【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成29年2月28日に顧客先でチラシ・サンプル品を3者に配布 2.平成29年3月21日にOFC2017でチラシを一般配布 3.平成29年4月5日〜7日にFOE2017でチラシを一般配布
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光ファイバを保持して軸方向へ延びるフェルールと、前記フェルールを収容して軸方向へ延びるプラグフレームと、前記プラグフレームに係入するストップリングと、前記フェルールと前記ストップリングとの間に配置されて該フェルールを軸方向前方へ付勢するばねと、前記プラグフレームを光コネクタアダプタに連結する係合ラッチとを有し、前記プラグフレームが、その軸方向前方に位置する凸部を有し、前記係合ラッチが、前記プラグフレームの軸方向後方から前記凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能なアームと、前記アームの軸方向前方に位置して前記プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタの係止部に係脱可能に係合する係合ヘッドとを有する光コネクタプラグにおいて、
前記係合ヘッドの軸方向前端が、前記凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ該凸部の軸方向後端に近接し、前記光コネクタプラグでは、前記プラグフレームに所定の荷重がかかり、前記プラグフレームが前記凸部の縦方向上方へ撓ったときに、前記係合ヘッドの軸方向前端が前記凸部に支持されることで、前記凸部から縦方向下方への前記係合ヘッドの移動を前記係合ヘッドと前記光コネクタアダプタの前記係止部との係合が不用意に解除されることがないように阻止されることを特徴とする光コネクタプラグ。
前記係合ヘッドの軸方向前端が、前記凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ該凸部の軸方向後端に近接している請求項1または請求項2に記載の光コネクタプラグ。
前記凸部が、平坦に延びる所定面積の頂面を有し、前記光コネクタプラグでは、前記プラグフレームに所定の荷重がかかり、前記プラグフレームが前記凸部の縦方向上方へ撓ったときに、前記係合ヘッドの軸方向前端が前記凸部の頂面に支持される請求項1ないし請求項4いずれかに記載の光コネクタプラグ。
前記係合ラッチのアームが、前記プラグフレームの軸方向後方に取り付けられて該プラグフレームの軸方向後方から前記凸部に向かって軸方向へ延びている請求項1ないし請求項5いずれかに記載の光コネクタプラグ。
前記光コネクタプラグが、前記ストップリングを収容するケーシングを含み、前記係合ラッチのアームが、前記ケーシングの頂壁に取り付けられて該ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、前記ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している請求項1ないし請求項5いずれかに記載の光コネクタプラグ。
前記凸部が、前記プラグフレームの軸方向前方に形成されて該プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる案内凸部である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の光コネクタプラグ。
第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールと、前記第1フェルールを収容して軸方向へ延びる第1プラグフレームと、前記第1プラグフレームに係入する第1ストップリングと、前記第1フェルールと前記第1ストップリングとの間に配置されて該第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねと、前記第1プラグフレームを前記光コネクタアダプタに連結する第1係合ラッチと、前記第1プラグフレームの軸方向前方に位置する第1凸部とを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールと、前記第2フェルールを収容して軸方向へ延びる第2プラグフレームと、前記第2プラグフレームに係入する第2ストップリングと、前記第2フェルールと前記第2ストップリングとの間に設置されて該第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねと、前記第2プラグフレームを前記光コネクタアダプタに連結する第2係合ラッチと、前記第2プラグフレームの軸方向前方に位置する第2凸部とを有して前記第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリとから形成され、前記第1係合ラッチが、前記第1プラグフレームの軸方向後方から前記第1凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能な第1アームと、前記第1アームの軸方向前方に位置して前記第1プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタの係止部に係脱可能に係合する第1係合ヘッドとを有し、前記第2係合ラッチが、前記第2プラグフレームの軸方向後方から前記第2凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能な第2アームと、前記第2アームの軸方向前方に位置して前記第2プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタの係止部に係脱可能に係合する第2係合ヘッドとを有する二連式の光コネクタプラグにおいて、
前記第1係合ヘッドの軸方向前端が、前記第1凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ該第1凸部の軸方向後端に近接し、前記第2係合ヘッドの軸方向前端が、前記第2凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ該第2凸部の軸方向後端に近接し、前記光コネクタプラグでは、前記第1プラグフレームに所定の荷重がかかり、前記第1プラグフレームが前記第1凸部の縦方向上方へ撓ったときに、前記第1係合ヘッドの軸方向前端が前記第1凸部に支持されることで、前記第1凸部から縦方向下方への前記第1係合ヘッドの移動を前記係合ヘッドと前記光コネクタアダプタの前記係止部との係合が不用意に解除されることがないように阻止され、前記第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、前記第2プラグフレームが前記第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、前記第2係合ヘッドの軸方向前端が前記第2凸部に支持されることで、前記第2凸部から縦方向下方への前記第2係合ヘッドの移動を前記係合ヘッドと前記光コネクタアダプタの前記係止部との係合が不用意に解除されることがないように阻止されることを特徴とする二連式の光コネクタプラグ。
前記第1凸部の軸方向後端に対する前記第1係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が、0.01〜0.2mmの範囲にあり、前記第2凸部の軸方向後端に対する前記第2係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が、0.01〜0.2mmの範囲にある請求項9に記載の二連式の光コネクタプラグ。
前記第1係合ヘッドの軸方向前端が、前記第1凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ該第1凸部の軸方向後端に近接し、前記第2係合ヘッドの軸方向前端が、前記第2凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ該第2凸部の軸方向後端に近接している請求項9または請求項10に記載の二連式の光コネクタプラグ。
前記第1凸部の軸方向後端に対する前記第1係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が、0.01〜0.4mmの範囲にあり、前記第2凸部の軸方向後端に対する前記第2係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が、0.01〜0.4mmの範囲にある請求項11に記載の二連式の光コネクタプラグ。
前記二連式の光コネクタプラグが、前記第1ストップリングの後端部と前記第2ストップリングの後端部とを収容する第1ケーシングと、前記第1ケーシングを軸方向へ収容する第2ケーシングとを含み、前記第1係合ラッチの第1アームが、前記第2ケーシングの頂壁に取り付けられて該第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、前記第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出し、前記第2係合ラッチの第2アームが、前記第2ケーシングの頂壁に取り付けられて該第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、前記第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している請求項9ないし請求項12いずれかに記載の二連式の光コネクタプラグ。
前記第1凸部が、前記第1プラグフレームの軸方向前方に形成されて該第1プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第1案内凸部であり、前記第2凸部が、前記第2プラグフレームの軸方向前方に形成されて該第2プラグフレームを前記光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第2案内凸部である請求項9ないし請求項13いずれかに記載の二連式の光コネクタプラグ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示の光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてハウジング(プラグフレーム)に所定の荷重がかかり、ハウジングが案内凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてハウジング(プラグフレーム)に所定の荷重がかかり、ハウジングが案内凸部の縦方向上方へ撓ると、係合ラッチの係合ヘッドがハウジングの頂壁に向かって縦方向下方に下がり(おじぎをし)、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が解除され、係合ヘッドが係止部から外れて光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される場合がある。
【0007】
本発明の目的は、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームがその頂面の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームがその頂面の縦方向上方へ撓ったとしても、係合ラッチの係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結解除を防ぐことができる光コネクタプラグおよび二連式の光コネクタプラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、光ファイバを保持して軸方向へ延びるフェルールと、フェルールを収容して軸方向へ延びるプラグフレームと、プラグフレームに係入するストップリングと、フェルールとストップリングとの間に配置されてフェルールを軸方向前方へ付勢するばねと、プラグフレームを光コネクタアダプタに連結する係合ラッチとを有し、プラグフレームが、その軸方向前方に位置する凸部を有し、係合ラッチが、プラグフレームの軸方向後方から凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能なアームと、アームの軸方向前方に位置してプラグフレームを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係脱可能に係合する係合ヘッドとを有する光コネクタプラグである。
【0009】
前記第1の前提における本発明の光コネクタプラグの特徴は、係合ヘッドの軸方向前端が、凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ凸部の軸方向後端に近接し、光コネクタプラグでは、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッドの軸方向前端が凸部に支持されることで、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動が阻止されることにある。
【0010】
本発明の光コネクタプラグの一例としては、凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にある。
【0011】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、係合ヘッドの軸方向前端が凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ凸部の軸方向後端に近接している。
【0012】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にある。
【0013】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、凸部が平坦に延びる所定面積の頂面を有し、光コネクタプラグでは、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッドの軸方向前端が凸部の頂面に支持される。
【0014】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、係合ラッチのアームがプラグフレームの軸方向後方に取り付けられてプラグフレームの軸方向後方から凸部に向かって軸方向へ延びている。
【0015】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、光コネクタプラグがストップリングを収容するケーシングを含み、係合ラッチのアームがケーシングの頂壁に取り付けられてケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している。
【0016】
本発明の光コネクタプラグの他の一例としては、凸部がプラグフレームの軸方向前方に形成されてプラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる案内凸部である。
【0017】
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、
第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールと、第1フェルールを収容して軸方向へ延びる第1プラグフレームと、第1プラグフレームに係入する第1ストップリングと、第1フェルールと第1ストップリングとの間に配置されて第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねと、第1プラグフレームを光コネクタアダプタに連結する第1係合ラッチと、第1プラグフレームの軸方向前方に位置する第1凸部とを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールと、第2フェルールを収容して軸方向へ延びる第2プラグフレームと、第2プラグフレームに係入する第2ストップリングと、第2フェルールと第2ストップリングとの間に設置されて第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねと、第2プラグフレームを光コネクタアダプタに連結する第2係合ラッチと、第2プラグフレームの軸方向前方に位置する第2凸部とを有して第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリとから形成され、第1係合ラッチが、第1プラグフレームの軸方向後方から第1凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能な第1アームと、第1アームの軸方向前方に位置して第1プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係脱可能に係合する第1係合ヘッドとを有し、第2係合ラッチが、第2プラグフレームの軸方向後方から第2凸部に向かって軸方向へ延びていて縦方向へ弾性変形可能な第2アームと、第2アームの軸方向前方に位置して第2プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係脱可能に係合する第2係合ヘッドとを有する二連式の光コネクタプラグである。
【0018】
前記第2の前提における本発明の二連式の光コネクタプラグの特徴は、
第1係合ヘッドの軸方向前端が、第1凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ第1凸部の軸方向後端に近接し、第2係合ヘッドの軸方向前端が、第2凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ第2凸部の軸方向後端に近接し、光コネクタプラグでは、第1プラグフレームに所定の荷重がかかり、第1プラグフレームが第1凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第1係合ヘッドの軸方向前端が第1凸部に支持されることで、第1凸部から縦方向下方への第1係合ヘッドの移動が阻止され、第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、第2プラグフレームが第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第2係合ヘッドの軸方向前端が第2凸部に支持されることで、第2凸部から縦方向下方への第2係合ヘッドの移動が阻止されることにある。
【0019】
本発明の二連式の光コネクタプラグの一例としては、第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にある。
【0020】
本発明の二連式の光コネクタプラグの他の一例としては、第1係合ヘッドの軸方向前端が第1凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ第1凸部の軸方向後端に近接し、第2係合ヘッドの軸方向前端が第2凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ第2凸部の軸方向後端に近接している。
【0021】
本発明の二連式の光コネクタプラグの他の一例としては、第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にある。
【0022】
本発明の二連式の光コネクタプラグの他の一例として、二連式の光コネクタプラグが、第1ストップリングの後端部と第2ストップリングの後端部とを収容する第1ケーシングと、第1ケーシングを軸方向へ収容する第2ケーシングとを含み、第1係合ラッチの第1アームが第2ケーシングの頂壁に取り付けられて第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出し、第2係合ラッチの第2アームが第2ケーシングの頂壁に取り付けられて第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している。
【0023】
本発明の二連式の光コネクタプラグの他の一例としては、第1凸部が第1プラグフレームの軸方向前方に形成されて第1プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第1案内凸部であり、第2凸部が第2プラグフレームの軸方向前方に形成されて第2プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第2案内凸部である。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る光コネクタプラグによれば、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、係合ヘッドの軸方向前端が凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ凸部の軸方向後端に近接することで、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まって係合ヘッドの軸方向前端が凸部に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。光コネクタプラグは、その使用中にプラグフレームに所定の荷重がかかったとしても、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除される事故を防ぐことができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除された場合の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとを再連結する労力を省くことができる。
【0025】
凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にある光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が前記範囲にあり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まって係合ヘッドの軸方向前端が凸部に確実に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0026】
係合ヘッドの軸方向前端が凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ凸部の軸方向後端に近接している光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、係合ヘッドの軸方向前端が凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ凸部の軸方向後端に近接することで、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まって係合ヘッドの軸方向前端が凸部に支持されるから、案内凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0027】
凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にある光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられてプラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、凸部の軸方向後端に対する係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が前記範囲にあり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まって係合ヘッドの軸方向前端が凸部に確実に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0028】
凸部が平坦に延びる所定面積の頂面を有し、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッドの軸方向前端が凸部の頂面に支持される光コネクタプラグは、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まって係合ヘッドの軸方向前端が凸部の頂面に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を確実に阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0029】
係合ラッチのアームがプラグフレームの軸方向後方に取り付けられてプラグフレームの軸方向後方から凸部に向かって軸方向へ延びている光コネクタプラグは、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに、プラグフレームの軸方向後方から凸部に向かって軸方向へ延びるアームの軸方向前方に位置する係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まり、係合ヘッドの軸方向前端が凸部に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0030】
ストップリングを収容するケーシングを含み、係合ラッチのアームがケーシングの頂壁に取り付けられてケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している光コネクタプラグは、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが凸部の縦方向上方へ撓ったときに、ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出するアームの軸方向前方に位置する係合ヘッドの軸方向前端と凸部の軸方向後端との距離が縮まり、係合ヘッドの軸方向前端が凸部に支持されるから、凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0031】
凸部がプラグフレームの軸方向前方に形成されてプラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる案内凸部である光コネクタプラグは、凸部がプラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの案内としての機能を有するとともに、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが案内凸部の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッドの軸方向前端と案内凸部の軸方向後端との距離が縮まり、係合ヘッドの軸方向前端が案内凸部に支持されるから、案内凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0032】
本発明に係る二連式の光コネクタプラグによれば、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、第1係合ヘッドの軸方向前端が第1凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ第1凸部の軸方向後端に近接し、第2係合ヘッドの軸方向前端が第2凸部の軸方向後端から軸方向後方へ離間しつつ第2凸部の軸方向後端に近接することで、第1および第2プラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに第1および第2係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2凸部の軸方向後端との距離が縮まってそれら係合ヘッドの軸方向前端がそれら凸部に支持されるから、第1および第2凸部から縦方向下方への第1および第2係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。二連式の光コネクタプラグは、その使用中に第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかったとしても、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除される事故を防ぐことができ、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除された場合の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの再連結の労力を省くことができる。
【0033】
第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にある二連式の光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が前記範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の軸方向後方への離間寸法が前記範囲にあり、第1および第2プラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第1および第2係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2凸部の軸方向後端との距離が縮まってそれら係合ヘッドの軸方向前端がそれら凸部に確実に支持されるから、第1および第2凸部から縦方向下方への第1および第2係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0034】
第1係合ヘッドの軸方向前端が第1凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ第1凸部の軸方向後端に近接し、第2係合ヘッドの軸方向前端が第2凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ第2凸部の軸方向後端に近接している二連式の光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、第1および第2係合ヘッドの軸方向前端が第1および第2凸部の軸方向後端の縦方向上方へ離間しつつ第1および第2凸部の軸方向後端に近接することで、第1および第2プラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第1および第2係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2凸部の軸方向後端との距離が縮まってそれら係合ヘッドの軸方向前端がそれら凸部に支持されるから、第1および第2凸部から縦方向下方への第1および第2係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0035】
第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にある二連式の光コネクタプラグは、ブーツから軸方向後方へ延びる光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが縦方向上方へ引き上げられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったり、または、光ファイバコードが軸方向後方へ強く引っ張られた状態で光ファイバコードが円弧を画くように回転させられて第1および第2プラグフレームに所定の荷重がかかり、それらプラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、第1凸部の軸方向後端に対する第1係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が前記範囲にあり、第2凸部の軸方向後端に対する第2係合ヘッドの軸方向前端の縦方向上方への離間寸法が前記範囲にあり、第1および第2プラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第1および第2係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2凸部の軸方向後端との距離が縮まってそれら係合ヘッドの軸方向前端がそれら凸部に確実に支持されるから、第1および第2凸部から縦方向下方への第1および第2係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【0036】
第1ストップリングの後端部と第2ストップリングの後端部とを収容する第1ケーシングと、第1ケーシングを軸方向へ収容する第2ケーシングとを含み、第1係合ラッチの第1アームが第2ケーシングの頂壁に取り付けられて第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出し、第2係合ラッチの第2アームが第2ケーシングの頂壁に取り付けられて第2ケーシングの頂壁から軸方向前方へ延出しつつ、第2ケーシングの前端開口から軸方向前方へ露出している二連式の光コネクタプラグは、第1および第2プラグフレームが第1および第2凸部の縦方向上方へ撓ったときに、第2ケーシングの頂壁から軸方向へ延びる第1および第2係合ラッチの第1および第2係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2凸部の軸方向後端との距離が縮まってそれら係合ヘッドの軸方向前端がそれら凸部に確実に支持されるから、第1および第2凸部から縦方向下方への第1および第2係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、第1および第2係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、二連式の光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。また、第1および第2係合ラッチが第1および第2光コネクタアセンブリの第1および第2プラグフレームに設置されていると、それら係合ラッチが邪魔となってそれら光コネクタアセンブリを同一方向に回転させることができないが、第1および第2係合ラッチが第2ケーシングの頂壁に設置されているから、それら係合ラッチが邪魔することなくそれら光コネクタアセンブリを同一方向に回転させることができる。
【0037】
第1凸部が第1プラグフレームの軸方向前方に形成されて第1プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第1案内凸部であり、第2凸部が第2プラグフレームの軸方向前方に形成されて第2プラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの位置決めとなる第2案内凸部である光コネクタプラグは、第1および第2凸部がプラグフレームを光コネクタアダプタに挿入するときの案内としての機能を有するとともに、プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが第1および第2案内凸部の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッドの軸方向前端と第1および第2案内凸部の軸方向後端との距離が縮まり、係合ヘッドの軸方向前端がそれら案内凸部に支持されるから、第1および第2案内凸部から縦方向下方への係合ヘッドの移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッドと光コネクタアダプタの係止部との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
一例として示す光コネクタプラグ10Aの斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる光コネクタプラグの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、光コネクタプラグ10Aの側面図であり、
図3は、光コネクタプラグ10Aの上面図である。
図4は、光コネクタプラグ10Aの正面図であり、
図5は、光コネクタプラグ10Aの分解斜視図である。
図6は、
図4のA−A線矢視断面図であり、
図7は、
図4のB−B線矢視断面図である。
図1〜
図3では、軸方向を矢印W、縦方向を矢印Xで示し、横方向を矢印Yで示す。
【0040】
光コネクタプラグ10Aは、光コネクタアダプタ51(
図8参照)に取り付けることで光ファイバどうしの光接続に使用される。光コネクタプラグ10Aは、軸方向へ延びるフェルール11と、フェルール11を収容するプラグフレーム12と、プラグフレーム12に係入するストップリング13と、ばね14(コイルスプリング)と、カシメリング15およびブーツ16とから形成されている。
図5の分解斜視図では、軸方向前方から後方に向かってプラグフレーム12、フェルール11、ばね14、ストップリング13、カシメリング15、ブーツ16の順に並んでいる。
【0041】
フェルール11は、軸方向へ延びるキャピラリ17と、軸方向へ延びる円筒状に成形されたスリーブ18とから形成されている。キャピラリ17には、少なくとも1本の光ファイバ19が保持されている。キャピラリ17は、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に光ファイバ19の端面が露出する先端面20を有するとともに、先端面20の端面外径域に面取り部21を有する。なお、面取り部21の形状には、角面や丸面等の形状があるが、いずれの形状であってもよい。先端面20は、径方向へ垂直に延びる垂直な面である。面取り部21は、先端面20から軸方向後方に向かうにつれて径方向外方へ次第に傾斜している。
【0042】
キャピラリ17は、ジルコニア等のセラミックス材料、プラスチック材料、結晶化ガラスやホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料等から作られている。なお、図示のキャピラリ17には、ジルコニアから作られたジルコニアキャピラリが使用されている。キャピラリ17の外径は、1.2485mm〜1.2495mmである。キャピラリ17(フェルール11)の内部には、軸方向へ延びる光ファイバ挿入孔22が穿孔されている。光ファイバ19は、キャピラリ17に穿孔された光ファイバ挿入孔22に挿入されている。
【0043】
スリーブ18は、キャピラリ17(フェルール11)の軸方向後方に連結されている。スリーブ18の軸方向後方には、光ファイバ19の外周全域を被覆して軸方向へ延びる心線カバー23(PTFEチューブ)が連結されている。スリーブ18の前端には、その径がキャピラリ17や心線カバー23のそれよりも大きい多角筒状のフランジ24が一体に成形されている。スリーブ18やフランジ24は、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、または、合成樹脂材料から作られている。スリーブ18の内部には、キャピラリ17を挿入保持するキャピラリ挿入孔25と、光ファイバ19を内蔵した光ファイバ心線111を挿入保持する心線挿入孔26とが穿孔されている。
【0044】
スリーブ18のキャピラリ挿入孔25にはキャピラリ17の後端部が挿入され、キャピラリ17の後端部がスリーブ18のキャピラリ挿入孔25に固定保持されている。スリーブ18の心線挿入孔26には光ファイバ心線111の一端部が挿入され、光ファイバ心線111の一端部がスリーブ18の心線挿入孔26に固定保持されている。なお、スリーブ18の軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
【0045】
プラグフレーム12は、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。プラグフレーム12は、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁27および底壁28と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁29,30とを有する。プラグフレーム12には、それら壁27〜30に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース31が画成され、キャピラリ17の先端部が露出する前端露出口32が開口しているとともに、フェルール11を挿入する後端挿入口33が開口している。
【0046】
プラグフレーム12の前端露出口32の軸方向後方には、フェルール収容スペース31の内周面から径方向内方へ当接部50が延びている。当接部50には、スリーブ18のフランジ24が当接する。スリーブ18のフランジ24が当接部50に当接することで、プラグフレーム12に対するスリーブ18の軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。
【0047】
プラグフレーム12の軸方向中央における両側壁29,30には、横方向へ開口する嵌合孔34が穿孔されている。プラグフレーム12の軸方向前方における頂壁27には、頂壁27から縦方向上方へ凸となって軸方向へ延びる案内凸部35(凸部)が形成されている。案内凸部35は、平坦に延びる所定面積の頂面36を有する。プラグフレーム12の頂壁27には、係合ラッチ37が形成されている。
【0048】
係合ラッチ37は、プラグフレーム12と一体成形され、プラグフレーム12の頂壁27の軸方向後方に位置して頂壁27につながるベース38と、ベース38につながるアーム39と、アーム39の軸方向前方に位置する係合ヘッド40とを有する。アーム39は、頂壁27から縦方向上方へ離間し、頂壁27の軸方向後方につながるベース38(プラグフレーム12の軸方向後方)から案内凸部35に向かって軸方向前方へ延びている。アーム39は、可撓性を有し、縦方向へ弾性変形可能(旋回可能)である。
【0049】
係合ヘッド40は、横方向外方へ張り出す一対の係合凸部41を有する。係合凸部41は、プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51に挿入したときに光コネクタアダプタ51の係止部52に係脱可能に係合する。係合ヘッド40は、係合凸部41を除く横方向の寸法がアーム39のそれよりも大きく、案内凸部35の頂面27の横方向の寸法と略同一である。係合ヘッド40は、アーム39の縦方向への弾性変形にともなって縦方向へ揺動する。
【0050】
係合ヘッド40の軸方向前端42は、
図2に示すように、案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間しつつ、案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へわずかに離間し、案内凸部35の軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35の軸方向後端43に近接している。案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲にある。案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法は、0.01〜0.4mmの範囲にある。
【0051】
なお、光コネクタプラグ10Aでは、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へ離間することなく、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間し、軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35の軸方向後端43に近接していてもよい。この場合、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲になる。
【0052】
ストップリング13は、金属材料または合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。ストップリング13には、光ファイバ心線111が挿入されている。ストップリング13の前端部には、光ファイバ心線111が露出する心線露出口44が開口し、ストップリング13の後端部には、光ファイバ心線111を挿入する心線挿入口45が開口している。ストップリング13の前端部の外周面(周面)には、横方向外方へ凸となる一対の嵌合凸部46が形成されている。ストップリング13の後端部の外周面(周面)には、周り方向へ凸となる嵌合リング47が形成されている。嵌合リング47は、カシメリング15のカシメ部48に固定されている。
【0053】
ストップリング13は、プラグフレーム12のフェルール収容スペース31に挿入される。ストップリング13がプラグフレーム12のフェルール収容スペース31に挿入されると、ストップリング13の嵌合凸部46がプラグフレーム12の両側壁29,30に穿孔された嵌合孔34に嵌脱可能に嵌合し、ストップリング13がプラグフレーム12に連結される。
【0054】
ばね14は、フェルール11とストップリング13との間に設置され、心線カバー23に挿通されて軸方向へ延びている。ばね14は、その前端がスリーブ18のフランジ24に当接し、その後端がストップリング13の前端に当接している。ばね14は、フェルール11を軸方向前方へ付勢する。
【0055】
カシメリング15は、金属材料または合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。カシメリング15の前端部には、カシメ部48が形成されている。ストップリング13の嵌合リング47がカシメリング15の前端部に形成されたカシメ部48に固定されることで、ストップリング13がカシメリング15に連結される。ブーツ16は、金属材料または合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。ブーツ16にはカシメリング15が圧入され、ブーツ16の内周面とカシメリング15の前端部の外周面とが密着することで、カシメリング15がブーツ16に連結される。なお、光ファイバ心線111を包被する光ファイバコード49がカシメリング15に挿通されてカシメリング15の後端から軸方向後方へ延出している。
【0056】
図8は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Aの側面図であり、
図9は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Aの正面図である。
図10は、
図9のC−C線矢視断面図であり、
図11は、
図9のD−D線矢視断面図である。
図12は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Aとの連結を解除する場合の光コネクタプラグ10Aの側面図であり、
図13は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Aとの連結中にプラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Aの正面図である。
図14は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Aとの連結中にプラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Aの側面図である。
図12,14では、光コネクタアダプタ51の図示を省略している。
【0057】
光コネクタプラグ10Aを光コネクタアダプタ51に連結するには、プラグフレーム12を摘持し、プラグフレーム12の案内凸部35を光コネクタアダプタ51の案内レール112に対向させ、プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51の挿入開口から光コネクタアダプタ51の内部に挿入する。プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51に挿入しつつ、プラグフレーム12を軸方向前方へ移動させると、係合ラッチ37のアーム39が光コネクタアダプタ51の内部に次第に進入し、光コネクタアダプタ51の頂壁113によって係合ラッチ37の係合ヘッド40が縦方向下方へ押圧され、係合ラッチ37のアーム39が縦方向下方へ弾性変形して係合ヘッド40が縦方向下方へ押し下げられる。
【0058】
プラグフレーム12をさらに軸方向前方へ移動させ、係合ヘッド40が光コネクタアダプタ51の係止部52に移動すると、
図10に示すように、アーム39が縦方向上方へ弾性変形して係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52に係合し、光コネクタプラグ10Aが光コネクタアダプタ51に連結される。係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52に係合することで、プラグフレーム12の光コネクタアダプタ51に対する挿入状態が維持される。
【0059】
光コネクタプラグ10Aに荷重が作用していない通常の状態において光コネクタアダプタ10Aと光コネクタプラグ51との連結を解除するには、係合ラッチ37のアーム39を縦方向下方へ押圧し、
図12に示すように、アーム39を縦方向下方へ旋回させて係合ラッチ37の係合ヘッド40を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させ、係合ヘッド40と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を解除する。この状態でプラグフレーム12を軸方向後方へ引っ張ってプラグフレーム12を光コネクタアダプタ51から引き抜く。
【0060】
光コネクタプラグ10Aが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、ブーツ16から軸方向後方へ延びる光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が縦方向上方へ引き上げられてプラグフレーム12に所定の荷重がかかると、
図13,14に示すように、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓る場合がある。また、光コネクタプラグ10Aが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が円弧を画くように回転させられてプラグフレーム12に所定の荷重がかかると、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓る場合がある。
【0061】
光コネクタプラグ10Aでは、プラグフレーム12に所定の荷重がかかり、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った場合、係合ラッチ37のアーム39が撓ることなく係合ラッチ37の係合ヘッド40と案内凸部35との距離(離間寸法)が縮まり、
図14に示すように、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の平坦に延びる所定面積の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に支持される。光コネクタプラグ10Aは、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に支持されることで、案内凸部35の縦方向下方への係合ヘッド40の移動が阻止される。
【0062】
一例として示す
図59の光コネクタプラグ10Dのように、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43の近傍に位置せず、軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に近接しない場合、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ラッチ37の係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に支持されることなく、
図60に示すように、係合ヘッド40が案内凸部35の縦方向下方へ移動(おじぎ)する。係合ヘッド40が案内凸部35の縦方向下方へ移動すると、係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動し、係合凸部41が係止部52から外れ、光コネクタプラグ10Dと光コネクタアダプタ51との連結が解除される場合がある。
【0063】
しかし、光コネクタプラグ10Aは、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へ離間しつつ案内凸部35の軸方向後端43に近接し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へ離間しつつ案内凸部35の軸方向後端43に近接することで、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッド40の軸方向前端42と案内凸部35の軸方向後端43との距離が縮まり、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の平坦に延びる所定面積の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に支持されるから、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Aと光コネクタアダプタ51との光接続状態を維持することができる。
【0064】
光コネクタプラグ10Aは、その使用中にプラグフレーム12に所定の荷重がかかったとしても、係合ラッチ37の係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除される通信遮断事故を防ぐことができる。
【0065】
案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.01mm未満であり、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01mm未満では、光コネクタアダプタ10Aに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12の撓りがない通常の状態)においてプラグフレーム12を光コネクタアダプタ51から引き抜く場合、係合ラッチ37のアーム39を縦方向下方へ旋回させたときに係合ラッチ37の係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させることができない場合があり、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を解除することができない場合がある。
【0066】
案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.2mmを超過し、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.4mmを超過すると、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)せず、案内凸部35の頂面36の軸方向後端43によって係合ヘッド40の軸方向前端42を支持することができない場合があり、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができず、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が解除されてしまう場合がある。
【0067】
光コネクタプラグ10Aは、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にあり、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にあるから、光コネクタアダプタ10Aに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12の撓りがない通常の状態)において、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させることができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を確実に解除することができるとともに、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に確実に支持され、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Aと光コネクタアダプタ51との光接続状態を確実に維持することができる。
【0068】
図15は、他の一例として示す光コネクタプラグ10Bの斜視図であり、
図16は、光コネクタプラグ10Bの側面図である。
図17は、光コネクタプラグ10Bの上面図であり、
図18は、光コネクタプラグ10Bの正面図である。
図19は、光コネクタプラグ10Bの分解斜視図であり、
図20は、
図18のE−E線矢視断面図であり、
図21は、
図18のF−F線矢視断面図である。
図15〜
図17では、軸方向を矢印W、縦方向を矢印Xで示し、横方向を矢印Yで示す。
【0069】
光コネクタプラグ10Bは、光コネクタアダプタ51(
図22参照)に取り付けることで光ファイバどうしの光接続に使用される。光コネクタプラグ10Bは、軸方向へ延びるフェルール11と、フェルール11を収容するプラグフレーム12と、プラグフレーム12に係入するストップリング13と、ばね14(コイルスプリング)と、ケーシング53およびスライダー54と、カシメリング15およびブーツ16とから形成されている。
図5の分解斜視図では、軸方向前方から後方に向かってプラグフレーム12、フェルール11、ばね14、ストップリング13、ケーシング53、スライダー54、カシメリング15、ブーツ16の順に並んでいる。
【0070】
フェルール11は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれと同一であり、軸方向へ延びるキャピラリ17と、軸方向へ延びる円筒状に成形されたスリーブ18とから形成されている。キャピラリ17には、少なくとも1本の光ファイバ19が保持されている。キャピラリ17やスリーブ18は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれらと同一である。
【0071】
プラグフレーム12は、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。プラグフレーム12は、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁27および底壁28と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁29,30とを有する。プラグフレーム12には、それら壁27〜30に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース31が画成され、キャピラリ17の先端部が露出する前端露出口32が開口しているとともに、フェルール11を挿入する後端挿入口33が開口している。
【0072】
プラグフレーム12の前端露出口32の軸方向後方には、フェルール収容スペース31の内周面から径方向内方へ当接部50が延びている。当接部50には、スリーブ18のフランジ24が当接する。スリーブ18のフランジ24が当接部50に当接することで、プラグフレーム12に対するスリーブ18の軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。プラグフレーム12の軸方向中央における両側壁29,30には、横方向へ開口する嵌合孔34が穿孔されている。プラグフレーム12の軸方向前方における頂壁27には、頂壁27から縦方向上方へ凸となって軸方向へ延びる案内凸部35(凸部)が形成されている。案内凸部35は、平坦に延びる所定面積の頂面36を有する。
【0073】
ストップリング13は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれと同一であり、プラグフレーム12のフェルール収容スペース31に挿入される。ストップリング13がプラグフレーム12のフェルール収容スペース31に挿入されると、ストップリング13の嵌合凸部46がプラグフレーム12の両側壁29,30に穿孔された嵌合孔34に嵌脱可能に嵌合し、ストップリング13がプラグフレーム12に連結される。ばね14は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれと同一であり、フェルール11を軸方向前方へ付勢する。
【0074】
ケーシング53は、合成樹脂材料から作られ、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁55および底壁56と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁57,58と、両側壁57,58から上方に位置して軸方向へ延びる案内壁59とを有する。ケーシング53には、その前端に開口する前端開口60と、その後端に開口する後端開口61と、前端開口60と後端開口61との間に延びるプラグフレーム収容部62とが画成されている。ケーシング53の頂壁55には、係合ラッチ37が形成されている。ケーシング53のプラグフレーム収容部62にはプラグフレーム12の後端部が圧入され、プラグフレーム12がケーシング53に連結されている。
【0075】
係合ラッチ37は、ケーシング53と一体成形され、ケーシング53の頂壁55の軸方向後方に位置して頂壁55につながるベース38と、ベース38につながるアーム39と、アーム39の軸方向前方に位置する係合ヘッド40とを有する。アーム39は、ケーシング53の頂壁55から縦方向上方へ離間し、頂壁55の軸方向後方につながるベース38(プラグフレーム12の軸方向後方)から案内凸部35に向かって軸方向前方へ延びている。アーム39は、可撓性を有し、縦方向へ弾性変形可能(旋回可能)である。
【0076】
係合ヘッド40は、横方向外方へ張り出す一対の係合凸部41を有する。係合凸部41は、プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51に挿入したときに光コネクタアダプタ51の係止部52に係脱可能に係合する。係合ヘッド40は、係合凸部41を除く横方向の寸法がアーム39のそれよりも大きく、案内凸部35の頂面36の横方向の寸法と略同一である。係合ヘッド40は、アーム39の縦方向への弾性変形にともなって縦方向へ揺動する。
【0077】
係合ヘッド40の軸方向前端42は、
図15に示すように、案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間しつつ、案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へわずかに離間し、案内凸部35の軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35の軸方向後端43に近接している。案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲にある。案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法は、0.01〜0.4mmの範囲にある。
【0078】
なお、光コネクタプラグ10Bでは、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へ離間することなく、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間し、軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35の軸方向後端43に近接していてもよい。この場合、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲になる。
【0079】
スライダー54は、合成樹脂材料から作られ、ケーシング53に連結されるボックス63と、ボックス63の頂部から軸方向前方に延びる摺動頂壁64(摺動プレート)と、摺動頂壁64の両側から縦方向下方へ延出しつつ軸方向へ延びる案内プレート65(案内壁)とを有する。摺動頂壁64の先端部の下面には、斜面66が形成されている。
【0080】
スライダー54は、その案内プレート65がケーシング53の案内壁59に摺動可能に嵌合し、そのボックス63がケーシング53の軸方向後方に位置した状態でケーシング53に対して軸方向へスライド可能に連結されている。スライダー54がケーシング53に連結された状態では、スライダー54の摺動頂壁64の斜面66が係合ラッチ37のアーム39の上面に当接している。スライダー54は、係合ラッチ37のアーム39の上面を軸方向前方と後方とへ摺動する。ケーシング53に対してスライダー54を軸方向後方へスライドさせると、スライダー54の摺動頂壁64の斜面66が係合ラッチ37のアーム39を縦方向下方へ押圧し、斜面66が係合ラッチ37を縦方向下方へ押し下げる。
【0081】
カシメリング15は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれと同一であり、ストップリング13の嵌合リング47がカシメリング15の前端部に形成されたカシメ部48に固定されることで、ストップリング13がカシメリング15に連結される。ブーツ16は、
図1の光コネクタプラグ10Aのそれと同一であり、ブーツ16の内周面とカシメリング15の前端部の外周面とが密着することで、カシメリング15がブーツ16に連結される。光ファイバ心線111を包被する光ファイバコード49がカシメリング15に挿通されてカシメリング15の後端から軸方向後方へ延出している。
【0082】
図22は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Bの側面図であり、
図23は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Bの正面図である。
図24は、
図23のG−G線矢視断面図であり、
図25は、
図23のH−H線矢視断面図である。
図26は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Bとの連結を解除する場合の光コネクタプラグ10Bの側面図であり、
図27は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Bとの連結中にプラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Bの正面図である。
図28は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Bとの連結中にプラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Bの側面図である。
図26,28では、光コネクタアダプタ51の図示を省略している。
【0083】
光コネクタプラグ10Bを光コネクタアダプタ51に連結するには、ケーシング53やスライダー54を摘持し、プラグフレーム12の案内凸部35を光コネクタアダプタ51の案内レール112に対向させ、プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51の挿入開口から光コネクタアダプタ51の内部に挿入する。プラグフレーム12を光コネクタアダプタ51の内部に挿入しつつ、プラグフレーム12を軸方向前方へ移動させると、係合ラッチ37のアーム39が光コネクタアダプタ51の内部に次第に進入し、光コネクタアダプタ51の頂壁113によって係合ラッチ37の係合ヘッド40が縦方向下方へ押圧され、係合ラッチ37のアーム39が縦方向下方へ弾性変形して係合ヘッド40が縦方向下方へ押し下げられる。
【0084】
プラグフレーム12をさらに軸方向前方へ移動させ、係合ラッチ37の係合ヘッド40が光コネクタアダプタ51の係止部52に移動すると、
図24に示すように、アーム39が縦方向上方へ弾性変形して係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52に係合し、光コネクタプラグ10Bが光コネクタアダプタ51に連結される。係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52に係合することで、プラグフレーム12の光コネクタアダプタ51に対する挿入状態が維持される。
【0085】
光コネクタプラグ10Bに荷重が作用していない通常の状態において光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Bとの連結を解除するには、スライダー54の摺動頂壁64を押し下げるように力を加え、スライダー54を軸方向後方へ移動させる。スライダー54が軸方向後方へ移動すると、
図26に示すように、スライダー54の摺動頂壁64の斜面66が係合ラッチ37のアーム39を縦方向下方へ押圧してアーム39が縦方向下方へ弾性変形し、それによって係合ラッチ37の係合ヘッド40が縦方向下方へ移動する。係合ヘッド40が縦方向下方へ移動することで、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が解除され、その状態でプラグフレーム12を軸方向後方へ引っ張ってプラグフレーム12を光コネクタアダプタ51から引き抜く。
【0086】
光コネクタプラグ10Bが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、ブーツ16から軸方向後方へ延びる光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が縦方向上方へ引き上げられてプラグフレーム12に所定の荷重がかかると、
図27,28に示すように、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓る場合がある。また、光コネクタプラグ10Bが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が円弧を画くように回転させられてプラグフレーム12に所定の荷重がかかると、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓る場合がある。
【0087】
光コネクタプラグ10Bでは、プラグフレーム12に所定の荷重がかかり、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓った場合、係合ラッチ37のアーム39が撓ることなく係合ラッチ37の係合ヘッド40と案内凸部35との距離(離間寸法)が縮まり、
図28に示すように、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の平坦に延びる所定面積の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に支持される。光コネクタプラグ10Bは、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に支持されることで、案内凸部35の縦方向下方への係合ヘッド40の移動が阻止される。
【0088】
プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ラッチ37の係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に支持されることなく係合ヘッド40が案内凸部35の縦方向下方へ移動(おじぎ)すると、係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52から外れ、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ51との連結が解除される場合があるが、光コネクタプラグ10Bは、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へ離間しつつ案内凸部35の軸方向後端43に近接し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43の縦方向上方へ離間しつつ案内凸部35の軸方向後端43に近接することで、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに係合ヘッド40の軸方向前端42と案内凸部35の軸方向後端43との距離が縮まり、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の平坦に延びる所定面積の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に支持されるから、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ51との光接続状態を維持することができる。
【0089】
光コネクタプラグ10Bは、その使用中にプラグフレーム12に所定の荷重がかかったとしても、係合ラッチ37の係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除される事故を防ぐことができ、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ51との連結が不用意に解除された場合の光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ51とを再連結する労力を省くことができる。
【0090】
案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.01mm未満であり、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01mm未満では、光コネクタアダプタ10Bに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12の撓りがない通常の状態)においてプラグフレーム12を光コネクタアダプタ51から引き抜く場合、係合ラッチ37のアーム39を縦方向下方へ旋回させたときに係合ラッチ37の係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35に頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の縦方向下方へ移動させることができない場合があり、係合ヘッド40と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を解除することができない場合がある。
【0091】
案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.2mmを超過し、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド35の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmを超過すると、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に接触(当接)せず、案内凸部35の頂面36の軸方向後端43によって係合ヘッド40の軸方向前端42を支持することができない場合があり、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができず、係合ヘッドの係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が解除されてしまう場合がある。
【0092】
光コネクタプラグ10Bは、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が前記範囲にあり、案内凸部35の軸方向後端43に対する係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が前記範囲にあるから、光コネクタアダプタ10Bに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12の撓りがない通常の状態)において、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させることができ、係合ヘッド40と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を確実に解除することができるとともに、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の頂面36の軸方向後端43に確実に支持され、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ51との光接続状態を確実に維持することができる。
【0093】
一例として示す二連式の光コネクタプラグ10Cの斜視図である
図29等の添付の図面を参照し、本発明にかかる二連式の光コネクタプラグの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図30は、二連式の光コネクタプラグ10Cの側面図であり、
図31は、二連式の光コネクタプラグ10Cの上面図である。
図32は、二連式の光コネクタプラグ10Cの正面図であり、
図33は、二連式の光コネクタプラグ10Cの分解斜視図である。
図34は、
図32のI−I線矢視断面図であり、
図35は、
図32のJ−J線矢視断面図である。
図36は、
図32のK−K線矢視断面図である。
図29〜
図31では、軸方向を矢印W、縦方向を矢印Xで示し、横方向を矢印Y、周り方向を矢印Zで示す。
【0094】
二連式の光コネクタプラグ10Cは、光コネクタアダプタ51(
図52参照)に取り付けることで光ファイバどうしの光接続に使用される。光コネクタプラグ10Cは、第1光コネクタアセンブリ67aおよび第2光コネクタアセンブリ67bと、第1歯車68および第2歯車69と、中間歯車70と、第1ケーシング71および第2ケーシング72と、スライダー73およびカシメリング15と、ブーツ16およびパイプ74とから形成されている。
図33の分解斜視図では、軸方向前方から後方に向かって第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67b、第1ケーシング71、パイプ74、第2ケーシング72、スライダー73、カシメリング15、ブーツ16の順に並んでいる。
【0095】
第1光コネクタアセンブリ67aは、軸方向へ延びる第1フェルール11aと、第1フェルール11aを収容する第1プラグフレーム12aと、第1プラグフレーム12aに係入する第1ストップリング13aと、第1ばね14a(コイルスプリング)とを有する。第1フェルール11aは、軸方向へ延びる第1キャピラリ17aと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第1スリーブ18aとから形成されている。第1キャピラリ17aには、少なくとも1本の第1光ファイバ19aが保持されている。
【0096】
第1キャピラリ17aは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第1光ファイバ19aの端面が露出する先端面20を有するとともに、先端面20の端面外径域に面取り部21を有する。なお、面取り部21の形状には、角面や丸面等の形状があるが、いずれの形状であってもよい。先端面20は、径方向へ垂直に延びる垂直な面である。面取り部21は、先端面20から軸方向後方に向かうにつれて径方向外方へ次第に傾斜している。
【0097】
第1キャピラリ17aは、ジルコニア等のセラミックス材料、プラスチック材料、結晶化ガラスやホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料等から作られている。なお、図示の第1キャピラリ17aには、ジルコニアから作られたジルコニアキャピラリが使用されている。第1キャピラリ17aの外径は、1.2485mm〜1.2495mmである。第1キャピラリ17a(第1フェルール11a)の内部には、軸方向へ延びる第1光ファイバ挿入孔22aが穿孔されている。第1光ファイバ19aは、第1キャピラリ17aに穿孔された光ファイバ挿入孔22aに挿入されている。
【0098】
第1スリーブ18aは、第1キャピラリ17a(第1フェルール11a)の軸方向後方に連結されている。第1スリーブ18aの軸方向後方には、第1光ファイバ19aの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第1心線カバー23a(PTFEチューブ)が連結されている。第1スリーブ18aの前端には、その径が第1キャピラリ17aや第1心線カバー23aのそれよりも大きい多角筒状の第1フランジ24aが一体に成形されている。第1スリーブ18aや第1フランジ24aは、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、または、合成樹脂材料から作られている。第1スリーブ18aの内部には、第1キャピラリ17aを挿入保持するキャピラリ挿入孔25と、第1光ファイバ19aを内蔵した第1光ファイバ心線111を挿入保持する心線挿入孔26とが穿孔されている。
【0099】
第1スリーブ18aのキャピラリ挿入孔25には第1キャピラリ17aの後端部が挿入され、第1キャピラリ17aの後端部が第1スリーブ18aのキャピラリ挿入孔25に固定保持されている。第1スリーブ18aの心線挿入孔26には第1光ファイバ心線111の一端部が挿入され、第1光ファイバ心線111の一端部が第1スリーブ18aの心線挿入孔26に固定保持されている。なお、第1スリーブ18aの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
【0100】
第2光コネクタアセンブリ67bは、第1光コネクタアセンブリ67aに隣接し、第1光コネクタアセンブリ67aに並行して軸方向へ延びている。第2光コネクタアセンブリ67bは、軸方向へ延びる第2フェルール11bと、第2フェルール11bを収容する第2プラグフレーム12bと、第2プラグフレーム12bに係入する第2ストップリング13bと、第2ばね14b(コイルスプリング)とを有する。第2フェルール11bは、軸方向へ延びる第2キャピラリ17bと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第2スリーブ18bとから形成されている。第2キャピラリ17bには、少なくとも1本の第2光ファイバ19bが保持されている。
【0101】
第2キャピラリ17bは、第1キャピラリ17aの横方向に隣接し、第1キャピラリ17aに並行して軸方向へ延びている。第2キャピラリ17bは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第2光ファイバ19bの端面が露出する先端面20を有するとともに、先端面20の端面外径域に面取り部21を有する。先端面20は、径方向へ垂直に延びる垂直の面であり、面取り部21の形状は、第1キャピラリ17aのそれと同一である。第2キャピラリ17b(第2フェルール11b)の内部には、軸方向へ延びる第2光ファイバ挿入孔22bが穿孔されている。第2光ファイバ19bは、第2キャピラリ17bに穿孔された光ファイバ挿入孔22bに挿入されている。第2キャピラリ17bの材質や外径は、第1キャピラリ17aのそれらと同一である。
【0102】
第2スリーブ18bは、第2キャピラリ17b(第2フェルール11b)の軸方向後方に連結されている。第2スリーブ18bの軸方向後方には、第2光ファイバ19bの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第2心線カバー23b(PTFEチューブ)が連結されている。第2心線カバー23bは、第1心線カバー23aの横方向に隣接し、第1心線カバー23aに並行して軸方向へ延びている。
【0103】
第2スリーブ18bの前端には、その径が第2キャピラリ17bや第2心線カバー23bのそれよりも大きい多角筒状の第2フランジ24bが一体に成形されている。第2フランジ24bは、第1フランジ24aの横方向に隣接している。第2スリーブ18bや第2フランジ24bは、第1スリーブ18aや第1フランジ24aと同様に、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、または、合成樹脂材料から作られている。第2スリーブ18bの内部には、第2キャピラリ17bを挿入保持するキャピラリ挿入孔25と、第2光ファイバ19bを内蔵した第2光ファイバ心線111を挿入保持する心線挿入孔26とが穿孔されている。
【0104】
第2スリーブ18bのキャピラリ挿入孔25には第2キャピラリ17bの後端部が挿入され、第2キャピラリ17bの後端部が第2スリーブ18bのキャピラリ挿入孔25に固定保持されている。第2スリーブ21bの心線挿入孔26には第2光ファイバ心線111の一端部が挿入され、第2光ファイバ心線111の一端部が第2スリーブ18bの心線挿入孔26に固定保持されている。なお、第2スリーブ18bの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
【0105】
図37は、第1および第2プラグフレーム12a,12bの斜視図であり、
図38は、
図37のL−L線矢視断面図である。
図39は、
図37のM−M線矢視断面図である。第1プラグフレーム12aは、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第1プラグフレーム10aは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁27および底壁28と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁29,30とを有する。
【0106】
第1プラグフレーム12aの軸方向前方における頂壁27には、頂壁27から縦方向上方へ凸となって軸方向へ延びる第1案内凸部35a(第1凸部)が形成されている。第1プラグフレーム12aの軸方向後方における各壁33〜36には、第1ケーシング67aの後記する第1開口86aに形成された開口凸部88が嵌入する嵌入凹部75が形成されている。
【0107】
第1プラグフレーム12aには、それら壁27〜30に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース31が画成され、第1キャピラリ17aの先端部が露出する前端露出口32が開口しているとともに、第1フェルール11aを挿入する後端挿入口33が開口している。第1プラグフレーム12aの前端露出口32の軸方向後方には、フェルール収容スペース31の内周面から径方向内方へ当接部50が延びている。
【0108】
当接部50には、第1スリーブ18aの第1フランジ24aが当接する。第1スリーブ18aの第1フランジ24aが当接部50に当接することで、第1プラグフレーム12aに対する第1スリーブ18aの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第1プラグフレーム12aの後端挿入口33近傍のそれら壁27〜30には、それら壁27〜30の径方向外方へ凸となる当接フランジ76が形成されている。当接フランジ76は、第1ケーシング71の第1開口86aの前端縁に摺動可能に当接する。
【0109】
第2プラグフレーム12bは、第1プラグフレーム12aの横方向に隣接し、第1プラグフレーム12aに並行して軸方向へ延びている。第2プラグフレーム12bは、第1プラグフレーム12aと同様に、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第2プラグフレーム12bは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁27および底壁28と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁29,30とを有する。第2プラグフレーム12bの軸方向前方における頂壁27には、頂壁27から縦方向上方へ凸となって軸方向へ延びる第2案内凸部35b(第2凸部)が形成されている。第2プラグフレーム12bの軸方向後方における各壁27〜30には、第1ケーシング71bの第2開口86bに形成された開口凸部88が嵌入する嵌入凹部75が形成されている。
【0110】
第2プラグフレーム12bには、それら壁27〜30に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース31が画成され、第2キャピラリ17bの先端部が露出する前端露出口32が開口しているとともに、第2フェルール11bを挿入する後端挿入口33が開口している。第2プラグフレーム12bの前端露出口32の軸方向後方には、フェルール収容スペース31の内周面から径方向内方へ当接部50が延びている。
【0111】
当接部50には、第2スリーブ18bの第2フランジ24bが当接する。第2スリーブ18bの第2フランジ24bが当接部50に当接することで、第2プラグフレーム12bに対する第2スリーブ18bの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第2プラグフレーム12bの後端挿入口33近傍のそれら壁27〜30には、それら壁27〜30の径方向外方へ凸となる当接フランジ76が形成されている。当接フランジ76は、第1ケーシング71の第2開口86bの前端縁に摺動可能に当接する。
【0112】
図40は、第1および第2ストップリング13a,13bの斜視図であり、
図41は、他の方向から示す第1および第2ストップリング13a,13bの斜視図である。第1ストップリング13aは、金属材料または合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。第1ストップリング13aは、軸方向前方に位置する前端部77(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部79(後端筒部)と、前端部77および後端部79の間に延びる中間部78(中間筒部)とを有する。第1ストップリング13aの前端部77には、第1光ファイバ心線111が露出する心線露出口44が開口し、第1ストップリング13aの後端部79には、第1光ファイバ心線111を挿入する心線挿入口45が開口している。
【0113】
第1ストップリング13aは、その前端部77と中間部78とが第1プラグフレーム12aの後端挿入口33から第1プラグフレーム12aの内部に圧入され、前端部77および中間部78の外周面が第1プラグフレーム12aの内周面に密着している。第1ストップリング13aは、第1プラグフレーム12aに抜脱不能に接続され、第1プラグフレーム12aの回転にともなって回転する。
【0114】
第1ばね14aは、第1フェルール11aと第1ストップリング13aとの間に設置され、第1心線カバー23aに挿通されて軸方向へ延びている。第1ばね14aは、その前端が第1スリーブ18aの第1フランジ24aに当接し、その後端が第1ストップリング13aの前端部77に当接している。第1ばね14aは、第1フェルール11aを軸方向前方へ付勢する。第1歯車68は、第1ストップリング13aの後端部79に形成されて軸方向へ延びている。第1歯車68には、その径方向外方へ凸となる当接凸部80(回転規制手段)が形成されている。当接凸部80は、第1歯車68の歯よりも径方向外方へ突出している。
【0115】
第2ストップリング13bは、第1ストップリング13aの横方向に隣接し、第1ストップリング13aに並行して軸方向へ延びている。第2ストップリング13bは、第1ストップリング13aと同様に、金属材料または合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。第2ストップリング13bは、軸方向前方に位置する前端部77(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部79(後端筒部)と、前端部77および後端部79の間に延びる中間部78(中間筒部)とを有する。第2ストップリング13bの前端部77には、第2光ファイバ心線111が露出する心線露出口44が開口し、第2ストップリング13bの後端部79には、第2光ファイバ心線111を挿入する心線挿入口45が開口している。
【0116】
第2ストップリング13bは、その前端部77と中間部78とが第2プラグフレーム12bの後端挿入口33から第2プラグフレーム12bの内部に圧入され、前端部77および中間部78の外周面が第2プラグフレーム12aの内周面に密着している。第2ストップリング13aは、第2プラグフレーム12bに抜脱不能に接続され、第2プラグフレーム12bの回転にともなって回転する。
【0117】
第2ばね14bは、第2フェルール11bと第2ストップリング13bとの間に設置され、第2心線カバー23bに挿通されて軸方向へ延びている。第2ばね14bは、その前端が第2スリーブ18bの第2フランジ24bに当接し、その後端が第2ストップリング13bの前端部77に当接している。第2ばね14bは、第2フェルール11bを軸方向前方へ付勢する。第2歯車69は、第2ストップリング13bの後端部79に形成されて軸方向へ延びている。第2歯車69には、その径方向外方へ凸となる当接凸部80(回転規制手段)が形成されている。当接凸部80は、第2歯車69の歯よりも径方向外方へ突出している。
【0118】
図42は、中間歯車70の斜視図である。中間歯車70は、第1歯車68と第2歯車69との間に介在して軸方向へ延びている。中間歯車70は、第1および第2歯車68,69に外接し、第1および第2歯車68,69のうちの一方の歯車の回転力を他方の歯車に伝達しつつ他方の歯車を一方の歯車と同一の方向へ回転させる。なお、第1歯車68と第2歯車69と中間歯車70との歯車比は1である。したがって、第1歯車68が時計回り方向へ1回転すると、中間歯車70が反時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車69が時計回り方向へ1回転する。逆に、第1歯車68が反時計回り方向へ1回転すると、中間歯車70が時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車69が反時計回り方向へ1回転する。
【0119】
図43は、2つに分離した状態で示す第1ケーシング71の斜視図であり、
図44は、2つに分離した状態で示す第1ケーシング71の内面図である。
図45は、第1ケーシング71の頂壁81の外面図である。なお、第1ケーシング71の底壁82の外面図は
図45と同一に表れる。第1ケーシング71は、合成樹脂材料から作られて中空に成形されている。第1ケーシング71は、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁81および底壁82と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁83,84と、仕切壁85とを有し、その前端に開口して第1ストップリング13aを挿入する第1開口86aと、その前端に開口して第2ストップリング13bを挿入する第2開口86bとを有する。
【0120】
第1ケーシング71の頂壁81の略中央には、後記する第2ケーシング72の頂壁95の略中央に形成された係入凸部102や第2ケーシング72の底壁96の略中央に形成された係入凸部102が係入する係入凹部87が形成されている。第1ケーシング71の底壁82の略中央には、第2ケーシング72の頂壁95の略中央に形成された係入凸部102や第2ケーシング72の底壁96の略中央に形成された係入凸部102が係入する係入凹部87が形成されている(
図48参照)。
【0121】
第1ケーシング71の第1開口86aには、第1開口86aの径方向内方へ凸となる開口凸部88が形成され、第2開口86bには、第2開口86bの径方向内方へ凸となる開口凸部88が形成されている。第1ケーシング71の内部には、それら壁81〜84および仕切壁85に囲繞された第1歯車収容部89と、それら壁81〜84および仕切壁85に囲繞された第2歯車収容部90と、仕切壁85に囲繞されて第1および第2歯車収容部89,90の間に位置する中間歯車収容部91とが画成されている。
【0122】
第1歯車収容部89には、第1ストップリング13aの後端部79に形成された第1歯車68が回転可能に収容されている。第2歯車収容部90には、第2ストップリング13bの後端部79に形成された第2歯車69が回転可能に収容されている。中間歯車収容部91には、中間歯車70が回転可能に収容されている。第1ケーシング71では、第1および第2歯車68,69と中間歯車70とが第1および第2歯車収容部89,90と中間歯車収容部91とに収容されることで、それら歯車68〜70とが横方向に並びつつ、第1歯車68と中間歯車70とが外接し、第2歯車69と中間歯車70とが外接する。
【0123】
第1歯車収容部89(第1ケーシング71の内周面)には、第1歯車収容部89の径方向内方へ凸となる回転規制凸部92(回転角度規制手段)が形成されている。第1歯車68に形成された当接凸部80が第1歯車収容部89の回転規制凸部92に当接することで、第1ストップリング13a(第1プラグフレーム12a)の回転が阻止される。第2歯車収容部90(第1ケーシング71の内周面)には、第2歯車収容部90の径方向内方へ凸となる回転規制凸部92(回転角度規制手段)が形成されている。第2歯車69に形成された当接凸部80が第2歯車収容部90の回転規制凸部92に当接することで、第2ストップリング13b(第2プラグフレーム12b)の回転が阻止される。
【0124】
第1歯車収容部89や第2歯車収容部90に対する回転規制凸部92の形成位置によって第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67b(第1および第2ストップリング13a,13b)の回転角度が決まるが、光コネクタプラグ10Cでは、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの回転始点から回転終点までの回転範囲が半回転(回転角度が180度)に規制されている。
【0125】
第1ケーシング71は、上下方向へ2つに分離された各ケーシング71を連結することで作られている。各ケーシング71を連結すると、下方のケーシング71に形成された嵌合爪93が上方のケーシング71に形成された嵌合孔94に嵌合し、それらケーシング71が一体になる。パイプ74は、その前端部が第1ケーシング71の後端部に嵌め込まれている。
【0126】
図46は、第2ケーシング72の上面図であり、
図47は、第2ケーシング72の正面図である。
図48は、
図46のN−N線矢視断面図である。第2ケーシング72は、合成樹脂材料から作られ、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁95および底壁96と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁97,98と、両側壁97,98から上方かつ軸方向へ延びる案内壁99とを有する。
【0127】
第2ケーシング72は、その前端に開口する前端開口100と、その後端に開口する後端開口101と、その頂壁95に位置する一対の第1および第2係合ラッチ37a,37bとを有する。第2ケーシング72の頂壁95の略中央には、その内周面から径方向内方へ凸となる係入凸部102が形成され、第2ケーシング72の底壁96の略中央には、その内周面から径方向内方へ凸となる係入凸部102が形成されている。第2ケーシング72の頂壁95の中央先端には、軸方向へ延びる係入キー103が形成されている。
【0128】
第1および第2係合ラッチ37a,37bは、第2ケーシング72と一体成形され、横方向へ所定寸法離間し、互いに並行して軸方向へ直状に延びている。それら係合ラッチ37a,37bは、第2ケーシング72の頂壁95の軸方向中央に位置して頂壁95につながるベース38と、ベース38につながるアーム39と、アーム39の軸方向前方に位置する係合ヘッド40とを有する。アーム39は、第2ケーシング72の頂壁95から縦方向上方へ離間し、頂壁95の軸方向中央に取り付けられたベース38(第1および第2プラグフレーム12a,12bの軸方向後方)から第1および第2案内凸部35a,35bに向かって軸方向前方へ延びている。アーム39は、可撓性を有し、縦方向へ弾性変形可能(旋回可能)である。
【0129】
それら係合ヘッド40は、横方向外方へ張り出す一対の係合凸部41を有する。係合凸部41は、プラグフレーム12a,12bを光コネクタアダプタ51に挿入したときに光コネクタアダプタ51の係止部52に係脱可能に係合する。係合ヘッド40は、係合凸部41を除く横方向の寸法がアーム39のそれよりも大きく、第1および第2案内凸部35a,35bの頂面36の横方向の寸法と略同一である。係合ヘッド40は、アーム39の縦方向への弾性変形にともなって縦方向へ揺動する。
【0130】
第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42は、
図30に示すように、第1案内凸部35aの軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間しつつ、第1案内凸部35aの軸方向後端43の縦方向上方へわずかに離間し、第1案内凸部35aの軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35aの軸方向後端43に近接している。第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42は、第2案内凸部35bの軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間しつつ、第2案内凸部35bの軸方向後端43の縦方向上方へわずかに離間し、第2案内凸部35bの軸方向後端43近傍に位置して案内凸部35bの軸方向後端43に近接している。
【0131】
第1案内凸部35aの軸方向後端43に対する第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲にある。第1案内凸部35aの軸方向後端43に対する第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法は、0.01〜0.4mmの範囲にある。第2案内凸部35bの軸方向後端43に対する第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲にある。第2案内凸部35bの軸方向後端43に対する第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法は、0.01〜0.4mmの範囲にある。
【0132】
なお、光コネクタプラグ10Cでは、第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42が第1案内凸部35aの軸方向後端43の縦方向上方へ離間することなく、第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42が第1案内凸部35aの軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間し、軸方向前端42が第1案内凸部35aの軸方向後端43近傍に位置して第1案内凸部35aの軸方向後端43に近接していてもよい。この場合、第1案内凸部35aの軸方向後端43に対する第1係合ラッチ37aの係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲になる。
【0133】
また、第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が第2案内凸部35bの軸方向後端43の縦方向上方へ離間することなく、第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が第2案内凸部35bの軸方向後端43から軸方向後方へわずかに離間し、軸方向前端42が第2案内凸部35bの軸方向後端43近傍に位置して第2案内凸部35bの軸方向後端43に近接していてもよい。この場合、第2案内凸部35bの軸方向後端43に対する第2係合ラッチ37bの係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法は、0.01〜0.2mmの範囲になる。
【0134】
第2ケーシング72は、その頂壁95に第1ケーシング71の頂壁81を対向させるとともに、その底壁96に第1ケーシング71の底壁82を対向させた状態で、第1ケーシング71を収容可能である。逆に、第2ケーシング72は、その頂壁95に第1ケーシング71の底壁82を対向させるとともに、その底壁96に第1ケーシング71の頂壁81を対向させた状態で、第1ケーシング71を収容可能である。第2ケーシング72は、第1ケーシング71を上下反転させた状態で収容することができる。
【0135】
図49は、スライダー73の斜視図であり、
図50は、スライダー73の正面図である。
図51は、
図49のO−O線矢視断面図である。スライダー73は、合成樹脂材料から作られ、第2ケーシング73の後端部に連結されるボックス104と、ボックス104の頂部から軸方向前方に延びる摺動プレート105(摺動頂壁)と、摺動プレート105の両側から下方へ延出しつつ軸方向へ延びる案内プレート106(案内壁)とを有する。スライダー73は、ボックス104の前端に開口する前端開口107と、ボックス104の後端に開口する後端開口108とを有する。摺動プレート105の先端部の下面両側には、斜面109が形成されている。摺動プレート105の先端部の下面中央には、第2ケーシング72の頂壁95の係入キー103が係入するキー係入部110が形成されている。
【0136】
スライダー73は、第2ケーシング72の軸方向後方に位置し、そのボックス104が第2ケーシング72の後端部の軸方向後方に位置し、第2ケーシング72に対して軸方向へスライド可能に連結されている。スライダー73が第2ケーシング72に連結された状態では、スライダー73の案内プレート106が第2ケーシング72の案内壁99の内側に位置し、第2ケーシング72の係入キー103がスライダー73の摺動プレート106のキー係入部110に係入しているとともに、スライダー73の摺動プレート106の斜面109が係合ラッチ37a,37bのアーム39の上面に当接している。
【0137】
スライダー73は、係合ラッチ37a,37bのアーム39の上面を軸方向前方と軸方向後方とへ摺動する。第2ケーシング72に対してスライダー73を軸方向後方へスライドさせると、スライダー73の摺動プレート105の斜面109が係合ラッチ37a,37bのアーム39を縦方向下方へ押圧し、斜面109が係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40を縦方向下方へ押し下げる。
【0138】
カシメリング15は、第1ケーシング71の後端部に嵌め込まれたパイプ74の軸方向後方に位置し、その内周面がパイプ74の外周面に密着するように、その前端部がパイプ74の後端部に固定されているとともに、ブーツ16の内部に挿入されている。ブーツ16は、その前端部の内周面がカシメリング15の前端部の外周面に密着し、パイプ74およびカシメリング15を介して第1ケーシング71に連結されている。なお、第1光ファイバ19aを内蔵した第1光ファイバ心線111と第2光ファイバ19bを内蔵した第2光ファイバ心線111とが第1ケーシング71において1つに纏まって光ファイバコード49となり、その光ファイバコード49がカシメリング15に挿通されてカシメリング15の後端から軸方向後方へ延出している。
【0139】
光コネクタプラグ10Cの第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを回転させる手順は、以下のとおりである。第2ケーシング72を支持しつつ第1ケーシング71を軸方向前方へ押圧し、第1ケーシング71の頂壁81および底部82に形成された係入凹部87と第2ケーシング72の頂壁95および底壁96に形成された係入凸部102との係合を解除し、第1ケーシング71を第2ケーシング72から軸方向前方へ引き出す。第1ケーシング71を第2ケーシング72から引き出した後、たとえば、第1光コネクタアセンブリ67a(一方の光コネクタアセンブリ)を時計回り方向へ回転させる。
【0140】
光コネクタプラグ10Cでは、第1光コネクタアセンブリ67a(一方の光コネクタアセンブリ)がその軸を中心に時計回り方向へ回転すると、第1歯車68(一方の歯車)が時計回り方向へ回転し、第1歯車68の回転によって中間歯車70が反時計回り方向へ回転する。中間歯車70によって第1歯車68の回転力(回転)が第2歯車69(他方の歯車)に伝達され、第1歯車68に連動して第2歯車69がその軸を中心に第1歯車68と同一の時計回り方向(同一方向)へ回転し、それによって第2光コネクタアセンブリ67bが時計回り方向へ回転する。
【0141】
それら歯車68〜70の歯車比が1であるから、第1光コネクタアセンブリ67aを時計回り方向へ回転させたときに、第2光コネクタアセンブリ67b(他方の光コネクタアセンブリ)が第1光コネクタアセンブリ67aと同一の回転角度で時計回り方向へ回転する。光コネクタプラグ10Cでは、それら歯車68〜70を利用することで、他方の光コネクタアセンブリ67a,67bを一方の光コネクタアセンブリ67a,67bと同一の方向へ同時に回転させることができる。また、それら歯車68〜70の歯車比が1であるから、第1及び第2光コネクタアセンブリ67a,67bの回転始点から回転終点までの回転範囲を同一にすることができ、一方の光コネクタアセンブリ67a,67bを回転させることで他方の光コネクタアセンブリ67a,67bを一方の光コネクタアセンブリ67a,67bと同一の位置まで回転させることができる。
【0142】
第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを時計回り方向へ半回転(180度)回転(回転始点から回転終点まで半回転回転)させると、第1ケーシング71の第1および第2歯車収容部89,90に形成された回転規制凸部92(回転角度規制手段)に第1および第2歯車68,69に形成された当接凸部80(回転角度規制手段)が当接し、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの時計回り方向への回転が停止する。
【0143】
第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、第2ケーシング72(スライダー73を含む)を時計回り方向(または、反時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。第2ケーシング72を半回転(180度)回転させると、第2ケーシング72の頂壁95が第1ケーシング71の底壁82の側に位置し、第2ケーシング72の底壁96が第1ケーシング71の頂壁81の側に位置する。
【0144】
次に、第2ケーシング72を第1ケーシング71に向かって前後方向前方へ移動させ、第2ケーシング72の頂壁95に第1ケーシング71bの底壁82が対向するとともに、第2ケーシング72の底壁96に第1ケーシング71の頂壁81が対向するように、第1ケーシング71を第2ケーシング72の内部に収容(圧入)し、第2ケーシング72の頂壁95および底壁96の係入凸部102を第1ケーシング71の頂壁81および底部82の係入凹部87に係入する。第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させることで、二連式の光コネクタプラグ10Cの極性が変換される。
【0145】
二連式の光コネクタプラグ10Cの極性を変換した後、係入凹部87と係入凸部102との係合を解除し、第1ケーシング71を第2ケーシング72から軸方向前方へ引き出し、第2光コネクタアセンブリ67b(一方の光コネクタアセンブリ)を反時計回り方向へ回転させる。第2光コネクタアセンブリ67b(一方の光コネクタアセンブリ)がその軸を中心に反時計回り方向へ回転すると、第2歯車69(一方の歯車)が反時計回り方向へ回転し、第2歯車69の回転によって中間歯車70が時計回り方向へ回転する。中間歯車70によって第2歯車69の回転力(回転)が第1歯車68(他方の歯車)に伝達され、第2歯車69に連動して第1歯車68がその軸を中心に第2歯車69と同一の反時計回り方向へ回転し、それによって第1光コネクタアセンブリ67aが反時計回り方向へ回転する。
【0146】
それら歯車68〜70の歯車比が1であるから、第2光コネクタアセンブリ67bを反時計回り方向へ回転させたときに、第1光コネクタアセンブリ67aが第2光コネクタアセンブリ67bと同一の回転角度で反時計回り方向へ回転する。第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを反時計回り方向へ半回転(180度)回転(回転始点から回転終点まで半回転回転)させると、回転規制凸部92(回転角度規制手段)に当接凸部80(回転角度規制手段)が当接し、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの反時計回り方向への回転が停止する。
【0147】
第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを反時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、第2ケーシング72(スライダー73を含む)を反時計回り方向(または、時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。第2ケーシング72を半回転回転させると、第2ケーシング72の頂壁95が第1ケーシング71の頂壁81の側に位置し、第2ケーシング72の底壁96が第1ケーシング71の底壁82の側に位置する。
【0148】
次に、第2ケーシング72を第1ケーシング71に向かって前後方向前方へ移動させ、第2ケーシング72の頂壁95に第1ケーシング71の頂壁81が対向するとともに、第2ケーシング72の底壁96に第1ケーシング71の底壁82が対向するように、第1ケーシング71を第2ケーシング72の内部に収容(圧入)し、係入凸部102を係入凹部87に係入する。第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを反時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させることで、二連式の光コネクタプラグ10Cの極性が変換される。
【0149】
第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bのうちの一方の光コネクタアセンブリ67a,67bをその軸を中心に回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転させると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリ67a,67bがその軸を中心に一方の光コネクタアセンブリ67a,67bと同一の方向へ回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転することで、二連式の光コネクタプラグ10Cの極性を変換可能である。
【0150】
図52は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Cの側面図であり、
図53は、光コネクタアダプタ51に連結された状態で示す光コネクタプラグ10Cの正面図である。
図54は、
図53のP−P線矢視断面図であり、
図55は、
図53のQ−Q線矢視断面図である。
図56は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Cとの連結を解除する場合の光コネクタプラグ10Cの側面図であり、
図57は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Cとの連結中にプラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Cの正面図である。
図58は、光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Cとの連結中にプラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓った状態で示す光コネクタプラグ10Cの側面図である。
図56,58では、光コネクタアダプタ51の図示を省略している。
【0151】
二連式の光コネクタプラグ10Cを光コネクタアダプタ51に連結するには、第2ケーシング72やスライダー73を摘持し、第1および第2プラグフレーム12a,12bの第1および第2案内凸部35a,35bを光コネクタアダプタ51の案内レール112に対向させ、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを光コネクタアダプタ51の挿入開口から光コネクタアダプタ51の内部に挿入する。第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを光コネクタアダプタ51に挿入しつつ、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを軸方向前方へ移動させると、第2ケーシング72の頂壁95から軸方向前方へ延びるそれら係合ラッチ37a,37bのアーム39が光コネクタアダプタ51の内部に次第に進入し、光コネクタアダプタ51の頂壁113によってそれら係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40が縦方向下方へ押圧され、係合ラッチ37a,37bのアーム39が縦方向下方へ弾性変形して係合ヘッド40が縦方向下方へ押し下げられる。
【0152】
第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bをさらに軸方向前方へ移動させ、係合ヘッド40が光コネクタアダプタ51の係止部52に移動すると、
図54に示すように、アーム39が縦方向上方へ弾性変形して係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52に係合し、光コネクタプラグ10Cが光コネクタアダプタ51に連結される。係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部51に係合することで、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの光コネクタアダプタ51に対する挿入状態が維持される。
【0153】
光コネクタプラグ10Cに荷重が作用していない通常の状態において光コネクタアダプタ51と光コネクタプラグ10Cとの連結を解除するには、スライダー73の摺動プレート105を押し下げるように力を加え、スライダー73を軸方向後方へ移動させる。スライダー73が軸方向後方へ移動すると、
図56に示すように、スライダー73の摺動プレートの斜面109がそれら係合ラッチ37a,37bのアーム39を縦方向下方へ押圧してアーム39が縦方向下方へ弾性変形し、それによって係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40が縦方向下方へ移動する。係合ヘッド40が縦方向下方へ移動することで、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が解除され、その状態で第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを軸方向後方へ引っ張って第1および第2プラグフレーム12a,12bを光コネクタアダプタ51から引き抜く。
【0154】
光コネクタプラグ10Cが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、ブーツ16から軸方向後方へ延びる光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が縦方向上方へ引き上げられて第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bに所定の荷重がかかると、
図57,58に示すように、第1および第2プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓る場合がある。また、光コネクタプラグ10Cが光コネクタアダプタ51に連結された状態で、光ファイバコード49が軸方向後方へ強く引っ張られるとともに、光ファイバコード49が円弧を画くように回転させられて第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bに所定の荷重がかかると、第1および第2プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓る場合がある。
【0155】
光コネクタプラグ10Cでは、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bに所定の荷重がかかり、第1および第2プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓った場合、それら係合ラッチ37a,37bのアーム39が撓ることなく係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40と第1および第2案内凸部35a,35bとの距離(離間寸法)が縮まり、
図58に示すように、それら係合ヘッド40の軸方向前端42が第1および第2案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43に支持される。光コネクタプラグ10Cは、それらプラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓ったときに、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bの軸方向後端43に支持されることで、案内凸部35a,35bの縦方向下方への係合ヘッド40の移動が阻止される。
【0156】
第1および第2プラグフレームが案内凸部12a,12bの縦方向上方へ撓ったときに、それら係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43に支持されることなく係合ヘッド40が案内凸部35a,35bの縦方向下方へ移動(おじぎ)すると、係合ヘッド40の係合凸部41が光コネクタアダプタ51の係止部52から外れ、光コネクタプラグ10Cと光コネクタアダプタ51との連結が解除される場合があるが、光コネクタプラグ10Cは、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43から軸方向後方へ離間しつつ案内凸部35a,35bの軸方向後端43に近接し、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43の縦方向上方へ離間しつつ案内凸部35a,35bの軸方向後端43に近接することで、第1および第2プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓ったときにそれら係合ヘッド40の軸方向前端42と案内凸部35a,35bの軸方向後端43との距離が縮まり、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43に支持されるから、第1および第2案内凸部35a,35bから縦方向下方への係合ヘッド40の移動(おじぎ)を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Cと光コネクタアダプタ51との光接続状態を維持することができる。
【0157】
光コネクタプラグ10Cは、その使用中にそれらプラグフレーム12a,12bに所定の荷重がかかったとしても、それら係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除される事故を防ぐことができ、光コネクタプラグ10Cと光コネクタアダプタ51との連結が不用意に解除された場合の光コネクタプラグ10Cと光コネクタアダプタ51とを再連結する労力を省くことができる。
【0158】
第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対するそれら係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.01mm未満であり、案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対するそれら係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01mm未満では、光コネクタアダプタ10Cに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12a,12bの撓りがない通常の状態)において第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67b(プラグフレーム12a,12b)を光コネクタアダプタ51から引き抜く場合、それら係合ラッチ37a,37bのアーム39を縦方向下方へ旋回させたときに、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bに頂面36の軸方向後端43に接触(当接)し、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させることができない場合があり、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を解除することができない場合がある。
【0159】
第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対するそれら係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.2mmを超過し、案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対するそれら係合ヘッド40の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.4mmを超過すると、プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓ったときに、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部25a,35bの頂面36の軸方向後端43に接触(当接)せず、案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43によって係合ヘッド40の軸方向前端42を支持することができない場合があり、第1および第2案内凸部35a,35bから縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができず、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が解除されてしまう場合がある。
【0160】
光コネクタプラグ10Cは、第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対する係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42の軸方向後方への離間寸法が0.01〜0.2mmの範囲にあり、第1および第2案内凸部35a,35bの軸方向後端43に対する係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド49の軸方向前端42の縦方向上方への離間寸法が0.01〜0.4mmの範囲にあるから、光コネクタアダプタ10Cに荷重が作用していない通常の状態(プラグフレーム12a,12bの撓りがない通常の状態)において、係合ヘッド40の係合凸部41を光コネクタアダプタ51の係止部52の下方へ移動させることができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合を確実に解除することができるとともに、プラグフレーム12a,12bが第1および第2案内凸部35a,35bの縦方向上方へ撓ったときに、係合ラッチ37a,37bの係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35a,35bの頂面36の軸方向後端43に確実に支持され、案内凸部35a,35bから縦方向下方への係合ヘッド40の移動を阻止することができ、係合ヘッド40の係合凸部41と光コネクタアダプタ51の係止部52との係合が不用意に解除されることはなく、光コネクタプラグ10Cと光コネクタアダプタ51との光接続状態を確実に維持することができる。
【0161】
二連式の光コネクタプラグ10Cは、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bのうちの一方の光コネクタアセンブリ67a,67bをその軸を中心に時計回り方向または反時計回り方向へ回転させると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリ67a,67bがその軸を中心に一方の光コネクタアセンブリ67a,67bと同一の時計回り方向または反時計回り方向へ同一の回転角度で同時に回転するから、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bのうちの一方の光コネクタアセンブリ67a,67bを回転させるだけで、他方のコネクタアセンブリ67a,67bを一方の光コネクタアセンブリ67a,67bと同一の方向へ同一の回転角度で同時に回転させることができる。
【0162】
二連式の光コネクタプラグ10Cは、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bが同一の方向へ同一の回転角度で同時に回転するから、一度の回転操作(ワンアクション)で第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを同時に回転させることができ、それら光コネクタアセンブリ67a,67bを別々に回転させる場合と比較して手間や時間を省くことができる。
【0163】
二連式の光コネクタプラグ10Cは、回転角度規制手段(当接凸部80および回転規制凸部92)によって第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの回転始点から回転終点までの回転角度を半回転(180度)に規制し、たとえば、それら光コネクタアセンブリ67a,67bの極性を変換する場合、時計回り方向へ半回転(180度)回転させた位置で回転を停止させることで、光コネクタプラグ10Cの極性を確実かつ正確に変換することができ、逆に、時計回り方向へ半回転(180度)回転させた第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bを反時計回り方向へ半回転(180度)回転させることで、光コネクタプラグ10Cの極性を確実かつ正確に戻すことができる。
【0164】
二連式の光コネクタプラグ10Cは、たとえば、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bの極性を変換する場合、第1および第2光コネクタアセンブリ67a,67bのいずれかを回転させることでそれら光コネクタアセンブリ67a,67bの極性を変換することができる他、第1ケーシング71を上下反転させた状態で第2ケーシング72に収容することで、それら光コネクタアセンブリ67a,67bの極性を変換することができる。
【0165】
実施例として光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結は、Telcordia GR−326−CORE Issue 4 Generic Requirements for Singlemode Optical Connectors and Jumper Assemblies の Proof Test に従い、光ファイバコードが22.6N(2.3kgf)の力で引張られた状態で縦方向上方へ90度引き上げられる試験を行った結果、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が解除されることはなかった。また、IEC 61300−2−35 Tests−Cable nutation に従い、光ファイバコードを10N(1.02kgf)及び15N(1.53kgf)の力で引張られた状態で45度の偏角をもって円弧を画くように回転させられる試験を行った結果、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が解除されることはなかった。光コネクタを使用する環境によっては、作業者による光ファイバコードの引張りや光コネクタ挿抜時の手や腕との接触など、また、意図せずに光ファイバコードを引っかける事故などにより予期せぬ荷重がかかる場合が有り、作業中に加わる横方向引張り荷重としては、1.67N(0.17kgf)〜33.3N(3.4kgf)が想定される。
【課題】プラグフレームに所定の荷重がかかり、プラグフレームが案内凸部の縦方向上方へ撓ったとしても、係合ヘッドと光コネクタアダプタとの係合が解除されることがない光コネクタプラグを提供することにある。
【解決手段】光コネクタプラグ10Aは、係合ラッチ37の係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43から軸方向後方へ離間しつつ案内凸部35の軸方向後端43に近接している。光コネクタプラグ10Aでは、プラグフレーム12に所定の荷重がかかり、プラグフレーム12が案内凸部35の縦方向上方へ撓ったときに、係合ヘッド40の軸方向前端42が案内凸部35の軸方向後端43に支持されることで、案内凸部35から縦方向下方への係合ヘッド40の移動が阻止される。