特許第6363609号(P6363609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特許6363609ガラスの楕円形および球形のシェル型ミラーブランクの成形方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363609
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】ガラスの楕円形および球形のシェル型ミラーブランクの成形方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/03 20060101AFI20180712BHJP
   C03B 23/035 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   C03B23/03
   C03B23/035
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-536833(P2015-536833)
(86)(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公表番号】特表2015-534933(P2015-534933A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2013063826
(87)【国際公開番号】WO2014058847
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】12306268.9
(32)【優先日】2012年10月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ダヌー,ティエリー リュック アラン
【審査官】 飯濱 翔太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0012895(US,A1)
【文献】 特表2001−511078(JP,A)
【文献】 特表2000−504299(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0055395(US,A1)
【文献】 特開2008−007375(JP,A)
【文献】 特開平11−204035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/00−35/26
C03B 40/00−40/04
C03B 11/00−11/16
C03B 17/00−17/06
G02B 5/08− 5/10
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスの集束ミラーブランクの製造方法であって、
ガラスシートを供給するステップと、
前記ガラスシートの永久変形を可能にするように、前記ガラスシートを加熱するか、または別の方法で、前記ガラスシートの温度を前記ガラスの軟化点の近傍にするステップと、
前記ガラスシート内にガラスのシェル型構造の配列を形成するように、前記ガラスシートを、前記シートをプレス加工することによって再成形するステップであって、それぞれの結果的に得られるガラスのシェル型構造の各々が、それぞれの外側の凸形表面とそれぞれの内側の凹形表面とを有する、ステップと、
を有してなる方法において、
前記プレス加工のステップは、突起体の配列を含む押し込み型の表面を用いて行われ、前記突起体の配列は、前記それぞれの内側の凹形表面に対して、かつそれに接触するように押し込まれ、その際、結果的に生じるそれぞれの外側の凸形表面をいかなる固体の物体とも接触させることはなことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ガラスのシェル型構造の1つ以上の対の間において、前記ガラスシートの中に1つ以上の薄くなった領域をプレス加工するステップであって、前記それぞれの1つ以上の薄くなった領域のいずれの側においても前記ガラスのシェル型構造の分離を容易にするためのステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガラスの集束ミラーブランクの製造方法であって、
ガラスシートを供給するステップと、
前記ガラスシートの永久変形を可能にするように、前記ガラスシートを加熱するか、または別の方法で、前記ガラスシートの温度を前記ガラスの軟化点の近傍にするステップと、
前記ガラスシート内にガラスのシェル型構造の配列を形成するように、前記ガラスシートを、前記シートを真空もしくは差圧成形加工することによって再成形するステップであって、それぞれの結果的に得られるガラスのシェル型構造の各々が、それぞれの外側の凸形表面とそれぞれの内側の凹形表面とを有する、ステップと、
前記ガラスのシェル型構造の1つ以上の対の間において、前記ガラスシートの中に1つ以上の薄くなった領域をプレス加工するステップであって、前記それぞれの1つ以上の薄くなった領域のいずれの側においても前記ガラスのシェル型構造の分離を容易にするためのステップと、
を有してなる方法において、
前記真空または差圧成形加工のステップは、貫通孔の配列を含む型表面を用いて行われ、その場合、前記シェル型構造は、前記シートを、前記型表面に対して真空または差圧成形することによって形成され、前記ガラスのシェル型構造は、前記貫通孔の配列の中に形成され、その際、前記結果的に生じるそれぞれの外側の凸形表面をいかなる固体の物体とも接触させることはなく、かつ、前記結果的に生じるそれぞれの内側の凹形表面をいかなる固体の物体とも接触させないことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記ガラスシートを供給するステップが、ダウンドロー法またはフュージョンドロー法または他のガラスシート成形装置から連続ガラスシートを供給するステップを含み、前記再成形するステップが、ローラベースのプレス加工法を用いて連続再成形するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ガラスシートを供給するステップが、ダウンドロー法またはフュージョンドロー法または他のガラスシート成形装置から連続ガラスシートを供給するステップを含み、前記再成形するステップが、ローラベースの真空もしくは差圧成形加工を用いて連続再成形するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記プレス加工のステップが、球形または楕円形の突起体の配列を含む押し込み型を用いてプレス加工するステップを含み、前記突起体の各々は、前記突起体の各々の頂点の方向に、その位置における名目上の理想的な半径に比べてより長い半径を有することによって、それぞれの理想的な球形または楕円形の形状から変化していることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ガラスシートを供給するステップが、[(10nm)/|N1−N2|]rms以下の表面粗さを有するガラスシートを供給するステップであって、但し、N1は、前記それぞれの内側の凹形表面に接触して使用するように意図される光学材料の屈折率であり、N2は前記ガラスシートの屈折率である、ステップを含むことを特徴とする請求項1−6いずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2012年10月12日に出願された欧州特許出願公開第12306268.9号明細書の優先権の利益を主張するものであり、この欧州特許出願公開の内容に依拠すると共に、この欧州特許出願公開の内容は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガラスの楕円形および球形のシェル型ミラーブランクの成形方法に関し、特に、大量生産に適した、精密なミリメートルスケール半径の楕円形および球形のシェル型ミラーブランクの成形方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な照明用途から、表示装置用途用のLEDバックライトまで、さらに特殊なLEDベースの光源用途までに及ぶ特にLED光源用途用の、低コストで高効率の(良好な精密)集束ミラー光学系に対する要求がある。これらのすべての用途において、エネルギー効率および寿命がLED源に対する重要な性能基準であり、この両方が、熱効率を高めることによって好適な影響を受ける。
【0004】
LED源の熱効率を改善するために用いられる高効率の集束ミラー光学系の使用例が、特許文献1に記載されている。この文献は、マイクロメートルまたはミリメートルスケールのミラー上に配置される低域通過ダイクロイックミラーを使用するLED光源の光学設計を開示している。この場合、ミラーは、LEDの近傍に配置され、可視波長を通過させる一方、UV光を、可視光に変換するために、リン光性材料の上に反射させるように構成され、これによって全体的な熱効率を改善している(例えば図9およびその関連記述を参照されたい)。他のタイプのダイクロイックミラーの使用も可能である。例えば、LEDの放射スペクトルおよび使用する波長変換材料または装置のタイプに応じて、IR反射性ミラー、または可視波長を通過させる一方、IRおよびUVの両方を反射するミラーが有用である場合がある。
【0005】
マイクロ光学素子は、通常、射出成形ポリマーから形成される。これは、魅力的な低い製作コストを提供するが、光学伝達に関するスペクトルの枠の制限、および、時間の経過に伴う材料の安定性の問題などの固有の技術的な限界も有する。特定のダイクロイックミラーの形成に使用する材料、および、そのような材料用の堆積技術は、いくつかのポリマー材料と不適合である可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7394188B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ポリマーよりもむしろガラスに成形される高い表面品質の球形または楕円形ミラーブランクの効率的な成形方法を有することが望ましく、かつ、そのような方法は、大量生産に容易に適応し得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ガラスの集束ミラーブランクの製造方法であって、ガラスシートを供給するステップと、そのガラスシートを永久変形が可能になるように十分に加熱するステップと、そのガラスシートを、(1)そのシートをプレス加工するか、または、(2)そのシートを真空もしくは差圧成形加工するかのいずれかよって、ガラスのシェル型構造の配列に再成形するステップとを有してなる、方法が開示される。いずれの選択肢においても、シェル型構造のそれぞれの外側の(凸形)表面にはいかなる固体の物体も触れることはない。(1)プレス加工のステップは、突起体の配列を含む押し込み型の表面を用いて行われ、この突起体の配列は、それぞれの結果的に生じる内側の凹形表面に接触するように押し込まれ、その際、シェルの結果的に生じるそれぞれの外側の凸形表面に接触することはないか、あるいは、(2)真空または差圧成形加工のステップは、貫通孔の配列を含む型表面を用いて行われ、その場合、シェル型構造は、シートを、型表面に対して真空または差圧成形することによって形成され、その際、結果的に生じるそれぞれの外側の凸形表面、または、結果的に生じるそれぞれの内側の凹形表面に接触することはないか、のいずれかである。この方法は、さらに、ガラスのシェル型構造の1つ以上の対の間において、ガラスシートの中に1つ以上の薄くなった領域をプレス加工するステップであって、1つ以上の薄くなった領域においてガラスのシェル型構造の分離を容易にするためのステップを含むことができる。
【0009】
この方法は、ダウンドロー法またはフュージョンドロー法または他のガラスシート成形装置から直接製造されるガラスシートに対して用いることができる。この場合、再成形するステップは、(1)ローラベースのプレス加工、または、(2)ローラベースの真空もしくは差圧成形加工のいずれかを用いて連続再成形するステップを含むことができる。
【0010】
真空または差圧成形加工を用いる方法の選択肢においては、前記成形加工は、ガラスシートを、孔の配列を含む型表面であって、その貫通孔が15±5°の範囲の側壁角度を有する型表面に対して成形加工するステップを含むことが望ましい。
【0011】
プレス加工のステップを用いる方法の選択肢においては、プレス加工のステップが、ほぼ球形の突起体の配列またはほぼ楕円形の突起体の配列を含む押し込み型を用いてプレス加工するステップを含むことができる。いずれの場合にも、それぞれの突起体は、さらに別の実施形態によれば、それぞれの突起体の頂点の方向に、その位置における名目上の理想的な半径に比べてより長い半径を有することによって、それぞれの理想的な球形または楕円形の形状から変化することができる。
【0012】
本開示の他の実施形態と、種々の特徴および利点とは、次の図面を参照して進められる以下の記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の方法に従って作製されたブランクから形成されたミラーのための例示的(先行技術)応用である。
図2】本開示の一態様による方法における特定のステップを要約するフローチャートである。
図3A】本開示の方法の一実施形態の一態様による、協動する型の半分ずつと、その間において再成形されるガラスシートとの断面図である。
図3B】本開示の方法の一実施形態の一態様による、協動する型の半分ずつと、その間において再成形されるガラスシートとの断面図である。
図4A】本開示の方法の別の態様による、貫通孔を備えた型および任意選択的な協動する型と、再成形されるガラスシートとの断面図である。
図4B】本開示の方法の別の態様による、貫通孔を備えた型および任意選択的な協動する型と、再成形されるガラスシートとの断面図である。
図5A】本開示による方法のさらに別の実施形態によるガラスシートの再成形加工を図解する斜視図である。
図5B】本開示による方法のさらに別の実施形態によるガラスシートの再成形加工を図解する断面図である。
図6A】本開示による方法のさらに別の実施形態によるガラスシートの再成形加工を図解する斜視図である。
図6B】本開示による方法のさらに別の実施形態によるガラスシートの再成形加工を図解する断面図である。
図7A】本開示による特定の実施形態の方法と関連付けた場合に有用な型プレートの平面図である。
図7B】本開示による特定の実施形態の方法と関連付けた場合に有用な型プレートの断面図である。
図8】本開示の特定の方法との関連で有用な型表面上の突起体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、LED102と、リン光性材料、または他の波長変換材料、装置もしくは構造104とがその上(またはその中)に形成または配置された基板100を含むLEDベースの光源の図解的な断面図である。LEDからの望ましくない波長(実線の光線で示される)を反射して、リン光性材料、または他の波長変換材料、装置もしくは構造104の上に導くために、選択的な反射性を有する集束ミラー122(放射を単に反射するのではなく、それを集中させることが可能なミラーを意味する)(すなわちダイクロイックミラー)が用いられる。望ましい波長(図においては破線の光線によって示される)は、それが、波長変換構造104において生成されたものであれ、または、そことLED自体との両方に由来するものであれ、いくつかの適用例において該当するようにミラー122を通り抜ける。LED102と、リン光性材料、または他の波長変換材料、装置もしくは構造104との周りの基板100は、広帯域のスペクトルでないとしても、その上に入射する少なくとも望ましい放射を再指向させるために、反射性に作製するか、または反射器を具備することが望ましい。この基本的なLED光源装置構造は既知である(例えば特許文献1参照)が、このデバイスを実際に製造しかつ使用するためには、LED102からの放射をリン光性材料または他の波長変換器104に再指向させるように、球形または楕円形の集束ミラー用のミラーブランクとして使用するために、ガラスのミラーブランクを提供する確実で効率的な方法が要求される。
【0015】
図2は、本開示の一態様による集束ミラーブランクとして用いるためのガラスのシェル型構造の製造方法におけるいくつかの特定のステップを示すフローチャートである。図2に示される方法8はガラスシートを供給するステップ10を含む。このガラスシートは20nm rms以下の表面粗さを有するシートであることが望ましい。代わりの選択肢としては、このガラスシートは[(10nm)/|N1−N2|]rms以下の表面粗さを有するシートであることが望ましい。ここで、N1は、それぞれの内側の凹形表面に接触して使用するように意図される光学材料の屈折率であり、N2はガラスシートの屈折率である。図示の次のステップは、シートの良好に管理された永久変形(再成形)を可能にするように、ガラスシートを加熱するか、または別の方法で、ガラスシートの温度を、ガラスの軟化点近傍であるがそれ未満の再成形点(通常、望ましくは10〜10ポアズ(10〜10Pa・s)の範囲内の粘度において、軟化点より15〜40℃低い)にするステップ20である。この方法8は、さらに、2つの選択可能なステップを含み、この2つのステップはいずれも、初期状態のままの凸形表面を有するガラスのシェル型構造の製造に用いることができる。すなわち、この表面は、換言すれば、再成形プロセスの間に(気体以外とは)接触しない凸形表面であって、(エッチングまたは研磨によるものなど)さらなる表面仕上げを必要としない(かつ受けない)表面である。ステップ30aは、シートをプレス加工することによってシート内にガラスのシェル型構造の配列を形成するように、ガラスシートを再成形するステップを含む。この場合、プレス加工は、突起体の配列を含む押し込み型またはオス型の表面を用いて行われ、この突起体の配列は、それぞれの内側の凹形表面に対して、かつそれに接触するように押し込まれ、その際、結果的に生じるそれぞれの外側の凸形表面をいかなる固体の物体とも接触させることはない。別の選択肢としてのステップ30bは、貫通孔の配列を含む型表面を用いて、シートを真空または差圧成形することによってシート内にガラスのシェル型構造の配列を形成するように、ガラスシートを再成形するステップを含む。この場合、シェル型構造は、シートを、型表面に対して真空または差圧成形することによって形成され、ガラスのシェル型構造は、シェル型構造を貫通孔の配列の中に押し込む相対的な気体圧力によって形成され、その際、結果的に生じるそれぞれの(孔の中に位置する)外側の凸形表面をいかなる固体の物体とも接触させることはなく、かつ、結果的に生じるそれぞれの内側の凹形表面をいかなる固体の物体とも接触させることはない。いずれの選択肢においても、型の作用表面は、炭素、代替的には研磨炭素を含むことが望ましい。2つの選択可能なステップ30aおよび30bの一方または他方を遂行した後、結果的に得られるガラスシートは、ガラスのシェル型構造の配列がその中に形成されるように再成形されており、次に、それを、ステップ40において、型または成形表面から取り外して冷却および/またはアニールする。
【0016】
上記の選択肢としてのステップ30aおよび30bは、図3Aおよび3Bと、図4Aおよび4Bとを参照すると、より良く理解することができる。
【0017】
図3Aおよび3Bは、選択肢のステップ30aによる、協動する型の半分ずつと、その間において再成形されるガラスシートとの断面図である。図3Aにはガラスシート42が示されている。このシートは、再成形温度に加熱されているか、または別の方法で、2つの協動する型の半分50および52の間に配置される間、再成形温度に到達するかまたはそれに留まる状態にされる。型の半分の1つ50は、押し込み型またはオス型の表面54であって、突起体56の配列を含む型表面54を含む。次に、型の半分50、52を図示のPの方向に一緒に押し込むことによって一体化させ、シート42のプレス加工再成形を実施する。この場合、突起体56の配列が、結果的に突き出るシェル型構造43であって(ここでは再成形された)ガラスシート44内に形成されるシェル型構造43のそれぞれの内側の凹形表面45に対して、かつその凹形表面45に接触するように押し込まれる。もう一方のまたはメス型の半分52における(この場合長方形の)凹部58は、相対的に大きいため、すなわち、突起体56および再成形されたガラスシート44の両方を、凹部58内部の再成形されたガラスシート44に接触することなく包含するのに十分な程大きいため、この再成形のステップは、結果的に形成されるシート44の結果的に形成されるそれぞれの外側の凸形表面46をいかなる固体の物体とも接触させることなく行われる。もう一方のまたはメス型の半分52上の凹部58を取り巻く壁体57は、ガラスシート42(および44)を突起体56に対して固く押し付ける機能を果たす。
【0018】
図4Aおよび4Bは、図2の別の選択肢としてのステップ30bによる、貫通孔を備えた型および任意選択的な協動する型と、再成形されるガラスシートとの断面図である。図4Aおよび4Bに示すように、ガラスシート42を、貫通孔62の配列を有する成形表面を含む多孔板60に接触させる。シート42を、加熱するか、または別の方法で再成形温度に維持し、さらに、どのように生成されたものであろうとも、ガラスシート42と反対側の多孔板60の面に印加される部分真空の効果(矢印Vで示される)によって、または、多孔板60の両面の間の気体の圧力差の効果によって、貫通孔62の中に押し込む。この結果、ほぼ球形の外側の凹形表面44と、ほぼ球形の内側の凸形表面45とを有する突き出たシェル型構造43が形成される。この選択肢のステップにおいては、結果として得られるそれぞれの外側の凸形表面46(孔62内に位置する)は、何らかの固体表面と接触して成形され、結果として得られるそれぞれの内側の凹形表面45も、同様に、いかなる固体の物体とも接触することなく成形される。
【0019】
図3A〜3Bおよび図4A〜4Bに示す方法の代わりの追加的な方式として、図3A〜3Bの型の半分に、協動する部分せん断領域Sを設けることができる。この領域Sにおいては、型の半分50、52を一緒に一体化する際に、ガラスシート42、44が、殆ど、但し完全にではなくせん断される。その結果、この代替方式を採用すると、ガラスシート44の中に、ガラスのシェル型構造43の1つ以上の対の間に1つ以上の薄くなった領域Tがプレス加工されることになる。これによって、それぞれの1つ以上の薄くなった領域のいずれの側においても、後にガラスのシェル型構造を分離することが容易になる。これは、できるだけ多くのプロセス(例えば所要の反射性コーティングによるミラーブランクの被膜処理)を配列として一緒に接合されたミラーブランクについて実施することを可能にすると共に、一方ではさらに、個々のミラーまたは個々のミラー群への容易な分離を可能にする予備成形された単体化分離の位置を提供することによって、製造プロセスの簡素化を可能にするものである。図4Bに示すように、任意選択的に、シェル型構造43を成形する前または後において、第2の単体化分離型64を使用して、芯合わせし、Pの方向に下向きにプレス加工し、1つ以上のシェル型構造43の間に同様の薄くなった領域(図3Bに類似しているが図4Bには示されていない)を形成することができる。
【0020】
図5Aおよび5Bは、本開示による方法のさらに別の変形態様によるガラスシートの再成形を示すそれぞれ斜視図および断面図である。図5A〜5Bの方法においては、シート42は、ダウンドロー法またはフュージョンドロー法または他のガラスシート成形装置から連続ガラスシート42の形式で供給される。この場合、再成形のステップは、図3Aおよび3Bに関して説明したプレス加工法に類似しているものの、平板型50、52の代わりに機能するオス型およびメス型のローラ型50R、52Rを備えた、ローラベースのプレス加工法を用いて連続的に再成形するステップを含む。
【0021】
図6Aおよび6Bは、本開示による方法のまたさらに別の実施形態または変形態様によるガラスシートの再成形を示すそれぞれ斜視図および断面図である。図6A〜6Bの方法においては、シート42は、ダウンドロー法またはフュージョンドロー法または他のガラスシート成形装置から連続ガラスシート42の形式で供給されるが、この場合、再成形のステップは、図4Aおよび4Bに関して説明した成形法に類似しているものの、多孔平板型60の代わりの多孔ローラ型60Rを備えたローラベースの真空または差圧成形加工を用いて連続的に再成形するステップを含む。図6Bは、ローラ型60R内部のいくつかの真空ラインの配管を示すために幾分拡大されている。周囲に沿う所定位置の個々の孔に、ローラ60Rの中心近傍の真空弁によって同時に真空が印加される。この真空弁は、真空源を、ローラの約1/4回転(図で実線で示す)に対応する孔に接続する。この結果、ローラ60Rが回転すると、ガラスシート42は、ローラ60Rと接触する1/4回転の範囲内において真空成形され、接触領域の終端において真空は解除される。
【0022】
図7Aおよび7Bは、図4A〜4Bに関して説明した方法に関連した場合に有用な多孔の型プレート60の実施形態のそれぞれ平面図および断面図である。成形されたガラスシート44をプレート60から良好に離型させるために、貫通孔は、図示のようにプレートに対する垂直線に対して約15±5°の壁面角度Aを有することが望ましい。特に、孔の間の有用な間隔Dは7.5±2.5mmの範囲内であり、その場合、孔の頂部の幅または孔の最大幅部分の幅は5.5±1.5mmである。プレート60の厚さは約10±5mmとすることができる。
【0023】
図8は、図3A〜3Bおよび図5A〜5Bの方法に用いるような型表面上の突起体56の断面図である。この方法においては、唯一の初期状態のままの表面は凸形または外側の表面46であるため、表面46の形状が重要である。従って、突起体56の実際の半径(実線)が、突起体の頂点(突起体のベースから最も離れた点)の近傍において、ミラーブランク用の所要の形状が球形であれ、楕円形であれ、その位置における名目上の正確な半径(破線)に比べてより大きいことが望ましい。これは、ガラスシートが、成形の間、側部におけるよりも突起体56の頂点において幾分薄くなり、理想的な形状から離れる半径の相対的長さを調整することによって、より一層理想的な形状を表面46に対して実現できるからである。
【0024】
本発明を記述しかつ規定する目的のため、本明細書においては、「約(approximately)」、「相対的に(relatively)」および「実質的に(substantially)」という用語は、任意の量的な比較、値、測定または他の表現に帰することができる本来的な程度の不確実性を表現するために用いられていることが注記される。「約(approximately)」、「相対的に(relatively)」および「実質的に(substantially)」という用語は、本明細書においては、また、対象の主題の基本的な機能に変化を生じることなく、量的な表現が、提示された参照値から変化し得る程度を表現するために用いられる。
【0025】
本発明を、その具体的な実施形態を参照して詳細に記述したが、添付の請求項に規定する本発明の範囲から逸脱することなく、変更形態および変形形態が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本明細書においては、本発明のいくつかの態様を好ましいものまたは特に有利なものとして特定しているが、本発明は、本発明のこれらの好ましい態様に必ずしも限定されないと考えられる。
【0026】
特定の特性を具現化するために、または特定の方式で機能するように、特定の方式で「構成される(configured)」本開示の構成要素の本明細書における叙述は、意図される使用の叙述とは違って構造的な叙述であることが注記される。より具体的には、構成要素が「構成される(configured)」方式への本明細書における言及は、その構成要素の既存の物理的条件を示しており、それ自体、その構成要素の構造的特性の明確な叙述と見なされるべきである。
【0027】
「好ましくは(preferably)」、「一般的に(commonly)」および「通常(typically)」のような用語は、本明細書において用いる場合は、特許請求される発明の範囲を限定するために用いられるのではなく、または特定の特徴が、特許請求される発明の構造または機能にとって決定的であり、必須であり、または重要でもあることを意味するために用いられるのでもないことが注記される。これらの用語は、そうではなく、単に、本開示の実施形態の特定の態様を確認するように、または本開示の特定の実施形態において用いることができる、または用いなくてもよい代替的なまたは追加的な特徴を強調するように意図されている。
【0028】
本開示の主題を、その具体的な実施形態を参照して詳細に記述したが、本明細書に開示される種々の詳細は、特定の要素が本明細書に添付の各図面に示される場合においても、これらの詳細が、本明細書に記述される種々の実施形態の必須の構成要素である要素に関係していることを意味すると解釈されるべきではないことが注記される。むしろ、添付の請求項が、本開示の幅と、本明細書に記述される種々の発明の対応する範囲との唯一の表現であると解釈されるべきである。さらに、添付の請求項に規定する本発明の範囲から逸脱することなく、変更形態および変形形態が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本明細書においては、本開示のいくつかの態様を好ましいものまたは特に有利なものとして特定しているが、本開示は、これらの態様に必ずしも限定されないと考えられる。
【0029】
以下の請求項の1つ以上の請求項において、「〜であって〜(wherein)」という用語を移行句として用いていることが注記される。本発明を規定する目的で、この用語は、オープンエンドの移行句として請求項に導入されていることが注記される。この用語は、構造の一連の特徴に関する叙述を導入するために用いられ、より一般的に使用されるオープンエンドのプリアンブル用語の「含む(comprising)」と同様に解釈されるべきである。
【0030】
実施形態および請求項は、その適用において、本明細書に記述され、および/または、図面もしくは(提示されていれば)データに記載される構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本明細書、任意の図面もしくは概略図、および/またはデータは、具現化される実施形態の例を提供するが、請求項は、本明細書において開示されおよび/または特定されるいかなる特定の実施形態または好ましい実施形態にも限定されない。提示することができる任意の図面は、図解目的のみのためのものであり、単に本明細書に開示された本発明の実際の例を提供するものに過ぎない。従って、提示されるいずれの図面も、特許請求の範囲を図示されているものに限定すると見なされるべきではない。
【0031】
本明細書に開示される実施形態および請求項は、さらに、他の実施形態とすることが可能であり、種々の方法において実践および実施することが可能である。この種々の方法には、本明細書に記述されているが特定の組み合わせおよびサブコンビネーションにおいて明示的には開示されていないステップおよび/または特徴の種々の組み合わせおよびサブコンビネーションが含まれる。従って、当業者は、実施形態および請求項が依拠する概念を、他の構造、方法およびシステムの設計の基礎として容易に利用し得ることを認めるであろう。さらに、本明細書において用いられる文章法および用語法は、記述目的のものであって、請求項を限定すると見なされるべきではないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8