(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が目的とする技術的課題は、別途のスピーカを設置しなくても音を発生させることできるか、別途のタッチパネル/タッチセンサーを追加しなくてもタッチまたは動作感知が可能なようにした表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明の実施形態による表示装置は、画像を表示する表示パネル;前記表示パネルの背面に位置する音響素子;及び前記表示パネルを収納して前記表示パネルの背面を保護し、前記音響素子に対応して背面側に突出している突出領域を有する背面シャーシを含み、前記音響素子は一対の電極とその間に位置する振動物質層を含む。
【0010】
前記背面シャーシは前記突出領域に沿って位置する少なくとも一つのオープン部をさらに含むことができる。
【0011】
前記オープン部は前記突出領域の内側または外側に配置することができる。
【0012】
前記突出領域は前記音響素子と一対一対応し得る。
【0013】
前記突出領域は二つ形成されており、前記音響素子も二つ形成され得る。
【0014】
前記突出領域の一つには前記音響素子が2以上含まれ得る。
【0015】
前記背面シャーシの突出領域にはアンプから音響信号の伝達を受ける音響信号配線が形成されている配線連結部が形成され得る。
【0016】
前記音響素子は前記振動物質層の下部に位置する前記電極と、上部に位置する電極と、を含み前記下部に位置する前記電極、は前記振動物質層の側面を通じて上部まで延長されている電極パッドを含むことができる。
【0017】
前記音響素子は前記表示パネルの背面に接着剤によって付着されており、前記接着剤は非導電性エポキシを含むことができる。
【0018】
前記音響素子は前記振動物質層を総3つ含み、前記電極を総4つ含み、前記3つの振動物質層は3層構造に配列されており、前記3層構造の前記振動物質層の最外側及びその間に前記4つの電極が配置され得る。
【0019】
前記音響素子は前記振動物質層の最下部に位置する前記電極が前記3層構造の振動物質層の側面を通じて上部まで延長されている電極パッドを含むことができる。
【0020】
前記4つの前記電極は2つずつ互いに電気的に接続されており、互いに交互に配置され得る。
【0021】
外部から印加される音響信号を増幅するアンプ;及び前記アンプからの前記音響信号を前記音響素子に伝達する音響信号配線をさらに含むことができる。
【0022】
前記表示パネルは印刷回路基板と軟性回路基板を含み、前記表示パネルの基板は前記軟性回路基板を通じて前記印刷回路基板と接続されており、前記アンプは前記印刷回路基板に形成され得る。
【0023】
前記音響素子の前記振動物質層は可聴周波数以外の周波数の振動も発生させ、前記可聴周波数以外の周波数の変化を感知し使用者のタッチを感知してハプティック機能(haptic sensing function、触覚機能)を実現することができる。
【0024】
前記音響素子が外部の圧力によって生成された電圧を用いて圧力感知を行うことができる。
【0025】
前記表示装置はマイクをさらに含み、前記音響素子から放出された可聴周波数以外の周波数の振動が使用者の動作によるドップラー効果によって変調された後、前記マイクにより感知して使用者の動作を感知することができる。
【0026】
前記表示装置に電源を供給するバッテリーをさらに含み、前記音響素子の振動により発生する電圧を前記バッテリーに伝達して前記バッテリーを充電させることができる。
【0027】
本発明の実施形態による表示装置は、画像を表示する表示パネル;前記表示パネルの背面に位置する音響素子;及び前記表示パネルの背面を保護し、前記音響素子を覆うクッションテープを含み、前記音響素子は一対の電極とその間に位置する振動物質層を含む。
【0028】
前記表示パネルの前面に位置するウィンドウ(window)をさらに含むことができる。
【0029】
前記クッションテープの内側面には前記音響素子に対応して凹んでいる響き空間を有し得る。
【0030】
前記音響素子は前記表示パネルの背面に接着剤によって付着されており、前記接着剤は非導電性エポキシを含むことができる。
【0031】
前記響き空間の中には固定突出部が形成されていて、前記音響素子は別途の接着剤なしに前記固定突出部によって前記表示パネルの背面に接することが可能である。
【0032】
前記響き空間には少なくとも一つの音響素子を配置することができる。
【0033】
前記表示パネルの背面と前記音響素子の間に位置している保護フィルムをさらに含むことができる。
【0034】
前記音響素子は、前記振動物質層の下部に位置する前記電極と、前記振動物質層の上部に位置する前記電極と、これらの電極うちの下部に位置する前記電極によって定義され、前記振動物質層の側面を通じて上部まで延長されている電極パッドと、を含むことができる。
【0035】
前記音響素子は前記振動物質層を総3つ含み、前記電極を総4つ含み、前記3つの振動物質層は3層構造に配列されており、前記3層構造の前記振動物質層の最外側及びその間に前記4つの電極が配置され得る。
【0036】
前記音響素子は前記振動物質層の最下部に位置する前記電極が前記3層構造の振動物質層の側面を通じて上部まで延長されている電極パッドを含むことができる。
【0037】
前記4つの前記電極は2つずつ互いに電気的に接続されており、互いに交互に配置され得る。
【0038】
外部から印加される音響信号を増幅するアンプ;及び前記アンプからの前記音響信号を前記音響素子に伝達する音響信号配線をさらに含むことができる。
【0039】
前記表示パネルは印刷回路基板と軟性回路基板を含み、前記表示パネルの基板は前記軟性回路基板を通じて前記印刷回路基板と接続されており、前記アンプは前記印刷回路基板に形成され得る。
【0040】
前記音響素子の前記振動物質層は可聴周波数以外の周波数の振動も発生させ、前記可聴周波数以外の周波数の変化を感知し使用者のタッチを感知してハプティック機能を実現することができる。
【0041】
前記音響素子が外部の圧力によって生成された電圧を用いて圧力感知を行うことができる。
【0042】
前記表示装置はマイクをさらに含み、前記音響素子から放出された可聴周波数以外の周波数の振動が使用者の動作によるドップラー効果によって変調された後、前記マイクにより感知して使用者の動作を感知することができる。
【0043】
前記表示装置に電源を供給するバッテリーをさらに含み、前記音響素子の振動により発生する電圧を前記バッテリーに伝達して前記バッテリーを充電させることができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、別途のスピーカを設置しなくても音を発生させることできるか、又は、別途のタッチパネル/タッチセンサーを追加しなくてもタッチまたは動作感知が可能なようにした表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
添付した図面を参考として、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。なお、本発明には様々な実施形態があり得、ここで説明する実施形態に限られない。
【0047】
図面では、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体に亘って類似の部分については同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるというとき、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるというときは中間に他の部分がないことを意味する。
【0048】
以下、本発明の実施形態による表示装置について
図1及び
図2を参照して詳細に説明する。
【0049】
図1は本発明の実施形態による表示装置の断面図であり、
図2は本発明の実施形態による表示装置の背面図である。
【0050】
本発明の実施形態による表示装置は、表示パネル70と、表示パネル70を収納しその背面を保護し、突出領域28−1を有する背面シャーシ28、突出領域28−1内に位置する音響素子27を含む。
【0051】
図1の実施形態の表示パネル70は、光を自ら発光する表示パネルであるか、光源から光を受けて画像を表示する受光型表示パネルであり得る。光を自ら発光する表示パネルとしては有機発光表示パネルなどがあり、受光型表示パネルとしては液晶表示パネルなどがある。受光型表示パネルにはバックライトユニットを含んでもよい。
【0052】
表示パネル70は複数のTFT(thin film transistor、薄膜トランジスタ)からなるTFT基板を含み、TFT基板はマトリックス状の薄膜トランジスタが形成されている透明な絶縁基板であって、ソース端子にはデータ線が接続され、ゲート端子にはゲート線が接続されている。そしてドレイン端子には導電性材質として透明なITO(indium tin oxide、インジウムティンオキサイド)からなる画素電極が接続されていてもよい。表示パネル70の詳細構造は表示パネルの種類及び実施形態別に多様であり得る。
【0053】
図1の表示パネル70は表示パネルアセンブリーであり得る。つまり、
図1の表示パネル70は表示パネルを含むアセンブリーであって、表示パネル以外に集積回路チップ(integrated circuit chip、IC chip)及び軟性回路基板(flexible printed circuit boardd、FPC)を含んで表示パネルを駆動する駆動部をさらに含んでもよい。
【0054】
表示パネル70のデータ線及びゲート線は軟性回路基板に接続されて軟性回路基板から電気的な信号が入力されるとTFTのソース端子とゲート端子にこの電気的な信号が伝達される。この中のゲート線を通じてゲート端子に印加される走査信号によって、TFTはターンオンまたはターンオフされる。また、TFTのターンオンまたはターンオフに応じて、データ線を通じてソース端子に印加される画像信号がドレイン端子に伝達または遮断される。軟性回路基板は表示パネルの外部から映像信号を受信して表示パネルのデータ線とゲート線にそれぞれ駆動信号を印加する。
【0055】
軟性回路基板は表示装置100を駆動するための信号である画像信号と走査信号、そしてこれら信号を適切な時期に印加するための複数のタイミング信号を発生させ、画像信号と走査信号を表示パネル70のゲート線及びデータ線にそれぞれ印加する。さらに、本発明の実施形態による軟性回路基板では音響信号を増幅し伝達するアンプ(
図23参考)も形成されていてもよい。アンプは外部から伝達された音響信号を受信してこれを増幅して音響信号配線を通じて音響素子27に音響信号を伝達する。
【0056】
表示パネル70はモールドフレームをさらに含んでもよく、モールドフレームによって表示パネルが固定され得る。また、表示パネル70の前面方向に離脱するのを防止するためにトップシャーシをさらに含んでもよい。
【0057】
このような表示パネル70の背面を保護するために背面シャーシ28が含まれている。背面シャーシ28はボトムシャーシまたはバックシャーシなどの名称で呼ばれることもでき、表示パネル70の背面に位置しながら表示パネル70を収納し保護する役割を果たす。このような背面シャーシ28は実施形態によっては表示パネル70のモールドフレームやトップシャーシと結合して表示パネル70を保護することもできる。
【0058】
本発明の実施形態による背面シャーシ28は背面方向に突出している突出領域28−1を含む。
図1での突出領域28−1の突出程度及び広さは拡大して示されているものであって、実際に突出した程度が肉眼で容易に視認されない程度であり得る。
【0059】
突出領域28−1は音響素子27が位置する領域であって音響素子27から提供される音を増幅させる共鳴箱の役割を果たすことができる。
【0060】
背面シャーシ28の突出領域28−1の内面には接着剤51によって音響素子27が付着されている。接着剤51は非導電性エポキシを含む接着剤を使用することができる。この時、接着剤51を乾燥させるために熱を加えるか自然乾燥を行うことができ、音響素子27に熱を加える場合には振動物質層27−1の特性低下が発生する。これは信頼性テスト結果によって確認された。よって、音響素子27を付着する場合には時間がかかっても自然乾燥で行うことができる。但し、音響素子27から提供される音質が重要でない場合(例えば、電話機で相手の音声を提供するレシーバーなど)には熱を加えて乾燥させてもよい。
【0061】
音響素子27は一対の電極27−2と、一対の電極27−2の間に位置する振動物質層27−1とを含む。一対の電極27−2は、振動物質層27−1の一方の一面、例えば振動物質層27−1の上部に位置する電極27−2と、振動物質層27−1の他方の一面、例えば振動物質層27−1の下部に位置する電極27−2と、を含む。振動物質層27−1は上下に位置する一対の電極27−2から提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含む。ピエゾ物質の例としては、PVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(ジルコンチタン酸鉛セラミック)などがある。
【0062】
PVDFはPVDF−TrFE(polyvinylidene fluoride trifluoroethylene)を含み、フレキシブルなフィルム形態に製作しやすい物質特性を有する。一方、PZTはPVDFに比べてフィルム形態に製作しにくくフレキシブルな特性を有しにくいという差異がある。しかし、実施形態によってはPZTを振動物質層として使用しながらもフィルム形態に形成するためにPZTとPVDF(またはPVDF−TrFE)を混合して使用することもできる。
【0063】
一方、一対の電極27−2は振動物質層27−1の両側面にそれぞれ位置し、振動物質層27−1に電界を提供する。電極27−2はITO、IZOのような透明な導電体、不透明な金属、導電性ポリマー(conducting polymer)及び炭素ナノチューブ(CNT)など多様な導電物質を使用することができる。
【0064】
音響素子27は背面シャーシ28の突出領域28−1の内面に付着されて振動する。音響素子27の振動によって突出領域28−1も振動するようになって、その結果、背面シャーシ28全体が振動しながら表示パネル70にも振動が伝達される問題が発生することがある。これは背面シャーシ28の材質及び音響素子27から提供される振動の大きさによって決定される問題であるので、実際の音響素子27の振動が相対的に小さいと問題が発生しないこともある。音響素子27から提供する振動によって発生する恐れがある問題を除去するために、背面シャーシ28の突出領域28−1の周辺には突出領域28−1の境界(
図2において突出領域28−1を定義する外側の輪郭)に沿って位置するオープン部28−2が形成されている。オープン部28−2は、突出領域28−1の境界に沿って、複数個に分割された例えば壁状に形成されている。オープン部28−2が突出領域28−1に沿って壁状に形成されていることにより、音響素子27の振動の伝達を緩やかにする。また、オープン部28−2は、複数個に分割された例えば壁状に形成されており、一種の箱状の形態を有するため共鳴箱となり得る。よって、オープン部28−2は音響素子27の振動が背面シャーシ28にそのまま伝達されないように緩衝する役割を果たすだけでなく、突出領域28−1の振動時に共鳴箱の役割を忠実に果たすことができるように、突出領域28−1の可動範囲を向上させる役割も果たす。また、オープン部28−2を通じて音が外部に排出され使用者が音を容易に聞くことができる。
【0065】
オープン部28−2は突出領域28−1の境界壁のうちの一部と平行な構造を有し、その長さ及び幅は実施形態によって多様な構造を有する。隣接するオープン部28−2同士は一定の間隔をおいて配置されている。
【0066】
図2を参照すれば、オープン部28−2は突出領域28−1の境界内部に位置しているが、実施形態によっては突出領域28−1の外側に配置することもできる。
【0067】
図2を参照すれば、突出領域28−1は円形構造を有し、円形構造の一端には線状に伸びている配線連結部28−3が形成されている。配線連結部28−3はアンプから音響素子27に伝達される音響信号を伝達する音響信号配線が突出領域28−1内に接続される部分である。配線連結部28−3は突出領域28−1と同一な程度に突出していてもよく、実施形態によってはそれより突出程度が小さいこともある。
【0068】
一方、実施形態によっては表示パネル70の前面に強化ガラスやプラスチックで形成されたウィンドウが配置されていてもよい。ウィンドウは表示パネル70の前面が外部からの力によって損傷することを防止する。ウィンドウ30(
図14参照)は携帯電話のような携帯用電子機器やその他の電子機器の表示側外面を構成することができる。
【0069】
図1の実施形態では音響素子27が一つ含まれている実施形態を示したが、音響素子27の個数は2つ以上の複数個を含むこともできる。
【0070】
以下、
図3及び
図4を参照して本発明の他の実施形態について説明する。
【0071】
図3及び
図4は本発明の他の実施形態による表示装置の背面図である。
【0072】
図3及び
図4の実施形態は
図2の実施形態と異なりオープン部28−2の有無及び位置が異なる実施形態である。
【0074】
図3の実施形態による表示装置100は背面シャーシ28に突出領域28−1及び配線連結部28−3を有するが、オープン部28−2が含まれていない実施形態である。
【0075】
一方、
図4の実施形態による表示装置100は背面シャーシ28に突出領域28−1、オープン部28−2及び配線連結部28−3を有するが、
図2の実施形態と異なりオープン部28−2が突出領域28−1の外側に位置している。オープン部28−2は
図2の実施形態と同様に突出領域28−1の境界に平行であり、長さと幅は実施形態によって多様に形成することができる。
【0076】
以下、
図5乃至
図11を参照して本発明の実施形態による表示装置100の音響特性を説明する。
【0077】
まず、
図5乃至
図10を参照して背面シャーシ28の特定位置での振動特性を説明する。
【0078】
図5では本発明の実施形態による表示装置100の音響特性を測定するための測定位置と音響素子の位置を示している。
【0079】
図5で示しているように音響特性を実験するための実施形態の表示装置100では二つの音響素子(例えば、スピーカー)を含む実施形態を用いた。つまり、
図5の1及び2の位置であり、背面シャーシ28の突出領域28−1の内側に二つの音響素子が位置している。
【0080】
背面シャーシ28は
図5の三角形が示された部分を固定した状態であり、
図5では突出領域28−1付近にオープン部28−2がない
図3のような実施形態を示しているが、実験時にはオープン部28−2がない
図3のような実施形態(e1_base)、オープン部28−2が突出領域28−1の内側にある
図2のような実施形態(e1_slit in)及びオープン部28−2が突出領域28−1の外側にある
図4のような実施形態(e1_slit out)を用いて測定した。
【0081】
また、音響特性を測定した位置は
図5で1乃至5の位置であり、各位置での音響特性が
図6乃至
図10に示されている。
【0082】
図6の実施形態では1番位置での音響特性をグラフ(N1)で示しており、
図7では2番位置での音響特性を示しており(N2)、
図8では3番位置での音響特性を示し(N3)、
図9では4番位置での音響特性を示し(N4)、
図10では5番位置での音響特性を示している(N5)。
図6乃至
図10のグラフは周波数に対する背面シャーシの剛性(stiffness)であり、剛性が小さいほど音の増幅には有利な点を有する。
【0083】
図6乃至
図10を参照すれば、オープン部28−2がない実施形態(e1_base)よりはオープン部28−2がある実施形態(e1_slit in、e1_slit out)が音増幅効果が良好であるのが分かる。例えば、
図6から
図10のいずれを参照しても、約200Hz以下においては、オープン部28−2がある実施形態(e1_slit in、e1_slit out)の剛性は、オープン部28−2がない実施形態(e1_base)の剛性よりも小さく、音の増幅には有利である。また、1kHz以下の低周波数領域と3kHz以上の高周波数領域では、オープン部28−2が突出領域28−1の外側に位置する実施形態(e1_slit out)が音増幅効果が良好であり、その間の中間周波数領域ではオープン部28−2が突出領域28−1の内側に位置する実施形態(e1_slit in)が音増幅効果が良好であった。例えば、
図6から
図10のいずれを参照しても、低周波領域の約200Hz以下においては、オープン部28−2が突出領域28−1の外側に位置する実施形態(e1_slit out)の剛性は、オープン部28−2が突出領域28−1の内側に位置する実施形態(e1_slit in)の剛性よりも小さく、音の増幅には有利である。また、
図6〜
図8等を参照した場合、例えば高周波領域の約8kHzにおいては、オープン部28−2が突出領域28−1の外側に位置する実施形態(e1_slit out)の剛性は、オープン部28−2が突出領域28−1の内側に位置する実施形態(e1_slit in)の剛性よりも小さく、音の増幅には有利である。
【0084】
一方、
図11ではオープン部28−2がない
図3のような実施形態(No slit)、オープン部28−2が突出領域28−1の内側にある
図2のような実施形態(slit in)及びオープン部28−2が突出領域28−1の外側にある
図4のような実施形態(slit out)を振動させた後、各周波数での振動特性を撮影した結果を示している。
【0085】
図11によれば、
図3のようにオープン部28−2がない実施形態は音響素子27による振動が背面シャーシ28の全領域に広く拡散して全体背面シャーシ28が振動する特性を有するのを確認することができる。
図11の(No slit)の特に高周波領域(高音)を参照すれば、振動波が背面シャーシ28の全領域に広く拡散している。
【0086】
また、200〜1kHzの低周波数領域(低音)と8k〜9kHzの高周波数領域(高音)ではオープン部28−2が突出領域28−1の外側に位置する
図4の実施形態が音増幅効果が良好であるのを確認することができる。例えば、
図11の(slit out)の特に低周波数領域(低音)及び高周波数領域(高音)を参照すれば、振動波が突出領域28−1の外よりも突出領域28−1内においてより観察される。1.3k〜2.7kHzの中音領域ではオープン部28−2が突出領域28−1の内側に位置する
図2の実施形態が音増幅効果が良好であるのを確認することができる。例えば、
図11のslit in)の特に中音領域を参照すれば、振動波が突出領域28−1の外よりも突出領域28−1内においてより観察される。
【0087】
したがって主に使用する音の周波数特性によってオープン部28−2の位置が調整できるだけでなく、オープン部28−2を突出領域28−1の内側及び外側の両方ともに形成することもできる。
【0088】
以下、
図12乃至
図18を参照して音響素子27及び突出領域28−1の個数、位置及び形状の変化による多様な実施形態を説明する。
【0089】
まず、
図12を参照して背面シャーシ28での突出領域28−1の多様な変形例を説明する。
【0090】
図12では突出領域28−1の多様な形状を示している。
図2では配線連結部28−3を除いては円筒形に突出している突出領域28−1を示したが、
図12では配線連結部28−3は除いて突出領域28−1の多様な形状を示している。
【0091】
突出領域28−1は背面の形状が円形(
図12の(A))以外にも楕円形(
図12の(B))や角部が丸い四角形構造(
図12の(C))など多様な形状が示されている。図面に示しているところとは異なり角部が角ばっている四角形構造を有してもよく、角部が丸い多角形構造、角部が角ばっている多角形構造で形成されてもよい。
【0092】
突出領域28−1内には一つの音響素子27が形成されてもよいが、
図5のように2つ以上の音響素子27が形成されてもよい(
図12の(D)〜(F))。一つの音響素子27が位置する場合には突出領域28−1の中央に配置してもよい。
【0093】
図12では大きさが同一な二つの突出領域28−1が一定の間隔をおいて背面シャーシ28に形成された実施形態も示されており(
図12の(D))、互いに異なる大きさの二つの突出領域28−1が形成された実施形態も示されている(
図12の(E))。各突出領域28−1には少なくとも一つの音響素子27を配置することができ、音響素子27は突出領域28−1の中央に配置することもできる。
【0094】
さらに、
図12では二つの突出領域28−1が重畳する形状を有する突出領域28−1も示されている(
図12の(F))。つまり、二つの互いに異なる円形の突出領域28−1が一部領域を互いに重畳するように配列して一つの突出領域28−1を構成する構造も示されている。このような突出領域28−1には少なくとも一つの音響素子27を配置することができる。二つの音響素子27が位置する場合には一つの突出領域28−1を二つの円形の突出領域に仮想分割して各円形の中央に二つの音響素子27がそれぞれ位置するようにすることもできる。
【0095】
図12で示している突出領域28−1の形状は多様な実施形態のうちの一例を示したもので、本発明の実施形態が
図12の突出領域28−1に限定されない。
【0096】
図13では円形の突出領域28−1を基本にしてオープン部28−2及び配線連結部28−3を含んでより具体的な背面シャーシ28の構造を示している。オープン部28−2の位置及び突出領域28−1の個数によって多様な実施形態が
図13に示されている。
図13の実施形態では音響素子27が二つである実施形態を示している。
【0097】
まず、一つの突出領域28−1を有する実施形態を説明する。
図13の(A)、(B)では、一つの突出領域28−1の中に二つの音響素子27を有し、一つの突出領域28−1に対応して一つの配線連結部28−3が形成されている。この時、オープン部28−2の位置が一つの実施形態は突出領域28−1の外側であり(
図13の(A))、他の一つの実施形態は突出領域28−1の内側である(
図13の(B))。実施形態によってはオープン部28−2が含まれなくてもよい。
【0098】
一方、
図13の(C)、(D)における二つの突出領域28−1が形成されている実施形態では、各突出領域28−1に一つの音響素子27が位置している。音響素子27は突出領域28−1の中央に配置することができる。各突出領域28−1は一つの配線連結部28−3を有する。この時、オープン部28−2の位置が一つの実施形態は突出領域28−1の外側であり(
図13の(C))、他の一つの実施形態は突出領域28−1の内側である(
図13の(D))。実施形態によってはオープン部28−2が含まれなくてもよい。
【0099】
図13で二つの音響素子27が示されており、二つの音響素子27を用いるとステレオの音響を使用者に提供することができる。
【0100】
図13の実施形態では
図12の多様な形状の突出領域28−1のうちの円形の構造のみを使用したので、
図12の実施形態と併合すれば、より多くの実施形態を形成することができる。
図12及び
図13で示さない変形例も本発明の権利範囲に含まれ得る。
【0101】
図14乃至
図18では背面シャーシ28の代わりにクッションテープ70−1を使用する実施形態を中心に多様な実施形態を示している。
図14乃至
図18の実施形態では背面シャーシ28が、70と表示された表示パネル(または表示パネルアセンブリー)に含まれていてもよい。つまり、クッションテープ70−1は背面シャーシ28の背面に配置されてもよく、これとは異なりクッションテープ70−1の背面に追加的に背面シャーシ28が配置されてもよい。また、
図14乃至
図18には表示パネル70の前面にウィンドウ30が形成される実施形態があり得るのでこれを点線で示した。ウィンドウ30は必ずしも含まれなければならない構成要素ではなく、強化ガラスやプラスチックなどで形成されて表示パネル70の前面が外部からの力によって損傷することを防止する。ウィンドウ30は携帯電話のような携帯用電子機器やその他の電子機器の表示側外面を構成することができる。
【0103】
本発明の実施形態による表示装置100は表示パネル70、表示パネル70の背面に位置する音響素子27及び表示パネル70の背面と音響素子27を覆うクッションテープ70−1を含む。実施形態によっては表示パネル70または表示パネルアセンブリー70の前面にウィンドウ30を含むことができる。
【0104】
クッションテープ70−1は表示パネル70の背面と音響素子27を保護する役割を果たす。クッションテープ70−1は弾性を有する材質で形成することができ、光が遮断されるブラックの色を有し得る。
【0105】
音響素子27を覆うクッションテープ70−1は
図14で示しているように音響素子27の周辺で一定の空間が形成されて音響素子27の音を響くようにする共鳴箱の役割を果たすようにすることができる。
【0106】
実施形態によっては
図14の符号70は、表示パネルでない表示パネルアセンブリーを示すこともできる。つまり、
図14の表示パネル70は、表示パネルを含むアセンブリーであって表示パネル以外に集積回路チップ(integrated circuit chip、IC chip)及び軟性回路基板(flexible printed circuit boardd、FPC)を含んで表示パネルを駆動する駆動部をさらに含むことができる。
【0107】
図14の実施形態の表示パネル70または表示パネルアセンブリーは光を自ら発光する表示パネルであるか、光源から光を受けて画像を表示する受光型表示パネルであり得る。光を自ら発光する表示パネルとしては有機発光表示パネルなどがあり、受光型表示パネルとしては液晶表示パネルなどがある。受光型表示パネルにはバックライトユニットを含んでいてもよい。
【0108】
図14の表示パネル70はモールドフレームをさらに含むことができ、モールドフレームによって表示パネルが固定され得る。さらに表示パネル70が前面方向に離脱することを防止するためにトップシャーシをさらに含むこともでき、背面にはボトムシャーシまたはバックシャーシと呼ばれる背面シャーシをさらに含むこともできる。
【0109】
図14の実施形態では音響素子27が一つ含まれている実施形態を示したが、音響素子27の個数は2つ以上の複数を含むこともできる。
【0110】
一方、
図14の実施形態では表示パネル70の背面と音響素子27とが直接接触して形成されている。表示パネル70の背面が別途のシャーシなしにガラス基板で形成される場合には音響素子27とガラス基板とが直接接触することによってガラス基板に損傷が発生する可能性がある。
【0111】
よって、
図15の実施形態のように表示パネル70の背面にガラス基板を保護する保護フィルム70−2を形成し、その下に音響素子27及びクッションテープ70−1を形成する実施形態も可能である。
【0112】
図14及び
図15の実施形態ではクッションテープ70−1が音響素子27を覆い、音響素子27の周辺で生ずる空間によって音が響いて増幅される特性を有し得る。
【0113】
しかし、実際に音響素子27の高さが高くない場合にはクッションテープ70−1との空間が狭くて共鳴箱の役割を果たすには不充分なこともある。
【0114】
よって、以下では
図16及び
図17を参照してクッションテープ70−1に響き空間70−11を形成した実施形態を説明する。
【0115】
図16で示しているように、表示パネル70の背面には音響素子27が接している。表示パネル70背面には表示パネル70の背面と接して、音響素子27に対応し、凹んでいる響き空間70−11を有するクッションテープ70−1が位置している。
【0116】
このような実施形態は響き空間70−11を必要によって十分な大きさで形成できて、音響素子27から提供される音を十分に増幅させることができる。
【0117】
図16の実施形態では音響素子27が表示パネル70の背面に付着されていてもよいが、
図17では音響素子27がクッションテープ70−1の響き空間70−11内に固定されている実施形態を示している。
【0118】
図17で示しているようにクッションテープ70−1の響き空間70−11内には固定突出部70−12が形成されており、音響素子27が固定突出部70−12に固定されてクッションテープ70−1の響き空間70−11内に固定されている。
図17の実施形態でクッションテープ70−1と固定突出部70−12は同一な材質であってもよいが、互いに異なる材質で接着剤などによって付着されていてもよい。
【0119】
図17の実施形態では音響素子27が表示パネル70の背面と接触しているが、接着剤によって付着されていなくても良く、固定突出部70−12によって表示パネル70の背面と密着して固定されていてもよい。固定突出部70−12は音響素子27が接着剤によって付着されなくても位置が変わらないようにする役割を果たす。
【0120】
一方、実施形態によっては音響素子27を覆う構成要素がない実施形態も可能である。つまり、
図18で示している表示装置のように、音響素子27は表示パネル70の背面に位置し、その背面には何の構成要素も形成されなくてもよい。
【0121】
以下、
図19乃至
図22を参照して音響素子27の変形例を説明する。
【0122】
図19乃至
図22は本発明の実施形態による多様な音響素子の構造を示した図面である。
【0123】
まず、
図19の音響素子27を説明する。
【0124】
図19は音響素子27の一部分の断面を示しており、一対の電極27−2とその間に位置する振動物質層27−1を含む。振動物質層27−1は、振動物質層27−1を挟むように上下に位置する一対の電極27−2から提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含み、ピエゾ物質の例としてはPVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(ジルコンチタン酸鉛セラミック)などがある。
【0125】
振動物質層27−1を基準に一つの電極27−2は上部に位置し、他の一つの電極27−2は下部に位置するが、
図19の実施形態では下部に位置する電極の一部が振動物質層27−1の側面に沿って上向きに延在し、上向きに延在した他端の一部が振動物質層27−1の上部に位置する実施形態を示している。上部に位置する部分は電極パッド27−21を構成する。振動物質層27−1に電界を印加するために二つの電極27−2に配線を接続しなければならないが、
図19のように下部電極27−2の電極パッド27−21が上部に位置すれば、上部で二つの電極に直ちに接続できるという長所がある。その結果、音響素子27の下部は接着剤などで付着しても上部を通じて信号の印加を受けることができる。
【0126】
図19のような断面を有する音響素子27を上部から見ると
図20のようであり得る。音響素子27の上部には二つの電極27−2が位置しているが、大部分は上部に位置する電極27−2が占め、一部領域のみ下部電極27−2の電極パッド27−21が位置しており、電極パッド27−21は上部電極27−2と一定の間隔をおいて離れている。
図20の実施形態では電極パッド27−21は四角形構造を有し、四角形構造電極パッド27−21部分を除いては円形の上部の電極27−2が位置している。その下に位置する振動物質層27−1も円形構造を有し、下部電極27−2も円形構造であり、下部電極27−2は振動物質層27−1の側面に沿って延在し、電極パッド27−21と接続されている。
【0127】
以上のように音響素子27は上部と下部に一対の電極27−2が位置するのが基本であるが、実施形態によっては一つの電極を他の構造物に変更して使用することもできる。
【0128】
図21を参照すれば、音響素子27は上部の電極27−2一つとその下の振動物質層27−1で構成されている。振動物質層27−1の下には背面シャーシ28が位置している。背面シャーシ28が導電物質で形成されており、この時、背面シャーシ28と上部の電極27−2が一対の電極役割を果たして振動物質層27−1に電界を提供する。つまり、
図21の実施形態では音響素子27が付着される構成要素が導電物質で構成される場合に一側の電極を省略し、該当構成要素(
図21では背面シャーシ28)を用いて電極の役割も果たすようにすることができる例を示す。この時、背面シャーシ28のような電極を代替する構成要素はアンプからの信号以外には他の電気的な信号の印加を受けないのが好ましい。
【0129】
図21の実施形態では下部電極の役割を果たす背面シャーシ28が音響素子27に比べて非常に広くて電線を接続する位置が多いので、
図19及び
図20のように振動物質層27−1の側面に沿って上部に位置する電極パッド27−21は別途に形成しなくてもよい。
【0130】
以下、
図22を参照して多層の音響素子27を説明する。
【0131】
図22の実施形態による音響素子27は、3つの振動物質層27−1と総4つの電極27−2を含む。3つの振動物質層27−1は3層構造に配列されている。音響素子27の最外側に位置する電極と、3層構造の振動物質層27−1の間の電極と、により総4つの電極27−2が配置されている。総4つの電極はそれぞれ2つずつ互いに電気的に接続されており、互いに交互に配置されている。一番下に位置する電極27−2と一番上に位置する電極27−2は互いに異なる信号の印加を受ける。中間に位置する2つの電極27−2のうち一方は、振動物質層27−1の側面に沿って一番上の電極27−2と接続されており、2つの電極27−2のうち他方は、一番下の電極27−2と接続されている。一番下に位置する電極27−2は電極パッド27−21を一番上に位置する電極27−2のそばに位置させて、配線が容易に接続されるように構成する。その結果、各振動物質層27−1は上下に接している電極27−2が互いに異なる信号を印加することにより発生する電界によって振動物質層27−1が振動しながら音を発生させる。
図22の実施形態では振動物質層27−1が3つ存在するため、一つのみ存在する音響素子27に比べて高い音圧を発生させることができる。なお、振動物質層27−1の数及び電極27−2の数は、総3つ及び総4つに限られない。
【0132】
以下、
図23及び
図24を参照して音響素子27に信号を提供するアンプ80について説明する。
【0133】
図23及び
図24は本発明の実施形態による表示装置におけるアンプを示した図面である。
【0134】
本発明の実施形態による表示装置100で、アンプ80は印刷回路基板78上に位置している。アンプ80は表示装置100の画像表示を制御する信号制御部(図示せず)の内部に配置されても良く、別途に形成されてもよい。
図23及び
図24では別途に構成されている実施形態を示している。
【0135】
アンプ80の出力は軟性回路基板79に沿って表示パネル70に伝達され、表示パネル70に形成されている音響信号配線80−1を通じて音響素子27に信号が印加される。
【0136】
アンプ80は外部から伝達された音響信号を受信して、これを増幅して音響信号配線80−1を通じて音響素子27に音響信号を伝達する。
【0137】
このようなアンプ80は多様な集積回路構成で実現することができ、そのうちの一実施形態が
図24に示されている。
【0138】
アンプ80は一つの集積回路チップを含み、その周辺のコイル、キャパシタ及び抵抗素子をさらに含む。
図24に示されている構造を参照すれば、一つの集積回路チップは総16個の入出力端を有する。各入出力端は一つの電源電圧入力端(VDD)と、二つの接地電圧入力端(PGND、SGND)、二つの一定電圧入力端(SW、VBST)、4つの入力信号端(IN1+、IN1−、IN2+、IN2−)、2つの出力信号端(OUT+、OUT−)及び4つの選択信号入力端(SHDN、SCL/GAIN、SW/RW、SDA/SEL)である。4つの選択信号入力端によって選択された信号によって4つの入力信号が増幅及び変換されて二つの出力端(OUT+、OUT−)に提供される。
【0139】
アンプ80に印加される音響信号は表示装置の外部から提供され、使用者が携帯する携帯端末の場合、携帯端末の制御ユニット(MPU)からアンプ80に音響信号を提供することができる。
【0140】
以下、音響素子27を用いて使用者に音を提供すること以外に他の方式で使用される実施形態について説明する。
【0141】
図25乃至
図29は本発明の実施形態による表示装置が使用可能な駆動特性を示した図面である。
【0142】
まず、
図25を参照して、音響素子27の振動のうちの可聴周波数でない周波数を用いてハプティック機能を使用することができる例を説明する。
図25では、横軸に周波数、縦軸に音圧レベル(SPL)を示している。
【0143】
音響素子27によって表示装置100には全体的に振動が発生し、そのうちの可聴周波数でない低い振動も
図25のように共に発生する。該周波数は使用者に聞けないので他の用途に使用されても音質には影響がない。使用者が表示装置100をタッチした時、変化する振動を感知してタッチを感知することができる。このようなタッチの感知はタッチがあるか無いかの程度の感知であり得、実施形態によってはハプティック(haptic、触覚)機能と共に使用できる。つまり、音響素子27が提供する可聴周波数以外の振動を用いてその変化を感知して使用者のタッチの有無を確認しハプティック機能を実現することができる。このために可聴周波数でない低周波の振動が感知できるセンサーを追加的に具備することができ、センサーを用いてハプティックを実現する場合には表示装置100では画像を表示する信号制御部や携帯端末では携帯端末の制御ユニット(MPU)で遂行できる。
【0144】
以下、
図26を参照して圧力感知センサーとしての役割を説明する。
【0145】
音響素子27に含まれている振動物質層27−1は電界によって振動しながら音を発生させる。しかし、振動物質層27−1が電界なしに振動する場合には振動物質層27−1から電圧が発生する。発生する電圧を感知すれば振動物質層27−1に変位が発生したのを確認することができ、これは圧力によって押されながら発生した変位であるのを確認して圧力感知役割を果たすことができる。
【0146】
音響素子27を用いた圧力感知には音響素子27で発生する電圧が感知できるセンサー85を追加的に含むことができる。しかし、実施形態によってはアンプ80の構造を変更し、アンプ80としての駆動とセンサー85としての駆動を時分割で駆動させて一つのアンプ80で圧力センサーの役割も共に果たすようにすることもできる。つまり、ある時間区間では、一つのアンプ80は音響信号を受信して増幅する素子として機能し、別の時間区間では、一つのアンプ80は電界の印加無しに発生した振動を感知して増幅する素子として機能する。
【0147】
図27では使用者の手の動きをドップラー効果を利用して感知する実施形態が示されている。
【0148】
表示装置100の内部に位置している音響素子27で可聴周波数でない高周波または低周波の音波が発生する時、使用者が表示装置100の前面で手を動かせば、発生した音波が変動しながら携帯端末のマイク130に音波が入力される。
図28で示しているように使用者の手の動きによるドップラー効果で音波は音圧が強くなるか弱くなりながらマイク130に伝達され、マイク130に提供された音波の変動を感知して使用者の手の動きを感知するモーションセンシングが可能である。
【0149】
音響素子27を用いてモーションセンシングをするためにはマイク130が必ず必要であり、マイク130を含む電子機器に音響素子27を含む表示装置100が使用される場合には別途の追加構成なくモーションセンシングが可能である。
【0150】
図27によるモーションセンシングはカメラを使用するモーションセンシングに比べてカメラによる画像処理が不必要であり、マイク130に入力される音圧のみ考慮すれば良いので簡単であるという長所がある。
【0151】
以下、
図29を参照して音響素子27を用いた携帯端末のバッテリー充電について説明する。
【0152】
図26を参照して説明したように音響素子27に含まれている振動物質層27−1が電界なしに振動する場合には振動物質層27−1から電圧が発生する。このように発生する電圧をキャパシタやバッテリー87に貯蔵してバッテリーの使用時間を増加させることができる。一般に使用する携帯端末は使用者の移動時に共に所持するため、一定水準の振動に対しては露出されている。したがって音響素子27を含む場合には音響素子27自体が振動するようになって電圧が発生し、これをバッテリー87に伝達してバッテリー87が充電されるようにすることができる。
【0153】
さらに、携帯端末を充電することができる状況でない場合、使用者が音響素子27を含む携帯端末を振るか指を用いて数十乃至数百回タッチすることによってバッテリー87が充電される効果を有し得る。
【0154】
以上のように、
図25乃至
図29で説明した音響素子27の他の効果は一つの音響素子27を用いて音響素子27が音を提供する間に時分割駆動を通じて共に行われ得る。つまり、ある時間区間では音響素子27が音を提供し、別の時間区間では端末を充電する。さらに、別途の音響素子27を追加的に形成し、音響素子27がアンプと接続されず、別途のセンサーやバッテリーと接続されて感知動作やバッテリー充電動作のみ行うように形成することができる。
【0155】
本発明では音響素子27が表示装置100の内に位置しているものと記述されているが、
図25乃至
図29の特性を有するためには音響素子27が表示装置100が使用される携帯端末のどこかに存在することのみで十分であり、必ずしも表示装置100の内に位置しなければならないのではない。
【0156】
以上のように電界の印加を受けて音を提供するピエゾ(piezo)物質(例えば、PVDFでもPZTなどの物質)を形成して表示装置で音を提供する。また、可聴周波数でない振動を用いて使用者がタッチした場合、このタッチによるフィードバックを受けてタッチ感知するようにすることができ、別途のタッチスクリーンを形成しなくてもよい。また、ドップラー効果によって表示装置の周辺で手の移動が感知でき、別途の動作センサーを含まなくてもよい。
【0157】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。