(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受光面を構成する表面層、前記受光面と反対の裏面を構成する背面板、前記表面層と前記背面板との間に配置される太陽電池セル、および、前記太陽電池セルを内部に封止するもしくは覆う封止材を備え、前記背面板の前記裏面と反対の面であって前記太陽電池セルを載置する載置面の少なくとも一部分が曲面形状に形成された太陽電池パネルにおいて、
前記載置面の曲面部分に、前記太陽電池セルの表面と当接して前記載置面の面直方向における前記太陽電池セルの移動を規制する第1当接面を有する突起部が設けられており、
前記突起部は、前記太陽電池セルの端面と当接して前記載置面の面内方向における前記太陽電池セルの移動を規制する第2当接面を有している
ことを特徴とする太陽電池パネル。
受光面を構成する表面層、前記受光面と反対の裏面を構成する背面板、前記表面層と前記背面板との間に配置される太陽電池セル、および、前記太陽電池セルを内部に封止するもしくは覆う封止材を備え、前記背面板の前記裏面と反対の面であって前記太陽電池セルを載置する載置面の少なくとも一部分が曲面形状に形成された太陽電池パネルにおいて、
前記載置面の曲面部分に、前記太陽電池セルと当接して前記載置面上での前記太陽電池セルの移動を規制する突起部が設けられ、
前記背面板および前記載置面は、所定の曲率の曲面が形成された少なくとも1つの第1曲面部と、前記第1曲面部よりも曲率が小さい曲面が形成された少なくとも1つの第2曲面部とから構成されていて、
前記第2曲面部に設けられる前記突起部の前記載置面の面直方向における高さ寸法が、前記第1曲面部に設けられる前記突起部の前記高さ寸法よりも大きい
ことを特徴とする太陽電池パネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載された太陽電池パネルは、車両のボディや建築物などの曲率を持った表面に適応させるため、曲面形状に形成されている。一般に、太陽電池パネルは、背面板(ベース部材)、太陽電池層、および表面層からなる積層構造になっている。太陽電池層は太陽電池セル(発電素子)とその太陽電池セルを覆う封止材とから構成されている。太陽電池セルは、通常、シリコンの結晶などから構成されていて可撓性が低い。そのため、そのような積層構造の太陽光発電パネルに曲面を形成する場合には、その曲面に対して太陽電池セルが追従しないので、背面板に対する太陽電池セルの位置決めが難しくなる。その結果、曲面の表面の平滑性が損なわれてしまう場合がある。また、曲率が異なる曲面が組み合わされる場合には、その曲率の差によってパネルの剛性に不均衡が生じてしまう。具体的には、曲率が大きい部分と比較して、平板に近い曲率が小さい部分の剛性が低くなってしまう。
【0006】
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、太陽電池セルの位置決めを容易にして適切に曲面形状のパネル表面を形成することができ、また、パネルの剛性を適切に確保することができる太陽電池パネルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、受光面を構成する表面層、前記受光面と反対の裏面を構成する背面板、前記表面層と前記背面板との間に配置される太陽電池セル、および、前記太陽電池セルを内部に封止するもしくは覆う封止材を備え、前記背面板の前記裏面と反対の面であって前記太陽電池セルを載置する載置面の少なくとも一部分が曲面形状に形成された太陽電池パネルにおいて、前記載置面の曲面部分に、前記太陽電池セルの表面と当接して前記載置面の面直方向における前記太陽電池セルの移動を規制する第1当接面を有する突起部が設けられ
ており、前記突起部は、前記太陽電池セルの端面と当接して前記載置面の面内方向における前記太陽電池セルの移動を規制する第2当接面を有していることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明は、前記表面が、前記太陽電池セルを前記背面板に載置した状態で前記表面層と対向する面であることを特徴としている。
【0010】
さらに、この発明は、受光面を構成する表面層、前記受光面と反対の裏面を構成する背面板、前記表面層と前記背面板との間に配置される太陽電池セル、および、前記太陽電池セルを内部に封止するもしくは覆う封止材を備え、前記背面板の前記裏面と反対の面であって前記太陽電池セルを載置する載置面の少なくとも一部分が曲面形状に形成された太陽電池パネルにおいて、前記載置面の曲面部分に、前記太陽電池セルと当接して前記載置面上での前記太陽電池セルの移動を規制する突起部が設けられ、前記背面板および前記載置面は、所定の曲率の曲面が形成された少なくとも1つの第1曲面部と、前記第1曲面部よりも曲率が小さい曲面が形成された少なくとも1つの第2曲面部とから構成されていて、前記第2曲面部に設けられる前記突起部の前記載置面の面直方向における高さ寸法が、前記第1曲面部に設けられる前記突起部の前記高さ寸法よりも大きいことを特徴とするものである。
【0011】
そして、この発明は、前記背面板および前記載置面が、荷重が加えられることにより、所定の変形量で変形する少なくとも1つの第1変形部と、前記第1変形部よりも大きな変形量で変形する少なくとも1つの第2変形部とから構成されていて、前記第2変形部に設けられる前記突起部の前記載置面の面直方向における高さ寸法が、前記第1変形部に設けられる前記突起部の前記高さ寸法よりも大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明で対象とする太陽電池パネルは、表面層、太陽電池セル、封止材、および、背面板が積層されて構成されている。太陽電池セルは封止材に包み込まれてもしくは覆われて封止されている。また、背面板の太陽電池セルと対向する面側の載置面の少なくとも一部分が曲面もしくは球面になっている。そして、この発明の太陽電池パネルでは、上記のように載置面の曲面部分に、載置面の面直方向における太陽電池セルの移動を規制する突起部が形成されている。したがって、突起部の第1当接面が、太陽電池パネルの面直方向における上側の太陽電池セルの表面に当接する。したがって、載置面の面直方向における太陽電池セルの移動が規制される。そのため、曲面もしくは球面を有する太陽電池パネルであっても、背面板の載置面に対して太陽電池セルを確実に位置決めすることができる。また、太陽電池セルの端部が太陽電池パネルの表面側に突き出てしまったり、裏面側に引き込んでしまったりすることを抑制することができる。その結果、太陽電池パネル表面の平滑性や美観を向上させることができる。
【0013】
また、この発明によれば、上記のように背面板の曲面部分に形成される突起部が、その第2当接面で太陽電池セルの端面と当接する。したがって、載置面の面内方向における太陽電池セルの移動が規制される。そのため、載置面の面内方向において太陽電池セルを確実に位置決めすることができる。
【0014】
また、この発明によれば、突起部の第1当接面と、太陽電池セルを背面板に載置した状態で表面層と対向する太陽電池セルの表面とを当接させて、載置面の面直方向における太陽電池セルの移動を規制することができる。
【0015】
さらに、この発明によれば、背面板が曲率の異なる少なくとも2つの部分から構成される場合に、曲率が小さい第2曲面部に設けられる突起部の面直方向における高さ寸法が、曲率の大きい第1曲面部に設けられる突起部の高さ寸法よりも大きくなるように、突起部が形成される。曲率が小さい第2曲面部は、曲率が大きい第1曲面部と比較して面直方向の曲げ荷重に対する剛性が低くなるが、上記のように第1曲面部よりも高さ寸法が大きな突起部が形成されることにより、その分、剛性が高くなる。したがって、突起部の高さ寸法を適宜設定することにより、曲率が小さい第2曲面部の剛性と曲率が大きい第1曲面部の剛性とを等しくすることができる。もしくは、各部分の間の剛性の差を小さくすることができる。そのため、背面板が曲率の異なる少なくとも2つの部分から構成される場合であっても、太陽電池パネル全体の剛性を均一化して、その剛性を適切に確保することができる。
【0016】
そして、この発明によれば、背面板に荷重が掛かり、その背面板の各部がそれぞれ所定の変形量で変形する場合に、変形量が大きい第2変形部に設けられる突起部の面直方向における高さ寸法が、変形量が小さい第1変形部に設けられる突起部の高さ寸法よりも大きくなるように、突起部が形成される。変形量が大きい第2変形部に、上記のように第1変形部よりも高さ寸法が大きな突起部が形成されることにより、その分、第2変形部の剛性が高くなり、上記のような荷重に対する変形量が低減する。したがって、突起部の高さ寸法を適宜設定することにより、第1変形部における変形量と第2変形部における変形量との差を小さくすることができる。そのため、背面板に局部的に荷重が掛かる場合であっても、背面板全体の変形量を均一化して、背面板の強度を適切に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明における太陽電池パネルの構成の一例を説明するための断面図である。
【
図2】この発明における太陽電池パネルの構成の一例を説明するための図である。
【
図3】
図2に示す太陽電池パネルの断面(A−A)を示す図である。
【
図4】
図2に示す太陽電池パネルの断面(B−B)を示す図である。
【
図5】
図2,
図3に示す突起部の断面(A−A)を拡大して示す図である。
【
図6】
図2,
図4に示す突起部の断面(B−B)における曲率を説明するための図である。
【
図7】この発明における太陽電池パネルの他の構成例を説明するための図である。
【
図8】面直方向の荷重に対する太陽電池パネルの変形状態を説明するための図である。
【
図9】この発明における太陽電池パネルの更に他の構成例を説明するための図である。
【
図10】この発明における太陽電池パネルの更に他の構成例を説明するための図である。
【
図11】
図10に示す太陽電池パネルの断面(C−C)を示す図である。
【
図12】この発明における太陽電池パネルの更に他の構成例を説明するための図である。
【
図13】従来の太陽電池パネルでの課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明を図を参照して具体的に説明する。この発明で対象とする太陽電池パネルは、主に車両の屋根の部分に取り付けられる。したがって、車両外観の多様なデザインに適合させるために、この発明の太陽電池パネルは、パネルの基盤あるいは基体層を構成する背面板の少なくとも一部に、曲面もしくは球面が形成されていている。なお、この発明の太陽電池パネルは、例えば住宅の屋根や太陽光発電装置など、車両の屋根以外にも応用することができる。
【0019】
図1に示すように、この発明における太陽電池パネル1は、主として、表面層2、太陽電池層3、背面板4が積層されて構成されている。
【0020】
表面層2は、この太陽電池パネル1の受光面1aを構成していて、例えば、太陽光が透過可能な透明の樹脂フィルムを材料にして形成されている。例えば、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン)などが用いられる。なお、受光面1aは、この太陽電池パネル1が設置されて使用される状態で、鉛直方向の上方を向く面、もしくは太陽光が直接照射される面であって、太陽電池パネル1の意匠面となる面である。
【0021】
太陽電池層3は、複数の太陽電池セル5と、それら太陽電池セル5を内部に封止した封止材6とから形成されている。太陽電池セル5は、太陽電池素子そのもの、あるいは複数の太陽電池素子をユニットにした太陽電池の基本単位となるものである。この太陽電池セル5としては、例えば、シリコン系のものや化合物半導体系のものなど、既存の各種の太陽電池素子を用いることができる。なお、各太陽電池セル5同士は、リード線(図示せず)によって接続されている。封止材6としては、例えば太陽光が透過可能な透明の樹脂が用いられる。具体的には、ポリオレフィン等の樹脂が用いられる。
【0022】
背面板4は、この太陽電池パネル1の基体となる部分であって、例えば、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)や合成樹脂など、所定の強度および剛性を備えた樹脂を材料にして形成されている。また、背面板4は、この太陽電池パネル1の裏面1bを構成している。裏面1bは、上記の受光面1aと反対側の面である。背面板4の表面、すなわち裏面1bと反対側の面は、太陽電池セル5および封止材6が載置される載置面4aとなっている。そして、背面板4は、この
図1に示すように、少なくとも1つの部分が所定の曲率を持った曲面もしくは球面になっている。
【0023】
背面板4の載置面4a上に、太陽電池層3および表面層2が積層されている。
図1に示す例では、太陽電池セル5は封止材6に包まれて、封止材6内に封止されている。したがって、背面板4の上面に、太陽電池セル5を包み込んで封止した封止材6が積層され、その封止材6の上面に表面層2が積層されている。なお、太陽電池セル5は、上記のように封止材6の内部に包まれて封止される構成の他に、背面板4の載置面4a上に載置された状態で封止材6に覆われることにより、背面板4と封止材6との間に封止されてもよい。
【0024】
上記のように、この太陽電池パネル1は、少なくとも一部分が曲面もしくは球面になっている。背面板4や表面層2は樹脂やCFRPなどを材料としているため、成形の自由度が高く、曲面や球面を容易に形成することができる。一方、太陽電池セル5は、シリコン系の結晶や化合物半導体などから構成されているため、可撓性が低く、曲面に沿って変形し難い。そのため、上記の背面板4のような曲面部分に太陽電池セルを配置する場合には、例えば
図13に示すように、太陽電池セルの端部がパネルの表面側に突き出てしまい、パネル表面の平滑性や意匠性が低下してしまうおそれがある。
【0025】
そこで、この太陽電池パネル1では、曲面形状に形成された背面板4の載置面4a上で太陽電池セル5の移動を規制して位置決めをする突起部7が設けられている。具体的には、
図2,
図3,
図4に示すように、背面板4の載置面4a上に、突起部7が形成されている。この突起部7は、背面板4と一体に成形されている。あるいは、例えば接着や溶着などの接合方法によって背面板4に固定されている。
【0026】
図2,
図3,
図4に示す例では、突起部7は、太陽電池パネル1の長手方向(
図2,
図4での左右方向)に延びるリブ形状に形成されている。また、突起部7は、
図5に示すように、ウェブ7aおよびフランジ7bから構成されている。
【0027】
ウェブ7aは、背面板4の載置面4a側で面直方向(
図1,
図3,
図4での上下方向)に突出するように、背面板4に一体に形成されている。あるいは、例えば接着や溶着などの接合方法によって背面板4に固定されている。なお、ここで面直方向とは、所定の平面に対して直角な方向、または、所定の曲面もしくは球面に対する法線方向のことを意味している。
【0028】
フランジ7bは、背面板4の載置面4aに対向して両端が背面板4の面内方向(
図2での紙面に平行な方向)に延びるように、ウェブ7aと一体に形成されている。あるいは、例えば接着や溶着などの接合方法によってウェブ7aの先端に接合されている。なお、ここで面内方向とは、所定の平面に対して平行な方向、または、所定の曲面もしくは球面に対する接平面に平行な方向のことを意味している。
【0029】
図2,
図3,
図4に示す例では、上記のように構成される複数のフランジ7bの各ウェブ7a同士が互いに連結して、1つの突起部7を構成している。すなわち、太陽電池パネル1の長手方向に延びるリブ形状の突起部7が形成されている。そして、そのような突起部7が、載置面4a上に複数形成されている。
図2,
図3,
図4に示す例では、載置面4a上で、それぞれ太陽電池セル5を挟んで互いに平行に配置された4つの突起部7が形成されている。なお、背面板4の幅方向(
図2,
図3での上下方向)の両端に配置される突起部7は、太陽電池セル5が配置されない側のフランジ7bの一部が省略された形状になっている。
【0030】
上記のようにウェブ7aおよびフランジ7bから構成される突起部7の間に太陽電池セル5を配置することにより、載置面4a上での太陽電池セル5の移動が規制され、太陽電池セル5が位置決めされる。
【0031】
具体的には、
図5に示すように、フランジ7bの載置面4aと対向している側の面7cと太陽電池セル5の表面(受光面1a側の面)とが当接することにより、載置面4aの面直方向における太陽電池セル5の移動が規制される。すなわち、上記のようなフランジ7bの面7cが、この発明における第1当接面7cとなっている。
【0032】
また、
図5に示すように、ウェブ7aの側面7dと太陽電池セル5の端面とが当接することにより、載置面4aの面内方向における太陽電池セル5の移動が規制される。すなわち、上記のようなウェブ7aの側面7dが、この発明における第2当接面7dとなっている。
【0033】
上記のような第1当接面7cおよび第2当接面7dを有する突起部7が背面板4に形成されることにより、背面板4に太陽電池セル5を載置させる際に、載置面4a上での面直方向および面内方向において太陽電池セル5が位置決めされる。そのため、背面板4および太陽電池パネル1が曲面を有している場合であっても、その曲面部分を容易に形成することができる。
【0034】
図2,
図3,
図4に示す例では、上記のように、複数のフランジ7bの各ウェブ7a同士が互いに連結してリブ形状の突起部7が形成されている。そのため、突起部7は、背面板4の補剛リブとしても機能する。したがって、背面板4の各部の剛性に応じて突起部7の高さ寸法(背面板4の面直方向における寸法)を適宜調整して設定することにより、剛性が均一な太陽電池パネル1を構成することができる。
【0035】
具体的には、
図6,
図7に示すように、背面板4に曲率の異なる2つ以上の曲面が形成されている場合には、曲率が小さい部分に設けられる突起部7の高さ寸法が、曲率が大きい部分に設けられる突起部7の高さ寸法よりも大きくなるように、突起部7が形成される。例えば、
図6に示す例では、背面板4および載置面4aは、所定の曲率の曲面が形成された第1曲面部C
1と、その第1曲面部C
1よりも曲率が小さい曲面が形成された2つの第2曲面部C
2とから構成されている。この場合は、第2曲面部C
2に設けられる突起部7の高さ寸法h
2が、第1曲面部C
1に設けられる突起部7の高さ寸法h
1よりも大きくなるように構成されている。また、
図7に示す例では、背面板4および載置面4aは、所定の曲率の曲面が形成された2つの第1曲面部C
3と、その第1曲面部C
3よりも曲率が小さい曲面が形成された1つの第2曲面部C
4とから構成されている。この場合は、第2曲面部C
4に設けられる突起部7の高さ寸法h
4が、第1曲面部C
3に設けられる突起部7の高さ寸法h
3よりも大きくなるように突起部7が形成されている。
【0036】
前述したように、背面板4に曲率の異なる2つ以上の曲面が形成されている場合は、曲率が小さい部分は、曲率が大きい部分と比較して面直方向の曲げ荷重に対する剛性が低くなる。それに対して、上記のように、曲率が小さい部分に曲率が大きい部分よりも高さ寸法が大きな突起部7が形成されることにより、背面板4および太陽電池パネル全体の剛性を均一化して、その剛性を適切に確保することができる。
【0037】
また、太陽電池パネル1および背面板4に外力が作用し、背面板4に変形が生じる場合に、その変形の位置や大きさに応じて突起部7の高さ寸法を適宜調整して設定することにより、剛性が均一な太陽電池パネル1を構成することができる。
【0038】
具体的には、
図8に示すように、太陽電池パネル1および背面板4に面直方向の荷重が掛かり、その荷重によって背面板4に変形が生じる場合には、変形量が大きい部分に設けられる突起部7の高さ寸法が、変形量が小さい部分に設けられる突起部7の高さ寸法よりも大きくなるように、突起部7が形成される。例えば、
図9に示す例では、背面板4および載置面4aは、面直方向の荷重Fが加えられることにより、所定の変形量で変形する第1変形部D
1と、その第1変形部D
1よりも大きな変形量で変形する第2変形部D
2とから構成されている。この場合は、第2変形部D
2に設けられる突起部7の高さ寸法h
6が、第1変形部D
1に設けられる突起部7の高さ寸法h
5よりも大きくなるように突起部7が形成されている。
【0039】
このように、背面板4の各部の剛性の差やパネルに作用する外力を考慮して、突起部7の高さ寸法を適宜設定することにより、背面板4および太陽電池パネル全体の剛性を均一化することができ、その剛性を効果的に向上させることができる。
【0040】
また、この発明の太陽電池パネルにおける突起部は、上記の突起部7のような形状以外に、例えば
図10,
図11に示す突起部8のような形状および配置で構成することもできる。すなわち、突起部8は、矩形形状の太陽電池セル5の四隅の表面および側面と当接し、太陽電池セル5の載置面4a上における面直方向および面内方向の移動を規制するように構成されている。
【0041】
また、この発明の太陽電池パネルにおける突起部は、例えば
図12に示す突起部9のような形状および配置で構成することもできる。すなわち、突起部9は、この
図12に示すように、背面板4に形成される曲面が、1つの方向のみに湾曲する曲面である場合には、その湾曲する方向(
図8での左右方向)のみに設けられている。そして、突起部9は、矩形形状の太陽電池セル5の対向する二辺のみの表面および側面と当接し、太陽電池セル5の載置面4a上における面直方向および面内方向の移動を規制するように構成されている。