特許第6363787号(P6363787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363787
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】工作機械特に穴あけ工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 5/32 20060101AFI20180712BHJP
   G05B 19/19 20060101ALI20180712BHJP
   B23Q 5/04 20060101ALI20180712BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B23Q5/32
   G05B19/19 S
   B23Q5/04 510Z
   B23Q17/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-500437(P2017-500437)
(86)(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公表番号】特表2017-512667(P2017-512667A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015056021
(87)【国際公開番号】WO2015140334
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年11月16日
(31)【優先権主張番号】1452350
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516282684
【氏名又は名称】アンバロール
(73)【特許権者】
【識別番号】516282695
【氏名又は名称】アドバンスド エンジニアリング アンド イノベイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ モラル
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ フランジェアール
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−191845(JP,U)
【文献】 特開2004−025416(JP,A)
【文献】 特表2012−525265(JP,A)
【文献】 特開昭53−125689(JP,A)
【文献】 特開平02−218514(JP,A)
【文献】 実開平06−074281(JP,U)
【文献】 米国特許第05649451(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 5/00 − 5/32
B23B 35/00 − 49/00
B23B 25/02
B23D 75/00
B23Q 11/00
B23Q 17/00
G05B 19/19
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームを備える工作機械であって、工具のドライブシャフトが、前記フレームの中に、回転軸の周りで回動し且つ前記回転軸に沿って軸方向に動くように取り付けられ、
前記ドライブシャフトが、2つの回転モーター、即ち、前記ドライブシャフトを回転駆動するために前記ドライブシャフトの第1のセクションと滑り接続によって結合するための部材に接続された、第1のモーターと、前記ドライブシャフトを軸方向に動かすために前記ドライブシャフトの第2のセクションと螺旋接続によってナットに接続された、第2のモーターと、に接続され、
前記第1のモーターと前記第2のモーターとが、相互に同軸であり、且つ制御ユニットに接続されており、前記制御ユニットは、前記2つのモーターの各回転子の位置のセンサーに接続され、前記2つのモーターを制御し、前記ドライブシャフトの定速度の軸方向移動を生じさせるように、また、チップを粉砕できる振幅及び周波数を有する軸方向の加振を前記軸方向移動に加えるように設計されており、前記制御ユニットは、前記加振の前記振幅及び前記周波数をリアルタイムで修正できるように設計されており
前記制御ユニットが、2つの軸に対する前記ドライブシャフトの位置及び速度を実測することによって、前記機械加工の条件をリアルタイムに且つ連続的に決定し、前記加振の振幅と周波数とを、前記機械加工の条件の関数として修正するように設計されており、チップ破砕の設定機械加工基準値との間に不一致がある場合、前記制御ユニットが前記モーターを制御し、前記不一致を調節するように設計されている、
ことを特徴とする、工作機械。
【請求項2】
前記加振が、正弦波、台形波、鋸歯状波、などの波形を有している、
請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記制御ユニットが、前記2つのモーターの複数の電気のパラメータを実測又は計算によって求め、前記複数の電気のパラメータから機械加工条件を決定するように設計されている、
請求項1に記載の機械。
【請求項4】
前記制御ユニットが、前記2つのモーターの複数の電気のパラメータを実測又は計算によって求め、前記複数の電気のパラメータから加工対象の部品の位置を推定するように設計されている、
請求項1に記載の機械。
【請求項5】
前記制御ユニットが、前記機械又は切削工具の不具合を検出するために、前記2つのモーターの各速度を決定し比較するように設計されている、
請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記工具が少なくとも部分的に螺旋形の形状を持ち、前記螺旋形の接続と前記工具とが、反対の方向のピッチを持つので、前記工具の迅速なリターンサイクルを容易に行うことができる、
請求項1に記載の機械。
【請求項7】
連続して配置された2つの材料から成部品を機械加工する場合であって前記2つの材料のチップ形成の動きが異なる場合に、前記制御ユニットが、前記材料が変化したときに、前記加振を修正するように設計されており、前記2つのモーターの前記制御のパラメータをそれぞれ変化させることによって前記チップの粉砕を継続するように設計され、前記制御のパラメータを前記機械加工の対象の材料に対して最適な機械加工条件にさせるように設計されている、
請求項1に記載の機械。
【請求項8】
前記制御のパラメータの変化が、プログラムによって実施され、前記プログラムが、前記ドライブシャフトの、前記2つの軸に対する位置と、加工対象の部品における前記2つの材料の相対的位置と、を考慮に入れてプログラミングされている、
請求項に記載の機械。
【請求項9】
前記制御のパラメータの変化が、前記2つのモーターの各電流を検出し処理することによって前記制御のパラメータの変化を切削力の増減を表す前記2つのモーターの各電流の増減の関数として生じさせるように行われている、
請求項に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の航空機組立作業を実施する工作機械、特に、穴あけ加工(drilling)及び皿穴加工(countersinking)の作業など、負荷のかかる(load-bearing)工作機械の分野に関し、また、人間工学、品質、及び生産性、の観点から最適の条件で上記作業を実施できるようにする改良に関する。
【背景技術】
【0002】
耐荷式穴あけ機械は、一般的に、フレームと、フレームの中に取り付けられた工具のドライブシャフトと、を備え、ドライブシャフトは、回転軸の周りで回動し且つ回転軸に沿って軸方向に動く(前方又は下方に動く)ように取り付けられている。
【0003】
ほとんどの従来の実施形態において、機械は、単一のモーターを備え、この単一のモーターが、ドライブシャフトの回転運動と前方への運動の駆動を行っている。例えば歯車機構、又はプーリーとベルトの組立体を備える、可変速の伝達要素は、工具の回転速度と軸方向移動速度とを、適切に適合できるようにする。
【0004】
これらの工作機械は、従って、予め決定された速度比での回転速度と前進速度に基づいたトルクに限定される。この構成は、機械の最適の性能を得る特定の機械加工条件に制限する恐れがある。更に、これらの従来の構成の場合、駆動するのに比較的大型のモーターを必要とする。
【0005】
工場で使用するために設計された工作機械において、ドライブシャフトは、概ね、下向きに滑動するようにフレームに取り付けられたヘッド上に、回動するだけのために取り付けられている。これらの機械の構造は比較的複雑で、嵩が大きい。
【0006】
このタイプの機械のいくつかの構成は、チップの破砕によってチップの除去を改良するために、定速度の前方移動に、軸方向の加振(oscillation)を付加することを提案している。主に様々な発電機構に基づく、様々なシステムがあり、特殊なベアリングや、旋盤における可変速のギアや、圧電性アクチュエータを使用している。機械的解決法に基づく原理は、加振の振幅が固定的(設計によって予め決定されている)であるか、又は、可変の場合は、困難を伴うが、機械加工プロセスの範囲外で変更される、という特徴がある。いずれの場合にも、これらの加振の周波数自体は、常に、固定比率によって、回転速度に関連付けられている(設計段階において固定された、1回転あたりの加振数)。
【0007】
従来技術においては、特許文献1によって開示されているシステムもあり、このシステムは、1つの滑り接続を介して1つのスピンドルを駆動し、1つの螺旋接続を介して並進する、2つの同軸のモーターを備える、ねじタップ装置を提案している。
【0008】
ほぼ同等の装置が、特許文献2において開示され、この文献は、シャフトの同じセクションにおいて滑り接続と螺旋接続とを与える手段を重ねることに関して、ある程度、前述の文献の教示を補足している。
【0009】
しかし、これらの装置は、まだ極めて非効率的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】英国特許第2218268号公報
【特許文献2】米国特許第5649451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のことから、出願人は、機能的な組立てを組み合わせることによって従来の穴あけ加工及び皿穴加工作業を実施できる電動工作機械を提案するためにリサーチを実施した。この機能的な組立ての組み合せとは、最適条件において、例えば航空機業界において通常要求される質のレベルで好ましくは一回だけの操作(a single pass)で、これらの作業を実施する際に使用する必要空間、コンパクトさ、頑丈さ、及び質量の制約に配慮しながら使用され得る組み合わせである。
【0012】
出願人は、又、様々な作業が実施されるときの速度、加速及びジャーク(jerk)の制御を改良しようとした。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このために、本発明によれば、フレームを備える工作機械が提供される。フレームの中に、工具のドライブシャフトが、回転軸の周りで回動し且つ回転軸に沿って軸方向に動くように取り付けられる。ドライブシャフトは、2台の回転モーター即ちドライブシャフトを回転駆動するためにドライブシャフトの縦溝付きのセクションと噛み合うための部材に接続された第1のモーターと、ドライブシャフトを軸方向に動かすために、ドライブシャフトのねじを切ったセクションに係合するナットに接続された第2のモーターと、に接続される。第1のモーターと第2のモーターとは、相互に同軸であり、1つの制御ユニットに接続され、この制御ユニットは、各モーターの回転子の位置センサーに接続され、定速度のドライブシャフトの軸方向の移動を行わせ、この軸方向の移動にチップを破砕できる振幅及び周波数を有する軸方向加振を重ねるように、これらのモーターを制御するように設計され、また、制御ユニットが上述の加振の振幅及び周波数のリアルタイムの修正を行えるように設計されている。
【0014】
モーターの回転子の位置センサーに接続される制御ユニットに結合されたこの機械的構造は、2台のモーターの角度位置及び電気的パラメータをリアルタイムに且つ同期的に且つ相互から独立して決定できるようにする。この機械的構造は、これらの2つのモーターを、相互に依存するように制御することを可能にし、特に、定速度のドライブシャフトの軸方向の移動に、チップ破砕を可能にする振幅及び周波数を有する軸方向加振を重ねることを可能にし、機械加工工程においてリアルタイムに加振の振幅及び周波数を修正できるようにする。
【0015】
制御ユニットと、各モーターの回転子の位置センサーとは、独立していつでも2台のモーターの各々の位置及び速度を検出して、その結果として各モーターを制御できるようにする。回転速度と軸方向移動速度とは、各モーターによって相互に独立して制御でき、その同軸の配置は、機械を確実に従来よりもコンパクトにする。
【0016】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明の特定の非限定的実施形態の以下の説明を読むことによって分かるだろう。
【0017】
次に以下の添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に従った機械の軸方向断面の部分概略図である。
図2】第1の実施形態の変形に従った機械の図1と同様の図である。
図3】本発明の第2の実施形態に従った機械の図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図を参照して、本発明を、部品を機械加工するためこの場合には特に穴あけ加工及び皿穴加工するための工具への応用に関して開示する。
【0020】
機械は、フレーム1を備えるが、図には部分的にしか示さない。フレーム1は、既知の様式で、地面及び台上に乗せるための支持構造体を備え、機械加工対象の部品は例えば機械加工組立体によって支持構造に固定されるように設計される。
【0021】
工具のドライブシャフト2は、台の付近において延び且つ工具を固定するための手段を備える一端を持つようにフレームの中に取り付けられる。この固定のための手段は、既知である。工具は、例えばスクリュー/ナット接続によってドライブシャフトの一端に取り付けられる。
【0022】
ドライブシャフト2は、回転軸3の周りで回動し且つ回転軸3に沿って軸方向に移動するように取り付けられる。
【0023】
ドライブシャフト2は、2台の電動回転モーター即ち回転駆動のための第1のモーター10及び軸方向移動のための第2のモーター20に接続される。より明確には、モーター10は、ドライブシャフトを回転駆動するためにドライブシャフト2の縦溝付きのセクション2.1と滑り接続するように設計される結合部材11に回転式に固定された回転子を有する。結合部材11は、例えば、内側に縦溝の付いたスリーブである。モーター20は、ドライブシャフト2のねじを切ったセクション2.2に係合するナット21に回転に関して固定され、従って螺旋接続を形成して、結合部材11とナット21との間に相対的速度が与えられたとき即ち2つの要素が異なる速度で回転した時、ドライブシャフト2を軸方向に移動させる。有利なことに、工具この場合にはドリルビットが少なくとも部分的に螺旋形状を持つ場合、螺旋接続部と工具は同じ方向のピッチを有する。
【0024】
モーター10及びモーター20は、相互に同軸なので、既存の構成よりコンパクトな構造を得られるようにし、且つ慣性を最小限に抑えることができる。モーターは、モーターを制御するように設計された少なくとも1つの制御ユニット(参照番号4)に接続される。
【0025】
特に図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に従って、ドライブシャフトは、縦溝付きのセクション2.1とねじを切ったセクション2.2が分離し且つ回転軸に沿って連続して配置されるように、配置される。2つのセクションは、この場合、縦溝付きのセクション2.1とねじを切ったセクション2.2のそれぞれの隣り合う端部に固定された接続スリーブによって一緒に接続される。従って、工具の経路は、結合部材11とナットとの間の距離マイナス接続スリーブの長さに等しい長さに限定される。
【0026】
モーター10及びモーター20は、ドライブシャフト2と同軸であり、ドライブシャフトは、この2つのモーターを貫通する。モーター10特にその回転子は、縦溝付きのセクション2.1部分の周りに延在し、モーター20は特にその回転子は、ねじを切ったセクション2.2部分の周りに延在する。
【0027】
2台の独立したモーターを使用することによって、必要な空間及び質量の小さい機械を可能にする。従って、機械は、耐荷式に又はロボットアームに取り付けるように設計できる。
【0028】
機械は、又、モーター10、20の回転子に2つの位置センサーを備えることもできる。センサーは、この場合、角度エンコーダ特に磁気エンコーダであり、この角度エンコーダ特に磁気エンコーダは、2つの別個の部品、即ち高精度磁気リングと、これに関するコンタクトレス式読取りヘッドと、から成る。リングは、モーターの回転子に回転式に接続され、読取りヘッドは、固定子に固定される。センサーは、制御ユニット4に接続される。磁気リング及び読取りヘッドは、例えばRLSが販売するLR及びMRシリーズのものである。
【0029】
ドライブシャフトと、2つの位置センサーを持つモーターとの、非常に剛な機械的配置は、正確に且つリアルタイムでモーターの制御に作用できるようにする。このために、制御ユニットは、軌跡フィードフォワードループ又はフィードバックループ又はその両方を使用する。制御ユニットは、好ましくはリアルタイムで、機械加工条件の関数として軸方向移動及び/又は回転運動を適合化するために、モーター10及び20を制御するように設計される。機械加工条件(回転速度及び行程速度)は、2つの回転子の位置及び速度を実測することによって、リアルタイムに且つ連続的に決定される。機械加工基準値との間に不一致がある場合、制御ユニットは、機械加工基準値を得るように、軸の一方又は両方に調節を加える。
【0030】
制御ユニットは、特に工具の軸方向において工具を加振させるためにモーター10及び20を制御するようにプログラムできる。その結果、穴あけ加工の効率を改良する振動(vibration)が生じる。制御ユニットは、加振のパラメータ(加振の振幅及び周波数)をリアルタイムで修正できるように有利に配置される。同じ材料の部品の機械加工の第1の実施例によれば、機械加工条件(加振の振幅及び周波数)は、2つの軸に対するドライブシャフトの位置及び速度(角度位置及び速度、線形位置及び速度)を実測することによってリアルタイムに且つ連続的に決定される。材料のチップ破砕にとって好ましい機械加工基準値との間に不一致がある場合、制御ユニットは、基準値を得るために軸の一方又は両方の軸に調節を加える。第2の実施例においては、連続して配置された2つの材料から成り、チップ形成に関して異なるふるまいをする部品を機械加工するが、継続的にチップ破砕を続けるために、材料が変化する時、機械加工条件を修正することが望ましい。このために、制御ユニットは、関連する材料に最適にパラメータを適合化するためにモーターの制御のパラメータを変化させる。この変化は、軸上のドライブシャフトの線形位置を考慮して(工程全体においてリアルタイムに2つの軸の位置から及び加工対象の部品の2つの材料の相対的位置を考慮して)プログラムすることによって、あるいは、機械加工条件の変化を決定することになるモーター電流を検出し処理(2つの材料の物理的特性の関数として切削力を増減)することによって、実施される。
【0031】
より具体的には、制御ユニットは、下記の手段の少なくとも1つに従ってドライブシャフトの軸方向移動を制御するように設計される。即ち、
−定速度での軸方向移動
−加振が定数値で重ねられる軸方向移動。
【0032】
例えば、加振は、チップ破砕を促進するように画定された正弦波形又はこれに類似する波形を有する。
【0033】
制御ユニットは、モーターの電気のパラメータを決定し且つこれらのパラメータから機械加工条件を決定するようにも設計される。この決定は、例えば、実測によって又は計算によって実施される。機械加工条件は、例えば、モーターの供給電流に基づいてモーターが与えるトルクから推定される。従って、機械の機能性を向上するために想定できるとしても、外部センサーに依存する必要はない。
【0034】
制御ユニットは、更にモーターの速度を決定し比較するように設計される。工具の前方への動きが機械加工中に開始されたとき2台のモーターが同じ速度で回転を開始すると、制御ユニットは、工具の破損信号を発する(この場合、工具はもはや前進できないので)。
【0035】
制御ユニットは、モーターの電気のパラメータを決定し、そこから加工対象の部品の効果的な位置を推定するように設計される。このために、2つのモーターの電流が実測され、数学的にリアルタイムに処理されて、これらの電流の増大を切削工具の軸方向の位置とリンクする。より具体的には、切削工具が加工対象の部品に遭遇すると、工具の運動に抵抗する力が増大して、切削工具の運動を維持するためにモーターに供給する必要のある電流が増大する。
【0036】
工具がスクリュー/ナット接続によってドライブシャフトの一端に取り付けられる場合、制御ユニットは、ドライブシャフト2に対する工具の取付け又は取外しを確実にするために、工具の変更時にモーターを制御するように設計される。
【0037】
図2の変形において、縦溝付きのセクションとねじを切ったセクションは、少なくとも部分的にドライブシャフトの共通の長さに具体的にはこの場合ドライブシャフト2の長さ全体に延びる。
【0038】
機械の残り部分は図1に関連して上に説明したものと同じである。
【0039】
従って、この場合、工具の経路は、ドライブシャフト2の長さマイナス結合部材11とナット21の対向する端部の間の距離に限定される。上に説明した要素と同様又は同一の要素は、図3を参照する第2の実施形態の以下の説明において同じ参照番号が付けられる。
【0040】
この実施形態において、モーター10及び20は、もはやドライブシャフト2と同軸ではなく、回転軸2に対して傾斜する軸30に沿って相互に同軸である。軸30は、より具体的には、この場合、図示する特定の実施形態においては軸2に対して直交する。
【0041】
モーター10の回転子は、かさ歯車14と噛み合うかさ歯車13を駆動する出力軸12を駆動し、ドライブシャフト2の縦溝に係合する結合部材11は、回転に関してかさ歯車14に固定される。
【0042】
モーター20の回転子は、この場合、出力軸12の周りに同軸に延びる管状軸22の形状を持つ。モーター10の回転子は、かさ歯車24と噛み合うかさ歯車23を駆動する。ドライブシャフト2のねじ山に係合するナット21は回転に関してかさ歯車24に固定される。
【0043】
当然、本発明は上述の実施形態に限定されず、請求項によって規定される本発明の範囲に属する任意の変形を包含する。
【0044】
特に、ドライブシャフトは、上述の構造とは異なる構造を持つことができ、ねじを切ったセクションと縦溝付きのセクションは同じ材料で作ること又は相互に取り付けることができる。
【0045】
滑り接続は、上述の手段とは別の手段特に結合要素に形成された相補的形状のハウジングに滑動可能に受け入れられるプリズマ形シャフトによって得ることができる。
【0046】
ドライブシャフトは、そのいずれの端においても間接的に工具に接続できる。
【0047】
本発明に関連する機械の部品についてのみ説明した。機械は、特に工具の中央の潤滑手段、工具交換手段、加工対象の部品のロード及びアンロードの手段を備えることができる。
【0048】
本発明は、穴あけ機械及び例えばミリング機械とは異なるタイプの工作機械に応用できる。
【0049】
変形として、螺旋接続部と工具は、工具の迅速なリターンサイクルを容易にするために、反対方向のピッチを持つ。
【0050】
上述のもの以外のセンサー又は検出手段特に光学的エンコーダを使用できる。
図1
図2
図3