(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記底面が、上記2つの屈曲溝に挟まれたゾーンに、ジグザグ状の複数の突起を有しており、それぞれの突起がアウトサイドからインサイドに向かってトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している請求項4に記載のアウトソール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
船での釣りでは、釣り人はデッキの上に立つ。船は波で様々な方向に揺れるので、釣り人の足には様々な方向への力がかかる。釣り人は、この力に対して踏ん張る。踏ん張りが容易なブーツが、望まれている。
【0005】
デッキは、水に濡れていることが多い。釣り人がデッキの上を歩くとき、水がブーツのスリップを招く。スリップしにくいブーツが望まれている。
【0006】
ブーツ以外の、靴、タビ、サンダル、ウェーダー等の履き物においても、踏ん張りやすいこと、及びスリップしにくいいことが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、船上で踏ん張りやすく、かつスリップしにくい釣り用履き物の提供にある。本発明の他の目的は、この履き物に適したアウトソールの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアウトソールは、その底面に多数の第一要素を有する。この第一要素は、第一防滑エッジを有する第一突起、第二防滑エッジを有する第二突起、第三防滑エッジを有する第三突起、第四防滑エッジを有する第四突起、及び1又は2以上の小溝を有する。これら小溝によって、第一突起、第二突起、第三突起及び第四突起は、互いに分離されている。アウトソールの底面の輪郭内に画かれうる最長の線分である長さ線よりもインサイドであって、トウサイド端からの距離が上記長さ線の長さの0%以上18%以下であるゾーンに、主として第一要素が配置される。長さ線よりもアウトサイドであって、トウサイド端からの距離が長さ線の長さの35%以上78%以下であるゾーンにも、主として第一要素が配置される。
【0009】
好ましくは、アウトソールは、その底面に多数の第二要素を有する。この第二要素は、第五防滑エッジを有する第五突起、第六防滑エッジを有する第六突起、第七防滑エッジを有する第七突起、第八防滑エッジを有する第八突起、及び1又は2以上の小溝を有する。これら小溝によって、第五突起、第六突起、第七突起及び第八突起が互いに分離されている。1つの小溝の幅は、第一要素の小溝の幅よりも大きい。長さ線よりもアウトサイドであって、トウサイド端からの距離が長さ線の長さの78%以上100%以下であるゾーンに、主として第二要素が配置される。
【0010】
好ましくは、長さ線よりもインサイドであって、トウサイド端からの距離が長さ線の長さの43%以上68%以下であるゾーンにも、主として第二要素が配置される。
【0011】
好ましくは、アウトソールは、長さ線よりもインサイドであって、トウサイド端からの距離が長さ線の長さの68%以上100%以下であるゾーンに、縦溝及び横溝を有する。この縦溝の幅は、ヒールサイドからトウサイドに向かって徐々に大きくなる。横溝の幅は、アウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなる。
【0012】
好ましくは、アウトソールは、拇指球に相当する部位を挟んで位置する2つの屈曲溝を有する。それぞれの屈曲溝は、アウトサイドからインサイドに向かってトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している。
【0013】
好ましくは、アウトソールは、2つの屈曲溝に挟まれたゾーンに、ジグザグ状の複数の突起を有する。それぞれの突起は、アウトサイドからインサイドに向かってトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るアウトソールを備えた釣り用履き物では、第一要素が多数の防滑エッジを有する。従って、船上で釣り人の足に様々な方向の力がかかっても、釣り人は踏ん張りやすい。この第一要素は、小溝を有する。従って、この履き物はスリップしにくい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0017】
図1に示されたブーツ2は、釣り人等に着用される。このブーツ2は、アウトソール4、インソール(図示されず)及びアッパー6を備えている。アッパー6は、甲皮の一例である。アウトソール4は、アッパー6と接合されている。アッパー6に対して着脱自在なアウトソール4を、ブーツ2が備えてもよい。着脱は、面ファスナーによって達成されうる。
図1におけるz方向は、高さ方向である。
【0018】
図2には、アウトソール4が示されている。このアウトソール4は、右足用である。左足用のアウトソールは、右足用のアウトソール4の形状と鏡面対称である形状を有する。
【0019】
図2において、上下方向(y方向)はアウトソール4の長さ方向であり、左右方向(x向)はアウトソール4の幅方向である。
図2において、上側はトウサイドであり、下側はヒールサイドであり、左側はアウトサイドであり、右側はインサイドである。
【0020】
図2において一点鎖線で示されているのは、長さ線8である。長さ線8は、アウトソール4の底面の輪郭の内に画かれうる最長の線分である。
図2において、符号Ehで示されているのはヒールサイド端Ehであり、Etで示されているのはトウサイド端Etである。
【0021】
このアウトソール4は、ベース面10、第一屈曲溝12、第二屈曲溝14、第一主溝16、第二主溝18、第一壁20及び第二壁22を有している。第一屈曲溝12、第二屈曲溝14、第一主溝16、第二主溝18、第一壁20及び第二壁22により、アウトソール4は、外爪先部24、内爪先部26、屈曲部28、外中間部30、外踵部32、アーチ部34及び内踵部36に区画されている。
【0022】
第一屈曲溝12は、ベース面10から凹陥している。第一屈曲溝12は、直線状である。第一屈曲溝12は、アウトサイドからインサイドに向かってトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している。第一屈曲溝12は、アウトサイドの外縁からインサイドの外縁にまで至っている。第一屈曲溝12は、アウトソール4の排水性能に寄与しうる。第一屈曲溝12の幅は、2.0mm以上8.0mm以下が好ましく、3.0mm以上6.0mm以下が特に好ましい。第一屈曲溝12の深さは、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。
【0023】
第二屈曲溝14は、ベース面10から凹陥している。第二屈曲溝14は、直線状である。第二屈曲溝14は、アウトサイドからインサイドに向かってトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している。第二屈曲溝14は、アウトサイドの外縁からインサイドの外縁にまで至っている。第二屈曲溝14は、アウトソール4の排水性能に寄与しうる。第二屈曲溝14の幅は、2.0mm以上8.0mm以下が好ましく、3.0mm以上6.0mm以下が特に好ましい。第二屈曲溝14の深さは、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。
【0024】
この実施形態では、第二屈曲溝14は、第一屈曲溝12と平行に延在している。第二屈曲溝14は、第一屈曲溝12よりもヒールサイドに位置している。ブーツ2の着用者の足の拇指球に相当する部位は、第一屈曲溝12と第二屈曲溝14とに挟まれている。前述の通り、第一屈曲溝12と第二屈曲溝14とは、ベース面10から凹陥している。従って、第一屈曲溝12においてアウトソール4は曲がりやすく、第二屈曲溝14においてもアウトソール4は曲がりやすい。第一屈曲溝12及び第二屈曲溝14を有するアウトソール4は、歩行時の足の変形に追従しやすい。
【0025】
着用者が地面を蹴るとき、拇指球に大きな力がかかる。力のかかる位置は、拇指球から小指の方向へと移動する。この位置の移動方向は、概ね、第一屈曲溝12及び第二屈曲溝14の延在方向と一致している。
【0026】
第一主溝16は、ベース面10から凹陥している。第一主溝16は、湾曲している。第一主溝16は、概してヒールサイドからトウサイドに向かう方向に延在している。第一主溝16は、第一屈曲溝12から延在し、トウサイドの外縁にまで至っている。第一主溝16は、アウトソール4の排水性能に寄与しうる。第一主溝16の幅は、1.5mm以上7.0mm以下が好ましく、2.0mm以上5.0mm以下が特に好ましい。第一主溝16の深さは、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。
【0027】
第二主溝18は、ベース面10から凹陥している。第二主溝18は、湾曲している。第一主溝16は、概してトウサイドからヒールサイドに向かう方向に延在している。第二主溝18は、第二屈曲溝14から延在し、ヒールサイドの外縁にまで至っている。第二主溝18は、アウトソール4の排水性能に寄与しうる。第二主溝18の幅は、1.5mm以上7.0mm以下が好ましく、2.0mm以上5.0mm以下が特に好ましい。第二主溝18の深さは、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。
【0028】
第一壁20は、ベース面10から突出している。第一壁20は、直線状である。本実施形態では、第一壁20は、幅方向に延在している。第一壁20は、第二主溝18から延在し、アウトサイドの外縁にまで至っている。
【0029】
第二壁22は、ベース面10から突出している。第二壁22は、直線状である。本実施形態では、第二壁22は、アウトサイドからインサイドに向かってヒールサイドからトウサイドに向かう方向に延在している。第二壁22は、第二主溝18から延在し、インサイドの外縁にまで至っている。
【0030】
外爪先部24は、第一屈曲溝12よりもトウサイドで、第一主溝16よりもアウトサイドに位置している。外爪先部24は、多数の筋山38を備えている。これらの筋山38の接地面の面積は、大きい。この面積が大きいので、外爪先部24には餌(コマセ)が詰まりにくい。この観点から、
図2の底面図における外爪先部24の面積(すなわち投影面積)に対する筋山38の接地面の面積の比率は55%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、65%以上が特に好ましい。
【0031】
内爪先部26は、第一屈曲溝12よりもトウサイドで、第一主溝16よりもインサイドに位置している。着用者が船上で踏ん張るとき、内爪先部26には大きな力がかかる。船の揺れに応じ、内爪先部26には様々な方向の力がかかる。内爪先部26には、多数の円錐台突起40と、多数の第一要素42とが形成されている。それぞれの円錐台突起40は、ベース面10から突出している。
【0032】
図3−5に示されるように、それぞれの第一要素42は、第一突起44、第二突起46、第三突起48、第四突起50、第一小溝52及び第二小溝54を有している。第一突起44は、第一小溝52を隔てて第二突起46と隣接している。第二突起46は、第二小溝54を隔てて第三突起48と隣接している。第三突起48は、第一小溝52を隔てて第四突起50と隣接している。第四突起50は、第二小溝54を隔てて第一突起44と隣接している。
【0033】
第一突起44は、第一防滑エッジ56を有している。第二突起46は、第二防滑エッジ58を有している。第二防滑エッジ58の延在方向は、第一防滑エッジ56の延在方向と略直交している。第三突起48は、第三防滑エッジ60を有している。第三防滑エッジ60の延在方向は、第二防滑エッジ58の延在方向と略直交している。第四突起50は、第四防滑エッジ62を有している。第四防滑エッジ62の延在方向は、第三防滑エッジ60の延在方向と略直交している。第一要素42は4つの防滑エッジを有しているので、様々な方向からの力に対し、防滑効果を奏する。
【0034】
第一小溝52は、長さ方向に延在している。第二小溝54は、幅方向に延在している。第二小溝54は、第一小溝52と直交している。第一小溝52及び第二小溝54は、内爪先部26の排水性能に寄与する。排水により、スリップが防止されうる。第一小溝52の幅は、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。第二小溝52の幅は、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。第一小溝52の深さは、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。第二小溝52の深さは、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。
【0035】
屈曲部28は、第一屈曲溝12と第二屈曲溝14とに挟まれている。
図6及び7に示されるように、屈曲部28は、多数のジグザグ突起64を有する。1つのジグザグ突起64と、このジグザグ突起64に隣接する他のジグザグ突起64との間は、ジグザグ溝66である。この
図6では、説明の便宜上、ジグザグ突起64にハッチングが付されている。これらのジグザグ突起64の繰り返し方向は、長さ方向と一致している。それぞれのジグザグ突起64は、アウトサイドからインサイドに向かって、トウサイドからヒールサイドに向かう方向に、延在している。
【0036】
船上で着用者が踏ん張るとき、屈曲部28にかかる力はさほど大きくない。一方、歩行時には、屈曲部28に大きな力がかかる。ジグザグ突起64は、前進歩行時のグリップ性能に寄与する。ジグザグ突起64はさらに、幅方向の力に対しても、多少のエッジ効果を奏する。
【0037】
外中間部30は、第二屈曲溝14よりもヒールサイド、第二主溝18よりもアウトサイド、そして第一壁20よりもトウサイドに位置している。着用者が船上で踏ん張るとき、外中間部30には大きな力がかかる。船の揺れに応じ、外中間部30には様々な方向の力がかかる。外中間部30には、多数の円錐台突起40と、多数の第一要素42とが形成されている。内爪先部26に関して前述された通り、第一要素42は4つの防滑エッジ56、58、60、62を有しているので、様々な方向からの力に対して防滑効果を奏する。
【0038】
外踵部32は、第二主溝18よりもアウトサイドであって、第一壁20よりもヒールサイドに位置している。外踵部32には、多数の円錐台突起40と、多数の第二要素68とが形成されている。
【0039】
図8−10に示されるように、それぞれの第二要素68は、第五突起70、第六突起72、第七突起74、第八突起76、第三小溝78及び第四小溝80を有している。第五突起70は、第三小溝78を隔てて第六突起72と隣接している。第六突起72は、第四小溝80を隔てて第七突起74と隣接している。第七突起74は、第三小溝78を隔てて第八突起76と隣接している。第八突起76は、第四小溝80を隔てて第五突起70と隣接している。
【0040】
第五突起70は、第五防滑エッジ82を有している。第六突起72は、第六防滑エッジ84を有している。第六防滑エッジ84の延在方向は、第五防滑エッジ82の延在方向と略直交している。第七突起74は、第七防滑エッジ86を有している。第七防滑エッジ86の延在方向は、第六防滑エッジ84の延在方向と略直交している。第八突起76は、第八防滑エッジ88を有している。第八防滑エッジ88の延在方向は、第七防滑エッジ86の延在方向と略直交している。第二要素68は4つの防滑エッジを有しているので、様々な方向からの力に対し、防滑効果を奏する。
【0041】
第三小溝78は、長さ方向に延在している。第四小溝80は、幅方向に延在している。第四小溝80は、第三小溝78と直交している。第三小溝78及び第四小溝80は、外踵部32の排水性能に寄与する。排水により、スリップが防止されうる。
【0042】
図8−10から明かな通り、第四小溝80の幅は第三小溝78の幅よりも大きい。第四小溝80の幅は、
図3−5に示された第一要素42の第一小溝52の幅及び第二小溝54の幅よりも大きい。第四小溝80の深さは、第三小溝78の深さよりも大きい。第四小溝80の深さは、
図3−5に示された第一要素42の第一小溝52の深さ及び第二小溝54の深さよりも大きい。その幅及び深さが大きいので、第四小溝80は水を通過させやすい。第三小溝78の幅は、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。第四小溝80の幅は、0.5mm以上3.0mm以下が好ましい。第三小溝78の深さは、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。第四小溝80の深さは、0.5mm以上3.0mm以下が好ましい。
【0043】
外踵部32及び内踵部36は、歩行時に、他の部位に先駆けて接地する。外踵部32に第四小溝80が存在するので、接地の瞬間のアウトソール4のスリップが抑制される。第四小溝80の幅が大きいので、外踵部32の面積に対する第二要素68の面積の比率は、外中間部30の面積に対する第一要素42の面積の比率よりも小さい。しかし、外踵部32は外中間部30に比べ、船上で着用者が踏ん張るときにかかる力が小さいので、問題はない。
【0044】
図8に示された第二要素68では、第四小溝80は幅方向に延在している。従って、水は幅方向に移動しやすい。アウトサイドに移動した水は、アウトソール4の外縁から排出される。インサイドへ移動した水は、第二主溝18へと排出される。
【0045】
図2から明らかなように、外踵部32は、
図8に示された形状が90°回転した形状を有する他の第二要素68も有している。他の第二要素68では、第四小溝80は長さ方向に延在している。従って、歩行に伴い、水はヒールサイドからトウサイドに向かって移動しやすい。移動した水は、第一壁20でせき止められる。この水は第一壁20に沿ってアウトサイドへ移動し、アウトソール4の外縁から排出される。水はまた、第一壁20に沿ってインサイドへ移動し、第二主溝18へと排出される。
【0046】
アーチ部34は、第二屈曲溝14よりもヒールサイド、第二主溝18よりもインサイド、そして第二壁22よりもトウサイドに位置している。
図2から明らかなように、アーチ部34は、外踵部32と同様のパターンを有する。アーチ部34には、多数の円錐台突起40と、多数の第二要素68とが形成されている。着用者が船に乗り込むとき、舷の上縁に足をかける。このとき、アーチ部34が上縁と当接する。第二要素68は、アーチ部34の上縁とのスリップを抑制する。
【0047】
内踵部36は、第二主溝18よりもインサイドであって、第二壁22よりもヒールサイドに位置している。外踵部32には、多数の矩形突起90が形成されている。それぞれの矩形突起90は、ベース面10から突出している。内踵部36のうち矩形突起90以外の部分は、溝である。
【0048】
図11には、内踵部36の一部が示されている。
図11には、2列の矩形突起90が示されている。各列の矩形突起90は、概ね長さ方向に沿って並んでいる。2列の矩形突起90の間は、縦溝92である。
図11から明らかなように、トウサイドの矩形突起90のx方向幅は、ヒールサイドの矩形突起90のx方向幅よりも小さい。従って、トウサイドにおける縦溝92の幅Wtは、ヒールサイドにおける縦溝92の幅Whよりも大きい。1つの列に属する矩形突起90のx方向幅は、ヒールサイドからトウサイドに向かって徐々に小さくなる。従って、縦溝92の幅は、ヒールサイドからトウサイドに向かって徐々に大きくなる。
【0049】
内踵部36には、歩行の接地のときに大きな力がかかる。歩行時には、アウトソール4のヒールサイドがまず接地する。接地箇所は、ヒールサイドからトウサイドに向かって進行する。前述の通り、縦溝92の幅は、ヒールサイドからトウサイドに向かって徐々に大きくなる。従って、接地箇所がヒールサイドからトウサイドに向かって進行するのに従い、水がヒールサイドからトウサイドに向かって円滑に移動する。一部の水は、第二壁22に到達する。水は、第二壁22に沿ってインサイドの外縁から排出される。このアウトソール4を備えたブーツ2では、歩行時のスリップが抑制される。
【0050】
縦溝92の幅が徐々に変化しているので、この縦溝92に餌が詰まったときでも、この餌が抜けやすい。
【0051】
縦溝92の最小幅に対する最大幅の比は、1.2以上3.0以下が好ましく、1.4以上2.5以下が特に好ましい。
【0052】
図12には、内踵部36の一部が示されている。
図12には、2列の矩形突起90が示されている。各列の矩形突起90は、アウトサイドからインサイドに向かってヒールサイドからトウサイドに向かう方向に沿って並んでいる。2列の矩形突起90の間は、横溝94である。
図12から明らかなように、インサイドの矩形突起90のy方向幅は、アウトサイドの矩形突起90のy方向幅よりも小さい。従って、インサイドにおける横溝94の幅Wiは、アウトサイドにおける横の幅Woよりも大きい。1つの列に属する矩形突起90のy方向幅は、アウトサイドからインサイドに向かって徐々に小さくなる。従って、横溝94の幅は、アウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなる。従って、接地時には、水がアウトサイドからインサイドに向かって円滑に移動し、外縁から排出される。このアウトソール4を備えたブーツ2では、歩行時のスリップが抑制される。
【0053】
横溝94の幅が徐々に変化しているので、この横溝94に餌が詰まったときでも、この餌が抜けやすい。
【0054】
横溝94の最小幅に対する最大幅の比は、1.2以上3.0以下が好ましく、1.4以上2.5以下が特に好ましい。
【0055】
図2において矢印Lで示されているのは、長さ線8の長さである。符号96で示されているのは、長さ線8と直交し、かつトウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの18%である線分である。
図2から明かなように、長さ線8よりもインサイドであって、線分96よりもトウサイドであるゾーンには、主として第一要素42が配置されている。換言すれば、長さ線8よりもインサイドであって、トウサイド端Etからの距離が長さLの0%以上18%以下であるゾーンには、主として第一要素42が配置されている。このゾーンにおける合計接地面積に対する、第一要素42の接地面積の比率は、50%以上が好ましい。この比率が50%以上であるアウトソール4を有するブーツ2の着用者は、船上で踏ん張りやすい。この観点から、この比率は55%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
【0056】
図2において符号98で示されているのは、長さ線8と直交し、かつトウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの35%である線分である。符号100で示されているのは、長さ線8と直交し、かつトウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの78%である線分である。
図2から明かなように、長さ線8よりもアウトサイドであって、線分98と線分100とに挟まれたゾーンには、主として第一要素42が配置されている。換言すれば、長さ線8よりもアウトサイドであって、トウサイド端Etからの距離が長さLの35%以上78%以下であるゾーンには、主として第一要素42が配置されている。このゾーンにおける合計接地面積に対する、第一要素42の接地面積の比率は、50%以上が好ましい。この比率が50%以上であるアウトソール4を有するブーツ2の着用者は、船上で踏ん張りやすい。この観点から、この比率は55%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
【0057】
図2から明かなように、長さ線8よりもアウトサイドであって、線分100よりもヒールサイドであるゾーンには、主として第二要素68が配置されている。換言すれば、長さ線8よりもアウトサイドであって、トウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの78%以上100%以下であるゾーンには、主として第二要素68が配置されている。このゾーンにおける合計接地面積に対する、第二要素68の接地面積の比率は、50%以上が好ましい。この比率が50%以上であるアウトソール4を有するブーツ2の着用者は、船上で踏ん張りやすい。この比率が50%以上であるアウトソール4を有するブーツ2は、濡れたデッキの上でもスリップしにくい。これらの観点から、この比率は55%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
【0058】
図2において符号102で示されているのは、長さ線8と直交し、かつトウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの43%である線分である。符号104で示されているのは、長さ線8と直交し、かつトウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの68%である線分である。
図2から明かなように、長さ線8よりもインサイドであって、線分102と線分104とに挟まれたゾーンには、主として第二要素68が配置されている。換言すれば、長さ線8よりもインサイドであって、トウサイド端Etからの距離が長さLの43%以上68%以下であるゾーンには、主として第二要素68が配置されている。このゾーンにおける合計接地面積に対する、第二要素68の接地面積の比率は、50%以上が好ましい。この比率が50%以上であるアウトソール4を有するブーツ2は、船の舷の上縁でスリップしにくい。この観点から、この比率は55%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
【0059】
図2から明かなように、長さ線8よりもアウトサイドであって、線分104よりもヒールサイドであるゾーンに、縦溝92及び横溝94が存在している。換言すれば、長さ線8よりもインサイドであって、トウサイド端Etからの距離が長さ線8の長さLの68%以上100%以下であるゾーンに、縦溝92及び横溝94が存在している。このゾーンにおける縦溝92の数は2以上が好ましく、3以上が特に好ましい。このゾーンにおける横溝94の数は3以上が好ましく、5以上が特に好ましい。