(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の腰部領域、第2の腰部領域、前記第1の腰部領域と前記第2の腰部領域との間に配設された股部領域、第1の腰部縁部、及び、第2の腰部縁部を備えた、テープ式おむつである使い捨て吸収性物品であって、
当該使い捨て吸収性物品は、少なくとも1つのウエストバンドを備え、
前記ウエストバンドは、不織布材料及び少なくとも1つの弾性ストランドを含む積層体からなり、
前記少なくとも1つの弾性ストランドは、前記積層体を形成するべく前記不織布材料と一体化される時に当該少なくとも1つの弾性ストランドが受ける歪である設置時延伸を有しており、
前記ウエストバンドは、前記積層体が当該使い捨て吸収性物品に一体化される時に当該積層体が受ける歪である印加ウエストバンド歪を有しており、
前記設置時延伸は、前記印加ウエストバンド歪よりも高く、
前記積層体は、少なくとも2つの弾性ストランドを有し、
前記ウエストバンドの弛緩キャリパーが2.00mm超であり、
前記ウエストバンドの延伸キャリパーが0.80mm超であり、
前記弛緩キャリパーの前記延伸キャリパーに対する比が、2.07よりも大きく、
前記印加ウエストバンド歪が50%超である、使い捨て吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用する場合、以下の用語は下記で指定される意味を有する。
吸収性物品に関連しての「使い捨て」は、洗濯、又は別の方法で吸収性物品として復元するか再利用することを一般的に、意図されない(すなわち、単一回の使用の後で廃棄する、好ましくはリサイクル、堆肥化又は環境に適合する方法で廃棄することを意図される)吸収性物品を意味する。
【0011】
「吸収性物品」は、身体の排出物を吸収及び収容する用具を指し、より詳細には、着用者の身体に接してあるいは、近接して配置されて、身体から排出される様々な排出物を吸収し、閉じ込める用具を指す。代表的な吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に示されているような予備形成腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能おむつ、又はパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダー及びライナー、パンティライナーなどの女性用生理衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。
【0012】
用語「近位」及び「遠位」は、それぞれ、構造体の長手方向又は横方向の中心線に比較的近い又は遠い要素の位置を指す(例えば、長手方向に延びる要素の近位縁が、同じ要素の末端縁が同じ長手方向中心線に対して配置されるよりも長手方向中心線により近く配置されている)。
【0013】
「身体に面する」及び「衣類に面する」とは、それぞれ要素の相対位置又は要素若しくは要素群の面を指す。「身体に面する」とは、要素又は面が他の要素又は面より着用時に着用者により近いことを意味する。「衣類に面する」とは、要素又は面が他の要素又は面より、着用時に着用者からより遠く離れていることを意味する(すなわち、要素又は面が、吸収性のある使い捨て物品の上に着用され得る着用者の衣類に近接する)。
【0014】
「長手方向の」とは、物品の腰部縁部から、対向する腰部縁部に実質的に垂直に、かつ物品の最大直線寸法にほぼ平行に走る方向を指す。長手方向の45度以内の方向は「長手方向」であると見なされる。
【0015】
「横方向の」とは、物品の長手方向縁部から向かい合う長手方向の縁部に及び長手方向にほぼ直角に走る方向を指す。横方向の45度以内の方向は「横方向」であると見なされる。
【0016】
「配置される」とは、要素が特定の場所又は位置に配置されていることを指す。
【0017】
「接合される」とは、要素が直接的に他の要素に取り付けられることによって要素が直接固定される形態、及び要素が中間の部材に取り付けられ、その中間部材が次に他の要素に取り付けられることによって要素が他の要素に間接的に固定される形態を指す。
【0018】
「フィルム」は、シート状材料であって、長さ及び幅が厚みを大きく超える材料を指す。典型的には、フィルムは約0.5mm以下の厚さを有する。
【0019】
「水透過性」及び「水不透過性」は、使い捨て吸収性物品の意図された使用に関連する材料の浸透可能性を指す。具体的には、用語「水透過性」は、液体の水、尿又は合成尿が強制圧力がない状態でその厚さを通過できる孔、開口部及び/又は結合された空隙を有する層又は層構造体を指す。逆に、用語「水不透過性」は、液体の水、尿又は合成尿が強制圧力(重力等の自然の力とは別に)がない状態ではその厚さを通過できない層又は層構造を指す。この定義に従う水不透過性の層又は層構造は、水蒸気に対して透過性であってもよく、すなわち、「水蒸気透過性」であってもよい。
【0020】
「延伸性」及び「延伸性がある」とは、弛緩状態の構成要素の幅又は長さを伸ばす又は増大させることができることを意味する。
【0021】
「伸縮性」又は「弾性のある」は、構成要素が弾性材から作製された少なくとも一部分を含むことを意味する。
【0022】
「伸長可能な材料」、「延展可能な材料」、又は「延伸可能な材料」は互換的に使用され、バイアス力を加えると、破裂又は破断することなく、EDANA法20.2−89で測定して弛緩した元の長さの少なくとも110%の伸長した長さまで延伸でき(すなわち、元の長さよりも10%長く延伸でき)、加えた力を除くと、完全に破裂又は破断することなく、その伸びの約20%未満というわずかな回復を示す材料を指す。このような伸長可能な材料が、適用された力を解放した際に、その伸長の少なくとも40%回復する場合、伸長可能な材料は、「弾性」又は「エラストマー」とみなされる。例えば、100mmの初期長さを有する弾性材料は、少なくとも150mmまで延びることができ、力を解放した際に、少なくとも130mmの長さまで戻る(すなわち、40%の回復を示す)。材料が、印加した力の解放時に、その伸長の40%未満を回復する場合、伸長性材料は、「実質的に非弾性」又は「実質的に非エラストマー性」であると考えられる。例えば、100mmの初期長さを有する伸長可能な材料は、少なくとも150mmまで延びることができ、力を取り除くと少なくとも145mmの長さまで縮む(すなわち、10%の回復を示す)。
【0023】
「エラストマー材料」は、弾性性質を示す材料である。エラストマー材料としては、エラストマーフィルム、スクリム、不織布及び他のシート状構造体を挙げることができる。
【0024】
「パンツ」は、予め成形された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、着用者の足を脚部開口部に入れ、パンツを着用者の胴体下部の周りの位置に滑り込ませることにより身に付けることができる。パンツは、通常、「閉じられたおむつ」、「予め締結されたおむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。
【0025】
図1は、平坦かつ非収縮状態(すなわち、弾性的な誘起された収縮の無い)での本発明の吸収性物品20の代表的な非限定的な実施形態の平面図である。吸収性物品20の衣類に面する表面120は、見る人に面している。吸収性物品20は、長手方向中心線100及び横方向中心線110を含む。吸収性物品20はシャーシ22を備えてもよい。吸収性物品20及びシャーシ22は、第1の腰部領域36、第1の腰部領域36に対向する第2の腰部領域38、及び、第1の腰部領域36と第2の腰部領域38との間に位置する股部領域37を有しているのが示される。腰部領域36及び38は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む使い捨て吸収性物品20のこれらの部分を含む。腰部領域36及び38は、弾性要素を含み、着用者の腰部周りで縮んで改善されたフィット性と封じ込めを提供してもよい。腰部領域36及び38は、第1のウエストバンド1000及び第2のウエストバンド2000を含んでもよい。股部領域37は、使い捨て吸収性物品20を着用したときに着用者の脚の間に概ね位置決めされる、使い捨て吸収性物品20の部分である。
【0026】
シャーシ22の外周は、長手方向の縁部12及び横方向縁部14によって画定される。長手方向の縁部12は、前側長手方向の縁部12aに更に分割されてよく、この前側長手方向の縁部12aは第1の腰部領域36における長手方向の縁部12の一部分であり、後側長手方向の縁部12bは、後側腰部領域38における長手方向の縁部12の一部分である。シャーシ22は、一般的に長手方向中心線100に対して概ね平行に配向される対向する長手方向の縁部12を有してよい。しかしながら、より良いフィットのためには、長手方向の縁部12は、例えば平面図で見たときに、「砂時計」型のおむつを製造するように湾曲又は角度がつけられてよい。シャーシ22は、横方向中心線110に対して概ね平行に配向される対向する横方向縁部14を有してよい。
【0027】
シャーシ22は、液体透過性トップシート24と、バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間の吸収性コア28と、を有してもよい。吸収性コア28は、身体に面する表面と衣類に面する表面を有してもよい。トップシート24は、コア28及び/又はバックシート26に接合されてもよい。バックシート26は、コア28及び/又はトップシート24に接合され得る。他の構造体、要素、又は基材をコア28とトップシート24及び/又はバックシート26との間に配置してもよいことを認識すべきである。しかるべき実施形態では、シャーシ22は、複合おむつ構造を形成するために付加されてもよい他の機構と共におむつ20の主要構造を含む。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、様々な周知の構成、好ましくはおむつの構成によって作られてよく、好ましいおむつの構成は、米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に概して記載されている。
【0028】
トップシート24は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触又は近接して配置されてもよい吸収性物品20の一部分である。好適なトップシート24は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維)若しくは天然繊維及び合成繊維の組み合わせの織布又は不織布ウェブ等の広い範囲の材料から製造することができる。トップシート24は、一般に、着用者の皮膚に対してしなやか柔らかい感触であり、無刺激性である。一般に、トップシート24の少なくとも一部分は液体透過性であり、トップシート24の厚みに沿って容易に液体を透過させることができる。トップシート24は開口を備えてもよい。本明細書で有用な1つのトップシート24は、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給者コード055SLPV09Uとして入手可能である。
【0029】
トップシート24の任意の部分は、当該技術分野において既知のローション又はスキンケア組成物でコーティングされてもよい。好適な液体の例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、及び同第5,643,588号に記載されているものが挙げられる。トップシート24は、全体的に又は部分的に伸縮されてもよく、又は伸縮させてトップシート24とコア28との間に空隙空間を形成するよう縮小されてもよい。弾性のある又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造体が、米国特許第4,892,536号、同第4,990,147号、同第5,037,416号及び同第5,269,775号により詳細に記載されている。
【0030】
吸収性コア28は、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通常使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでよい。好適な吸収性材料としては、一般にエアフェルト縮みセルロース詰め物と呼ばれる粉砕木材パルプ、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に剛直化、変性若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は既知の他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、吸収性コアの少なくとも一部分は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有するか、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース材料が、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの一部分の厚さ、可撓性、及び吸収性の少なくとも1つに実質的に影響を与えないということは理解されるべきである。他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部分が実質的にセルロースを含まないとき、吸収性コアのこの部分は、10重量%以上のセルロース繊維を含む、類似の吸収性コアよりも著しく薄く、より可撓性であると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば吸収性粒子状ポリマー材料の量は、異なってもよいが、特定の実施形態においては、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。好適な吸収性コアの非限定的な例は、以下により詳細に記載されている。
【0031】
吸収性コア28として使用するための代表的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び同第5,625,222号に記載されている。
【0032】
バックシート26は全体的に、それが吸収性物品20の衣類に面する表面120の少なくとも一部分であってもよいように配置される。バックシート26は、物品20内に吸収され収容された排出物が、ベッドシーツや下着のような、吸収性物品20と接触し得る物品を汚すことがないように設計されてもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、実質的に水不透過性である。好適なバックシート26材料としては、Tredegar
Industries Inc.(Terre Haute,IN)により製造され、商標名X15306、X10962、及びX10964で販売されているもの等のフィルムが挙げられる。他の好適なバックシート26材料は、同時に浸出物がバックシート26を通り抜けないようにしながら、蒸気が吸収性物品20から逃れるのを可能にする通気性材料を含んでもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、並びにESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社により製造されているミクロ孔質フィルム、及びEXXAIREの名称でEXXON Chemical Co.(Bay City,TX)により製造されているような微多孔質フィルムなどの材料を挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、名称HYTRELブレンドP18−3097として、Clopay Corporation(Cincinnati,OH)から入手可能である。このような通気性複合材料は、国際公開第95/16746号及び米国特許第5,865,823号により詳述されている。不織布及び孔形成フィルムを含む他の通気性バックシートは、米国特許第5,571,096号に記述されている。代表的な好適なバックシートは、米国特許第6,107,537号に記述されている。限定はされないが、表面処理、特定のフィルムの選択及び加工、特定のフィラメントの選択及び加工などを含む、他の好適な材料及び/又は製造技術が、好適なバックシート26を提供するために使用されてもよい。
【0033】
バックシート26は、1層以上の層から構成されてもよい。バックシート26は、外側カバー及び内層を含んでよい。外側カバーは、柔らかい不織布材料から作製されてよい。内層は、実質的に水不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内部層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって共に接合されてよい。特に好適な外側カバーは、供給元コードA18AH0としてCorovin GmbH(Peine,Germany)から入手可能であり、特に好適な内層は、供給元コードPGBR4WPRとしてRKW Gronau GmbH(Gronau,Germany)から入手可能である。本明細書では様々なバックシート構成が考えられているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかである。
【0034】
吸収性物品20は、前部耳部40及び/又は後部耳部42を含んでもよい。耳部40、42は、延伸性、非延伸性、伸縮性、又は非伸縮性であってよい。耳部40、42は、不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマー及びエラストマーフィルム、孔あきフィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、及びこれらの組み合わせ及び積層体から形成されてよい。特定の実施形態において、耳部40、42は、不織布/エラストマー材料積層体又は不織布/エラストマー材料/不織布積層体のような延伸積層体から形成されてよい。延伸積層体は、当該技術分野において既知な任意の方法によって形成されてよい。例えば、耳部40、42は、不織布材料及びエラストマー要素のうちの少なくとも一層を含むゼロ歪延伸積層体として形成されてよい。エラストマー要素は、弛緩又は実質的に弛緩状態で不織布材料の層に取り付けられ、生じた積層体は、不織布層を恒久的に伸長するが、エラストマー要素を一時的に伸長する活性化プロセスを積層体に受けさせることにより、延伸性(又は、更に範囲を超えてより延伸性)とされる。不織布層は、シャーシ22の少なくとも一部分と一体化してよく、その場合、エラストマー要素は、不織布層に取り付けられてよく、不織布/エラストマー要素積層体が、以降に活性化される。別の方法としては、不織布層は、別の構成要素であってよく、その場合、エラストマー要素は、不織布層に取り付けられ積層体を形成し、次いで本体部分に結合される。サイドパネルの1つ以上の層が、別々に提供される場合、積層体は、本体部分に取り付けられる前又は後のどちらかで活性化されてよい。ゼロ歪み活性化プロセスは米国特許第5,167,897号及び同第5,156,793号に更に記述されている。好適な弾性耳部は、2つの不織層(供給元コードFPN332としてBBA Fiberweb(Brentwood,TN)から入手可能)の間に配置されたエラストマーフィルム(Tredegar Corp(Richmond,VA)から供給元コードX25007として入手可能)を含む活性化された積層体であり得る。
【0035】
耳部40、42は別個であるか又は一体化されてよい。別個の耳部は、シャーシ22に接合される分離要素として形成される。一体化された耳部は、長手方向の縁部12から横方向に外側に突出するシャーシ22の一部である。一体化された耳部は、シャーシ形状を切断して、耳部突起の形状を備えることにより、形成されてもよい。
【0036】
吸収性物品20は締結装置50を含んでもよい。締結される際、締結装置50は、第1の腰部領域36及び第2の腰部領域38を相互に連結し、吸収性物品20の装着時に着用者を囲むことができる腰部囲いを生じる。締結装置50は、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は雌雄同体締結要素等の締結具を含んでよいが、他の既知のいかなる締結手段も、概ね受け入れ可能である。いくつかの代表的な面締結装置が、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号及び同第5,221,274号に開示されている。代表的な連動締結装置は、米国特許第6,432,098号に開示されている。締結装置50は、米国特許第4,963,140号に開示されるように、使い捨て構成において物品を保持する手段を提供してもよい。締結装置50は、米国特許第4,699,622号に開示されるように、一次及び二次締結装置を備えてもよい。締結装置50は、米国特許第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、及び同第5,591,152号に記載されるように、重なり合っている部分の移動を低減するか、又はフィット性を改善するように構成されてもよい。
【0037】
本発明のウエストバンドは、着用者に対して増大した快適性、フィット性、及び改善された漏れ性能を有する吸収性物品を生じ得る。しかるべきウエストバンドは改善された製品耐久性及び強度を提供してもよい。本発明のウエストバンドは、より容易なかつ改善された吸収性物品の交換経験を生じることもある。
【0038】
本発明の1つの目的は、今日の技術で既知である吸収性物品よりも、吸収性物品の第1及び/又は第2の腰部領域で改善された間隙閉鎖を有する吸収性物品を供給することである。腰部領域で間隙閉鎖を有することは、より良好なフィット性及び封じ込めを有する物品を作り出して、改善された漏れ性能をもたらすことができる。間隙閉鎖を達成する一つの方法は、吸収性物品の後横方向縁部と同一平面同一広がりを持つウエストバンドを提供することである。適用方法のバリエーションが存在するために、一部の実施形態では、ウエストバンドは吸収性物品の第1及び第2の腰部領域両方に存在してもよい。しかしながら、延伸を与えるには後腰部領域に対しては高収縮のウエストバンドが望ましいが、適用を助けるためには前腰部領域では低収縮のウエストバンドを有することがより望ましいことがある。それゆえ、本発明の一実施形態は、「差分収縮」又は1つのウエストバンド積層体のみが切断されるように、後部に対して前部で異なる組み込み伸びのストランドを有するウエストバンド積層体に関する。ウエストバンド積層体の切断は、物品へのウエストバンドの適用の後であり、ウエストバンドは、意図された物品の分離(切断)域の橋渡しをするように適用される。このように、同一のウエストバンド積層体は、後部及び前部で異なるレベルの収縮をもたらして、間隙を閉じるのを助けるために後部で高収縮及び前部で低収縮を生じることができる。
【0039】
一実施形態では、第1の(1000)及び第2のウエストバンド(2000)はウエストバンド積層体(3000)からなる。一実施形態では、ウエストバンド積層体は不織布材料(3100)からなる。一実施形態では、ウエストバンド積層体はフィルムからなる。一実施形態では、ウエストバンド積層体は、少なくとも2つの弾性ストランド(3200)、少なくとも4つの弾性ストランド、少なくとも6つの弾性ストランド、少なくとも8つの弾性ストランド、少なくとも10の弾性ストランド、少なくとも12の弾性ストランドからなる。
【0040】
一実施形態では、第1及び第2のウエストバンドは同一の印加ウエストバンド歪みで物品に適用される。一実施形態では、第1のウエストバンド及び第2のウエストバンドは、弛緩長さと比べて約30%超、約50%超、約70%超の歪みで使い捨て吸収性物品に適用される。一実施形態では、第1のウエストバンド及び第2のウエストバンドは、弛緩長さと比べて約150%未満、約125%未満、約100%未満、約75%未満の歪みで使い捨て吸収性物品に適用される。一実施形態では、第1のウエストバンド及び第2のウエストバンドは、弛緩長さと比べて約70%〜約75%の歪みで使い捨て吸収性物品に適用される。
【0041】
一実施形態では、ウエストバンド積層体は、不織布材料及び少なくとも2つの弾性ストランドからなり、少なくとも2つの弾性ストランドの各々は異なる弾性材料である。一実施形態では、弾性ストランドは異なる直径又は断面形状を有する。
【0042】
一実施形態では、ウエストバンド積層体は、物品への適用後、少なくとも2つの弾性ストランドからなるウエストバンド積層体が、各々1つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンドを生じ、少なくとも4つの弾性ストランドからなるウエストバンド積層体が、各々2つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンドを生じるように、2つの弾性ストランドの間で切断される。
図2に示すように、少なくとも6つの弾性ストランドからなるウエストバンド積層体3000は、切断(切断ライン4000)したとき、各々が3つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンド(1000、2000)を生じる。更に、少なくとも8つの弾性ストランドからなるウエストバンド積層体は、各々が4つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンドを生じ、少なくとも10の弾性ストランドからなるウエストバンド積層体は、各々が5つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンドを生じ、少なくとも12の弾性ストランドからなるウエストバンド積層体は、各々が6つの弾性ストランドを有する2つのウエストバンドを生じる。一実施形態では、ウエストバンド積層体は、2つの得られるウエストバンドが、弾性ストランドの不等分布を有するか、又は切断体の一方の側に弾性ストランドを有しないように、切断される。例えば、10の弾性ストランドを有するウエストバンド積層体は、6つの弾性体を有する1つのウエストバンド及び4つの弾性体を有する1つのウエストバンドを生じてもよい。別の例では、10の弾性ストランドを有するウエストバンド積層体は、10の弾性体を有する1つのウエストバンド及び弾性体を有しない1つのウエストバンドを生じてもよい。一実施形態では、ウエストバンド積層体は中心で切断されて、2つのウエストバンドを生じる。一実施形態では、ウエストバンド積層体は中心を外して切断される。一実施形態では、ウエストバンド積層体は、等間隔に離した弾性ストランドを有してもよい。一実施形態では、ウエストバンド積層体は、積層体中の他の弾性ストランドと比較して、より近い間隔又はより遠い間隔の弾性ストランドを有してもよい。
【0043】
一実施形態では、ウエストバンドは、物品の長手方向の軸に平行な方向で、約12mm超、約15mm超、約20mm超の長さを有する。一実施形態では、ウエストバンドは、物品の長手方向の軸に平行な方向で約50mm未満、約45mm未満、約40mm未満の長さを有する。
【0044】
一実施形態では、弛緩した製品中のウエストバンドは、物品の横方向の軸に平行な方向で、約50mm超、約75mm超、約100mm超の長さを有する。一実施形態では、弛緩した製品中のウエストバンドの物品の横方向の軸に平行な方向な長さは、約300mm未満、約250mm未満、約200mm未満である。
【0045】
一実施形態では、一方のテープから他方のテープまでの距離と比較して、ウエストバンドのCD長さ比は、約2未満、約1.5未満、約1未満である。
【0046】
一実施形態では、ウエストバンドは物品の身体に面する表面上にある。一実施形態では、ウエストバンドは物品の衣類に面する表面上にある。一実施形態では、ウエストバンドは吸収性物品の層の間に挟まれている。一実施形態では、ウエストバンドは、第1又は第2の腰部領域のいずれかの衣類に面する表面上及び第1又は第2の腰部領域のいずれかの身体に面する表面上にある。一実施形態では、ウエストバンドは、身体に面する表面及び衣類に面する表面の両方の上にある。一実施形態では、ウエストバンドは、身体に面する表面又は衣類に面する表面のいずれかの上にあり、ウエストバンドを備えていない表面は印刷されたウエストバンド形状で印刷される。
【0047】
一実施形態では、一方のテープの縁から他方のテープの縁までの距離は、吸収性物品のサイズを着用する平均の乳児に関して、乳児の腰部周囲の平均長さの少なくとも約50%、平均長さの少なくとも約60%、平均長さの少なくとも約65%である。
【0048】
一実施形態では、ウエストバンド積層体の弾性ストランドは、1つの積層体内で異なる組み込み伸びを有してもよく、切断後、第1の組み込み伸びを有する第1のウエストバンド、及び第2の組み込み伸びを有する第2のウエストバンドを生じ、第1及び第2のウエストバンドは両方とも同一の印加ウエストバンド歪みを有する。組み込み伸びは、一体化されている第2の材料(例えば、低坪量の不織布)に対して弾性体に加えられている歪みである。例えば、不織布と一体化されているとき、弾性体を100mmから250mmまで延伸すると、それは、150%組み込み伸び又は((250mm/100mm)−1)×100%であると言われる。次いで、この積層体は弛緩させることができ、ほぼ元の100mmに戻るが、不織布は250mmのままである。弾性体を異なる度合いに歪ませると、1つのウエストバンド積層体内で1つ以上の組み込み伸びがあり得る。例えば、ストランド(1)は、不織布と一体化されるとき、100mmから250mmまで延伸されるか又は150%組み込み伸びを有し、一方、ストランド(2)は、不織布と一体化されるとき、90mmから250mmまで延伸されるか又は約178%の組み込み伸びを有する。
【0049】
印加ウエストバンド歪みは、吸収性物品と一体化されるときウエストバンド積層体に加えられている歪みである。例えば、適用されているとき100mmの積層体を170mmまで延伸すると、それは、70%印加ウエストバンド歪み又は((170mm−100mm)/100mm×100%)であると考えられる。一実施形態では、任意の数の弾性ストランドの第1の組み込み伸びは、約100%、約125%、約140%、約150%、約160%、約175%、約200%である。一実施形態では、任意の数の弾性ストランドの第2の組み込み伸びは、約100%、約125%、約140%、約150%、約160%、約175%、約200%である。
【0050】
一実施形態では、第1の組み込み伸びと第2の組み込み伸びとの間のデルタは、約20%超、約30%超、約40%超である。
【0051】
一実施形態では、生じる前部−後部のデルタシャーシ収縮は、約5.0%超、約9.0%超、約9.5%超、約12.5%超、約15%超、約20%超である。
【0052】
一実施形態では、前部シャーシ収縮又は後部シャーシ収縮のいずれかが、約18%超、約20%超である場合には、前部−後部のデルタシャーシ収縮は、約15%未満、約12.5%未満、約10%未満、約9.5%未満、約9%未満である。
【0053】
本発明の別の目的は、当業界で既知のものよりもより良好な厚さ(キャリパー)/クッション及びウエストバンド中の収縮のバランスを提供することである。現在、大多数のウエストバンドは、快適性及び封じ込めに対して良好なクッション/キャリパー性を有するが、収縮の量で限定されるフォーム系であるか、又は弾性ストランドが高歪みで引っ張られ、高収縮をもたらすが、極めて僅かなキャリパー/クッションしか使用に供さない、弾性ストランド及び不織布の組合せである。したがって、本発明の一実施形態は、より高い第1の歪み(組み込み伸び)の下で一体化された不織布材料及び弾性ストランドを有するウエストバンドを提供する「圧密化」に関し、並びに、ウエストバンド中の折り畳まれた不織布が、弛緩及び延伸/使用時の両方の状態でクッション/キャリパーを提供するように、より低い印加ウエストバンド歪の下で物品に取り付けられる、得られるウエストバンドに関する。
図9はウエストバンド積層体(3000)の断面図を図示する。
図9a〜9bは、延伸圧密化を行わないウエストバンドの断面を図示する。
図9aは、おむつシャーシ(22)の横方向の軸に平行な、腰部における弛緩した製品の断面を図示する。
図9bは、おむつシャーシの横方向の軸に平行な、腰部における延伸した製品の断面を図示する。
図9c〜9dは、延伸圧密化を行ったウエストバンドの断面を図示する。
図9cは、おむつの横方向の軸に平行な、腰部における弛緩した製品の断面を示す。
図9cは、ウエストバンドの周波数及び振幅が、ウエストバンドを適用するシャーシのそれよりも高いということを示す。
図9dは、おむつの横方向の軸に平行な、腰部における延伸した製品の断面を示す。
図9dは、シャーシを延伸したときでも、ウエストバンドがギャザー及びキャリパーを更に有するということを示す。
【0054】
一実施形態では、ウエストバンドは、不織布材料及び少なくとも1つの弾性ストランドを含む積層体からなり、不織布材料及び弾性ストランドは、第1の歪みの下で一体化され、ウエストバンドは、印加ウエストバンド歪みの下で物品に取り付けられる。一実施形態では、第1の歪みは、組み込みストランド伸びとも呼ばれ、約50%超、約75%超、約100%超、約150%超、約200%超、約225%超、約250%超、約300%超、約350%超、約375%超である。一実施形態では、印加ウエストバンド歪みは、ウエストバンド歪みとも呼ばれ、約25%超、約50%超、約75%超、約100%超である。一実施形態では、第1の歪みと印加ウエストバンド歪みとの間の差は、圧密化とも呼ばれ、約0%超、約65%超、約75%超、約100%超、約150%超、約200%超、約225%超、約250%超、約300%超である。
【0055】
一実施形態では、ウエストバンドは、約95%超、約100%超、約125%超、約150%超、約175%超、約200%超の完全ウエストバンド圧密化を有する。
【0056】
一実施形態では、ウエストバンドは、約35%超、約50%超、約75%超、約100%超、約125%超、約175%超の延伸ウエストバンド圧密化を有する。
【0057】
一実施形態では、ウエストバンドは腰部縁部に取り付けられる。一実施形態では、ウエストバンドは腰部縁部の20mm以内に取り付けられる。一実施形態では、ウエストバンドは腰部縁部と同一平面で取り付けられる。一実施形態では、ウエストバンドは一方の腰部縁部においてのみ存在する。一実施形態では、ウエストバンドは第1及び第2のウエストバンド縁部の両方において存在する。
【0058】
不織布材料及び弾性ストランドは、接着剤、機械的な接合、又は当該技術分野で既知の任意の他の取り付けの形により一体化されてもよい。ウエストバンドは、接着剤接合、機械的な接合、又は当該技術分野で既知の任意の他の取り付けの形により一体化されてもよい。
【0059】
一実施形態では、ウエストバンドの弛緩したキャリパーは、約1.60mm超、約2.00mm超、約2.25mm超、約2.50mm超である。
【0060】
一実施形態では、ウエストバンドの延伸したキャリパーは、約0.80mm超、約1.00mm超、約1.25mm超である。
【0061】
本発明のもう一つの目的は、物品の外周部の周りで追加的な漏れ防止を提供する、集積化された脚部ガスケットシステム及び前部/後部ウエストバンド形状を提供することである。したがって、本発明の一つの実施形態は、類似のギャザー数を有する類似の構成の共通の脚部ガスケットシステム及びウエストバンドを提供する、「360漏れ防止」に関する。追加の実施形態は、類似の色合い、質感、結合パターン、色、若しくは他のビジュアルキューとオーバーラップするか、又は類似の色合い、質感、結合パターン、色、若しくは他のビジュアルキュー有する脚部ガスケットシステム及びウエストバンドを備えてもよい。
図3は、ウエストバンド領域及び脚部ガスケットシステムの両方でギャザーを有する実施形態を図示する。
【0062】
一実施形態では、使い捨て吸収性物品は、本明細書で記載するようにウエストバンド及び脚部ガスケットシステムを備え、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比が約0.5超、約0.75超、約1.25超、約1.50超であるように、脚部ガスケットシステムが第1のギャザー数を有し、ウエストバンドが第2のギャザー数を有する。一実施形態では、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比は約1.00である。一実施形態では、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比は約0.75〜約1.25である。一実施形態では、脚部ガスケットシステムギャザー数が約13超であるときは、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比は約0.75〜約1.25である。一実施形態では、ウエストバンドギャザー数が約12超であるときは、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比は約0.75〜約1.25である。一実施形態では、吸収性物品がテープ付き形製品であるときは、第1のギャザー数の第2のギャザー数に対する比は約0.75〜約1.25である。
【0063】
一実施形態では、ウエストバンド及び脚部ガスケットシステムの両方は弾性ストランドを備え、一実施形態では、ウエストバンドは弾性ストランドを備え、一実施形態では、ウエストバンド及び脚部ガスケットシステムは両方とも同一の形の延伸材料及び/又は積層体構造を備える。
【0064】
一実施形態では、ウエストバンドは30mmの区分当たり約10超のギャザー、30mmの区分当たり約12超のギャザーを有する。一実施形態では、脚部ガスケットシステムは、30mmの区分当たり約10超のギャザー、30mmの区分当たり約12超のギャザーを有する。
【0065】
一実施形態では、ウエストバンドは第1の腰部縁部及び第2の腰部縁部中に存在し、脚部ガスケットシステムは、第1の長手方向の縁部及び第2の長手方向の縁部中に存在する。
【0066】
吸収性物品20は、2011年4月29日出願の米国特許出願代理人整理番号12109P及び12110Pに記述されているように、脚部ガスケットシステム70を含んでもよい。
図4及び
図5は、代表的な脚部ガスケットシステムの概略断面図を図示する。脚部ガスケットシステム70は、内部カフの折り畳まれた縁部72及び内部カフの材料縁部73を備えた内部バリアレッグカフ71を備えてもよい。脚部ガスケットシステム70は、外部カフの折り畳まれた縁部75及び外部カフの材料縁部76を備えた外部カフ74を更に備えてもよい。
【0067】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は材料の1つのウェブを備える。材料の1つのウェブを有する実施形態は、材料の1つ以上のウェブを有する実施形態に勝るコストの利点をもたらし得る。更に、材料の1つのウェブを有する実施形態は、材料の1つ以上のウェブの接合により作られる穴がないので、より少数の漏れを有することもある。また、材料の1つのウェブを有する実施形態は、目に見える機械的な接合が少ないので、見て美しいこともある。
【0068】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、内部カフの折り畳まれた縁部72及び内部カフの材料縁部73からなる内部バリアレッグカフ71を有する。脚部ガスケットシステム70は、外部カフの折り畳まれた縁部75及び外部カフの材料縁部76を備えた外部カフ74を更に備えてもよい。一実施形態では、材料のウェブは横方向で内側に折り畳まれて、外部カフの折り畳まれた縁部75を形成し、並びに横方向で外側に折り畳まれて、内部カフの折り畳まれた縁部72を形成する。一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、第1の腰部縁部36から第2の腰部縁部38まで延在し、股部領域37中の内部カフの折り畳まれた縁部72と外部カフの折り畳まれた縁部75との間でトップシート24及び/又はバックシート26に接合される。一実施形態では、外部カフの材料縁部76は横方向で内部カフ材料縁部73内に配設される。
【0069】
一実施形態では、外部レッグカフ74は、外部カフの折り畳まれた縁部75と外部カフの材料縁部76との間で横方向のアレイに配置された弾性部材77を備え、外部レッグカフ74は、所望によって少なくとも2つの弾性部材77、少なくとも3つの弾性部材77、少なくとも4つの弾性部材77、少なくとも5つの弾性部材77、少なくとも6つの弾性部材77を有する。一実施形態では、弾性部材77は、外部カフの折り畳まれた縁部75と内部カフの材料縁部73との間に配設されてもよい。
【0070】
一実施形態では、内部バリアレッグカフ71は、内部カフの折り畳まれた縁部72の領域中で弾性部材78のアレイを備え、内部バリアレッグカフ71は、所望によって少なくとも1つの弾性部材78、少なくとも2つの弾性部材78、少なくとも3つの弾性部材78、少なくとも4つの弾性部材78、少なくとも5つの弾性部材78を備える。一実施形態では、弾性部材78は、内部カフの折り畳まれた縁部72と外部カフの材料縁部76との間に配設されてもよい。
【0071】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、内部カフの折り畳まれた縁部72及び内部カフの材料縁部73からなる内部バリアレッグカフ71を有する。脚部ガスケットシステム70は、外部カフの折り畳まれた縁部75及び外部カフの材料縁部76を備えた外部カフ74を更に備えてもよい。脚部ガスケットシステムは、内部バリアレッグカフ71を備える第1の材料及び外部カフ74を備える第2の材料を備えてもよい。第1及び第2の材料は、各材料の長手方向の縁部に沿って任意の好適な接合手段により重なり合わせて、一緒に接合されてもよい。一実施形態では、材料のウェブは横方向で内側に折り畳まれて、外部カフの折り畳まれた縁部75を形成し、並びに横方向で外側に折り畳まれて、内部カフの折り畳まれた縁部72を形成する。一実施形態では、外部カフ74の近位縁部は同一の広がりを有する。
【0072】
本発明の脚部ガスケットシステム70の1つの利点は、実質的に液体不透過性の材料をカフの構成で使用するとき、ポリマーフィルム層を狭くしても又は全く存在させなくともよく、より費用効果の高い設計を生む。高信頼性の加工を行う接着剤技術を使用することによって、より信頼性の高い性能が得られ、実質的に液体不透過性なシールが作られる。この技術は、重複する密閉部に対する必要性を低減することにより、フィルム層の狭化は、吸収性コアよりも若干広くする程度の狭化でよいことを可能する。
【0073】
本発明の一実施形態では、バックシートポリマーフィルムは、吸収性コアよりも約50mm未満広く、所望によって約40mm未満広く、約30mm未満広い。一実施形態では、バックシートポリマーフィルムはシャーシ幅よりも少なくとも約20mm狭く、所望によってシャーシ幅よりも少なくとも約40mm狭く、所望によってシャーシ幅よりも少なくとも約60mm狭く、所望によってシャーシ幅よりも少なくとも約80mm狭く、所望によってシャーシ幅よりも少なくとも約100mm狭く、所望によってシャーシ幅よりも少なくとも約120mm狭い。
【0074】
本発明の一実施形態では、不透明性強化パッチ80が含まれてもよい。不透明性強化パッチ80は材料の追加の層である。不透明性強化パッチ80は、脚部ガスケットシステム70、ポリマーフィルム層、又はバックシート26に接続されてもよい。不透明性強化パッチ80は、物品の第1の腰部領域36、第2の腰部領域38、又は第1の腰部領域36及び第2の腰部領域38の両方のいずれかでバックシート26と脚部ガスケットシステム70との間に配設されてもよく、不透明性強化パッチ80は、脚部ガスケットシステム70又はポリマーフィルム層の少なくとも1つと重なってもよい。適用工程又は着用時に生じる荷重を、物品の横方向の縁部から脚部ガスケットシステム70及び/又はポリマーフィルム層に移すことができるように、不透明性強化パッチ80は、接着剤、機械的接合、サーマルボンドなどの任意の好適な手段を用いて脚部ガスケットシステム70又はポリマーフィルム層の一方又は両方に取り付けられてもよい。不透明性強化パッチは、物品の適用及び着用時の過度の延伸の防止に必要とされる強度を付与するのに有用であり、使用者の皮膚が物品を通して透けて見えるのを防止するために側面及び腰部において不透明性を付与してもよい。したがって、パッチ80は、強度及び不透明性が望ましい、シャーシの任意の部分に配置されてもよい。不透明性強化パッチとして機能するのに好適な材料には、少なくとも約10gsm、少なくとも約15gsm、少なくとも約25gsmの坪量を有する材料が挙げられる。本明細書で有用な不透明性強化パッチは、次の横方向の引っ張り特性を呈してもよい:2.54cm(1インチ)幅の試料に対して2%エンジニアリング歪みにおいて0.4N;2.54cm(1インチ)幅の試料に対して5%エンジニアリング歪みにおいて、1.25N;2.54cm(1インチ)幅の試料に対して10%エンジニアリング歪みにおいて、2.5N。この明細書で有用な1つの不透明性強化パッチは、Pegas(Znojmo,CZ)から供給元番号803968として入手可能である。
【0075】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70の材料は実質的に液体不透過性材料から作製される。材料は、SMS不織布材料、SMS不織布材料、又は「N−繊維」を含む不織布成分層からなる群から選択されてもよい。
【0076】
種々の不織布繊維ウェブは、スパンボンド、メルトブロー、スパンボンド熱可塑性物質(例えば、ポリオレフィン)の外層及びメルトブローン熱可塑性物質の内層を備えるスパンボンド(「SMS」)ウェブを備えてもよい。本発明の一実施形態では、脚部ガスケッティングカフ70は、他の不織布成分層に添加されるか又はそれと他の方法で組み込まれて、材料の不織布ウェブを形成する、1マイクロメートル未満の平均直径の細い繊維(「N−繊維」)を有する不織布成分層(「N−繊維層」)を含む。いくつかの実施形態では、N−繊維層は、例えば、SNS不織布ウェブ又はSMNS不織布ウェブを生産するために使用されてもよい。N−繊維は、国際公開第2005/095700号及び米国特許出願第13/024,844号で更に述べられている。
【0077】
一実施形態では、吸収性物品は、米国特許第7,750,203号、同第7,744,576号、及び米国特許出願公開第2008/0312617(A1)号で記述されている、実質的にセルロースを含まない吸収性コア28を備える。好適な吸収性コアの実施例の断面図は、
図6〜
図8に概略的に示されている。一実施形態では、吸収性コア28は、材料の第1の層281及び第2の層282、並びに第1の層281及び第2の層282との間に配置された吸収性材料283を含む。一実施形態では、材料の第1の層及び第2の層は、不織布繊維ウェブ、織布繊維ウェブ、及び熱可塑性接着剤材料の層のうちの少なくとも1つから選択される材料であってもよい。第1の層及び第2の層は、同じ材料から作製されてもよいが、一実施形態では、第1の層281は不織布繊維ウェブであり、第2の層282は、熱可塑性接着剤材料の層である。不織布繊維ウェブ281は、合成繊維、例えばPE、PET、及びPPの単一構成要素繊維、多構成要素繊維、例えばサイドバイサイド、コア/シース、又はアイランド・イン・ザ・シー型の繊維を含み得る。かかる合成繊維は、スパンボンド法又はメルトブロー法により形成されてもよい。不織布繊維ウェブ281は、繊維の単一層を含んでもよいが、それはまた、多層の繊維、例えば多層のスパンボンド繊維、多層のメルトブロー繊維、又はスパンボンドとメルトブロー繊維の多数の層の組み合わせを有する不織布ウェブを提供することが有利であり得る。一実施形態では、不織布ウェブ281は、ウェブの繊維の表面エネルギーを増加させる剤(例えば界面活性剤)で処理可能である。このような剤は、不織布ウェブを尿などの液体に対して高透過性にする。他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの繊維の表面エネルギーを低下させる剤(例えばシリコーン)で処理可能である。このような剤は、不織布ウェブを尿などの液体に対して低透過性にする。
【0078】
第1の層281は、第1の表面2811及び第2の表面2812を含み、第1の表面の少なくとも領域2813は、有意な量の吸収性材料283と直接面する関係にある。一実施形態では、吸収性材料は、有意な量の吸収性高分子材料283と直接面する関係である、第1の層281上の領域2813、及びほんのわずかな量の吸収性材料とのみ面する関係にある第1のウェブ上の領域2814を形成するためのパターンとして第1の表面2811上に堆積される。「有意な量の吸収性材料に直接面する関係」とは、一部の吸収性材料が、少なくとも100g/m
2、少なくとも250g/m
2、又は更には少なくとも500g/m
2の坪量で領域2813の上面に堆積されるという意味である。パターンは、全てが同じ形状及び寸法(すなわち突出した表面積及び/又は高さ)有する領域を有してもよい。代替としては、パターンは、領域の勾配を形成するために異なる形状又は寸法を有する領域を含んでもよい。
【0079】
一実施形態では、第2の層282は、熱可塑性接着剤材料の層である。「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、それから繊維が形成され、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において吸収性材料を不動化する目的で吸収性材料に塗布されるポリマー組成物であると理解される。熱可塑性接着剤材料の非限定的な例は、単一の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドを含んでもよい。熱可塑性接着剤材料は、また、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤と組み合わせで含むホットメルト接着剤であってもよい。しかるべき実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には、10,000よりも大きい分子量(Mw)、及び通常室温よりも低いか又は−6℃>Tg<16℃であるガラス転移温度(Tg)を有する。しかるべき実施形態では、ホットメルト中のポリマーの一般的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲である。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む(スチレン)ブロックコポリマーであり、ただしAブロックは、一般的にポリスチレンからなる非エラストマーポリマーブロックであり、Bブロックは不飽和共役ジエン又はその(部分)水素添加物である。Bブロックは、典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、単一サイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるポリマーである、メタロセンポリオレフィンである。代表的な実施形態では、粘着付与樹脂は、一般に、5,000未満の分子量(Mw)、及び通常、室温よりも高いTgを有し、ホットメルト中の樹脂の一般的な濃度は約30〜約60重量%の範囲であり、可塑剤は一般的には1,000未満の低い分子量(Mw)及び室温よりも低いTgを有し、典型的な濃度は約0〜約15%である。
【0080】
熱可塑性材料282は、吸収性材料283内に実質的に均一に堆積されてもよい。代替としては、熱可塑性材料282は、吸収性材料283の上面、及び僅かな量の吸収性材料とのみ面する関係にある第1の表面2811の領域2814上に配置される繊維層として提供可能である。一実施形態では、熱可塑性接着材料は、1〜20g/m
2、1〜15g/m
2、又は更に2〜8g/m
2の量で適用される。第1の層281上での吸収性材料の不連続な堆積は、熱可塑性材料282の繊維層に本質的に三次元構造を付与する。換言すれば、熱可塑性接着材料の層は、第1の不織布層ウェブ281上に堆積された吸収性材料283及びわずかな量の吸収性材料のみを含む領域2814から生成するトポグラフィに従う。理論に束縛されることを意図しないが、本明細書に開示される熱可塑性材料は、乾燥及び湿潤状態における吸収性材料の固定を増強する。
【0081】
一実施形態では、吸収性コア28は、不織布繊維材料284の第2の層を更に含んでもよい。第2の層は、不織布繊維層281として同じ材料から提供されてもよく、又は代替としては異なる材料から提供されてもよい。異なる機能性を備えるこれらの層を提供するために、第1の不織布繊維層281及び第2の不織布繊維層284が異なっているということは有利であり得る。
【0082】
領域2813は、吸収性コアのx−y次元に任意の好適な形状を有してもよい。一実施形態では、領域2813は、第1のウェブ281の第1の表面上に広がる円板のパターンを形成する。一実施形態では、領域2813は、吸収性コアの横軸に沿って(すなわち、y次元に沿って)連続的に延在する、長手方向の「細片」のパターンを形成する。代替の実施形態では、これらの細片は、吸収性物品の長手方向軸に対して、10〜90度の間、20度〜80度の間、30度〜60度の間、又は更には45度の角度を形成するように配置されてもよい。
【0083】
一実施形態では、前述のとおり、有意な量の吸収性材料283と直接面する関係にある領域2843、及びわずかな量の吸収性材料とのみ面する関係にある、第1の表面2841上の領域2844のパターンを形成するために、第2の不織布層284は、第1の表面2841及び第2の表面2842、並びにその第1の表面2841に適用される吸収性材料283を有する。一実施形態では、第1のウェブ/吸収性材料/熱可塑性材料複合体との関連において前述したとおり、熱可塑性接着剤材料285は、第2の不織布層284の上面に更に適用されてもよい。次いで、第2の不織布層284は、第1の不織布層281の上面に適用されてもよい。一実施形態では、第2の不織布層284上に存在する吸収性材料のパターンは、第1の不織布層281上に存在する吸収性材料のパターンと同一であってもよい。他の実施形態では、第1及び第2の不織布層上に存在する吸収性材料のパターンは、領域の形状、領域の突出した表面積、領域上に存在する吸収性材料の量、及び領域上に存在する吸収性材料のタイプの少なくとも1つの形で異なる。
【0084】
吸収性コア28はまた、図面に図示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性材料の接着、及び対応する不織布層281、284への熱可塑性材料282、285の接着を向上させるために、補助的な接着剤が、吸収性材料283の適用前に第1の不織布層281及び第2の不織布層284の少なくとも1つ、又は更には両方上に堆積されてもよい。補助の接着剤は、また、吸収性材料の固定化を助けることもでき、上述のものと同じ熱可塑性接着剤材料を含んでもよく、又は限定ではないが、H.B.Fuller Co.(St.Paul,MN)製品番号HL−1620−Bのような噴霧可能なホットメルト接着剤を含む、他の接着剤を含んでもよい。補助接着剤は、あらゆる好適な手段によって不織布層281、284に塗布されてもよいが、しかるべき実施形態によると、約0.5〜約1mm弛緩した幅約0.5〜約2mmのスロットに塗布されてもよい。好適な吸収性材料283の非限定的な実施例には、吸収性高分子材料、遠心分離保持容量試験(Edana 441.2−01)を使用して測定したときに、0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋高分子材料などの吸収性高分子材料が挙げられる。一実施形態では、吸収性材料283は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性高分子材料である。
【実施例】
【0085】
【表1】
(1)フィリッピンからのAnerleテープ式おむつ、Lサイズ(9〜13kg)、SKU 90324495220、ロット20121009 WP071157C9236;緑色フォームを挟んだウエストバンド
(2)北米からのParents Choiceテープ式おむつ(2)、ロット9344 M02 1759 S−1855;白色フォームを挟んだウエストバンド
(3)日本からのMoonyテープ式おむつ、ロット910193071;緑色フォームを挟んだウエストバンド
(4)Huggies Baby Steps(US、1991)、サイズ4、ロット3U251910248;青色フィルム中の白色フォームを挟んだウエストバンド
(5)Huggies Supreme 2001、サイズ4、ロットNM127501F0755;白色フィルム中の小デニールの弾性ストランド付きの緑色不織布ウエストバンド
(6)Drypers(US)、Lサイズ、9/8/1998;白色フォームを挟んだウエストバンド白色フィルム
【0086】
【表2】
A−組み込み伸び:150%;ウエストバンド歪み:150%;デルタ前部/後部組み込み伸び:0
B−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:200%;デルタ前部/後部組み込み伸び:0
C−組み込み伸び:150%;ウエストバンド歪み:130%;デルタ前部/後部組み込み伸び:20
D−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:180%;デルタ前部/後部組み込み伸び:20
E−組み込み伸び:150%;ウエストバンド歪み:110%;デルタ前部/後部組み込み伸び:40
F−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:160%;デルタ前部/後部組み込み伸び:40
G−組み込み伸び:150%;ウエストバンド歪み:100%;デルタ前部/後部組み込み伸び:50
H−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:140%;デルタ前部/後部組み込み伸び:60
I−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:120%;デルタ前部/後部組み込み伸び:80
J−組み込み伸び:200%;ウエストバンド歪み:100%;デルタ前部/後部組み込み伸び:100
【0087】
【表3】
(7)Huggies Snug & Dry、サイズ4;Lot No.BI 103108B
(8)Huggies Little Movers、サイズ3;Lot No.BI
024610B
(9)Huggies Overnight、サイズ4;Lot No.PA 027104F
K
(比較例)−75%組み込み伸び及び75%ウエストバンド歪み
L
(比較例)−150%組み込み伸び及び75%ウエストバンド歪み
M−225%組み込み伸び及び75%ウエストバンド歪み
N−300%組み込み伸び及び75%ウエストバンド歪み
O
(比較例)−375%組み込み伸び及び75%ウエストバンド歪み
【0088】
【表4】
P−150%組み込み伸び、75%ウエストバンド歪み
R−150%組み込み伸び、75%ウエストバンド歪み
Q−150%組み込み伸び、75%ウエストバンド歪み
【0089】
試験方法
シャーシ収縮方法
±1mmまで測定可能な較正した物差し(NISTなどの国内標準により追跡可能)、及び500gの印加した力を±0.5gまで正確に測定可能な力ゲージ(好適なゲージはAmtek(Largo,FL)から入手可能なChatillon DFSシリーズである)を用いて、シャーシ収縮を測定する。接触面60mm幅×10mm深さのスプリング付きクランプを力ゲージに取り付けて、試験物品を保持する。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された調湿室内で行なわれる。試験前に全ての試料を約23±2℃及び約50±2%相対湿度で2時間調湿した。
【0090】
この測定のために、シャーシは、同一広がりのバックシート付きの物品の一部分として識別され、いかなる付属のタブ又は付属の弾性タブ/耳を含むものでない。腰部形状物を延伸しないように注意を払って、吸収性物品を広げる。バックシートがベンチに面し、トップシートが上方に面するように、吸収性物品を水平なベンチ表面上に置く。存在するならば、物品の後半分に取り付けられたいかなるタブ又は耳も広げて、平らに横たえる。物品の後部腰部形状物を識別する。物品をベンチに対して平らにして、腰部形状物の横方向の中心線と位置合わせしながら物品に沿って較正した物差しを当てる。シャーシの右遠位縁からシャーシの左遠位縁までの横方向の距離を測定し、1mmの単位で記録する。これが弛緩後部シャーシ幅(RBCW)である。
【0091】
力ゲージをシャーシの右遠位縁に取り付ける。取り付けるとき、力ゲージを左から右に引っ張るような向きとする。掴み手面は物品の長手方向の軸に平行であり、腰部形状物の横方向の中心線に中心を有し、シャーシの3mmを掴み手面内に置く。
【0092】
幅50mm×長さ900mmの両面接着テープ片をベンチに接着する。物品をテープの付いた表面に向けてたバックシートにより保持し、後部腰部をテープの長手寸法に平行にする。腰部形状物の横方向の中心線をテープ細片の横方向の中心線と位置合わせする。左シャーシ縁の最初の3mmを接着テープに固定する。力ゲージを用いて、後部腰部を500gの印加した力まで延伸する。次に、物品を下し、シャーシの横幅にわたって物品の後腰部を接着テープに接着する。力ゲージをシャーシから取り外す。腰部形状物の横方向の中心線に沿って位置合わせをしながら、物品に定規をあてがう。シャーシの右遠位縁からシャーシの左遠位縁までの横方向の距離を測定し、1mmの単位で記録する。これが延伸後部シャーシ幅(EBCW)である。
【0093】
この測定を物品の前部腰部形状物に対して類似の方法で繰り返して、弛緩前部シャーシ幅(RFCW)及び延伸前部シャーシ幅(EFCW)を求める。シャーシ収縮を次のように計算する:
%後部シャーシ収縮(%BCC)=(EBCW−RBCW)/EBCW×100
%前部シャーシ収縮(%FCC)=(EFCW−RFCW)/EFCW×100
前部−後部のデルタシャーシ収縮=(%BCC−%FCC)の絶対値
【0094】
腰部形状物キャリパー
0.01mmまで測定可能なOno Sokkiデジタルキャリパー(DG−3610デジタルゲージ付GS−503リニアゲージセンサ(株式会社小野測器、日本))を用いて、キャリパー測定を行う。脚部直径は1cmであり、印加圧力は3.45kPa(0.5psi)である。5秒の滞留時間の後読み取る。±1mmまで測定可能な較正した物差し(NISTなどの国内標準により追跡可能)を用いて、直線的な測定を行う。均一に1.5mm厚±0.1mm、20cm幅及び40cm長のステンレススチール板を、延伸した腰部を載せるのに使用する。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された調湿室内で行なわれる。試験前に全ての試料を約23±2℃、及び約50±2%相対湿度で、2時間調湿する。
【0095】
弛緩腰部キャリパー
腰部形状物を延伸しないように注意を払って、吸収性物品を広げる。バックシートがベンチに面し、トップシートが上方に面するように、吸収性物品を水平なベンチ表面上に置く。存在するならば、物品の後半分に取り付けられたいかなるタブ又は耳も広げて、平らに横たえる。物品の後部腰部形状物を識別する。較正した物差しを用いて、腰部形状物の横方向の幅をその中心線に沿って測定する。これが腰部形状物の弛緩長さ(RWL)である。腰部形状物を横方向の幅の50%でその中心線に沿ってマークする。これが腰部部位1(WS1)である。第1が50%マーク(WS2)の左1.5cmであり、第2が50%マーク(WS3)の右1.5cmである、更に2つの部位を測定し、マークする。
【0096】
アンビル上にキャリパーを置き、デジタルコントローラーをゼロにする。アンビル上に物品を置き、トップシートを上方に向け、キャリパーを使用して、厚さをWS1、WS2、及びWS3において測定する。弛緩腰部キャリパーRWC1、RWC2、及びRWC3として0.01mmの単位で報告する。
【0097】
低温凍結スプレー(Control Company(TX)からCytoFreezeとして入手可能)を用いて、弾性形状物を物品から穏やかに取り出す。アンビル上に物品を置き、トップシートを上方に向け、キャリパーを使用して、厚さをWS1、WS2、及びWS3に対応する物品の厚さを測定する。弛緩バックシートキャリパーRBC1、RBC2、RBC3として0.01mmの単位で報告する。
【0098】
腰部形状物キャリパーを以下のとおり計算する:
弛緩腰部形状物キャリパー=[(RWC1−RBC1)+(RWC2−RBC2)+(RWC3−RBC3)]/3
【0099】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均を0.01mmの単位で報告する。
【0100】
延伸腰部キャリパー
腰部形状物を延伸しないように注意を払って、吸収性物品を広げる。水平な棒を支持する垂直なリングスタンドを組み立てる。スプリング付きクランプを腰部形状物を中心にしてシャーシの左の縁に取り付ける。腰部形状物が垂直に懸かるように、クランプを水平な支持具に取り付ける。300g±1gの質量を有する第2のクランプを腰部形状物の中心線を中心にしてシャーシの右の縁に取り付ける。物品を30秒間懸け、次いで較正した物差しを用いて、腰部形状物の延伸した長さを1mmの単位で測定する。これがシャーシ延伸長さ(CEL)である。CELを全ての延伸腰部測定に使用することができる。
【0101】
腰部形状物を延伸しないように注意を払って、吸収性物品を広げる。バックシートがベンチに面し、トップシートが上方に面するように、吸収性物品を水平なベンチ表面上に置く。存在するならば、物品の後半分に取り付けられたいかなるタブ又は耳も広げて、平らに横たえる。物品の後部腰部形状物を識別する。較正した物差しを用いて、腰部形状物の横方向の幅をその中心線に沿って測定する。これが腰部形状物の弛緩長さ(RWL)である。腰部形状物を横方向の幅の50%でその中心線に沿ってマークする。これが腰部部位1(WS1)である。第1が50%マーク(WS2)の左1.5cmであり、第2が50%マーク(WS3)の右1.5cmである、更に2つの部位を測定し、マークする。腰部形状物の近位縁、すなわち物品の股部に最も近い縁を識別する。股部に向かい、かつ腰部形状物に平行な近位縁から1.5cmに横線をマークする。WS1を通る長手方向の軸に沿って、今引いた横線(AS1)の交差点をマークする。WS2及びWS3に対して類似の方法で繰り返して、部位AS2及びAS3を定義する。
【0102】
物品、上方に向いたトップシートをステンレススチール板上に置く。腰部形状物の中心線でシャーシの左遠位縁を接着テープによりスチール板に固定する。シャーシの右側を掴み、腰部形状物がシャーシ延伸長さ(CEL)と等しく延伸されるまで引っ張る。シャーシの右側を接着テープによりスチール板に固定する。
【0103】
付属物品付きスチール板をキャリパーのアンビル上に置く。物品により被覆されないスチール板の領域上にキャリパー脚部を置き、デジタル制御をゼロとする。キャリパーを用いて、厚さを6つのマークした部位で測定する。延伸腰部キャリパーEWC1、EWC2、及びEWC3として0.01mmの単位で報告する。低温凍結スプレーを用いて、物品から弾性形状を穏やかに取り出す。キャリパーのアンビル上に付属物品付きのスチール板を置き、WS1、WS2及びWS3に対応する部位における物品の厚さを測定する。延伸バックシートキャリパーEBC1、EBC2、EBC3として0.01mmの単位で報告する。
【0104】
腰部形状物キャリパーを次のように計算する:
延伸腰部形状物キャリパー=[(EWC1−EBC1)+(EWC2−EBC2)+(EWC3−EBC3)]/3
【0105】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均を0.01mmの単位で報告する。
【0106】
腰部形状物パーセント圧密化
±1mmまで測定可能な較正した物差し(NISTなどの国内標準により追跡可能)を用いて、直線的な測定を行う。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された調湿室内で行なわれる。試験前に全ての試料を約23±2℃、及び約50±2%相対湿度で、2時間調湿する。
【0107】
腰部形状物を延伸しないように注意を払って、吸収性物品を広げる。バックシートがベンチに面し、トップシートが上方に面するように、吸収性物品を水平なベンチ表面上に置く。存在するならば、物品の後半分に取り付けられたいかなるタブ又は耳も広げて、平らに横たえる。物品の後部腰部形状物を識別する。較正した物差しを用いて、腰部形状物の横方向の幅をその中心線に沿って測定し、1mmの単位で報告する。これが腰部形状物(RWL)の弛緩長さである。
【0108】
低温凍結スプレー(Control Company(TX)からCytoFreezeとして入手可能)を用いて、物品から弾性形状物を穏やかに取り出す。腰部形状物を100mLのジクロロメタンと共にビーカーに入れ、15分間浸漬して、接着剤を溶解する。腰部形状物を溶剤から取り出し、弾性体を除去する。腰部形状物基材をドラフト中で平らに横たえ、乾燥する。水平な棒を支持する垂直なリングスタンドを組み立てる。腰部形状物と少なくとも同じ幅のスプリング付きクランプを腰部形状物の左の縁に取り付ける。腰部形状物が垂直に懸かるように、クランプを水平な支持具に取り付ける。3g±1gの質量を有し、腰部形状物と少なくとも同じ幅の第2のクランプを腰部形状物の右の縁に取り付ける。物品を30秒間懸け、次いで較正した物差しを用いて、腰部形状物の延伸した長さを1mmの単位で測定する。これが延伸腰部形状物長さ(EWL)である。
【0109】
完全ウエストバンド圧密化を以下のとおり計算する:
%完全ウエストバンド圧密化=(EWL−RWL)/RWL×100
【0110】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均を1mmの単位で報告する。
【0111】
延伸ウエストバンド圧密化を以下のとおり計算する:
%延伸ウエストバンド圧密化=(EWL−RWL)/RWL×100−(1−((CEL−RWL)/CEL)
*100)
【0112】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均を1mmの単位で報告する。
【0113】
テープ式おむつ製品上のウエストバンド及び外部レッグカフギャザーの周波数
おむつのCD及びMD両方のウエストバンドの視覚の中で、テープの付いた端(TE)及びテープの付いていない端(UTE)上の30mm当たりのギャザーの数を報告する。
図10に示すように、測定用テンプレートを所定の位置に保持し、次いでテンプレート上の30mmの窓の中のギャザーピークを計数する。ギャザーを延伸しないことを確認する。これをテープの付いた端(TE)の内側及び外側の両方で行い、次いで製品のテープの付いていない端(UTE)の内側及び外側で繰り返す。30mmの中のギャザーの数を報告する。
【0114】
おむつのCD及びMD両方の脚部ガスケットシステムギャザーの視覚の中で、Baby
right及びBaby leftの両方の30mm当たりのギャザーの数を報告する。測定用テンプレートを所定の位置に保持し、次いでテンプレートの30mmの窓の中のギャザーピークを計数する。ギャザーを延伸しないようにする。これを製品のBaby right及びBaby leftの両方のCD及びMD両方で行う。30mmの中のギャザーの数を報告する。
【0115】
脚部ガスケットシステムギャザー数:ウエストバンドギャザー数の比を次のように計算する。
比=平均の脚部ガスケットシステムギャザー数/平均のウエストバンドギャザー数
【0116】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均として報告する。
【0117】
CD長さ比
CD長さ比はここで定義される、シャーシ延伸長さ(CEL):延伸後部シャーシ幅(EBCW)の比である。
【0118】
CD長さ比を次のように計算する:
CD長さ比=CEL/EBCW
【0119】
この手順を3つの同一の物品に対して繰り返し、平均として報告する。
【0120】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0121】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0122】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。