(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択情報に基づいて算出された、前記複数の画像の各々が表示された商品画面を選択してから複数の前記商品に対応する商品情報が表示された初期画面を選択するまでの時間を、前記商品画面に表示された前記複数の画像に対応する前記商品の表示時間として更新し、前記商品の表示時間が、ユーザが前記複数の画像の各々に関連付けられた前記商品を注目して閲覧するのに要する時間として規定された第2の時間未満である場合には第3の回数を更新し、前記商品の表示時間が前記第2の時間以上である場合には第4の回数を更新して、前記第3の回数及び前記第4の回数を加算した合計回数に対する前記第4の回数の割合である前記商品の閲覧率を前記商品毎に算出し、
前記画像の表示回数の合計として表される前記商品の表示回数、前記商品の閲覧率、及び前記画像の枚数の値と、ユーザに対する前記商品の適合度合いを示す選定値と、に基づいて、前記商品毎に前記商品に対するユーザの注目度合いを示す商品評価点を算出し、前記商品評価点に基づいて前記初期画面における前記商品情報の表示方法を変更する
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0015】
従来のレコメンド技術では、ユーザに適合する商品を表示する際、ユーザの商品購入履歴、商品検索履歴、商品に関するアンケート、年齢や性別等の個人情報など、ユーザが画面に表示される入力フォーム等に意図的に入力した情報(特定情報)が利用される。
【0016】
しかしながら、例えば、商品販売サイトにおいてユーザが商品を検討する際、ユーザにとって気になる商品の画像(商品画像)が画面に表示された場合、その商品画像の表示時間は無意識に長くなる傾向が見られる。
【0017】
また、注目した商品に複数の画像が例えばサムネイル形式で用意されている場合、ユーザは複数の画像から、ユーザにとって商品の特徴をより表していると感じられる画像を選択すると共に、そのような画像は他の画像より長く表示する傾向が見られる。
【0018】
こうした商品の画像表示に関する情報は、ユーザの商品に対する嗜好を示す有益な情報であるにもかかわらず、従来のレコメンド技術に利用されていない。
【0019】
そこで、本実施形態では、1つの商品に対して複数の画像が用意される場合に、画像毎に画像表示に関する情報を取得し、当該情報に基づいて商品に対する複数の画像の表示方法を変更し、商品への注目度を向上させる手法について説明する。
【0020】
図1に、本実施形態に係るシステムの全体構成を示す。
【0021】
図1に示すように、本システムはユーザ端末1及びサーバ2を含み、各々が通信回線3に接続される。なお、
図1には、ユーザ端末1が1台しか記載されていないが、通信回線3には複数のユーザ端末1が接続されている。また、サーバ2も1台しか記載されていないが、通信回線3に複数のサーバ2が接続されていてもよい。
【0022】
また、
図2は、ユーザ端末1に表示される画面の一例を示した図である。
【0023】
サーバ2は、ユーザ端末1からの初期画面取得リクエストに対して、
図2に示す初期画面を表示するための画面データを、通信回線3を介してユーザ端末1に送信する。
【0024】
初期画面には、商品を表す商品情報、例えば商品の画像が商品毎に表示される。なお、
図2の初期画面には商品A〜商品Eで表される複数の商品の画像が表示されているが、初期画面に表示される商品数はこれに限らず、例えば、単一の商品が表示されるものであってもよい。また、商品情報は、商品を特定するための情報であればどのようなものであってもよく、例えば、商品名等の文字情報であってもよい。
【0025】
ユーザが初期画面に表示される商品を選択した場合、ユーザ端末1は、選択した商品に関連付けられた識別子(ID:identification)をサーバ2に送信する。サーバ2は、受信したIDに基づいて、IDに対応した商品の画像が複数表示された商品画面を表示するための画面データをユーザ端末1へ送信する。
【0026】
例えば、ユーザが初期画面で商品Cを選択した場合、商品Cの画像が複数表示された商品画面がユーザ端末1に表示される。
図2の商品画面の例では、商品Cに対して画像C1〜画像C4までの4枚の画像が表示される。
【0027】
この際、商品画面に表示される商品の画像の各々の位置及び大きさは、サーバ2で実行される後述する表示制御処理で決定される。表示制御処理では、例えば、選択された商品を表す商品の画像のうち、最もユーザの注目度が高い画像を代表画像4とし、代表画像4以外の画像をサブ画像5とする。そして、代表画像4は、複数ある商品の画像の中から選択された商品を代表する画像として、サブ画像5の表示サイズより大きいサイズで表示される。なお、代表画像4の表示方法はこれに限られず、例えば、代表画像4をサブ画像5が表示される領域と異なる位置に表示したり、代表画像4を枠で囲ったりすることで、代表画像4と、サブ画像5と、を区別して表示するようにしてもよい。
【0028】
一方、ユーザは選択した商品とは異なる別の商品の画像を見る場合には、例えば商品画面に設けられた図示しない「戻る」ボタン等の画面を遷移させるためのアイテムを選択する。この際、ユーザ端末1は、初期画面に関連付けられたIDをサーバ2に送信する。サーバ2は、受信したIDに基づいて、初期画面を表示するための画面データをユーザ端末1へ送信する。以上の処理によりユーザ端末1に初期画面が表示され、ユーザは他の商品の画像を選択することができるようになる。
【0029】
なお、初期画面において商品を選択することは、当該商品の代表画像4を選択することであり、商品画面において「戻る」ボタンを選択することは、代表画像4の選択を終了することであるともいえる。
【0030】
また、ユーザが商品画面に表示されたサブ画像5を選択した場合、ユーザ端末1は、選択したサブ画像5に関連付けられたIDをサーバ2へ送信する。そして、サーバ2は、受信したIDに基づいて、選択したサブ画像5を拡大した画像である拡大画像6のデータをユーザ端末1へ送信する。
【0031】
例えば、ユーザが画像C2のサブ画像5を選択した場合、画像C2のサブ画像5を拡大表示した拡大画像6がユーザ端末1に表示される。
【0032】
一方、ユーザが拡大画像6を選択した場合、ユーザ端末1は、選択した拡大画像6に関連付けられたIDをサーバ2へ送信する。そして、サーバ2は、受信したIDに基づいて、選択した拡大画像6の縮小画像であるサブ画像5のデータをユーザ端末1へ送信する。以上の処理により拡大画像6は元のサブ画像5に戻る。
【0033】
なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、拡大画像6表示中は、表示される拡大画像6のみ選択可能であるものとして話を進める。また、本実施形態では、扱う商品を商品A〜商品Eの5つとし、商品毎に用意される商品の画像の枚数を4枚までとして説明するが、商品の数及び用意される商品の画像の枚数共、これらの値に限定されないことは言うまでもない。
【0034】
図3には、本実施形態に係るサーバ2が示されている。なお、サーバ2は、開示の技術の表示制御装置の一例である。
【0035】
サーバ2は、取得部10、変更部20、算出部30、送信部40、商品表示実績情報記憶部90、及び表示情報記憶部92を含む。
【0036】
取得部10は、画像を選択した際にユーザ端末1から通知される選択情報12、すなわちIDを取得する。そして、取得部10は、IDの値に応じて受信したIDの通知先を振り分ける。具体的には、商品画面の表示を要求するIDの場合には変更部20へIDを通知し、それ以外のIDの場合には、算出部30へIDを通知する。
【0037】
算出部30は、取得部10から通知されるIDの値及びIDの通知間隔に基づいて、各商品の画像毎の表示回数及び表示時間を算出する。
【0038】
例えば、算出部30は、拡大画像6を要求するIDが通知された際に、拡大画像6が要求された商品のサブ画像5の表示回数を1回増加し、商品表示実績情報記憶部90へ記憶する。
【0039】
また、算出部30は、サブ画像5の拡大画像6を要求するIDが通知されてから、元のサブ画像5の表示を要求するIDが通知されるまでの時間、すなわち拡大画像6を表示してから閉じるまでの時間を算出する。そして、算出部30は、算出した時間を、拡大表示が行われたサブ画像5の表示時間とする。
【0040】
一方、算出部30は、商品画面の表示を要求するIDが通知されてから初期画面の表示を要求するIDが通知されるまでの間に、サブ画像5の拡大画像6を要求するIDが通知されなかった場合に、商品画面の代表画像4の表示回数を1回増加する。そして、算出部30は、商品画面の代表画像4の表示回数を、商品表示実績情報記憶部90へ記憶する。
【0041】
また、算出部30は、商品画面に表示された代表画像4の表示回数を1回増加する場合に、商品画面の表示を要求するIDが通知されてから初期画面の表示を要求するIDが通知されるまでの時間を算出する。そして、算出部30は、算出した時間を商品画面に表示された代表画像4の表示時間とする。
【0042】
図4は、商品表示実績情報記憶部90に記憶される、表示回数テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0043】
図4に示すように、画像の表示回数は商品毎及び画像毎に記憶される。
図4の例では、商品Aの画像1の表示回数は65回、商品Aの画像2の表示回数は92回、商品Aの画像3の表示回数は58回、商品Aの画像4の表示回数は73回であることが示されている。また商品Aの画像1〜画像4の表示回数を合計した値が、商品Aの表示回数として示される。なお、用意された画像の枚数が4枚に満たない商品の場合、存在しない画像の表示回数は「画像なし」と設定され、0回として扱われる。
【0044】
図5は、商品表示実績情報記憶部90に含まれる、画像に対するユーザの注目率を表した画像じっくり視率テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0045】
ここで、画像に対するユーザの注目率とは、ユーザが画像に対してどの程度関心を持って閲覧したかを示す指標であり、算出部30が画像の表示時間に基づいて算出する指標である。
【0046】
ユーザが画像を閲覧し、商品の特徴を把握するために必要と考えられる時間Tsを予め定めておき、算出部30は、画像の表示時間が時間Ts未満である場合の回数をTs未満欄に記憶し、画像の表示時間が時間Ts以上である場合の回数をTs以上欄に記憶する。そして、Ts未満欄の回数をN1、Ts以上欄の回数をN2とした場合(N1及びN2は0以上の整数)、算出部30は、(N1+N2)を合計欄に記憶すると共に、N2/(N1+N2)をじっくり視率欄に記憶する。
【0047】
換言すれば、画像のじっくり視率とは ユーザが画像を表示した場合に時間Ts以上継続して表示した回数の割合を示した指標であり、画像に対するユーザの注目率を表した指標ということができる。なお、画像のじっくり視率は、画像の閲覧率の一例である。
【0048】
表示情報記憶部92には、初期画面及び商品画面のレイアウト等が記述された画面データや、商品の画像データが記憶される。算出部30は、取得部10から通知されるIDに応じて、IDに対応した画面データ又は画像データを送信部40に通知する場合、該当するデータを表示情報記憶部92から取得して、送信部40に通知する。
【0049】
変更部20は、取得部10から商品画面の表示を要求するIDを通知された場合に、要求された商品画面に表示する各々の画像の評価点を算出し、評価点に基づいて商品画面における画像の表示方法を変更する。具体的には、変更部20は、要求された商品画面に表示する画像のうち、最も評価点が高い画像が代表画像4として表示され、他の画像がサブ画像5として表示されるように、表示情報記憶部92から取得した商品画面の画面データを変更する。
【0050】
画像の評価点は、商品表示実績情報記憶部90に記憶される画像の表示回数と画像のじっくり視率との積によって算出される。具体的には、例えば商品Aの商品画面が要求されている場合、
図4及び
図5の例に従えば、商品Aの画像1の評価点は40.3となる。同様に、商品Aの画像2の評価点は30.36、商品Aの画像3の評価点は23.78、商品Aの画像4の評価点は61.32となる。従って、変更部20は、商品Aの商品画面において画像4が代表画像4、画像1〜画像3がサブ画像5となるように、商品画面の画面データを変更する。
【0051】
なお、本実施形態では、画像の評価点を画像の表示回数と画像のじっくり視率との積によって算出したが、例えば画像の表示回数及び画像のじっくり視率の少なくとも一方に基づいて画像の評価点を算出してもよい。
【0052】
そして、変更部20は、取得部10から通知された商品画面の表示を要求するIDを、算出部30に通知すると共に、変更した商品画面の画面データを送信部40に通知する。
【0053】
送信部40は、変更部20及び算出部30から通知された画面データ又は画像データを、通信回線3を介してユーザ端末1へ送信する。なお、画面データ又は画像データを、表示データ42と称す場合がある。
【0054】
こうしたサーバ2での表示制御処理により、初期画面において商品を選択した際、商品の画像の中で、より注目度の高い画像が代表画像として優先的に表示される。なお、商品表示実績情報記憶部90に記憶される表示回数テーブル及び画像じっくり視率テーブルの内容は、複数のユーザ端末1からの選択情報12に基づいて更新される。
【0055】
以上に説明したサーバ2は、例えば、
図6に示すコンピュータ50で実現することができる。コンピュータ50は、CPU52、メモリ54、及び不揮発性の記憶部56を含み、これらはバス58を介して互いに接続される。
【0056】
また、記憶部56はHDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部56には、コンピュータ50をサーバ2として機能させるための表示制御プログラム60が記憶されている。CPU52は、表示制御プログラム60を記憶部56から読み出してメモリ54に展開し、表示制御プログラム60に含まれる各種プロセスを順次実行する。
【0057】
表示制御プログラム60は、取得プロセス62、算出プロセス64、変更プロセス66、及び送信プロセス68を含む。
【0058】
CPU52は、取得プロセス62を実行することで、
図3に示す取得部10として動作する。また、CPU52は、算出プロセス64を実行することで、
図3に示す算出部30として動作する。また、CPU52は、変更プロセス66を実行することで、
図3に示す変更部20として動作する。また、CPU52は、送信プロセス68を実行することで、
図3に示す送信部40として動作する。
【0059】
以上により、表示制御プログラム60を実行したコンピュータ50が、サーバ2として動作する。なお、一例として、CPU52にはリアルタイムクロックが内蔵され、表示制御プログラム60からの要求により現在の時刻情報を提供するカレンダ機能を有するものとする。また、表示制御プログラム60は、開示の技術における表示制御プログラムの一例を示したものである。
【0060】
なお、サーバ2は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現することも可能である。
【0061】
次に、本実施形態に係るサーバ2の作用を説明する。本実施形態に係るサーバ2は、初期画面の表示後に
図7に示す表示制御処理を実行する。
【0062】
図7は、サーバ2で実行される表示制御処理の内容を示した全体フローチャートである。なお、サーバ2へ送信されるIDと当該IDの意味との対応を含むID一覧情報記憶部及び商品表示実績情報記憶部90の情報は、記憶部56に予め記憶される。そして、これらの記憶部の情報は、CPU52が表示制御プログラム60をメモリ54に展開する際に、メモリ54の予め定めた領域に展開されるものとする。また、表示情報記憶部92及び時間Tsも記憶部56に予め記憶され、CPU52が表示制御プログラム60をメモリ54に展開する際に、メモリ54の予め定めた領域に展開されるものとする。
【0063】
まず、ステップS100では、取得部10は、ユーザ端末1から送信されたIDが、ユーザが初期画面において商品を選択した際にサーバ2へ送信されるIDか否かを判定する。そして、否定判定の場合にはステップS200へ移行し、取得部10は、ユーザ端末1から送信されたIDが初期画面表示の終了を選択した際にサーバ2へ送信されるIDか否かを判定する。ステップS200の処理に対する判定が否定判定の場合には、ステップS100へ移行し、取得部10はユーザ端末1から送信されるIDの判定処理を繰り返す。また、ステップS200の処理に対する判定が肯定判定の場合には、本プログラムを終了する。
【0064】
一方、ステップS100の処理に対する判定が肯定判定の場合には、ステップS300へ移行する。
【0065】
ステップS300では、変更部20は、商品表示実績情報記憶部90を参照して、ステップS100の処理で判定したIDに対応した商品(選択商品)の画像の中から、商品画面に代表画像4として表示する画像を決定する。そして、変更部20は、予め定めた代表画像4の表示位置に本ステップで決定した画像が表示されるように、表示情報記憶部92から取得した商品画面の画面データを変更する。
【0066】
図8は、ステップS300で実施される処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0067】
ステップS102では、変更部20は、メモリ54に記憶される商品表示実績情報記憶部90を参照して、表示回数テーブルから選択商品に対応した各々の画像の表示回数を取得する。
【0068】
ステップS104では、変更部20は、メモリ54に記憶される商品表示実績情報記憶部90を参照して、画像じっくり視率テーブルから選択商品に対応した各々の画像のじっくり視率を取得する。
【0069】
ステップS106では、変更部20は、選択商品に対応した画像毎に、ステップS102の処理で取得した画像の表示回数と、ステップS104の処理で取得した画像のじっくり視率と、の積を求めて、画像の評価点を算出する。そして、変更部20は、選択商品に対応した画像のうち最も評価点が高い画像が、他の画像より拡大され代表画像4の表示位置に表示されるように、表示情報記憶部92から取得した商品画面の画面データを変更する。
【0070】
以上の処理により、
図7のステップS300の処理が終了する。
【0071】
そして、ステップS400では、送信部40は、ステップS300の処理で変更された画面データをユーザ端末1へ送信する。本ステップの処理により、ユーザ端末1に代表画像4が更新された商品画面が表示される。
【0072】
ステップS500では、算出部30は、通知されるIDに基づいて、商品画面に表示される画像の各々の表示回数及びじっくり視率を算出する表示属性算出処理を実行する。
【0073】
図9は、ステップS500で実施される処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0074】
まず、ステップS502では、算出部30は、CPU52に時刻情報を要求して現在の時間T1を取得する。この時間T1は、商品画面が表示される際の時間を表す。
【0075】
ステップS504では、算出部30は、取得部10から通知されたIDが、ユーザが商品画面のサブ画像5を選択した際にサーバ2へ送信されるIDか否かを判定する。肯定判定の場合には、例えばメモリ54の予め定めた領域にステップS506へ移行したことを示すフラグを設定して、ステップS506へ移行する。
【0076】
ステップS506では、算出部30は、選択されたサブ画像5の表示回数及びじっくり視率を算出するサブ画像表示属性更新処理を実行する。なお、サブ画像表示属性更新処理の詳細については後述する。
【0077】
一方、ステップS504の処理で否定判定となった場合には、ステップS508へ移行する。
【0078】
ステップS508では、算出部30は、取得部10から通知されたIDが、ユーザが商品画面の「戻る」ボタンを選択した際にサーバ2へ送信されるIDか否かを判定する。否定判定の場合にはステップS504へ移行し、算出部30は、ステップS504〜S508の処理を繰り返し、初期画面へ遷移する間、サブ画像5が選択される毎にステップS506のサブ画像表示属性更新処理を実行する。
【0079】
一方、ステップS508の処理で肯定判定、すなわち初期画面への遷移要求が通知された場合には、ステップS510へ移行する。
【0080】
ステップS510では、算出部30は、CPU52に時刻情報を要求して現在の時間T2を取得する。この時間T2は、商品画面が閉じられる際の時間を表す。
【0081】
ステップS512では、算出部30は、ステップS504の処理からステップS506の処理へ移行する際にメモリ54に設定されるフラグが存在するか否かに基づいて、商品画面表示中に一回もサブ画像5が選択されなかったか否かを判定する。そして、否定判定の場合、すなわちサブ画像5が選択された場合には、算出部30は、当該フラグをリセットし、ステップS514の処理を省略してステップS516へ移行する。一方、肯定判定の場合、すなわち商品画面表示中に1回もサブ画像5が選択されなかった場合には、ステップS514へ移行する。
【0082】
ステップS514では、算出部30は、閉じられる商品画面における代表画像4の表示回数及びじっくり視率を算出する代表画像表示属性更新処理を実行する。なお、代表画像表示属性更新処理の詳細については後述する。このように、本実施形態では、商品画面表示中にユーザが1回もサブ画像5を選択しなかった場合に、ユーザが表示中の商品画面における代表画像4を閲覧したものとして、代表画像4の表示回数及びじっくり視率を算出する。
【0083】
そして、ステップS516では、算出部30は、表示情報記憶部92に記憶される初期画面の画面データを送信部40へ通知する。送信部40は、算出部30から通知された画面データをユーザ端末1へ送信する。
【0084】
以上の処理により、
図7に示したステップS500の画像の表示属性算出処理が終了し、ユーザの画像選択内容に従って、商品表示実績情報記憶部90に含まれる表示回数テーブル及び画像じっくり視率テーブルの内容が更新される。
【0085】
そして、再びステップS100へ移行し、サーバ2は、ユーザが初期画面で選択した内容に従ってステップS100〜S500の処理を繰り返す。以上の処理により、ユーザが初期画面から商品を選択した際、その時点で最も評価点の高い画像が、選択した商品の代表画像4として商品画面に表示される。
【0086】
次に、
図9において詳細な説明を省略したステップS506及びステップS514の処理について説明する。
【0087】
図10は、ステップS506で実施されるサブ画像表示属性更新処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0088】
まず、ステップS600では、算出部30は、CPU52に時刻情報を要求して現在の時間T3を取得する。この時間T3は、サブ画像5の拡大画像6が表示される際の時間を表す。
【0089】
ステップS602では、算出部30は、選択されたサブ画像5の拡大画像6を表示情報記憶部92から取得して、送信部40へ通知する。送信部40は、算出部30から通知された拡大画像6をユーザ端末1へ送信する。本ステップの処理により、ユーザ端末1に選択したサブ画像5の拡大画像6が表示される。
【0090】
ステップS604では、算出部30は、表示回数テーブルにおける選択されたサブ画像5に対応した画像の表示回数を1回増加させて、表示回数テーブルを更新する。
【0091】
ステップS606では、算出部30は、取得部10から通知されたIDが、ユーザが拡大画像6を選択した際にサーバ2へ送信されるIDか否かを判定する。否定判定の場合には、拡大画像6が選択されるまでステップS606の処理を継続する。また、肯定判定の場合には、ステップS608へ移行する。
【0092】
ステップS608では、算出部30は、CPU52に時刻情報を要求して現在の時間T4を取得する。この時間T4は、拡大画像6が閉じられる際の時間を表す。
【0093】
ステップS610では、算出部30は、選択された拡大画像6に対応したサブ画像5を表示情報記憶部92から取得して、送信部40へ通知する。送信部40は、算出部30から通知されたサブ画像5をユーザ端末1へ送信する。本ステップの処理により、ユーザ端末1において、選択したサブ画像5に対応した拡大画像6の表示が終了し、元のサブ画像5が表示される。
【0094】
ステップS612では、算出部30は、ステップS608の処理で取得した時間T4からステップS600の処理で取得した時間T3を減算して、選択されたサブ画像5に対応した拡大画像6の表示時間、すなわち、選択されたサブ画像5の表示時間を算出する。そして、算出部30は、サブ画像5の表示時間がメモリ54に記憶されている時間Ts以上か否かを判定し、肯定判定の場合にはステップS614へ移行する。否定判定の場合にはステップS616へ移行する。
【0095】
ステップS614では、算出部30は、画像じっくり視率テーブルに記憶されている、選択されたサブ画像5のTs以上欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30は、選択されたサブ画像5に対して、合計欄の回数に対するTs以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で選択されたサブ画像5のじっくり視率欄の値を更新する。
【0096】
一方、ステップS616では、算出部30は、画像じっくり視率テーブルに記憶されている、選択されたサブ画像5のTs未満欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30は、選択されたサブ画像5に対して、合計欄の回数に対するTs以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で選択されたサブ画像5のじっくり視率欄の値を更新する。
【0097】
以上の処理により、
図9のステップS506の処理が終了する。
【0098】
一方、
図11は、
図9のステップS514で実施される代表画像表示属性更新処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0099】
まず、ステップS700では、算出部30は、表示回数テーブルにおける代表画像4の表示回数を1回増加させて、表示回数テーブルを更新する。
【0100】
ステップS702では、算出部30は、
図9のステップS510の処理で取得した時間T2から
図9のステップS502の処理で取得した時間T1を減算して、代表画像4の表示時間を算出する。そして、算出部30は、代表画像4の表示時間がメモリ54に記憶されている時間Ts以上か否かを判定し、肯定判定の場合にはステップS704へ移行する。否定判定の場合にはステップS706へ移行する。
【0101】
ステップS704では、算出部30は、画像じっくり視率テーブルに記憶されている、代表画像4のTs以上欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30は、代表画像4に対して、合計欄の回数に対するTs以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で代表画像4のじっくり視率欄の値を更新する。
【0102】
一方、ステップS706では、算出部30は、画像じっくり視率テーブルに記憶されている、代表画像4のTs未満欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30は、代表画像4に対して、合計欄の回数に対するTs以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で代表画像4のじっくり視率欄の値を更新する。
【0103】
以上の処理により、
図9のステップS514の処理が終了する。
【0104】
このように本実施形態では、画像の選択情報に基づいて、商品を表す複数の画像の中からユーザが注目している画像を算出し、商品の代表画像4として商品画面に表示する。多くのユーザから注目される画像は、例えば初めてその商品の画像を閲覧するユーザにとっても関心が惹きつけられやすい画像であると考えられるため、商品画面を表示する毎に表示する代表画像4を決定することで、商品への注目度を向上させることができる。
【0105】
また、別の側面から見れば、ユーザから注目されている代表画像4は、商品を表す複数の画像の中で最も商品の特徴を示した画像であると捉えることもできる。従って、商品画面に表示する代表画像4をユーザの注目度合いに応じて決定することは、商品に対するユーザの理解を促す効果がある。
【0106】
更に、別の側面から見れば、商品の販売及び開発者らは、代表画像4の特徴を分析することで、商品をアピールする際、商品のどの箇所をどのような角度で撮影した画像がユーザに好まれるのかを知る手がかりとすることができる。
【0108】
次に、開示の技術の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0109】
図12は、本実施形態に係るサーバ2Aが示されている。なお、サーバ2Aは、開示の技術の表示制御装置の一例である。
【0110】
本実施形態に係るサーバ2Aが第1実施形態のサーバ2と異なる点は、商品適合情報記憶部94、商品表示マスタ情報記憶部96、及び選定部80が追加された点である。その他、取得部10A、変更部20A、算出部30A、及び商品表示実績情報記憶部90Aの内容が変更されている。
【0111】
第1実施形態に係るサーバ2は、
図2に示した初期画面に表示される商品A〜商品Eの商品情報の位置を固定としたが、サーバ2Aは、商品のユーザへの適合度合いに従って商品情報の表示順を変更した初期画面の画面データをユーザ端末1に表示させる。
【0112】
取得部10Aは、最初の初期画面の表示(起動)の際に、ユーザ端末1からユーザを識別するID(ユーザ識別ID)及び初期画面の表示を要求するID(初期画面要求ID)を取得した場合には、IDを選定部80に通知する。また、取得部10Aは、商品画面の表示を要求するIDを取得した場合にはIDを変更部20Aに通知する。また、取得部10Aは、それ以外のIDを取得した場合はIDを算出部30Aに通知する。
【0113】
選定部80は、取得部10Aからユーザ識別ID及び初期画面要求IDを取得した場合、公知のレコメンド技術に基づいて、ユーザ識別IDで表されるユーザに適合する商品の適合度合いを選定値として算出し、商品適合情報記憶部94に記憶する。なお、公知のレコメンド技術としては特定情報が利用される。
【0114】
図13は、選定部80によって設定される選定値テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0115】
商品適合情報記憶部94には、商品と選定部80で算出された商品の選定値とが関連付けられた
図13に示す選定値テーブルが、ユーザ毎に記憶されており、ユーザ識別IDを用いてユーザに対応した選定値テーブルが取得される。なお、
図13の選定値テーブルの例では、選定値が大きい商品ほどユーザへの適合度合いの高い商品であることを示している。なお、商品適合情報記憶部94には、選択値テーブルの他、商品の選定値を算出するためのデータ、例えば特定情報を含めるようにしてもよい。
【0116】
そして、選定部80は、商品の選定値を算出した後、初期画面における商品情報の表示方法を変更するため、ユーザ識別ID及び初期画面要求IDを変更部20Aに通知する。
【0117】
算出部30Aでは、第1実施形態に係る算出部30での処理に加え、商品画面から初期画面へ遷移する要求が取得部10Aから通知された場合に、更に商品毎のじっくり視率を算出し、商品表示実績情報記憶部90Aに含まれる商品じっくり視率テーブルに記憶する。
【0118】
図14は、商品表示実績情報記憶部90Aに含まれる商品に対するユーザの注目率を表した商品じっくり視率テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0119】
ここで、商品に対するユーザの注目率とは、ユーザが商品に対してどの程度関心を持っているかを示す指標であり、算出部30Aが商品画面の表示時間に基づいて算出する指標である。
【0120】
商品のじっくり視率を算出するため、まず、ユーザが商品の画面を閲覧して、商品の特徴を把握するために必要と考えられる時間Ttを予め定める。そして算出部30Aは、商品画面の表示時間が時間Tt未満である場合の回数をTt未満欄に記憶し、商品画面の表示時間が時間Tt以上である場合の回数をTt以上欄に記憶する。そして、Tt未満欄の回数をM1、及びTt以上欄の回数をM2とした場合(M1及びM2は0以上の整数)、算出部30Aは、(M1+M2)を合計欄に記憶すると共に、M2/(M1+M2)をじっくり視率欄に記憶する。
【0121】
換言すれば、商品のじっくり視率とは ユーザが商品画面を表示した場合に時間Tt以上継続して表示した回数の割合を示した指標であり、商品に対するユーザの注目率を表した指標ということができる。なお、商品のじっくり視率は、商品の閲覧率の一例である。
【0122】
変更部20Aは、第1実施形態に係る変更部20での処理に加え、起動時に選定部80からユーザ識別ID及び初期画面要求IDを取得した場合、初期画面に表示する商品の評価点を算出し、評価点に基づいて初期画面における商品情報の表示方法を変更する。具体的には、変更部20Aは、例えば商品の評価点が高い順に商品に対応した商品情報が表示されるように、初期画面の画面データを変更する。
【0123】
商品の評価点は、一例としてユーザ識別IDで示されるユーザに対する商品の選定値、商品の表示回数に対応した重み、商品のじっくり視率に対応した重み、及び商品の画像枚数に対応した重みの各々の積によって算出される。
【0124】
ここで、商品の表示回数とは、商品毎に用意されている画像の表示回数の合計である。また、「重み」とは、評価値に与える影響の度合いを示した値であり、変更部20Aは商品表示マスタ情報記憶部96に記憶される各種マスタテーブルを参照して各々の値に対応した重みを取得する。
【0125】
図15は、商品の表示回数と重みとの対応を規定した表示回数比重マスタテーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0126】
図15に示すように、表示回数比重マスタテーブルは、商品の表示回数を予め定めた範囲に分割し、範囲毎に重みを対応づけたテーブルである。例えば、商品の表示回数が128回であれば、商品の表示回数に対応した重みは‘2’となる。
【0127】
また、
図16は、商品のじっくり視率と重みとの対応を規定したじっくり視率比重マスタテーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0128】
図16に示すように、じっくり視率比重マスタテーブルは、商品のじっくり視率を予め定めた範囲に分割し、範囲毎に重みを対応づけたテーブルである。例えば、商品のじっくり視率が51%であれば、商品のじっくり視率に対応した重みは‘3’となる。
【0129】
また、
図17は、商品の画像枚数と重みとの対応を規定した画像登録枚数比重マスタテーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【0130】
図17に示すように、画像登録枚数比重マスタテーブルは、画像の枚数がそのまま重みとして対応づけられたテーブルである。
【0131】
ここで
図4及び
図13〜
図17に示された数値例に従って商品Bの評価点を算出すると3.36となり、商品Cの評価点を算出すると10.8となる。このように、商品の評価点を算出する際に画像の表示状況を加味する場合、当然ながら、商品の選定値における大小関係と商品の評価点における大小関係とが変化する場合がある。
【0132】
なお、
図15〜
図17に示したテーブルは一例であり、分割する範囲や重みをどのように設定してもよいことは言うまでもない。例えば画像登録枚数比重マスタテーブルにおいて、画像枚数を予め定めた範囲に分割し、範囲毎に重みを対応づけるようにしてもよく、逆に、例えば表示回数比重マスタテーブルにおいて、商品の表示回数をそのまま重みとするようにしてもよい。
【0133】
なお、値が取る範囲に対して重みを設定した場合、値の変動が範囲内にとどまるならば対応する重みが変わらないことから、商品の評価点の変動を抑制する効果がある。逆に、画像登録枚数比重マスタテーブルのように値をそのまま重みとして設定した場合、値の変動がそのまま商品の評価点の変動につながることになる。
【0134】
そして、変更部20Aは、変更した初期画面の画面データを送信部40に通知する。
【0135】
なお、本実施形態では商品の評価点を、商品の選定値、商品の表示回数に対応した重み、商品のじっくり視率に対応した重み、及び商品の画像枚数に対応した重みの各々の積によって算出したが、商品の評価点の算出方法はこれに限られない。
【0136】
例えば、商品の表示回数に対応した重み、商品のじっくり視率に対応した重み、及び商品の画像枚数に対応した重みの少なくとも1つ以上の値と、商品の選定値と、の各々の積を商品の評価点としてもよい。また、各々の値の積は商品の評価点の演算方法の一例であり、他の演算式を用いて商品の評価点を算出してもよいことは言うまでもない。
【0137】
こうしたサーバ2Aでの表示制御処理により、初期画面に表示するユーザに適合した商品の表示順を、従来のレコメンド技術により決定した商品の選定値だけでなく、商品を表す画像の表示状況も加味して決定することができる。
【0138】
なお、商品表示実績情報記憶部90Aには商品じっくり視率テーブルの他、第1実施形態で説明した表示回数テーブル及び画像じっくり視率テーブルが含まれている。また、表示回数テーブル、画像じっくり視率テーブル、及び商品じっくり視率テーブルの内容は、複数のユーザ端末1からの選択情報12に基づいて更新される。
【0139】
以上に説明したサーバ2Aは、例えば、
図18に示すコンピュータ50で実現することができる。
【0140】
表示制御プログラム60Aは、取得プロセス62A、算出プロセス64A、変更プロセス66A、送信プロセス68、及び選定プロセス70を含む。
【0141】
CPU52は、取得プロセス62Aを実行することで、
図12に示す取得部10Aとして動作する。また、CPU52は、算出プロセス64Aを実行することで、
図12に示す算出部30Aとして動作する。また、CPU52は、変更プロセス66Aを実行することで、
図12に示す変更部20Aとして動作する。また、CPU52は、選定プロセス70を実行することで、
図12に示す選定部80として動作する。
【0142】
なお、サーバ2Aもサーバ2と同様に、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0143】
次に、本実施形態に係るサーバ2Aの作用を説明する。本実施形態に係るサーバ2Aは、例えば、最初に初期画面を表示させるためのログイン処理に伴ってユーザ端末1から送信されるユーザ識別ID及び初期画面要求IDを受信した際に、
図19に示す表示制御処理を実行する。
【0144】
図19は、サーバ2Aで実行される表示制御処理の内容を示した全体フローチャートである。
図19のフローチャートが第1実施形態に係る表示制御処理を示した
図7のフローチャートと異なる点は、新たにステップS50の処理が追加された点と、ステップS500の処理がステップS500Aの処理に置き換えられた点である。なお、ID一覧情報記憶部、商品表示実績情報記憶部90A、表示情報記憶部92、商品適合情報記憶部94、及び商品表示マスタ情報記憶部96の情報は記憶部56に予め記憶されている。そして、これらの記憶部の情報は、CPU52が表示制御プログラム60Aをメモリ54に展開する際に、メモリ54の予め定めた領域に展開される。
【0145】
ステップS50の処理は、起動後の初期画面にユーザに適合した商品を適合度合いが高い順に表示するための処理(商品の表示順変更処理)である。また、ステップS500Aの処理は、ステップS500の処理に商品のじっくり視率を算出する処理を追加したものである。まず、ステップS50の処理について説明する。
【0146】
図20は、ステップS50で実施される商品の表示順変更処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0147】
ステップS52では、選定部80は、公知のレコメンド技術に基づいて、取得部10Aから通知されたユーザ識別IDで表されるユーザに適合する商品の選定値を算出し、商品適合情報記憶部94の選定値テーブルに記憶する。なお、公知のレコメンド技術を用いる際に利用する特定情報は、例えば商品適合情報記憶部94に含まれているものとする。
【0148】
ステップS54では、変更部20Aは、商品適合情報記憶部94を参照して、ユーザ識別IDに対応したユーザの選定値テーブルから、ステップS52の処理で選定部80が設定した商品の選定値を取得する。
【0149】
ステップS56では、変更部20Aは、商品表示実績情報記憶部90Aの表示回数テーブルから商品の表示回数を取得する。
【0150】
ステップS58では、変更部20Aは、商品表示マスタ情報記憶部96の表示回数比重マスタテーブルを参照して、ステップS56で取得した商品の表示回数に対応した重みを取得する。
【0151】
ステップS60では、変更部20Aは、商品表示実績情報記憶部90Aの商品じっくり視率テーブルから商品のじっくり視率を取得する。
【0152】
ステップS62では、変更部20Aは、商品表示マスタ情報記憶部96のじっくり視率比重マスタテーブルを参照して、ステップS60で取得した商品のじっくり視率に対応した重みを取得する。
【0153】
ステップS64では、変更部20Aは、商品表示実績情報記憶部90Aの表示回数テーブルから商品の画像枚数を取得する。表示回数テーブルでは商品の画像が存在しない場合、その商品の画像番号欄に表示回数ではなく画像が存在しないことを示す識別子、例えば「画像なし」が設定されている。従って、変更部20Aは、表示回数テーブルを参照することで商品毎に用意されている商品の画像の枚数を取得できる。
【0154】
ステップS66では、変更部20Aは、商品表示マスタ情報記憶部96の画像登録枚数比重マスタテーブルを参照して、ステップS64で取得した商品の画像枚数に対応した重みを取得する。
【0155】
ステップS68では、変更部20Aは、商品の選定値、商品の表示回数に対応した重み、商品のじっくり視率に対応した重み、及び商品の画像枚数に対応した重みの各々の積を算出し、商品の評価点を算出する。
【0156】
そして、ステップS70では、変更部20Aは、初期画面において、商品に対応した商品情報がステップS68で算出した評価点の高い順に表示されるように、表示情報記憶部92から取得した初期画面の画面データを変更する。そして、変更した初期画面の画面データを送信部40へ通知する。本ステップの処理により、ユーザ端末1に評価点が高い順に商品情報が配置された初期画面が表示される。
【0157】
以上の処理により、
図19のステップS50の処理が終了する。
【0158】
次に、
図19のステップS500Aの処理について説明する。
【0159】
図21は、ステップS500Aで実施される処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0160】
図21のフローチャートが、第1実施形態に係る画像の表示属性算出処理を示した
図9のフローチャートと異なる点は、ステップS514とステップS516の間にステップS515の処理が追加された点である。ステップS515では、商品のじっくり視率を算出し、商品じっくり視率テーブルを更新する処理が行われる。
【0161】
図22は、ステップS515で実施される商品のじっくり視率更新処理を示したサブルーチンのフローチャートである。
【0162】
ステップS800では、算出部30Aは、
図9のステップS510の処理で取得した時間T2から
図9のステップS502の処理で取得した時間T1を減算して、選択商品の表示時間を算出する。すなわち、商品の表示時間は、初期画面において商品に対応した商品画面が選択されてから再び初期画面が選択されるまでの選択時間として表される。そして、算出部30Aは、選択商品の表示時間がメモリ54に記憶されている時間Tt以上か否かを判定し、肯定判定の場合にはステップS802へ移行する。否定判定の場合にはステップS804へ移行する。
【0163】
ステップS802では、算出部30Aは、商品じっくり視率テーブルに記憶されている、選択商品のTt以上欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30Aは、選択商品に対して、合計欄の回数に対するTt以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で選択商品のじっくり視率欄の値を更新する。
【0164】
一方、ステップS804では、算出部30Aは、商品じっくり視率テーブルに記憶されている、選択商品のTt未満欄の回数及び合計欄の回数を1回増加する。そして、算出部30Aは、選択商品に対して、合計欄の回数に対するTt以上欄の回数の割合を算出し、算出した割合で選択商品のじっくり視率欄の値を更新する。
【0165】
以上の処理により、
図21のステップS515の処理が終了し、商品じっくり視率テーブルが更新される。
【0166】
このように本実施形態では、サーバ2Aは、ユーザによる画像の選択情報に基づいて、ユーザが選択した商品の表示時間を算出して商品のじっくり視率を取得すると共に、ユーザが選択した商品の表示回数を取得する。そして、サーバ2Aは、従来のレコメンド技術を用いて算出した商品の選定値を、商品の表示時間、商品のじっくり視率、及び商品の画像枚数の各々に対応した重みで修正した商品の評価点を算出し、初期画面上に商品の評価点の高い順に商品情報を表示する。
【0167】
従って、従来のレコメンド技術で利用される特定情報だけでなく商品画像の表示状況を含めてユーザへの適合商品を決定しているため、従来のレコメンド技術によって表示される商品と比べて、よりユーザの関心を惹きやすい商品を表示することができる。
【0168】
なお、本実施形態に係るサーバ2Aは選定部80を含むものとして説明したが、サーバ2Aにとって選択部80は必ずしも必須ではない。例えば、通信回線3に接続される図示しない端末で算出した商品の選定値を、通信回線3を介して取得し、取得した商品の選定値を商品適合情報記憶部94に記憶するようにしてもよい。
【0169】
以上、開示の技術を実施形態を用いて説明したが、開示の技術は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。例えば、開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
【0170】
また、上記では開示の技術に係る表示制御プログラムの一例である表示制御プログラム60、60Aが記憶部56に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されるものではない。開示の技術に係る表示制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。例えば、開示の技術に係る表示制御プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、及びUSBメモリ等の可搬型記録媒体、並びに、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等に記録されている形態で提供することも可能である。
【0171】
また、開示の技術に係るサーバ2、2Aは、単一のコンピュータ50上で実現されるものとして説明した。しかし、プロセスを異なるコンピュータの記憶部56に記憶させ、各々のコンピュータを有線又は無線の通信回線で接続した分散処理の形態で、サーバ2、2Aを実現するようにしてもよい。
【0172】
また、開示の技術に係るサーバ2、2Aは、時刻情報をCPU52のカレンダ機能を介して取得するようにしたが、時刻情報の取得方法はこれに限られない。例えば、通信回線3に接続される図示しない時刻サーバから時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0173】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0174】
(付記1)
コンピュータに、
同じ商品に関する複数の画像のそれぞれについての選択を示す選択情報を取得し、
取得した前記選択情報に基づいて前記複数の画像それぞれについて、画像の表示回数及び表示時間を求め、求めた前記表示回数及び表示時間に基づいて、前記複数の画像に含まれる画像毎の注目率を算出し、
算出した前記画像毎の注目率に基づいて、前記複数の画像の表示方法を変更する
ことを含む処理を実行させるための表示制御プログラム。
【0175】
(付記2)
前記画像の表示時間が、ユーザが前記画像を注目して閲覧するのに要する時間として規定された第1の時間未満である場合には第1の回数を更新し、前記画像の表示時間が前記第1の時間以上である場合には第2の回数を更新して、前記第1の回数及び前記第2の回数を加算した合計回数に対する前記第2の回数の割合である前記画像の閲覧率を前記複数の画像毎に算出し、
前記画像の閲覧率及び前記画像の表示回数に基づいて、前記複数の画像毎に画像に対するユーザの注目度合いを示す画像評価点を算出し、前記画像評価点に基づいて前記複数の画像の表示方法を変更する
付記1記載の表示制御プログラム。
【0176】
(付記3)
前記複数の画像のうち、前記画像評価点が最も高い画像が他の画像より大きく表示されるように、前記複数の画像の表示方法を変更する
付記2記載の表示制御プログラム。
【0177】
(付記4)
前記選択情報に基づいて算出された、前記複数の画像の各々が表示された商品画面を選択してから複数の前記商品に対応する商品情報が表示された初期画面を選択するまでの時間を、前記商品画面に表示された前記複数の画像に対応する前記商品の表示時間として更新し、前記商品の表示時間が、ユーザが前記複数の画像の各々に関連付けられた前記商品を注目して閲覧するのに要する時間として規定された第2の時間未満である場合には第3の回数を更新し、前記商品の表示時間が前記第2の時間以上である場合には第4の回数を更新して、前記第3の回数及び前記第4の回数を加算した合計回数に対する前記第4の回数の割合である前記商品の閲覧率を前記商品毎に算出し、
前記画像の表示回数の合計として表される前記商品の表示回数、前記商品の閲覧率、及び前記画像の枚数の値と、ユーザに対する前記商品の適合度合いを示す選定値と、に基づいて、前記商品毎に前記商品に対するユーザの注目度合いを示す商品評価点を算出し、前記商品評価点に基づいて前記初期画面における前記商品情報の表示方法を変更する
付記1〜付記3の何れか1項に記載の表示制御プログラム。
【0178】
(付記5)
前記商品評価点が高い順に前記商品情報が表示されるように、前記商品情報の表示順を変更する
付記4記載の表示制御プログラム。
【0179】
(付記6)
コンピュータに、
同じ商品に関する複数の画像のそれぞれについての選択を示す選択情報を取得し、
取得した前記選択情報に基づいて前記複数の画像それぞれについて、画像の表示回数及び表示時間を求め、求めた前記表示回数及び表示時間に基づいて、前記複数の画像に含まれる画像毎の注目率を算出し、
算出した前記画像毎の注目率に基づいて、前記複数の画像の表示方法を変更する
ことを含む処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0180】
(付記7)
コンピュータに、
同じ商品に関する複数の画像のそれぞれについての選択を示す選択情報を取得し、
取得した前記選択情報に基づいて前記複数の画像それぞれについて、画像の表示回数及び表示時間を求め、求めた前記表示回数及び表示時間に基づいて、前記複数の画像に含まれる画像毎の注目率を算出し、
算出した前記画像毎の注目率に基づいて、前記複数の画像の表示方法を変更する
ことを含む処理を実行させる表示制御方法。
【0181】
(付記8)
同じ商品に関する複数の画像のそれぞれについての選択を示す選択情報を取得する取得部と、
取得した前記選択情報に基づいて前記複数の画像それぞれについて、画像の表示回数及び表示時間を求め、求めた前記表示回数及び表示時間に基づいて、前記複数の画像に含まれる画像毎の注目率を算出する算出部と、
算出した前記画像毎の注目率に基づいて、前記複数の画像の表示方法を変更する変更部と、
を含む表示制御装置。
【0182】
(付記9)
前記算出部は、前記画像の表示時間が、ユーザが前記画像を注目して閲覧するのに要する時間として規定された第1の時間未満である場合には第1の回数を更新し、前記画像の表示時間が前記第1の時間以上である場合には第2の回数を更新して、前記第1の回数及び前記第2の回数を加算した合計回数に対する前記第2の回数の割合である前記画像の閲覧率を前記複数の画像毎に算出し、
前記変更部は、前記画像の閲覧率及び前記画像の表示回数に基づいて、前記複数の画像毎に画像に対するユーザの注目度合いを示す画像評価点を算出し、前記画像評価点に基づいて前記複数の画像の表示方法を変更する
付記8記載の表示制御装置。
【0183】
(付記10)
前記変更部は、前記複数の画像のうち、前記画像評価点が最も高い画像が他の画像より大きく表示されるように、前記複数の画像の表示方法を変更する
付記9記載の表示制御装置。
【0184】
(付記11)
前記算出部は、前記選択情報に基づいて算出された、前記複数の画像の各々が表示された商品画面を選択してから複数の前記商品に対応する商品情報が表示された初期画面を選択するまでの時間を、前記商品画面に表示された前記複数の画像に対応する前記商品の表示時間として更新し、前記商品の表示時間が、ユーザが前記複数の画像の各々に関連付けられた前記商品を注目して閲覧するのに要する時間として規定された第2の時間未満である場合には第3の回数を更新し、前記商品の表示時間が前記第2の時間以上である場合には第4の回数を更新して、前記第3の回数及び前記第4の回数を加算した合計回数に対する前記第4の回数の割合である前記商品の閲覧率を前記商品毎に算出し、
前記変更部は、前記画像の表示回数の合計として表される前記商品の表示回数、前記商品の閲覧率、及び前記画像の枚数の値と、ユーザに対する前記商品の適合度合いを示す選定値と、に基づいて、前記商品毎に前記商品に対するユーザの注目度合いを示す商品評価点を算出し、前記商品評価点に基づいて前記初期画面における前記商品情報の表示方法を変更する
付記8〜付記10の何れか1項に記載の表示制御装置。
【0185】
(付記12)
前記変更部は、前記商品評価点が高い順に前記商品情報が表示されるように、前記商品情報の表示順を変更する
付記11記載の表示制御装置。