【文献】
SEMENOV, V.K.,AVERIN, D.V.,SFQ control circuits for Josephson junction qubits,IEEE Transactions on Applied Superconductivity,米国,2003年,Vol.13, No.2,Pages 960-965
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁束噴射器が、前記磁束シャトルループを起動して、単一磁束量子(SFQ)パルスに応答して前記磁束シャトルループのまわりの前記複数のジョセフソン接合の連続的なトリガを開始するように構成され、かつレシプロカルSFQパルスに応答して前記磁束シャトルループを停止するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
磁束シャトルループが、前記磁束シャトルループの起動および停止のうちの1つに対応する磁束状態を含む超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を含み、前記磁束噴射器が、前記磁束シャトルループの起動および停止のうちの1つを行う入力信号に応答して前記磁束状態を変えるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記SQUIDが、前記磁束シャトルループの一部を形成するSQUIDジョセフソン接合を含み、前記磁束噴射器が、DCバイアス電流を伝播するように構成される第1のインダクタと、前記第1のインダクタと磁気的に結合され、かつ前記入力信号を伝播するように構成される第2のインダクタと、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタと磁気的に結合され、かつ前記SQUIDの一部を形成する第3のインダクタとを含む変圧器をさらに含み、それにより、前記SQUIDジョセフソン接合が、前記入力信号に応答して前記磁束シャトルループを起動および停止するようにトリガする、請求項3に記載のシステム。
前記磁束シャトルループが、前記AC入力信号の個々の位相とそれぞれ関連付けられる複数の段を含み、前記複数の段のそれぞれが、前記複数の段の個々の1つを前記出力インダクタと相互に接続する蓄積インダクタを含み、かつ電圧パルスを前記出力インダクタに供給して、前記複数のジョセフソン接合の前記連続的なトリガに応じて、前記DC出力電流を増大させるように構成され、前記複数の段の1つが前記磁束噴射器を含み、それにより、前記第3のインダクタが、前記複数の段の個々の1つと関連付けられた前記蓄積インダクタとして構成される、請求項4に記載のシステム。
前記磁束シャトルループが、前記磁束シャトルループを前記同相AC入力信号および前記直角位相AC入力信号のそれぞれと誘導的に結合するように構成される複数の変圧器をさらに含み、前記同相AC入力信号が、前記複数の変圧器の第1の部分の一次巻線を通して供給されて、バイアス電流を前記複数の変圧器の前記第1の部分の二次巻線に誘導し、前記直角位相AC入力信号が、前記複数の変圧器の第2の部分の一次巻線を通して供給されて、バイアス電流を前記複数の変圧器の前記第2の部分の二次巻線に誘導して、前記複数のジョセフソン接合の前記連続的なトリガを可能にする、請求項6に記載のシステム。
前記磁束噴射器が第1の磁束噴射器であり、該第1の磁束噴射器は、第1の入力信号に応答して前記磁束シャトルループを選択的に起動および停止して、前記磁束シャトルループが前記第1の磁束噴射器によって起動されると、前記磁束シャトルループのまわりの前記複数のジョセフソン接合の連続的なトリガに基づいて前記DC出力電流の振幅を選択的に増大させるように構成され、前記システムが、第2の磁束噴射器をさらに備え、該第2の磁束噴射器は、第2の入力信号に応答して前記磁束シャトルループを選択的に起動および停止して、前記磁束シャトルループが前記第2の磁束噴射器によって起動されると、前記磁束シャトルループのまわりの前記複数のジョセフソン接合の連続的なトリガに基づいて前記DC出力電流の振幅を選択的に減少させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
請求項1に記載のジョセフソン電流源システムを備える超伝導電流源であって、前記ジョセフソン電流源システムが、前記磁束シャトルループの起動に応じて前記DC出力電流の振幅を増大させるように構成され、前記超伝導電流源が、
プログラム可能な電流レジスタに応じて前記DC出力電流の振幅を設定し、かつ前記磁束シャトルループを起動するために前記磁束噴射器に供給される第1の入力信号および第2の入力信号を生成するように構成されるコントローラと、
第2のジョセフソン電流源システムであって、
第2の磁束シャトルループであって、前記第2の磁束シャトルループのまわりに間隔を隔てて配置された第2の複数のジョセフソン接合を含み、かつ起動されると、前記誘導的に結合されるAC入力信号に応答して、前記第2の磁束シャトルループのまわりの前記第2の複数のジョセフソン接合を連続的にトリガして、前記出力インダクタを介して供給される前記DC出力電流を減少させるように構成される前記第2の磁束シャトルループと、
前記第2の入力信号に応答して前記第2の磁束シャトルループを選択的に起動および停止するように構成される第2の磁束噴射器とを含む前記第2のジョセフソン電流源システムと
をさらに備える超伝導電流源。
請求項1に記載の複数のジョセフソン電流源システムを備え、前記複数のジョセフソン電流源システムが、個々の複数のDC出力電流を生成するように構成されている、超伝導回路システム。
前記第1のSFQパルスを供給するステップが、前記第1のSFQパルスを前記第1の磁束噴射器に供給して、磁束シャトルループのまわりに伝播するフラクソンとして前記第1のフラクソン要素を生成することを含み、前記第2のSFQパルスを供給するステップが、前記第2のSFQパルスを前記第2の磁束噴射器に供給して、前記磁束シャトルループのまわりに伝播する反フラクソンとして前記第2のフラクソン要素を生成することを含む、請求項12に記載の方法。
前記第1のSFQパルスを供給するステップが、前記第1のSFQパルスを前記第1の磁束噴射器に供給して、第1の磁束シャトルループのまわりに伝播するフラクソンとして前記第1のフラクソン要素を生成することを含み、前記第2のSFQパルスを供給するステップが、前記第2のSFQパルスを前記第2の磁束噴射器に供給して、第2の磁束シャトルループのまわりに伝播するフラクソンとして前記第2のフラクソン要素を生成することを含み、前記第1の磁束シャトルループおよび前記第2の磁束シャトルループが、前記出力インダクタの両側で前記出力インダクタに結合されている、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、概して、量子および古典的デジタル超伝導回路に関し、特にジョセフソン電流源システムおよび方法に関する。ジョセフソン電流源は、複数の段(stage)を含む磁束シャトルループを含む。複数の段は、それぞれ変圧器と、少なくとも1つのジョセフソン接合と、蓄積インダクタとを含む。変圧器は、AC入力信号を磁束シャトルループに誘導的に結合するように構成され、それにより、AC入力信号が磁束シャトルループにおいてバイアス電流を供給する。ジョセフソン電流源は、磁束シャトルループを選択的に起動および停止するように構成される磁束噴射器も含む。例えば、磁束噴射器は、単一磁束量子(SFQ)パルスを受信して磁束シャトルループを起動し、かつレシプロカルSFQパルス(reciprocal SFQ pulse)を受信して磁束シャトルループを停止するように構成することができる。このように、磁束シャトルが起動されると、それぞれの段のジョセフソン接合は、AC入力信号の周波数に基づいて磁束シャトルループのまわりにフラクソン(fluxon)(例えば、SFQパルス)を伝播するようにトリガする。一例として、フラクソンは、AC入力信号の各正のサイクルおよび負のサイクルで所与の段を通して伝播することができる。フラクソンは、複数の段のそれぞれの蓄積インダクタに供給されて、電圧パルスを出力インダクタに供給し、それにより、出力インダクタが上昇するDC出力電流ランプを供給する。
【0008】
一例として、AC入力信号は、同相AC入力信号および直角位相AC入力信号を含むことができ、また、磁束シャトルループは、4つの段を含むことができる。段のうちの2つの変圧器の一次巻線は、段のうちの他の2つの変圧器の一次巻線に対して逆の極性を有することができる。したがって、同相AC入力信号および直角位相AC入力信号のそれぞれの正のサイクルでは、段のうちの2つにおける変圧器の二次巻線に誘導されたバイアス電流は、磁束シャトルループのまわりの所与の方向に供給することが可能であり、同相AC入力信号および直角位相AC入力信号のそれぞれの負のサイクルでは、段のうちの他の2つにおける変圧器の二次巻線に誘導されたバイアス電流は、磁束シャトルループのまわりの同じ所与の方向に供給することが可能である。したがって、段のそれぞれにおけるジョセフソン接合は、AC入力信号の90
oごとに連続的にトリガして、磁束シャトルループのまわりにフラクソンを回転させて、電圧パルスを出力インダクタに供給して、上昇するDC出力電流を生成することができる。
【0009】
磁束噴射器を介した磁束シャトルループの選択的な起動および停止に基づいて、DC出力電流の振幅は、磁束シャトルループのまわりに伝播しているフラクソン要素に基づいて選択的に制御することが可能である。本明細書に記載される場合、「フラクソン要素」という用語は、フラクソンまたは反フラクソンを指し、「反フラクソン要素」という用語は、フラクソン要素のそれぞれの反対を指す。したがって、反フラクソンまたはフラクソンをそれぞれ指す。一例として、DC出力電流は、少なくとも1つの磁束シャトルループのまわりのフラクソン要素(例えば、フラクソン)の伝播中に増大させることができ、DC出力電流の振幅は、磁束噴射器で受信したレシプロカルSFQパルスに基づいた少なくとも1つの磁束シャトルループの停止に応じて維持(例えば、無負荷状態において一定の振幅で保持)することができる。維持されるDC出力電流の振幅は、例えば、出力インダクタの最大対応振幅未満とすることができる。同様に、DC出力電流は、少なくとも1つの磁束シャトルループのまわりのフラクソン要素の伝播中に減少させることができ、DC出力電流の振幅は、磁束噴射器で受信したレシプロカルSFQパルスに基づいた少なくとも1つの磁束シャトルループの停止に応じて維持(例えば、無負荷状態において一定の振幅で保持)することができる。
【0010】
例えば、2つの磁束噴射器を所与のDC出力電流源で実施することが可能である。磁束噴射器は、単一磁束シャトルループで実施することが可能であるだけでなく、2つのそれぞれの磁束シャトルループで実施してDC出力電流の振幅を選択的に増減させることも可能である。例えば、単一磁束シャトルループにおいて、磁束シャトルループのまわりに第1のフラクソン要素(例えば、フラクソン)を伝播してDC出力電流の振幅を増大させるように、また反フラクソン要素(例えば、反フラクソン)を導入してDC出力電流の振幅の増大を止めるように、第1の磁束噴射器を構成することが可能である。同様に、第2の磁束噴射器は、磁束シャトルループのまわりに第2のフラクソン要素(例えば、反フラクソン)を伝播してDC出力電流の振幅を減少させるように構成することが可能であり、反フラクソン要素(例えば、フラクソン)を導入してDC出力電流の振幅の減少を止めることが可能である。別の例として、2つの磁束シャトルループは、出力インダクタの両側に結合させることが可能であり、それにより、第1の磁束シャトルループのまわりに伝播している第1のフラクソン要素(例えば、フラクソン)が、DC出力電流の振幅を増大させ、第1の磁束シャトルループに導入された反フラクソン要素(例えば、反フラクソン)が、DC出力電流の振幅の増大を止めることができる。同様に、第2の磁束シャトルループのまわりに伝播している第2のフラクソン要素(例えば、フラクソン)が、DC出力電流の振幅を減少させることができ、第2の磁束シャトルループに導入された反フラクソン要素(例えば、反フラクソン)が、DC出力電流の振幅の減少を止めることができる。
【0011】
図1は、一例の超伝導回路システム10を図示する。一例として、超伝導回路システム10は、メモリまたは処理システムなど、様々な古典的コンピューティング用途および量子コンピューティング用途のいずれでも実施することが可能である。超伝導回路システム10は、
図1の例では、DC出力電流I
DCとして表示されているDC出力電流を受け取るデバイス12を含む。一例として、DC出力電流I
DCは、デバイス12を駆動する電力信号またはドライバ信号として供給することが可能である。例えば、デバイス12は、読み出し電流または書き込み電流をメモリセルに供給するようなメモリドライバに対応し得る。
【0012】
超伝導回路システム10は、ジョセフソン電流源14も含む。ジョセフソン電流源14は、クロック信号ACに応答してDC出力電流I
DCを生成するように構成されている。クロック信号ACは、ジョセフソン電流源14と関連付けられたクロック信号に対応し得る。一例として、クロック信号ACは、実質的に一定の周波数(例えば、およそ10GHz)、および例えばレシプロカル量子論理(RQL:reciprocal quantum logic)超伝導回路に適用可能な、低振幅(例えば、RMSでおよそ2mA)のAC電流を有する正弦波形とすることができる。ジョセフソン電流源14は、入力信号RQL
INを受信するように表示されている。入力信号RQL
INをジョセフソン電流源14に供給して、ジョセフソン電流源14の動作を選択的に起動および停止してDC出力電流I
DCを生成することができる。例えば、入力信号RQL
INは、レシプロカル量子論理(RQL)回路を介して供給することができる。一例として、入力信号RQL
INは、DC出力電流の振幅を制御する単一磁束量子(SFQ)パルスおよびレシプロカルSFQパルスの1つとすることができる。
【0013】
図1の例では、ジョセフソン電流源14は、磁束シャトルループ16を含む。磁束シャトルループ16は、クロック信号ACの周波数に基づいて、磁束シャトルループ16のまわりにフラクソンを伝播するように構成される複数の段を含むことができる。本明細書に記載される場合、磁束シャトルループ16に関する「ループ」という用語は、磁束シャトルループ16の段の、第1の段が最後の段に結合可能であるような実質的に連続したループ(例えば、環状の)構成を記述するものである。したがって、フラクソンは、入力信号RQL
INの第1の状態(例えば、SFQパルス)に応じて磁束シャトルループ16のまわりに実質的に連続して伝播することが可能であり、入力信号RQL
INの第2の状態(例えば、レシプロカルSFQパルス)に応じて磁束シャトルループ16のまわりの伝播を止めることが同様に可能である。一例として、入力信号RQL
INの第2の状態は、反フラクソンを(例えば、フラクソンから位相を半クロックサイクルずらして)磁束シャトルループ16に導入することができ、それにより、フラクソンと反フラクソンとの間の引力が相互に作用して、フラクソンを実質的に消滅させることができる。その結果、DC出力電流I
DCの振幅は、特定の振幅で(例えば、デバイス12に関連して無負荷状態で)維持することができる。
【0014】
一例として、磁束シャトルループ16は、分路抵抗器とともに、あるいは分路抵抗器なしで配置することができる。一例として、磁束シャトルループ16の段は、それぞれ変圧器と、少なくとも1つのジョセフソン接合と、蓄積インダクタとを含むことができる。変圧器は、クロック信号ACを磁束シャトルループ16に誘導的に結合するように構成され、それにより、クロック信号ACが磁束シャトルループ16においてバイアス電流を供給することができる。これにより、ACバイアス電流に応じて、磁束シャトルループ16の段のそれぞれにおけるジョセフソン接合は、クロック信号ACの周波数に基づいて、磁束シャトルループ16のまわりにフラクソンを伝播するようにトリガする。一例として、フラクソンは、クロック信号ACの各正のサイクルおよび負のサイクルで段のうちの所与の1つを通して伝播することが可能である。フラクソンは、磁束シャトルループ16のまわりに伝播するため、磁束シャトルループ16の段のそれぞれの蓄積インダクタに供給されて、例えば、ジョセフソン電流源14の出力インダクタ(図示せず)に電圧パルスを供給することが可能である。したがって、クロック信号ACの周波数に基づいて出力インダクタに連続的に供給される電圧パルスに基づいて、より多くのDC出力電流I
DCが出力インダクタを通って流れることができる。例えば、蓄積インダクタのそれぞれに低電圧(例えば、およそ2μV/GHz)を供給するフラクソンに基づいて電圧パルスを生成し、それにより、生じた電圧パルスが出力インダクタにまとめられ、より多くのDC出力電流I
DCを供給することができる。
【0015】
加えて、ジョセフソン電流源14は、入力信号RQL
INに応答して磁束シャトルループ16を選択的に起動および停止するように構成される磁束噴射器18を含む。一例として、磁束噴射器18は、磁束シャトルループ16(の例えば、一部)に結合される超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、磁束シャトルループ16の起動または停止に対応する磁束状態を有し、かつ入力信号RQL
INに応答して状態を変えることが可能な超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を含むことができる。例えば、SFQパルスとして供給されている入力信号RQL
INに応答して、磁束状態を逆転させて、フラクソンを磁束シャトルループ16に導入してDC出力電流I
DCの振幅を増大させることが可能である。同様に、レシプロカルSFQパルスとして供給されている入力信号RQL
INに応答して、磁束状態を再び逆転させて、反フラクソンを磁束シャトルループ16に導入してDC出力電流I
DCの振幅を(例えば、出力インダクタによって定義された最大対応振幅未満の振幅で)維持することが可能である。したがって、磁束噴射器18を実施して、DC出力電流I
DCの振幅を制御することが可能である。
【0016】
したがって、ジョセフソン電流源14は、DC出力電流I
DCを電力効率良く生成するように動作させることができる。一例として、ジョセフソン電流源14は、典型的な抵抗に基づいたDC電流源とは対照的に、静止電力損失から実質的に熱を発生することがない。それに応じて、ジョセフソン電流源14は、特に量子コンピューティングおよび省エネルギー型の高性能コンピューティング環境では、典型的な電流源よりも効率的かつ効果的に動作することができる。加えて、磁束シャトルループ16を選択的に起動および停止するように磁束噴射器18を構成することが可能であるため、DC出力電流I
DCの振幅を選択的に制御することが可能である。したがって、DC出力電流I
DCの振幅は、関連した出力インダクタによって定義された最大対応限度未満の振幅で維持することが可能であり、したがって、磁束シャトルループ16は、DC出力電流I
DCの振幅を最大限にせずに停止することが可能である。それに応じて、ここでさらに詳細に説明するように、DC出力電流I
DCの振幅は、選択的に増分および減分することが可能である。
【0017】
図2は、一例のジョセフソン電流源回路50を図示する。ジョセフソン電流源回路50は、超伝導回路システム10のジョセフソン電流源14に対応し得る。したがって、ジョセフソン電流源回路50は、第1の段54、第2の段56、第3の段58、および第4の段60として、
図2の例に表示されている複数の段を含む磁束シャトルループ52を含む。段54、56、58、および60は、連続的に結合されてループ構成を形成している。ジョセフソン電流源回路50は、AC入力信号に基づいてDC出力電流を生成するように構成されている。
図2の例では、AC入力信号は、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qを含むように表示されている。一例として、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qは、まとめて、RQL回路用に実施されるAC直交信号に対応し得る。DC出力電流は、出力インダクタL
OUTを通って流れる電流I
DCとして表示されている。
【0018】
段54、56、58、および60は、それぞれ互いに実質的に同様に構成されている。第1の段54は、変圧器T
1と、第1のジョセフソン接合J
1_1と、第2のジョセフソン接合J
2_1とを含む。第2の段56は、変圧器T
2と、第1のジョセフソン接合J
1_2と、第2のジョセフソン接合J
2_2とを含む。第3の段58は、変圧器T
3と、第1のジョセフソン接合J
1_3と、第2のジョセフソン接合J
2_3とを含む。第4の段60は、変圧器T
4と、第1のジョセフソン接合J
1_4と、第2のジョセフソン接合J
2_4とを含む。第1の段54および第2の段56は、磁束噴射器62によって相互に接続されており、第2の段56および第3の段58は、インダクタL
X_1によって相互に接続されており、第3の段58および第4の段60は、インダクタL
X_2によって相互に接続されており、第4の段60および第1の段54は、インダクタL
X_3によって相互に接続されている。
【0019】
変圧器T
1およびT
3は、一次巻線L
1_1およびL
1_3をそれぞれ含み、それらの一次巻線を通って同相クロック信号AC
Iが流れ、変圧器T
2およびT
4は、一次巻線L
1_2およびL
1_4をそれぞれ含み、それらの一次巻線を通って直角位相クロック信号AC
Qが流れる。変圧器T
1およびT
3は、同相クロック信号AC
Iの磁束シャトルループ52への誘導結合を提供し、変圧器T
2およびT
4は、直角位相クロック信号AC
Qの磁束シャトルループ52への誘導結合を提供する。したがって、同相クロック信号AC
Iに応答して第1の変圧器T
1は、二次巻線L
2_1を介してバイアス電流I
B1を生成し、第3の変圧器T
3は、二次巻線L
2_3を介してバイアス電流I
B3を生成することができる。同様に、直角位相クロック信号AC
Qに応答して第2の変圧器T
2は、二次巻線L
2_2を介してバイアス電流I
B2を生成し、第4の変圧器T
4は、二次巻線L
2_4を介してバイアス電流I
B4を生成することができる。一例として、インダクタL
X_1、L
X_2、L
X_3、および磁束噴射器62のインダクタ(ここでさらに詳細に説明するように)のインダクタンスと同様に、二次巻線L
2_1、L
2_2、L
2_3、およびL
2_4もループインダクタンスを有するように選択することにより、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4のジョセフソンインダクタンスの比率がループインダクタンスの比率に対して1よりも大きくなるようにして、長い接合レジームで磁束シャトルループ52の動作を提供することが可能である。したがって、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4は、分路抵抗器がなくても減衰可能である。代わりに、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4は、分路抵抗器を含むことができる。
【0020】
一例として、第1の同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qは、それぞれ(例えば、それぞれの周期の前半に)正の部分、および(例えば、それぞれの周期の後半に)負の部分を含むことができる。
図2の例に表示されているように、第3の変圧器T
3の一次巻線L
1_3は、第1の変圧器T
1の一次巻線L
1_1の極性の逆の極性を有する。同様に、第4の変圧器T
4の一次巻線L
1_4は、第2の変圧器T
2の一次巻線L
1_2の極性の逆の極性を有する。したがって、バイアス電流I
B1は同相クロック信号AC
Iの負の部分の間、第1の変圧器T
1の二次巻線L
2_1を介して第1の方向に誘導されている。しかしながら、第1の変圧器T
1および第3の変圧器T
3のそれぞれの一次巻線L
1_1およびL
1_3は、逆の極性を有しているため、バイアス電流I
B3も、同相クロック信号AC
Iの正の部分の間、第3の変圧器T
3の二次巻線L
2_3を介して第1の方向に誘導されている。同様に、バイアス電流I
B2は、直角位相クロック信号AC
Qの負の部分の間、第1の方向に誘導されており、バイアス電流I
B4も直角位相クロック信号AC
Qの正の部分の間、第1の方向に誘導されている。したがって、
図4の例でさらに詳細に説明するように、バイアス電流I
B1、I
B2、I
B3、およびI
B4は、AC入力信号AC
IおよびAC
Qの90
oごとの間隔で連続的に供給される。
図2の例では、「第1の方向」は、それぞれの二次巻線L
2_1、L
2_2、L
2_3、およびL
2_4から、左から右であるとして表示されている。
【0021】
磁束噴射器62は、バイアス電流I
BIASおよび入力信号RQL
INを受け取るように表示されており、このバイアス電流I
BIASおよび入力信号RQL
INを(例えば、RQL回路から)ジョセフソン電流源回路50に供給して、磁束シャトルループ52を起動して、このようにジョセフソン電流源回路50の動作を初期化することができる。一例として、入力信号RQL
INは、磁束シャトルループ52を起動することが可能なSFQパルス、または停止することが可能なレシプロカルSFQパルスとすることができる。一例として、磁束噴射器62は、変圧器T
1およびT
2を相互に接続するSQUIDであって、磁束シャトルループ52の起動または停止に対応する磁束状態を有し、かつ入力信号RQL
INに応答して状態を変えることが可能なSQUIDを含むことができる。例えば、SFQパルスとして供給されている入力信号RQL
INに応答して、磁束状態を逆転させて、フラクソンを電流I
B1、I
B2、I
B3、およびI
B4の流れの方向の磁束シャトルループ52に導入して、磁束シャトルループ52を起動して、このように、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4を連続的にトリガすることができる。同様に、レシプロカルSFQパルスとして供給されている入力信号RQL
INに応答して、磁束状態を再び逆転させて、反フラクソンをフラクソンと同じ方向に(例えば、フラクソンから位相を半クロックサイクルずらして)磁束シャトルループ52に導入することができる。したがって、フラクソンと反フラクソンとの間の引力により、フラクソンおよび反フラクソンがともに引き合い、フラクソンを消滅させ、このように磁束シャトルループ52を停止することができる。
【0022】
フラクソンおよびバイアス電流I
B2を加えることは、ジョセフソン接合J
1_2の臨界電流を超過するのに十分なものになり得る。例えば、直角位相クロック信号AC
Qの負の部分の間、ジョセフソン接合J
1_2のトリガにより生じたバイアス電流I
B2およびフラクソンは1つになってジョセフソン接合J
2_2を通って流れることができる。これを受けて、バイアス電流I
B2およびフラクソンの大きさは、ジョセフソン接合J
2_2の臨界電流を超過するため、ジョセフソン接合J
2_2は、インダクタL
X_1を通して第2の段56から第3の段58までフラクソンを伝播するようにトリガして、第1のジョセフソン接合J
1_3をトリガする。同相クロック信号AC
Iの正の部分の間、フラクソンは、バイアス電流I
B3と1つになってジョセフソン接合J
2_3をトリガすることができる。その結果、ジョセフソン接合J
2_3は、フラクソンを第4の段60に伝播する。段54、56、58、および60のそれぞれにおけるジョセフソン接合J
1およびJ
2は、このように同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qの周波数に基づいて、連続的にトリガし続けることが可能である。それに応じて、フラクソンは、段54、56、58、および60のそれぞれを通して、AC入力信号AC
IおよびAC
Qの各90
oの間隔で連続的に伝播される。
【0023】
段54、56、58、および60のそれぞれにおけるジョセフソン接合J
2を通して連続的に伝播されたフラクソンに応じて電圧パルスが生成され、この電圧パルスが、段54、56、58、および60を相互に接続する蓄積インダクタの電流を増分する。
図2の例では、(磁束噴射器62と関連付けられた)蓄積インダクタL
S_1が、第1の段54および第2の段56を相互に接続し、(インダクタL
X_1と関連付けられた)蓄積インダクタL
S_2が、第2の段56および第3の段58を相互に接続し、(インダクタL
X_2と関連付けられた)蓄積インダクタL
S_3が、第3の段58および第4の段60を相互に接続し、(インダクタL
X_3と関連付けられた)蓄積インダクタL
S_4が、第4の段60および第1の段54を相互に接続している。これにより、ジョセフソン接合J
2_1のトリガに応じて、フラクソンは、蓄積インダクタL
S_1に派生電流増分I
P1を生じる。ジョセフソン接合J
2_2のトリガに応じて、フラクソンは、蓄積インダクタL
S_2に派生電流増分I
P2を生じる。ジョセフソン接合J
2_3のトリガに応じて、フラクソンは、蓄積インダクタL
S_3に派生電流増分I
P3を生じる。ジョセフソン接合J
2_4のトリガに応じて、フラクソンは、蓄積インダクタL
S_4に派生電流増分I
P4を生じる。蓄積インダクタL
S_1、L
S_2、L
S_3、およびL
S_4は、それぞれ出力インダクタL
OUTに結合されている。その結果、出力インダクタL
OUTは、電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4をそれぞれまとめて、振幅が増大したDC出力電流I
DCを供給する。その結果、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Q、ならびに磁束シャトルループ52が停止される前にフラクソンが磁束シャトルループ52のまわりに伝播した回数に基づいて、DC出力電流I
DCをデバイス(例えば、
図1の例でのデバイス12)に供給することができる。
【0024】
図3は、タイミング
図100の一例を図示する。タイミング
図100は、時間の関数として凡例102で示されているように、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qを含む。同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qは、それぞれゼロを中心とする大きさを有する正弦波信号として表示されている。
図3の例での同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qは、
図2の例での同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qに対応し得る。したがって、
図3の例についての以下の説明では、
図2の例を参照する。
【0025】
磁束シャトルループ52は、ここでさらに詳細に説明するように、磁束噴射器62を介して起動することができる。起動後、時間t
0において、同相クロック信号AC
Iの負の部分が始まっており、同相クロック信号AC
Iの正のピークが時間t
1で生じている。したがって、同相クロック信号AC
Iは、一次巻線L
1_1との誘導結合に基づいて、二次巻線L
2_1を介してバイアス電流I
B1を第1の方向に誘導し始める。(例えば、変圧器T
1のインダクタンスに基づいた)時間t
1の直後に続く時間において、ジョセフソン接合J
1_1によって供給されたフラクソンと1つになったバイアス電流I
B1の大きさは、以前にトリガしたジョセフソン接合J
2_1の臨界電流を超過し、したがって、ジョセフソン接合J
2_1をトリガするのに十分になる。その結果、ジョセフソン接合J
2_1はフラクソンを伝播し、これにより、磁束噴射器62を介して蓄積インダクタL
S_1に電流増分I
P1が生じ、ここでさらに詳細に説明するように、この電流増分I
P1が出力インダクタL
OUTによってまとめられて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させる。次いで、フラクソンは第2の段に伝播して、ジョセフソン接合J
1_2をトリガする。
【0026】
同じく、時間t
1において、直角位相クロック信号AC
Qの負の部分が始まっており、直角位相クロック信号AC
Qの正のピークが時間t
2で生じている。したがって、直角位相クロック信号AC
Qは、一次巻線L
1_2との誘導結合に基づいて、二次巻線L
2_2を介してバイアス電流I
B2を第1の方向に誘導し始める。(例えば、変圧器T
2のインダクタンスに基づいた)時間t
2の直後に続く時間において、ジョセフソン接合J
1_2によって供給されたフラクソンと1つになったバイアス電流I
B2の大きさは、ジョセフソン接合J
2_2の臨界電流を超過し、したがって、ジョセフソン接合J
2_2をトリガするのに十分になる。その結果、ジョセフソン接合J
2_2はフラクソンを伝播し、これにより、蓄積インダクタL
S_2に電流増分I
P2が生じ、この電流増分I
P2が出力インダクタL
OUTによってまとめられて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させ、第3の段に伝播して、ジョセフソン接合J
1_3をトリガする。
【0027】
同じく、時間t
2において、同相クロック信号AC
Iの正の部分が始まっており、同相クロック信号AC
Iの負のピークが時間t
3で生じている。したがって、同相クロック信号AC
Iは、(例えば、一次巻線L
1_1の逆の極性の)一次巻線L
1_3との誘導結合に基づいて、二次巻線L
2_3を介してバイアス電流I
B3を第1の方向に誘導し始める。(例えば、変圧器T
3のインダクタンスに基づいた)時間t
3の直後に続く時間において、ジョセフソン接合J
1_3によって伝播されたフラクソンと1つになったバイアス電流I
B3の大きさは、ジョセフソン接合J
2_3の臨界電流を超過し、したがって、ジョセフソン接合J
2_3をトリガするのに十分になる。その結果、ジョセフソン接合J
2_3はフラクソンを伝播し、これにより、蓄積インダクタL
S_3に電流増分I
P3が生じ、この電流増分I
P3が出力インダクタL
OUTによってまとめられて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させ、第4の段に伝播して、ジョセフソン接合J
1_4をトリガする。
【0028】
同じく、時間t
3において、直角位相クロック信号AC
Qの正の部分が始まっており、直角位相クロック信号AC
Qの負のピークが時間t
4で生じている。したがって、直角位相クロック信号AC
Qは、(例えば、一次巻線L
1_2の逆の極性の)一次巻線L
1_4との誘導結合に基づいて、二次巻線L
2_4を介してバイアス電流I
B4を第1の方向に誘導し始める。(例えば、変圧器T
4のインダクタンスに基づいた)時間t
4の直後に続く時間において、ジョセフソン接合J
1_4によって伝播されたフラクソンと1つになったバイアス電流I
B4の大きさは、ジョセフソン接合J
2_4の臨界電流を超過し、したがって、ジョセフソン接合J
2_4をトリガするのに十分になる。その結果、ジョセフソン接合J
2_4はフラクソンを伝播し、これにより、蓄積インダクタL
S_4に電流増分I
P4が生じ、この電流増分I
P4が出力インダクタL
OUTによってまとめられて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させ、第1の段に伝播して、ジョセフソン接合J
1_1をトリガする。
【0029】
同じく、時間t
4において、同相クロック信号AC
Iの負の部分が始まっている。したがって、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qを変換するプロセスが繰り返され、それにより、前述したように時間t
4が時間t
0と均等となる。それに応じて、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4は、磁束噴射器62を介して磁束シャトルループ52が起動されると、磁束シャトルループ52のまわりにフラクソンを伝播するように連続的にトリガして、J
2_1、J
2_2、J
2_3、およびJ
2_4のトリガにそれぞれ応じて、電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4を、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qの周波数に基づいて、出力インダクタL
OUTに継続的に供給することができる。その結果、出力インダクタL
OUTは、電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4をまとめて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させることができる。
【0030】
図4は、一例の磁束噴射器150を図示する。磁束噴射器150は、入力信号RQL
INに応答してフラクソンおよび反フラクソンを生成して、関連した磁束シャトルループをそれぞれ起動および停止するように構成されている。磁束噴射器150は、
図1の例での磁束噴射器18、および/または
図2の例での磁束噴射器62に対応し得る。したがって、
図4の例についての以下の説明では、
図1〜
図3の例を参照する。
【0031】
磁束噴射器150は、バイアス電流I
BIASおよび入力信号RQL
INを受け取る。入力信号RQL
INは、SFQパルスおよびレシプロカルSFQパルスの1つに対応し得る。バイアス電流I
BIASは、変圧器T
Fの一次巻線に対応し得るインダクタL
TF_1を通して供給される。インダクタL
TF_1は、変圧器T
Fのそれぞれの二次巻線に対応するインダクタL
TF_2およびインダクタL
TF_3に、磁気的に結合させることができる。したがって、バイアス電流I
BIASは、インダクタL
TF_2およびL
TF_3を通って流れるように誘導される。磁束噴射器150はSQUID152を含み、SQUID152は、インダクタL
TF_3およびジョセフソン接合J
Fを含む。磁束噴射器150は、SQUID152の両側に配置されたインダクタL
F_1およびL
F_2も含み、それらのインダクタを通って電流I
B1が流れる。したがって、SQUID152は結合されて、磁束シャトルループ52の一部分(例えば、変圧器T
1およびT
2の間ならびにジョセフソン接合J
2_1およびJ
1_2の間)を形成している。ここで説明するように、SQUID152は、磁束Φ
0/2の磁束方向(例えば、右回りまたは左回り)に対応する磁束状態±Φ
0/2を有する。したがって、SQUID152は、それぞれ逆の方向のΦ
0/2である磁束方向に対応する第1の磁束状態+Φ
0/2、および第2の磁束状態−Φ
0/2を有する。SQUID152の磁束状態は、磁束シャトルループ52の起動および停止に対応する。
【0032】
入力信号RQL
INは、第1の入力インダクタL
IN1を通して第2の入力インダクタL
IN2に供給されている。第2の入力インダクタL
IN2は、変圧器T
FのインダクタL
TF_2に結合されている。
図4の例では、第1の入力インダクタL
IN1および第2の入力インダクタL
IN2は、入力ジョセフソン接合J
INによって分離されている。一例として、SQUID152は、磁束シャトルループ52の停止された状態に対応する+Φ
0/2の初期の磁束状態を有することができる。これにより、SFQパルスとして供給されている入力信号RQL
INに応答して、SFQパルスが第1の入力インダクタL
IN1を通して供給されて、入力ジョセフソン接合J
INをトリガして、ジョセフソン接合J
INの超伝導位相を第1の超伝導位相に設定する。次いで、入力ジョセフソン接合J
INは、第2の入力インダクタL
IN2を通して、またインダクタLT
F_2を通してSFQパルスを伝播する。このように、SFQパルスは、インダクタL
TF_3に誘導され、インダクタL
TF_3に同様に誘導されたバイアス電流I
BIASと1つになってジョセフソン接合J
Fをトリガする。その結果、SQUID152の磁束状態は、+Φ
0/2から−Φ
0/2に切り換わり、フラクソン(例えば、SFQパルス)がジョセフソン接合J
Fから放射されて、
図3の例で前述したように、インダクタL
F_2を通って磁束シャトルループ52のまわりに伝播する。したがって、SFQパルスとして供給される入力信号RQL
INは、磁束シャトルループ52を起動して、出力インダクタL
OUTのDC出力電流I
DCの振幅を増大させることが可能である。
【0033】
入力信号RQL
INをレシプロカルSFQパルスとして供給して、磁束シャトルループ52を停止することも可能である。一例として、レシプロカルSFQパルスとして、(例えば、磁束シャトルループ52のまわりに伝播しているフラクソンから位相を半クロックサイクルずらして)供給されている入力信号RQL
INに応答して、レシプロカルSFQパルスが第1の入力インダクタL
IN1を通して供給されて、入力ジョセフソン接合J
INの「トリガを解除」し、したがって、ジョセフソン接合J
INの超伝導位相を第2の超伝導位相(例えば、初期の超伝導位相)に設定する。次いで、入力ジョセフソン接合J
INは、第2の入力インダクタL
IN2を通して、またインダクタL
TF_2を通してレシプロカルSFQパルスを伝播する。このように、レシプロカルSFQパルスは、インダクタL
TF_3に誘導され、インダクタL
TF_3に同様に誘導されたバイアス電流I
BIASと1つになり、入力ジョセフソン接合J
INに関して説明した場合と同様にジョセフソン接合J
Fの「トリガを解除」する。その結果、SQUID152の磁束状態は、−Φ
0/2から+Φ
0/2に切り換わり、フラクソンに関して前述した場合と同様に、反フラクソン(例えば、レシプロカルSFQパルス)が、ジョセフソン接合J
Fから放射されて、インダクタL
F_2を通して磁束シャトルループ52のまわりに伝播する。この時点ではいずれも磁束シャトルループ52に存在するフラクソンと反フラクソンとの間の引力は、AC信号AC
IおよびAC
Qによって供給された駆動力を克服するのに十分なものになり、その結果、フラクソンおよび反フラクソンが1つになってフラクソンを実質的に瞬時に消滅させることができる。したがって、電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4が、それぞれの蓄積インダクタL
S_1、L
S_2、L
S_3、およびL
S_4を通して供給されなくなり、したがって、DC出力電流I
DCの振幅は、電流振幅(例えば、デバイス12の負荷がない状態)で維持される。それに応じて、レシプロカルSFQパルスとして供給される入力信号RQL
INは、磁束シャトルループ52を停止して、出力インダクタL
OUTのDC出力電流I
DCの振幅を維持することが可能である。
【0034】
図5は、別の例のタイミング
図200を図示する。タイミング
図200は、同相クロック信号AC
I、入力信号RQL
IN、SQUID152の磁束状態±Φ
0/2、および変化している振幅を有するように表示されたDC出力電流I
DCを表示しており、これらはすべて時間の関数としてグラフで表示されている。
図5の例についての以下の説明では、
図1〜
図4の例を参照する。
【0035】
図5の例では、SQUID152は、+Φ
0/2の初期の磁束状態(図示せず)を有する。この初期の磁束状態は、磁束シャトルループ52の停止に対応する。したがって、DC出力電流I
DCは、実質的に一定の振幅(例えば、デバイス12の負荷条件のない状態)で維持されている。同相クロック信号AC
Iのピークで起こっているものとして表示されている時間t
0において、入力信号RQL
INがSFQパルスとして供給されている。時間t
0は同相クロック信号AC
Iのピークで表示されているが、時間t
0は、同相クロック信号AC
Iの周期の他のいずれの部分でも(例えば、ゼロ交差において)起こり得ることを理解されたい。これを受けて、SFQパルスは、入力ジョセフソン接合J
INをトリガして、第2の入力インダクタL
IN2を通して、またインダクタL
TF_2を通してSFQパルスを伝播する。その結果、ジョセフソン接合J
Fは、時間t
0で図式的に表示されているように、+Φ
0/2から−Φ
0/2にSQUID152のスイッチの磁束状態を切り換えるようにトリガする。したがって、
図3の例で前述したように、フラクソン(例えば、SFQパルス)がジョセフソン接合J
Fから放射されて、インダクタL
F_2を通して磁束シャトルループ52のまわりに伝播する。それに応じて、時間t
0で始まって、磁束シャトルループ52が起動されて、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4の連続的なトリガに応じてそれぞれの蓄積インダクタL
S_1、L
S_2、L
S_3、およびL
S_4を通して連続的に供給されている電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4に基づいて、出力インダクタL
OUTのDC出力電流I
DCの振幅を増大させる。
【0036】
時間t
1において、入力信号RQL
INはレシプロカルSFQパルスとして供給されている。一例として、また、ここでさらに詳細に説明するように、同相クロック信号AC
Iの周期の数をカウントするようにカウンタ(図示せず)を構成して、所定の数の電流増分I
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4に基づいた所定の振幅分だけ、DC出力電流I
DCを増大させることが可能である。これを受けて、レシプロカルSFQパルスは、入力ジョセフソン接合J
INをトリガして、第2の入力インダクタL
IN2を通して、またインダクタL
TF_2を通してレシプロカルSFQパルスを伝播する。その結果、ジョセフソン接合J
Fはトリガを解除して、時間t
1で図式的に表示されているように、−Φ
0/2から+Φ
02にSQUID152のスイッチの磁束状態を切り換えるようにする。したがって、
図3の例で前述したように、反フラクソン(例えば、レシプロカルSFQパルス)がジョセフソン接合J
Fから放射されて、インダクタL
F_2を通して磁束シャトルループ52のまわりに伝播する。
図5の例では、入力信号RQL
INは、レシプロカルSFQパルスを供給するように、したがって同相クロック信号AC
Iの谷において、したがってフラクソンに対して位相を半クロックサイクルずらして、反フラクソンを導入するように表示されている。フラクソンと反フラクソンとの間の引力により、フラクソンおよび反フラクソンが実質的に瞬時に1つになってフラクソンを消滅させる。したがって、時間t
1で始まって、磁束シャトルループ52が停止されて、電流増分I
P1、I
P2、I
P3およびI
P4を止め、したがって、DC出力電流I
DCの一定の振幅(例えば、デバイス12の負荷がない状態)を維持する。
【0037】
同相クロック信号AC
Iのピーク(例えば、時間t
0と一致している)で起こっているものとして再び表示されている時間t
2において、入力信号RQL
INは、SFQパルスとして供給されている。これを受けて、SFQパルスは、入力ジョセフソン接合J
INをトリガして、第2の入力インダクタL
IN2を通して、またインダクタL
TF_2を通してSFQパルスを伝播する。その結果、ジョセフソン接合J
Fは、SQUID152のスイッチの磁束状態を+Φ
0/2から−Φ
0/2に切り換えるようにトリガする。したがって、
図3の例で前述したように、フラクソンがジョセフソン接合J
Fから放射されて、インダクタL
F_2を通して磁束シャトルループ52のまわりに伝播する。それに応じて、時間t
2で始まって、磁束シャトルループ52が起動されて、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4の連続的なトリガに応じて、それぞれの蓄積インダクタL
S_1、L
S_2、L
S_3、およびL
S_4を通して連続的に供給されている電流パルスI
P1、I
P2、I
P3、およびI
P4に基づいて、出力インダクタL
OUTのDC出力電流I
DCの振幅をもう一度増大させる。一例として、磁束シャトルループ52を周期的に起動して、例えばデバイス12によるDC出力電流I
DCの消費量などに応じて、DC出力電流I
DCの振幅を回復させることができる。
【0038】
ジョセフソン電流源回路50は、
図2の例に限定されるようには意図されておらず、磁束噴射器150は、
図4の例に限定されるようには意図されておらず、またジョセフソン電流源回路50の動作は、
図3および
図5の例に限定されるようには意図されていないことを理解されたい。一例として、AC入力信号は、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qとして実施されるように限定されているのではなく、これらの代わりに、単一正弦波信号とすることも可能であろう。別の例として、磁束シャトルループ52は、4つの段54、56、58、および60よりも多い数の段、または少ない数の段を含むこと、例えば、AC入力信号の正の部分および負の部分に対応するように、任意の2の倍数の段を含むことも可能であろう。加えて、
図2の例は、同相AC入力信号AC
Iおよび直角位相AC入力信号AC
Qが、それぞれの極性と逆の極性で供給されて、90
oごとの間隔でバイアス電流I
B1、I
B2、I
B3、およびI
B4を連続的に供給することを表示しているが、他の構成のAC入力信号を実施して、90
oごとの間隔でバイアス電流I
B1、I
B2、I
B3、およびI
B4を供給することが可能である。例えば、ジョセフソン電流源回路50は、互いに位相を90
oずつずらした、変圧器T
1〜T
4がすべて同じ極性を有する4つの別々のAC入力信号を実施することが可能である。さらに、DC出力電流I
DCを供給するために、例えば方形波信号および/または互いに別々の周波数を有する信号などの他の型のAC信号を実施することが可能である。さらにまた別の例として、段54、56、58、および60は、
図2の例で提供されている構成に限定されるのではなく、代わりに、ジョセフソン接合J
1およびJ
2、インダクタL
x、変圧器T
1〜T
4、および/または蓄積インダクタL
Sに対して異なる物理的構成を有することも可能であろう。さらに、磁束噴射器150は、様々な異なる方法で、フラクソンおよび反フラクソンを磁束シャトルループ52に噴射して、磁束シャトルループ52を選択的にそれぞれ起動および停止するように構成することが可能である。それに応じて、ジョセフソン電流源回路50は、様々な方法で構成することが可能である。
【0039】
図6は、一例のジョセフソン電流源回路250を図示する。ジョセフソン電流源回路250は、超伝導回路システム10のジョセフソン電流源14に対応し得る。したがって、ジョセフソン電流源回路250は、
図2の例に関して前述した場合と同様に、複数の段を含む磁束シャトルループ252を含む。
図6の例では、段は、連続的に結合されてループ構成を形成する第1の段254、第2の段256、第3の段258、および第4の段260として表示されている。ジョセフソン電流源回路250は、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qに基づいて、出力インダクタL
OUTを通してDC出力電流I
DCを生成するように構成されている。
【0040】
段254、256、258、および260は、それぞれ互いに実質的に同様に、かつ
図2の例でのジョセフソン電流源回路50の段54、56、58、および60と実質的に同様に構成されている。したがって、ジョセフソン電流源回路250の回路構成要素は、
図2の例でのジョセフソン電流源回路50の回路構成要素と同じ符号名称を有するように表示されている。しかしながら、
図2の例でのジョセフソン電流源回路50とは対照的に、ジョセフソン電流源回路250は、第1の磁束噴射器262および第2の磁束噴射器264を含む。第1の段254および第2の段256は、第1の磁束噴射器262によって相互に接続されており、第2の段256および第3の段258は、インダクタL
X_1によって相互に接続されており、第3の段258および第4の段260は、第2の磁束噴射器264によって相互に接続されており、第4の段260および第1の段254は、インダクタL
X_3によって相互に接続されている。ここで説明するように、第1の磁束噴射器262および第2の磁束噴射器264の動作に基づいて、ジョセフソン電流源回路250は、バイポーラジョセフソン電流源として動作して、DC出力電流I
DCの振幅を選択的に増減させることが可能である。
【0041】
第1の磁束噴射器262および第2の磁束噴射器264は、それぞれ
図4の例での磁束噴射器150と実質的に同様に構成することが可能であり、バイアス電流I
BIASを受け取るように、それぞれ表示されている。第1の磁束噴射器262は、入力信号RQL
IN1を受信し、第2の磁束噴射器264は、入力信号RQL
IN2を受信する。入力信号RQL
IN1およびRQL
IN2をそれぞれ供給して、磁束シャトルループ252を選択的に起動および停止することが可能である。一例として、入力信号RQL
IN1およびRQL
IN2は、それぞれ磁束シャトルループ252を起動することが可能なSFQパルスとして、または停止することが可能なレシプロカルSFQパルスとして、供給することが可能である。しかしながら、磁束噴射器264は、関連したSQUID(例えば、SQUID152)の初期の磁束状態を有するように配置することが可能である。この磁束状態は、磁束噴射器262の関連したSQUIDの磁束状態と逆である。
【0042】
したがって、SFQパルスとして供給されている入力信号RQL
IN1に応答して、第1の磁束噴射器262の磁束状態を逆転して、フラクソンを磁束シャトルループ252に導入して、磁束シャトルループ252を起動させて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させることが可能である。同様に、レシプロカルSFQパルスとして供給されている入力信号RQL
IN1に応答して、磁束状態を再び逆転させて、反フラクソンをフラクソンと同じ方向に磁束シャトルループ252に導入して、磁束シャトルループを停止して、DC出力電流I
DCの振幅を維持することが可能である。しかしながら、第2の磁束噴射器264が第1の磁束噴射器262に対して逆の構成であることに基づいて、第2の磁束噴射器264は、磁束シャトルループ252を起動して、DC出力電流I
DCの振幅を減少させるように構成することが可能である。例えば、磁束シャトルループ252が停止されている間、SFQパルスとして供給されている入力信号RQL
IN2に応答して、第2の磁束噴射器264の磁束状態を(例えば、磁束状態−Φ
0/2から磁束状態+Φ
0/2に)逆転させて、反フラクソンを磁束シャトルループ252に導入して、磁束シャトルループ252を起動して、DC出力電流I
DCの振幅を減少させることが可能である。同様に、(例えば、反フラクソンから位相を半クロックサイクルずらして)レシプロカルSFQパルスとして供給されている入力信号RQL
IN2に応答して、磁束状態を(例えば、磁束状態+Φ
0/2から磁束状態−Φ
0/2に)再び逆転させて、フラクソンを反フラクソンと同じ方向に磁束シャトルループ252に導入することにより、フラクソンと反フラクソンとの間の引力によりフラクソンおよび反フラクソンを互いに消滅させるようにして、磁束シャトルループを停止して、DC出力電流I
DCの振幅を維持することが可能である。
【0043】
図7は、一例のジョセフソン電流源システム300を図示する。一例として、超伝導回路システム300は、メモリまたは処理システムなど、様々な量子コンピューティング用途または古典的コンピューティング用途のいずれでも実施することが可能である。超伝導回路システム300は、
図7の例では、出力インダクタL
OUTを介して供給されるDC出力電流I
DCとして表示された、DC出力電流を生成するように構成されている。一例として、DC出力電流I
DCは、例えば出力インダクタL
OUTへの誘導結合に基づいて、デバイス(例えば、デバイス12)を駆動するような電力信号として、またはドライバ信号として供給することが可能である。
【0044】
ジョセフソン電流源システム300は、ジョセフソン電流源302を含む。ジョセフソン電流源302は、クロック信号ACに応答してDC出力電流I
DCを生成するように構成されている。クロック信号ACは、ジョセフソン電流源システム300と関連付けられたクロック信号に対応し得る。一例として、クロック信号ACは、実質的に一定の周波数(例えば、およそ10GHz)および低振幅のAC電流を有する、RQL超伝導回路に適用可能であるような正弦波形とすることができる。ジョセフソン電流源302は、磁束シャトルループ304と、第1の磁束噴射器306と、第2の磁束噴射器308とを含む。したがって、ジョセフソン電流源302は、
図6の例でのジョセフソン電流源250と実質的に同様に構成することが可能である。それに応じて、
図6の例で前述した場合と同様に、ジョセフソン電流源302を実施して、DC出力電流I
DCの振幅を選択的に増減させることにより、DC出力電流I
DCの振幅を制御することが可能である。
【0045】
図7の例では、ジョセフソン電流源システム300は、コントローラ310も含む。コントローラ310は、第1の入力信号RQL
IN1および第2の入力信号RQL
IN2を生成して、磁束シャトルループ304を選択的に起動および停止して、DC出力電流I
DCの振幅を制御するように構成されている。コントローラ310は、DC出力電流I
DCの所望の振幅に対応する値を有するデジタル信号DCを受信するように構成された電流レジスタ312を含む。電流レジスタ312は、このようにデジタル信号DCの値を蓄積することが可能である。一例として、電流レジスタ312は、DC出力電流I
DCの現在の振幅と、デジタル信号DCによって示された所望の振幅との間の差異を識別するように構成することが可能であり、それにより、DC出力電流I
DCの振幅を増減させて、デジタル信号DCの値と等しくなるようにすることが必要かどうかを識別するように電流レジスタ312を構成することができる。電流レジスタ312は、このように、差異信号DIFFをカウンタ314に供給することが可能である。なおこの差異信号DIFFは、DC出力電流I
DCの現在の振幅と、デジタル信号DCによって示された所望の振幅との間の差異に対応する。加えて、電流レジスタ312は、スイッチ信号SWをスイッチ316に供給することが可能である。スイッチ316は、第1のRQLラッチ318と第2のRQLラッチ320との間で選択を行うように構成され、第1のRQLラッチ318は第1の入力信号RQL
IN1を、および第2のRQLラッチ320は第2の入力信号RQL
IN2を生成するようにそれぞれ構成されている。
【0046】
したがって、
図2の例でジョセフソン電流源252に関して前述した場合と同様に、電流レジスタ312は、スイッチ信号SWを介してスイッチ316を有効にして、ジョセフソン電流源302の磁束シャトルループ304を選択的に起動して、DC出力電流I
DCを増減させるように構成することが可能である。例えば、スイッチ信号SWを介して、スイッチ316は、第1のRQLラッチ318を有効にして、第1の入力信号RQL
IN1をSFQパルスとして供給して、第1の磁束噴射器306を介して磁束シャトルループ304を起動して、DC出力電流I
DCを増大させることが可能である。スイッチ316は、第1のRQLラッチ318を有効にして、第1の入力信号RQL
IN1をレシプロカルSFQパルスとして供給して、第1の磁束噴射器306を介して磁束シャトルループ304を停止して、スイッチ信号SWを介してDC出力電流I
DCを静止した振幅で維持することも可能である。同様に、スイッチ信号SWを介して、スイッチ316は、第2のRQLラッチ320を有効にして、第2の入力信号RQL
IN2をSFQパルスとして供給して、第2の磁束噴射器308を介して磁束シャトルループ304を起動して、DC出力電流I
DCを減少させることが可能である。スイッチ316は、第2のRQLラッチ320を有効にして、第2の入力信号RQL
IN2をレシプロカルSFQパルスとして供給して、第2の磁束噴射器308を介して磁束シャトルループ304を停止して、スイッチ信号SWを介してDC出力電流I
DCを静止した振幅で維持することも可能である。
【0047】
カウンタ314は、クロック信号ACのクロックサイクルをカウントし、かつ第1のRQLラッチ318および第2のRQLラッチ320を起動して、差異信号DIFFに基づいて、DC出力電流I
DCの振幅の増減を制御するように構成することが可能である。
図7の例では、カウンタ314は、トリガ信号TRGをスイッチ316に供給して、第1のRQLラッチ318および第2のRQLラッチ320を起動して、クロック信号ACのクロックサイクルごとに、クロック信号ACのサイクルのカウントに基づき、かつ出力インダクタL
OUTに、または出力インダクタL
OUTから供給される電流増分の所定の振幅に基づいて適切な時間にわたり、それぞれの第1の入力信号RQL
IN1および第2の入力信号RQL
IN2を供給するように構成されている。したがって、カウンタ314は、第1の入力信号RQL
IN1および第2の入力信号RQL
IN2を介して供給されるSFQパルスおよびレシプロカルSFQパルスを開始するタイミングを制御して、磁束シャトルループ304を選択的に起動および停止して、差異信号DIFFに基づいて、DC出力電流I
DCの振幅をデジタル信号DCの値とほぼ等しくなるように設定することが可能である。
【0048】
それに応じて、ジョセフソン電流源回路250およびジョセフソン電流源システム300は、プログラム可能な電流源をそれぞれ示しており、それらは、単一磁束シャトルループ(例えば、磁束シャトルループ252および304)を用いて、DC出力電流I
DCの振幅を増大させるために、フラクソンを磁束シャトルループ252および304に、また、DC出力電流I
DCの振幅を減少させるために、反フラクソンを磁束シャトルループ252および304に、選択的に供給することにより、DC出力電流I
DCの振幅を増大させること、および減少させることの両方の能力を提供することによって、DC出力電流I
DCの完全な振幅制御を可能にしている。ここでさらに詳細に説明するように、ジョセフソン電流源システムは、別々の磁束シャトルループをそれぞれ実施して、DC出力電流I
DCの完全な振幅制御を実施し、それにより、別々の磁束噴射器(例えば、磁束噴射器262および264)間で起こり得るクロストークを軽減することなどができる。
【0049】
図8は、一例のジョセフソン電流源システム350を図示する。一例として、超伝導回路システム350は、メモリまたは処理システムなど、様々な量子コンピューティング用途および古典的コンピューティング用途のいずれでも実施することが可能である。超伝導回路システム350は、
図8の例では、出力インダクタL
OUTを介して供給されるDC出力電流I
DCとして表示されたDC出力電流を生成するように構成されている。一例として、DC出力電流I
DCは、例えば出力インダクタL
OUTへの誘導結合に基づいて、デバイス(例えば、デバイス12)を駆動するような電力信号として、またはドライバ信号として供給することが可能である。
【0050】
ジョセフソン電流源システム350は、第1のジョセフソン電流源352および第2のジョセフソン電流源354を含み、それらは、出力インダクタL
OUTの両側にそれぞれ結合されている。このため、第1のジョセフソン電流源352および第2のジョセフソン電流源354は、クロック信号ACに応答して、DC出力電流I
DCを生成するように構成されている。クロック信号ACは、ジョセフソン電流源システム350と関連付けられたクロック信号に対応し得る。一例として、クロック信号ACは、実質的に一定の周波数(例えば、およそ10GHz)および低振幅のAC電流を有する、RQL超伝導回路に適用可能であるような正弦波形とすることができる。第1のジョセフソン電流源352は、磁束シャトルループ356および磁束噴射器358を含む。また、第2のジョセフソン電流源354は、磁束シャトルループ360および磁束噴射器362を含む。したがって、第1のジョセフソン電流源352および第2のジョセフソン電流源354は、それぞれ
図2の例でのジョセフソン電流源50と実質的に同様に構成することが可能である。それに応じて、ジョセフソン電流源352および354をそれぞれ実施して、DC出力電流I
DCの振幅を単一方向に制御することが可能である。しかしながら、出力インダクタL
OUTに対する第1のジョセフソン電流源352および第2のジョセフソン電流源354の構成に基づいて、
図2の例で前述した場合と同様に、第1のジョセフソン電流源352は、DC出力電流I
DCの振幅を増大させるように構成することが可能であり、第2のジョセフソン電流源354は、DC出力電流I
DCの振幅を減少させるように構成することが可能である。
【0051】
図8の例では、ジョセフソン電流源システム350は、
図7の例でのコントローラ310と実質的に同様に構成されたコントローラ364も含む。
図7の例で前述した場合と同様に、コントローラ364は、電流レジスタ366と、カウンタ368と、スイッチ370と、第1のRQLラッチ372と、第2のRQLラッチ374とを含む。電流レジスタ366は、デジタル信号DCの値を蓄積し、差異信号DIFFをカウンタ368に供給する。加えて、電流レジスタ366は、スイッチ信号SWをスイッチ370に供給して、第1のRQLラッチ372を有効にするか、第2のRQLラッチ374を有効にするかの間で選択を行う。例えば、スイッチ信号SWおよびトリガ信号TRGに応答して、スイッチ370は、磁束噴射器358を介して磁束シャトルループ356を起動して、第1のRQLラッチ372からSFQパルスとして供給される第1の入力信号RQL
IN1を介して、DC出力電流I
DCを増大させることが可能である。同様に、スイッチ370は、磁束噴射器358を介して磁束シャトルループ356を停止して、第1のRQLラッチ372からレシプロカルSFQパルスとして供給される第1の入力信号RQL
IN1を介して、DC出力電流I
DCを維持することが可能である。加えて、スイッチ信号SWおよびトリガ信号TRGに応答して、スイッチ370は、磁束噴射器362を介して磁束シャトルループ360を起動して、第2のRQLラッチ374からSFQパルスとして供給される第2の入力信号RQL
IN2を介して、DC出力電流I
DCを減少させることが可能である。同様に、スイッチ370は、磁束噴射器362を介して磁束シャトルループ360を停止して、第1のRQLラッチ372からレシプロカルSFQパルスとして供給される第2の入力信号RQL
IN2を介して、DC出力電流I
DCを維持することが可能である。
【0052】
それに応じて、ジョセフソン電流源システム350で実施されているジョセフソン電流源回路50の対は、プログラム可能な電流源を供給しており、それらは、複数の磁束シャトルループ(例えば、磁束シャトルループ52の対)を用いて、DC出力電流I
DCの振幅をそれぞれ増減させるために、フラクソンをそれぞれの磁束シャトルループ52に、また、DC出力電流I
DCの振幅を維持するために、反フラクソンを磁束シャトルループ52に、選択的に供給することにより、DC出力電流I
DCの振幅を増大させること、および減少させることの両方の能力を提供にすることによって、DC出力電流I
DCの完全な振幅制御を可能にしている。その結果、別々の磁束噴射器間のクロストークを大幅に軽減することが可能である。
【0053】
図2および
図6の例で表示されているように、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qは、変圧器T
1、T
2、T
3、およびT
4の一次巻線L
1_1、L
1_2、L
1_3、およびL
1_4をそれぞれ通過するように、表示されている。しかしながら、例えば、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qを複数のジョセフソン電流源用に供給して、複数のデバイス用にDC出力電流を生成することなどが可能である。
図9は、一例の超伝導回路システム400を図示する。一例として、超伝導回路システム400は、メモリまたは処理システムなど、様々な量子コンピューティング用途および古典的コンピューティング用途のいずれでも実施することが可能である。超伝導回路システム400は、複数のN個のデバイス402を含む。この場合、Nは正の整数である。デバイス402は、それぞれAC入力信号に基づいて、
図9の例では、それぞれのDC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nとして表示されている、それぞれのDC出力電流を受け取る。一例として、DC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nは、デバイス402を駆動する電力信号またはドライバ信号として供給することが可能である。例えば、デバイス402は、それぞれメモリセルのアレイに書き込み電流および読み出し電流を供給するようなそれぞれのメモリドライバに対応し得る。
【0054】
超伝導回路システム400は、DC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nを生成するように構成されたそれぞれの複数のジョセフソン電流源404も含む。
図9の例では、AC入力信号は、
図2、
図3および
図6の例で表示されているように、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qとして表示されている。一例として、ジョセフソン電流源404は、それぞれ
図2の例でのジョセフソン電流源回路50、もしくは
図6の例でのジョセフソン電流源回路250と実質的に同様に構成するか、または
図7および
図8のそれぞれの例でのジョセフソン電流源システム300および350の1つとして構成することが可能である。したがって、ジョセフソン電流源404は、それぞれ4つの段を含む少なくとも1つの磁束シャトルループを含むことが可能である。4つの段は、それぞれ実質的に同一に構成され、ループのまわりにフラクソンを伝播して、それぞれの出力インダクタを介して、それぞれのDC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nにまとめられる電圧パルスを生成する。
【0055】
ジョセフソン電流源404は、それぞれ少なくとも1つの入力信号RQL
IN_1〜RQL
IN_Nを受け取る(例えば、それぞれ第1の入力信号RQL
IN1および第2の入力信号RQL
IN2を含んでいる)ようにも表示されており、それらをジョセフソン電流源404に供給して、ジョセフソン電流源404の動作を制御して、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
QをDC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nに変換することが可能である。したがって、ジョセフソン電流源404は、それぞれ別々に起動および停止することが可能であり、それにより、ジョセフソン電流源404が独立して制御されて、別々の振幅のDC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nを供給することができる。加えて、ジョセフソン電流源404は、
図9の例では並列に配置されているが、代わりに、ジョセフソン電流源404を直列に配置して、スルーレート(slew rate)が向上した単一DC出力電流をまとめて生成することなどが可能であることを理解されたい。
【0056】
したがって、前述した場合と同様に、ジョセフソン電流源404を動作させて、同相クロック信号AC
Iおよび直角位相クロック信号AC
Qに基づいて、DC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nを電力効率良く、かつ独立した制御で生成することが可能である。ジョセフソン電流源404は、それぞれのDC出力電流I
DC_1〜I
DC_Nをデバイス402に供給するために、電圧パルスを介して電力を損失するのみであり、その結果、ジョセフソン電流源404のそれぞれにおいて、磁束シャトルループのまわりに伝播しているフラクソンを維持するために追加の電力を損失することがない。加えて、ジョセフソン電流源404は、典型的な抵抗に基づいたDC電源とは対照的に、静止電力損失から実質的に熱を発生する可能性がない。それに応じて、ジョセフソン電流源404は、超伝導回路システム400で効率的かつ効果的に動作することが可能である。
【0057】
上記で説明した前述の構造的および機能的特徴を考慮して、本発明の様々な態様に従う方法が、
図10を参照して、より良く認識されるであろう。説明を簡単にするために、
図10の方法は順次に実行されるものとして示され記載されるが、本発明は図示された順序によって限定されるのではなく、いくつかの態様は、本発明に従って、異なる順序で、かつ/または本明細書に示され記載されるのとは別の態様と同時に起こり得ることを理解および認識されたい。さらに、図示された特徴のすべてが、本発明の一態様に従う方法を実施するために必要とされるわけではないことがあり得る。
【0058】
図10は、DC出力電流(例えば、DC出力電流I
DC)の振幅を制御するための一例の方法450を図示する。452において、第1のSFQパルスが、(例えば、入力信号RQL
INを介して)第1の磁束噴射器(例えば、磁束噴射器306および358の1つ)に供給されて、AC入力信号(例えば、クロック信号AC)に基づいた複数のジョセフソン接合(例えば、ジョセフソン接合J
1_1、J
2_1、J
1_2、J
2_2、J
1_3、J
2_3、J
1_4、およびJ
2_4)の連続的なトリガを介して、少なくとも1つの磁束シャトルループ(例えば、磁束シャトルループ252または磁束シャトルループ52)のまわりに伝播する第1のフラクソンを生成して、出力インダクタ(例えば、出力インダクタL
OUT)のDC出力電流の振幅を増大させる。454において、第1のレシプロカルSFQパルスが、(例えば、入力信号RQL
INを介して)第1の磁束噴射器に供給されて、第1のフラクソンを実質的に打ち消す第1の反フラクソンを生成して、DC出力電流の振幅を維持する。456において、第2のSFQパルスが、(例えば、入力信号RQL
INを介して)第2の磁束噴射器(例えば、磁束噴射器308および362の1つ)に供給されて、AC入力信号に基づいた複数のジョセフソン接合の連続的なトリガを介して、少なくとも1つの磁束シャトルループのまわりに伝播する第2のフラクソンを生成して、出力インダクタのDC出力電流の振幅を減少させる。458において、第2のレシプロカルSFQパルスが、(例えば、入力信号RQL
INを介して)第2の磁束噴射器に供給されて、第2のフラクソンを実質的に打ち消す第2の反フラクソンを生成して、DC出力電流の振幅を維持する。
【0059】
上記で説明されたものは、本発明の例である。当然ながら、本発明を説明するために構成要素または方法のすべての考えられる組み合わせを記載することは不可能であるが、当業者であれば、本発明の多くのさらなる組み合わせおよび置換が可能であることがわかるであろう。それに応じて、本発明は、添付の特許請求の範囲を含む本出願の範囲内に含まれるすべてのそのような変更形態、修正形態、および変形形態を包含するように意図されている。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
ジョセフソン電流源システムであって、
磁束シャトルループであって、前記磁束シャトルループのまわりに間隔を隔てて配置された複数のジョセフソン接合を含み、かつ起動されると、誘導的に結合されるAC入力信号に応答して、前記磁束シャトルループまわりの前記複数のジョセフソン接合を連続的にトリガして、出力インダクタを介して供給されるDC出力電流を生成するように構成される前記磁束シャトルループと、
第1の磁束状態および第2の磁束状態のうちの1つを有する超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を含む磁束噴射器であって、単一磁束量子(SFQ)パルスに応答して前記第1の磁束状態から前記第2の磁束状態に変わり、前記磁束シャトルループを起動して、前記DC出力電流の振幅を増大させるように構成され、レシプロカルSFQパルスに応答して前記第2の磁束状態から前記第1の磁束状態に変わり、前記磁束シャトルループを停止して、前記DC出力電流の振幅を維持するようにさらに構成される磁束噴射器と
を含むジョセフソン電流源システム。
[付記2]
前記SQUIDが、前記磁束シャトルループの一部を形成するSQUIDジョセフソン接合を含み、前記磁束噴射器が、DCバイアス電流を伝播するように構成される第1のインダクタと、前記第1のインダクタと磁気的に結合され、かつ前記SFQパルスおよび前記レシプロカルSFQパルスを伝播するように構成される第2のインダクタと、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタと磁気的に結合され、かつ前記SQUIDの一部を形成する第3のインダクタとを含む変圧器をさらに含み、それにより、前記SQUIDジョセフソン接合が、前記SFQパルスおよび前記レシプロカルSFQパルスに応答して、それぞれ前記磁束シャトルループを起動および停止するようにトリガする、付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記磁束シャトルループが、前記AC入力信号の個々の位相とそれぞれ関連付けられた複数の段を含み、前記複数の段のそれぞれが、前記複数の段の個々の1つを前記出力インダクタと相互に接続する蓄積インダクタを含み、かつ電流増分を前記出力インダクタに供給して、前記複数のジョセフソン接合の前記連続的なトリガに応じて、前記DC出力電流を増大させるように構成され、前記複数の段の1つが前記磁束噴射器を含み、それにより、前記第3のインダクタが、前記複数の段の個々の1つと関連付けられた前記蓄積インダクタとして構成される、付記2に記載のシステム。
[付記4]
前記磁束噴射器が第1の磁束噴射器であり、該第1の磁束噴射器は、それぞれ第1のSFQパルスおよび第1のレシプロカルSFQパルスに応答して前記磁束シャトルループを選択的に起動および停止して、前記磁束シャトルループが前記第1の磁束噴射器によって起動されると、前記磁束シャトルループのまわりの前記複数のジョセフソン接合の連続的なトリガに基づいて前記DC出力電流の振幅を選択的に増大させるように構成され、前記システムが、第2の磁束噴射器をさらに備え、該第2の磁束噴射器は、それぞれ第2のSFQパルスおよび第2のレシプロカルSFQパルスに応答して前記磁束シャトルループを選択的に起動および停止して、前記磁束シャトルループが前記第2の磁束噴射器によって起動されると、前記磁束シャトルループのまわりの前記複数のジョセフソン接合の連続的なトリガに基づいて前記DC出力電流の振幅を選択的に減少させるように構成される、付記1に記載のシステム。
[付記5]
付記1に記載のジョセフソン電流源システムを備える超伝導電流源であって、前記ジョセフソン電流源システムが、前記磁束シャトルループの起動に応じて、前記DC出力電流の振幅を増大させるように構成され、前記超伝導電流源が、
プログラム可能な電流レジスタに応じて前記DC出力電流の振幅を設定し、かつ前記ジョセフソン電流源システムと関連付けられた第1のSFQパルスおよび第1のレシプロカルSFQパルス、ならびに第2のSFQパルスおよび第2のレシプロカルSFQパルスを生成するように構成されるコントローラと、
第2のジョセフソン電流源システムであって、
前記AC入力信号と誘導的に結合される第2の磁束シャトルループであって、前記第2の磁束シャトルループのまわりに間隔を隔てて配置された第2の複数のジョセフソン接合を含み、かつ起動されると、前記AC入力信号に応答して、前記第2の磁束シャトルループのまわりの前記第2の複数のジョセフソン接合を連続的にトリガして、前記出力インダクタを介して供給される前記DC出力電流を減少させるように構成される第2の磁束シャトルループと、
第2のSQUIDを含む第2の磁束噴射器であって、前記第2のSFQパルスおよび前記第2のレシプロカルSFQパルスに応答して、前記第2の磁束シャトルループを選択的に起動および停止するように構成される第2の磁束噴射器とを含む第2のジョセフソン電流源システムと
をさらに備える超伝導電流源。