【実施例】
【0026】
以下の実施例は、限定するためでなく、本開示の範囲を例示するために与えられる。
【0027】
[テスト装置]
【0028】
標準的なシリコンカンチレバーを用いて、タッピングモードでの動作で、原子間力顕微鏡観察が実行される(Multimode−5,Veeco)。室温で、顕微鏡とステップスキャン機能(0.5cm
−1解像度)で、Bruker Equinox 55を使って、フーリエ変換赤外分光)(FTIR)スペクトルが記録される。励起光源として532nm可視レーザを用いたRenishaw マイクロラマン分光計を用いて、ラマンスペクトルが取得される。SEM画像が、Leo SUPRA 55顕微鏡を用いて記録される。
【0029】
[グラフェン酸化物の準備]
【0030】
グラフェン酸化物(GO)フレークが、改変ヒュンマー法(modified Hummers method )を用いて調製された。黒鉛(1グラム(g))と、0.75gの硝酸ナトリウム(NaNO
3)が、フラスコに入れられる。硫酸(75ml;H
2SO
4)が、氷水浴槽内で攪拌しながら加えられ、4.5gの過マンガン酸カリウム(KMnO
4)が、1時間に渡って、ゆっくり加えられる。攪拌は、氷水浴槽内で2時間続けられる。フラスコは、それから、2時間に渡って、35℃の油槽に入れられる。過酸化水素(3mL;H
2O
2;30重量%水溶液)が加えられて1時間攪拌した後、95℃まで上がる温度でフラスコに脱イオン化水(100ml)が加えられ、それから、この混合物が、25℃で2時間攪拌される。混合物は、脱イオン化水での濾過によって、完全に洗浄され、それから、GOフレークは、機械攪拌で、水に分散される。濾過の後、GOフレーク(0.1g)は、脱イオン化された水(100mL)に分散され、30分、超音波処理される(ultrasonicated)。純粋な単一層GO分散体を得るために、以下の方法が適用される:得られた分散体を、更に30分超音波処理し、それから、20分、1000回転/分(rpm)で遠心分離し、溶液内の大きな粒子を除去する。何回かの遠心分離の後、上澄みが20分間、8000rpmで遠心分離され、あらゆる残留可溶不純物と非常に小さいGO層を除去する。この段階は、上澄みが透明になるまで、数回繰り返される。それから、沈殿物は、最終的に、中程度の超音波処理により、脱イオン化された水に分散される。
【0031】
[グラフェン酸化物フレークの原子間力顕微鏡(AFM)]
【0032】
AFMが実行され、
図4及び5に、
AFM画像が図示される。
図4及び
図5は、GOフレークの厚さを約0.5nmとして図示する。
【0033】
[グラフェン酸化物フレークの走査電子顕微鏡(SEM)画像]
【0034】
図6及び
図7は、グラフェン酸化物フレークのSEM画像を図示する。SEM画像は、GOフレークのサイズ分布が、約20nmから約500μmの範囲内であることを示す。
【0035】
図8、
図10、
図12、及び
図14は、GOのSEM画像を図示し、
図9、
図11、
図13、及び
図15は、それぞれ、
図8、
図10、
図12、及び
図13の異なるサイズ分布を図示する。何回かの連続した遠心分離段階によって、均一な寸法のGOフレークが取得されることが出来る。GOフレークの約200nmから約500nmの範囲内の寸法分布は、SWNTを分散するために利用される。均一で、より小さなサイズのGOフレークにより、GOフレークとSWNTとの間の相互作用を、増加させることが出来る。
【0036】
[GO−SWNT分散体の形成]
【0037】
様々な量のSWNT(Sigma Aldrich)が、2mg/mlの濃度のGOフレークを有する、得られたままのGO溶液に追加される。10−25分の超音波処理の後、黒インクが形成される。
【0038】
[GO−SWNT分散体に対するpHの調整]
【0039】
GO−SWNT分散体のpHを、NaOH 及び/または塩化水素(HCl)で調製し、分散体特性の変化を更にテストした。pH値が増加すると、GO−SWNT分散体は、1ヶ月間の後であっても、沈殿物がなく、安定になる。pH値が4に近いときには、分散体は、非常に不安定で、超音波処理によって手助けされた分散の後、ちょうど10分で、沈殿物が現れる。しかし、1M NaOHの追加で、分散体の安定性は増加する。そのようなGO−SWNT分散体の安定性は、長期使用の可能性を示す。OH
−濃度の増加により、カルボキシル基は、脱プロトン化され、その結果、より負に帯電した化学種となり、SWNT束を分離するのを促進することが可能である。
【0040】
図16−
図19は、異なるpHレベルを有するGO−SWNT分散体(例えば、GO−SWNTインク)の写真を図示する。GO−SWNT分散体は、異なるpHレベルで、2mg/mlのGO溶液に分散されたSWNTを5mg含む。
図16は、pHが4のGO−SWNT分散体を図示し、
図17は、pHが7のGO−SWNT分散体を図示し、図
18は、pHが9のGO−SWNT分散体を図示し、図
19は、pHが12のGO−SWNT分散体を図示する。体積差は、pHを調整するためにNaOHを加えたことによる。
図19において、内部に見える黒い材料は、シェーキングの後の残留物であることを注意されたい。
【0041】
SWNTの濃度が増加すると、粘性が増加する。SWNTを10mg/mlの濃度で有するGO−SWNT分散体の例においては、GO−SWNTインクはゲルを形成した。
【0042】
GOのSWNTを分散する能力を調べるために、SWNTとGOとの間の重量比を増加させた。驚くことに、界面活性剤の手助けがなくても、2mg/mlのGOフレーク溶液(例えば、GOフレークと脱イオン化水)を有するGO−SWNTインクにおいて、12mg/mlのSWNTが達成された。つまり、12mg/mlが、GOフレーク溶液に加えられた。
【0043】
[実施例1の形成]
【0044】
織り込まれた2つの紙片が、5:1のGO:SWNT重量比を有するGO−SWNTインクに浸される。コーティングされた紙片は、4時間、40℃で、真空オーブンで乾燥され、GO−SWNT混合物を含むGO−SWNT紙電極を形成する。電気化学的測定のために、2電極測定技術が用いられ、GO−SWNT紙電極の2片は、セパレータとしての多孔性膜(Celgard 3501)を用いてサンドイッチ構造に組み立てられる。水酸化カリウム(KOH;6M)水溶液が、電解質として用いられる。スーパーキャパシタセルのパッケージングが、大気圧条件の下、室温で実行される。
【0045】
[実施例2の形成]
【0046】
GO−SWNTインクが、1:1のGO:SWNT重量比を有する以外は、実施例1の繰り返し。
【0047】
[実施例3の形成]
【0048】
GO−SWNTインクが、1:3のGO:SWNT重量比を有する以外は実施例1の繰り返し。
【0049】
[実施例4の形成]
【0050】
GO−SWNTインクが、1:5のGO:SWNT重量比を有する以外は実施例1の繰り返し。
【0051】
[GO−SWNT電極のSEM画像]
【0052】
GOフレークとSWNTは、ファンデアワールス力のために、再積層になる、あるいは、束を形成する傾向にある。GOとSWNTとの間の非共有結合相互作用は、SWNT束の分離のみではなく、GOフレークの再積層の防止にも影響を与えることが出来る。
図20及び
図21は、実施例1のGO−SWNT紙電極のSEM画像を図示する。SWNTは、分離され、GOフレーク内に埋め込まれたことが示される。GOシートの部分的再積層は、SWNTを混合した後に起こるが、これらは、更なる再積層を防止する役割を果たし、単一のGOシートを実現する可能性を与える。
【0053】
[FTIRスペクトル]
【0054】
図22は、GOフレーク、SWNT、及びGO−SWNTインクのFTIRスペクトルを図示する。GOフレークの表面上に存在する主な化学構造は、GOの周囲にある非常に少ない量のカルボキシル酸と共に、三級アルコールとエーテルである。これらの構造的な特徴は、GOフレークにすばらしい特性を提供する。ヒドロキシル基、ケトン基、エーテル基、および、カルボキシル基は、GOフレークと水分子との間に水素が結合する可能性を提供するが、完全なπ結合は、π−π会合の可能性を提供する。GOフレークのFTIRスペクトルは、更に、これらの官能基の存在を確認する。それぞれ、C−OH基の屈曲(1378cm
−1)、C=O(1715cm
−1)伸張振動、及び、それぞれ、1094cm
−1と857cm
−1におけるエポキシ基のC−O及びC−C伸張は、空気乾燥のスペクトルの特徴である。
【0055】
[ラマンスペクトル]
【0056】
図23は、GOフレーク、SWNT、及びGO−SWNTインクのラマンスペクトルを図示する。GOフレーク(例えば、GOフィルム)の
図23において図示されているように、ラマンスペクトルは、D(1320cm
−1)帯、G(1573cm
−1)帯、及び、2D(2640cm
−1)帯を有し、これらは、GO材料の特性ピークを示す。1:1及び2:1のI
D/I
G比は、二重層または単一層のGOフレークの存在を立証する。従って、I
D/I
G比が2:1であるので、GOフレークは、単一層GOフレークであると判定される。
【0057】
分子のグラフェンとの相互作用は、ラマンスペクトルによって特徴付けられ得るが、D、G及び2D帯は、化学相互作用の性質を理解するのに有用である。G帯の半値全幅(FWHM)は、SWNTとGOとの混合によって増加し、これは、電子構造が、GOシートとSWNTのπ―π相互作用を介して変化することを示す。
【0058】
そのような相乗的な効果は、GO−SWNT混合物の有効表面積を増加させるが、これは、電気化学的反応に対する活性部位の密度を増加させる。そのようなインク材料の紙との容易な結合は、いかなる結合剤または添加剤もなしに、電極を低コストで製造する手段を提供する。従って、このGO−SWNT混合物材料は、電気化学的二重層キャパシタ(EDLC)の低コストな、ロールツーロール(roll−to−roll)製造の大きな機会を提供することが出来る。
【0059】
[電気化学的テスト]
【0060】
パッケージ化されたセルの2つの電極は、ワニクリップで、電気化学分析器(Gamry Reference 600(商標))に接続された。サイクリックボルタンメトリ)(CV)、及びクロノポテンショメトリ(充電−放電(CD))スキャンは、5mV/秒 から500mV/秒 の範囲のスキャンレートで、−0.5Vから0.5Vの範囲内の1ボルトの電圧ウィンドウで実行される。定電位(Potentiostatic )EIS測定は、10mVの振幅で、0.1Hzと1MHzとの間で実行される。
【0061】
サイクリックボルタンメトリ(CV)は、対称2電極スーパーキャパシタセルに組み立てられた電極の電気化学的性能を評価するために実行された。
図24−
図27は、異なるスキャンレートの下に、実施例1−実施例4についてのCVプロットを図示する。
図24は、実施例1(5:1のGO:SWNT比)についてのCVプロットを図示し、
図25は、実施例2(1:1のGO:SWNT比)についてのCVプロットを図示し、
図26は、実施例3(1:3のGO:SWNT比)についてのCVプロットを図示し、
図27は、実施例4(1:5のGO:SWNT比)についてのCVプロットを図示する。
図24−
図27に示されるように、GO/SWNTの比を変化させることで、異なる比容量値を提供する。5mv/sにおける5:1、1:1、1:3、及び1:5のGO/SWNT比は、それぞれ、42.8F/g、24.0F/g、102.8F/g、及び124.2F/gの比容量値を提供する。C
sの比容量値は、式(1)を用いたCV曲線から計算される:
【数1】
ここで、C
s は、比容量、IdVはCV曲線の積分面積、mは、電極の一つについての活性材料の質量、ΔVは、電圧ウィンドウ、及びSは、スキャンレートである。比容量は、インクにおけるSWNT/GO比の増加と共に増加する。CV曲線の長方形状からのわずかな歪みは、GOフレークの様々な官能基による擬容量に起因する。
計算された比容量は、電流測定に用いられた活性剤量の実際の質量に帰されることが出来る、報告された90F/g値よりも1:1比についてより低い。われわれの製造プロセスにおいて、織り込まれた紙の両側は、GO−SWNTによって覆われている。織り込まれた紙は、高い多孔性を有するが、紙の一側面から他側面へのイオン移動は、いくらか防止されるだろう。従って、実際の活性材料(例えば、容量に寄与のある材料)は、電極を用意するために用いられる全材料よりもずっと少ない。異なるGO:SWNT比について計算された、われわれの比容量値は、GO自身の値(10.9F/g)よりも高い。
【0062】
図28は、異なる電流密度値の下の実施例4の比容量測定を図示する。ここで、0.5A/gにおける最大容量値は、295F/gであり、これは、251F/gにおける、官能化されたGO−MWNT材料についての値に比肩する。多くのSWNTベースのスーパーキャパシタは、官能基または、SWNTの種類(例えば、金属もしくは半導電性チューブ)に依存して、32−142F/gの範囲内の比容量を示した。
【0063】
サイクリング安定性は、スーパーキャパシタデバイスに対し重要な特性である。ガルバノスタティック(galvanostatic)充電−放電測定を用いた、われわれの材料系のサイクリング安定性。異なる電流密度での比容量値は、以下の式(2)を用いて計算される:
【数2】
【0064】
ここで、mは、一電極のカーボン質量であり、iは、放電電流、及び、dV/dtは、放電曲線の傾きである。
【0065】
1:5のGO/SWNT比は、最大比容量を示し、充電−放電電流密度の増加と共に常に減少する。われわれは、この現象を、活性面へのイオンのアクセスの減少、特に、比較的遅いファラデー反応が減少されたことに帰する。
【0066】
図29は、実施例4の第1のサイクルと5000サイクルでの、比容量崩壊の比較を図示する。5000サイクル後、容量値は、11%だけ減少され、減少されたGO材料単独での安定性に比較し、われわれの混合物インク材料のより高い安定性を示した。充電−放電サイクルは、60000サイクルの間、2A/gで、継続した。第1のサイクルに比較し、64%だけの容量保持が観測された。しかし、第5000のサイクルに比較し、85%の保持が達成された。これは、明らかに、スーパーキャパシタ電極用のわれわれの混合物インク材料の高い安定性を示す。興味深いことに、容量が、5000サイクルの後、増加することが観測された。活性材料の両側の活性部位は、多くのサイクルの後増加することが出来、GOは、部分的にグラフェンに還元されることが出来るか、または、SWNTの先端が開くことができ、これは、全表面積を増加し、従ってキャパシタンスを増加させた。この現象は、更に、長いサイクルテストの間の電極材料の安定性を示す。
【0067】
エネルギー密度(E)及び電力密度(P)は、式(3)と式(4)を使って計算される:
【数3】
及び
【数4】
【0068】
ここで、tは、放電の全時間、C
sは、充電−放電測定からの比容量値、及びΔVは、水性電解質について1.0Vである電位範囲である。ラゴーンプロット(Ragone plots)が、このようにして、GO/SWNTの異なる比について得られる。
図30は、異なるGO:SWNT比を有する実施例1−4についてのラゴーンプロットを図示する。混合物インク材料は、1:5のGO/SWNT比で最高電力密度を示し、容量測定に従っていることは明らかである。インクについての1:1比は、より低い性能を示し、CV測定に従っている。GOとSWNTとの間の相互作用による、多すぎる束となったSWNT及び/または積層されたGOフレークは、低性能の理由かもしれない。キャパシタの電力密度は、10kW/kgの値に達し、この値は、GOベースの、または、CNTベースのスーパーキャパシタについての値よりも高い。
【0069】
図31は、異なるGO:SWNT比を有する実施例1−4の電気化学的インピーダンススペクトロスコピー(EIS)を図示する。
図31に図示されたように、SWNTの量が増加すると、内部抵抗が減少する。
【0070】
[まとめ]
【0071】
SWNTは、界面活性剤の手助けがなくても、GO材料を用いて、12mg/mlまでの濃度で、うまく分散された。GO−SWNT紙電極は、結合剤がなく、紙基板をGO−SWNT分散体に浸し、真空オーブン乾燥をすることによって、調製される。GO材料の減少なしに、われわれは、0.5A/gの充電−放電電流密度で、295F/gの比容量値を示す。60000充電−放電サイクル後の85%の容量保持は、スーパーキャパシタ電極の高い電気化学的安定性を示す。本開示は、広範な範囲の用途に対するエネルギー貯蔵デバイスのインクベースの低コスト、ロールツーロール製造を提供する。
【0072】
[様々な注意書きと例]
ここに開示された方法とハイブリッドカーボンナノチューブとグラフェンナノ構造を更に記述するために、例の非限定的リストがここに提供される:
【0073】
例1において、エネルギーデバイスは、上面と下面とを有する紙ベースの基板と、少なくとも上面の上に堆積されるグラフェン酸化物とカーボンナノチューブとの混合物と、を備える。
【0074】
例2において、例1の主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブとの混合物は、実質的に界面活性剤がないように構成されることが出来る。
【0075】
例3において、例1または例2の任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブとの混合物が、約15重量パーセントから約85重量パーセントのグラフェン酸化物を含む、ように構成されることが出来る。
【0076】
例4において、例1から例3のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブとの混合物が、約15重量パーセントから約85重量パーセントのカーボンナノチューブを含むように構成されることが出来る。
【0077】
例5において、例1から例4のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、カーボンナノチューブが、単一壁カーボンナノチューブであるように構成されることが出来る。
【0078】
例6において、例1から例5のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、エネルギーデバイスが、結合剤を含まないように構成されることが出来る。
【0079】
例7において、例1から例6のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物は、単一層グラフェン酸化物フレークであるように構成されることが出来る。
【0080】
例8において、例1から例7のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、単一層グラフェン酸化物フレークは、約0.35ナノメータから約50ナノメータの範囲内の厚さを有するように構成されることが出来る。
【0081】
例9において、例1から例8のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、単一層グラフェン酸化物フレークは、約200ナノメータから約500ナノメータの範囲内の長さを有するように構成されることが出来る。
【0082】
例10において、スーパーキャパシタは、上面と下面とを有する第1の紙ベースの基板と、少なくとも上面の上に堆積された第1のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物とを含む第1の電極と、上面と下面とを有する第2の紙ベースの基板と、少なくとも上面の上に堆積された第2のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物と、を含む第2の電極と、電解質と、第1の電極と第2の電極との間に位置するセパレータと、を含むことが出来る。
【0083】
例11において、例1から例10のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、第1のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物と、第2のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物は、約15重量パーセントから約85重量パーセントのグラフェン酸化物を含むように構成されることが出来る。
【0084】
例12において、例1から例11のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物と、第2のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物は、約15重量パーセントから約85重量パーセントのカーボンナノチューブを含むように構成されることが出来る。
【0085】
例13において、例1から例12のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、カーボンナノチューブは、単一壁カーボンナノチューブであるように構成されることが出来る。
【0086】
例14において、例1から例13のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、第1のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物と第2のグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの混合物は、複数のグラフェン酸化物フレークを含み、グラフェン酸化物フレークは、約0.35ナノメータから約50ナノメータの範囲内の厚さと、約200ナノメータから約500ナノメータの範囲内の長さとを有するように構成されることが出来る。
【0087】
例15において、方法は、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体を取得すること、または、用意することであって、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体は、実質的に界面活性剤がないことと、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体を、紙ベースの基板表面の上に堆積することと、を含むことが出来る。
【0088】
例16において、例1から例15のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体は、約0.5ミリグラム/ミリリットルから約12ミリグラム/ミリリットルの範囲内のカーボンナノチューブを含むように構成されることが出来る。
【0089】
例17において、例1から例16のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、ある期間、紫外線生成されたオゾンで、コーティングされた多孔性金属基板を処理することを含むように構成されることが出来る。
【0090】
例18において、例1から例16のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、紙ベースの基板表面の上に堆積されたグラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体を乾燥することを含むように構成されることが出来る。
【0091】
例19において、例1から例18のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、グラフェン酸化物とカーボンナノチューブの分散体のpHは、約6から約12の範囲内であるように構成されることが出来る。
【0092】
例20において、例1から例19のうちの任意の1つ、または、任意の組み合わせの主題は、オプションとして、カーボンナノチューブは、単一壁カーボンナノチューブであるように構成されることが出来る。
【0093】
これらの非限定的例は、任意の置換または組み合わせで組み合わせられることが出来る。上記の詳細な説明は、例示的であって、限定的であることは意図されていない。例えば、上記の例(または、1以上のそれらの要素)は、相互に組み合わせて用いられることが出来る。他の実施形態は、上記の記述を吟味する当業者によってなどにより、用いられることが出来る。また、様々な特徴または要素は、開示を合理化するために、一緒にまとめられることが出来る。これは、請求されていない開示された特徴が、任意の請求項に本質的であることを意図しているとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴より少ないものに存在することが出来る。従って、以下の請求項は、各請求項が、それ自身で個別の実施形態として有効であり、ここに、詳細な説明に組み込まれる。本発明の範囲は、このような請求項が許される均等物の全範囲と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。
【0094】
本出願においては、語句「含む(including) 」と「in which 」は、それぞれの語句「含む(comprising) 」と「wherein 」の一般的な英語の等価物として用いられる。また、以下の請求項においては、語句「含む(including) 」と「含む(comprising) 」は、開かれた語句(open−ended)で、つまり、請求項において、そのような語句の後に記載されるものに加えた要素を含む方法、電池、または、エネルギーデバイスは、依然、その請求項の範囲に入ると考えられる。更に、以下の請求項においては、語句「第一(first)」、「第二(second)」及び「第三(third)」などは、単なるラベルとして用いられており、それらの対象物に数値的要件を課すことは意図されていない。
【0095】
この文書においては、語句「一つ(a)」または「一つ(an)」が、特許文書で一般的なように、任意の他の例または、「少なくとも一つ(at least one) 」もしくは「一つ以上(one or more) 」の用法とは独立に、1以上を含むとして用いられている。この文書においては、語句「または(or)」は、他用に示されない限り、非排他的に言及するために、または、「AまたはB(A or B )」が「BではなくA(A but not B)」、「AではなくB(B but not A)」及び「AおよびB(A and B)」を含むように、用いられる。この文書においては、語句「含む(including)」と「in which」は、それぞれの語句「含む(comprising)」と「wherein」の一般的な英語の等価語として用いられている。また、以下の請求項においては、語句「含む(including)」と「含む(comprising)」は、開いた語句であって、つまり、請求項の中で、そのような語句の後に記載されるものに加えた要素が含まれるシステム、デバイス、製品、またはプロセスは、依然、その請求項の範囲内であると考えられる。更に、以下の請求項においては、語句「第一(first)」、「第二(second)」及び「第三(third)」などは、ラベルとしてのみ用いられ、それらの対象物に数値的要件を課すことは意図されていない。
【0096】
範囲の形式で表された値は、範囲の限度として明示的に引用された数値のみではなく、各数値およびサブレンジが明示的に引用されたかのごとく、その範囲内に含まれる個々の数値またはサブレンジの全てをも含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%から約5%」の範囲は、0.1%から5%のみを包含的に含むのではなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)ならびに、サブレンジ(例えば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)も含むものとして解釈されるべきである。ここに用いられるように、語句「約(about)」は、例えば、少なくとも±10%など、誤差の余裕を含むように規定されることが出来る。
【0097】
上記詳細な説明は、例示的であり、限定的でないことが意図されている。例えば、上記例(または、1以上のそれらの態様)は、相互に組み合わせて用いられることが出来る。他の実施形態は、上記記述を吟味する当業者などによって、用いられることが出来る。要約書は、読者が技術開示の性質を迅速に確認することができるように、37C.F.R.§1.72(b)に従って、提供される。それは、請求項の範囲や意味を解釈したり、限定するためには用いられないだろうという理解と共に提出される。また、上記詳細な説明においては、様々な特徴または要素は、開示を合理化するために一緒にまとめられることが出来る。これは、請求されていない開示された特徴が、任意の請求項に本質的であることを意図しているとは解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴より少ないものに存在することが出来る。従って、以下の請求項は、各請求項をそれ自身で別個の実施形態として有効であり、ここに、詳細な説明に組み込まれ、そのような実施形態は、様々な組み合わせ、または置換において、相互に組み合わせられることが考えられる。本発明の範囲は、請求項が権利を付与される均等物の全範囲と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。