(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363908
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】金属粉除去ユニット
(51)【国際特許分類】
B03C 1/02 20060101AFI20180712BHJP
B01F 13/02 20060101ALI20180712BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20180712BHJP
B01F 15/02 20060101ALI20180712BHJP
B01F 3/18 20060101ALI20180712BHJP
B65G 65/48 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
B03C1/02 Z
B01F13/02 B
B03C1/00 B
B01F15/02 B
B01F15/02 C
B01F3/18
B65G65/48 F
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-163343(P2014-163343)
(22)【出願日】2014年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-36796(P2016-36796A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(72)【発明者】
【氏名】嶋津秀樹
【審査官】
小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−151514(JP,U)
【文献】
実開昭49−135470(JP,U)
【文献】
実開昭59−076307(JP,U)
【文献】
特開2001−009321(JP,A)
【文献】
特開平11−310295(JP,A)
【文献】
米国特許第05740919(US,A)
【文献】
米国特許第03630352(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 13/02
B03C 1/00− 1/32
B29B 13/00−13/10
B65D 88/26−88/32
B65G 65/30−65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留した上部側部位が略円筒形状とされた直胴部と、下部側部位が略逆円錐形状とされたテーパー部と、前記テーパー部下端部に前記粉粒体を排出する排出管とを有する容器において、前記テーパー部に設置した、表面が上部に円錐形状をし、下部に逆円錐形状をしたものを合わせ一体とした導電性物質で弱磁性体若しくは非磁性体で構成され、内部に磁石を収納した金属粉除去部と、前記テーパー部との空隙を得るための導電性物質の支持部材とで構成している粉粒体材料用の金属粉除去ユニット。
【請求項2】
前記金属粉除去ユニットは導電性素材からなる前記容器に導電性素材で構成される前記金属粉除去部の表面部と前述支持部材を通じて電気的に接続され、前記粉粒体で発生した静電気を、前記金属粉除去ユニットと前記容器に接触することで移動させ、静電気を外部に放出する構造とすることを特徴とする請求項1記載の前記粉粒体材料用の金属粉除去ユニット。
【請求項3】
前記容器は前記排出管の側面に空気輸送される粉粒体材料を受け入れる導入管と、前記容器上部の直胴部の上端部に吸引空気源が接続される空気吸引口が設置されている天蓋と、輸送空気から粉粒体材料を分離させる分離部とを備え、
前記導入管から投入された粉粒体材料が、前記排出管を経由し、前記空隙を通って、上部に流動し、吸引空気源が動作する間、上昇と落下を繰り返すことで、前記金属粉除去部に接触を繰り返す様に前記テーパー部に設置されたことを特徴とする請求項1乃至2記載の前記粉粒体材料用の金属粉除去ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体材料を吸引式空気輸送で流動ホッパに投入、攪拌混合する時、または貯留された粉粒体を排出するときに、金属粉を除去しつつ同時に、静電気の発生を防止し、排出時、材料が分級しないための金属粉除去ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術を示す
図8に基いて説明する。従来から、粉粒体材料から異物を除去する方法として、特許文献1に示すホッパ下部に吸引空気輸送された粉粒体材料を受け入れる導入管22を設け、ホッパ上端部に輸送空気から粉粒体材料を分離させる分離部18を設け、下端部に粉粒体材料を排出する排出口を設けた流動ホッパが知られている。このような流動ホッパは、空気輸送された粉粒体材料を気流作用により流動ホッパ内において流動攪拌させることで、粉粒体材料から微粉や塵埃等の異物を分離部で分離させるものである。この流動ホッパは嵩密度の異なる粉粒体材料が、流動して嵩密度の低い粉塵は空気と共に、系外に排出され、嵩密度の高いものは、流動ホッパ内に落下してくることで分離するものである。そのため嵩密度の差が少ない金属粉のような粉塵の場合、流動のみでは十分に分離できない場合もあった。
【0003】
そのため、異物の中で金属粉を除去する場合、特許文献2に示す、磁石100を用いて金属粉を除去するユニットが広く実施されている。これらは磁石100を複数用いてヨークを挟んで磁力線の効率を高めた丸棒形状のもの利用することが多い。これらの丸棒形状のものを複数同方向に並べ、流動ホッパ下部付近に設置し、粉粒体が通る空間を設けてその間を粉粒体を通過させて金属粉を除去するものである。しかしこの発明は金属粉除去には効果はあるが、流動ホッパで異種材料を混合した後、若しくは容器に混合された材料と貯留した後、排出時に排出部付近がテーパー形状をした容器の場合、形状の異なる混合された粉粒体を排出する時、流れにくく流出抵抗の大きいものと、流れやすく流出抵抗の小さいものと分離されて、流れやすいものから先出しされてしまうと言う問題があった。更に下部から材料を投入する時、丸棒形状の磁石100を組み合わせた金属粉分離器では空気の流れが乱れ、空気の抵抗が増えて流動ホッパでの攪拌混合が十分に行われず、除粉機能に問題が発生していた。
【0004】
流動ホッパに吸引輸送、若しくは流動攪拌により、材料が静電気を帯び、排出時に静電気を帯びやすい材料が流動ホッパ壁面に付着するという現象が発生した。このため混合した材料が排出時に静電気を帯びて壁面に付着した材料が取り残され、混合比率が変わってしまうという問題も発生した。
【0005】
更に流動ホッパで混合した材料を、流動ホッパ下部から排出する時、排出口の中央部付近の材料が優先的に排出され、その排出された材料を補填するため、上部の材料が中心に向かって水平方向に移動していく流出様態を示すことが知られている。この粉粒体が水平移動する時粉粒体間で摩擦力が働き、流れやすい材料が先に移動し、移動しにくい材料は停滞し、このため混合材料の分離が起こる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−197480
【特許文献2】特開2006−341212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、粉粒体材料を容器や流動ホッパから排出する時粉粒体材料から異物である金属粉を除去し、材料が替わる時、または付着した金属粉を清掃する時、容易に清掃出来るようにすると共に、混合した材料を排出時に分離しないようにすること。また流動混合や空気輸送時に発生する静電気による内壁面での静電気による粉粒体材料の付着を抑制し、混合した材料が排出時に分離しないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、第一の手段として本発明に係る粉粒体材料の金属粉除去ユニットは粉粒体を貯留した上部側部位が略円筒形状とされた直胴部と、下部側部位が略逆円錐形状とされたテーパー部と、前記テーパー部下端部に前記粉粒体を排出する排出管とを有する容器において、前記テーパー部に設置した、上部に円錐形状をしたもの、下部に逆円錐形状をしたものを合わせ一体とした導電性物質で構成され、内部に磁石を収納し、前記テーパー部との空隙を得るための支持部材とで構成されていることを特徴とする粉粒体材料用の金属粉除去ユニットである。
【0009】
前記金属粉除去ユニットは第二の手段として導電性素材からなる前記容器に導電性素材で構成される前記金属粉除去部の表面部と前述支持部材を通じて電気的に接続され、前記粉粒体で発生した静電気を、前記金属粉除去ユニットと前記容器に接触することで移動させ、静電気を外部に放出する構造とすることを特徴とする第一の手段記載の前記粉粒体材料用の金属粉除去ユニットである。
【0010】
前記容器は第三の手段として
前記排出管の側面に空気輸送される粉粒体材料を受け入れる導入管と、前記容器上部の直
胴部の上端部に
吸引空気源が接続される空気吸引口
が設置されている天蓋と、輸送空気から粉粒体材料を分離させる分離部と
を備え、
前記導入管から投入された粉粒体材料が、前記排出管を経由し、前記空隙を通って、上部に流動し、吸引空気源が動作する間、上昇と落下を繰り返すことで、前記金属粉除去部に接触を繰り返す様に前記テーパー部に設置
されたことを特徴とする請求項1乃至2記載の前記粉粒体材料用の金属粉除去ユニットである。
【0011】
前記容器は第四の手段として下部が略逆円錐形状とされたテーパー部下端部に排出管を設け、前記排出管と一定の間隙を持つように外側に同心円状に前記排出管より長い接続管を設け、前記接続管の側面に空気輸送される粉粒体材料を受け入れる導入管を設け、前記容器の直胴部上端部に空気吸引口が設置されている天蓋と、輸送空気から粉粒体材料を分離させる分離部とが設置されている、粉粒体の流動装置であって、前記流動ホッパ下部のテーパー部に設置することを特徴とする第一の手段乃至第二の手段記載の前記粉粒体材料用の金属粉除去ユニットである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に関わる粉粒体材料の金属粉除去ユニットは、混合済み材料を貯留する容器のテーパー部に設置することで、材料をマスフロー排出する事ができ、またテーパー部と金属粉除去ユニットの間隙で金属粉を効率よく除去することができた。また、流動ホッパに上述のような構成としたことで、粉粒体材料が空気輸送や流動により、発生する静電気を流動攪拌が行われている間何回も金属粉除去ユニットと接触することで、流動ホッパ系外に放出されるため、流動ホッパ内壁面への粉粒体材料の付着を抑制し、且つ粉粒体排出時の流れを金属粉除去ユニットが制御することで、流動混合した材料を排出時に分級しないようにすることが可能となった。更に材料が替わるとき金属粉除去ユニットが粉粒体の流動ホッパに自重と支持部材の摩擦力のみで固定しているので、容易に取り外して清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】金属粉除去ユニットの正面外形図aと下部から見た外形図bを示す。
【
図2】粉粒体を貯留する容器に金属粉除去ユニットを設置した時の正面外観図を示す。
【
図3】金属粉除去ユニットの支持部材の変形例を示す。
【
図4】流動ホッパに金属粉除去ユニットを設置した時の外形図を示す。
【
図5】粉粒体の流動ホッパを備えた粉粒体材料の輸送システムの一例を模式的に示したシステム構成図を示す。
【
図6】流動ホッパの変形例に金属粉除去ユニットを設置した時の外形図を示す。
【
図7】従来技術の金属粉除去装置を取り付けた流動ホッパの外観正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明をする。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【実施例】
【0015】
図1の(a)は本発明の金属粉除去ユニット1の正面の外形を示し、(b)は(a)のC方向から見た外形を示す。金属粉除去ユニット1は表面部4がステンレス素材で構成されており、平滑で中央の円柱部の上部に円錐形状をなしており、下部は逆円錐形状をなしている金属粉除去部2とステンレス素材の丸棒からなる3本の支持部材3が、上部が円柱部に取り付けられ、下部は後述する排出管11の内周壁に沿って嵌め込めるように曲がっている。(b)に示されるようにこれらの3本の支持部材3の下端部は、金属粉除去部2の中央位置に中心が来るように曲げられている。また中央の円柱部の長さは短いほど材料流出制御にに効果があり、
図3に示すように無くともよい。
【0016】
図2は粉粒体を貯留した容器8に金属粉除去ユニット1を設置した時の正面外観図を示す。粉粒体を貯留した上部側部位が略円筒形状とされた直胴部9と、下部側部位が略逆円錐形状とされたテーパー部10と、テーパー部10下端部に前記粉粒体を排出する排出管11とを有する容器8において、テーパー部10の下部に粉粒体材料用の金属粉除去ユニット1を設置する。支持部材3は金属粉除去部2の中央部の円柱部に取り付けられた丸棒が、テーパー部10と金属粉除去部2との設計された間隙距離となる位置まで垂下し、その後テーパー部の傾斜に合わせて内側に曲がり、続いて排出管11の内径に合わせて湾曲させてある。よって支持部材3を排出管11に差し込むことで、金属粉除去部2とテーパー部10の空隙を設計値分取ることができ、金属粉除去ユニット1を容器の中央部に設置することができる。
【0017】
次に動作について
図2を用いて述べる。容器8の上部の天蓋12を開け、混合された材料を投入する。排出管11から材料が排出され、容器8に収納された粉粒体材料は金属粉除去部2の上部テーパー部の抵抗を受けて、マスフローとなり混合材料が均一に排出管11から排出される。もしこの金属粉除去ユニットがない場合、混合した材料を、容器8下部から排出する時、排出口の中央部付近の材料が優先的に排出され、その排出された材料を補填するため、上部の材料が中心に向かって水平方向に移動していく流出様態を示すことが知られている。この粉粒体が水平移動する時粉粒体間で摩擦力が働き、流れやすい材料が先に移動し、移動しにくい材料は停滞し、このため混合材料の分離がおこるという問題があった。また金属粉の除去は粉粒体材料が金属粉除去部2とテーパー部10の狭い空隙を通過することで、ほとんどの材料に付着している金属粉を除去できる。
【0018】
金属粉除去ユニット1の支持部材3に関する変形例を
図3と
図4に基づき説明する。
図3の(b)に示すように金属粉除去部2が中央部の中間部材7がなく上部が円錐形状をなし下部が逆円錐形状をなしたものを中央部で接合している。また支持部材3はステンレスの棒でできており、逆円錐の母線に沿わし固定されており、延長して
図4に示す流動ホッパ14の直胴部である流動ホッパ上部17とテーパー部である流動ホッパ下部16との接合部分に支持部材角部13を設置するように曲げ、且つこの角部から流動ホッパ上部17の垂直上方に沿わせて流動ホッパ上部17との摩擦力で金属粉除去部2が流動ホッパ下部16と空隙を持ち固定される。
【0019】
図4に金属粉除去ユニット1を流動ホッパ14に設置した時の外形図を示す。流動ホッパ14は、下部で材料給排出管15と繋がるテーパー形状をした流動ホッパ下部16と上部が円柱形状である流動ホッパ上部17には、材料は通過しないが、粉塵と空気は通過するよう多孔板や網などで構成される分離部18が設置され、流動ホッパ14上端にはガスケット19とともに天蓋20が設置され、ガスや材料が密封される。この天蓋20には空気吸引口21が取り付けられており、図
5に示す吸引空気配管34を通して吸引空気源33に接続される。一方材料給排出管15の側部には略水平若しくは斜め方向から導入管22が接続され、材料給排出管15の下部は排出口23がある。排出口23は排出ダンパ24に接続され、レベルスイッチ25を取り付けたガラス管26に接続され、取付座27に接続された流動ホッパ14が構成される。
【0020】
排出ダンパ24は取付座27が密閉構造を取る装置に接続される場合、必須ではなく省略できる場合もある。従来技術である
図8に示すようなレベルスイッチ25を取り付けているガラス管26は材料給排出管15と流動ホッパ下部16の間にあっても良い。
【0021】
図5を用いて金属粉除去ユニット1が流動ホッパ14に設置した場合のシステム例を説明する。粉粒体の流動ホッパ14は導入管22に輸送管31が接続され、輸送管31を介して1つ以上の原料供給源32が接続されているとともに空気吸引口21と吸引空気源33が吸引吸気配管34を介して接続されることで、空気吸引力により輸送管31を通して粉粒体の流動ホッパ14内に吸引輸送され、気流と共に粉粒体に含まれる微粉や塵埃のみが吸引空気配管34を通じて搬送され、集塵フィルター35を通過することで捕集され、空気だけが吸引空気源33から排出される。
【0022】
原料を供給する原料供給源32として乾燥機36が供給機A37を介して、原料タンク38が供給機B39を介して輸送管31に材料が投入され、二次空気取入口40から取り入れる吸引輸送用空気とともに輸送管31を介して
流動ホッパ14の導入管22に接続されている。供給機A37はダンパーなどが採用され供給機B39はダンパーに加えロータリーバルブやスクリューなどが採用される。原料供給源32に使用される乾燥機36や原料タンク38等は2台とは限定されず、1台若しくは3台以上でもよい。原料が単一材料の場合、原材料から粉体や金属粉を除去した材料を必要する場合、例えば合成樹脂成形機41に空気輸送する時に使用される。または原料供給源32が複数の未混合原料若しくは混合済み原料を空気輸送し、攪拌混合若しくは再攪拌混合する場合で、例えばプラスチックのリサイクル材混合済み原料を必要とする合成樹脂成形機41に空気輸送する。
【0023】
上記構成された本実施形態に係わる流動ホッパ14の動作について説明する。成形材料を使用する合成樹脂成形機41が稼動し、ガラス管26内の成形材料が減少し、レベルスイッチ25が成形材料の要求信号を発すると、排出ダンパー24が閉じられる。次に原料供給源32である、乾燥機36の供給機A37が設定量成形材料を輸送管31に排出し、同時に前記原料タンク38の供給機B39から同様に設定量材料を輸送管31に排出する。供給機A37及び供給機B39からの材料排出用タイマーが完了信号を出すと、流動混合工程に移り、吸引空気源33が起動すると原料供給源32からの成形材料が、二次空気取入口40から吸引される空気とともに輸送管31を通じて流動ホッパ14に導入管22から吸引輸送される。
【0024】
導入管22から入った成形材料と空気は材料給排出管15を通じて流動ホッパ14に投入される。投入された成形材料と空気は流動ホッパ下部16と金属粉除去部2の下部の逆円錐形状により形成された空隙により、空気の流れ抵抗が軽減され上部に流動していく。その金属粉除去部2の下部の逆円錐形状部に接触して材料は静電気を金属粉除去部2に伝達し、同時に金属粉を金属粉除去部2の表面に吸着し、材料から金属粉を除去する。そし形材料は広い空間を有する流動ホッパ上部17に入ることで風速が失速するので、材料は再び流動ホッパ下部16に落下し、金属粉除去部2の上部の円錐形状部及び下部の逆円錐形状部に接触し、材料は静電気が除去され金属粉を除去する。成形材料は吸引空気源が稼働している間、導入管22から吸引されてきた材料は、流動ホッパ上部17に吸い上げられ流動ホッパ下部16に落下し、再び吸い上げられる動作を繰り返し攪拌混合される。
【0025】
吸引された空気は分離部18を通過した微粉や塵埃とともに吸引空気源33に移動するため、成形材料から微紛や塵埃が除去され、同時に異種材料の場合流動攪拌混合され、材料は均一になり、且つ静電気が除去される。さらに上記のように流動混合中に何度も成形材料が金属粉除去ユニット1に接触することで金属粉が除去される。流動混合のタイマーが完了信号を出すと、排出工程に移り、吸引空気源33が停止し、混合された成形材料は自重で流動ホッパ下部16から材料給排出管15に落下し、排出ダンパー24が次の成形材料輸送されるまで開かれたまま保持される。合成樹脂成形機41の成形により樹脂が使用されると成形材料が自重でゆっくり排出される。このとき材料は金属粉除去ユニット1により材料の流れを制御し、材料が全体的に流れるマスフローとなる。且つ静電気を除去することにより流動ホッパ14内面に材料が付着しなくなり、排出時の材料が安定して供給できるようになる。また金属粉除去ユニット1に付着した金属粉は、金属粉除去ユニット1を手で簡単に取り外し、コンプレッサーエヤーや布などで除去し、流動ホッパ14や容器8に置くだけで再設置が完了できる。
【0026】
図6に流動ホッパの変形例を示す。流動ホッパ下部16の下端部はフランジ上部48と材料給排出管内筒49が付設され、その材料給排出管内筒49に空隙を持って覆うように材料給排出管外筒50上端にフランジ下部51が付設され、材料給排出管外筒50の側面に空気と材料が導入される導入管52が略水平に接続されている。これらをフランジ上部48とフランジ下部51を接合することで一体化する。その他の構成は図
4と同様であるので省略する。尚導入管22は略水平としたが、下向き斜め若しくは上向き斜め方向としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように本発明にかかわる金属粉除去ユニット1は、シンプルな構造で、かつ未混合や、再混合の原料からの金属粉除去や良好な静電気除去と排出制御で、プラスチック材料、医薬食品などの粉粒体の貯蔵容器からの排出時に利用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 金属粉除去ユニット
2 金属粉除去部
3 支持部材
4 表面部
5 磁石
6 ヨーク
7 中間部材
8 容器
9 直胴部
10 テーパー部
11 排出管
12 天蓋
14 流動ホッパ
15 材料給排出管
16 流動ホッパ下部
17 流動ホッパ上部
18 分離部
19 ガスケット
20 天蓋
21 空気吸引口
22 導入管
23 排出口
25 レベルスイッチ