【文献】
日清エンジニアリング(株) 製品&技術トピックス [online]<http://www.nisshineng.co.jp/knowledge/topics/aero/index.html>(Wayback Machine (http://archive.org/web/)より、2013 年6 月の時点で公知であったことが確認。)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
架橋ビニル系樹脂からなる体積平均粒子径が0.5〜10μmの樹脂粒子群であって、 体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が10万個中5個以下であり、
0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が1%以下であることを特徴とする樹脂粒子群。
樹脂粒子群の生成後に、気流分級機を用いた分級により前記樹脂粒子群から粗大樹脂粒子群を除去する分級工程を含む、請求項1〜3の何れか一つに記載の樹脂粒子群の製造方法であって、
前記樹脂粒子群の分級工程は、樹脂粒子群の生成後に解砕工程を経ることなく実施され、
前記気流分級機は、
樹脂粒子群が供給される分級用空洞部と、
前記分級用空洞部の外周部に配置され、前記分級用空洞部に旋回流が発生するように前記分級用空洞部に互いの間から空気を送り込む複数のガイドベーンと、
前記分級用空洞部の上部及び下部にそれぞれ空気を噴射する第1及び第2の噴射ノズルと、
前記分級用空洞部から分級された樹脂粒子群を含む気流を上方へ排出する分級樹脂粒子群排出口と、
前記分級用空洞部から粗大樹脂粒子群を下方へ排出する粗大樹脂粒子群排出口とを備えていることを特徴とする樹脂粒子群の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0025】
〔樹脂粒子群〕
本発明の樹脂粒子群は、架橋ビニル系樹脂からなる体積平均粒子径が0.5〜10μmの樹脂粒子群であって、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が10万個中5個以下であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が1%以下である。
【0026】
本発明の樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が10万個中4個以下であることが好ましい。これにより、粗大樹脂粒子の含有率がさらに少ない樹脂粒子群を実現できるので、樹脂粒子群を防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部品に使用したときに、光学部品表面に傷を発生させたり光学部品に輝点欠陥を発生させたりすることをさらに抑制できる。したがって、上記光学部品を画像表示装置に使用したときに画像表示装置の表示品質をさらに向上させることができる。
【0027】
本発明の樹脂粒子群は、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.7%以下であることが好ましく、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.5%以下であることがより好ましく、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.3%以下であることがさらに好ましい。これにより、割れた樹脂粒子や変形した樹脂粒子の含有率が少ない樹脂粒子群を実現できるので、樹脂粒子群を防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部品に使用したときに、光学部品に透過光のムラや光の透けが生じることをさらに抑制できる。したがって、上記光学部品を画像表示装置に使用したときに画像表示装置の表示品質をさらに向上させることができる。
【0028】
本発明の樹脂粒子群の体積平均粒子径は、0.5〜3.5μmであることが好ましい。これにより、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部品に樹脂粒子群を使用したときに、光学部品の防眩性や光拡散性等の特性を向上させることができる。したがって、上記光学部品を画像表示装置に使用したときに、画像表示装置の表示品質をさらに向上させることができる。
【0029】
上記ビニル系樹脂は、重合性ビニル系単量体の重合体である。上記重合性ビニル系単量体は、エチレン性不飽和基(広義のビニル基)を有するものである。上記架橋ビニル系樹脂は、単官能の重合性ビニル系単量体と多官能の重合性ビニル系単量体との共重合体であり、単官能の重合性ビニル系単量体に由来する構造単位と、多官能の重合性ビニル系単量体に由来する構造単位(架橋構造)とを含むものである。上記単官能の重合性ビニル系単量体は、1つのエチレン性不飽和基を有するものであり、上記多官能の重合性ビニル系単量体は、2つ以上のエチレン性不飽和基を有するものである。
【0030】
上記単官能の重合性ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン系単量体(芳香族ビニル系単量体);酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸無水物;モノブチルマレイン酸等のエチレン系性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル;上記エチレン性不飽和カルボン酸やエチレン系性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩等のエチレン性不飽和カルボン酸塩類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸アミド類;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチロール化ジアセトンアクリルアミド、及び、これら単量体と炭素数1〜8のアルコール類とのエーテル化物(例えば、N−イソブトキシメチルアクリルアミド)等のエチレン性不飽和カルボン酸アミド類のメチロール化物及びその誘導体等が挙げられる。
【0031】
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキル系単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基(グリシジル基)を有する(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、アクリル酸アルキル系単量体及びメタクリル酸アルキル系単量体の少なくとも一方を含むことが好ましい。なお、本出願書類において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル又はメタクリルを意味するものとする。
【0032】
上記スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げられる。
【0033】
上記多官能の重合性ビニル系単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら重合性ビニル系単量体は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
上記架橋ビニル系樹脂は、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂の何れかであることが好ましい。これにより、光透過性の高い樹脂粒子を実現できる。上記架橋(メタ)アクリル系樹脂は、単官能(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単官能の重合性ビニル系単量体と、多官能の重合性ビニル系単量体との共重合体である。上記架橋スチレン系樹脂は、単官能スチレン系単量体を含む単官能の重合性ビニル系単量体と、多官能の重合性ビニル系単量体との共重合体である。上記架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂は、単官能(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び単官能スチレン系単量体を含む単官能の重合性ビニル系単量体と、多官能の重合性ビニル系単量体との共重合体である。これらのうち、バインダーと混合した樹脂組成物を基材フィルムに塗工して得られる防眩フィルムの光学特性を容易に調整できる観点から、架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂がより好ましく、中でもメタクリル酸メチル−スチレン−エチレングリコールジメタクレート共重合体が耐光性の観点から最も好ましい。
【0035】
上記多官能の重合性ビニル系単量体に由来する構成単位の量は、上記架橋ビニル系樹脂100重量%に対して5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記多官能の重合性ビニル系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より少ない場合、上記架橋ビニル系樹脂の架橋度が低くなる。その結果、樹脂粒子をバインダーと混合して樹脂組成物として塗工する場合に、樹脂粒子が膨潤して樹脂組成物の粘度上昇が起こり塗工の作業性が低下する恐れがある。さらに、上記架橋ビニル系樹脂の架橋度が低くなる結果、樹脂粒子をバインダーと混合して成形する用途(いわゆる練り込み用途)において混合時や成形時に樹脂粒子に熱をかけたときに、樹脂粒子が溶解又は変形しやすくなる。上記多官能の重合性ビニル系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より多い場合、上記多官能の重合性ビニル系単量体の使用量に見合った効果の向上が認められず、生産コストが上昇する場合がある。
【0036】
〔樹脂粒子群の製造方法〕
本発明の樹脂粒子群は、任意の製造方法によって製造可能であるが、本発明の製造方法によって容易に製造できる。本発明の製造方法は、架橋ビニル系樹脂からなる体積平均粒子径が0.5〜10μmの樹脂粒子群の製造方法であって、樹脂粒子群の生成後に、気流分級機を用いた分級により上記樹脂粒子群から粗大樹脂粒子群を除去する分級工程を含んでいる。そして、本発明の樹脂粒子群の製造方法は、樹脂粒子群の生成後に解砕工程を経ることなく上記樹脂粒子群の分級工程が実施され、上記気流分級機が、後述する旋回気流式分級機であることを特徴としている。
【0037】
〔樹脂粒子群の生成工程〕
上記樹脂粒子群を生成する工程は、前記重合性ビニル系単量体を重合することにより行うことができる。
【0038】
重合性ビニル系単量体の重合法としては、公知の重合方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、シード重合、塊状重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合、懸濁重合等の方法が挙げられる。これら重合法のうち、得られる樹脂粒子群の粒子径のばらつきが最も少ないことから、シード重合が最も好ましい。
【0039】
上記塊状重合の場合には、重合後に粉砕し分級することで所望の粒子径の樹脂粒子群を生成することができる。上記乳化重合とは、水等の媒体と、媒体に溶解し難い重合性ビニル系単量体と、乳化剤(界面活性剤)とを混合し、そこに媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて重合を行う重合法である。上記乳化重合は、得られる樹脂粒子群の粒子径のばらつきが少ないという特徴がある。上記ソープフリー乳化重合とは、上記乳化重合において乳化剤を用いないようにした重合法であり、比較的均一な粒子径の樹脂粒子群が得られるという特徴がある。上記懸濁重合とは、重合性ビニル系単量体と水等の水性媒体とを機械的に攪拌して、重合性ビニル系単量体を水性媒体中に懸濁させて重合させる重合法である。上記懸濁重合は、粒子径が小さく、かつ粒子径が比較的整った樹脂粒子群を得ることができるという特徴がある。
【0040】
上記シード重合は、重合性ビニル系単量体の重合を開始する際に、別途作製された重合性ビニル系単量体の重合体からなる種(シード)粒子群を入れて、重合を行う方法である。より詳細には、上記シード重合法は、重合性ビニル系単量体の重合体からなる樹脂粒子群を種粒子群として用い、水性媒体中で上記種粒子群に重合性ビニル系単量体を吸収させ、種粒子群内で重合性ビニル系単量体を重合させる方法である。この方法では、種粒子群を成長させることにより、元の種粒子群よりも大きな粒子径の樹脂粒子群を得ることができる。
【0041】
以下にシード重合の一般的な方法を述べるが、本発明の製造方法における重合法は、この方法に限定されるものではない。
【0042】
シード重合では、まず、重合性ビニル系単量体と水性媒体とを含む乳化液(懸濁液)に種粒子群を添加する。上記乳化液は、公知の方法により作製できる。例えば、重合性ビニル系単量体を水性媒体に添加し、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー等の微細乳化機により分散させることで、乳化液を得ることができる。上記水性媒体としては、水、又は、水と有機溶媒(例えば、低級アルコール(炭素数5以下のアルコール))との混合物を用いることができる。
【0043】
種粒子群は、そのままで乳化液に添加されてもよく、水性媒体に分散された形態で乳化液に添加されてもよい。種粒子群が乳化液へ添加された後、重合性ビニル系単量体が種粒子群に吸収される。この吸収は、通常、乳化液を、室温(約20℃)で1〜12時間攪拌することにより行うことができる。また、種粒子群への重合性ビニル系単量体の吸収を促進するために、乳化液を30〜50℃程度に加温してもよい。
【0044】
種粒子群は、重合性ビニル系単量体を吸収することにより膨潤する。重合性ビニル系単量体と種粒子群との混合比率は、種粒子群1重量部に対して、重合性ビニル系単量体が5〜300重量部の範囲内であることが好ましく、100〜250重量部の範囲内であることがより好ましい。重合性ビニル系単量体の混合比率が上記範囲より小さくなると、重合による粒子径の増加が小さくなるので、製造効率が低下する。一方、重合性ビニル系単量体の混合比率が上記範囲より大きくなると、重合性ビニル系単量体が完全に種粒子群に吸収されず、水性媒体中で独自に懸濁重合して、異常に粒子径の小さい樹脂粒子が生成されることがある。なお、種粒子群への重合性ビニル系単量体の吸収の終了は、光学顕微鏡の観察で粒子径の拡大を確認することにより判定できる。
【0045】
次に、種粒子群に吸収された重合性ビニル系単量体を重合させることにより、樹脂粒子群が得られる。なお、重合性ビニル系単量体を種粒子群に吸収させて重合させる工程を複数回繰り返すことにより樹脂粒子群を得てもよい。
【0046】
上記重合性ビニル系単量体には、必要に応じて重合開始剤を添加していてもよい。上記重合開始剤は、上記重合開始剤を重合性ビニル系単量体に混合した後、得られた混合物を水性媒体中に分散させてもよいし、重合開始剤と重合性ビニル系単量体との両者を別々に水性媒体に分散させたものを混合してもよい。得られた乳化液中に存する重合性ビニル系単量体の液滴の粒子径は、種粒子群の粒子径よりも小さい方が、重合性ビニル系単量体が種粒子群に効率よく吸収されるので好ましい。
【0047】
上記重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物等が挙げられる。上記重合開始剤は、重合性ビニル系単量体100重量部に対して、0.1〜1.0重量部の範囲内で使用されることが好ましい。
【0048】
上記シード重合の重合温度は、重合性ビニル系単量体の種類や、必要に応じて用いられる重合開始剤の種類に応じて適宜選択できる。上記シード重合の重合温度は、具体的には、25〜110℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。また、上記シード重合の重合時間は、1〜12時間であることが好ましい。上記シード重合の重合反応は、重合に対して不活性な不活性ガス(例えば窒素)の雰囲気下で行ってもよい。なお、上記シード重合の重合反応は、重合性ビニル系単量体及び必要に応じて用いられる重合開始剤が種粒子群に完全に吸収された後に、昇温して行われるのが好ましい。
【0049】
上記シード重合においては、樹脂粒子群の分散安定性を向上させるために、高分子分散安定剤を重合反応系に添加してもよい。上記高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、上記高分子分散安定剤と、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子化合物とが併用されてもよい。これら高分子分散安定剤のうち、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンが好ましい。上記高分子分散安定剤の添加量は、重合性ビニル系単量体100重量部に対して1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0050】
上記乳化液には、界面活性剤を添加してもよい。上記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及び両性イオン系界面活性剤の何れをも用いることができる。
【0051】
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ石鹸等の脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩;アルケニルコハク酸塩(ジカリウム塩);アルキルリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル等が挙げられる。
【0052】
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリオキシアルキレントリデシルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0053】
上記カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0054】
上記両性イオン系界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
上記シード重合における界面活性剤の使用量は、重合性ビニル系単量体100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましい。界面活性剤の使用量が上記範囲より少ない場合には、重合安定性が低くなる恐れがある。また、界面活性剤の使用量が上記範囲より多い場合には、コスト的に不経済である。
【0056】
また、上記重合反応における水性媒体中での乳化粒子(粒子径の小さすぎる樹脂粒子)の発生を抑えるために、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を水性媒体に添加してもよい。上記重合禁止剤の添加量は、重合性ビニル系単量体100重量部に対して0.02〜0.2重量部の範囲内であることが好ましい。
【0057】
なお、重合性ビニル系単量体を重合して種粒子群を得るための重合法については、特に限定されないが、ソープフリー乳化重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合等を用いることができる。シード重合によって略均一な粒子径の樹脂粒子群を得るためには、最初に略均一の粒子径の種粒子群を使用し、これらの種粒子群を略一様に成長させることが必要になる。原料となる略均一な粒子径の種粒子群は、重合性ビニル系単量体をソープフリー乳化重合及び分散重合等の重合法で重合することによって作ることができる。したがって、重合性ビニル系単量体を重合して種粒子群を得るための重合法としては、ソープフリー乳化重合及び分散重合が好ましい。
【0058】
種粒子群を得るための重合においても、必要に応じて重合開始剤が使用される。前記重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。上記重合開始剤の使用量は、種粒子群を得るために使用する重合性ビニル系単量体100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲内であることが好ましい。上記重合開始剤の使用量の加減により、得られる種粒子群の重量平均分子量を調整することができる。
【0059】
種粒子群を得るための重合においては、得られる種粒子群の重量平均分子量を調整するために、分子量調整剤を使用してもよい。前記分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;γ−テルピネン、ジペンテン等のテルペン類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。上記分子量調整剤の使用量の加減により、得られる種粒子群の重量平均分子量を調整することができる。
【0060】
上記シード重合では、重合後、樹脂粒子群を水系媒体中から取り出し、乾燥樹脂粒子群にした後、乾燥樹脂粒子群に分級工程を実施して粗大樹脂粒子群を除去する。その際、乾燥樹脂粒子群は、体積平均粒子径が0.5〜10μm又はそれに近い微小樹脂粒子群であり、樹脂粒子間の凝集力が強く、凝集をほどき難いような凝集粒子となり易い。そのため、もし上記シード重合の後に従来の製造方法に用いられている分級工程を実施する場合には、分級工程の前に、樹脂粒子群の凝集をほどくために解砕工程を実施することが必要となる。
【0061】
〔分級工程〕
本発明の製造方法における分級工程は、樹脂粒子群の生成後に解砕工程を経ることなく、以下に説明する旋回気流式分級機を用いて実施される。本発明の製造方法に用いる旋回気流式分級機は、樹脂粒子群の生成工程で得られた樹脂粒子群(以下、「原料樹脂粒子群」と称する)が供給される分級用空洞部と、上記分級用空洞部の外周部に配置され、上記分級用空洞部に旋回流が発生するように上記分級用空洞部に互いの間から空気を送り込む複数のガイドベーンと、上記分級用空洞部の上部及び下部にそれぞれ空気を噴射する第1及び第2の噴射ノズルと、上記分級用空洞部から分級された樹脂粒子群(以下、「分級樹脂粒子群」と称する)を含む気流を上方へ排出する分級樹脂粒子群排出口と、上記分級用空洞部から粗大樹脂粒子群を下方へ排出する粗大樹脂粒子群排出口とを備える旋回気流式分級機である。
【0062】
以下、
図1に基づいて、本発明の製造方法の一実施形態に用いる旋回気流式分級機を詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法の一実施形態に用いる旋回気流式分級機を示す模式断面図である。
【0063】
図1に示す旋回気流式分級機10は、上部円盤状部材12と下部円盤状部材14とを所定の間隔を保って対向させて配置して形成した円盤状の、原料分散ゾーンを兼ねる遠心分離室16を有しており、この遠心分離室16の上方には、後述するガイドベーン40と交錯しない位置に、原料樹脂粒子群を遠心分離室16内に供給するための原料投入口18が配置されている。
【0064】
また、上記遠心分離室16の下方には、上記下部円盤状部材14の外周壁に沿って、ドーナツ状の原料再分級ゾーン28並びに粗大樹脂粒子群回収口30が形成されており、また、上記原料再分級ゾーン28の外周壁の接線方向に沿って配置される、噴出ノズル22が複数個配置されている。この噴出ノズル(第1の噴出ノズル)22は、遠心分離室16内において原料樹脂粒子群を分散させるとともに、遠心分離室16内における遠心分離作用を加速する(旋回流を加速する)ための高圧空気(圧縮空気)を遠心分離室16内に噴出するノズルである。
【0065】
ここでは、一例として、上記噴出ノズル22は、円周上に6個が均等に配置されているが、これは一例であり、噴出ノズル22の配置には自由度がある。
【0066】
遠心分離室16内には、バグフィルター等の適宜のフィルターを介して図示されていない吸引ブロワに接続される分級樹脂粒子群回収口32、並びに、上記原料再分級ゾーン28から下方に向かう粗大樹脂粒子群回収口30が、それぞれ形成されている。
【0067】
上記遠心分離室16の中央部には、その上面下側及び下面上側の両面に、それらの面から立ち下がった(及び、立ち上がった)形に形成されるリング状のエッジ12a及び14aが配置されている。
【0068】
このリング状のエッジ12a及び14aは、本実施形態に係る旋回気流式分級機10における分級性能を決定するものであり、その取り付け位置並びに高さの決定には、十分な検討が必要である。
【0069】
上記遠心分離室16の外周部には、この遠心分離室16内部を旋回しながら下方に移動する間に遠心分離される樹脂粒子群の旋回速度を調整する機能を有する複数(ここでは、一例として16枚)のガイドベーン40が配置されている。このガイドベーン40は、回動軸40aにより上部円盤状部材12と下部円盤状部材14との間で回動可能に軸支されるとともに、ピン40bにより図示されていない回動板に係止されており、この回動板(回動手段)を回動させることにより全てのガイドベーン40を同時に、所定角度回動させることができるように構成されている。
【0070】
なお、このように、回動板を回動させることによりガイドベーン40を所定角度回動させることにより各ガイドベーン40の間隔を調整して、ここを通過する空気の流速を変えることができる。そして、これにより、本実施形態に係る旋回気流式分級機10における分級性能(具体的には、分級点)を変更することができる。また、予め所定の角度に固定された数種類のガイドベーンを準備しておき、これらガイドベーンの中から所望する分級性能に応じて1種類のガイドベーンを選択し、そのガイドベーンを回動可能なガイドベーン40に代えて使用することもできる。分級樹脂粒子群回収部が備えているブロワにより遠心分離室16内の空気が吸引されて遠心分離室16内が負圧になることから、周囲の空気がガイドベーン40の間から遠心分離室16内に吸入され(送り込まれ)(白抜き矢印参照)、その結果として、遠心分離室16内に、遠心分離に用いられる旋回流がガイドベーン40の方向に沿って発生する。
【0071】
遠心分離室16の外周部に配置されているガイドベーン40のさらに外周部には、側壁などの構成体は存在していない。ここには、ゴミの侵入を防ぐため、及び騒音を低減するためのエアフィルタを設置するのがよい。
【0072】
このエアフィルタからは、分級樹脂粒子群回収部が備えているブロワに引かれて遠心分離室16内が負圧になることから、遠心分離室16内に周囲の空気が吸入される(白抜き矢印参照)ようになって、結果的に、遠心分離室16内の遠心分離に用いられる空気量を補足する機能を実現している。
【0073】
上記遠心分離室16の上方には、原料投入口18並びに上記上部円盤状部材12の外周壁に沿って円環状空洞部である原料分散ゾーン24が形成され、また、上記遠心分離室16の下方には、上記下部円盤状部材14の外周壁に沿って円環状空洞部である原料再分級ゾーン28が形成されている。上記遠心分離室16、原料分散ゾーン24、及び原料再分級ゾーン28が、上記分級用空洞部を構成する。
【0074】
そして、上記原料分散ゾーン24内には、その外周壁に、その接線方向に沿って配置される原料樹脂粒子群分散用の高圧空気の噴出ノズル(第2の噴出ノズル)20が配置されている。また、上記原料再分級ゾーン28内には、その外周壁に、その接線方向に沿って配置され、遠心分離作用を加速するための高圧空気の噴出ノズル22が、配置されている。噴出ノズル20は、ガイドベーン40の上方に配置され、原料分散ゾーン24(分級用空洞部の上部)に圧縮空気を噴射する。噴出ノズル22は、ガイドベーン40の下方に配置されており、原料再分級ゾーン28(分級用空洞部の下部)に圧縮空気を噴射する。
【0075】
本実施形態に係る旋回気流式分級機10においては、上述の2つの噴出ノズル20及び噴出ノズル22の配置方法に、以下のような配慮がなされている。すなわち、噴出ノズル20は原料分散ゾーン24の外周壁にその接線方向に沿って配置され、噴出ノズル22は原料再分級ゾーン28の外周壁にその接線方向に沿って配置されるものではあるが、この際の噴出ノズル20及び噴出ノズル22の接線方向から中心に向けての傾斜角は、噴出ノズル22の傾斜角を、噴出ノズル20の傾斜角よりも少し大きめにするのが、良好な結果をもたらす。
【0076】
すなわち、上記遠心分離室16の上方の、上記噴出ノズル20の空気噴出孔に対向する位置にはドーナツ状の原料分散ゾーン24が、また、上記遠心分離室16の下方の、上記噴出ノズル22の空気噴出孔に対向する位置には同じくドーナツ状の原料再分級ゾーン28が、それぞれ形成されている。
【0077】
さらに、上記原料再分級ゾーン28の下方には、図示されていない粗大樹脂粒子群回収部に通ずるドーナツ状の粗大樹脂粒子群回収流路を介する粗大樹脂粒子群回収口(粗大樹脂粒子群排出口)30が形成されており、一方、上記遠心分離室16の上方には、図示されていない分級樹脂粒子群回収部に通ずる分級樹脂粒子群回収口(分級樹脂粒子群排出口)32が形成されている。なお、分級樹脂粒子群回収口32には、通常、バグフィルター等の適宜のフィルターを介して吸気ブロワに接続される。
【0078】
上記遠心分離室16の中央部には、その上面下側及び下面上側の両面に、それらの面から立ち下がった(及び、立ち上がった)形に形成されるリング状のエッジ12a及び14aが配置されている。このリング状のエッジ12a及び14aは、本実施形態に係る旋回気流式分級機10における分級性能を決定するものであり、その取り付け位置並びに高さの決定には、十分な検討が必要である。
【0079】
上記遠心分離室16の外周部には、前述のようなガイドベーン40が配置されている。このガイドベーン40は、回動軸40aにより上部円盤状部材12と下部円盤状部材14との間に回動可能に軸支されるとともに、ピン40bにより図示されていない回動板(回動手段)に係止されており、この回動板を回動させることにより全てのガイドベーン40を、所定角度回動させることができるように構成されている。
【0080】
ここで、前述の、噴出ノズル20の空気噴出孔に対向する位置に形成されているドーナツ状の原料分散ゾーン24の壁面のうち、上記噴出ノズル20の空気噴出孔に対向する面の垂直方向に対する傾斜角度は、45〜90度の範囲とすることが好ましい。
このように構成することで、本来は分級樹脂粒子群回収部方向に分離されるべき分級樹脂粒子群が、分級樹脂粒子群に混じって粗大樹脂粒子群回収部方向に分離されてしまうことを防止する上で大きな効果が得られる。
【0081】
上述のように構成される本発明の第2の実施形態に係る旋回気流式分級機10の動作について、以下に説明する。
【0082】
旋回気流式分級機10の分級樹脂粒子群回収口32並びに粗大樹脂粒子群回収口30に、それぞれ分級樹脂粒子群回収部並びに粗大樹脂粒子群回収部が接続されていることを確認したら、ガイドベーン40の設定角度を予め定められた角度に設定して、圧縮空気源に接続されている噴出ノズル20及び噴出ノズル22からこれも予め定められた条件で圧縮空気を噴出する。
【0083】
この状態で、原料投入口18から分級対象である原料樹脂粒子群を、所定の投入流量で投入する。投入された原料樹脂粒子群は、前述の噴出ノズル20から噴出する圧縮空気の作用により、ドーナツ状の原料分散ゾーン24内を高速旋回する旋回流に乗り、ここで予備的に分散されつつ、遠心分離室16内に落下して行く。
【0084】
この過程で、上述の遠心分離室16外周部に配置されている複数のガイドベーン40のそれぞれの隙間から外部の空気が吸い込まれる(白抜き矢印参照)ことにより、遠心分離室16内における遠心分離作用が促進される。
【0085】
上記遠心分離室16における遠心分離作用の結果、基本的には、分級点以下のサイズを有する分級樹脂粒子群は、遠心分離室16中央部のリング状のエッジ12a及び14aにより、混在している樹脂粒子群中の粗大樹脂粒子群を残して、分級樹脂粒子群回収口32から系外の分級樹脂粒子群回収部に回収される。この分級樹脂粒子群中には、分級点を越えるような粗大樹脂粒子が含まれることは極めて少ない。
【0086】
これに対して、上記遠心分離室16における遠心分離作用の結果、分級点を越える粗大樹脂粒子群については、実際上、かなりの確率で微小樹脂粒子が含まれている場合がある。これは、遠心分離法の宿命ともいうべきものであるが、上記旋回気流式分級機においては、これを改善するために、上記遠心分離室16の下方の原料再分級ゾーン28の入口部に噴出ノズル22を設けて、これから噴出する空気流により、原料再分級ゾーン28に流入する微小樹脂粒子を遠心分離室16内に戻すようにしている。
【0087】
上述のような、噴出ノズル22による再分級操作をも受けて、微小樹脂粒子が効率的に除去された粗大樹脂粒子群は、原料再分級ゾーン28を通って粗大樹脂粒子群回収部に回収される。
【0088】
以上が、本発明の製造方法の一実施形態に用いる旋回気流式分級機の動作の概要である。
【0089】
上記旋回気流式分級機によれば、遠心分離室16外周部に配置されている複数のガイドベーン40のそれぞれの隙間から外部の空気が吸い込まれる(白抜き矢印参照)ことにより、遠心分離室16内における遠心分離が促進される作用に加えて、上記原料再分級ゾーン28の噴出ノズル22下方の傾斜部分とにより形成される補助分級機能部50により、粗大樹脂粒子群側への微小樹脂粒子の混入が効果的に防止されて、体積平均粒子径が0.5〜10μmの樹脂粒子群の製造に有利な旋回気流式分級機を実現できる。
【0090】
〔樹脂粒子群の用途〕
本発明の樹脂粒子群は、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部品用として好適であり、また、バインダーと混合して樹脂組成物として使用するのに好適である。
【0091】
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、樹脂粒子群と、バインダーとを含んでいる。
【0092】
上記バインダーとしては、透明性、樹脂粒子分散性、耐光性、耐湿性及び耐熱性等の要求される特性に応じて、当該分野において使用されるものであれば特に限定されるものではない。上記バインダーとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂;(メタ)アクリル−ウレタン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;メラミン系樹脂;スチレン系樹脂;アルキド系樹脂;フェノール系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリエステル系樹脂;アルキルポリシロキサン系樹脂等のシリコーン系樹脂;(メタ)アクリル−シリコーン系樹脂、シリコーン−アルキド系樹脂、シリコーン−ウレタン系樹脂、シリコーン−ポリエステル樹脂等の変性シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂等のバインダー樹脂が挙げられる。
【0093】
上記バインダー樹脂は、樹脂組成物の耐久性を向上させる観点から、架橋反応により架橋構造を形成できる硬化性樹脂であることが好ましい。上記硬化性樹脂は、種々の硬化条件で硬化させることができる。上記硬化性樹脂は、硬化のタイプにより、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、温気硬化性樹脂等に分類される。
【0094】
上記熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0095】
上記電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコール多官能(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリレート樹脂;ジイソシアネート、多価アルコール、及びヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等から合成されるような多官能ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。上記電離放射線硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレート樹脂が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。上記電離放射線硬化性樹脂は、二種類以上を併用してもよい。
【0096】
上記電離放射線硬化性樹脂としては、これらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用できる。
【0097】
上記電離放射線硬化性樹脂のうち紫外線硬化性樹脂を用いる場合、紫外線硬化性樹脂に光重合開始剤を加えてバインダーとする。上記光重合開始剤は、どのようなものを用いてもよいが、用いる紫外線硬化性樹脂にあったものを用いることが好ましい。
【0098】
上記光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等に記載)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
【0099】
上記アセトフェノン類としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン(別名:2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等が挙げられる。上記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインベンゾエート、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。上記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。上記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。上記ケタール類としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルメチルケタール類が挙げられる。上記α−ヒドロキシアルキルフェノン類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。上記α−アミノアルキルフェノン類としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノンが挙げられる。
【0100】
市販の光ラジカル重合開始剤としては、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)651」(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン)等が好ましい例として挙げられる。
【0101】
上記光重合開始剤の使用量は、バインダー100重量%に対し、通常、0.5〜20重量%の範囲内であり、好ましくは1〜5重量%の範囲内である。
【0102】
上記バインダー樹脂として、上記硬化性樹脂以外に、熱可塑性樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体及び共重合体、塩化ビニルの単独重合体及び共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体及び共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;アクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0103】
また、上記バインダーとして、上記バインダー樹脂の他に、合成ゴムや天然ゴム等のゴム系バインダーや、無機系結着剤等を用いることもできる。上記ゴム系バインダーとしては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。これらゴム系バインダーは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
【0104】
上記無機系結着剤としては、シリカゾル、アルカリ珪酸塩、シリコンアルコキシド、リン酸塩等が挙げられる。上記無機系結着剤として、金属アルコキシド又はシリコンアルコキシドを加水分解及び脱水縮合して得られる無機系又は有機無機複合系マトリックスを用いることもできる。上記無機系又は有機無機複合系マトリックスとしては、シリコンアルコキシド、例えばテトラエトキシシラン等を加水分解及び脱水縮合して得られる酸化珪素系マトリックスを使用できる。これら無機系結着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
【0105】
上記樹脂組成物は、有機溶剤をさらに含んでいてもよい。後述する基材フィルム等の基材に上記樹脂組成物を塗工する場合、上記有機溶剤は、それを樹脂組成物に含有させることによって、基材への樹脂組成物の塗工が容易になるものであれば、特に限定されるものではない。上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、酢酸2−エトキシエチルアセタート(セロソルブアセタート)、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート等のグリコールエーテルエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン、塩化メチレン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等を用いることができる。これら有機溶剤は、1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0106】
上記樹脂組成物は、後述する防眩フィルムの製造に使用できるのみならず、上記樹脂組成物を所定形状(例えばフィルム形状)に成形することによって光拡散フィルム等の製品を製造するのに使用することもできる。
【0107】
〔防眩フィルム〕
本発明の防眩フィルムは、上記樹脂組成物を基材フィルム上に塗布してなる。
【0108】
上記基材フィルムは、透明であることが好ましい。透明の基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等のポリマーからなるフィルムが挙げられる。また、透明の基材フィルムとして、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等のポリマーからなるフィルムも挙げられる。さらに、透明の基材フィルムとして、イミド系ポリマー、サルホン系ポリマー、ポリエーテルサルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや上記ポリマーのブレンド物等のポリマーからなるフィルム等も挙げられる。上記基材フィルムとして、特に複屈折率の少ないものが好適に用いられる。また、これらフィルムにさらにアクリル系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−マレイン酸グラフトポリエステル樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂等の易接着層を設けたフィルムも上記基材フィルムとして用いることができる。
【0109】
上記基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には、強度や取り扱い等の作業性、薄層性等の点より10〜500μmの範囲内であり、20〜300μmの範囲内であることが好ましく、30〜200μmの範囲内であることがより好ましい。
【0110】
また、基材フィルムには、添加剤を加えてもよい。上記添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、屈折率調整剤、増強剤等が挙げられる。
【0111】
上記樹脂組成物を基材フィルム上に塗布する方法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の公知の塗工方法が挙げられる。
【0112】
上記樹脂組成物に含まれるバインダーが電離放射線硬化性樹脂である場合、上記樹脂組成物の塗布後に、必要に応じ溶剤を乾燥させ、さらに活性エネルギー線を照射することにより電離放射線硬化性樹脂を硬化させればよい。
【0113】
上記活性エネルギー線としては、例えば、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線;通常20〜2000KeVのコックロフト・ワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
【0114】
樹脂組成物の塗布(及び硬化)によって形成される、バインダー中に樹脂粒子群が分散された層(防眩層)の厚みは、特に限定されず、樹脂粒子群の粒子径により適宜決定されるが、1〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜7μmの範囲内であることがより好ましい。
【実施例】
【0115】
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例及び比較例における、樹脂粒子群の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法、種粒子群の重量平均分子量の測定方法、並びに体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数及び0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合の測定方法を説明する。
【0116】
〔樹脂粒子群の体積平均粒子径の測定方法〕
樹脂粒子群(種粒子群の製造例1・2で得られた種粒子群、及び実施例1〜3及び比較例1・2で得られた樹脂粒子群)の体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)及びユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行った。
【0117】
測定には、樹脂粒子群0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10ml中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。
【0118】
また、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにおいて、ミー理論に基づいた評価のために必要となる以下に示す光学的なパラメータを、設定する。
【0119】
<パラメータ>
液体(ノニオン性界面活性剤水溶液)の屈折率B.I.の実部=1.333(水の屈折率)
固体(測定対象の樹脂粒子群)の屈折率の実部=樹脂粒子群の屈折率
固体の屈折率の虚部=0
固体の形状因子=1
また、測定条件及び測定手順は、以下の通りとする。
【0120】
<測定条件>
測定時間:60秒
測定回数:1
ポンプ速度:50〜60%
PIDS相対濃度:40〜55%程度
超音波出力:8
<測定手順>
オフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、上記した分散液を、スポイトを用いて、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内へ注入する。上記のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内の濃度が上記のPIDS相対濃度に達し、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアが「OK」と表示したら、測定を開始する。なお、測定は、ユニバーサルリキッドサンプルモジュール中でポンプ循環を行うことによって上記樹脂粒子群を分散させた状態、かつ、超音波ユニット(ULM ULTRASONIC MODULE)を起動させた状態で行う。
【0121】
また、測定は室温で行い、得られたデータから、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにより、上記の予め設定された光学的なパラメータを用いて、樹脂粒子群の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)を算出する。
【0122】
なお、樹脂粒子群の屈折率については、樹脂粒子群を構成する重合体の屈折率を入力し測定を実施した。例えば、樹脂粒子群を構成する重合体がポリメタクリル酸メチル又はポリメタクリル酸エチルである場合には、既知であるポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチルの屈折率1.495を入力し、樹脂粒子群を構成する重合体がポリスチレンである場合には、既知であるポリスチレンの屈折率1.595を入力した。
【0123】
〔樹脂粒子群の粒子径の変動係数の測定方法〕
樹脂粒子群の粒子径の変動係数(CV値)は、前述の樹脂粒子群の体積平均粒子径の測定方法によって測定された体積基準の粒度分布の標準偏差(σ)及び体積平均粒子径(D)から、以下の式により算出した。
【0124】
樹脂粒子群の粒子径の変動係数(%)=(σ/D)×100
〔種粒子群の重量平均分子量の測定方法〕
種粒子群の製造例1・2で得られた種粒子群の重量平均分子量(Mw)の測定は、以下のようにして行った。
【0125】
種粒子群の重量平均分子量(Mw)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定する。測定する重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量である。
【0126】
試料(種粒子群)0.003gをテトラヒドロフラン(THF)10mlに23℃で24時間静置することで完全に溶解させる。この時点で完全に溶解していない場合は、更に24時間静置毎(合計72時間まで)に完全に溶解しているか否かを確認する。72時間後に完全に溶解できない場合は、上記試料に架橋成分が含まれていると判断する。得られた溶液を0.45μmの非水系クロマトディスクを用いて濾過する。得られた濾液をGPCにより分析し、PS換算重量平均分子量を測定する(完全に溶解できない場合は、溶解した成分を濾過し、濾液を用いてPS換算重量平均分子量を測定する)。以下に示す検量線の作成方法により予め作成した検量線から、上記試料のPS換算重量平均分子量を求める。なお、測定条件は下記の通りとする。
【0127】
<測定条件>
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製の商品名「HLC−8320GPC EcoSEC−WorkStation」、RI検出器(示差屈折率検出器)内蔵)
カラム:東ソー株式会社製の商品名「TSKgel Super HZM−H」(内径4.6mm×長さ15cm)×2本
ガードカラム:東ソー株式会社製の商品名「TSK guard column Super HZ−H」(内径4.6mm×長さ2cm)×1本
流量:試料側 0.175ml/min、リファレンス側 0.175ml/min
検出器:上記高速GPC装置に内蔵のRI検出器
濃度:0.3g/l
注入量:50μl
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
<検量線の作成方法>
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社株式会社製の商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工株式会社製商品名「Shodex(登録商標) STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
【0128】
検量線の作成方法は以下の通りである。まず、上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(重量平均分子量が1030000のもの)、グループB(重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000のもの)及びグループC(重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000のもの)にグループ分けする。グループAに属する重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を5mg秤量した後にTHF20mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。グループBに属する重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ10mg、5mg、5mg、及び5mg秤量した後にTHF50mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。グループCに属する重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ5mg、5mg、5mg、及び1mg秤量した後にTHF40mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。これら標準ポリスチレン試料の保持時間から較正曲線(三次式)を上記高速GPC装置専用のデータ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成し、これをPS換算重量平均分子量測定の検量線として用いる。
【0129】
〔体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数、及び0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合の測定方法〕
以下の実施例及び比較例の樹脂粒子群における、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数、及び0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合は、フロー式粒子像分析装置(商品名「FPIA(登録商標)−3000S」、シスメックス株式会社製)を用いて測定した。
【0130】
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩0.05gを加えて界面活性剤水溶液を得た。その後、上記界面活性剤水溶液に、測定対象の樹脂粒子群0.02gを加え、分散機として超音波洗浄器(例えば、株式会社ヴェルヴォクリーア製の「VS−150」など)を用いて、2分間かけて、樹脂粒子群を界面活性剤水溶液中に分散させる分散処理を行い、測定用の分散液を得た。
【0131】
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記フロー式粒子像分析装置を用い、上記フロー式粒子像分析装置に使用するシース液としては、パーティクルシース(商品名「PSE−900A」、シスメックス株式会社製)を使用した。上記手順に従い調整した測定用の分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、下記測定条件にて測定した。
【0132】
測定モード:HPF測定モード
粒子径の測定範囲:0.5〜200μm
粒子の円形度の測定範囲:0.2〜1.0
粒子の測定個数:100000個
測定にあたっては、測定開始前に標準ポリマー粒子群の懸濁液(例えば、Thermo Fisher Scientific社製の「5200A」(標準ポリスチレン粒子群をイオン交換水で希釈したもの))を用いて上記フロー式粒子像分析装置の自動焦点調整を行った。なお、円形度は、樹脂粒子を撮像した画像と同じ投影面積を有する真円の直径から算出した周囲長を、樹脂粒子を撮像した画像の周囲長で除した値である。
【0133】
上記方法によって測定した樹脂粒子群の粒子径から、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数をカウントした。また、上記方法によって測定した樹脂粒子群の円形度から、及び0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数をカウントし、この個数を測定個数で除することにより、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合を算出した。
【0134】
〔種粒子群の製造例1〕
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、水性媒体としての水3000gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル500gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン5gとを仕込み、セパラブルフラスコの内容物を攪拌しながらセパラブルフラスコの内部を窒素置換しセパラブルフラスコの内温を70℃に昇温した。さらにセパラブルフラスコの内温を70℃に保ちながら、重合開始剤としての過硫酸カリウム2.5gをセパラブルフラスコの内容物に添加した後に12時間重合反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは、固形分(ポリメタクリル酸メチル粒子群)を14重量%含有し、その固形分は、体積平均粒子径が0.45μmであり、重量平均分子量が15000である真球状粒子群であった。この真球状粒子群を含むエマルジョンを種粒子群分散液として、後述する単分散粒子群の製造例1及び2に用いた。
【0135】
〔種粒子群の製造例2〕
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、水性媒体としての水3150gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル350g、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン3gとを仕込み、セパラブルフラスコの内容物を攪拌しながらセパラブルフラスコの内部を窒素置換しセパラブルフラスコの内温を80℃に昇温した。さらにセパラブルフラスコの内温を80℃に保ちながら、重合開始剤としての過硫酸カリウム1.8gをセパラブルフラスコの内容物に添加した後に12時間重合反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは、固形分を10重量%含有し、その固形分は、体積平均粒子径が0.35μmであり、重量平均分子量が15000である真球状粒子群であった。この真球状粒子群を含むエマルジョンを種粒子群分散液として、後述する単分散粒子群の製造例3に用いた。
【0136】
〔単分散粒子群の製造例1〕
スチレン系単量体としてのスチレン300gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル400gと、多官能の重合性ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート300gと、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル8gとを互いに溶解させて単量体混合物を得た。得られた単量体混合物を、予めノニオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル10gをイオン交換水990gに溶解させることにより得られた界面活性剤水溶液1000gと混合し、高速乳化・分散機(商品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)に入れて10000rpmで10分間処理して、乳化液を得た。
【0137】
この乳化液に、上記種粒子群製造例1で得られた体積平均粒子径が0.45μmの種粒子群分散液23g(固形分3g)を加え、30℃で3時間攪拌し、分散液を得た。この分散液に、高分子分散安定剤としてのポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名「ゴーセノール(登録商標)GH−17」)の4重量%水溶液2000gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.6gとを加え、その後、70℃で5時間攪拌し次いで105℃で2.5時間攪拌することにより重合反応を行った。
【0138】
重合後の分散液を加圧濾過機にて脱水し、温水を用いて洗浄した後、70℃で24時間真空乾燥することで、架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂からなる樹脂粒子群である重合体粒子群A(乾燥樹脂粒子群)を得た。
【0139】
〔単分散粒子の製造例2〕
スチレン系単量体としてのスチレン510gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸n−ブチル370gと、多官能の重合性ビニル系単量体としてのジビニルベンゼン120gと、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル8gとを互いに溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物を実施例1の単量体混合物に代えて用いること以外は実施例1と同様にして、乳化液を得た。
【0140】
この乳化液に、上記種粒子群の製造例1で得られた体積平均粒子径が0.45μmの種粒子群分散液70g(固形分9.8g)を加え、30℃で3時間攪拌し、分散液を得た。この分散液を実施例1の分散液に代えて用いること以外は実施例1と同様にして、重合反応、脱水、洗浄、及び真空乾燥を行うことで、架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂からなる樹脂粒子群である重合体粒子群B(乾燥樹脂粒子群)を得た。
【0141】
〔単分散粒子群の製造例3〕
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル900gと、多官能の重合性ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート100gと、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル8gとを互いに溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物を実施例1の単量体混合物に代えて用いること以外は実施例1と同様にして、乳化液を得た。
【0142】
この乳化液に、上記種粒子群の製造例2で得られた体積平均粒子径が0.35μmの種粒子群分散液500g(固形分50g)を加え、30℃で3時間攪拌し、分散液を得た。
この分散液を実施例1の分散液に代えて用い、ポリビニルアルコールの4重量%水溶液に代えてノニオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの0.5重量%水溶液2000gを用いること以外は実施例1と同様にして、重合反応を行った。重合後の分散液をスプレードライによって乾燥し、架橋(メタ)アクリル系樹脂からなる樹脂粒子群である重合体粒子群C(乾燥樹脂粒子群)を得た。
【0143】
〔実施例1〕
単分散粒子群の製造例1で得られた重合体粒子群Aを、粉砕機を使用しない
図1に示す旋回気流式分級機10であって、日清エンジニアリング株式会社製から市販されている商品名「エアロファインクラシファイアAC−20」の旋回気流式分級機を用いて、分級した。
【0144】
本実施例では、ガイドベーン40の角度は、遠心分離室16の外周面の接線方向から中心に向けての傾斜角を80度とした。また、上下の噴出ノズル20及び22からの吐出圧力を0.5MPaとした。また、吸引風量3.5m
3/minのブロワを用いて分級樹脂粒子群回収口32から空気を吸引しつつ、分級を行った。これにより、架橋ビニル系樹脂としての架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂からなる樹脂粒子群を得た。
【0145】
得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径が3.15μmであり、粒子径の変動係数が11.55%であった。また、得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が100000個中2個であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数が100000個中200個(0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.2%)であった。
【0146】
〔実施例2〕
単分散粒子群の製造例1で得られた重合体粒子群Aに代えて単分散粒子群の製造例2で得られた重合体粒子群Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして分級を行い、架橋ビニル系樹脂としての架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合樹脂からなる樹脂粒子群を得た。
【0147】
得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径が2.27μmであり、粒子径の変動係数が9.54%であった。また、得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が100000個中2個であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数が100000個中100個(0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.1%)であった。
【0148】
〔実施例3〕
単分散粒子群の製造例1で得られた重合体粒子群Aに代えて単分散粒子群の製造例3で得られた重合体粒子群Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして分級を行い、架橋ビニル系樹脂としての架橋(メタ)アクリル系樹脂からなる樹脂粒子群を得た。
【0149】
得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径が1.01μmであり、粒子径の変動係数が13.24%であった。また、得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が100000個中4個であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数が100000個中300個(0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が0.3%)であった。
【0150】
〔比較例1〕
単分散粒子群の製造例1で得られた重合体粒子群Aをハンマーミル(型番「AIIW−5」、株式会社ダルトン製)にて解砕し、強制渦式分級機(商品名「ターボクラシファイアTC−15」、日清エンジニアリング株式会社製)にて分級を行い、樹脂粒子群を得た。
【0151】
得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径が3.15μmであり、粒子径の変動係数が11.18%であった。また、得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が100000個中4個であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数が100000個中1300個(0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が1.3%)であった。
【0152】
〔比較例2〕
単分散粒子群の製造例1で得られた重合体粒子群Aに代えて単分散粒子群の製造例2で得られた重合体粒子群Bを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、分級を行い、樹脂粒子群を得た。
【0153】
得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径が2.27μmであり、粒子径の変動係数が9.54%であった。また、得られた樹脂粒子群は、体積平均粒子径の2倍以上の粒子径を有する樹脂粒子の個数が100000個中4個であり、0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の個数が100000個中2000個(0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が2.0%)であった。
【0154】
〔実施例4〕(防眩フィルム用樹脂組成物の調製、及び防眩フィルムの作製)
紫外線硬化型樹脂としてのぺンタエリストールトリアクリレート及びペンタエリストールテトラアクリレートの混合物(商品名「アロニックス(登録商標)M−305」、東亞合成株式会社製)80重量部と、有機溶剤としてのトルエン及びシクロペンタノンの混合液(トルエンとシクロペンタノンとの体積比=7:3)120重量部と、実施例1にて製造した樹脂粒子群5重量部と、光重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、商品名「イルガキュア(登録商標)907」、BASF(登録商標)ジャパン株式会社製)5重量部とを混合し、樹脂組成物としての防眩フィルム用樹脂組成物を調製した。
【0155】
基材フィルムとして、透明プラスチックフィルムである厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記防眩フィルム用樹脂組成物を上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、バーコーターを用いて塗布することで、塗膜を形成した。次に、上記塗膜を80℃で1分間加熱することにより上記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて紫外線を積算光量300mJ/cm
2で上記塗膜に照射することにより、上記塗膜を硬化させて防眩性ハードコート層を形成した。これにより、防眩フィルム(成形品)として、実施例1にて製造した樹脂粒子群を含有した防眩性ハードコートフィルムを作製した。
【0156】
〔実施例5〕
実施例1にて製造した樹脂粒子群に代えて実施例2にて製造した樹脂粒子群を用いること以外は、実施例4と同様にして、防眩フィルム用樹脂組成物を調製し、実施例2にて製造した樹脂粒子群を含有した防眩性ハードコートフィルムを作製した。
【0157】
〔実施例6〕
実施例1にて製造した樹脂粒子群に代えて実施例3にて製造した樹脂粒子群を用いること以外は、実施例4と同様にして、防眩フィルム用樹脂組成物を調製し、実施例3にて製造した樹脂粒子群を含有した防眩性ハードコートフィルムを作製した。
【0158】
〔比較例3〕
実施例1にて製造した樹脂粒子群に代えて比較例1にて製造した樹脂粒子群を用いること以外は、実施例4と同様にして、防眩フィルム用樹脂組成物を調製し、比較例1にて製造した樹脂粒子群を含有した防眩性ハードコートフィルムを作製した。
【0159】
〔比較例4〕
実施例1にて製造した樹脂粒子群に代えて比較例2にて製造した樹脂粒子群を用いること以外は、実施例4と同様にして、防眩フィルム用樹脂組成物を調製し、比較例2にて製造した樹脂粒子群を含有した防眩性ハードコートフィルムを作製した。
【0160】
〔防眩フィルムの防眩性の評価〕
実施例4〜6及び比較例3・4で作製した防眩フィルムの各々の塗工面ではない面をABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)板に張り付け、当該防眩フィルムの2m離れた場所から、輝度10000cd/cm
2の蛍光灯を塗工面に映し、目視にて防眩フィルムの防眩性を評価した。防眩性の評価基準は、蛍光灯の反射像の輪郭がはっきり見えない場合には防眩性が「○」(良好)、蛍光灯の反射像の輪郭がはっきりと見える場合には防眩性が「×」(不良)と評価した。
【0161】
〔防眩フィルムの表面性の評価〕
実施例4〜6及び比較例3・4で作製した防眩フィルムの各々を蛍光灯の真上に配置し、目視にて防眩フィルムの表面性を評価した。表面性の評価基準は、透過光のムラ及び光の透け(欠点)が何れもない場合を表面性が「○」(良好)、透過光のムラ及び光の透け(欠点)の少なくとも一方がある場合を表面性が「×」(不良)、と評価した。
【0162】
実施例4〜6及び比較例3・4で作製した防眩フィルムの防眩性及び表面性の評価結果を、実施例4〜6及び比較例3・4で使用した樹脂粒子群の種類及び粒子径分布と共に表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
表1の結果から分かるように、本願発明に係る0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が1%より多い樹脂粒子群を含む比較例3及び4の防眩フィルムは、透過光のムラや光の透けが発生し表面性が不良であるのに対し、本願発明に係る0.97以下の円形度を有する樹脂粒子の割合が1%以下である樹脂粒子群を含む実施例4〜6の防眩フィルムは、透過光のムラや光の透けが発生せず表面性が良好であった。
【0165】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0166】
また、この出願は、2013年8月30日に日本で出願された特願2013−180231に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。