(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
≪第1の実施の形態≫
[概要]
第1の実施形態の送風装置は、特許文献1の送風装置と同様に、ファンの駆動により電子部品に送風し、ファンの停止時に電子部品の埃を清掃する装置である。本実施形態の送風装置は、ファンの駆動と停止(すなわち、送風による冷却と清掃)を繰り返す。
【0023】
但し、本実施形態の送風装置は、特許文献1の送風装置のようにファン停止後、一定時間待ってファンを駆動するのではなく、ファンの停止を確認(検知)すると、直ちにファンを駆動する。これにより、本実施形態の送風装置は、電子部品に送風されない時間を最小限に収め、電子部品の発熱を十分抑える。その結果、本実施形態の送風装置は、電子部品に埃が付着し続けることを防止すると共に、電子部品の発熱を十分に抑えることができる。
【0024】
[構成の説明]
まず、本発明の第1の実施の形態における送風装置の構成と機能について説明する。
【0025】
図2は、本実施形態の送風装置の構成例を示す図であり、
図3は、本実施形態の送風装置に対向する電子部品について説明する為の図である。
【0026】
(1)本発明の第1の実施の形態における送風装置の構成
本実施形態の送風装置は、
図2に示されるように、ファン1と、モータ部2と、制御部3と、電源4と、回転監視部5と、を備える。制御部3は、電源供給部30とカウント部31を備える。カウント部31は、カウンタ310と記憶部311を備える。モータ部2は、回転軸20を備える。
【0027】
本実施形態の送風装置は、電子部品71に対向する。電子部品71は、
図3に示されるように、ヒートシンクと一体となった電子部品である。
【0028】
以下、本実施形態の送風装置の各部の構成について説明する。
【0029】
(2)ファン1の構成
(2−1)ファン1の構成
図4は、本実施形態の送風装置に備わるファン1の構成例を示す図である。
【0030】
ファン1は、
図4の上図に示されるように、複数のプロペラ11と、ブラシ12と、軸受13と、磁石14と、を備える。
【0031】
ファン1は、回転軸20に嵌め込まれる。ファン1の軸受13の内径は、回転軸20の直径より数ミリ大きく、軸受13と回転軸20には潤滑油が十分に塗られている。これにより、特許文献1の冷却ファン91と同様、ファン1は、回転軸20に摺動自在に支持される。
【0032】
(2−2)回転軸に摺動自在に支持されることによるファン1の動作
ファン1は、回転軸20に摺動自在に支持されることで、特許文献1の冷却ファン91と同様の動作を行う。すなわち、ファン1は、高速回転すると、
図4の下図に示されるように、ファン1自身の風圧にて、モータ部2方向に移動する。ファン1は、回転を停止したときには、回転前の位置に戻る。戻ったときに、ブラシ12が電子部品71(ヒートシンク部分)に接触し、電子部品71(ヒートシンク部分)に付着した埃を清掃する。
【0033】
(3)モータ部2の構成
図5は、本実施形態の送風装置に備わるモータ部2の構成例を示す図である。
【0034】
モータ部2は、
図5に示されるように、一般的なモータ21と、信号発生回路22と、ストッパー23〜26と、を備える。モータ21は、回転軸20を備える。
【0035】
モータ21と信号発生回路22は、導線を介して電源供給部30と接続される。信号発生回路22は、制御部3のカウント部31と導線を介して接続される。
【0036】
ストッパー23、24は、ファン1が回転軸20上を移動してモータ部2に接触するのを抑える突起物である。ストッパー25、26は、移動するファン1が回転軸20から外れるのを抑える突起物である。ストッパー25、26は、ファン1が回転軸20に嵌め込まれた後に設けられてもよい。本実施形態の送風装置の製造者は、ファン1を回転軸20に嵌め込んだ後、はんだ付けによりストッパー25、26を回転軸20に接着してもよい。
【0037】
なお、図示していないが、ストッパー23、24は、回転軸20に嵌め込まれたファン1をストッパー25、26に押し付けるバネを備えるものとする。ファン1が停止しているときにはファン1をストッパー25、26側に移動させる為である。当該バネの弾性力は、ファン1の風圧よりも弱い。
【0038】
(4)制御部3の構成
制御部3は、モータ部2の駆動及び駆動停止を制御する機能部であり、上述の「(1)本発明の第1の実施の形態における送風装置の構成」で説明した通り、電源供給部30と、カウント部31と、を備える。
【0039】
制御部3の機能の詳細については、電源供給部30とカウント部31の機能も含め、後述の[動作の説明]にて説明する。
【0040】
(5)電源4について
電源4は、一般的な直流電源であり、導線を介して制御部3に接続される。
【0041】
(6)回転監視部5の構成
図6は、本実施形態の送風装置に備わる回転監視部5の構成例を示す図である。
【0042】
回転監視部5は、ファン1の回転停止を検知する機能部であり、
図6に示されるように、磁気センサ51と、マイコン52と、を備える。
【0043】
磁気センサ51は、ファン1と共に回転する磁石14が最も接近したときに、磁石14から磁気を受ける位置に備わる。磁気センサ51は、マイコン52と接続される。
【0044】
磁気センサ51、及びマイコン52の機能については、後述の[動作の説明]で詳細に説明する。
【0045】
(7)各部位の実現手段
ファン1は、一般的なプロペラ、軸受、ブラシ、及び磁石を用いて実現できる。ブラシは、オレフィン系の不織布であってもよい。モータ部2は、一般的なモータと、金属素材と、バネと、電子回路を用いて実現することができる。金属素材はストッパー用である。
【0046】
制御部3は、電子回路とRAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて実現することができる。電源4は、一般的な電源を用いて実現することができる。回転監視部5は、一般的な磁気センサ、マイコン、電子回路、及び電圧計を用いて実現することができる。
【0047】
[動作の説明]
図7は、本発明の第1の実施の形態における送風装置の動作を説明する為の図である。
図7を用いて、本実施形態の送風装置の詳細な動作を以下に説明する。なお、本実施形態の送風装置のファン1は、
図4の下図に示されるように、ブラシ12が電子部品71(ヒートシンク部分)に接触しているものとする。
【0048】
(1)ファン1の駆動
(動作概略)
まず、本実施形態の送風装置は、電源4から電源が供給されると、ファン1を駆動する。その為に、本実施形態の送風装置の制御部3とモータ部2が、以下の(動作詳細)に示す動作を行う。
【0049】
(動作詳細)
まず、本実施形態の送風装置は、電源スイッチを備え、当該スイッチがONされると、電源4から制御部3に直流電流が供給される。制御部3は、直流電流を供給されると、電源供給部30とカウント部31を起動する。
【0050】
制御部3のカウント部31は、起動すると、
図7に示されるように、カウンタ310の値を0に初期化する(S1)。
【0051】
さらに、制御部3のカウント部31は、ファン1を駆動する為、供給開始を示す信号を電源供給部30に出力する(S2)。電源供給部30は、
図2に示されるように、カウント部31に接続する機能部である。
【0052】
次に、図示していないが、電源供給部30は、供給開始を示す信号が入力されると、電源4から制御部3に供給されている直流電流をモータ部2に出力する。
【0053】
モータ部2に入力された直流電流は、
図5に示されるように、モータ部2のモータ21と信号発生回路22に入力される。
【0054】
次に、モータ部2のモータ21は、直流電流が入力されると駆動し、
図5、
図7に示されるように、回転軸20を回転させる(S3)。
【0055】
その結果、回転軸20上のファン1も回転し始める。ファン1が回転すると、対向する電子部品71に送風がされ、本実施形態の送風装置は、電子部品71の発熱を抑えることとなる。
【0056】
また、ファン1が回転したときは、ブラシ12が回転するので、本実施形態の送風装置は、電子部品71(ヒートシンク部分)に付着した埃を清掃する(S4)。ブラシ12が埃を清掃することを、以下、「クリーニング」という。
【0057】
さらに、ファン1は、高速回転すると、ファン1自身の風圧にて、回転軸20上のストッパー23、24の位置まで移動する(S5)。このとき、ブラシ12も、電子部品71から離れ、クリーニングが終了する。
【0058】
その後、本実施形態の送風装置は、ファン1からの送風により電子部品71を冷却する。送風により電子部品71(ヒートシンク部分)に埃が付着していく。
【0059】
(2)ファン1を停止する動作
(動作概略)
次に、本実施形態の送風装置は、ファン1を一定時間駆動したときは、ファン1を停止する。定期的に電子部品71(ヒートシンク部分)に付着した埃を清掃する為である。本実施形態の送風装置の各部位が、以下の(動作詳細)の通りに動作する。
【0060】
(動作詳細)
(2−1)ファン1を一定時間駆動したかを判別する動作
まず、信号発生回路22には、上述のS2の処理により直流電流が入力される。
【0061】
信号発生回路22は、直流電流が入力されると、所定時間後に、起動する。
【0062】
所定時間は、上述のS2〜S5の処理が実施される時間(以下、「処理実施時間」という)であり、本実施形態の送風装置の製造者によって信号発生回路22に設定される。本実施形態の送風装置の製造者は、処理実施時間を実測し、実測した時間を所定時間として信号発生回路22に設定してもよい。
【0063】
次に、信号発生回路22は、起動すると、所定のタイミング毎に、パルス信号を制御部3のカウント部31に出力する。
【0064】
上述の所定のタイミングは、一定間隔毎のタイミングであり、本実施形態の送信装置の製造者によって信号発生回路22に設定される。
【0065】
次に、制御部3のカウント部31は、パルス信号が入力されると、
図7に示されるように、カウンタ310の値を1つインクリメントする(S6)。
【0066】
さらに、制御部3のカウント部31は、インクリメントしたカウンタ310の値が、記憶部311に記憶される上限値より大きいか否かを判別する(S7)。
【0067】
記憶部311には、本実施形態の本実施形態の送信装置の製造者によって、カウンタ310の上限値が予め設定されている。S7の判別は、ファン1が一定時間駆動したかを判別するものである。
【0068】
次に、制御部3のカウント部31は、カウンタ310の値が上限値以下である場合(S7でNoの場合)、次にパルス信号が入力されるのを待つ。パルス信号が入力されると、制御部3のカウント部31は、再度、S6、S7を実施する。
【0069】
パルス信号は、一定間隔毎に入力されるので、やがてカウンタ310の値が上限値より大きくなる。
【0070】
(2−2)ファン1停止の検知開始を指示
制御部3のカウント部31は、カウンタ310の値が上限値より大きい場合(S7でYesの場合)には、まず、検知開始を示す信号を回転監視部5に出力する(S8)。
【0071】
当該信号が入力された回転監視部5の動作は、後述の「(3)回転監視部5がファン1の停止を検知する動作」で説明する。
【0072】
(2−3)ファン1の停止制御
次に、制御部3のカウント部31は、供給停止を示す信号を電源供給部30に出力する(S9)。一定時間駆動したファン1を停止する為である。
【0073】
次に、図示していないが、電源供給部30は、供給停止を示す信号が入力されると、電源4からの直流電流をモータ部2に出力するのを停止する。モータ部2のモータ21は、直流電流が入力されないので、回転軸20を回転させることができなくなる。その結果、回転軸20が停止し、回転軸20上のファン1は、惰性で回転する。
【0074】
風圧がなくなったファン1は、回転前の位置にやがて戻り、ファン1のブラシ12が電子部品71(ヒートシンク部分)に接触してクリーニングを行う(S10)。
【0075】
本実施形態の送風装置は、ファン1を停止することで、電子部品71に付着する埃を清掃することができる。
【0076】
S9を実施した制御部3のカウント部31は、ファン1が停止したことを示す信号(以下、「停止信号」という)が回転監視部5から入力されたか否かを判別する(S11)。
【0077】
回転監視部5は、ファン1の停止を検知する機能部であり、ファン1の停止を検知したときには、停止信号を出力する。ここでは、ファン1はまだ惰性で回転しており、回転監視部5が、停止信号を出力していないものとして説明を続ける。その場合(S11でNoの場合)、制御部3のカウント部31は、S11の判別を繰り返す。
【0078】
なお、上述のS11の判別は、具体的には、以下の通りに行われる。
【0079】
まず、制御部3のカウント部31は、レジスタを備え、停止信号が入力されると、レジスタに値8を書き込むライト機能を備える。制御部3のカウント部31は、上述のライト機能を、他の機能よりも優先して行う。レジスタの初期値は0である。制御部3のカウント部31は、S11として、レジスタの値が値8であるか否かを判別する。
【0080】
(3)回転監視部5がファン1の停止を検知する動作
ここで、回転監視部5の動作について説明する。
【0081】
(動作概略)
回転監視部5は、検知開始を示す信号が入力されると、ファン1の停止を検知する機能(マイコン52)を起動し、当該機能によりファン1の停止が検知されたときには、停止信号を出力する。
回転監視部5の動作の詳細を、以下の(動作詳細)に説明する。
【0082】
(動作詳細)
回転監視部5は、検知開始を示す信号が入力されると、マイコン52を起動する。マイコン52は、磁気センサ51からの電気信号を受信する。
【0083】
(3−1)磁気センサ51について
磁気センサ51は、磁石14からの磁気を検出し、その大きさに比例した電気信号を出力するホールセンサである。磁気センサ51は、ファン1が回転し、一緒に回転する磁石14が接近したときは、H(ハイ)レベルの電気信号を出力する。磁石14が離れていくと、磁気センサ51は、L(ロー)レベルの電気信号を出力する。ファン1が連続して回転するとき、磁気センサ51は、
図6の(回転時)上に示されるように、Hレベル→Lレベル→Hレベル→…を繰り返す連続した電気信号(以下、「回転信号」という)を回転監視部5のマイコン52に出力する。なお、ファン1が停止するときには、磁石14も動かないので、磁気センサ51は、連続してLレベルの電気信号、若しくは連続してHレベルの電気信号をマイコン52に出力する。Hレベルの電気信号は5Vの電気信号であってもよく、Lレベルの電気信号は0Vの電気信号であってもよい。
【0084】
(3−2)ファン1の停止を検知する機能
回転監視部5のマイコン52は、起動した後、磁気センサ51から受信する電気信号を用いてファン1の停止を検知する。具体的には、回転監視部5のマイコン52は、監視開始を示す信号が入力されると、所定のタイミング毎に、磁気センサ51から入力される回転信号のレベルが所定時間連続してHレベルのままか、若しくは所定時間連続してLレベルのままか否かを判別する。
【0085】
回転監視部5のマイコン52は、磁気センサ51との間に電圧計を備え、当該電圧計により回転信号のレベルを測定してもよい。上述の所定のタイミングは、一定間隔毎のタイミングであり、本実施形態の送信装置の製造者によってマイコン52に予め設定される。所定時間も、本実施形態の送信装置の製造者によってマイコン52に予め設定される。
【0086】
回転監視部5のマイコン52は、回転信号のレベルが所定時間連続してHレベルのままか、若しくは所定時間連続してLレベルのままの場合には、停止信号を回転監視部5に出力する。
【0087】
(3−3)ファン1の停止の検知を通知する機能
回転監視部5は、マイコン52が停止信号を出力すると、当該停止信号を制御部3のカウント部31に出力する。
【0088】
上述の回転監視部5の動作により、ファン1が停止したことが、停止信号として制御部3のカウント部31に通知される。回転監視部5は、停止信号を出力した後は、マイコン52をスリープ状態とし、次に検知開始を示す信号が入力されるのを待つ。
【0089】
(3−4)マイコン52の動作について
回転監視部5のマイコン52は、回転信号のレベルが所定時間連続してHレベルではない、若しくは所定時間連続してLレベルのままではない場合には、ファン1が回転しているものとして、次の所定のタイミングを待つ。
【0090】
なお、マイコン52とカウント部31が接続され、マイコン52からカウント部31に停止信号が直接通知されてもよい。
【0091】
(4)ファン1の停止が確認(検知)され次第、ファン1を再駆動する動作
(動作概略)
回転監視部5のマイコン52がファン1の停止を検知すると、本実施形態の送風装置は、直ちにファン1を再駆動する。これにより、電子部品に送風されない時間を最小限に収め、電子部品の発熱を十分抑えることができる。上述の動作は、本実施形態の送風装置の各部位が、以下の(動作詳細)の通りに動作することで実現される。
【0092】
(動作詳細)
まず、制御部3のカウント部31は、上述のS11で停止信号が回転監視部5から入力されるのを待っている。具体的には、制御部3のカウント部31は、自身に備わるレジスタの値が値8となるのを待っている。
【0093】
ここで、惰性で回転していたファン1が停止したとする。そのとき、回転監視部5のマイコン52は、「(3−3)マイコン52の動作」で説明した動作により、停止信号を出力する。その結果、制御部3のカウント部31に、停止信号が回転監視部5から入力される。
【0094】
制御部3のカウント部31は、上述のS11の判別において、停止信号が回転監視部5から入力されたと判別する。具体的には、制御部3のカウント部31は、レジスタの値が値8となったと判別する。
【0095】
制御部3のカウント部31は、レジスタの値が値8の場合(S11でYesの場合)、すなわち停止信号が回転監視部5から入力された場合には、まず、レジスタの値を0に初期化する(S12)。
【0096】
そして、制御部3のカウント部31は、ファン1を再度駆動する為、直ちにS1及びS2の処理を実施し、供給開始を示す信号を電源供給部30に出力する(S2)。
【0097】
これにより、モータ部2がS3〜S4の処理を実施し、ファン1が再度駆動する。その結果、電子部品71への送風が再開する。
【0098】
本実施形態の送風装置は、停止が確認(検知)され次第、速やかにファン1を駆動し、電子部品71に送風されない時間を最小限に収めるので、電子部品71の発熱を十分抑えることができる。
【0099】
(5)動作のバリエーション
図8は、本実施形態の送風装置に備わるモータ部2のその他の構成例を示す図である。
【0100】
上記では、モータ部2の信号発生回路22は、一定時間毎にパルス信号を出力した。モータ部2の信号発生回路22は、ファン1が1回転する毎に、パルス信号を出力してもよい。本実施形態の送風装置は、時間ではなく、ファン1の回転数に基づいてファン1の停止を実施してもよく、それを実現する為である。
【0101】
信号発生回路22がファン1の回転毎にパルス信号を出力できるよう、モータ部2は、
図8に示されるように、磁石14と、磁気センサ51と、マイコン27と、を備える。磁石14は、回転軸20上に備わる。磁気センサ51は、回転軸20と共に回転する磁石14が最も接近したときに、磁石14から磁気を受ける位置に備わる。磁気センサ51とマイコン27は、図示していないが、電源供給部30と接続され、電源供給部30から直流電流が入力されると起動する。
【0102】
信号発生回路22は、直流電流が入力されたとき、監視開始を示す信号をマイコン27に出力する。マイコン27は、監視開始を示す信号が入力されると、磁気センサ51から入力される電気信号がHレベル→Lレベル→Hレベルと遷移する毎に、ファン回転を示す電気信号を信号発生回路22に出力する。信号発生回路22は、ファン回転を示す電気信号が入力される毎に、パルス信号をカウント部3のカウント部31に出力する。その結果、制御部3のカウント部31は、ファン1が1回転する毎に、カウンタ310をカウントアップすることができる。カウンタアップされたカウンタ310は、上述のS7の処理にて使用される。制御部3のカウント部31は、S7の処理においてカウンタ310の値(ファン1の回転数)が、記憶部311に記憶される上限値よりも大きいときに、S8、S9の処理を実施し、ファン1を停止する。本実施形態の送風装置は、ファン1の回転数に基づいてファン1の停止を実施する。
【0103】
[効果の説明]
本実施形態によれば、送風装置は、対向する電子部品(ヒートシンク部分)に埃が付着し続けることを防止すると共に、当該電子部品の発熱を十分抑えることができる。
【0104】
なぜならば、本実施形態の送風装置は、停止時に電子部品の埃を清掃するファンを備え、当該ファンの駆動と停止を繰り返すことで電子部品に埃が付着することを防止すると共に、ファンの停止を検知次第、速やかにファンの駆動を再開するからである。その結果、本実施形態の送風装置は、電子部品に送風されない時間を最小限に収め、電子部品の発熱を十分抑えることができる。すなわち、本実施形態の送風装置は、電子部品に埃が付着し続けることを防止すると共に、電子部品の発熱を十分抑えることができる。
【0105】
≪第2の実施の形態≫
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0106】
モータ21の駆動が停止してから、惰性で回転するファン1が停止するまでの時間(以下、「停止時間」という)は一定である。そこで、第2の実施形態の送風装置は、モータ21の駆動を停止した後、一定時間(具体的には停止時間)経過したときに、ファン1を再駆動する。その結果、第2の実施形態の送風装置は、ファン1が停止したタイミングにファン1を再駆動することができる。
【0107】
第2の実施形態の送風装置は、第1の実施形態の送風装置の変形例である。第2の実施形態の送風装置の構成と動作を以下に説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態における送風装置の構成例を示す図である。
【0108】
[構成の説明]
(1)第2の実施形態の送風装置の構成
第2の実施形態の送風装置は、
図9に示されるように、制御部3の代わりに、制御部6を備える。制御部6は、カウント部31の代わりに、カウント部61を備える。カウント部61は、時間計測部611を備える。
【0109】
時間計測部611には、モータ21の駆動が停止してから、(惰性で回転する)ファン1が停止するまでの停止時間が、本実施形態の送風装置の製造者によって予め設定される。具体的には、時間計測部611には、カウント部61がS9を実施して供給停止を示す信号を出力した時からファン1が停止した時までの停止時間が、本実施形態の送風装置の製造者によって設定される。本実施形態の送風装置の製造者は、上述の停止時間を実測して時間計測部611に設定する。
【0110】
なお、第2の実施形態の送風装置は、回転監視部5の機能を使用しない為、回転監視部5を備えなくてもよい。
【0111】
上述した以外の構成は、第1の実施の形態における送風装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。時間計測部611は、マイコンと、RAM等のメモリと、電子回路を用いて実現することができる。
【0112】
[動作の説明]
次に、本実施形態の送風装置の動作を説明する。
図10は、本発明の第2の実施の形態における送風装置の動作を説明する為の図である。
【0113】
まず、本実施形態の送風装置は、
図10に示されるように、上述のS1〜S7を実施する。
【0114】
次に、本実施形態の送風装置は、上述のS7において、カウンタ310の値が、記憶部311に記憶される上限値より大きいと判別した場合(S7でYesの場合)には、S9の処理を実施し、供給停止を示す信号を電源供給部30に出力する(S9)。
【0115】
S9の処理により、モータ21の駆動が停止する。ファン1は、惰性で回転している。
【0116】
次に、S9の後、制御部6のカウント部61は、時間計測部611を起動する(S20)。カウント部61の時間計測部611は、計時機能を備えており、起動すると、計時機能により時間の計測を開始する。
【0117】
次に、カウント部61の時間計測部611は、計時機能により計測される時間が、設定されている停止時間に達したか否かを判別する(S21)。
【0118】
停止時間は、モータ21の駆動が停止してから、惰性で回転するファン1が停止するまでの時間(実測値)である。すなわち、停止時間は、ファン1が停止するタイミングを示す値である。カウント部61の時間計測部611は、S21の判別を行うことで、ファン1が停止するタイミングとなったか否かを判別している。S21の判別は、上述のS10と並行して実施される。
【0119】
次に、カウント部61の時間計測部611は、計時機能により計測される時間が停止時間に達していない場合(S21でNoの場合)には、S21の判別を繰り返し実施し、ファン1が停止するタイミングになるのを待つ。
【0120】
やがて、計時機能により計測される時間が停止時間となり、ファン1が停止するタイミングになる。
【0121】
カウント部61の時間計測部611は、計時機能で計測される時間が停止時間に達した場合(S21でYesの場合)、すなわち、ファン1が停止するタイミングになった場合には、停止タイミング到達を示す信号をカウント部61本体に出力する(S22)。
【0122】
そのとき、惰性で回転していたファン1が停止しており、電子部品71(ヒートシンク部分)もクリーニングが行われている。
【0123】
カウント部61本体は、停止タイミング到達を示す信号が時間計測部611から入力されると、S12を実施した上でS1に戻り、ファン1を再駆動する。
【0124】
上述の動作により、本実施形態の送風装置は、ファン1が停止するタイミングになったときに、ファン1を再駆動する。
【0125】
上述した以外の動作は、第1の実施形態の送風装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0126】
なお、制御部6のカウント部61は、上述のS20の処理(時間の計測開始)を、S9の処理を実施した時点から十分長い時間(以下、「経過時間」という)経過したタイミング(以下、「計測開始タイミング」という)から実施してもよい。上述の経過時間は、S9の処理を実施した時点からファン1が停止するタイミングまでの時間(すなわち、停止時間)よりも短い時間である。但し、その場合、本実施形態の送風装置の製造者は、ファン1停止のタイミングで到達を示す信号が時間計測部611から出力されるようにする為、上述の停止時間から経過時間を差し引いた時間を、新たな停止時間として時間計測部611に予め設定する。
【0127】
[効果の説明]
本実施形態によれば、送風装置は、第1の実施形態の送風装置と同じ効果を有する。すなわち、本実施形態の送風装置は、対向する電子部品(ヒートシンク部分)に埃が付着し続けることを防止すると共に、当該電子部品の発熱を十分抑えることができる。
【0128】
なぜなら、本実施形態の送風装置は、第1の実施形態の送風装置と同様にファンの駆動と停止を繰り返すことで電子部品に埃が付着することを防止すると共に、ファンが停止するタイミングとなり次第、速やかにファンの駆動を再開するからである。
【0129】
なお、本実施形態の送風装置は、時間計測部611を新たに備えるが、部品点数の多い監視開始部5を備える必要がない為、第1の実施形態の送風装置よりも製造コストが低減できることが期待される。
【0130】
≪第3の実施の形態≫
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0131】
第3の実施形態の送風装置は、ファン1停止に係る所定のイベント(例えば、ファン1を停止させる信号出力後、ファン1の回転数が半分となったこと)を検出する。第3の実施形態の送風装置は、所定のイベントを検出したときは、ファン1が停止するタイミングを推定し、推定したタイミングにファン1を停止する。
【0132】
第3の実施形態の送風装置は、第1、2の実施形態の送風装置の変形例である。以下に、第3の実施形態の送風装置の構成と動作を以下に説明する。
【0133】
[構成の説明]
(1)第3の実施形態の送風装置の構成
図11は、本発明の第3の実施の形態における送風装置の構成例を示す図である。
【0134】
第3の実施形態の送風装置は、
図11に示されるように、制御部3の代わりに、制御部8を備える。制御部8は、カウント部31の代わりに、カウント部81を備える。カウント部81は、イベント検出部811を備える。
【0135】
また、第3の実施形態の送風装置は、回転数カウント部9を備える。
図12は、本発明の第3の実施の形態における送風装置に備わる回転数カウント部の構成例を示す図である。回転数カウント部9は、
図12に示されるように、磁気センサ51と、マイコン98を備える。マイコン98は、イベント検出部811と導線を介して接続される。
【0136】
上述した以外の構成は、第1の実施の形態における送風装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。イベント検出部811は、マイコンと、RAM等のメモリと、電子回路を用いて実現することができる。
【0137】
[動作の説明]
次に、本実施形態の送風装置の動作を説明する。
図13は、本発明の第3の実施の形態における送風装置の動作を説明する為の図である。
【0138】
まず、本実施形態の送風装置は、第1、第2の実施形態の送風装置の処理と同様、
図13に示されるように、上述のS1〜S7を実施する。
【0139】
次に、本実施形態の送風装置は、上述のS7において、カウンタ310の値が、記憶部311に記憶される上限値より大きいと判別した場合(S7でYesの場合)には、S9の処理を実施する(S9)。
【0140】
その結果、カウント部供給停止を示す信号がカウント部81から電源供給部30に出力され、モータ21の駆動が停止する。ファン1は、惰性で回転する。
【0141】
S9の後、制御部6のカウント部61は、イベント検出開始を示す信号をイベント検出部811に出力する(S30)。
【0142】
(1)イベント検出動作
次に、イベント検出部811は、イベント検出開始を示す信号が入力されると、イベントが発生したか否か(すなわち、供給停止を示す信号が出力されたときからファン1の回転数が半分以下になったか)否かを判別する(S31)。
【0143】
具体的には、イベント検出部811は、以下の処理A〜処理Dを実施する。
【0144】
(処理A)
イベント検出部811は、イベント検出開始を示す信号が入力されると、所定時間の間、
図12に示されるマイコン98から、ファン回転を示す信号が入力される回数をカウントする。
【0145】
マイコン98は、
図8に示すマイコン27と同じく、磁気センサ51から入力される電気信号がHレベル→Lレベル→Hレベルと遷移する毎に、(すなわち、ファンが1回転する毎に、)ファン回転を示す信号をイベント検出部811に出力するマイコンである。イベント検出部811は、カウンタを備え、マイコン98からファン回転を示す信号が入力される毎に、カウンタをカウントアップする。イベント検出部811は、所定時間経過すると、次の(処理B)を行う。所定時間は、本実施形態の送風装置の製造者によってイベント検出部811に設定される。
【0146】
(処理B)
イベント検出部811は、カウントした回数を記憶する。
【0147】
記憶した回数は、供給停止を示す信号が出力されたときのファン1の回転数であり、以下「初期回転数」という。
【0148】
(処理C)
次に、イベント検出部811は、カウントした値を0に戻した上で、再度、上述の(処理A)を行い、ファンが回転した回数をカウントする。
【0149】
(処理D)
次に、イベント検出部811は、(処理C)でカウントした回数が、初期回転数の半分以下となったか否かを判別する。
【0150】
(2)イベント検出していないときの動作
次に、イベント検出部811は、上述のS31の判別において、イベントが発生していない場合(S31でNoの場合)、再度S31の判別処理を行う。
【0151】
具体的には、イベント検出部811は、(処理D)において、カウントした回数が、初期回転数の半分以下でないと判別した場合には、再度、上述の(処理C)と(処理D)を実施する。
【0152】
(3)イベント発生時の動作(ファン1停止タイミングの推定)
ファン1の回転数が徐々に落ちてくる。
【0153】
次に、イベント検出部811は、上述のS31の判別において、イベントが発生したと判別した場合(S31でYesの場合)、ファン1が停止するタイミングを推定する(S32)。
【0154】
具体的には、イベント検出部811は、(処理D)において、カウントした回数が、初期回転数の半分以下と判別した場合には、ファン1が停止するタイミングを推定する。
【0155】
イベント検出部811は、ファン1が停止するタイミングの推定を、以下のように実施することができる。
【0156】
まず、イベント検出部811は、時計機能とメモリを備える。イベント検出部811は、カウントした回数が初期回転数の半分以下である場合には、時計機能が計る現在の時刻に、自身に備わるメモリに記憶されている時間を加算した時刻(以下、「停止時刻」という)を算出する。イベント検出部811のメモリには、ファン1の回転数が半分になったときからファン1が停止するまでの残時間が、本実施形態の送風装置の製造者によって予め設定されている。本実施形態の送風装置の製造者は、上述の残時間を実測してイベント検出部811のメモリに設定する。
【0157】
(4)イベント発生時の動作(推定したファン1停止タイミングまで待つ動作)
次に、イベント検出部811は、推定したファン1が停止するタイミングとなったか否かを判別する(S33)。
【0158】
具体的には、イベント検出部811は、自身に備わる時計機能が計る時刻が、算出した停止時刻であるか否かを判別する。
【0159】
イベント検出部811は、推定したファン1が停止するタイミングとなっていない場合(S33でNoの場合)、すなわち、時計機能が計る時刻が停止時刻ではない場合は、再度S33の処理を実施する。
【0160】
(5)イベント発生時の動作(ファン1再駆動動作)
次に、イベント検出部811は、推定したファン1が停止するタイミングとなった場合(S33でYesの場合)、すなわち、時計機能が計る時刻が停止時刻である場合は、停止タイミング到達を示す信号をカウント部81に出力する(S34)。
【0161】
カウント部81は、停止タイミング到達を示す信号がイベント検出部811から入力されると、S12を実施した上でS1に戻り、ファン1を再駆動する。
【0162】
上述の動作により、本実施形態の送風装置は、ファン1が停止するタイミングに、ファン1を再駆動することができる。
【0163】
(6)所定のイベントについて
上記では、所定のイベントが、ファン1の回転数が半分以下となったときであるものとして説明した。所定のイベントは、供給停止を示す信号が出力されたときからファン1が停止するまでに発生するイベントであれば、どのようなイベントであってもよい。
【0164】
例えば、所定のイベントは、供給停止を示す信号が出力されたときであってもよい。その場合、イベント検出部811は、供給停止を示す信号が出力されたことを検出する。その為に、イベント検出部811は、制御部3のカウント部81と電源供給部30とを接続する導線に接続され、出力された供給停止を示す信号を受信してもよい。イベント検出部811は、供給停止を示す信号を受信したときに、S31において、供給停止を示す信号が出力されたことを検出した(すなわち、イベントが発生した)とみなして、S32を実施する。
【0165】
(7)回転数の減少量について
イベント検出部811は、上述のS31において、ファン1の回転数が半分以下になったか否かを判別した。イベント検出部811は、ファン1の回転数が1/4以下になったか否かを判別してもよいし、1/8以下になったか否かを判別してもよい。すなわち、イベント検出部811は、ファン1の回転数が所定量以下に減少したか否かを判別してもよい。所定量は、本実施形態の送風装置の製造者が決定する。
【0166】
ファン1の回転数が所定量以下に減少したか否かを判別するために、イベント検出部811は、上述の(処理D)において、(処理C)でカウントした回数が、初期回転数の所定量(例えば、1/4や1/8)以下となったか否かを判別する。イベント検出部811は、S32において、(処理C)でカウントした回数が、初期回転数の所定量(例えば、1/4や1/8)以下である場合には、ファン1が停止するタイミングを推定する。なお、本実施形態の送風装置の製造者は、イベント検出部811のメモリに、ファン1の回転数が所定量減少したときからファン1が停止するまでの残時間を設定するものとする。
【0167】
上述した以外の動作は、第1の実施形態の送風装置と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0168】
[効果の説明]
本実施形態によれば、送風装置は、第1の実施形態の送風装置と同じ効果を有する。すなわち、本実施形態の送風装置は、対向する電子部品(ヒートシンク部分)に埃が付着し続けることを防止すると共に、当該電子部品の発熱を十分抑えることができる。
【0169】
なぜなら、本実施形態の送風装置は、第1の実施形態の送風装置と同様にファンの駆動と停止を繰り返すことで電子部品に埃が付着することを防止すると共に、ファンが停止するタイミングとなり次第、速やかにファンの駆動を再開するからである。
【0170】
≪第4の実施の形態≫
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0171】
図14は、本発明の第4の実施の形態における送風装置の構成例を示す図である。以下に、第4の実施の形態の送風装置の構成と動作について説明する。
【0172】
[構成の説明]
(1)第4の実施形態の送風装置の構成
第4の実施形態の送風装置は、
図11に示されるように、ファン100と、駆動部101と、停止指示部102と、停止検出部103と、再駆動指示部104と、を備える。
【0173】
第4の実施形態の送風装置は、ファン100の駆動により対向物150に送風する装置である。また、第4の実施形態の送風装置は、ファン100の停止時に対向物150の埃を払う装置である。その為に、ファン100は、対向物150の埃を払うブラシを先端に備え、駆動すると対向物150から離れ、停止すると対向物150に接触する機構を備えたファンであってもよい。
【0174】
(2)第4の実施形態の送風装置の各部位の機能
駆動部101は、ファン100を駆動する。駆動部101は、停止を指示する第1の信号が入力されるとファン100を停止し、駆動再開を指示する第2の信号が入力されるとファン100を再駆動する。
【0175】
停止指示部102は、ファン100の駆動時間を計測する。停止指示部102は、計測する駆動時間が第1の所定時間に達したときには、停止を指示する第1の信号を駆動部101に出力する。第1の所定時間は、本実施形態の送風装置の製造者によって設定されてもよい。
【0176】
停止検出部103は、ファン100の停止に係る所定のイベントを検出すると、ファン100が停止する停止タイミングを決定する。
【0177】
所定のイベントは、停止を指示する第1の信号を停止指示部102が出力してからファン100が停止するまでに発生するイベントである。所定のイベントは、例えば、ファン100の停止、停止を指示する第1の信号が駆動部101に出力されたとき、又は、第1の信号が出力されたときからファン100の回転数が所定量減少したときであってもよい。所定量は、例えば、1/2であってもよいし、1/4であってもよい。
【0178】
再駆動指示部104は、停止タイミング又は停止タイミング近傍で、駆動再開を指示する第2の信号を駆動部101に出力する。
【0179】
停止タイミング近傍とは、停止タイミング直前、直後のタイミングである。但し、対向物150の埃を払っていないのに、ファン100が再駆動してしまわないよう、当該タイミングは、本実施形態の送風装置が対向物150の埃を払うことができるタイミングである。
【0180】
なお、駆動部101、停止指示部102、及び停止検出部103は、各々、第1の実施形態の送風装置のモータ部2、カウント部31、回転監視部5に相当する機能部である。停止検出部103は、第2の実施形態の送風装置の時間計測部611や第3の実施形態の送風装置のイベント検出部811に相当する機能部でもある。再駆動指示部104は、第1の実施形態の送風装置のカウント部31や第2、第3の実施形態の送風装置のカウント部61、81に相当する機能部である。
【0181】
[動作の説明]
(1)動作の説明
次に、本実施形態の送風装置の動作を説明する。ここでは所定のイベントが、ファン100の停止である場合を例に説明を行う。
【0182】
まず、駆動部101が、ファン100を駆動する。
【0183】
これにより、ファン100の駆動により対向物150に送風がされ、対向物150は冷却される。
【0184】
次に、停止指示部102は、ファン100の駆動時間を計測する。
【0185】
次に、停止指示部102は、計測する駆動時間が第1の所定時間に達したときには、停止を指示する第1の信号を駆動部101に出力する。
【0186】
次に、駆動部101は、停止を指示する第1の信号が入力されるとファン100を停止する。
【0187】
このとき、本実施形態の送風装置は、対向物150の埃を払う。
【0188】
次に、停止検出部103が、ファン100の停止に係る所定のイベント(具体的には、ファン100の停止)を検出する。
【0189】
次に、停止検出部103は、ファン100の停止を検出すると、ファン100が停止する停止タイミングを決定する。
【0190】
具体的には、停止検出部103は、ファン100の停止を検出すると、その時が停止タイミングと決定する。
【0191】
次に、再駆動指示部104は、(停止検出部103が)決定した停止タイミング又は該停止タイミング近傍で、駆動再開を指示する第2の信号を駆動部101に出力する。
【0192】
次に、駆動部101は、駆動再開を指示する第2の信号が入力されるとファン100を再駆動する。
【0193】
その結果、本実施形態の送風装置は、ファン100停止直後に、ファン100を再駆動することができる。ファン100の再駆動により対向物150に送風がされ、即座に対向物150が冷却される。
【0194】
その後、本実施形態の送風装置は、上述の動作を繰り返す。
【0195】
すなわち、停止指示部102は、計測する駆動時間が所定時間に達したときには、第1の信号を駆動部101に出力し、駆動部101は、第1の信号が入力されるとファン100を停止する。次に、再駆動指示部104は、停止検出部103がファンの停止を検出したときは、ファン100が停止する停止タイミングを決定する。駆動部101は、ファン100が停止する停止タイミングにファン100を再駆動する。本実施形態の送風装置は、ファン100停止直後にファン100を再駆動する動作を繰り返す。
【0196】
(2)動作の変形例(その1)
上記では、所定のイベントが、ファン100の停止である場合を例に説明を行ったがこれに限らない。所定のイベントは、ファン100の回転数が所定量減少したことであってもよい。その場合、本実施形態の送風装置は、ファン100の回転数が所定量減少したことを検出する。該送風装置(以下、「本実施形態の送風装置B」という)は、ファン100の回転数が所定量減少したことを検出すると、停止タイミングを決定し、決定した停止タイミングにファン100を再駆動する。その結果、本実施形態の送風装置Bは、ファン100停止時にファン100を再駆動することができる。
【0197】
ここで、上述の「(1)動作の説明」で説明した送風装置(以下、「本実施形態の送風装置A」という)に対する本実施形態の送風装置Bのメリットについて説明する。
【0198】
まず、本実施形態の送風装置Aは、ファン100の停止を検出した後にファン100を再駆動する。その為、本実施形態の送風装置Aは、停止タイミング(すなわち、ファン100が停止した時)から僅かに遅れてファン100の再駆動を実施してしまうというデメリットがある。
【0199】
しかし、本実施形態の送風装置Bは、停止タイミングになるのを待ち、停止タイミングちょうどに、ファン100を再駆動することができる。その為、本実施形態の送風装置Bは、停止タイミングから遅延することなく、ファン100の再駆動を実施できるというメリットを有する。その結果、本実施形態の送風装置Bは、本実施形態の送風装置Aよりも早くファン100を再駆動し、より十分に対向物150の発熱を抑えることができるというメリットを有する。
【0200】
(3)動作の変形例(その2)
さらに、所定のイベントは、停止指示部102が駆動部101に停止を指示したこと、具体的には、停止指示部102から第1の信号が駆動部101に出力されたことであってもよい。
【0201】
その場合、本実施形態の送風装置は、停止指示部102から第1の信号が出力されたことを検出する。該送風装置(以下、「本実施形態の送風装置C」という)は、停止指示部102から第1の信号が出力されたことを検出すると、停止タイミングを決定し、決定した停止タイミングにファン100を再駆動する。その結果、本実施形態の送風装置Cは、ファン100停止時にファン100を再駆動することができる。
【0202】
本実施形態の送風装置Cは、本実施形態の送風装置Bと同様に、停止タイミングちょうどに、ファン100を再駆動することができる。その為、本実施形態の送風装置Cは、本実施形態の送風装置Bと同様に、ファン100の再駆動が遅延しないというメリットが有する。
【0203】
さらに、本実施形態の送風装置Cは、本実施形態の送風装置Bに対して顕著なメリットを有する。以下、本実施形態の送風装置Bに対する本実施形態の送風装置Cのメリットについて説明する。
【0204】
まず、本実施形態の送風装置Bにおける停止検出部103は、その機能(ファン100の回転数が所定量減少したことを検出する機能)が他の機能部の機能と異なっている。その為、本実施形態の送風装置Bは、他の機能部の部品をそのまま流用して停止検出部103を構成することができない。その結果、本実施形態の送風装置Bは、製造コストがかかるというデメリットがある。
【0205】
しかし、本実施形態の送風装置Cにおける停止検出部103の機能(停止指示部102から第1の信号が出力されたことを検出する機能)は、駆動部101で実現されている。駆動部101は、第1の信号が入力されたことを検出、すなわち停止指示部102から第1の信号が出力されたことを検出している。その為、本実施形態の送風装置Cは、駆動部101の部品をそのまま流用して停止検出部103を構成することができる。その結果、本実施形態の送風装置Cは、装置の製造コストを低減することができるというメリットを有する。
【0206】
なお、本実施形態の送風装置Cの停止検出部103には、第1の信号が入力される必要がある。その為に、本実施形態の送風装置Cの停止検出部103は、停止指示部102と駆動部101間の導線に接続されてもよい。
【0207】
(4)再駆動指示部104について
再駆動指示部104は、停止タイミング直前であっても、本実施形態の送風装置が対向物150の埃を払っているのであれば、駆動再開を指示する第2の信号を駆動部101に出力してもよい。その場合、ファン100が連続して駆動し続けるので、本実施形態の送風装置は、対向物150の発熱を一層抑えることができる。
【0208】
[効果の説明]
本実施形態によれば、送風装置は、対向する対向物150に埃が付着し続けることを防止すると共に、当該対向物150の発熱を十分抑えることができる。
【0209】
なぜならば、本実施形態の送風装置は、ファン100の駆動と停止を繰り返すことで対向物150の埃を定期的に払うと共に、ファン100停止を検出次第、速やかにファン100を駆動するからである。若しくは、本実施形態の送風装置は、ファン100の停止タイミング又は停止タイミング近傍で、速やかにファン100を駆動するからである。その結果、本実施形態の送風装置は、対向物150に送風されない時間を最小限に収め、対向物150の発熱を十分抑えることができる。すなわち、本実施形態の送風装置は、対向物150に埃が付着し続けることを防止すると共に、対向物150の発熱を十分抑えることができる。
【0210】
なお、上述した実施の形態は、その形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0211】
さらに、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ファンの駆動により対向物に送風し、ファンの停止時に前記対向物の埃を払う装置であって、
前記ファンを駆動する駆動部と、
計測する前記ファンの駆動時間が第1の所定時間に達したときには、停止を指示する第1の信号を前記駆動部に出力する停止指示部と、
前記ファンの停止に係る所定のイベントを検出すると、前記ファンが停止する停止タイミングを決定する停止検出部と、
前記停止タイミング又は前記停止タイミング近傍で、駆動再開を指示する第2の信号を前記駆動部に出力する再駆動指示部と、を備え、
前記駆動部は、前記第1の信号が入力されると前記ファンを停止し、前記第2の信号が入力されると前記ファンを再駆動する、
を備えることを特徴とする送風装置。
(付記2)
前記所定のイベントは、前記停止指示部が第1の信号を出力してから前記ファンが停止するまでに発生するイベントである、
ことを特徴とする付記1に記載の送風装置。
(付記3)
前記所定のイベントは、前記ファンの停止である、
ことを特徴とする付記1乃至2のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記4)
前記ファンは、回転するプロペラに磁石を備えるファンであって、
前記停止検出部は、前記停止指示部が前記第1の信号を出力した後、前記磁石からの磁気の強弱が第2の所定時間、所定範囲内であるか否かを判別することで、前記ファンの停止を検出する、
ことを特徴とする付記3に記載の送風装置。
(付記5)
前記停止検出部は、前記プロペラと共に回転する前記磁石が近接したときに前記磁石から磁力を受ける位置に備わる磁気センサと、制御回路と、を備え、
前記磁気センサが、前記磁石からの磁気の強弱を電気信号として前記制御回路に出力し、
前記制御回路が、前記磁気センサから入力される電気信号の信号レベルが前記第2の所定時間、所定範囲内であるか否かを判別することで、前記ファンの停止を検出する、
ことを特徴とする付記4に記載の送風装置。
(付記6)
前記所定のイベントは、前記停止指示部から前記第1の信号が出力されたことである、
ことを特徴とする付記1乃至2のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記7)
前記所定のイベントは、前記ファンの回転数が所定量減少したことである、
ことを特徴とする付記1乃至2のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記8)
前記停止検出部は、前記所定のイベントを検出した以降の所定の計測開始タイミングから計測する計測時間が、前記計測開始タイミングから前記ファンが停止するまでの第3の所定時間に達したとき、停止を示す信号を出力し、
前記再駆動指示部は、前記停止を示す信号が前記停止検出部から入力されたときに、前記第2の信号を前記駆動部に出力する、
ことを特徴とする付記6乃至7のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記9)
前記停止指示部は、時計機能を備え、前記所定のイベントを検出したとき、前記時計機能によって計測される時刻に、前記所定のイベント検出から前記ファンが停止するまでの第4の所定時間を加算した前記停止タイミングを算出する、
ことを特徴とする付記6乃至7のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記10)
前記停止指示部は、前記ファンが回転した数を数えるカウント部を備え、前記数が所定数よりも大きい場合には、前記第1の信号を前記駆動部に出力する、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記11)
前記対向物は、電子回路である、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の送風装置。
(付記12)
前記電子回路は、ヒートシンクを備えた電子回路である、
ことを特徴とする付記11に記載の送風装置。
(付記13)
ファンの駆動により対向物に送風し、ファンの停止時に前記対向物の埃を払う装置の送風方法であって、
前記ファンを駆動する駆動ステップと、
計測する前記ファンの駆動時間が第1の所定時間に達したときには、前記ファンを停止する停止制御を行う停止ステップと、
前記ファンの停止に係る所定のイベントを検出すると、前記ファンが停止する停止タイミングを決定する停止検出ステップと、
前記停止タイミング又は前記停止タイミング近傍で、前記ファンを再駆動する再駆動ステップと、を有する、
ことを特徴とする送風方法。
(付記14)
前記所定のイベントは、前記停止制御が行われてから前記ファンが停止するまでに発生するイベントである、
ことを特徴とする付記13に記載の送風方法。
(付記15)
前記所定のイベントは、前記ファンの停止である、
ことを特徴とする付記13乃至14のいずれか1項に記載の送風方法。
(付記16)
前記ファンは、回転するプロペラに磁石を備えるファンであって、
前記停止検出ステップにおいては、前記停止ステップが実施された後、前記磁石からの磁気の強弱が第2の所定時間、所定範囲内であるか否かを判別することで、前記ファンの停止を検出する、
ことを特徴とする付記15に記載の送風方法。
(付記17)
前記停止検出ステップは、磁気検知ステップと、制御ステップと、を有し、
前記磁気検知ステップにおいては、前記プロペラと共に回転する前記磁石が近接したときに前記磁石から磁力を受ける位置に備わる磁気センサによって計測された前記磁石からの磁気の強弱を電気信号として出力し、
前記制御ステップにおいては、前記磁気検知ステップによって出力された前記電気信号の信号レベルが前記第2の所定時間、所定範囲内であるか否かを判別することで、前記ファンの停止を検出する、
ことを特徴とする付記16に記載の送風方法。
(付記18)
前記所定のイベントは、前記停止制御が実施されたことである、
ことを特徴とする付記13乃至14のいずれか1項に記載の送風方法。
(付記19)
前記所定のイベントは、前記ファンの回転数が所定量減少したことである、
ことを特徴とする付記13乃至14のいずれか1項に記載の送風方法。
(付記20)
前記停止検出ステップにおいては、前記所定のイベントを検出した以降の所定の計測開始タイミングから計測する時間が、前記計測開始タイミングから前記ファンが停止するまでの第3の所定時間に達したとき、停止を示す信号を出力し、
前記再駆動ステップにおいては、前記停止検出ステップにより前記停止を示す信号が出力されたとき、前記ファンを再駆動する、
ことを特徴とする付記18乃至19のいずれか1項に記載の送風方法。
(付記21)
前記停止指示ステップにおいては、前記所定のイベントを検出したとき、前記所定のイベント検出から前記ファンが停止するまでの第4の所定時間を現在の時刻に加算した前記停止タイミングを算出する、
ことを特徴とする付記18乃至19のいずれか1項に記載の送風方法。
(付記22)
前記停止ステップは、前記ファンが回転した数を数えるカウントステップを有し、前記カウントステップにおいて数えられた数が所定数よりも大きい場合に、前記ファンを停止する、
ことを特徴とする付記13乃至21のいずれか1項に記載の送風方法。