特許第6363776号(P6363776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6363776取引制御装置、取引制御方法および取引制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6363776
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】取引制御装置、取引制御方法および取引制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20180712BHJP
【FI】
   G06Q30/08
【請求項の数】11
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2017-158217(P2017-158217)
(22)【出願日】2017年8月18日
【審査請求日】2017年11月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 岳臣
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】頼岡 徳学
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−107058(JP,A)
【文献】 特開2007−115215(JP,A)
【文献】 特開2011−059747(JP,A)
【文献】 特開2016−177488(JP,A)
【文献】 特許第6113352(JP,B1)
【文献】 特開2001−306878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定し、前記複数の取引それぞれに対応する商品の決済期限を、前記代表取引に対応する商品の決済期限であってまとめ取引の決済期限として決定する決定部と、
前記決定部により決定された代表取引における取引の進捗状況を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の進捗状況として管理する管理部と
を有することを特徴とする取引制御装置。
【請求項2】
前記決定部は、商品の購入に関する複数の取引であって、前記複数の取引に対応する各商品を購入者へまとめて配送可能な複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の取引制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記複数の取引それぞれに対応する商品の購入日時に基づいて、代表取引を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の取引制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記複数の取引それぞれに対応する商品のうち、購入日時が最も古い商品に対応する取引を代表取引として決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の取引制御装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記複数の取引それぞれに対応する商品のうち、所定のタイミングで当該商品の購入者に選択された商品に対応する取引を代表取引として決定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の取引制御装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記決定部により決定された代表取引における取引の進捗状況を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち前記代表取引を除く他の取引の進捗状況として管理することにより、前記複数の取引それぞれに対応する商品の購入者が他の取引を行うことができないよう管理する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の取引制御装置。
【請求項7】
前記管理部は、前記決定部により決定された代表取引に対応する商品の金額、および、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引それぞれに対応する商品の金額を合計した合計金額を、当該商品の購入者による支払金額として管理する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の取引制御装置。
【請求項8】
前記管理部は、前記商品の購入に関する複数の取引を1つの取引にまとめることにより、前記複数の取引毎に前記商品の購入者および販売元に対して行われる通知であって取引の進捗を示す通知を、前記複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の単位で行う
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の取引制御装置。
【請求項9】
前記商品の購入に関する複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の設定が受け付けられた場合に、前記商品の販売元に対して所定の特典を付与する付与部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の取引制御装置。
【請求項10】
取引制御装置が実行する取引制御方法であって、
商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定し、前記複数の取引それぞれに対応する商品の決済期限を、前記代表取引に対応する商品の決済期限であってまとめ取引の決済期限として決定する決定工程と、
前記決定工程により決定された代表取引における取引の進捗状況を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の進捗状況として管理する管理工程と
を含むことを特徴とする取引制御方法。
【請求項11】
商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定し、前記複数の取引それぞれに対応する商品の決済期限を、前記代表取引に対応する商品の決済期限であってまとめ取引の決済期限として決定する決定手順と、
前記決定手順により決定された代表取引における取引の進捗状況を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の進捗状況として管理する管理手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする取引制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、取引制御装置、取引制御方法および取引制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、ウェブサイト上で商品の売買が個人間で広く行われている。例えば、オークションにより商品の売買を個人間で行うためのオークションサイトが知られている。このようなオークションサイトでは、出品者により出品された商品を落札した場合、落札毎に出品者と落札者との間に取引が発生する。
【0003】
ここで、あるユーザが、所定期間内における複数の入札に対する落札者となった場合、かかるユーザには、複数の入札それぞれに対応する落札毎に出品者との取引が発生する。ユーザによっては、所定期間内に何度も取引しなければならないことが手間になる場合がある。そこで、落札者による複数の落札に対して1回の入金手続で済ませる技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−215953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、必ずしも複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、所定期間内に落札した落札情報に含まれる落札金額を落札者毎に集計し、集計した合計落札金額を落札者に通知する。そして、上記の従来技術では、落札者による合計落札金額の入金が確認できた場合、この入金の対象となった落札に係る各出品者に対して入金があったことを通知し、商品が出品者から落札者へ配送された後に出品者に対して落札金額を送金する。
【0006】
このような上記の従来技術では、落札者による入金手続を1回で済ませることができる手法について開示されているに過ぎず、複数の取引を1つの取引にまとめるものではない。したがって、上記の従来技術では、複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることができるとは限らない。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願にかかる取引制御装置は、商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する決定部と、前記決定部により決定された代表取引における取引の状態を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の状態として管理する管理部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態にかかる表示制御処理の一例を示す図である。
図2図2は、まとめ取引が可能であることを提示する提示例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる取引制御システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態にかかる取引制御装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかる利用者情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態にかかる条件情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、まとめ取引の依頼を行うためのコンテンツの一例を示す図である。
図8図8は、まとめ取引の依頼確認、および、まとめ取引に対する同意可否に関するコンテンツの一例を示す図である。
図9図9は、まとめ取引の同意確認、および、まとめ取引における支払合計金額に関するコンテンツの一例を示す図である。
図10図10は、親取引と子取引との関係性を示す概念図である。
図11図11は、親取引と子取引との関係性を示す概念図である。
図12図12は、実施形態にかかるまとめ取引の流れを示す概念図である。
図13図13は、実施形態にかかる取引制御装置による取引制御処理手順を示すフローチャートである。
図14図14は、取引制御装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願にかかる取引制御装置、取引制御方法および取引制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる取引制御装置、取引制御方法および取引制御プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.取引制御処理〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる取引制御処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる表示制御処理の一例を示す図である。実施形態にかかる取引制御処理は、図1に示す取引制御装置100によって行われる。
【0013】
本実施形態では、取引制御装置100が対象とする取引形態は、取引制御装置100を管理する事業主(「事業主X」とする)により運営されるオークションサービス(サービス名を「オークションY」とする)において商品が落札された後、出品者と落札者との間に生じる取引であって、落札者が落札商品を受け取るまでに必要となる一連の取引であるものとする。しかしながら、取引制御装置100は、このようにオークションに係る取引でなく、ウェブ上での所定のフリーマーケットにおける商品売買に係る取引や、所定のショッピングサイトにおける商品売買に係る取引等も対象とすることができる。
【0014】
ここで、取引制御装置100が以下に示す取引制御処理を行ううえでの前提について説明する。まず、オークションのような個人間取引では、出品商品が落札された場合、出品商品に対応する落札毎に、出品者と落札者との間に取引が発生する。例えば、オークションYにおいて、出品者EX1が商品P1および商品P2を別々に出品している場合を例に挙げる。このような状態において、ユーザA1が、商品P1および商品P2を落札したとする。
【0015】
かかる場合、ユーザA1は、商品P1に対応する落札、商品P2に対応する落札それぞれについて出品者EX1と代金支払(決済)や商品発送について取引を進めていかなくてはならない。つまり、ユーザA1は、出品者が出品者EX1で同一にも拘らず、落札毎に出品者EX1と取引を行わなければならず、このように取引の回数が増えることを手間に感じる場合がある。また、出品者EX1から見ても、商品P1および商品P2ともに、落札者がユーザA1で同一にも拘らず、それぞれの商品に対応する落札毎にユーザA1と取引を行わなければならず、このように取引の回数が増えることを手間に感じる場合がある。
【0016】
以上のことから、オークションYを利用する利用者(例えば、出品者および落札者)は、複数の取引が発生した場合、これら複数の取引を可能な限りまとめることにより、取引の回数を減らすよう望む場合がある。一例を示すと、出品者は、落札毎に配送手続を行わなければならないため、自身の出品商品それぞれに対して同一落札者が存在する場合には、その落札者に対して、商品をまとめて配送(同梱配送)できるよう望む場合がある。また、落札者は、落札毎に決済手続を行わなければならないため、同一出品者から落札することにより複数の取引が発生した場合には、一度の決済で済ませられるよう望む場合がある。
【0017】
実施形態にかかる取引制御装置100は、以上のような利用者からの要望に応じた取引制御処理を行う。具体的には、取引制御装置100は、複数の取引が発生した場合、各取引に対応する商品それぞれの購入者に対してかかる商品をまとめて配送でき、また、購入者はかかる商品毎の決済を一度に済ませることができるような取引制御処理を行う。より具体的には、取引制御装置100は、商品の購入(商品の落札)に関する複数の取引に対応する商品のうち、購入者(落札者)へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定し、特定した商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめることが可能であることを提示する。
【0018】
実施形態にかかる取引制御装置100は、取引制御処理だけではなく、出品商品に対する入札競争を管理し、出品商品に対する落札者を決定するオークション処理も行うものとする。したがって、出品者は、オークションYに商品を出品する場合、出品商品に関する情報(例えば、出品商品の画像、出品商品の商品名、出品商品の詳細説明、送料、決済方法等)を取引制御装置100に対して登録することにより、商品を出品する。
【0019】
このようにして出品された出品商品に対して入札し、入札競争に勝利した落札者は、例えば、自身が落札した商品の出品者との取引であって落札後に発生する取引を、取引制御装置100から提供されるコンテンツであって取引を誘導するためのコンテンツ(コンテンツ名称を「取引ナビV」とする)を利用して進めてゆく。取引ナビVは、出品者と落札者との直接的な取引を禁止し、出品者と落札者との取引を仲介するコンテンツである。例えば、取引制御装置100は、落札後に落札者から受け付けた情報を取引ナビV内の所定のページを介して出品者に通知する。また、取引制御装置100は、通知した内容に対する出品者の応答を取引ナビV内の所定のページを介して落札者に通知する。このようにして、取引制御装置100は、取引ナビVを用いて、落札者が商品を受け取るまでの取引を誘導してゆく。以下では、実施形態にかかる取引制御処理の一例について説明する。
【0020】
ここでは、取引制御装置100によるオークション処理により、既に各出品商品に対する落札者が決定しているものとする。取引制御装置100は、落札された商品に関する各種の情報を落札情報記憶部123に記憶する。図1(a)の例では、落札情報記憶部123は、「落札者ID」、「商品ID」、「商品名」、「カテゴリ」、「落札価格」、「落札日時」、「支払期限」、「出品者ID」、「配送元地域」、「送料負担者」、「決済方法」、「取引状況」、「グループID」といった項目を有する。
【0021】
「落札者ID」は、出品商品を落札した落札者を識別する識別情報を示す。落札者を利用者と言い換えた場合、「落札者ID」は、事業主Xにより提供される各種サービス(例えば、オークションY以外にも情報検索サービス、ショッピングサービス、コンテンツ配信サービス、株取引サービス等がある)を利用するにあたって、この利用者を識別するために発行される識別情報である。
【0022】
「商品ID」は、出品商品のうち、実際に落札された落札商品を識別する識別情報である。「商品ID」は、各商品に存在する個体識別番号であってもよいし、例えば、取引制御装置100によって事前(例えば、出品時)に動的に決定されたものであってもよい。「商品名」は、落札商品の名称を示す。図1の例では、「商品名」を概念的な記号で示しているが、実際には、出品時に出品者により設定された名称、あるいは、製造元により命名されている正式名称が「商品名」として記憶される。
【0023】
「カテゴリ」は、落札商品が属するカテゴリの名称を示す。どのようなカテゴリを用意するかは、例えば、事業主Xによって決められる。また、落札商品がどのようなカテゴリに属するかは、出品時に出品者により設定されてもよい。また、取引制御装置100が、出品された後に、対応する商品名や画像からカテゴリを動的に判断してもよい。
【0024】
「落札価格」は、落札商品がいくらで落札されたかを示す。「落札日時」は、出品商品が落札されることにより落札商品となった際の日時を示す。「支払期限」は、落札商品に対応する落札価格によって示される金額を、落札者が支払わなければならない期限を示す。本実施形態では、「落札日時」から7日後の23時59分が「支払期限」として設定されるものとする。
【0025】
「出品者ID」は、落札商品の出品者を識別する情報を示す。「落札者ID」と同様に、出品者をユーザと言い換えた場合、「出品者ID」は、事業主Xにより提供される各種サービスをユーザが利用するにあたって、このユーザを識別するために発行される識別情報である。「配送元地域」は、落札商品が配送される配送元の住所を示す。例えば、出品者は、自身の出品商品が落札されて落札商品となった場合、現住所から落札商品を配送予定である場合には、「配送元地域」として現住所を設定しておく。一方、例えば、出品者は、自身の出品商品が落札されて落札商品となった場合、現住所とは異なる住所(例えば、実家の住所)から落札商品を配送予定である場合には、「配送元地域」として実家の住所を設定しておく。このようなことから、オークションYでは、同一の出品者が複数の商品を別々に出品している場合、これらの商品の出品者は同じでも、「配送元地域」が現住所と実家の住所といった形で異なる場合がある。
【0026】
「送料負担者」は、出品商品を配送する場合に課せられる料金である送料を負担する負担者を示す。本実施形態では、出品者が「送料負担者」を自身(出品者)とするか、落札者とするかを設定する。「決済方法」は、落札者が「落札価格」によって示される金額である落札金額を出品者に支払う際に、どのような支払手段(決済方法)を用いることができるかを示す。オークションYでは、「決済方法」として、決済A、BおよびCが採用されているものとする。例えば、出品者が、決済A、BおよびCのうち、どの決済方法にするかを出品商品毎に設定してもよい。また、例えば、取引制御装置100は、商品が落札された場合に、落札商品について決済A、BおよびCのうち、どの決済方法にするかを落札者に設定させてもよい。また、出品者が、決済A、BおよびCのうち、決済方法の組合せ(例えば、決済AまたはB)を出品商品毎に設定しておくことで、取引制御装置100は、商品が落札された場合に、落札商品について設定されている決済方法のうち、どの決済方法で支払うかを落札者に選択させてもよい。
【0027】
なお、決済Aは、事業主Xによって提供される独自の決済サービスであり、出品者と落札者との間での個人情報のやり取りを不要とする決済サービスである。具体的には、決済Aは、事業主Xが落札者から落札金額を受け取り、事業主Xが落札金額を出品者に支払うといった決済方法である。決済Aは、所定の電子ポイント、電子マネー、クレジットカード、インターネットバンキング、コンビニ支払い、銀行振込に対応している。また、決済Bは、例えば、通常の銀行振込(出品者と落札者との間での個人情報のやり取りが必要)であり、決済Cは、代引き(商品受け取りと引き換えに落札金額を支払う)であるものとする。
【0028】
「取引状況」は、現在の取引の状態(取引の進捗状況)を示す。具体的には、「取引状況」は、出品者と落札者との間での取引がどこまで進んでいるかといった現時点の取引の進捗状況を示す。なお、本実施形態では、「取引状況」として落札者目線の情報が記憶されるものとする。一例を示すと、落札後、取引が開始されていない場合には「取引状況」として「未取引」が入力され、取引が進んで出品者からの連絡待ちとなった場合には「取引状況」として「連絡待ち」が入力される。なお、このように取引の状況を判断し、判断結果を入力する処理は、取引制御装置100によって行われる。
【0029】
「グループID」は、まとめて配送させることが可能な商品が1つのグループとしてグルーピングされた場合に、このグルーピングされたグループを識別する識別情報を示す。
【0030】
すなわち、図1(a)の例では、落札者ID「U1」によって識別される落札者U1が、商品ID「0006」によって識別される商品0006(商品名:NA6)であって、カテゴリ「ノートパソコン」に属する商品を、落札価格「100,000円」で日時「8月1日22時23分」に落札した例を示す。また、このように落札したことにより、支払期限「8月8日23時59分」が設定された例を示す。また、商品0006の出品者は、出品者ID「EX11」によって識別される出品者EX11であり、商品0006が配送される配送元住所が「AD11」、商品0006の送料を負担する送料負担者が「出品者」、決済方法が「決済B」である例を示す。
【0031】
さて、ここまで説明してきたように、実施形態にかかる取引制御装置100は、落札者毎に落札商品および落札商品に関する各種情報を落札情報記憶部123において管理する。このように管理していることにより、取引制御装置100は、落札者からのアクセスに応じて、当該落札者に対応する落札情報を当該落札者に提示することができる。例えば、取引制御装置100は、落札者が自身の固有ページ(「マイページ」とする)にアクセスしてきた場合、落札者が欲する情報(例えば、落札商品一覧)が表示されるマイページを落札者に提示することができる。
【0032】
ここで、例えば、別々に出品されている商品を落札することで、落札者となった利用者である落札者U1が、端末装置10を用いて、マイページへアクセスしたとする(ステップS1)。言い換えると、端末装置10が、落札者U1の操作に応じて、マイページを配信するよう取引制御装置100に対して要求したとする。かかる場合、取引制御装置100は、落札情報記憶部123を参照し、落札者U1に対応する落札情報が表示されるマイページであるマイページMY1を生成する。取引制御装置100は、落札者U1によるタブの切替操作に応じて、「ウォッチリスト」、「入札中の商品一覧」、「落札された商品一覧」が切り替わって表示されるようなマイページMY1を生成する。そして、取引制御装置100は、生成したマイページMY1を端末装置10に配信する。なお、マイページMY1を端末装置10に配信することは、落札者U1にマイページMY1を提示することを意味する。図1(b)は、落札者U1に提示されたマイページMY1の一例である。
【0033】
図1(b)に示すように、マイページMY1には、「マイページトップ」、「ウォッチリスト」、「入札中」、「落札分」といったタブが含まれている。このうち、落札者U1がタブ「落札分」を選択することにより、落札者U1がこれまでに落札した商品に関する落札情報が一覧表示されている。「落札分」として表示される落札情報は、落札者U1に対応する「商品ID」、「商品名」、「カテゴリ」、「落札価格」、「落札日時」、「支払期限」、「出品者ID」、「取引状況」であり、これらの項目が示す内容は、図1(a)に示す落札情報記憶部123に記憶される内容と同一である。
【0034】
また、マイページMY1には、図1(b)に示すように、上述した「取引ナビV」を用いて出品者との取引を開始可能なボタンである「取引連絡」ボタンが、落札商品それぞれに対応する取引毎に設置される。例えば、落札者U1は、商品0006を落札したことにより、出品者EX11との取引を開始したい場合には、商品0006に対応する「取引連絡」ボタンを押下することにより、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。また、落札者U1は、商品0002を落札したことにより、出品者EX13との取引を開始したい場合には、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下することにより、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。
【0035】
取引制御装置100は、落札者に提示するマイページに含まれる「取引連絡」ボタンが押下された場合に、実施形態にかかる取引制御処理を実行する。例えば、落札者U1が、マイページMY1において、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下したとする(ステップS2)。かかる場合、取引制御装置100は、所定の条件情報に基づいて、落札者U1へまとめて配送させることが可能な商品を特定する(ステップS3)。
【0036】
図1の例では、落札者U1は、別々に出品された8個の商品を落札したことにより、落札者U1には、8回の取引が発生することになる。つまり、通常であれば、落札者U1は、取引を8回行う必要があり手間である。したがって、取引制御装置100は、所定の条件情報に基づいて、8個の取引に対応する商品(商品0006、0002、0008、0005、0001、0007、0004、0003)のうち、落札者U1へまとめて配送させることが可能な商品を特定する。
【0037】
例えば、取引制御装置100は、8つの取引に対応する商品のうち、落札者U1に選択された商品とともに所定の条件情報を満たす商品を、落札者U1に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品として特定する。落札者U1に選択された商品とは、具体的には、落札者U1に選択された取引に対応する商品である。先に、落札者U1が、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下(選択)した例を挙げた。したがって、かかる場合には、取引制御装置100は、8つの取引それぞれに対応する商品のうち、落札者U1に選択された商品0002とともに所定の条件情報を満たす商品を、購入者U1に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品として特定する。
【0038】
所定の条件情報としては、以下のようなものがある。具体的には、販売元(出品者)が同一の商品であること、配送元住所が同一の商品であること、送料負担者が同一の商品であること、決済方法が代引き決済以外の商品であること、落札後から現時点(例えば、「取引連絡」ボタンが押下された日時)までに経過した経過期間が所定期間(例えば、72時間)以内の商品であること、出品者との取引が開始されていない商品であること、特定のカテゴリ(例えば、車両・船舶)に属する商品でないこと、といった7つの条件情報である。なお、ここでは、「取引連絡」ボタンが押下された日時を「8月2日」とする。
【0039】
取引制御装置100は、7つの条件情報を考慮して、8つの取引それぞれに対応する商品の中から商品0002を除いた7個の商品(商品0006、0008、0005、0001、0007、0004、0003)のうち、商品0002と同一の販売元、配送元住所、送料が設定されている商品を特定する。また、取引制御装置100は、このように特定した商品の中から、決済方法が代引き決済以外の商品、落札後から現時点までに経過した経過期間が所定期間(例えば、72時間)以内の商品、出品者との取引が開始されていない商品、特殊カテゴリ以外のカテゴリに属する商を絞り込み特定する。図1の例では、取引制御装置100は、商品0002とともに7つの条件情報を満たす商品として、商品0008、0001、0004を特定する。言い換えれば、取引制御装置100は、商品0002、0008、0001、0004といった4つの商品を1回の手続きにまとめて1度に配送可能な商品として特定する。
【0040】
なお、商品0002は、商品名「NA2」であるとともにカテゴリ「専門書」に属するため、「専門書NA2」と表記する場合がある。また、商品0008は、商品名「NA8」であるとともにカテゴリ「専門書」に属するため、「専門書NA8」と表記する場合がある。また、商品0001は、商品名「NA1」であるとともにカテゴリ「漫画、コミック」に属するため、「漫画NA1」と表記する場合がある。また、商品0004は、商品名「NA4」であるとともにカテゴリ「漫画、コミック」に属するため、「漫画NA4」と表記する場合がある。
【0041】
また、特定された4つの商品を1回の手続きにまとめて配送可能とすることは、4つの商品それぞれに対応する取引(4つの取引)を1つの取引(1度の取引)にまとめることを意味する。このように、複数の取引を1つの取引にまとめた取引を「まとめ取引」と表記するものとすると、実施形態にかかる取引制御装置100は、複数の取引に対応する商品のうち、まとめ取引き可能な商品を所定の条件情報に基づいて特定するものでもある。
【0042】
次に、取引制御装置100は、ステップS3で特定した4つの商品を1つのグループ(例えば、グループG1)に所属させるとともに、所属させたグループを特定可能なように、グループIDを付与する(グルーピング)(ステップS4)。具体的には、取引制御装置100は、図1(a)に示すように、落札情報記憶部123において、商品0002、0008、0001、0004に対応する「クループID」に「G1」を入力する。
【0043】
次に、取引制御装置100は、ステップS3で特定した4つの商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめることにより、これら4つの商品をまとめて配送可能であること、すなわち4つの商品についてまとめ取引が可能であることを落札者U1に提示する(ステップS5)。例えば、取引制御装置100は、図2に示すように、2段階で提示を行う。図2は、まとめ取引が可能であることを提示する提示例を示す図である。
【0044】
例えば、取引制御装置100は、図2(a)に示すようなページP11、および、図2(b)に示すようなページP12を落札者U1の端末装置10に送信することにより、まとめ取引が可能であることを落札者U1に提示する。具体的には、取引制御装置100は、まず、落札者U1がステップS2で選択した商品に関する情報J11−1(例えば、商品名:専門書NA2、落札価格:1,500円)、まとめ取引が可能であることを示す情報J11−2、商品0002(専門書NA2)の支払期限を示す情報J11−3、まとめ取引が可能な商品を確認させるボタンB11−1、単品、すなわち商品0002のみでの取引を進めるためのボタンB11−2が表示されるページP11を生成する。そして、取引制御装置100は、生成したページP11を落札者U1の端末装置10に配信する。そして、端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP11を、図2(a)に示すように表示画面に表示する。
【0045】
このような状態において、落札者U1がボタンB11−1を押下したとする。かかる場合、端末装置10は、まとめ取引が可能な商品に関する商品情報の配信を取引制御装置100に対してリクエストする。これにより、取引制御装置100は、落札者U1によりボタンB11−1が押下されたことを検知すると、ページP12を生成する。例えば、取引制御装置100は、落札者U1がステップS2で選択した商品に関する情報J11−1(例えば、商品名:専門書NA2、落札価格:1,500円)、まとめ取引可能な商品の一覧を示す一覧情報J12−1が表示されるページP11を生成する。そして、取引制御装置100は、生成したページP12を落札者U1の端末装置10に配信する。そして、端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP12を、図2(b)に示すように表示画面に表示する。
【0046】
なお、ページP12において一覧表示されるまとめ取引可能な商品とは、ステップS3で特定された商品、すなわち落札者U1へまとめて配送させることが可能な商品である。具体的には、商品0004(商品名:マンガNA4)、商品0001(商品名:マンガNA1)、商品0008(商品名:専門書NA8)、商品0002(商品名:専門書NA2)である。
【0047】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる取引制御装置100は、商品の購入(商品の落札)に関する複数の取引に対応する商品のうち、購入者(落札者)へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定する。そして、取引制御装置100は、特定した商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめることが可能であることを購入者(落札者)に提示する。
【0048】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、販売元とこの販売元に対応する購入者との間に複数の取引が発生した場合、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、条件を満たす商品をまとめて配送させることができる。言い換えれば、取引制御装置100は、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、条件を満たす商品に対応する取引を1つの取引にまとめることができる。この結果、取引制御装置100は、販売元と販売元に対応する購入者との間での取引の回数を減らすことができる。
【0049】
例えば、取引制御装置100は、販売元に対しては、同一の購入者に配送すべき商品が複数存在する場合には、これらを同梱して一度に配送させることができるため、配送に係る手間を減らすことができる。また、取引制御装置100は、購入者に対しては、各取引毎の支払手続を1回の手続きにまとめることができるため、支払に係る手間を減らすことができる。以上まとめると、取引制御装置100は、販売元および購入者の双方にとって利便性の高い商品売買を実現することができる。
【0050】
なお、取引制御装置100は、購入者へまとめて配送させることが可能な商品を特定した場合に、特定した商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引(親取引)を、特定した商品の中から決定する。そして、取引制御装置100は、代表取引に対して、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引をまとめることにより、購入者が他の取引を行うことができない状態に制御するといった処理も上記取引制御に並行して行う。かかる処理については、後述する。
【0051】
〔2.取引制御システムの構成〕
次に、図3を用いて、実施形態にかかる取引制御システムの構成について説明する。図3は、実施形態にかかる取引制御システム1の構成例を示す図である。図3に示すように、取引制御システム1は、端末装置10と、取引制御装置100とを含む。端末装置10と、取引制御装置100とは、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示す取引制御システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の取引制御装置100が含まれてもよい。
【0052】
端末装置10は、利用者によって利用される情報処理装置であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。図1および図2の例では、端末装置10は、オークションYを利用する利用者のうち、出品商品を落札することにより落札者となった利用者によって利用される。また、後述するように、端末装置10は、出品者によって利用されるものでもある。
【0053】
取引制御装置100は、図1および図2で説明した取引制御処理を行うサーバ装置である。また、取引制御装置100は、オークション処理も行って良いものである。また、取引制御装置100は、事業主Xによって管理される。
【0054】
〔3.取引制御装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態にかかる取引制御装置100について説明する。図4は、実施形態にかかる取引制御装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、取引制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0055】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0056】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、利用者情報記憶部121と、条件情報記憶部122と、落札情報記憶部123とを有する。
【0057】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、オークションYを利用する利用者に関する情報を記憶する。ここで、図5に実施形態にかかる利用者情報記憶部121の一例を示す。図5の例では、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「氏名」、「住所」、「生年月日」といった項目を有する。
【0058】
「利用者ID」は、オークションYならびに事業主Xにより提供される各種サービス(例えば、オークションY以外にも情報検索サービス、ショッピングサービス、コンテンツ配信サービス、株取引サービス等がある)を利用する利用者を識別するための識別情報を示す。なお、例えば、利用者ID「U1」によって識別される利用者が、オークションYにおいて落札者となった場合、利用者ID「U1」は落札者ID「U1」に置き換えることができる。したがって、図5に示す利用者ID「U1」は、落札情報記憶部123に記憶される落札者ID「U1」に対応する。つまり、利用者ID「U1」と落札者ID「U1」は、実質同一である。また、その他の利用者IDおよび落札者IDについても同様のことが言える。
【0059】
「氏名」は、利用者の氏名を示す。「住所」は、利用者の住所を示す。「生年月日」は、利用者の生年月日を示す。
【0060】
すなわち、図5の例では、利用者ID「U1」によって識別される利用者U1は、氏名「山田〇〇」、住所「東京都・・・・・・」、生年月日「YMD1」である例を示す。なお、取引制御装置100は、利用者情報記憶部121内の情報を事業主Xによって管理される他のサーバ装置から取得してもよい。
【0061】
条件情報記憶部122は、購入者へまとめて配送させることが可能な商品と特定する際に用いられる条件情報を記憶する。ここで、図6に実施形態にかかる条件情報記憶部122の一例を示す。図6の例では、条件情報記憶部122は、「条件ID」、「条件情報」といった項目を有する。
【0062】
「条件ID」は、「条件情報」を識別する識別情報を示す。「条件情報」は、「条件ID」によって識別される条件情報がどのようなものか、つまり条件情報の内容を示す。図6の例では、条件情報記憶部122は、図1で示した7つの条件情報をそれぞれ「条件ID」に対応付けて記憶する。
【0063】
ここで、条件ID「J2」、「J4」、「J5」、「J7」によって示される条件情報が設定される理由について説明する。条件J2(配送元住所が同一の商品であること)が設定される理由は、オークションYでは、同一の出品者が複数の商品を別々に出品している場合、これらの商品の出品者は同じでも、「配送元地域」が現住所と実家の住所といった形で異なる場合があるためである。「配送元地域」が異なる商品は、当然ながら同梱することが不可能なためこのような条件情報が設定される。
【0064】
条件「J4」(決済方法が代引き決済以外の商品であること)が設定される理由は、実施形態にかかる取引制御処理は、落札者からの入金が確認できた後、出品者が落札者に対して商品を発送するといった取引の流れに対応しているためである。代引き決済の場合、出品者が落札者に対して商品を発送した後、落札者からの代金を受け取るといった流れになるため、入金後発送といった取引の流れから外れることになる。
【0065】
条件「J5」(落札後から現時点までに経過した経過期間が72時間以内の商品であること)において、まず、このように期限が設定される理由は、期限が設定されない場合、落札者がいつまでも入金しない場合があるため、出品者に不安がつのることを防止するためである。そして、この期限が、落札後から現時点までに経過した経過期間が72時間以内であることの理由は、オークションYでは、商品を落札後、出品者と落札者との間での取引が72時間以内に完了している傾向にあることに基づく。つまり、このような傾向が取れていることにより、例えば、落札者が、図2に示すページP11あるいはP12を参考に、まとめ取引を行うか否かを決めなければならない期限が短すぎる、あるいは、長すぎるといった不満が出ることは無いと考えられるためである。
【0066】
条件「J7」(特定のカテゴリに属する商品でないこと)が設定される理由は、特定のカテゴリとは特に、車両・船舶といった特殊カテゴリを示し、このカテゴリの属する商品は、入金後発送するといった単純な流れの取引ではなく、複雑な取引を要するためである。
【0067】
(落札情報記憶部123)
落札情報記憶部123は、落札された商品に関する各種の情報を記憶する。落札情報記憶部123に記憶される各項目については、図1(a)で説明したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
【0068】
(制御部130について)
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、取引制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0069】
図4に示すように、制御部130は、取引受付部131と、特定部132と、生成部133と、提示部134と、依頼受付部135と、同意情報受付部136と、算出部137と、決定部138と、管理部139と、付与部140とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0070】
(取引受付部131について)
販売元によって販売される商品を購入することで、この商品の購入者と販売元との間に取引が発生する。本実施形態では、このように取引が発生した場合、まず、購入者自身が選択したい商品について、販売元との取引を開始したい旨の意志表示を取引制御装置100に対して行う。図1で説明したように、取引制御装置100は、落札者が自身の固有ページ(マイページ)にアクセスしてきた場合、落札情報記憶部123を参照し、アクセス元の落札者に対応する落札情報が表示されるマイページを生成する。そして、取引制御装置100は、生成したマイページをアクセス元の落札者に提示する。
【0071】
このような状態において、落札者は、マイページにて自身が落札した商品を確認し、落札商品毎に、「取引ナビV」を介した取引を開始するよう取引制御装置100に対して要求する。具体的には、落札者は、図2(b)に示すように、開始したい取引に対応する「取引連絡」ボタンを押下(選択)することにより、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。取引受付部131は、このような落札者からの取引開始要求を受け付ける。具体的には、取引受付部131は、落札者の端末装置10から取引開始要求を受け付ける。なお、マイページの生成は、後述する生成部133によって行われ、生成部133によって生成されたマイページの提示(端末装置10へのマイページの配信)は、後述する提示部134によって行われる。
【0072】
(特定部132について)
特定部132は、商品の購入に関する複数の取引に対応する商品のうち、購入者へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定する。具体的には、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、所定の条件情報を満たす商品を、購入者にまとめて配送させることが可能な商品として特定する。例えば、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、購入者に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて、複数の取引に対応する商品の中から特定する。より具体的には、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、購入者に選択された商品とともに所定の条件情報を満たす商品を、購入者に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品として特定する。
【0073】
なお、複数の取引に対応する商品について、まとめて配送させることを可能とすることは、この複数の取引を1つの取引にまとめて取引させる「まとめ取引」を可能とすることを意味する。したがって、特定部132は、商品の購入に関する複数の取引に対応する商品のうち、まとめ取引が可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定する、と言い換えることができる。
【0074】
例えば、特定部132は、所定の条件情報を満たす商品として、複数の取引に対応する商品のうち、属性情報が同一の商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。所定の条件情報としては、図6に示した7つの条件情報がある。したがって、特定部132は、この7つの条件情報をすべて満たす商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。
【0075】
例えば、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、属性情報として販売元が同一の商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、属性情報として配送元住所が同一の商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、複数の取引に対応する商品のうち、属性情報として送料を負担する負担者が同一の商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、所定の条件情報を満たす商品として、複数の取引に対応する商品のうち、代引き決済を除く決済方法に対応する商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、所定の条件情報を満たす商品として、複数の取引に対応する商品のうち、購入後から経過した経過期間が所定期間(例えば、72時間)以内の商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、所定の条件情報を満たす商品として、複数の取引に対応する商品のうち、購入者と複数の取引に対応する商品それぞれの販売元との間で取引が開始されていない商品をまとめて配送させることが可能な商品として特定する。また、特定部132は、所定の条件情報を満たす商品として、複数の取引に対応する商品のうち、特定のカテゴリ(例えば、特殊カテゴリ)に属する商品を除く商品をまとめて配送させることが可能な商品を特定する。
【0076】
(生成部133について)
生成部133は、商品を購入した購入者および当該商品の販売元に対して提示される各種情報が表示されるコンテンツ(例えば、ウェブページ)を生成する。例えば、生成部133は、図1で示したマイページを生成する。また、例えば、生成部133は、特定部132により特定された商品、すなわちまとめて配送させることが可能な商品を提示するためのコンテンツ(図2の例では、ページP11およびP12)を生成する。なお、生成部133は、これらのコンテンツだけでなく以降に説明する全てのコンテンツを所定のタイミング(例えば、利用者の操作に応じたタイミング)で生成する。
【0077】
(提示部134について)
まず、特定部132により特定されたまとめ取引が可能な商品が提示されるまでについて説明する。提示部134は、生成部133により生成されたコンテンツ(ウェブページ)を提示する。また、提示部134は、特定部132により特定された商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめたまとめ取引が可能であることを提示する。具体的には、提示部134は、特定部132により特定されたまとめ取引が可能な商品が一覧表示される情報を提示する。また、提示部134は、このような提示を特定部132により特定された商品の購入者に対して行う。
【0078】
さて、ここまで取引受付部131、特定部132、生成部133、提示部134それぞれの処理の概要について説明した。以下では、図1の例を用いて、これら処理部の一例について説明する。図1に示すように、ここでは、オークションYを例に購入者を落札者、販売元を出品者として説明する。
【0079】
例えば、別々に出品されている商品を落札することで、落札者となった利用者である落札者U1が、端末装置10を用いて、マイページへアクセスしたとする。つまり、端末装置10が、落札者U1の操作に応じて、マイページを配信するよう取引制御装置100に対して要求したとする。かかる場合、生成部133は、落札情報記憶部123を参照し、落札者U1に対応する落札情報が表示されるマイページであるマイページMY1を生成する。例えば、生成部133は、図1(b)に示すようにタブの切替に応じて、表示される情報が切り替わるマイページMY1を生成する。
【0080】
マイページMY1には、図1(b)に示すように、「取引ナビV」を用いて出品者との取引を開始可能なボタンである「取引連絡」ボタンが、落札商品それぞれに対応する取引毎に設置される。例えば、落札者U1は、商品0006を落札したことにより、出品者EX11との取引を開始したい場合には、商品0006に対応する「取引連絡」ボタンを押下することにより、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。また、落札者U1は、商品0002を落札したことにより、出品者EX13との取引を開始したい場合には、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下することにより、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。
【0081】
ここで、例えば、落札者U1が、マイページMY1において、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下したとする。かかる場合、端末装置10は、「取引ナビV」を介した取引を取引制御装置100に対して要求する。つまり、取引受付部131は、落札者U1の端末装置10からの取引開始要求を受け付ける。また、取引受付部131は、特定部132に対して、落札者U1に対して発生している複数の取引に対応する商品のうち、まとめて配送させることが可能な商品を特定するよう指示する。
【0082】
図1の例では、落札者U1は、別々に出品された8個の商品を落札したことにより、8つの取引が発生している。したがって、特定部132は、所定の条件情報に基づいて、8つの取引それぞれに対応する商品(商品0006、0002、0008、0005、0001、0007、0004、0003)のうち、落札者U1へまとめて配送させることが可能な商品を特定する。
【0083】
例えば、特定部132は、8つの取引に対応する商品のうち、落札者U1に選択された商品とともに所定の条件情報を満たす商品を、購入者U1に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品として特定する。購入者U1に選択された商品とは、購入者U1に選択された取引に対応する商品である。先に、落札者U1が、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下(選択)した例を挙げた。したがって、かかる場合には、特定部132は、8つの取引それぞれに対応する商品のうち、落札者U1に選択された商品0002とともに所定の条件情報を満たす商品を、購入者U1に選択された商品とともにまとめて配送させることが可能な商品として特定する。
【0084】
また、所定の条件情報とは、これまでに説明してきた7つの条件情報である。すなわち、販売元(出品者)が同一の商品であること、配送元住所が同一の商品であること、送料負担者が同一の商品であること、決済方法が代引き決済以外の商品であること、落札後から現時点(例えば、「取引連絡」ボタンが押下された日時)までに経過した経過期間が所定期間(例えば、72時間)以内の商品であること、出品者との取引が開始されていない商品であること、特定のカテゴリ(例えば、車両・船舶といった特殊カテゴリ)に属する商品でないこと、といった7つの条件情報である。また、「取引連絡」ボタンが押下された日時を「8月2日」とする。
【0085】
特定部132は、7つの条件情報を考慮して、8つの取引それぞれに対応する商品の中から商品0002を除いた7個の商品(商品0006、0008、0005、0001、0007、0004、0003)のうち、商品0002と同一の販売元、配送元住所、送料負担者が設定されている商品を特定する。なお、送料負担者が同一であることは、送料負担者が「出品者」または「落札者」のいずれかで共通していることを示す。また、特定部132は、このように特定した商品の中から、決済方法が代引き決済以外の商品、落札後から現時点までに経過した経過期間が所定期間(例えば、72時間)以内の商品、出品者との取引が開始されていない商品、特殊カテゴリ以外のカテゴリに属する商品を絞り込み特定する。図1の例では、特定部132は、商品0002とともに7つの条件情報を満たす商品として、商品0008、0001、0004を特定する。言い換えれば、特定部132は、商品0002、0008、0001、0004といった4つの商品をまとめ取引が可能な商品として特定する。
【0086】
次に、特定部132は、上記のようにして特定した4つの商品を1つのグループ(例えば、グループG1)に所属させるとともに、所属させたグループを特定可能なようにグループIDを付与する(グルーピング)。具体的には、特定部132は、図1(a)に示すように、落札情報記憶部123において、商品0002、0008、0001、0004に対応する「クループID」に「G1」を入力する。
【0087】
次に、生成部133は、提示部134によって提示されるコンテンツを生成する。例えば、生成部133は、落札者U1が選択した商品(商品0002)に関する情報J11−1(例えば、商品名:専門書NA2、落札価格:1,500円)、まとめ取引が可能であることを示す情報J11−2、商品0002(専門書NA2)の支払期限を示す情報J11−3、まとめ取引が可能な商品を確認させるボタンB11−1、単品、すなわち商品0002のみでの取引を進めるためのボタンB11−2が表示されるページP11を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP11を端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP11を、図2(a)に示すように表示画面に表示する。
【0088】
このような状態において、落札者U1がボタンB11−1を押下したとする。かかる場合、端末装置10は、まとめ取引が可能な商品に関する商品情報の配信を取引制御装置100に対して要求する。これにより、生成部133は、ページP12を生成する。例えば、生成部133は、落札者U1が選択した商品(商品0002)に関する情報J11−1(例えば、商品名:専門書NA2、落札価格:1,500円)、まとめ取引可能な商品の一覧を示す一覧情報J12−1が表示されるページP12を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP12を端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP12を、図2(b)に示すように表示画面に表示する。
【0089】
さて、提示部134によって落札者に対してまとめ取引の提案が行われるまでの処理について説明してきた。以下では、まとめ取引が進むに応じて行われる提示について説明する。提示部134は、後述する決定部138により決定された代表取引に対応する商品を識別可能な情報を含むコンテンツを、特定部132により特定された商品を購入した購入者、および、当該商品の販売元に対して提示する。
【0090】
また、提示部134は、事業主Xによって定められた配送方法以外の配送方法で特定部132により特定された商品を配送することが、当該商品の販売元によって設定されている場合に、当該商品全体の送料を設定可能なコンテンツを当該商品の販売元に提示する。
【0091】
次に、まとめ取引が進むに応じて行われる提示の一例について説明する。以降の説明も、これまでの例に引き続き、購入者をオークションYでの落札者U1とし、落札者U1についてまとめ取引が可能な商品として4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)が特定された例を用いる。また、図1の例では、かかる4つの商品の出品者は出品者EX13である。
【0092】
提示部134によるまとめ取引の提案を受けた落札者U1が、図2(b)に示すように、ページP12に含まれるボタンB12−1を押下したとする。生成部133は、ボタンB12−1が押下されたことが検知された場合に、特定部132により特定された4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめた取引であるまとめ取引を出品者EX13に対して依頼させるためのページP13を生成する。ここで、図7は、まとめ取引の依頼を行うためのコンテンツの一例を示す図である。
【0093】
生成部133は、図7(a)に示すように、落札者U1が選択した商品(商品0002)に関する情報J11−1(例えば、商品名:専門書NA2、落札価格:1,500円)、4つの商品の配送先を設定させるための情報J13−1(案内情報と入力欄)、まとめ取引を出品者EX13に対して依頼するためのB13−1が表示されるページP13を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP13を落札者U1の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP13を表示画面に表示する。
【0094】
このような状態において、落札者U1が、ボタンB13−1を押下したとする。つまり、落札者U1が、ボタンB13−1を押下することにより、まとめ取引を出品者に依頼したい旨の意志表示を取引制御装置100に対して行ったとする。かかる場合、後述する依頼受付部135が、まとめ取引の依頼を示す依頼情報を受け付ける。生成部133は、依頼情報が受け付けられると、出品者からの連絡を待つよう通知するためのページP14を生成する。例えば、生成部133は、図7(b)に示すように、情報J11−1、まとめ取引可能な商品の一覧を示す一覧情報J12−1が表示されるページP14を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP14を落札者U1の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP14を表示画面に表示する。
【0095】
取引制御装置100は、上記のように落札者から、まとめ取引の依頼を受け付けた場合には、落札者からまとめ取引の依頼があった旨を対応する出品者に通知する。また、取引制御装置100は、出品者からまとめ取引の依頼に同意するか否かを選択させるためのコンテンツを出品者に提示する。ここで、図8は、まとめ取引の依頼確認、および、まとめ取引に対する同意可否に関するコンテンツの一例を示す図である。
【0096】
生成部133は、落札者U1が、図7(a)に示すボタンB13−1を押下することにより依頼情報が受け付けられた場合には、まとめ取引を依頼された商品、つまり特定部132により特定された4つの商品をこの出品者に確認させるためのページP21を生成する。例えば、生成部133は、図8(a)に示すように、落札者U1が選択した商品(商品0002)に関する情報J11−1、まとめ取引可能な商品の一覧を示す一覧情報J12−1、まとめ取引の依頼を断り単品での取引を指定するためのボタンB21−1、まとめ取引の設定を進めるためのボタンB21−2表示されるページP21を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP21を出品者EX13の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP21を表示画面に表示する。
【0097】
このような状態において、出品者EX13が、ボタンB21−2を押下したとする。生成部133は、ボタンB21−2が押下されたことが検知された場合に、特定部132により特定された4つの商品を、事業主Xによって定められた配送方法以外の配送方法で配送する場合における当該4つの商品全体の送料を設定可能なページP22を生成する。例えば、生成部133は、図8(b)に示すように、商品の配送先に関する情報J22−1と、出品者EX13に対して4つの商品全体の送料であって事業主Xによって定められた配送方法以外の配送方法で配送する場合における送料を設定させることができる情報(入力欄)J22−2と、前ページに戻るためのボタンB22−1と、落札者U1からのまとめ取引の依頼に同意するためのボタンB22−2とが表示されるページP22を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP22を出品者EX13の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP22を、図8(b)に示すように表示画面に表示する。
【0098】
ここで、例えば、出品者EX13が、特定部132により特定された4つの商品について、事業主Xによって定められた配送方法(例えば、宅配便D1)で配送することを出品時に指定していたとする。かかる場合、生成部133は、図8(b)に示すように、事業主Xによって定められた配送方法での4つの商品全体の送料を示す情報J22−3も表示されるようページP22を生成する。なお、事業主Xによって定められた配送方法とは、事業主Xによって運営される配送方法、あるいは、事業主Xと提携している所定の配送会社の配送方法である。ここでは、出品者EX13が、情報J22−2および情報J22−3のうち、情報J22−3を選択したものとする。
【0099】
このような状態において、出品者EX13が、ボタンB22−2を押下したとする。つまり、出品者EX13が、落札者U1からのまとめ取引の依頼に同意したとする。かかる場合、後述する同意情報受付部136が、まとめ取引の同意を示す同意情報を受け付ける。生成部133は、同意情報が受け付けられると、出品者からの連絡を待つよう通知するためのページP23を生成する。例えば、生成部133は、図8(c)に示すように、後述する決定部138により決定された代表取引に対応する商品(商品0004)を識別可能な情報J23−1と、落札者からの連絡を待つよう通知する情報J23−2とが表示されるページP23を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP23を落札者U1の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP23を表示画面に表示する。
【0100】
取引制御装置100は、上記のように出品者から、まとめ取引の依頼に対する同意を受け付けた場合には、出品者がまとめ取引に対応する商品全体の合計金額に、当該商品全体での送料を加算した支払合計金額を落札者に支払うよう指示するコンテンツを落札者に提示する。ここで、図9は、まとめ取引の同意確認、および、まとめ取引における支払合計金額に関するコンテンツの一例を示す図である。
【0101】
生成部133は、出品者EX13が、図8(b)に示すボタンB22−2を押下することにより同意情報が受け付けられた場合には、出品者EX13がまとめ取引の依頼に同意したことを通知するページP31を生成する。例えば、生成部133は、図9(a)に示すように、後述する決定部138により決定された代表取引に対応する商品(商品0004)を識別可能な情報J23−1と、落札者U1に関する情報J31−1、まとめ取引の内容を確認したことを伝えるためのボタンB31−1とが表示されるページP31を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP33を出品者U1の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP31を表示画面に表示する。
【0102】
なお、図9(a)において、情報J31−1に含まれる「配送方法」によって示される情報は、図8(b)に示すページP22において出品者EX13に選択された情報J22−3に対応する。また、図9(a)において、情報J31−2に含まれる「支払方法」によって示される情報は、まとめ取引に対応する4つの商品全てに共通する支払方法(決済A)と、決定部138により決定された代表取引に対応する商品0004の支払期限である。後述するが、本実施形態では、代表取引に対応する商品の支払期限が、まとめ取引での支払期限とされる。
【0103】
このような状態において、落札者U1が、ボタンB31−1を押下したとする。生成部133は、ボタンB31−1が押下されたことが検知された場合に、まとめ取引に対応する支払合計金額を落札者U1に支払うよう指示するページP32を生成する。例えば、生成部133は、図9(b)に示すように、決定部138により決定された代表取引に対応する商品(商品0004)を識別可能な情報J23−1と、支払方法および支払い金額に関する情報J32−1と、まとめ取引に対応する商品の一覧を示す一覧情報J12−1と、情報J32−1で示される支払方法(決済A)での決済を実行させるためのボタンB32−1とが表示されるページP32を生成する。そして、提示部134は、生成されたページP32を落札者U1の端末装置10に配信する。端末装置10は、取引制御装置100から受信したページP32を表示画面に表示する。
【0104】
なお、図9(b)において情報J32−1に含まれる「支払合計金額」は、まとめ取引に対応する商品全体の合計金額(商品総額:4,100円)に、当該商品全体での送料(800円)を加算した金額である。
【0105】
(依頼受付部135について)
依頼受付部135は、購入者から販売元に対するまとめ取引の依頼を受け付ける。このようなことから、依頼受付部135は、購入者から販売元へのまとめ取引の依頼を仲介する処理部といえる。依頼受付部135の処理について、図7(a)の例を用いて説明する。例えば、特定部132により特定された4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)それぞれに対応する取引を1つの取引のまとめた取引であるまとめ取引を出品者EX13に対して依頼させるためのページP13において、落札者U1が、ボタンB13−1を押下したとする。かかる場合、依頼受付部135は、落札者U1の端末装置10から、まとめ取引の依頼を示す依頼情報を受け付ける。そして、依頼受付部135は、生成部133に対して、図7(b)に示すページP14、および、図8(a)に示すページP21を生成するよう指示する。提示部134は、ページP14およびページP21のうち、ページP14を落札者U1に提示する(落札者U1の端末装置10に配信する)。また、提示部134は、ページP14およびページP21のうち、ページP21を出品者EX13に提示する(出品者EX13の端末装置10に配信する)。
【0106】
(同意情報受付部136について)
同意情報受付部136は、購入者から販売元へのまとめ取引の依頼を許可(同意)する同意情報を当該販売元から受け付ける。同意情報受付部136の処理について、図8(b)の例を用いて説明する。例えば、ページP22において、落札者U1が、ボタンB22−2を押下したとする。つまり、出品者EX13が、落札者U1からのまとめ取引の依頼に同意したとする。かかる場合、同意情報受付部136は、出品者EX13の端末装置10から、まとめ取引の依頼に対して同意する同意情報を受け付ける。そして、同意情報受付部136は、生成部133に対して、図8(c)に示すページP23、および、図9(a)に示すページP31を生成するよう指示する。提示部134は、ページP23およびページP31のうち、ページP23を出品者EX13に提示する(出品者EX13の端末装置10に配信する)。また、提示部134は、ページP23およびページP31のうち、ページP31を落札者U1に提示する(落札者U1の端末装置10に配信する)。
【0107】
(算出部137について)
算出部137は、特定部132により特定された商品全体の送料を算出する。例えば、算出部137は、取引制御装置100を管理する事業主(事業主X)によって定められた配送方法で特定部132により特定された商品を配送することが、当該商品の販売元によって設定されている場合に、当該商品全体の送料を算出する。事業主Xによって定められた配送方法とは、事業主Xによって運営される配送方法、あるいは、事業主Xと提携している所定の配送会社の配送方法である。
【0108】
例えば、オークションYでは、商品の送料はこの商品の出品者によって出品時に設定される。かかる出品者が複数の商品を別々に出品することにより、例えば、別々に出品された商品を落札した1人の落札者がまとめ取引を依頼してきた場合には、かかる出品者は、このまとめ取引に対応する送料、すなわちまとめ取引に対応する商品全体の送料を改めて設定する必要が生じる。これまで説明してきた出品者EX13および落札者U1の例を用いると、出品者EX13は、図8(b)に示すページP22において、特定部132により特定された4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)を同梱して配送する際の配送方法および送料をページP22で設定する必要がある。
【0109】
ここで、例えば、出品者EX13が、落札者U1に選択された商品0002を出品する際に、事業主Xによって定められた配送方法(例えば、宅配便D1)で商品0002を配送することを指定していたとする。かかる場合、算出部137は、4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)のサイズや重量を考慮して、4つの商品をまとめて配送、すなわち同梱して配送する場合の送料を算出する。このようにして算出された情報は、図8(b)の情報J22−3に対応し、情報J22−3は、宅配便D1で4つの商品をまとめて配送する場合の送料として「800円」が算出部137によって算出された例を示す。なお、算出部137は、例えば、取引制御装置100によってページP22の配信要求が受信された場合(前ページのページP21に含まれるボタンB21−2が押下されたことが検知された場合)に、上記のような送料を算出する。
【0110】
また、出品者によっては、取引制御装置100を管理する事業主によって定められた配送方法以外の配送方法で、特定部132により特定された商品を同梱配送したい場合もある。したがって、これまでの例では、生成部133は、図8(b)に示すように、事業主Xによって定められた配送方法以外の配送方法で特定部132により特定された商品を配送する場合における当該商品全体の送料を設定可能な情報J22−2を含むページP22を生成する。そして、提示部134は、ページP22を出品者EX13に提示する。
【0111】
(決定部138について)
決定部138は、商品の購入に関する複数の取引の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引(以下、「親取引」と表記する)を決定する。具体的には、決定部138は、商品の購入に関する複数の取引であって、複数の取引に対応する各商品を購入者へまとめて配送可能な複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する。より具体的には、決定部138は、特定部132により特定された商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引(親取引)を、特定された商品それぞれに対応する取引の中から決定する。
【0112】
例えば、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品の購入日時に基づいて、親取引を決定する。一例を示すと、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、購入日時が最も古い商品に対応する取引を代表取引として決定する。また、決定部138は、親取引に対応する商品の決済期限をまとめ取引の決済期限として決定する。なお、親取引を決定するのは、特定部132により特定された商品それぞれについて、個別に取引を進められないように管理するためである。決定部138の処理について、図7の例を用いて説明する。
【0113】
例えば、決定部138は、図7(a)に示すページP13においてボタンB13−1を押下されることにより、依頼受付部135が依頼情報を受け付けた場合に、特定部132により特定された4つの商品それぞれに対応する取引(4つの取引)のうち、これら4つの取引の取引をまとめたまとめ取引の代表となる親取引を決定する。例えば、決定部138は、4つの取引それぞれに対応する商品のうち、落札日時が最も古い商品に対応する取引を親取引として決定する。
【0114】
図1(a)に示す落札情報記憶部123の例では、商品0004の落札日時が「7月30日 10時5分」であり、4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)のうち最も古い。したがって、かかる例では、決定部138は、商品0004に対応する取引を、4つの取引の代表となる親取引として決定する。また、決定部138は、4つの取引のうち親取引を除く他の取引、すなわち商品0002、0008、0001に対応する各取引を子取引として決定する。
【0115】
また、図1(a)に示す落札情報記憶部123の例では、決定された親取引に対応する商品0004の決済期限(支払期限)は、「8月6日 23時59分」である。したがって、かかる例では、決定部138は、親取引に対応する商品0004の決済期限「8月6日 23時59分」をまとめ取引の決済期限として決定する。
【0116】
また、このように親取引およびまとめ取引の決済期限が決定されたことにより、提示部134は、親取引に対応する商品を識別可能な情報を含むコンテンツを、特定部132により特定された商品を購入した購入者、および、当該商品の販売元に対して提示する。例えば、出品者EX13がまとめ取引に同意した場合には、提示部134は、図8(c)に示すように、親取引に対応する商品が商品0004であることを識別可能な情報J23−1を含むページP23を出品者EX13に提示する。
【0117】
また、出品者EX13がまとめ取引に同意した場合には、提示部134は、図9(a)に示すように、親取引に対応する商品が商品0004であることを識別可能な情報J23−1、および、まとめ取引の決済期限が「8月6日 23時59分」であることを示す情報J31−1を含むページP31を落札者U1に提示する。
【0118】
(管理部139について)
管理部139は、決定部138により決定された代表取引における取引の状態を、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の状態として管理する。具体的には、管理部139は、決定部138により決定された代表取引に対して、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引(子取引)をまとめることにより、購入者が他の取引(子取引)を行うことができない状態に制御する。購入者が他の取引(子取引)を行うことができない状態に制御することの一例としては、以下に詳述するが、子取引が行い内容に加工されたコンテンツを生成および配信するよう制御するものである。この点について、図10および図11を用いて説明する。図10および図11は、親取引と子取引との関係性を示す概念図である。
【0119】
まず、図10は、図1(a)に示す落札情報記憶部123と同様のものである。ここでは、上記例の通り、4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)のうち、落札日時の最も古い商品0004に対応する取引が親取引として決定されるとともに、この親取引に対応する「グループID」の欄に選択マークが入力されている例を示す。このような入力は、決定部138によって行われてよく、親取引がどれであるかを識別可能にするための処理である。
【0120】
ここで、落札者U1が、図7(a)に示すページP13からまとめ取引の依頼を行うことにより出品者EX13からの回答が来るのを待機している間に、例えば、自身のマイページMY1を参照し、落札商品を確認したくなったとする。かかる場合、落札者U1は、端末装置10を操作し、取引制御装置100に対してマイページMY1の配信を要求する。
【0121】
図11(a)に示すマイページMY1は、まとめ取引が依頼される前のマイページMY1であり、図1(b)に示すものと同様であるが、生成部133は、まとめ取引の依頼が行われた後、マイページMY1が要求された場合には、図11(a)に示すマイページMY1ではなく、マイページMY1を加工したマイページMY1−1(図11(b))を生成する。例えば、管理部139が、このようなマイページMY1−1を生成するよう生成部133に対して指示する。
【0122】
このような指示に応じて、生成部133は、図11(a)に示すように、商品0004に対応する親取引に対して、商品0002、0008、0001に対応する各取引をまとめることにより、図11(b)に示す点線枠内の様に加工することによりマイページMY1−1を生成する。そして、提示部134は、生成されたマイページMY1−1を落札者U1に提示する。かかる場合、親取引に対応する「取引状況」として、図11(b)に示すように、「依頼中」が表示される。
【0123】
また、図11(a)の例では、落札者U1は、例えば、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下することで、子取引の1つである商品0002に対応する取引のみを進めることができる。また、落札者U1は、商品0008に対応する「取引連絡」ボタンを押下することで、子取引の1つである商品0008に対応する取引のみを進めることができる。また、落札者U1は、商品0001に対応する「取引連絡」ボタンを押下することで、子取引の1つである商品0001に対応する取引のみを進めることができる。
【0124】
しかしながら、図11(b)に示すマイページMY1−1では、上記3つの子取引が親取引にまとめられていることで、落札者U1に対して、3つの子取引を個別に進めることができないよう制御されている。例えば、複数の取引が1つの取引にまとめられたにも拘わらず、複数の取引各々で取引が進められてしまうと、まとめ取引と、この各々の取引が混同し、円滑な取引が行えないようになってしまう。このため、取引制御装置100は、子取引を行うことができない状態に制御することにより、まとめて配送させることが可能な商品それぞれに対応する各取引を1つの取引として一元管理することができるため、円滑な取引が行えなくなってしまうことを防止することができる。
【0125】
また、購入者が子取引を行うことができない状態に制御することの他の一例について、図12を用いて説明する。図12は、実施形態にかかるまとめ取引の流れを示す概念図である。オークションYにおいて出品商品に対する落札者が決定された場合には、出品者は、この落札者からの取引連絡があるまで待機する。このような状態において、例えば、落札者は、取引ナビVを介して、出品者にまとめ取引を依頼する。これまで待機していた出品者は、まとめ取引に同意する場合には、取引ナビVを介して、まとめ取引に同意する旨や、送料を落札者に連絡する。
【0126】
落札者は、取引ナビVから指示された支払合計金額を支払った後、取引ナビVを介して、支払いが完了した旨を出品者に連絡する。出品者は、この連絡を受けた後、実際に入金が確認できれば、落札者に対して、同梱された商品を発送する。そして、落札者が商品を受け取った時点で、出品者と落札者との間の取引が完了する。
【0127】
このような図12に示すまとめ取引の流れにおいて、どのような場合であっても管理部139は、落札者が子取引を行うことができない状態に制御する。例えば、提示部134は、出品者EX13から発送された商品が送られてくるまで待機している落札者U1が、マイページMY1を要求してきた場合には、管理部139の制御に応じて、子取引が行えないよう制御されたマイページMY1であって、「取引状況」として「配送待ち」が表示されるマイページMY1を落札者U1に提示する。
【0128】
また、購入者が子取引を行うことができない状態に制御することの他の一例として、管理部139は、親取引および子取引それぞれに対応する商品の合計金額を、当該商品の購入者による支払金額として管理する。つまり、管理部139は、親取引に対応する商品、および、子取引に対応する商品の金額を一度に決済できるよう、これらの合計金額を購入者による支払金額として管理する。これにより、図9(b)に示すように、親取引に対応する商品(商品0004)、および、子取引に対応する商品(商品0002、0008、0001)の合計金額に、さらにこれら4つの商品を同梱配送する際の配送料が加算された支払合計金額が表示されるページP32が、落札者U1に提示される。
【0129】
ここで、実施形態にかかる取引制御装置100は、まとめ取引により利用者の利便性を高めることを目的とするだけでなく、取引が完了するまでに必要な一連の処理を簡略化することも目的としている。このようなことから、上記の通り、実施形態にかかる取引制御装置100は、商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる親取引を決定し、決定した親取引における取引の状態を、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の状態として管理する。
【0130】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、まとめ取引により利用者の利便性を高めることができるだけでなく、例えば、購入者が商品を受け取ることにより取引が完了するまでにおいて、取引制御装置100が購入者と販売元との取引を仲介してゆくうえでの一連の処理を簡略化することができる。
【0131】
例えば、取引制御装置100は、図11(b)で説明したように、親取引に子取引をまとめることにより、複数の取引それぞれについて個別に取引を進められないよう制御する。言い換えれば、取引制御装置100は、購入者および販売元に対して、複数の取引個々ではなく、1つのまとめ取引の単位で複数の取引を一括して進められるよう制御する。つまり、取引制御装置100は、購入者および販売元に対して、複数の取引それぞれにおける処理ステータスの変更(例えば、配送先や送料等の変更)を一括して行えるよう制御する。これにより、取引制御装置100は、取引が完了するまでに必要な一連の処理を簡略化することができる。
【0132】
(付与部140について)
付与部140は、まとめ取引の設定が受け付けられた場合に、前記商品の販売元に対して所定の特典を付与する。例えば、付与部140は、特定部132により特定された商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の依頼に対して、当該商品の販売元が同意した場合に、販売元に所定の特典を付与する。例えば、付与部140は、所定の特典として、所定金額分の電子ポイントを付与する。また、付与部140は、所定の特典として、電子クーポンを付与する。
【0133】
なお、このように、販売元に特典が付与されるには、次のような理由がある。実施形態にかかるまとめ取引は、その依頼に対して購入元が同意して初めて成立する。これまでの例では、落札者U1がまとめ取引を望んでも、出品者EX13が依頼を断れば、落札者U1は単品での取引を行うしかない。このように、出品者EX13がまとめ取引に応じないならば、今後、落札者U1は、オークションYの利用をひかえるかもしれない。逆に言えば、出品者EX13を含め各出品者がまとめ取引に同意する傾向にあるならば、落札者U1は、同梱配送させることにより、単品で取引を行うより送料が安く抑えられお得であることから、今後もオークションYを有効活用しようと思う。
【0134】
このようなことから、出品者がまとめ取引の依頼に同意することにより、オークションYに対する利用者の評価が高まり、オークションYがより活性化する。つまり、出品者がまとめ取引の依頼に同意することは、オークションYの活性化に貢献することにつながるため、この報酬として出品者すなわち販売元に特典が付与される。
【0135】
〔4.処理手順〕
次に、図13を用いて、実施形態にかかる取引制御装置100が実行する情報処理の手順について説明する。図13は、実施形態にかかる取引制御装置100による取引制御処理手順を示すフローチャートである。ここでは、購入者をオークションYにおける落札者、販売元を落札者によって落札された商品の出品者とする。
【0136】
まず、取引制御装置100は、落札者が取引開始のために、落札商品を選択したか否かを判定する(ステップS101)。例えば、取引制御装置100は、図1で説明したように、落札者に対応するマイページにて、落札者が取引開始のために「取引連絡」ボタンを押下したか否かを判定する。取引制御装置100は、落札商品が選択されていないと判定した場合には(ステップS101;No)、選択されるまで待機する。
【0137】
一方、取引制御装置100は、落札商品が選択されたと判定した場合には(ステップS101;Yes)、落札者と出品者との間に発生している複数の取引に対応する商品のうち、落札者へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定する(ステップS102)。また、取引制御装置100は、落札者へまとめて配送させることが可能な商品について、まとめ取引が可能であることを落札者に提示する(ステップS103)。
【0138】
〔5.変形例〕
上記実施形態にかかる取引制御装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、取引制御装置100の他の実施形態について説明する。
【0139】
〔5−1.販売元にまとめ取引の依頼を提案〕
上記実施形態では、提示部134が、まとめ取引が可能であることを提示することにより、出品者からまとめ取引の依頼を受け付ける例を示した。しかし、提示部134は、出品者に対して、まとめ取引が可能であることを提示することにより、出品者からまとめ取引の依頼を受け付けてもよい。例えば、提示部134は、特定部132により特定された商品の配送元が出品者EX13である場合には、出品者EX13による端末装置10の操作に応じて、図2に示すページP11およびP12を用いて、まとめ取引が可能であることを出品者EX13に提示する。
【0140】
例えば、特定部132は、落札者U1ではなく、出品者EX13による商品の選択操作に応じて、これまで説明してきたように、まとめ取引可能な商品を特定する。そして、例えば、提示部134は、特定部132により図1に示す4つの商品が特定された場合には、図2に示すページP11およびP12を用いて、まとめ取引が可能であることを出品者EX13に提示する。また、提示部134は、出品者EX13が例えば、ページP12のボタンB12−1を押下した場合には、図8に示すページP21および22を順に提示する。これにより、同意情報受付部136は、落札者U1の意図に拘わらず、出品者EX13から優先的に同意情報を受け付けてもよい。
【0141】
なお、特定部132は、出品者EX13による商品選択に拘わらず、まとめ取引が可能な商品を特定してもよい。例えば、特定部132は、複数の商品を別々に出品しており、かつ、落札された場合には、落札された落札商品のうち、まとめ取引が可能な商品を特定してもよい。
【0142】
また、提示部134は、送料負担者が購買元である場合に、購買元に対してまとめ取引が可能であることを提示してもよい。上記例では、送料負担者が落札者U1であったが、例えば、送料負担者が出品者EX13であるものとすると、かかる場合、提示部134は、出品者EX13に対して、まとめ取引が可能であることを提示する。
【0143】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、まとめ取引を行いたいという販売元の要望にも対応することができる。
【0144】
〔5−2.評価値が高い者に提案〕
また、提示部134は、特定部132により特定された商品を購入した購入者について、これまでの取引を評価する指標値が所定値より高い場合に、当該購入者に対して、当該商品それぞれに対応する取引を1つの取引にまとめることが可能であることを提示してもよい。図1の例を用いて説明すると、これまでの取引を評価する指標値とは、オークションYの利用者が、出品したり落札することにより取引相手から付与された評価値である。例えば、ある落札者が、出品者に対して迅速な対応を行った場合には、かかる落札者は出品者からより高い評価値(例えば、5点満点中5点)が付与される。ここでは、取引を評価する指標値を、これまで取引を行ってきた中で付与された評価値の平均値であるものとする。
【0145】
例えば、図1の例において、落札者U1の平均評価値が「4」であったとする。また、平均評価値が「3」より高い落札者に、まとめ取引が可能であることを提示するよう予め決められているものとする。かかる場合、生成部133は、図2(a)に示すページP11を生成する。また、提示部134は、ページP11を落札者U1に提示する。
【0146】
一方、落札者U1の平均評価値が「2」であったとする。また、平均評価値が「3」より高い落札者に、まとめ取引が可能であることを提示するよう予め決められているものとする。かかる場合、生成部133は、まとめ取引の依頼を案内する情報J11−1やボタンB11−1を含まないページP11、すなわち単品での取引しか行えないページP11を生成する。つまり、提示部134は、取引を評価する指標値が所定値より低い場合には、まとめ取引を行うことができないコンテンツを提示する。また、ここでは、落札者を例に説明したが、提示部134は、取引を評価する指標値が所定値より高い出品者に対してまとめ取引が可能であることを提示してもよい。
【0147】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、信頼性の高い利用者に対して、まとめ取引の提案を行うことができるため、まとめ取引自体の信頼性や評価を高めることができる。
【0148】
なお、特定部132により特定された商品の販売元に対して、まとめ取引が可能であることを提示する場合には、提示部134は、この販売元について、これまでの取引を評価する指標値が所定値より高ければ、当該販売元に対して、まとめ取引が可能であることを提示する。
【0149】
〔5−3.アラート〕
図8(b)を用いて、提示部134が、特定部132により特定された商品を配送する場合における当該商品全体の送料を設定可能なコンテンツを当該商品の販売元に提示することにより、販売元に送料を指定させる点について説明した。このとき、提示部134は、販売元が所定額以上の送料を設定した場合に、警告を出力してもよい。提示部134は、ページP22の上に重ねる形で、「送料が高すぎます。設定された送料が正しいか確認して下さい」といった警告文を表示させてもよい。また、提示部134は、かかる警告文とともに音声を出力させてもよい。
【0150】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、販売元が正規の送料を超えて高い送料を設定することで、収益を増やそうとすることを防止することができる。
【0151】
〔5−4.親取引について〕
上記実施形態では、決定部138が、購入日時に基づいて、親取引を決定する例を示した。しかし、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、所定のタイミングで購入者に選択された商品に対応する取引を代表取引として決定する。図1の例では、所定のタイミングとは、落札者U1が、落札後、取引を開始するためにマイページMY1にアクセスし、「取引開始」ボタンを押下したタイミングである。
【0152】
図1の例では、落札者U1が、商品0002に対応する「取引開始」ボタンを押下している。したがって、かかる場合、決定部137は、商品0002に対応する取引を代表取引として決定する。
【0153】
例えば、購入日時に基づいて、ある商品に対応する取引が親取引として決められた場合、購入者にとっては、なぜその商品に対応する取引が親取引となったのか不明な場合がある。しかし、購入者に選択された商品に対応する取引を親取引とすることで、実施形態にかかる取引制御装置100は、購入者に対して容易に親取引を認識させることができる。
【0154】
〔5−5.複数のサービスに渡ったまとめ取引〕
上記実施形態では、特定部132は、1つの商取引サービスであるオークションサービス(オークションY)において、商品の購入に関する複数の取引に対応する商品のうち、購入者へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定する例を示した。しかし、特定部132は、複数の商取引サービスにおいて、商品の購入に関する複数の取引に対応する商品のうち、購入者へまとめて配送させることが可能な商品を、所定の条件情報に基づいて特定してもよい。
【0155】
ここで、複数の商取引サービスとして2つの商取引サービスがあるものとする。1つはこれまで例示してきたオークションYであるものとする。もう1つは、電子フリーマーケット(「フリマF」とする)。フリマFは、オークションYと同様に、個人間取引であるが、入札競争が無い(固定価格)点でオークションYとは異なる。また、フリマFも事業主Xにより運営されるサービスであるものとする。
【0156】
したがって、かかる場合には、特定部132は、オークションYに対応する記憶部(落札情報記憶部123)、および、フリマFに対応する記憶部(記憶部Dとする)を参照することで、オークションYで購入された商品、フリマFで購入された商品の中から、まとめて配送させることが可能な商品を特定する。例えば、落札者U1が、マイページMY1において、商品0002に対応する「取引連絡」ボタンを押下したとする。かかる場合、特定部132は、落札情報記憶部123および記憶部Dを参照し、落札者U1に購入された商品のうち、落札者U1に選択された商品0002とともに条件情報を満たす商品を特定する。
【0157】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、1つの商取引サービスだけではなく、複数の商取引サービスに対応したまとめ取引を行わせることができるため、より利便性の高い商品売買を実現することができる。
【0158】
〔5−6.まとめ取引の単位で通知〕
また、管理部139は、商品の購入に関する複数の取引を1つの取引にまとめることにより、複数の取引毎に購入者および販売元に対して行われる通知であって取引の進捗を示す通知を、複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の単位で行う。図1の例では、落札者U1について、4つの商品(商品0002、0008、0001、0004)それぞれに対応する取引が1つの取引にまとめられる例を示した。
【0159】
ここで、4つの取引をまとめることができない場合、落札者U1は、取引毎に出品者EX13と取引を進めてゆくことになる。かかる場合、取引制御装置100は、取引毎にこの取引の進捗状況を落札者U1および出品者EX13に通知する。例えば、取引制御装置100は、落札者U1が商品0002の代金を入金した場合には、出品者EX13に対して、入金完了した旨を電子メールで通知する。さらに、商品0002に対応する取引が進み、出品者EX13が商品0002を発送したとする。かかる場合、取引制御装置100は、落札者U1に対して、商品0002が発送された旨を例えば電子メールで通知する。そして、このような通知が、4つの取引それぞれについて行われる。これにより、落札者U1および出品者EX13には、何度も通知が届くことになる。
【0160】
これに対して、4つの商品それぞれに対応する取引が1つの取引にまとめられた場合には、管理部139は、4つの取引それぞれについて行われる上記のような進捗通知を、まとめ取引の単位で行う。例えば、管理部139は、落札者U1が4つ商品の支払合計金額を入金した場合には、4つ商品それぞれに対応する取引毎に入金完了した旨を出品者EX13に通知するのではなく、まとめ取引の単位、すなわち1度の通知で済ます。
【0161】
また、出品者EX13によって4つの商品が同梱発送された場合には、管理部139は、4つ商品それぞれに対応する取引毎に商品が発送された旨を落札者U1に通知するのではなく、まとめ取引の単位、すなわち1度の通知で済ます。
【0162】
このように、実施形態にかかる取引制御装置100は、まとめ取引の単位で通知を行うことにより、まとめ取引に関する進捗状況を効果的に通知することができる。また、取引制御装置100は、購入者および販売元に届く通知を減らすことができるため、通知の見落とし等を防ぐことができる。
【0163】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態にかかる取引制御装置100は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図14は、取引制御装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0164】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0165】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0166】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0167】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0168】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる取引制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0169】
〔7.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0170】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0171】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0172】
〔8.効果〕
実施形態にかかる取引制御装置100は、決定部138と、管理部139とを有する。決定部138は、商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する。管理部139は、決定部138により決定された代表取引における取引の状態を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の状態として管理する。
【0173】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることができる。
【0174】
また、決定部138は、商品の購入に関する複数の取引であって、複数の取引に対応する各商品を購入者へまとめて配送可能な複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する。
【0175】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、購入者へまとめて配送可能な各商品に対応する取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることができる。
【0176】
また、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品の購入日時に基づいて、代表取引を決定する。
【0177】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、複数の取引それぞれに対応する商品の購入日時に応じて、まとめ取引に対応する決済期限を調整することができる。
【0178】
また、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、購入日時が最も古い商品に対応する取引を代表取引として決定する。
【0179】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、代表取引に対応する商品の購入日時に基づいて、まとめ取引に対応する決済期限を調整することができる。
【0180】
また、決定部138は、複数の取引それぞれに対応する商品のうち、所定のタイミングで商品の購入者に選択された商品に対応する取引を代表取引として決定する。
【0181】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、購入者に対して容易に親取引を認識させることができる。
【0182】
また、決定部138は、代表取引に対応する商品の決済期限をまとめ取り引きの決済期限として決定する。
【0183】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、複数の取引毎に必要であった決済を一度の決済にまとめることができる。
【0184】
また、管理部139は、決定部138により決定された代表取引に対して、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引をまとめることにより、購入者が他の取引を行うことができない状態に制御する。
【0185】
例えば、複数の取引が1つの取引にまとめられたにも拘わらず、複数の取引各々で取引が進められてしまうと、まとめ取引と、この各々の取引が混同し、円滑な取引が行えないようになってしまう。実施形態にかかる取引制御装置100は、このような状況になることを回避することができるため、円滑なまとめ取引を実現することができる。
【0186】
また、管理部139は、決定部138により決定された代表取引、および、まとめ取引に含まれる複数の取引のうち代表取引を除く他の取引それぞれに対応する商品の合計金額を、当該商品の購入者による支払金額として管理する。
【0187】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、複数の取引毎に必要であった決済を一度の決済にまとめることができる。
【0188】
また、管理部139は、商品の購入に関する複数の取引を1つの取引にまとめることにより、複数の取引毎に商品の購入者および販売元に対して行われる通知であって取引の進捗を示す通知を、前記複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の単位で行う。
【0189】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、まとめ取引に関する進捗状況を効果的に通知することができる。また、取引制御装置100は、購入者および販売元に届く通知を減らすことができるため、通知の見落とし等を防ぐことができる。
【0190】
また、実施形態にかかる取引制御装置100は、付与部140を有する。付与部140は、商品の購入に関する複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の設定が受け付けられた場合に、商品の販売元に対して所定の特典を付与する。
【0191】
これにより、実施形態にかかる取引制御装置100は、利用者間での取引をより活性化させることができる。
【0192】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0193】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0194】
1 取引制御システム
10 端末装置
100 取引制御装置
121 利用者情報記憶部
122 条件情報記憶部
123 落札情報記憶部
132 特定部
133 生成部
134 提示部
137 算出部
138 決定部
139 管理部
【要約】
【課題】複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引での取引進行をより円滑にすることと。
【解決手段】本願にかかる取引制御装置は、決定部と、管理部とを有する。決定部は、商品の購入に関する複数の取引のうち、当該複数の取引を1つの取引にまとめたまとめ取引の代表となる代表取引を決定する。管理部は、決定部により決定された代表取引における取引の状態を、まとめ取引に含まれる前記複数の取引のうち代表取引を除く他の取引の状態として管理する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14