特許第6363583号(P6363583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363583
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20180712BHJP
   A62B 35/00 20060101ALI20180712BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G08B21/02
   A62B35/00 Z
   E04G21/32 D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-229902(P2015-229902)
(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-97655(P2017-97655A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】598016829
【氏名又は名称】株式会社東産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】木室 浩一
(72)【発明者】
【氏名】三▲崎▼ 昇
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−252879(JP,A)
【文献】 特開2005−158041(JP,A)
【文献】 特開2013−242188(JP,A)
【文献】 特開2014−235485(JP,A)
【文献】 特開2011−015794(JP,A)
【文献】 実開昭57−145439(JP,U)
【文献】 特開2008−174886(JP,A)
【文献】 特開2006−097156(JP,A)
【文献】 特開2001−067568(JP,A)
【文献】 特開2010−044714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00−7/00
A62B1/00−5/00
35/00−99/00
E04G21/24−21/32
G08B19/00−21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者に装着可能な表示装置であって、
安全帯のフックを係止可能な係止ユニットと、
光による表示が可能な表示ユニットと、
前記係止ユニットに加わる荷重が予め設定された閾値以下であることを検出する検出ユニットと、
前記荷重が前記閾値以下であることを前記検出ユニットが検出したとき、前記表示ユニットを用いて前記表示を行う表示制御ユニットと、
少なくとも前記係止ユニット、及び前記検出ユニットを備え、前記作業者の腰部に装着可能な第1装着ユニットと、
少なくとも前記表示ユニットを備え、前記作業者頭部に被るヘルメットの外側に装着可能な第2装着ユニットと、
を備える表示装置。
【請求項2】
作業者に装着可能な表示装置であって、
安全帯のフックを係止可能な係止ユニットと、
光による表示が可能な表示ユニットと、
前記係止ユニットに加わる荷重が予め設定された閾値以下であることを検出する検出ユニットと、
前記荷重が前記閾値以下であることを前記検出ユニットが検出したとき、前記表示ユニットを用いて前記表示を行う表示制御ユニットと、
少なくとも前記係止ユニット、及び前記検出ユニットを備え、前記作業者の腰部に装着可能な第1装着ユニットと、
少なくとも前記表示ユニットを備え、前記作業者の装着可能な第2装着ユニットと、
を備える表示装置。
【請求項3】
前記表示制御ユニットは、
前記荷重が前記閾値以下であることを前記検出ユニットが検出したとき、表示信号を送信する送信ユニットと、
前記表示信号を受信する受信ユニットと、
前記受信ユニットが前記表示信号を受信したとき、前記表示ユニットを用いて前記表示を行う表示実行ユニットと、
を備え、
前記送信ユニットは前記第1装着ユニットに設けられ、前記受信ユニット及び前記表示実行ユニットは前記第2装着ユニットに設けられている請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御ユニットは、前記荷重が前記閾値以下である状態が予め設定された設定時間以上継続したとき、前記表示を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記係止ユニットは、前記荷重に応じて下方に変位するように構成され、
前記検出ユニットは、前記係止ユニットの位置に基づき、前記荷重が前記閾値以下であることを検出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記係止ユニットは、上下動可能に構成されるとともに、弾性部材により上方に付勢されている請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記係止ユニットの変位を予め設定された範囲内に制限する変位制限ユニットをさらに備える請求項5又は6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
労働安全衛生法は、高所作業を行うとき、安全帯を使用することを規定している。安全帯は、作業者の身体に装着される胴ベルトと、胴ベルトに一端を固定されたロープと、ロープの他端に取り付けられたフックとを備える(特許文献1参照)。安全帯は、フックを支持物に係止することで、作業者が高所から転落することを防止する機能を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−45765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者は、フックを支持物に係止しないままで高所作業を行うことがある。作業者を監督する監督者は、作業者が安全帯を正しく使用していることを確認する必要があるが、作業者と監督者との距離が大きい場合等、フックを支持物に係止しているか否かを確認することが困難である場合がある。
【0005】
本発明はこうした問題にかんがみてなされたものであり、作業者が安全帯を正しく使用しているか否かを分かり易く表示できる表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、作業者に装着可能な表示装置であって、安全帯のフックを係止可能な係止ユニットと、光による表示が可能な表示ユニットと、前記係止ユニットに加わる荷重が予め設定された閾値以下であることを検出する検出ユニットと、前記荷重が前記閾値以下であることを前記検出ユニットが検出したとき、前記表示ユニットを用いて前記表示を行う表示制御ユニットと、を備える表示装置である。
【0007】
前記表示装置は、係止ユニットにフックが係止されておらず、係止ユニットに加わる荷重が閾値以下であることを検出したとき、表示ユニットを用いて、光による表示を行うことができる。
【0008】
その結果、表示装置は、係止ユニットにフックが係止されていないこと(フックを支持物等に係止し、安全帯を正しく使用している可能性が高いこと)を、遠くからでも視認が容易であるように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1装着ユニット1の構成を表す説明図である。
図2】第2装着ユニット3の構成を表す説明図である。
図3図3Aは、フック33を係止ユニット9に係止したときの第1装着ユニット1を表す側断面図であり、図3Bは、フック33を係止ユニット9に係止していないときの第1装着ユニット1を表す側断面図である。
図4】第1制御ユニット15の電気的構成を表すブロック図である。
図5】第2制御ユニット37の電気的構成を表すブロック図である。
図6】マイコン21が実行する処理を表すフローチャートである。
図7】マイコン45が実行する処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1実施形態>
1.表示装置の構成
図1図5に基づき表示装置の構成を説明する。表示装置は、図1図3に示す第1装着ユニット1と、図2に示す第2装着ユニット3とを備える。第1装着ユニット1は、作業者5の腰部に装着される。
【0011】
第1装着ユニット1は、ケース7と、係止ユニット9と、一対のばね11と、スイッチ13と、第1制御ユニット15と、装着環17と、を備える。
ケース7は、下方が開放された中空箱状の部材である。ケース7の側面7Bにおける内側には、一対のストッパー19が設けられている。一対のストッパー19は、側面7Bにおける内側に、互いに対向するように設けられている。それぞれのストッパー19は、反対側のストッパー19に向って、横方向に突出している。
【0012】
係止ユニット9は、上方が開放されたU字型のフック受け部9Aと、フック受け部9Aにおける上方の開放部を塞ぐように設けられた天板部9Bとを備える。
フック受け部9Aは、図3Aに示すように、フック33を係止することができる。このフック33は、図1に示す周知の安全帯27の一部である。安全帯27は、胴ベルト25、D環29、ロープ31、及びフック33を備える。胴ベルト25は作業者5の腰に巻き回される。D環29は胴ベルト25に取り付けられている。ロープ31の一端はD環29に接続され、反対側の端部はフック33に接続されている。フック33は、作業現場における手すり等の支持物に係止可能である。また、フック33は、上記のように、フック受け部9Aに係止可能である。
【0013】
なお、高所作業を行わないとき、作業者5は、フック33をフック受け部9Aに係止しておくことができる。高所作業を行うときは、フック33をフック受け部9Aから取り外し、フック33を高所にある支持物に係止する。
【0014】
係止ユニット9は、さらに、天板部9Bの上面に、突出部9Cを備える。突出部9Cは天板部9Bから、上方向に突出している突起である。
係止ユニット9は、少なくともその上側の部分はケース7内に収容されている。フック受け部9Aのうち、少なくとも下側の部分は、ケース7より下方にあり、露出している。係止ユニット9は、一対のばね11により、ケース7の天板部7Aから吊り下げられている。ばね11は、その上端において天板部7Aに接続し、その下端において天板部9Bに接続している。
【0015】
係止ユニット9は、ばね11を伸縮させることにより、ケース7に対し、後述する上限位置と下限位置との範囲内で上下動可能である。係止ユニット9は、ばね11により上方に付勢されている。そのため、係止ユニット9に加わる下向きの荷重が小さいときは、図3Bに示すように、ばね11は縮み、係止ユニット9は上限位置まで上昇する。
【0016】
この上限位置とは、図3Bに示すように、突出部9Cが、後述する第2接点13Bの先端を上方に押し上げ、押し上げられた第2接点13Bと第1接点13Aとが接触する位置である。係止ユニット9は、上限位置より上方へは変位できない。係止ユニット9が上限位置にあるときでも、係止ユニット9は、ばね11により上方に付勢されている。
【0017】
一方、係止ユニット9に加わる下向きの荷重が大きいときは、図3Aに示すように、ばね11は伸び、係止ユニット9は上限位置よりも下方に移動する。上限位置にある係止ユニット9を下方に移動させるために要する最小限の荷重を閾値荷重TWとする。係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TWを超えれば、係止ユニット9は上限位置よりも下方に移動し、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下であれば、係止ユニット9は上限位置にある。
【0018】
係止ユニット9にフック33を係止したときに係止ユニット9に加わる荷重は、閾値荷重TWより大きい。よって、係止ユニット9にフック33を係止したとき、係止ユニット9は上限位置よりも下方にある。
【0019】
係止ユニット9に加わる下向きの荷重が十分大きいとき、係止ユニット9は下限位置に達する。下限位置とは以下のものである。天板部9Bは、一対のストッパー19よりも上方にある。天板部9Bの幅は、一対のストッパー19同士の間隔より大きい。図3Bに示す上限位置から係止ユニット9を引き下げてゆくと、やがて、図3Aに示すように、天板部9Bがストッパー19に当接する。このときの係止ユニット9の位置を下限位置とする。係止ユニット9は、天板部9Bとストッパー19との当接により、下限位置より下方に移動することはできない。ストッパー19は、係止ユニット9の下方への変位を予め設定された範囲に制限する変位制限ユニットに対応する。
【0020】
スイッチ13は、天板部7Aの下面に設けられている。スイッチ13は、直線棒状の第1接点13Aと、くの字型に屈曲した第2接点13Bとから成る。第1接点13Aと第2接点13Bとは、それぞれ、導電性の部材である。第2接点13Bは弾性変形可能な部材である。
【0021】
第1接点13Aの軸方向は鉛直方向である。第2接点13Bのうち、屈曲点より上方の部分における軸方向は鉛直方向である。第2接点13Bのうち、屈曲点より下方の部分は、下方にゆくほど、第1接点13Aに近付くように傾斜している。下方から見たとき、第2接点13Bの先端と、第1接点13Aの先端とは重なっている。
【0022】
図3Aに示すように、係止ユニット9が下限位置にあるとき、第2接点13Bには力が加えられず、第1接点13Aと第2接点13Bとは非接触である。このとき、スイッチ13はオフの状態である。
【0023】
係止ユニット9が下限位置から上方に変位してゆくと、やがて、突出部9Cは第2接点13Bの先端に接触し、さらに係止ユニット9が上方に変位してゆくと、突出部9Cは第2接点13Bの先端を上方に押し上げる。係止ユニット9がさらに上方に変位し、上限位置に達すると、図3Bに示すように、第2接点13Bと第1接点13Aとは接触する。このとき、スイッチ13はオンの状態となる。
【0024】
すなわち、スイッチ13は、係止ユニット9が上限位置にあるときはオンの状態であり、係止ユニット9がそれよりも下方にあるときはオフの状態である。
ここで、上述したように、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TWを超えれば、係止ユニット9は上限位置よりも下方に移動し、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下であれば、係止ユニット9は上限位置にある。
【0025】
よって、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TWを超えれば、スイッチ13はオフの状態にあり、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下であれば、スイッチ13はオンの状態にある。
【0026】
第1制御ユニット15は、側面7Bの内側に取り付けられている。第1制御ユニット15は、図4に示すように、マイコン(マイクロコンピュータ)21、無線送信回路23を備える。マイコン21は、CPU及びメモリ装置を備える。マイコン21が実行する処理は後述する。
【0027】
なお、マイコン21が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、マイコン21がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。無線送信回路23は、後述する無線受信回路49との間で無線通信を行うことができる。
【0028】
装着環17は、ケース7の上側に設けられている。装着環17は、胴ベルト25を通すことができるベルト孔17Aを備えている。なお、胴ベルト25は、図1に示す周知の安全帯27の一部である。装着環17に胴ベルト25を通すことで、第1装着ユニット1を作業者5の腰部に装着することができる。
【0029】
第2装着ユニット3は、図2に示すように、作業者5が頭部に被るヘルメット6に装着される。第2装着ユニット3は、ゴムベルト35、第2制御ユニット37、及びLED39を備える。
【0030】
ゴムベルト35は円環形状を有し、ヘルメット6に被せることができる。第2制御ユニット37は、筐体41と、受信アンテナ43とを備える。筐体41は、ゴムベルト35の外側に取り付けられている。受信アンテナ43は筐体41に取り付けられ、筐体41の外側に露出している
また、第2制御ユニット37は、図5に示すように、筐体41内に収容されたマイコン45、LED駆動回路47、及び無線受信回路49を備える。マイコン45は、CPU及びメモリ装置を備える。マイコン45が実行する処理は後述する。
【0031】
なお、マイコン45が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、マイコン45がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
【0032】
LED駆動回路47は、LED39を駆動することができる。無線受信回路49は、受信アンテナ43を用いて、無線送信回路23から送信された信号を受信する。
LED39はゴムベルト35に取り付けられている。LED39は複数存在し、一定の間隔をおいて、ゴムベルト35の周方向に沿って配列されている。第2装着ユニット3をどの方向から見ても、少なくとも1つのLED39は視認可能である。LED39は表示ユニットに対応する。
【0033】
なお、スイッチ13及び第1制御ユニット15は、検出ユニット及び送信ユニットに対応する。第1制御ユニット15及び後述する第2制御ユニット37は、表示制御ユニットに対応する。第2制御ユニット37は受信ユニット及び表示実行ユニットに対応する。ばね11は弾性部材に対応する。ストッパー19は変位制限ユニットに対応する。
【0034】
2.表示装置が実行する処理
(1)第1装着ユニット1が実行する処理
第1装着ユニット1のマイコン21が所定時間ごとに繰り返し実行する処理を図6に基づき説明する。図6のステップ1では、スイッチ13が現時点でオンの状態であるか否かを判断する。オンの状態である場合はステップ2に進み、オフの状態である場合は本処理を終了する。
【0035】
ステップ2では、スイッチ13がオンの状態が、現時点まで5秒間以上継続しているか否かを判断する。5秒間以上継続している場合はステップ3に進み、5秒間未満しか継続していない場合は本処理を終了する。なお、5秒間は設定時間に対応する。
【0036】
ステップ3では、無線送信回路23を用いて、表示信号を送信する。
(2)第2装着ユニット3が実行する処理
第2装着ユニット3のマイコン45が所定時間ごとに繰り返し実行する処理を図7に基づき説明する。図7のステップ11では、無線受信回路49を用いて表示信号を受信できるか否かを判断する。表示信号は、第1装着ユニット1が前記ステップ3の処理で送信した信号である。表示信号を受信できた場合はステップ12に進み、表示信号を受信できなかった場合はステップ13に進む。
【0037】
ステップ12では、LED駆動回路47を用いて、LED39を点灯させ、光による表示を行う。
ステップ13では、LED39を消灯させる。
【0038】
3.表示装置が奏する効果
(1A)第1装着ユニット1は、スイッチ13がオンの状態であることを検出できる。スイッチ13がオンの状態とは、上述したように、係止ユニット9にフック33が係止されておらず、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下である状態である。よって、第1装着ユニット1は、係止ユニット9にフック33が係止されておらず、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下である状態を検出できる。
【0039】
第1装着ユニット1は、係止ユニット9にフック33が係止されておらず、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下である状態を検出したとき、表示信号を送信する。
第2装着ユニット3は、表示信号を受信したとき、LED39を点灯させ、光による表示を行う。
【0040】
よって、表示装置は、係止ユニット9にフック33が係止されておらず、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下である状態を検出したとき、LED39を用いて、光による表示を行うことができる。
【0041】
その結果、表示装置は、係止ユニット9にフック33が係止されていないこと(フック33を支持物に係止し、安全帯を正しく使用している可能性が高いこと)を、遠くからでも視認が容易であるように表示することができる。
【0042】
(1B)係止ユニット9を備える第1装着ユニット1は作業者5の腰部に装着される。そのため、フック33を係止ユニット9に係止することが一層容易である。また、LED39を備える第2装着ユニット3はヘルメット6に装着される。そのため、遠くからでもLED39による光の表示を視認することが一層容易である。
【0043】
(1C)表示装置は、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下である状態が5秒間以上継続したとき、LED39による光の表示を行う。そのため、フック33が係止ユニット9に係止されたままであるにもかかわらず、外乱要因によりLED39が点灯してしまうようなことが生じ難い。
【0044】
(1D)係止ユニット9は、上下動可能であるとともに、ばね11により上方に付勢されている。係止ユニット9は、それに加わる荷重に応じて下方に変位する。第1装着ユニット1は、係止ユニット9の位置に基づき、荷重が閾値荷重TW以下であることを検出する。すなわち、第1装着ユニット1は、係止ユニット9の位置が上限位置であれば、荷重が閾値荷重TW以下であることを検出する。
【0045】
よって、表示装置は、係止ユニット9に加わる荷重が閾値荷重TW以下であることを容易且つ正確に検出することができる。
(1E)ストッパー19は、係止ユニット9の変位を、下限位置、又はそれよりも上方の範囲に制限する。そのため、係止ユニット9に過大な荷重が加えられた場合でも、ばね11、ケース7等の破損を抑制することができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0046】
(1)第2装着ユニット3は、ヘルメット6以外に装着してもよい。例えば、作業者5の肩、胸、背中、腕等に装着してもよい。また、第2装着ユニット3は、粘着テープ、接着剤等でヘルメット6に接着してもよい。
【0047】
(2)LED39の代わりに、他の表示ユニットを備えていてもよい。例えば、レーザ発光装置、白熱灯、有機ELディスプレイ等を備えていてもよい。
(3)第1装着ユニット1は、ばね11の代わりに他の弾性体を用いてもよい。他の弾性体として、例えばゴム等が挙げられる。
【0048】
(4)前記ステップ2で用いる設定時間は5秒間でなくてもよく、適宜設定できる。例えば、1秒間、10秒間等とすることができる。
(5)スイッチ13の代わりに他の形式のスイッチを用いてもよい。例えば、光照射部と受光部とを備えるセンサを用いることができる。この場合、例えば、係止ユニット9が上限位置にあれば、光照射部が照射する光が係止ユニット9により遮られて受光部に入射せず、係止ユニット9が上限位置以外の位置にあれば、光照射部が照射する光が受光部に入射するようにする。こうすることにより、受光部に入射する光の光量により、係止ユニット9の位置を検出できる。
【0049】
また、例えば、係止ユニット9が上限位置にあれば、光照射部が照射する光が係止ユニット9に反射して受光部に入射し、係止ユニット9が上限位置以外の位置にあれば、光照射部が照射する光が係止ユニット9で反射せず、受光部に入射しないようにしてもよい。こうすることにより、受光部に入射する光の光量により、係止ユニット9の位置を検出できる。
【0050】
(6)係止ユニット9は、それに下向きの荷重が加わっても、ケース7に対して実質的に変位しないものであってもよい。この場合、スイッチ13の代わりに、圧電センサ、ロードセル等を用いて、係止ユニット9に加えられた荷重を検出することができる。
【0051】
(7)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0052】
1…第1装着ユニット、3…第2装着ユニット、5…作業者、6…ヘルメット、7…ケース、7A…天板部、7B…側面、9…係止ユニット、9A…フック受け部、9B…天板部、9C…突出部、11…ばね、13…スイッチ、13A…第1接点、13B…第2接点、15…第1制御ユニット、17…装着環、17A…ベルト孔、19…ストッパー、21…マイコン、23…無線送信回路、25…胴ベルト、27…安全帯、29…D環、31…ロープ、33…フック、35…ゴムベルト、37…第2制御ユニット、39…LED、41…筐体、43…受信アンテナ、45…マイコン、47…LED駆動回路、49…無線受信回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7