
ここで、観測距離、観測AZ角度、観測EL角度については、例えば、図4の各CPIにおける観測値の平均値とすればよい。
【0042】
このAZ圧縮参照信号を用いて、次式によりfsmを算出する(S15)。
【数13】
【0043】
fsmを用いて、図7に示すポーラフォーマット変換を行い、kx軸、ky軸で格子点のデータF(kx,ky)を生成する(S16)。ポーラフォーマット変換は、取得データを用いて、(kx,ky)軸の格子点の補間後データを内挿手法等を用いて算出する手法であり、細部については非特許文献4の通りであり割愛する。このfsmを用いて、2次元逆FFTによりポーラフォーマット変換を用いた画像fsarを出力する(S17)。
【数14】
【0044】
このポーラフォーマット変換による画像処理は、常に必要ではなく、画像品質を向上する場合に用いればよい。
【0045】
次に、Σ系の画像出力を用いて、X−Y軸(ポーラフォーマット変換を用いない場合はドップラ−レンジ軸に対応)の画像の中で、振幅が所定のスレショルドを超えるセル(P個)を選定する。このP個のセルの各々に対応するΔAZ及びΔEL系の画像出力のセルをセル抽出部3F1,3F2で抽出し、測角部3Gにおいて、Σ、ΔAZ及びΔELのセル信号(複素信号)を用いてモノパルス測角する(非特許文献5参照)。この測角値と距離を用いて、画像化部3Hにおいて、次式により画像化する。
【数15】
【0046】
この画像変換の様子を図8に示す。図8において、(a)はレンジ−ドップラ画像であり、(b)は(a)の画像のレンジ・測角値による座標変換を行った変換画像である。図8から明らかなように、レンジ・測角値による座標変換により、真値の位置に近い画像を生成することができる。
【0047】
尚、第1の実施形態の手法によれば、被搭載機のフライト方向に目標があり、目標が回転運動を持たず、クロスレンジ方向にアンビギュイティを持ち、SAR画像が実際の目標形状と大きく異なる場合でも、実開口の測角はクロスレンジ方向の区別ができるため、実際の形状に近い画像を得ることができる。
【0048】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、実開口の測角精度が低い場合がある。第2の実施形態は実開口の測角精度を改善する手法について述べる。
【0049】
図9は第2の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。図9において、図1に示した構成と異なる点は、ΔSARウェイト乗算部3I、AZ圧縮部3C4、ポーラフォーマット変換による画像化部3D4、セル抽出部3F3を備え、図1に示した測角部3Gに代わって、SAR測角部3J、実開口測角部3K、測角相関部3Lを備えるようにしたことにある。
【0050】
第1の実施形態では、実開口アンテナのモノパルス測角値を用いたが、測角精度を向上するために、図10に示すような合成開口を用いる。すなわち、目標が飛翔経路軸付近にある場合は、合成開口によるリニアアレイのエンドファイア方向(リニアアレイの軸方向)にビームが指向される。この場合、ブロ−ドサイド方向(リニアアレイの軸に垂直方向)にビームを形成する場合に比べて合成開口ビーム幅は広がるが、合成開口長が大きい場合には、実開口アンテナによるビーム幅よりも十分狭くなる。このエンドファイアアレイのPRI毎のNサンプルのデータを使った和信号であるΣ信号と、1〜N/2とN/2+1〜Nの開口2分割した差信号であるΔ信号を用いてモノパルス測角(非特許文献5参照)を行う。これによってSAR測角値が得られる(特許文献1参照)。
【0051】
このビ−ムは、エンドファイアアレイの軸を中心に図10及び図11に示すような円錐状のビ−ムであり、この円錐状に目標がある場合には、一意に位置を特定できない。この対策のために、第1の実施形態と同じように実開口アンテナのモノパルス測角値(AZ角とEL角)を用いる。具体的には、目標距離RとエンドファイアによるSAR測角値θSARとにより、図10に示すビームの円錐の曲線を描き、(16)式で決まる実開口アンテナによる目標位置から最も近い円錐状の点を抽出し、第1の実施形態の変換位置と置き換えればよい。
【0052】
以上の処理を図9に示す系統図で説明する。第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。レンジ圧縮部3B1でΣ信号のレンジ圧縮した出力のうち、上記のように開口2分割した信号に対してΔ信号用のサイドローブを低減するためのウェイトをΔSARウェイト乗算部3Iにより乗算し、AZ圧縮部3C4、ポーラフォーマット変換による画像化部3D1でそれぞれAZ圧縮、ポーラフォーマット変換を行って画像化する。さらに、セル選定部3Eにて選定されたセルをセル抽出部3F3に通知し、Σの選定セルに対応するΔSARの信号を抽出する。これにより得られたΣ及びΔSARの信号を用いて、次式の誤差電圧εを演算する。
【数16】
【0053】
測角部3Gにおいて、上記誤差電圧εと予め作成した誤差電圧テーブルとの比較により測角すれば、円錐状の角度を算出することができる。このSAR測角値を用いて、前述の処理により、高精度な目標位置を算出すればよい。
【0054】
なお、SAR測角について、ΣとΔsar信号による位相モノパルス測角の場合について述べたが、Δsar信号の代わりに、Σ信号ビームからスクイント角分ずらせたΣ2sarビームを用いて、スクイント測角してもよいのは言うまでもない。この場合は、誤差電圧εは、次式となる。
【数17】
【0055】
この誤差電圧εと予め作成した誤差電圧テーブルを用いて測角することができる。また、振幅のみを用いた振幅モノパルスの場合でも測角できる(非特許文献6参照)。
【数18】
【0056】
この測角値と距離を用いて、画像化部3Hにおいて、(16)式により3次元位置を画像化する。これにより、第2の実施形態によれば、目標が飛翔経路軸付近にある場合でも、実開口の測角精度を改善して真値に近い画像を取得することができる。
【0057】
なお、第2の実施形態においては、合成開口長を開口2分割したモノパルス測角手法の主旨で説明しているが、合成開口長内のサンプル列のFFTを用いる手法であり、ドップラ周波数軸におけるモノパルス手法とも言える。これより、剛体目標の回転運動が大きい場合には、そのドップラ周波数成分による位相誤差が生じるため、クロスレンジ方向に画像が歪むのと同様に、測角値も誤差を持つことになる。したがって、本手法により絶対位置精度の向上を図る条件としては剛体目標の回転運動が低い場合か、剛体目標の回転運動を観測し、そのドップラによる位相成分を補正できる場合等となり、モノパルス測角手法を用いる分だけ、クロスレンジの精度向上となる。
【0058】
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、Σの他にΔAZとΔEL系統が必要であり、処理規模が増える。第3の実施形態は、Σ、ΔAZ、ΔELの各系統の共用を図り、処理規模の増加を抑えるものである。
【0059】
図12は第3の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図、図13は第3の実施形態におけるサンプル手法を説明するための図である。第1及び第2の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0060】
第1及び第2の実施形態では、Σ、ΔAZ及びΔELの3系統分を同時にサンプルしていたが、第3の実施形態では、送受信器2において、送受信部21で得られるΣ、ΔAZ、ΔEL信号をサンプル切り替え部23で各信号をサンプリングし、AD変換を1系統分としてAD変換部31のみとしている。
【0061】
すなわち、送受信器2のサンプル切り替え部23は、図13(a),(b)に示すように、各系統を時分割に切り替える。この場合、3系統分を順にまとめて同時にサンプルする方式とすると、時間差が生じるため、角度誤差が大きくなる。この対策のために、3系統分のサンプル順を擬似ランダム化して、間引きサンプルを実施する。AD変換部を1chとするためには、送受信器2において、サンプル切り替え部23により、擬似ランダム順に送受信部21からの3系統の順番を切り替える。以降の処理は第1及び第2の実施形態と同様である。
【0062】
(第4の実施形態)
レーダと目標の距離は遠距離の場合と近距離の場合があるが、第1及び第2の実施形態では、特に近距離の場合に、ファーフィールドレンジ(非特許文献7参照)の条件を満足せず、ビーム幅が広がる場合が想定される。この場合に、遠距離の場合と同じ測角テーブルを用いると、誤差電圧との対応がとれずに、測角値に誤差が生じる。第4の実施形態ではこの対策を施している。図14は、第4の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
測角曲線としては、一般にファーフィールド条件を満足する遠距離(レンジ1)はビーム幅が狭く、ファーフィールド条件を満足しない近距離(レンジNに近い方)はビーム幅が広くなる。この様子を図15に示す。図15(a)はレンジ1〜Nのビーム幅の広がり具合を示し、図15(b)はレンジ1〜Nの誤差電圧と目標レンジとの関係を示す図である。図15から明らかなように、観測レンジに対応したΣとΔビームより、測角用の誤差電圧を予めテーブル化しておき、観測した目標レンジに応じて測角テーブルを切り替えればよい。
【0064】
図14に示すブロック図を参照して第4の実施形態を説明する。測角テーブルとしては、Σ系統のセル選定部3Eとセル抽出部3F3でそれぞれ選定・抽出されたセルに基づきSAR測角値を観測するSAR可変測角部3Mと、ΔAZ、ΔEL系統のセル抽出結果に基づいて実開口の可変測角を行う実開口可変測角部3Nがあり、各測角部3M,3NはΣ系統のレンジドップラ算出部38で算出したレンジによりテーブルを切り替える。
【0065】
尚、第1乃至第4の実施形態において、処理規模を低減するために狭帯域処理部32により、ビ−ム方向を制御する手法について述べたが、広帯域処理(SAR処理)や、他のセンサからの情報等によりビーム方向がわかれば、狭帯域処理を行わなくてもよい。
【0066】
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…アンテナ、11…送信アンテナ素子、2…送受信器、21…送受信器、22…ビーム制御器、23…サンプル切り替え部、3…信号処理器、31,311,312,313…AD変換部、32…狭帯域処理部、3211〜3213…データ抽出部、3221〜3223…PRI軸FFT処理部、3231〜3233…レンジ(時間)圧縮部、324…CFAR処理部、325…スレショルド検出部、3261,3262…セル検出部、327…測角部、33,3A1,3A2,3A3…データ抽出部、34…PRI軸FFT処理部、35,3B1,3B2,3B3…レンジ圧縮部、36…CFAR処理部、37…スレショルド検出部、38…レンジ・ドップラ算出部、39…参照信号生成部、3C1,3C2,3C3,3C4…AZ圧縮部、3D1,3D2,3D3,3D4…ポーラフォーマット変換による画像化部、3E…セル選定部、3F1,3F2,3F3…セル抽出部、3G…測角部、3H…画像化部、3I…ΔSARウェイト算出部、3J…SAR測角部、3K…実開口測角部、3L…測角相関部、3M…SAR可変測角部、3N…実開口可変測角部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15