(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記条件決定手段は、前記第一照明手段を点灯させ、かつ、前記第二照明手段を点灯させずに取得した前記デコード手段のデコード結果と、前記第一照明手段を点灯させずに、かつ、前記第二照明手段を点灯させて取得した前記デコード手段のデコード結果とを比較し、前記コードの読み取りのしやすさを示す指標であるマッチングレベル、または、前記コードのデコードに成功した回数に基づき前記照明条件を決定することを特徴とする請求項2に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記条件決定手段は、前記第一照明手段を点灯させ、かつ、前記第二照明手段を点灯させずに取得した前記デコード手段のデコード結果と、前記第一照明手段を点灯させずに、かつ、前記第二照明手段を点灯させて取得した前記デコード手段のデコード結果とに有意な差が存在しない場合は、前記第一照明手段を点灯させ、かつ、前記第二照明手段を点灯させないように前記照明条件を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記条件決定手段は、前記第一照明手段を点灯させ、かつ、前記第二照明手段を点灯させずに取得した前記デコード手段のデコード結果と、前記第一照明手段を点灯させずに、かつ、前記第二照明手段を点灯させて取得した前記デコード手段のデコード結果とのどちらでも前記コードのデコードに成功したときは、前記第一照明手段を点灯させずに、かつ、前記第二照明手段を点灯させるよう前記照明条件を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記第一照明手段を構成する発光素子の数と前記第二照明手段を構成する発光素子の数とが一致していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記透光板のほぼ中央に前記撮像手段への光の入射領域が設けられており、当該入射領域の周囲に前記第一照明手段からの光の出射領域と前記第二照明手段からの光の出射領域とが配置されていることを特徴とする請求項11に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記第一照明手段の偏光フィルタの偏光方向と、前記撮像手段の偏光フィルタの偏向方向は90度異なっていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記撮像手段の偏光フィルタには、前記第一照明手段の偏光フィルタに対して位置合わせするための位置合わせ部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の固定式の光学的情報読取装置。
前記撮像手段の光学系、前記第一照明手段および前記第二照明手段の少なくとも1つには、当該撮像手段の撮像面と平行な断面の形状が円形である集光部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の固定式の光学的情報読取装置。
撮像制御手段をさらに有し、前記光学的情報読取装置の外部に設けられた制御装置から受信した設定情報にしたがって前記撮像制御手段は、前記第一照明手段を点灯させ、かつ、前記第二照明手段を点灯させない偏光モードと、前記第一照明手段を点灯させずに、かつ、前記第二照明手段を点灯させる無偏光モードとのいずれかを選択することを特徴とする請求項1に記載の固定式の光学的情報読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
図1はリーダシステム(光学的情報読取装置)の一例を示す図である。ライン1は検査対象物であるワーク2を搬送する搬送ベルトなどである。リーダ3は2次元コードを読み取ってデコードする2次元コードリーダである。なお、リーダ3自体も狭義の光学的情報読取装置である。プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC5)はライン1やリーダ3を制御する制御装置である。コンピュータ4はリーダ3に対して動作条件などを設定したり、リーダ3からデコード結果などを取得して表示したりする情報処理装置である。
【0013】
<リーダ3の構造>
図2(A)はリーダ3の斜視図であり、
図2(B)は主要部品の展開図である。リーダ3の形状は略直方体であるため、筐体外面は概ね6つの面を有している。
図2(B)が示すようにフロントケース10には4つの開口が設けられている。頂面側の開口にはホルダー13と、ホルダー13によって支持される画像表示装置14と、画像表示装置14をカバーするように配置される表示パネル15と、メインシート16が設けられる。フロントケース10の前面側の開口には透光性を有する窓部11と、フロントカバー12とが設けられる。とりわけ、本実施形態では窓部11の一部に偏光フィルタが設けられる。フロントケース10の背面側の開口から、リフレクタ17と照明基板18とが挿入され、リアケース19によってふたをされる。リアケース19には、メイン基板21と、メイン基板21に固定された光学系50およびAF機構51が設けられている。リフレクタ17は、照明基板18に設けられた発光素子からの光を効率よく前方に照射するための構造部品である。リフレクタ17には、照明用の発光素子からの光を前方に集光して照射するためのコーン(円錐台)型の集光部176〜179と、ポインタ用の発光素子からの光を前方に集光して照射するためのコーン型の集光部175とが設けられている。これらには集光効率を高めるために金メッキ等が施されている。フロントケース10の下面側に開口にはコネクタホルダ20が取り付けられる。コネクタホルダ20には2本の通信ケーブルが接続されており、それぞれコンピュータ4とPLC5とに接続される。コネクタホルダ20にはコネクタ基板が取り付けられている。
【0014】
図3(A)〜
図3(C)はホルダー13の周辺の構造を説明するための図である。
図3(A)や
図3(B)が示すようにホルダー13は画像表示装置14を支持する支持部材である。照明基板18は、ホルダー13に対して直交した方向に延在し、ホルダー13に係合してホルダー13を支持する。つまり、ホルダー13はフロントケース10の上面に対して平行に設けられており、照明基板18はフロントケース10の前面と平行に設けられており、両者は直交している。なお、ホルダー13の下面側には溝131が設けられており、溝131に照明基板18の端部が嵌合することで、ホルダー13を照明基板18に対してしっかりと固定してもよい。このようなホルダー13を採用することで画像表示装置14を取り付ける回路基板を不要とすることができる。
【0015】
図3(A)や
図3(C)が示すように、照明基板18には、画像表示装置14の表示面と同じ側に押圧面が存在する押しボタン型のスイッチ24、25が配置されていてもよい。ホルダー13と一体に構成された押圧部材22、23によって、それぞれスイッチ24、25が押圧され、それぞれの接点が閉じるように構成されていてもよい。スイッチ24、25の押圧方向と、ホルダー13を指示する照明基板18の長さ方向とが一致しているため、スイッチ24、25を押圧してもホルダー13が撓みにくい。押圧部材22はホルダー13の主体から延びる弾性の腕部39aによって支持されている。同様に、押圧部材23はホルダー13の主体から延びる弾性の腕部39bによって支持されている。押し下げられた押圧部材22、23は腕部39a、39bの弾性によって元の位置に復帰する。腕部39a、39bはホルダー13と一体構成型されているため、ばね等の復帰用の追加部材を省略できる利点がある。
【0016】
図3(A)や
図3(B)が示すように、照明基板18には、撮像素子31に対応して設けられる光学系モジュール(光学系50やAF機構51など)を実装するための円形の開口部33が設けられている。開口部33の周囲には照明用の4つの発光素子26〜29が設けられている。
図3(A)が示すように、照明基板18とホルダー13との係合部の付近にはインジケータとして機能する1つまたは複数の発光素子32が設けられている。発光素子32の光がフロントケース10の上面から外部に出力されるように、ホルダー13に導光用の開口部34が設けられている。つまり、2つのスイッチ24、25の間にインジケータが配置されている。
図3(C)が示すように開口部34の四方は遮光壁36a〜36dで囲まれているため、インジケータの光が画像表示装置14の方へ漏れにくくなっている。ホルダー13には画像表示装置14を収容するための収容溝37が設けられている。また収容溝37の底部には画像表示装置14の信号ケーブルを通すための穴部38が設けられている。
【0017】
図3(B)が示すようにメイン基板21には撮像素子31が配置されている。
図3(B)が示すように照明基板18にはポインタ用の光を出力する発光素子35が配置されている。上述したようにリフレクタ17には、発光素子35用の集光部175に加え、発光素子26〜29用の集光部176〜179が設けられている。集光部175〜179はコーン型の形状であり、コーンの頂上側の開口から光が入射し、底面側から出射する。
【0018】
図4はメインシート16を示す図である。メインシート16の中央部には画像表示装置14の表示面40が設けられている。メインシート16の下部にはセレクトキー42、インジケータ44、エンターキー43が設けられている。セレクトキー42は、上述したスイッチ24と押圧部材22によって構成されている。エンターキー43は、上述したスイッチ25と押圧部材23によって構成されている。インジケータ44は、2つの発光素子32によって構成されており、たとえば、2次元コードの読み取りが成功すると緑色の発光素子が点灯し、2次元コードの読み取りが失敗すると赤色の発光素子が点灯する。なお、画像表示装置14は撮像素子31によって取得した画像(静止画または動画)に加え、セレクトキー42とエンターキー43の割り当てをユーザに示唆する画像(
図4のSELとMENU(ただしENTと表示されることもある))を表示してもよい。
【0019】
<制御ユニット>
図5はリーダ3の電子的な構成を示すブロック図である。リーダ3のカメラ部(撮像手段)は、撮像素子31、光学系50、AF機構51、照明部52などを有している。撮像素子31は光学系50を通して結像した2次元コードの画像を電気的な信号に変換するCCDやCMOS等のイメージセンサである。AF機構51は光学系50のうち合焦用のレンズの位置や屈折率を調整する機構である。AF機構51と光学系50は、
図3(B)において撮像素子31と開口部33との間に配置される。AF機構51と光学系50は一体化されて光学系モジュールを構成していてもよい。
【0020】
照明部52は1つ以上の発光素子を有し、2次元コードを照明するユニットである。照明部52は、たとえば、照明用の発光素子26〜29やポインタ用の発光素子35を有している。ポインタの光は光学系50の光軸の目安となり、ユーザはポインタの位置を参照してワーク2を正しい位置に設置してもよい。
【0021】
デコード部53は撮像素子31によって取得された2次元コードの画像データ72をデコードしてデコード結果71を記憶部70に書き込むユニットである。通信部54はPLC5やコンピュータ4と通信するユニットである。通信部54は、たとえば、PLC5と通信するI/O部、RS232Cなどのシリアル通信部、無線LANや有線LANなどのネットワーク通信部などを備えていてもよい。
【0022】
表示部55は画像表示装置14やインジケータ用の発光素子32を備えている。表示部55は、たとえば、2次元コードのデコード結果71である文字列、読み取り成功率(複数回読み取り処理を実行したときの平均読み取り成功率)、マッチングレベル(読み取りのしやすさを示す読取余裕度)、PPC(2次元コードを構成する1つのセルが画像データにおいていくつの画素に相当するかを示す値:ピクセル・パー・セル)などを表示してもよい。入力部56はスイッチなどの入力操作を受け付けるユニットであり、セレクトキー42やエンターキー43を備えている。
【0023】
制御ユニット60はリーダ3の各部を統括的に制御するユニットである。制御ユニット60は様々な機能を搭載しているが、これらは論理回路により実現されてもよいし、ソフトウエアを実行することによって実現されてもよい。オートフォーカス制御部(AF制御部)61はAF機構51を制御するユニットである。撮像制御部62は照明部52の照明光の光量を制御したり、撮像素子31の露光時間(シャッタースピード)を制御したりするユニットである。とりわけ、撮像制御部62は、チューニング部65や演算部63からの指示に応じて照明部52の複数の発光素子のうちどれを点灯させるかを制御する点灯制御手段として機能する。
【0024】
演算部63は様々な演算処理を実行する。たとえば、演算部63はデコード結果や画像データなどを用いて、読み取り成功率やマッチングレベル、PPCを演算する。もちろんこれらの演算は、デコード部53やチューニング部65など、演算部63以外のユニットで実行されてもよい。
【0025】
チューニング部65は、読取条件を制御する読取条件制御手段または照明条件を決定する条件決定手段として機能する。読取条件は、たとえば、露光時間や照明光量、ゲインなどの撮像条件やデコード部53における画像処理条件(フィルタの係数など)である。ライン1を搬送されるワーク2に対する外光の影響などで適切な撮像条件や画像処理条件は変化する。よって、チューニング部65は、より適切な読取条件を探索して、AF制御部61や撮像制御部62、デコード部53を設定する。
【0026】
UI管理部66は、画像表示装置14に画像データを表示したり、入力部56からのユーザ指示を受け付けたり、インジケータの点灯を制御したりするユニットである。
【0027】
記憶部70は、メモリなどの記憶装置であり、デコード部53によって取得されたデコード結果71、撮像素子31によって取得された画像データ72、コンピュータ4などの設定装置によってリーダ3に設定されたデータや入力部56により設定されたデータである設定データ73などを記憶する。
【0028】
図6はコンピュータ4の機能を示すブロック図である。リーダ3を小型化すると、リーダ3の表示部55や入力部56だけではリーダ3のすべての機能を設定することが難しくなる。そこで、一部の設定データ73についてはコンピュータ4で作成してリーダ3に転送してもよい。CPU80は記憶部90に記憶されているプログラムに基づきコンピュータ4が備えている各部を制御するユニットである。演算部81の一機能であるUI制御部83はリーダ3の撮像条件(とりわけ、偏光フィルタの付与された発光素子を使用するか否か)などを設定するためのユーザインタフェースやリーダ3が出力するデコード結果71、画像データ72などを表示するためのユーザインタフェースを生成し、表示部84に表示させる。演算部81は様々な演算を実行するユニットである。通信部86はリーダ3の通信部54と有線または無線で接続し、デコード結果71や画像データ72を受信したり、設定部82で生成された設定データ73を送信したりする。記憶部90は、メモリやハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などである。
【0029】
<照明モード(偏光モードと無偏光モード)>
本実施形態ではユーザの設置負担を軽減でき、かつ、様々なワークに付与されたコードを精度よく読み取り可能とするために、複数の照明手段を設け、第一照明手段には偏光フィルタを配置し、第二照明手段には偏光フィルタを配置しない。そして、第一照明手段と第二照明手段とをワークに応じて使い分ける。これによりユーザはリーダ3の設置角度をワークごとに調整する手間を省けるようになる。
【0030】
上述したようにワーク2に対してリーダ3を正面取り付けすると、撮像素子31にはワーク2からの正反射光が大量に入射しやすくなる。これはワーク2上での2次元コードの設置面が平滑な面である場合に発生しやすく、2次元コードのデコードを失敗させる原因となる。正反射光を削減する手段として、撮像素子31と照明部52とにそれぞれ偏光方向の異なる偏光フィルタを配置することが考えられる。しかし、照明部52の全体を偏光フィルタで覆ってしまうと、鋳物の表面にダイレクト・パーツ・マーキングされた2次元コードを精度よく読み取れなくなってしまう。つまり、鋳肌に印刷された2次元コードは照明部52に偏光フィルタを設けない方が、読取精度が高い。このように、ワーク2の表面や2次元コードの付与方法に応じて、偏光フィルタを設けた方が適していたり、偏光フィルタを設けない方が適していたりする。また、偏光フィルタを設けると、発光側の偏光フィルタで光量が1/2に減衰し、受光側の偏光フィルタで光量がさらに1/2に減衰する。つまり、トータルで光量が1/4にまで減衰してしまう。光量が減衰すると2次元コードの読み取りに失敗しやすくなる。減衰分を補償するために発光素子の発光光量を増大させれば、消費電力が増加するだけでなく、熱も増加してしまう。これらはデメリットになりうる。
【0031】
1つのリーダ3で様々なワーク2に対応する方法として、すべての発光素子の出射領域を覆う取り外し式の偏光フィルタを採用することが考えられる。しかし、この場合は、ユーザが偏光フィルタを設置するか外すかを自ら判断する必要があるとともに、手作業で偏光フィルタの取り付けと取り外しを実行する必要がある。すなわち、ユーザにとって設置角度の調整は不要となるが、その代わりに偏光フィルタの設置・取り外し作業が必要となってしまう。
【0032】
そこで、本実施形態では、偏光フィルタを設けられた第一照明手段と、偏光フィルタを設けられていない第二照明手段とを設け、これらをワーク2に応じて切り替えて使用するリーダ3を提案する。
【0033】
図7(A)はリーダ3の斜視図であり、
図7(B)は窓部11の拡大図である。窓部11のうち、発光素子26の光が射出する部分(光出射領域)と、発光素子27の光が射出する部分とには偏光フィルタ91が設けられている。また、窓部11のうち、撮像素子31の光学系に光が入射する部分(光入射領域)には偏光フィルタ92が設けられている。なお、偏光フィルタ91の偏向方向と、偏光フィルタ92の偏向方向とは異なっており、たとえば、90度異なっている。その一方で、窓部11のうち、発光素子28の光が射出する部分と、発光素子29の光が射出する部分とには偏光フィルタは設けられていない。このように、発光素子26と発光素子27で第一照明手段を形成し、発光素子28と発光素子29で第二照明手段を形成してもよい。つまり、ユーザが偏光フィルタの設置や取り外しを実行する代わりに、リーダ3がどちらの照明手段を点灯させるかを電気的に切り替えればよい。たとえば、偏光フィルタが無い方がより有利なワーク(例:鋳物など)については第二照明手段を点灯させて、第一照明手段を消灯させる。一方で、偏光フィルタがある方がより有利なワーク(例:プリント基板やフライス加工面、黒樹脂などに二次元コードを有するワーク)については第一照明手段を点灯させて、第二照明手段を消灯させる。これによりユーザの負担を大幅に軽減できるとともに、1つのリーダ3で様々なワークに設けられた2次元コードを精度よく読み取ることが可能となる。
【0034】
図8(A)は偏光フィルタ91と偏光フィルタ92との形状の一例を示している。とりわけ、撮像素子用の偏光フィルタ92は略円形の形状をしており、偏光フィルタ92の左端と右端とにはそれぞれ位置合わせ部材93a、93bが設けられている。偏光フィルタ91の底部の左端と右端とは位置合わせ部材93a、93bの形状と整合しており、この例では直線状となっている。偏光フィルタ91の底部の中央は略半円形となっており、偏光フィルタ92の上部の形状に整合している。このように、位置合わせ部材93a、93bを採用することで、窓部11に対して偏光フィルタ91と偏光フィルタ92とを正確に貼付しやすくなる。また、偏光フィルタ91の頂部の形状は窓部11の頂部の形状に整合しているため、窓部11に対して偏光フィルタ91を正確に位置合せして貼付しやすくなっている。
【0035】
<偏光フィルタの使用の有無の切り替え>
偏光モードと無偏光モードの切替方法について
図9および
図10を用いて説明する。
図9はチューニング処理の各工程を示すフローチャートである。入力部56からチューニングを指示されるか、コンピュータ4からチューニングを指示されると、以下の各ステップをチューニング部65が実行する。
【0036】
S901でチューニング部65はコード探索を実行する。たとえば、チューニング部65は撮像制御部62に撮像を実行させて画像データを取得させ、画像データに基づきデコード部53に2次元コードの探索を実行させる。撮像制御部62は、その時点で有効となっている読取条件(撮像素子31についての撮像条件、照明部52の照明条件、デコード部53の画像処理条件など)を設定データ73から読み出し、照明部52、撮像素子31、デコード部53などに設定する。デコード部53は撮像素子31によって取得された2次元コードの画像データ72から2次元コードを探索し、探索結果をチューニング部65に出力する。照明条件には、偏光モードを有効にするのか、無偏光モードを有効にするのかを示す情報が含まれている。
【0037】
S902でチューニング部65は照明部52の明るさについて粗調整を実行する。
図10はS902の明るさの粗調整を詳細に示すフローチャートである。本実施形態では、明るさについて粗調整を実行し、偏光モードと無偏光モードのうち読み取り結果の優れた方を選択し、選択した照明モードについて明るさの微調整を実行するものとする。
【0038】
S921でチューニング部65はその時点で照明部52に設定されている照明モードとは異なる照明モードに切り替える。つまり、チューニング部65は照明部52に偏光モードが設定されていれば無偏光モードに切り替え、無偏光モードが設定されていれば偏光モードに切り替える。
【0039】
S922でチューニング部65は読み取りテストを実行する。たとえば、チューニング部65は撮像制御部62に撮像を実行させ、デコード部53に2次元コードの探索を実行させる。その時点で有効となっている読取条件のうち、照明モードだけが変更される。デコード部53は撮像素子31によって取得された2次元コードの画像データ72について2次元コードを探索し、探索結果をチューニング部65に出力する。
【0040】
S923でチューニング部65はチューニング部65からの探索結果に基づき、読み取りテストに成功したかどうかを判定する。読取条件を変えながら読み取りテストを複数回実行したときは、1回でも読み取りに成功したかどうかを判定する。読み取りテストに成功したときは、偏光モードと無偏光モードとのどちらでも2次元コードをデコードできたことを意味する。そこで、S924に進む。
【0041】
S924でチューニング部65は各照明モードについてN個(例:256個)のうちn個(例:27個)の明るさレベルのそれぞれについて読み取りテストを実行する。これにより、偏光モードについて27個の明るさレベルそれぞれについての読み取り結果が得られ、無偏光モードについて27個の明るさレベルそれぞれについての読み取り結果が得られる。なお、
図11が示すように、偏光モードと無偏光モードではチューニングの対象となる明るさレベルが異なってもよい。上述したように偏光モードの明るさは無偏光モードの明るさの半分になる。そこで、偏光モードの明るさレベルについてはN個のうちN/2レベル以上を割り当て、無偏光モードの明るさレベルについてはN個のうちN/2レベル未満を割り当ててもよい。これにより、N個のレベルのすべてを網羅的に探索する場合と比較して、読み取りテストの時間を半分に短縮できる。もちろん、時間短縮の要求がなければ、各照明モードにおいてN個のレベルのすべてを網羅的に探索してもよい。
【0042】
S925でチューニング部65は複数の照明モードのうちよりデコード結果が良好な照明モードを決定する。たとえば、チューニング部65は各照明モードにおける読み取りテストの成功数を比較し、より多く成功した照明モードを決定する。たとえば、偏光モードでは27個の読み取りテストに成功し、無偏光モードでは10個の読み取りテストに成功した場合、偏光モードが選択される。なお、偏光モードの成功数と無偏光モードの成功数が同一であるか、または両者の差に有意な差が認められない場合、チューニング部65は無偏光モードを選択してもよい。これは同じ明るさを実現する場合、無偏光モードの方が消費電力や熱に関して有利だからである。ただし、外乱光などが発生しやすい環境では、偏光モードの方が外乱光の一部を偏向フィルタでカットできるため、読み取り成功率が高まる。よって、このよう場合は偏光モードを優先的に採用してもよい。ここでは、読み取りテストの成功数を比較したが、チューニング部65は読み取り成功率を比較してもよいし、読み取りのしやすさを示すマッチングレベルを算出して比較してもよい。
【0043】
S926でチューニング部65は明るさの粗調整結果を決定する。たとえば、明るさレベルを0から255まで変更できると仮定する。そのうちS924ではn個のレベルについて読み取りテストを実行する。そして、チューニング部65は読み取りに成功したm個のレベルの中心となるレベル(例:平均値)を算出する。このようにして明るさの粗調整が実行される。
【0044】
ところで、S923で他方の照明モードでは読み取りテストに1回も成功しなかった場合、チューニング部65は、他方の照明モードで読取条件の探索処理を省略または中止して、元の照明モードを選択し、S927に進む。S927でチューニング部65は元の照明モードについてn個(例:27個)の明るさレベルそれぞれについて読み取りテストを実行する。これにより、元の照明モードである偏光モードまたは無偏光モードについて27個の明るさそれぞれについての読み取り結果が得られる。その後、S926に進み、チューニング部65は読み取りに成功したm個のレベルの中心となるレベル(例:平均値)を算出する。
【0045】
粗調整が終了すると、S903の微調整を実行する。S903でチューニング部65は粗調整により決定された明るさレベルの周囲で明るさを変動させ、最も読み取り成功率またはマッチングレベルが高くなる明るさレベルを探索して決定する。
【0046】
S904でチューニング部65は再度読み取りテストを実行する。S905でチューニング部65は読み取値成功率または成功回数が閾値を超えているかどうかを判定する。読み取値成功率または成功回数が閾値を超えていれば、チューニング部65はチューニング処理を終了する。一方で、読み取値成功率または成功回数が閾値を超えていなければ、S906に進む。S906でチューニング部65は明るさ以外の読取条件(例:露光時間、ゲイン、画像処理フィルタの係数など)を変更し、S901に戻る。
【0047】
<まとめ>
本実施形態では、
図3(B)や
図7を用いて説明したように、ワーク2を照明する照明手段として偏光フィルタ91を介して照明光をワーク2に照射する発光素子26、27と、偏光フィルタを介さずに照明光をワーク2に照射する発光素子28、29とが設けられる。撮像素子31には、発光素子26、27の偏光フィルタ91の偏光方向とは異なる偏光方向の偏光フィルタ92が設けられている。撮像素子31は、発光素子26、27と発光素子28、29との少なくとも一方によって照明されたワーク2からの光を偏光フィルタ92を介して受光し、ワーク2に設けられているコードを撮像する。デコード部53は撮像素子31により取得された画像データをデコードする。このように、本実施形態では偏光用の光源と無偏光用の光源とを備えているため、どちらかを択一的に選択して点灯させることが可能となる。とりわけ、偏光フィルタを用いることで、正反射光の影響を削減できるようになり、リーダ3の正面取付けが許容される。よって、ユーザの設置負担が軽減される。また、偏光用の光源と無偏光用の光源とをワーク2に応じて使い分けることが可能となるため、ワーク2に付与されたコードを精度よく読み取り可能なリーダ3が実現される。たとえば、プリント基板等の正反射しやすいワーク2については偏光用の光源のみを点灯させる偏光モードが有利であろう。一方で、鋳物にダイレクトマーキングされたコードについては無偏光用の光源のみを点灯させる無偏光モードが有利であろう。なお、本実施形態では、偏光用の光源と無偏光用の光源とを択一的に点灯させる(両者を同時には点灯させない)ことを中心に説明したが、一方のみでは光量が不足する場合には撮像制御部62が同時に両方を点灯させてもよい。
【0048】
図9や
図10などを用いて説明したように、チューニング部65は、偏光用の発光素子26、27を点灯させ、かつ、発光素子28、29を点灯させずに取得したデコード部53のデコード結果と、発光素子26、27を点灯させずに、かつ、無偏光用の発光素子28、29を点灯させて取得したデコード部53のデコード結果とのどちらが良好なデコード結果であるかに基づき、照明条件を決定してもよい。ワーク2に応じて偏光モードと無偏光モードとのどちらが有利かは変わる。よって、実際に読み取りテストを実行して、より優れた結果が得られた照明モードを選択することで、読み取り成功率が向上しよう。なお、デコード結果としては、コードの読み取りのしやすさを示す指標であるマッチングレベル、または、コードのデコードに成功した回数などを採用してもよい。1回ごとの読み取り結果は成功か失敗かの2つしかないため、優劣を判断できない。そこで、マッチングレベルや複数回の読み取りを実行して得られた成功回数を判断の基準とすることで、各ワークにとって有利となる照明モードを容易に決定できるようになろう。
【0049】
なお、偏光モードのデコード結果と無偏光モードのデコード結果とに有意な差が存在しない場合がある。このような場合は、偏光モードを採用してもよい。偏光モードは外乱光を偏向フィルタで軽減するため、外乱光の多い工場等では有利であろう。
【0050】
また、偏光モードと無偏光モードのどちらでもデコードに成功したときは、無偏光モードを採用してもよい。無偏光モードを採用することで、発光素子での消費電力を削減でき、かつ、放熱量も削減できる利点がある。とりわけ、外乱光が少ない環境では、消費電力などが重視されることがある。よって、このような場合には無偏光モードが採用されることが望ましい。
【0051】
上述したように、チューニング部65は撮像素子31の撮像条件とデコード部53における画像処理条件とを含む読取条件を制御する。チューニング部65は、照明条件が確定した後で、読取条件の探索を開始してもよい。つまり、初めに無偏光モードか偏光モードかを決定した後で、読取条件である露光時間やゲイン、画像処理フィルタの係数などをより適切となるように調整してもよい。照明モードを確定するための処理と、読取条件を確定するための処理とでは後者の方が膨大な作業となりやすい。たとえば、各照明モードについて読取条件の調整処理を実行すると全体としての作業量は非常に多くなる。そこで、照明モードを決定してから、読取条件の調整処理を実行することで、全体としての作業量を大幅に削減できるようになろう。
【0052】
図9や
図10などを用いて説明したように、チューニング部65は、発光素子26、27を点灯させ、かつ、発光素子28、29を点灯させない偏光モードと、発光素子26、27を点灯させずに、かつ、発光素子28、29を点灯させる無偏光モードとのそれぞれについて読取条件のうち明るさパラメータの粗調整を実行して、偏光モードと無偏光モードとのどちらでより多くデコードに成功したかを判定し、偏光モードと無偏光モードとのうちでデコードにより多く成功したモードについてさらに明るさパラメータを微調整してもよい。これにより効率よく照明モードと明るさパラメータとを決定することが可能となる。
【0053】
なお、チューニング部65は、粗調整において、偏光モードと無偏光モードとのうちの一方のモードで画像データからコードを探索するコード探索処理を実行し、コード探索処理によってコードが見つかると、偏光モードと無偏光モードとのうちの他方のモードに切り替えて再びコード探索処理を実行し、他方のモードでコードが見つからないときには他方のモードでの読取条件の調整を中止し、一方のモードでの読取条件の調整を実行してもよい。このように、他方のモードで正しく読み取れる見込みが少ない場合は、他方のモードでの調整を省略することで、粗調整に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0054】
図11を用いて説明したように、偏光モードと無偏光モードとでは明るさパラメータの探索範囲が異なってもよい。偏光モードと無偏光モードとでは明るさがちょうど2倍異なる性質がある。よって、偏光モードの探索範囲の開始レベルを、無偏光モードの探索範囲の開始レベルの2倍に設定してもよい。同様に、偏光モードの探索範囲の終了レベルを、無偏光モードの探索範囲の終了レベルの2倍に設定してもよい。これにより、各照明モードで網羅的に明るさレベルを探索する場合と比較して、探索時間を約半分に削減できよう。
【0055】
図2(A)および
図2(B)を用いて説明したように、コネクタホルダ20はデコード結果を外部に出力するための通信ケーブルを接続する接続手段として機能する。発光素子26、27は撮像素子31の受光部よりもコネクタホルダ20から見て遠方に配置され、発光素子28、29は撮像素子31の受光部よりもコネクタホルダ20から見て近方に配置されてもよい。
【0056】
図2(B)を用いて説明したように、発光素子26、27および発光素子28、29の照明光の出射面側の筐体に透光板として窓部11が配置されている。また、
図7や
図8を用いて説明したように、窓部11の一部の領域であって発光素子26、27からの光を透光する領域に偏光フィルタ91が取り付けられている。また、窓部11である透光板のほぼ中央に撮像素子31への光の入射領域が設けられており、入射領域の周囲に偏光用光源の光の出射領域と無偏光用光源からの光の出射領域とが配置されていてもよい。また、偏光用の光源を構成する発光素子の数と無偏光用の光源を構成する発光素子の数とが一致していてもよい。これは、撮像素子31の光軸の周囲に発光素子をバランスよく配置することが可能となるからである。なお、偏光フィルタ91が取り付けられると光量が半分になるため、偏光用の光源を構成する発光素子の数を無偏光用の光源を構成する発光素子の数の2倍にしてもよい。これにより各光源の光量をほぼ等しくすることが可能となる。
【0057】
上述したように、発光素子26、27の偏光フィルタの偏光方向と、撮像素子31の偏光フィルタの偏向方向は90度異なっている。これは正反射光を効率よく減衰させる上では効率がよい。なお、完全に90度である必要はなく、多少の公差は当然に許容される。
【0058】
図8を用いて説明したように、撮像素子31の偏光フィルタ92の形状は略円形である。偏光フィルタ92の形状を矩形にすることも可能であるが、光学系のレンズの形状が円形であることから、偏光フィルタ92の形状も円形とすることで、リーダ3の小型化を実現しやすいだろう。偏光フィルタ92の左端と右端とにはそれぞれ位置合わせ部材93a、93bが延出していてもよい。これにより窓部11に偏光フィルタ92を貼り付ける際の位置合わせが容易になろう。位置合わせ部材93a、93bを含む偏光フィルタ92の形状は左右対称であってもよい。なお、ポインタ用の発光素子35の光出射領域には偏光フィルタを設けなくてよい。ポインタ用の発光素子35からの反射光の強度は高い方が好ましいからである。
【0059】
コンピュータ4やPLC5など、リーダ3の外部に設けられた制御装置から受信した設定情報にしたがってチューニング部65は偏光モードと無偏光モードのいずれかを選択してもよい。このようにコンピュータ4やPLC5から強制的に照明モードを設定し、固定してもよい。これによりユーザの都合に応じた照明モードに固定することが可能となろう。
【0060】
第一照明手段を構成する複数の発光素子26、27は2次元コードの搬送方向に沿って並んでおり、第二照明手段を構成する複数の発光素子28、19も搬送方向に沿って並んでいるものとして説明した。しかし、第一照明手段と第二照明手段の組み合わせは変更されてもよい。たとえば、第一照明手段を発光素子28、29で構成し、第二照明手段を発光素子26、27で構成してもよい。また、第一照明手段を発光素子26、28で構成し、第二照明手段を発光素子27、29で構成してもよい。同様に、第一照明手段を発光素子27、29で構成し、第二照明手段を発光素子26、28で構成してもよい。第一照明手段を発光素子26、29で構成し、第二照明手段を発光素子27、28で構成してもよい。さらに、第一照明手段を発光素子27、28で構成し、第二照明手段を発光素子26、29で構成してもよい。
【0061】
第一照明手段には偏光フィルタが設けられるため、第二照明手段と比較して光量が少なくなる。そこで、第一照明手段を構成する発光素子の数を第二照明手段を構成する発光素子の数よりも多くしてもよい。同様に、第一照明手段を構成する発光素子として最大光量の多い発光素子を採用し、第二照明手段を構成する発光素子として最大光量の少ない発光素子を採用してもよい。これにより偏光フィルタによる光量低下を補償することが可能となろう。
【0062】
偏光フィルタ91、92はそれぞれ窓部11に固着されることを前提として説明したが、これらは取り外し式の偏光フィルタであってもよい。
【0063】
チューニングの対象となる読取条件は、予め複数の組み合わせ(バンク)が用意されていてもよい。チューニング部65はバンクを切り替えて読み取りテストを実行することで、各ワークにとって適切なバンクを決定してもよい。このバンクには、上述した偏光モードと無偏光モードのどちらを採用するかを示す設定情報が含まれている。
【0064】
図2(B)などを用いて説明したように、撮像素子31の光学系、第一照明手段および第二照明手段の少なくとも1つには集光部材であるリフレクタ17が採用されてもよい。リフレクタ17のうち撮像素子用の集光部材は、撮像素子31の撮像面と平行な断面の形状が円形である集光部材であってもよい。つまり、コーン型または円錐台型の集光部材が採用されてもよい。発光素子26〜29についても同様の集光部材が採用されてもよい。とりわけ、偏光フィルタを採用すると光量が低下するため、集光部材が光量低下を補償しよう。