特許第6363535号(P6363535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363535
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】開閉ドアおよび車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20180712BHJP
   B60H 1/12 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B60H1/00 102J
   B60H1/12 631B
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-42782(P2015-42782)
(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-159851(P2016-159851A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ヴァレオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100099818
【弁理士】
【氏名又は名称】安孫子 勉
(72)【発明者】
【氏名】長野 秀樹
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−189793(JP,A)
【文献】 特開平11−115457(JP,A)
【文献】 特開2005−178544(JP,A)
【文献】 特開平11−321283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
B60H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の流入、流出が可能に形成された開口を、所望に応じて開閉する開閉ドアであって、
前記開口は、内部に前記空気が通過する周縁部と、該周縁部の内側を複数の領域に仕切る仕切部とを有し、
前記開閉ドアは、回動軸と、前記回動軸から延出される開口閉塞面と、を有し、前記開口を閉じたときに、前記仕切部と当接して前記複数の領域が連通することを防止する仕切部用弾性部材が配設され、
前記仕切部用弾性部材は、前記開口閉塞面に直交する断面において仕切部に面する側が凹むとともに、前記開閉ドアが前記開口を閉じたときに、窪んだ部分が前記仕切部と当接する凹面を備えることを特徴とする開閉ドア。
【請求項2】
前記開閉ドアは、前記開口を閉じたときに、前記周縁部と当接する周縁部用弾性部材が配設され、
前記仕切部用弾性部材と前記周縁部用弾性部材とは、一体的に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の開閉ドア。
【請求項3】
前記開閉ドアは、前記開口閉塞面に配設された前記周縁部弾性部材および前記仕切部用弾性部材と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の開閉ドア。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか記載の開閉ドアを備え、
前記開口は、ベント吹出口に連通するベント開口であり、
前記仕切部は、前記ベント開口を、センタベント吹出口に連通するセンタベント領域と、サイドベント吹出口に連通するサイドベント領域とに仕切ることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
前記開閉ドアにより前記ベント開口を閉じたときに、
前記センタベント領域は空気の流入が防止され、
前記サイドベント領域は空気の流入が継続されることを特徴とする請求項記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気が流出入する開口の開閉を行う開閉ドア及びこれを用いた車両用空調装置に係り、特に、開口に対する開閉ドアのシール機能の向上等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来装置としては、例えば、車両用空調装置において、空調された空気の吹き出しや、外部空気の取り込みを行う開口の開閉ため、種々の開閉ドアが設けられていることは良く知られている通りである。
例えば、特許文献1には、複数の吹き出し口が形成されたダクトを有する車両用空調装置において、ダクトに形成された吹き出し口に対応したダンパを回転軸に一体形成したものを吹き出し口の開閉ドアとして、部品点数の削減等を図った例が示されている。
【0003】
ところで、上述のような車両用空調装置における開閉ドアにあっては、良好な空調フィーリングの維持等の観点から、開閉ドアにより開口を閉じた際に、不要な空気の漏れを生ずることなく十分なシール性が確保されることが所望される。
このようなシール性の確保の手法として、先ずは、開閉ドアや開口部分の製造行程における厳密な寸法管理を行うことが基本である。すなわち、高い寸法精度を維持して製造することで、寸法精度に見合ったシール性を確保することは可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−39546号公報(第2−5頁、図1図11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、製造工程における厳密な寸法管理は、一般的にその厳密さを増すに従い装置のコスト高を招く傾向にあり、闇雲に厳密な寸法管理を行い、高いシール性を確保することは必ずしも現実的ではない。
その一方で、装置によっては、コスト高を招くことなく可能な限り高いシール性を確保した開閉ドアが所望される。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、厳密な寸法管理に依存することなく、比較的低コストで信頼性の高いシール機能を実現可能な開閉ドア及びこれを用いた車両用空調装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る開閉ドアは、
空気の流入、流出が可能に形成された開口を、所望に応じて開閉する開閉ドアであって、
前記開口は、内部に前記空気が通過する周縁部と、該周縁部の内側を複数の領域に仕切る仕切部とを有し、
前記開閉ドアは、回動軸と、前記回動軸から延出される開口閉塞面と、を有し、前記開口を閉じたときに、前記仕切部と当接して前記複数の領域が連通することを防止する仕切部用弾性部材が配設され
前記仕切部用弾性部材は、前記開口閉塞面に直交する断面において仕切部に面する側が凹むとともに、前記開閉ドアが前記開口を閉じたときに、窪んだ部分が前記仕切部と当接する凹面を備えてなるものである。
かかる構成にあっては、開閉ドアは、前記開口を閉じたときに、前記周縁部と当接する周縁部用弾性部材が配設され、
前記仕切部用弾性部材と前記周縁部用弾性部材とは、一体的に設けられたものが好適である。
また、上記本発明の目的を達成するため、車両用空調装置は、
上述の構成の開閉ドアを備え、開閉ドアによって開閉される開口は、ベント吹出口に連通するベント開口であり、
前記仕切部は、前記ベント開口を、センタベント吹出口に連通するセンタベント領域と、サイドベント吹出口に連通するサイドベント領域とに仕切るよう構成されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開口の仕切部に対応するように開閉ドアに仕切部用弾性部材を配したので、硬質の単なる板部材を用いた従来と異なり、仕切部用弾性部材が仕切部に対して確実に密着するため、仕切部を挟んだ隣接する領域間における空気の出入りを確実に阻止することができ、しかも、その製造工程において厳密な寸法管理を必要としないため、安価で高いシール機能を有する信頼性ある開閉ドアを提供することができる。
また、開閉ドアにより開口を閉める際に仕切部に当たっても、仕切部用弾性部材によって、その際の衝撃力が緩和、吸収されるため開閉ドアが仕切部に当たる際の不快な音の発生が低減、抑圧され、車両用空調装置などに適する静粛性の高い開閉ドアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態における車両用空調装置を構成する空調ユニットの縦断面図である。
図2】本発明の実施の形態における開閉ドアとしてのデフベント切換ドア及びベント開口の全体斜視図である。
図3】本発明の実施の形態における開閉ドアとしてのデフベント切換ドアによりベント開口を閉じた場合の空気の流れを説明する説明図である。
図4】本発明の実施の形態における開閉ドアとしてのデフベント切換ドアとデフロスト開口との位置関係を説明する説明図である。
図5】本発明の実施の形態における開口ドアとしてのデフベント切換ドアの構成例を示す構成図である。
図6図5のXX線断面における開口ドアとしてのデフベント切換ドア及び仕切部の第1の実施例における部分縦断面図である。
図7図5のXX線断面における開口ドアとしてのデフベント切換ドア及び仕切部の第2の実施例における部分縦断面図である。
図8図5のXX線断面における開口ドアとしてのデフベント切換ドア及び仕切部の第3の実施例における部分縦断面図である。
図9図5のXX線断面における開口ドアとしてのデフベント切換ドア及び仕切部の第4の実施例における部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図9を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両用空調装置1の全体的な構成について説明する。
本発明の実施の形態における車両用空調装置1は、車両のセンターコンソール部に搭載される縦型フルセンター置きタイプと称されるもので、車両のエンジンルームと車室を区画する隔壁よりも車室側に配され、インテークユニット2と空調ユニット3とを主たる構成要素として構成されている。
【0011】
空調ユニット3は、内部に空気通路4が形成された空調ケース5内に、送風機6,エアフィルタ8、エバポレータ等の冷却用熱交換器7、及び、ヒータコア等の加熱用熱交換器9が、空気通路4に沿って、かつ、車両幅方向(図1において紙面表裏方向)のほぼ同位置に配置、収納されて構成されたものとなっている。
【0012】
空調ケース5内に形成され、冷風と温風が混ざり合うエアミックスチャンバ13においては、冷却用熱交換器7を通過した空気の風量を調節する第1のエアミックスドア10、加熱用熱交換器9を通過した空気の風量を調節する第2のエアミックスドア28が、それぞれ設けられると共に、加熱用熱交換器9の上流側には、加熱用熱交換器9を通過させる空気の風量を調節するサブミックスドア27が設けられている。
【0013】
送風機6は、内部にモータ(図示せず)と、このモータにより駆動される送風ファン(図示せず)とが配置される。モータの駆動軸は、車両の左右方向(図1において紙面表裏方向)に沿うように配置される。また、この形態では、送風機6と冷却用熱交換器7とは相対的に近接して、送風機6が冷却用熱交換器7の直近上方に配置されたものとなっている。
【0014】
エアフィルタ8は、冷却用熱交換器7の上流側に、冷却用熱交換器7と並列となるように配置されている。このエアフィルタ8は、空調ケース5に対して着脱可能とされており、この例では空調ケース5の車両左右方向(図1において紙面表裏方向)のいずれかから着脱可能となっている。そして、空調ケース5のうち、エアフィルタ8の着脱開口を塞ぐフィルタカバー(図示せず)が設けられ、空気通路4を流れる空気が空調ケース5の外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0015】
冷却用熱交換器7は、図示されない圧縮機、凝縮器等と配管結合された冷凍サイクルを構成している。
また、加熱用熱交換器9は、図示されないエンジン、ポンプ等と配管結合された暖房サイクルを構成している。あるいは、加熱用熱交換器9は電気発熱式であり、図示されないバッテリーと電気回路で接続される。
【0016】
冷却用熱交換器7の下流には、冷風通路12が形成されている。この冷風通路12を通過した空気は、加熱用熱交換器9を迂回してエアミックスチャンバ13へ向かう流路と、加熱用熱交換器9及び温風通路11を通過してエアミックスチャンバ13へと向かう流路とを通流可能とされる。そして、第1のエアミックスドア10、第2のエアミックスドア28、サブミックスドア27を適宜な位置とすることにより、エアミックスチャンバ13へと導かれる冷風と、温風との割合が調整され、車両用空調装置1から吹き出される空気の温度が調和されるようにうなっている。
【0017】
エアミックスチャンバ13よりも下流側には、デフロスト吹出用開口部14、ベント吹出用開口部15、フット吹出用開口部16が、空調ケース5に適宜開口している。
【0018】
また、空調ケース5内において、温風通路11とフット側通路36とを仕切るエアガイド壁17を設け、エアミックスチャンバ13で調和された空気をフット吹出用開口部16へ送風可能としている。
上述のエアガイド壁17の上端部に位置するエアミックスチャンバ13の領域に面して、フット側通路36に向かう空気の風量を調節するフットドア22が回動可能に設けられている。
【0019】
さらに、空気通路4の下流においては、エアミックスチャンバ13とデフロスト吹出用開口部14及びベント吹出用開口部15とを連通するデフベント側通路37が設けられている。
そして、第1のエアミックスドア10及びエアガイド壁17の上端部よりも車両上方となるエアミックスチャンバ13の領域において、デフベント側通路37へ向かう空気量を調節するデフベント通路側ドア18が適宜な位置に、回動可能に配設されている。
【0020】
エアミックスチャンバ13からデフロスト吹出用開口部14及びベント吹出用開口部15への調和空気の通流は、ベント吹出用開口部15の開口部周縁に揺動可能に配設された開閉ドアであるデフベント切換ドア19により適宜選択開閉されるようになっている。
本発明の実施の形態においては、上述したフットドア22、デフベント通路側ドア18、及び、デフベント切換ドア19により、各吹出用開口部14,15,16への空気の供給量の割合を調整するモードドアが構成されたものとなっている。
【0021】
一方、インテークユニット2は、空調ケース5に形成された空気取入口(図示せず)を介して空調ユニット3と連通しており、この空気取入口は、送風機6の送風ファン(図示せず)の空気取入口と対峙している。
さらに、インテークユニット2は、外気導入口21と内気導入口60が空調ケース5に対して開口し、各導入口21,60は、空調ケース5に形成された空気取入口に向かって延びる通路26,20を有している。
【0022】
上述の外気導入口21は、この形態では、車両進行方向の前方(図1において紙面右方向)に向かって開口し、内気導入口60は、外気導入口21の下方において、車両進行方向の前方斜め下方に向かって開口したものとなっている。
そして、外気導入(FRESH)モードと内気循環(REC)モードとのモード切換制御は、例えば、ロータリ式の内外気切換ドア25を適宜回動することで可能となっている。
【0023】
次に、上記構成を有する本発明の車両用空調装置における開閉ドアとしてのデフベント切換ドア19と、このデフベント切換ドア19により開閉されるベント吹出用開口部15について、図2乃至図9を参照しつつ詳述する。
最初に、本発明の実施の形態におけるデフベント切換ドア19は、回動軸41と、開口閉塞板42とに大別されて構成されて、ベント吹出用開口部15とデフロスト吹出用開口部14とを選択的に開閉可能となっている(図1及び図2参照)。
【0024】
ベント吹出用開口部15は、その全体外観形状が大凡角柱状をなし、内部を空気が通過可能に形成された周縁部43と、この周縁部43の内側を、1つのセンタベント領域45と2つのサイドベント領域46a,46bとに仕切る2つの仕切部44a,44bが形成されたものとなっている(図2参照)。
【0025】
このベント吹出用開口部15の空調ケース5内に臨む面は、ベント開口47として、デフベント切換ドア19により開閉されるものとなっており、ベント開口47に対して反対側の開口がベント吹出口48となっている。
なお、ベント吹出口48は、仕切部44a,44bにより、センタベント吹出口48aと2つのサイドベント吹出口48b,48cに区分されている。
本発明の実施の形態におけるベント開口47は、その全体形状が長方形をなし、2つの長辺の一方に沿ってデフベント切換ドア19の回動軸41が回動自在に設けられるものとなっている。
【0026】
デフベント切換ドア19は、回動軸41と開口閉塞面をなす開口閉塞板42とに大別されて構成されてなるもので、回動軸41は円柱状の部材からなり、その長さは、先のベント開口47の長辺よりもやや長めに設定されている(図2参照)。そして、図示は省略されているが回動軸41の両端部において、回動自在となるように空調ユニット3に取り付けられている。デフベント切換ドア19の材質は、車両用空調装置のドアとして利用されている素材であればよいが、射出成型により形成可能な樹脂材、例えばABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好適である。
【0027】
開口閉塞板42は、例えば、回動軸41から延出されるように回動軸41と一体形成されたものとなっている。
かかる開口閉塞板42は、具体的には、例えば、図5において、符号Aで示されたように、一枚の板状に形成されたものが考えられる。この場合、後述するように仕切部用弾性部材55を開口閉塞板42に止着するための止着孔51を適宜な数設けるのが好適である。
【0028】
かかる開口閉塞板42は、センタベント領域45に対応する部位、すなわち、仕切部44a,44bに対応して設けられた左右の止着孔55の間に位置する部位は、センタベント領域45とほぼ同一の形状、面積となっている。
一方、その両脇の部位、すなわち、サイドベント領域46a,46bに対応する部位は、その横幅、すなわち、回動軸41と平行する方向の長さは、サイドベント領域46とほぼ同一に設定されているが、回動軸41に直交する方向の長さは、後述するようにサイドベント領域46a,46bを常時ブリード状態とするためにサイドベント領域46a,46bよりも短く設定されている(図2及び図5参照)。
【0029】
また、開口閉塞板42の他の実施例としては、例えば、図5において、符号Bで示されたように、センタベント領域45(図2参照)にほぼ対応した大きさ・形状に形成されたセンタ用板部材52と、その両脇に配されてサイドベント領域46a,46bに位置するサイド用板部材53a,53bとが、仕切部44a,44bの幅にほぼ対応する間隙54を挟んで同一平面内に配されるような構成としても好適である。
なお、この実施例においても、サイド用板部材53a,53bの回動軸41と直交する方向の長さは、符号Aで示された実施例の場合同様、サイドベント領域46a,46bのその長さよりも短いものとなっている。
【0030】
これは、本発明の実施の形態においては、図3に示されたように、開口閉塞板42でベント開口47を閉じた際、センタベント領域45は完全に閉塞状態とする一方、サイドベント領域46a,46bにおいては、図示されないサイドベントダクトへ、開口閉塞板42によるベント開口47の開閉に関わらず常時空調空気を送出できる状態(常時ブリード)としたいという要求があるためである(図3の白抜き矢印参照)。
【0031】
なお、この場合、サイドベント領域46a,46bの一部を常時ブリードとし、残余の部位を閉じるのは、センタベント領域45への不必要な空気の流入(図3において点線の矢印)を極力防止するためである。
これに対して、デフロスト開口49は、デフベント切換ドア19により閉じた場合に、全閉状態とされるようになっている。
すなわち、開口閉塞板42の上述のサイドベント領域46a,46bに対応した部位の回動軸41に直交する方向の長さと、デフロスト開口49のその方向の長さはほぼ一致するものとなっている(図4参照)。
【0032】
かかる開口閉塞板42には、次述するように仕切部用弾性部材55及び周縁部用弾性部材56が配設されている。
まず、開口閉塞板42には、ベント開口47を閉じた場合に、仕切部44a,44bと当接する部位に、仕切部用弾性部材55が配設されている(図2及び図3参照)。かかる仕切部用弾性部材55は、開口閉塞板42によりベント開口47を閉じた場合に、仕切部44a,44bに密着するように当接し、サイドベント領域46a,46bとセンタベント領域45との連通が確実に防止されるものとなっている(図2及び図3参照)。
【0033】
また、開口閉塞板42には、ベント開口47を閉じた場合に、周縁部43と当接する部位に、周縁部用弾性部材56が配設されており、この周縁部用弾性部材56と先の仕切部用弾性部材55は一体的に設けられたものとなっている(図2及び図3参照)
【0034】
図6乃至図9には、仕切部用弾性部材55及び周縁部用弾性部材56の、より具体的な実施例が示されており、以下、その内容について、図6乃至図9を参照しつつ説明する。
まず、図6乃至図9に示された実施例は、開口閉塞板42が図5において符号Aで示された構成であっても、また、同図において符号Bで示された構成であっても、いずれの場合にも適用できるものである。
なお、仕切部用弾性部材55及び周縁部用弾性部材56の材質は、車両空調装置のドアに用いられるシート用の弾性部材であればよく、例えばEPDMやNBR、シリコンゴムなどのゴム材が好適である。そして、デフベント切換ドア19を射出成型により形成する際に、周知の2色成形工程を用いて、仕切部用弾性部材55及び周縁部用弾性部材56を形成することが望ましい。
【0035】
そして、図6乃至図9は、開口閉塞板42が図5において符号Aで示された構成のものである場合には、止着孔51を含むように開口閉塞板42に直交する方向において、図5に示されたXX線に沿って切断した場合の部分縦断面図であり、また、開口閉塞板42が図5において符号Bで示された構成のものである場合には、間隙54を含むように開口閉塞板42に直交する方向において、図5に示されたXX線に沿って切断した場合の部分縦断面図である。
【0036】
最初に、図6に示された実施例について説明する。
先ず、この実施例において、仕切部44a,44bの開口閉塞板42に臨む端面の、上述した部分縦断面における形状が、サイドベント領域46a,46bからセンタベント領域45へ向かうに従って、開口閉塞板42との距離が徐々に大となるように曲面状に形成されたものとなっている(図6参照)。
【0037】
一方、仕切部用弾性部材55は、当接部57と埋設部58とに大別され、当接部57は、開口閉塞板42から仕切部44a,44b側へ突出するよう形成される一方、埋設部58は、当接部57から延設されて間隙54、又は、止着孔51に位置するものとなっている。
図6に示された実施例において、当接部57は、開口閉塞板42に直交する断面における形状が、仕切部44a,44b対して緩やかに凹んだ形状となって、仕切部44a,44bと当接する凹面61aが形成された凹み部61となっている。
【0038】
この凹面61aの形状は、先に述べた仕切部44a,44bの端面形状に一致したものとすると、凹面61aと仕切部44a,44bの端面との高い密着性が確保でき、ベント開口47を閉じた際に、サイドベント領域46a,46bからのセンタベント領域45への不必要な空気の流入を従来に比してより確実に阻止できるので、高いシール性が確保される。
【0039】
埋設部58は、間隙54、又は、止着孔51の内側の面に沿って当接部57と反対側へ延び、開口閉塞板42の当接部57が位置する面とは反対側の面において、間隙54、又は、止着孔51の周縁部分を覆うように形成されたものとなっている。
この図6に示された実施例においては、上述のように形成された埋設部58は、当接部57と反対側が凹状に形成されて風圧受け部62となっている。
一方、周縁部用弾性部材56は、開口閉塞板42の周縁を覆うようにして、仕切部用弾性部材55と一体的に設けられたものとなっている。
【0040】
この図6に示された実施例においては、風圧受け部62に空調空気が流れ込み、その風圧により凹面61aが仕切部44a,44b側へ押圧されて仕切部44a,44bに当接するため、先に述べた凹面61aの形状による仕切部44a,44bへ対する密着性と相俟って、仕切部44a,44bへ対する密着性がさらに増し、仕切部用弾性部材55のシール性が一層向上されるものとなっている。
【0041】
次に、第2の実施例について、図7を参照しつつ説明する。
なお、図6に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この実施例において、仕切部用弾性部材55の当接部57は、開口閉塞板42に直交する断面形状が大凡山形に形成されて、仕切部44a,44bに対して凸条をなすものとなっている(図7参照)。
【0042】
また、埋設部58は、間隙54、又は、止着孔51を塞ぐように形成されて、開口閉塞板42の当接部57が位置する面と反対側の面まで延び、その反対側の面側は、間隙54、又は、止着孔51を覆うように、開口閉塞板42に直交する断面における形状が扁平で矩形状の扁平片63が形成されたものとなっている(図7参照)。
【0043】
この実施例の場合、仕切部44a,44bの開口閉塞板42に臨む端面は平面となっており、開口閉塞板42によりベント開口47を閉じた場合、仕切部用弾性部材55の凸条の当接部57が当接し、サイドベント領域46a,46bからセンタベント領域45への不必要な空気の流入が防止されるようになっている。
【0044】
次に、第3の実施例について、図8を参照しつつ説明する。
なお、図6図7に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この実施例において、仕切部用弾性部材55の当接部57は、開口閉塞板42に直交する面における断面形状が、矩形状に形成されると共に、その矩形状の仕切部44a,44bに面する側が、大凡円弧状に凹陥されて凹陥部64が形成されたものとなっている。
【0045】
この実施例においては、当接部57が仕切部44a,44bに当接した場合、図8において紙面左右方向における凹陥部64の両脇部分が当接の際の押圧力に応じて変形して、仕切部44a,44bに密着して、その密着性が増すため、仕切部用弾性部材55のシール性が一層向上されるものとなっている。
【0046】
次に、第4の実施例について、図9を参照しつつ説明する。
なお、図6乃至図8に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この実施例において、仕切部用弾性部材55の当接部57は、開口閉塞板42に直交する面における断面形状が台形状に形成されて、台形の斜面が仕切部44a,44bに面して、かつ、センタベント領域45側からサイドベント領域46a(又は46b)へ向かって徐々に下がるように形成されたものとなっている。
【0047】
一方、開口閉塞板42に面する仕切部44a,44bの端面は、先に図6に示された実施例と同様に曲面状に形成されたものとなっている。
かかる構成においては、上述の当接部57の台形の斜面部分が、開口閉塞板42によりベント開口47を閉じた際の仕切部44a,44bへ対する押圧の大きさ応じて仕切部44a,44bの端面に密着し、仕切部用弾性部材55のシール性が一層向上されるものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0048】
厳密な寸法管理に依存することなく、比較的低コストで信頼性の高いシール機能を実現可能な開閉ドアが所望される車両用空調装置に適する。
【符号の説明】
【0049】
19…デフベント切換ドア
41…回動軸
42…開口閉塞板
44a,44b…仕切部
55…仕切部用弾性部材
56…周縁部用弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9