特許第6363919号(P6363919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6363919
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】累進めがねレンズ要素の列
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20180712BHJP
   G02C 13/00 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G02C7/04
   G02C13/00
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-183452(P2014-183452)
(22)【出願日】2014年9月9日
(62)【分割の表示】特願2011-277086(P2011-277086)の分割
【原出願日】2006年5月5日
(65)【公開番号】特開2015-4988(P2015-4988A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年10月9日
【審判番号】不服2016-17380(P2016-17380/J1)
【審判請求日】2016年11月21日
(31)【優先権主張番号】2005902269
(32)【優先日】2005年5月5日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】508111246
【氏名又は名称】カール ツァイス ビジョン オーストラリア ホールディングス リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516320171
【氏名又は名称】カール ツァイス ビジョン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルナス、サウリュス、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】スプラット、レイ、スティーブン
【合議体】
【審判長】 中田 誠
【審判官】 樋口 信宏
【審判官】 清水 康司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第98/16862(WO,A1)
【文献】 特表2003−523244(JP,A)
【文献】 特表2003−533734(JP,A)
【文献】 特表2005−512121(JP,A)
【文献】 特開2004−138794(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/046792(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/052491(WO,A1)
【文献】 特開2000−214419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
G02C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのメモリに格納されるデータの形式での累進めがねレンズ要素の集合の作成方法であって、
同一の加入度及び同一の遠用視力の視力処方を有する累進めがねレンズ要素であって、前記累進めがねレンズ要素のそれぞれが、
遠用視力用の屈折度を提供する遠用領域と、
近用視力用の屈折度を提供する近用領域と、
前記遠用領域の屈折度から前記近用領域の屈折度へと変化する屈折度を有し、前記遠用領域に前記近用領域を連結する累進帯と
を規定する一組のレンズ設計パラメータによって特徴付けられる累進レンズ設計を有する累進めがねレンズ要素を提供するステップと、
累進めがねレンズ要素を識別するようにインデックスを割り当てるステップであって、レンズ装用者の少なくとも1つのライフスタイル・パラメータ及び少なくとも1つのバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーの範囲に対して、遠用−近用領域サイズ・バランス、累進帯長、近用基準点挿入(NRP)、及び中心−周辺領域サイズ・バランスから成るグループから選択される少なくとも2つのレンズ設計パラメータがそれぞれ、ライフスタイル・パラメータ及びバイオメトリック・パラメータのそれぞれの特定の値又はカテゴリーに起因又は関連したそれぞれの値又は特性を有する異なる累進レンズ設計であって、当該少なくとも2つのレンズ設計パラメータのそれぞれが前記集合と関連した値又は特性の各範囲からのものである累進レンズ設計にもとづいて、当該累進めがねレンズ要素が規定され、
レンズ装用者の少なくとも1つのバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーが、レンズ装用者の、
a.単眼瞳孔距離、
b.読書距離、及び
c.読書作業中の装用者の頭部動作及び/又は眼球動作カテゴリーを含む装用者の視認行動パターンのいずれか1つの値又はカテゴリーを含み、
前記遠用−近用領域サイズ・バランスの値の範囲が、前記遠用領域及び/又は前記近用領域の20°から−16°迄の範囲内の角度サイズの変化量に相当し、ここで前記遠用領域の前記角度サイズは、前記加入度の4分の1の光学屈折率と等しい無限対物距離の輪郭線に合わせて光線トレースした双曲線を二乗平均平方根(RMS)ぼやけに適合させたときの当該双曲線の2つの漸近線間の角度であり、前記近用領域の前記角度サイズは、前記標準加入度の装用者の読書距離に合わせて光線トレースしたRMSぼやけに適合させた双曲線の2つの漸近線間の角度である、累進めがねレンズ要素を識別するように割り当てるステップと、
前記累進めがねレンズ要素を、前記割り当てるステップの結果に基づいて配置するステップと、
からなる方法。
【請求項2】
前記中心−周辺領域サイズ・バランス値の範囲が、105°から140°の範囲にわたって前記遠用領域の角度サイズを変えることによって提供される、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項3】
前記中心−周辺領域サイズ・バランス値の範囲が、40°から75°の範囲にわたって前記近用領域の角度サイズを変えることによって提供される、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項4】
レンズ装用者の少なくとも1つのライフスタイル・パラメータが、
a.近用視力必要度、
b.動体視力必要度、
c.コンピュータ使用頻度、及び
d.装用者の仕事及び/又は余暇のパターン
の値又はカテゴリーの範囲を含む、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項5】
前記レンズ装用者の少なくとも1つのライフスタイル・パラメータのそれぞれの値又はカテゴリーの範囲が、スコア化されるレンズ装用者の集団の範囲を含む、請求項4に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項6】
前記レンズ装用者の少なくとも1つのバイオメトリック・パラメータのそれぞれの値又はカテゴリーの範囲が、スコア化されるレンズ装用者の集団の範囲を含む、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項7】
前記集合に含まれる各累進めがねレンズ要素が同一の装着位置(POW)特性を有する、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項8】
前記装着位置特性が、
a.角膜頂点間距離、
b.フレーム前傾角、及び
c.フレーム・ラップ角のいずれか1つを含む、請求項7に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項9】
前記集合に含まれる各累進めがねレンズ要素が、少なくとも2つのレンズ設計パラメータの少なくとも1つが、レンズ装用者が装着する累進めがねレンズ要素を支持するためのフレームのサイズ及び/又は形状情報に起因する少なくとも1つの値又は特性を有する累進レンズ設計を有する、請求項1に記載の累進めがねレンズ要素の集合の作成方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の累進めがねレンズ要素の集合からレンズ装用者に累進レンズ設計を処方するためのコンピュータプログラムであって、
入力デバイスによって、レンズ装用者の少なくとも1つのライフスタイル・パラメータ及び少なくとも1つのバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーを入力させ、
プロセッサによって、入力された前記値又はカテゴリーを2つのレンズ設計パラメータへと割り当て、
プロセッサによって、前記累進めがねレンズ要素の集合から特定の累進レンズ設計を検索させ、
出力デバイスによって、前記特定の累進レンズ設計を出力させる、コンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年5月5日に出願したオーストラリア国特許仮出願第2005902269号の優先権を主張し、参照によって当該出願の内容を本願明細書に採用する。
【0002】
本発明は、累進めがねレンズ要素の列、特にレンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータに起因又は関連した、累進レンズ設計を有する累進めがねレンズ要素の列に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の累進加入レンズ要素は、上方視野領域(「遠用領域」)、下方視野領域(「近用領域」)、及びそれらの間で遠用領域から近用領域へと境目又はプリズム変化なしに度数が徐々に変化する累進帯(「中間領域」)を有する、一体型レンズである。
【0004】
累進めがねレンズは初期には設計が幾分未熟であったが、この数十年間にわたり一貫して性能の進歩を遂げてきた。そのような性能の進歩は、このカテゴリーのレンズに対する患者の需要を大幅に拡大する要因となり、そのため現在ではレンズの処方者及び製造業者は、多数の様々な累進レンズの設計を提供するようになった。したがって、処方者は装用者に処方することのできる多数のレンズ設計を利用することが可能である。
【0005】
レンズ装用者のための累進めがねレンズ要素を処方する1つの方法には、半完成のレンズ要素の系から半完成の累進レンズ要素を選択する方法がある。一般的に、系内の半完成の累進レンズ要素の各レンズ要素は、ある範囲の累進面パラメータを有する累進の前面及び球面の後面を有する。
【0006】
レンズ装用者の老眼度数は様々に異なるため、異なる設計の半完成レンズ要素が、一般に0.25Dの増分で0.75Dから3.50D(すなわち、各系に12の異なるレンズ設計)である異なる加入度に提供される。さらに、老眼用の汎用ソリューションを目的とした単一製品は、一般に−10.00Dから+6.00D以上の幅広い処方の視力を矯正することができる必要がある。しかし、単一のベースカーブで満たすことのできる光学部品では、必要とされるより狭い範囲の処方度数にしか対応できないので、レンズ製造業者は一般に、この必要性を満たすために、ある範囲のレンズ要素の系ないしベースカーブを作成する。
【0007】
一般に、累進加入レンズ(PAL)製品では、4つから8つの系のレンズを使用することができる。さらに、各系は一般に、特定のベースカーブ及びある範囲の加入度を有する、累進レンズ要素又はレンズ設計を含む。したがって、半完成のレンズ要素を選択することから始まる処方プロセスに関して、1つの従来技術プロセスでは、レンズ装用者の遠用視力の必要条件に合わせて推奨されるベースカーブを有するレンズ要素の系を選択し、次いでその系内からレンズ装用者に適した加入度を有するレンズ要素を選択する。最後に、レンズ装用者の処方要件に合う累進レンズ要素を完成させるように、処方面を加えることによって選択されたレンズ要素が完成する。
【0008】
しかし、半完成のレンズ要素の系に含まれる累進めがねレンズ要素には、それぞれの「ベースカーブ」の系には、それぞれの加入度に対して単一の累進レンズ要素、したがって単一の累進面設計しか利用することができないという、ある程度の制限がある。したがって、系内の累進レンズ要素の各累進面を、特定のレンズ装用者に最適化することができない。
【0009】
近年、半完成レンズ要素を修正する必要のない自由曲面法によって製造することができる累進めがねレンズが開発されてきた。このタイプの累進レンズでは、同一のレンズ面(例えば後面)、又は異なるレンズ面(例えば前面及び後面)に、多焦点面と処方面を組み合わせることができる。
【0010】
ある範囲の累進めがねレンズ要素から個々の装用者が利用可能な特定の累進レンズ要素を選択し、次いで選択されたレンズ要素をフレームに合わせて装用者が使用するための眼鏡を作製することは、最終的な眼鏡の有効性、したがって眼鏡に対するレンズ装用者の満足度にとって、非常に重要である。
【0011】
しかし、多数の累進めがねレンズ製品が市場に流通しており、設計パラメータには無限に近い組合せや変更があり、レンズを使用して行うことのできる作業は多様であることを考えると、個々の装用者のニーズにとって適切なレンズ設計を選択すること(処方者の立場から)、又はそのようなレンズを設計すること(設計者の立場から)は、ある程度困難であると認識されている。したがって、装用者に対して累進レンズを選択するとき、多くの処方者は、人気があり信頼性の高いレンズ設計を合わせているので、装用者のニーズに基づいて選択されるレンズを合わせる機会を逸している。
【0012】
レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因又は関連した、累進レンズ設計を有する累進レンズ要素の列を提供し、それによって処方者が、レンズ装用者から提供され又は入手したライフスタイル及び/又はバイオメトリックに関する一連の情報に基づいて、少なくとも適切な累進めがねレンズ要素を推奨する助けとなるようにすることが有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般に本発明は、実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有するが、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の各値又はカテゴリーに起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する、異なる累進レンズ設計を含む累進めがねレンズ要素の配置を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施例では、本発明は、実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進めがねレンズ要素の列を提供し、累進めがねレンズ要素のそれぞれが、
遠用視力用の屈折度を提供する遠用領域と、
近用視力用の屈折度を提供する近用領域と、
遠用領域の屈折度から近用領域の屈折度へと変化する屈折度を有し、遠用領域と近用領域を連結する累進帯と、を規定する一組のレンズ設計パラメータによって特徴付けられる累進レンズ設計を有し、
累進めがねレンズ要素は、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが各ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する、異なる累進レンズ設計を提供する。
【0015】
本明細書では、「遠用領域」という用語は、累進めがねレンズ要素の上方部分に位置する、遠用視力に適した指定領域を指すと理解される。一方、「近用領域」という用語は、累進レンズ要素の下方部分に位置する、近用の加入度を提供する指定領域を指すと理解される。
【0016】
本明細書を通して、「列(array)」という用語を使用する。説明の目的で、列という用語は、物理的な累進めがねレンズ要素そのものの完全な列に限定されると解釈されるものではない。さらに、おそらくこの例では連続的な処方活動の結果として、列がある期間にわたって組み付けることのできる対象である限り、本明細書を通して「列」という用語は、累進めがねレンズ要素の部分的な列又は完全な列を指すことを含むと理解される。
【0017】
明らかなように、部分的な列には、処方される場合、追加の累進レンズ要素を本発明による(完全又は部分的な)列に含むために提供する追加の累進レンズ要素を処方することが可能な処方プロセスを使用して処方された、少なくとも2つの累進レンズ要素を含むことができる。そのような処方プロセスでは、累進レンズ要素の数値、図式又は仮想表示を含む部分的又は完全な列を使用することができるので、本発明による累進レンズ要素の列は、物理的な累進レンズ要素そのものの列に限定される必要はない。実際、累進レンズ要素の列には、累進レンズ要素の適切な数値、図式又は仮想表示を含むことができる。
【0018】
上述の事項を鑑みると、本明細書の文中の「列」とは、処方された、又は処方することができる2つ以上の累進レンズ要素、並びに列内に割り当てる処方システム又はプロセスによって処方することが可能な、累進レンズ要素の列の適切な数値、図式又は仮想表示を含むことができることが理解されよう。これに関して、累進レンズ要素の列のいずれの形態も、適切な列指数を使用して、特定の加入度及び視力処方が識別される累進レンズ要素の集合を含むことができる。
【0019】
一実施例では、本発明による累進めがねレンズ要素の列のグループは、列の1つ又は複数の系として配置することができる。このタイプの配置では、系内の各列は同一の系の他の列に含まれる累進レンズ要素の加入度と異なる加入度を有するが、実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進レンズ要素を含むことができる。したがって、一実施例では、系はある範囲のレンズ装用者に適したある範囲の加入度の範囲を提供する。したがって、本発明の別の実施例では、実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進めがねレンズ要素の系が提供され、累進レンズ要素は、
遠用視力用の屈折度を提供する遠用領域と、
近用視力用の屈折度を提供する近用領域と、
遠用領域の屈折度から近用領域の屈折度へと変化する屈折度を有し、遠用領域と近用領域を連結する累進帯と、を含み、
系は、
累進レンズ要素の複数の列を含み、系内の各列は実質的に同一の加入度及び遠用視力処方を有し、系内の異なる列からの累進レンズ要素は異なる加入度を有し、
列内の累進レンズ要素は、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが各ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する、異なる累進レンズ設計を提供する。
【0020】
一実施例では、列内の異なる系は、列内の複数の系を含むマトリックスを提供するように分類することができる。したがって、本発明はまた累進めがねレンズ要素のマトリックスを提供し、累進レンズ要素は、
遠用視力用の屈折度を提供する遠用領域と、
近用視力用の屈折度を提供する近用領域と、
遠用領域の屈折度から近用領域の屈折度へと変化する屈折度を有し、遠用領域と近用領域を連結する累進帯とを含み、マトリックスは、
累進レンズ要素の複数の系を含み、各系は、実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進レンズの1つ又は複数の列を含み、系内の各列は、実質的に同一の加入度を有する累進レンズ要素を含み、系内の異なる列からの累進レンズ要素は異なる加入度を有し、
列内の累進レンズ要素は、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが各ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する、異なる累進レンズ設計を提供する。
【0021】
好ましくは、レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因する累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータは、
a.遠用−近用領域サイズ・バランス、
b.累進帯長、
c.近用基準点挿入(NRP)、及び
d.中心−周辺領域サイズ・バランス、のいずれか2つを含む。
【0022】
本明細書を通して、「遠用−近用領域サイズ・バランス」という用語は、無限距離で対象を明確に見るために利用可能なレンズ表面積と、レンズ装用者が通常の読書距離で対象を見るために利用可能なレンズ表面積の比率を指すと理解される。これらの領域は、レンズ装用者の処方及び特定のレンズ構成のためのレンズを光線トレースすることによって得られた複雑なぼやけ閾値の輪郭線によって限定されることが明らかであろう。
【0023】
本明細書を通して「近用基準点挿入」という用語は、遠用領域の垂直な主要基準点二等分線と近用領域の垂直な主要基準点二等分線の間の水平距離のことを指すと理解される。
【0024】
本明細書を通して「累進帯長」という用語は、累進レンズの装着十字線のY座標とレンズ面の近用基準点の間の差異のことを指すと理解される。
【0025】
好ましくは、レンズ装用者のライフスタイル・パラメータの1つは、レンズ装用者の
a.近用視力必要度、
b.動体視力必要度、
c.コンピュータ使用頻度、及び
d.装用者の仕事及び/又は余暇のパターン、のいずれか1つの値又はカテゴリーを含む。
【0026】
好ましくは、レンズ装用者のバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーは、レンズ装用者の
a.単眼瞳孔距離
b.読書距離、及び
c.読書作業中の装用者の頭部動作及び/又は眼球動作カテゴリーを含む装用者の視認行動パターン、のいずれか1つの値又はカテゴリーを含む。
【0027】
一実施例では、列に含まれる各累進レンズ要素は、実質的に同一の装着位置(POW)特性に従って特徴付けられる。これに関して、装着位置特性は、
a.角膜頂点間距離、
b.フレーム前傾角及びラップ角、及び
c.単眼瞳孔距離、のいずれか1つを含むことができる。
【0028】
他の実施例では、列に含まれる各累進レンズ要素は、レンズ装用者が装着する累進レンズ要素を支持するためのフレームのフレームサイズ及び/又は形状情報に起因及び/又は関連した値又は特性を有するパラメータによって特徴付けられる累進レンズ設計を含む。
【0029】
別の実施例はまた、レンズ装用者に累進レンズを処方する方法も提供し、方法は、
ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータを含む、レンズ装用者の少なくとも2つのレンズ設計パラメータの値又はカテゴリーを入手する段階と、
各設計が実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有し、各設計がライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに関連する各値又は特性を有する少なくとも2つのレンズ設計パラメータを含む累進レンズ設計の列に、入手された値又はカテゴリーを割り当てる段階と、
入手された値又はカテゴリーと関連する値又は特性を備えた2つのレンズ設計パラメータを有する累進レンズ設計を列から検索する段階とを含む。
【0030】
別の実施例では、レンズ装用者の累進レンズ設計を処方するためのシステムが提供され、システムは、
プロセッサと、
プロセッサによって実行するための一連の命令でプログラムされたメモリと、
ユーザ入力デバイスと、
ユーザ出力デバイスとを含み、
命令はプロセッサによって、
ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータを含む少なくとも2つのレンズ装用者のパラメータの値又はカテゴリーを、ユーザ入力デバイスを通して受け入れ、
実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有し、ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに関連する個々の値又は特性を有する少なくとも2つのレンズ設計パラメータを含む、累進レンズ要素設計の列に、値又はカテゴリーを割り当て、
入力されたレンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに関連する少なくとも2つのレンズ設計パラメータの各値を含む累進レンズ設計を有する累進レンズ設計を列から検索し、
選択された累進レンズ設計をユーザ出力デバイスを通して出力するように実行可能である。
【0031】
さらに別の実施例では、累進レンズ要素設計の列のためのコンピュータ読み取り可能なデータを保存するコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、各設計は、実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有し、少なくとも2つのレンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーから、レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに関連する各値又は特性を有する少なくとも2つのレンズ設計パラメータを含む。
【0032】
本発明は、装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータに対応するレンズ設計パラメータを有する累進レンズ要素を、累進レンズ要素の列から、処方者が選択するために使用することができるという点で、多くの利点を含むことが理解されよう。その結果、処方者はレンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータに適したレンズ要素を列から選択することができる。
【発明の効果】
【0033】
一実施例では、列に含まれる累進レンズ要素は、一般に「完成した累進レンズ要素」といわれるタイプのものである。本明細書の文中で、完成した累進レンズ要素は、「自由曲面」の累進レンズ要素、又は他の何らかの従来の製造法によって製造された累進レンズ要素を含むことができる。
【0034】
本明細書を通して、「累進面」という用語を使用する。「累進面」という用語を使用することによって、上方視野領域(すなわち、遠用領域)、下方視野領域(すなわち、近用領域)、及び累進レンズ要素の累進帯を画成するレンズ度数断面を形成し又はこれに寄与する表面特性を有する、累進レンズ要素の表面のことをいうと理解されたい。
【0035】
累進レンズ要素の累進レンズ設計は等しい屈折度の輪郭線の分布を図示する輪郭線図を使用して表すことができ、それにより特定のレンズ設計によって形成される屈曲度の分布を図示する。
【0036】
明らかなように、累進レンズ要素は、その累進レンズ要素のレンズ度数断面を形成する表面特性を有する単一の累進面を含むことができる。しかし、累進加入レンズは必ずしも単一の累進面を含む必要はない。例えば、累進レンズ要素は、それぞれの表面がレンズ度数断面に寄与する表面特性を含むように配置された2つの累進面を含むことができる。その場合、累進面の光学的組合せによって、その累進レンズ要素のためのレンズ度数断面を形成することができる。
【0037】
単一の累進面を含む累進レンズ要素の累進レンズ設計は、累進レンズ要素の前面又は後面のいずれかに累進面を含むことができる。明らかなように、ここで使用される累進レンズ要素の「後面」とは眼に近い面のことであり、「前面」とは累進レンズ要素の対物面のことである。
【0038】
2つの累進面を含む累進レンズ要素に関して、上述したように、累進レンズ設計のレンズ度数断面は、累進レンズ要素の前面及び後面の表面特性の光学的組合せによって形成することができる。
【0039】
累進レンズ要素が単一の累進面を含む実施例では、各累進レンズ要素は、レンズ装用者の視力処方に合わせた視力矯正をもたらすように、別個の処方面を含むこともできる。そのような実施例では、累進面及び処方面は、累進レンズ要素の異なる面の上にある。例えば、一実施例では累進面は各累進レンズ要素の前面上にあり、処方面は後面上にある。しかし、別の実施例では累進面は後面上にあり、処方面は前面上にある。
【0040】
もちろん、各累進レンズ要素は必ずしも別個の累進面と処方面を含む必要はない。実際、一実施例では累進レンズ要素の表面特性は、レンズ装用者の視力処方に合わせたレンズ度数断面及び視力矯正をもたらす単一の表面上に配置されている。レンズ度数断面及び視力矯正をもたらす表面特性が同一面上に配置されている累進レンズ要素を含む実施例では、列の累進レンズ要素の前面上又は後面上に表面特性を配置することができる。
【0041】
さらに別の実施例では、前面及び後面はそれぞれ、レンズ装用者の視力処方に合わせたレンズ度数断面及び視力矯正をもたらすように光学的に組み合わされた表面特性を含む。言い換えると、一実施例では、表面特性が前面及び後面にわたって分布されて、特定のレンズ度数断面及び視力処方をもたらす表面特性の組合せを提供する。レンズ度数断面及び視力矯正をもたらす表面特性が前面及び後面上に分布されている累進レンズ要素を含む実施例では、適切な分布を使用して、表面特性をこれらの間に分布することができる。
【0042】
累進面及び処方面の実際の配置、或いはレンズ度数断面及び視力矯正をもたらし又はこれに寄与する表面特性の分布及び配置に関わらず、累進レンズ要素の各列は、実質的に同一の遠用視力の視力処方及び実質的に同一の加入度を有する。しかし、いくつかの列の形態をとる累進レンズの系を含む実施例では、同一の系で異なる列の累進レンズ要素は、異なる加入度及び同一の遠用視力の視力処方を有する。
【0043】
系内の複数の列を組み合わせて異なる加入度を提供するように、同一の系内の累進レンズ要素の各列間の加入度の差異を、増分的に変化させることができる。一実施例では、加入度は0.25Dの増分で0.75Dから3.5Dまで増分的に変化し、各値にはその加入度の値を有する対応する累進レンズ要素の列がある。しかし、本発明の他の実施例では、他の範囲の加入度及び他の増分を提供することもできることを理解されたい。
【0044】
異なる列、又は異なる系の累進レンズ要素は、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが、同一の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの1つ又は複数の特定の値又はカテゴリーに起因又は関連する、累進レンズ設計を有することができる。しかし、それらの累進レンズ設計はそれぞれ異なる列、又は異なる系のものであるので、これらの累進レンズ設計はそれぞれ、(異なる列の場合は)加入度が異なり、又は(異なる系の場合は)遠用視力を矯正するための視力処方が異なる。例えば、一実施例では、異なる系の累進レンズ要素は異なる遠用視力の視力処方を有する。別の実施例では、異なる列の累進レンズ要素は異なる加入度を有する。
【0045】
列内では、累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータの値又は特性と、レンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータとの関係を、適切な方法を使用して特徴付けることができる。1つの適切な方法には、列内の累進レンズ要素の累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータの値又はカテゴリーを、レンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーの関数として変化させる段階を含むことができる。したがって、一実施例では、列内の各累進レンズ要素のレンズ度数断面を、レンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーから導出することができる。
【0046】
別の適切な方法には、系内の累進レンズ要素に対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが、レンズ装用者の集団の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーにわたって増分的に変化するように、系内の各累進レンズ要素に対して、累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータのそれぞれの値又は特性を増分的に変化させる段階を含むことができる。
【0047】
さらに別の適切な方法には、別のパラメータを実質的に一定としたままで、系内の累進レンズ要素に対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータをレンズ装用者の集団のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーにわたって、比例的に変化させるように、系内の各累進レンズ要素に対して、累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータのそれぞれの値又は特性を比例的に変化させる段階を含むことができる。例えば一実施例では、周辺ぼやけパラメータの分布を実質的に一定に維持することができ、遠用領域の角度サイズと近用領域の角度サイズの比率のパラメータを、レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの連続する値又はカテゴリー間で約10%以上変化させることができる。
【0048】
明らかなように、各ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータには、レンズ装用者の集団内である範囲の変化量がある。したがって、本発明の一実施例では、列内では累進レンズ要素は、レンズ装用者の集団における個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の変化量に対応するある範囲のレンズ度数断面を形成するように、少なくとも2つのレンズ設計パラメータを変化させる。
【0049】
一実施例では、遠用−近用領域のサイズ・バランスは、レンズ装用者の近用視力必要度スコアに起因又は関連した値又は特性を有する。この実施例によれば、遠用−近用領域のサイズ・バランスの値のある範囲の変化量は、市場に流通している様々な領域サイズの累進レンズ設計の既知の性能及び選択された累進レンズ設計の臨床試験結果から、導出することができる。
【0050】
一実施例では、遠用−近用領域のサイズ・バランスの値の変化量の範囲は、遠用及び/又は近用領域の角度サイズを修正することによって求められる。
【0051】
遠用領域の角度サイズは、+20°から−16°にわたり、標準加入度の4分の1の光学屈折値と等しい無限対物距離の輪郭線に合わせて光線トレースした二乗平均平方根(RMS)ぼやけに適合させた双曲線の交差漸近線を回転することによって、修正して、遠用領域の角度サイズを増加又は減少させることができる。一実施例では、特定の標準加入度のレンズ装用者の特定の読書距離に合わせて光線トレースした二乗平均平方根(RMS)ぼやけに適合させた双曲線の漸近線を+20°から−16°にわたって回転し、それにより近用領域の角度の大きさを増加又は減少することによって、近用領域境界の修正が達成される。
【0052】
上述の回転は、近用領域又は遠用領域の占有範囲に従って様々なレンズ装用者を分類する、ある範囲の近用視力必要度値に対して直線的に割り当てることができる。例えば、近用距離を優先する装用者にはスコア「9」を与えることができ、遠用視力を優先するレンズ装用者にはスコア「0」を与えることができる。スコアが高いほど、レンズ装用者が近用視力作業に主に従事することを示すことができる。したがって、近用視力必要度スコアに起因又は関連した遠用−近用領域のサイズ・バランスの値又は特性を有する累進レンズ要素は、近用部の有用性を高めるためにより広い近用領域を設ける「高」近用視力必要度スコアのための遠用−近用領域サイズ・バランスの値又は特性を有することができる。反対に、「低」近用視力必要度スコアに対応する累進レンズ要素は、遠用領域を広くすることができる。一実施例では、各スコアは回転の範囲内で一意の回転と関連付けられる。一実施例では、スコアの範囲は、4°の増分で+20°から−16°の範囲の回転と対応することができる。
【0053】
一実施例では、遠用領域の角度サイズは約105°から約140°にわたって変化する。好ましくは、近用領域の角度の大きさは約40°から約75°にわたって変化する。これに関して、遠用領域の「角度サイズ」は、標準加入度の4分の1の光学屈折値と等しい無限対物距離の輪郭線に合わせて光線トレースした双曲線を二乗平均平方根(RMS)ぼやけに適合させ、この双曲線の2つの漸近線間の角度を測定することによって計算することができる。近用領域の角度サイズは、特定の標準加入度の装用者の特定の読書距離に合わせてRMSぼやけを光線トレースすることを除き、同様に計算することができる。一実施例では、遠用領域の角度サイズは、増分あたり約4°の角度領域の大きさの変化にそれぞれ対応する9つの増分を設けるようになっており、その範囲にわたって増分的に変化する。比例的変化に関して、遠用領域の最大の角度サイズが180°であるとする場合、4°の増分変化は増分あたり約2%の変化量に対応する。
【0054】
別の実施例では、列内の累進レンズ要素のそれぞれの中心−周辺領域サイズ・バランスの値又は特性は、レンズ装用者の頭部又は眼球の移動傾向の値又はカテゴリーに起因又は関連したものである。これに関して、累進レンズ要素の「中心領域」はレンズ装用者の明確な中心視力に適した領域であり、「周辺領域」はレンズ装用者の中心視には適さない、周辺視力のみに使用することができる領域を含む。したがって、中心−周辺領域のサイズ・バランスは、明確な中心視力に利用可能なレンズ表面積と周辺視力に利用可能なレンズ表面積の比率である。中心領域は、遠用領域、近用領域、及び累進帯の組合せによって得られるレンズ表面積を含み、周辺領域は、2つの領域にわたって分布され、遠用領域、累進帯、及び近用領域との境界をそれぞれ有する残りのレンズ表面積を含む。以下の説明において、これらの境界のそれぞれを「中心−周辺領域境界」という。
【0055】
累進レンズ要素の中心領域のレンズ表面における面積の適切性は、累進レンズのその特定の面積を通して見ることが意図された距離(「対物距離」)で物体を見るときに、レンズ装用者に与えるぼやけのレベルによって測定される。一般に、この文中におけるぼやけの計算には、対物視野の変化量及びレンズ前面上の座標に関する仮定が必要である。一般に、そのような計算は、対物距離がY軸に沿って目線の度数断面に対して比例的に変化し、X座標から独立しているという仮定に基づいている。次いで、この仮定された可変の対物距離の輪郭線図を計算することができ、選択された輪郭線によって明確な中心視力のための閾値を表す。
【0056】
中心−周辺領域のサイズ・バランスの値又は特性を、レンズ装用者の眼球移動傾向の値又はカテゴリーに起因又は関連したものにすることに関して、レンズ装用者の眼球移動を、例えば近用、中間、及び遠用視力など、少なくとも1つの標準化された視力作業の範囲で測定することができる。次いで、作業に重点を置いた眼球移動のデータを、好ましくはその作業の眼球動作の集団モデルに基づいて、標準と比較することができる。集団標準に対する位置から「0」から「9」までの眼球移動スコアが得られ、「0」は眼球移動の平均が10パーセント以下であることを表し、「9」は眼球移動の平均が90パーセント以上であることを表す。
【0057】
一実施例では、眼球移動パーセンテージ・スコアの範囲から導出される中心−周辺領域のサイズ・バランスのある範囲の変化量を列によって提供するように、累進レンズの遠用領域及び近用領域の大きさの値又は特性、したがって中心−周辺領域のサイズ・バランスを、眼球移動パーセンテージ・スコアに起因又は関連したものとすることができる。例えば、最小の絶対中心領域サイズ(したがって、最小の中心−周辺領域サイズ・バランス)は眼球移動スコア「0」に起因し、最大の絶対中心領域サイズ(したがって、最大の中心−周辺領域サイズ・バランス)は眼球移動スコア「9」に起因する。中間の中心領域サイズは、最大中心領域サイズと最小中心領域サイズの間における直線的な割り当てに従って変化する。
【0058】
一実施例では、列内での累進レンズ要素の近用基準点(NRP)の挿入は、レンズ装用者の集団の単眼の瞳孔距離の範囲の値又はカテゴリーに起因又は関連した値又は特性を有する。
【0059】
一実施例では、列内の累進レンズ要素の累進帯長は、フレーム内の最適な位置で必要な読書度数を提供するように、フレームの形状及び/又はサイズに起因又は関連した値又は特性を有する。一実施例では、累進帯長はフレームの装着高さ(H)に従って変化することができる。
【0060】
別の実施例では、累進帯長は近用必要度スコアに起因又は関連した値又は特性を有する。
【0061】
さらに別の実施例では、累進帯長は、レンズ装用者の頭部動作及び/又は眼球動作の傾向を分類する、レンズ装用者のバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因又は関連した値又は特性を有する。
【0062】
レンズ装用者の頭部動作及び/又は眼球動作の傾向は、標準化された読書作業のための下方視データを導出するように、眼球追跡装置又は頭部追跡装置を使用して測定することができる。次いで下方視データを、好ましくは下方視の集団モデルに基づいて、標準と比較する。
【0063】
特定のレンズ装用者では、レンズ装用者の標準に対して測定された下方視データを使用して、下方視スコアを導出することができる。「0」から「9」までの下方視スコアが得られ、「0」は下方視の平均が10パーセント以下であることを表し、「9」は下方視の平均が90パーセント以上であることを表す。パーセントスコアの範囲に起因又は関連した累進帯長のある範囲の変化量を、列によって提供するように、列内の累進レンズの累進帯長の値又はカテゴリーを、パーセントスコアに起因又は関連したものとすることができる。一実施例では、範囲内の最小の累進帯長は下方視スコア「0」に起因し、範囲内の最大の累進帯長は下方視スコア「9」に起因する。中間の累進帯長は、最大累進帯長と最小累進帯長の間における直線的な割り当てに従って変化することができる。
【0064】
一実施例では、列内での近用基準点の挿入は、レンズ装用者の読書距離の値又はカテゴリーに起因又は対応する値又は特性を有する。このように、1対の累進レンズ要素は、眼鏡を作製するために組み合わされるとき、左右の眼の累進帯を中間地点で結ぶ線と交わる垂直面で、レンズ装用者が読書距離で左眼から右眼へと許容可能な結像を得られる列内に求めることができる。
【0065】
上述のように、同じ系の異なる列からの累進レンズ要素、したがって加入度が異なるが遠用視力の視力矯正が同じである累進レンズ要素は、レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーの同一の範囲からの各値又はカテゴリーに起因又は関連する各値又は特性を有する累進レンズ設計を含むことができる。
【0066】
累進レンズ設計の少なくとも2つのレンズ設計パラメータが増分的に変化する実施例では、異なるレンズ設計パラメータは別々に表されるので、場合によってはレンズ設計パラメータの変化に依存する適切な形態を使用して、増分変化量を表すことができる。
【0067】
累進レンズ要素の1つ又は複数の列はそれぞれ、各系内で、レンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因する各値又は特性を有する2つ以上のレンズ設計パラメータを含む累進レンズ設計を有する、累進レンズ要素を含むことができる。
【0068】
列の系を含むマトリックスの本発明の実施例では、列の系は異なる視力処方に対応する。このように、特定の視力処方及び特定の加入度には、実質的に同一の視力処方、実質的に同一の加入度、及びレンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因する各値又は特性を有する少なくとも2つのレンズ設計パラメータを含む累進レンズ設計を有する累進レンズ要素の列を含む、累進レンズ要素の列の系が得られる。異なる処方の列の系を含むマトリックスの構造の例を表1に示す。
【0069】
実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有することに加えて、列内に含まれる累進レンズ要素はまた、他の特性も実質的に同一とすることができる。例えば、一実施例では、各列は、実質的に同一の装着位置(POW)特性に適合された累進レンズ要素を含むことができる。
【表1】
【0070】
別の実施例では、各系はそれぞれ、実質的に同一のフレーム設計(例えば、フレーム形状及び/又はサイズ)に適合された累進レンズ要素を含むことができる。
【0071】
したがって、複数の列が系の配置内で分類されている実施例において、列の累進レンズ要素の1つ又は複数の系がそれぞれ、レンズ装用者の装着位置及び/又は特定のフレーム設計に最適化された累進レンズ要素を含むことができる。すなわち、累進レンズ要素の各列は、傾斜収差、読書距離、レンズ傾斜、及び頂点間距離が最終的なレンズの視力度数に与える影響を考慮して、装用者が意図した位置でレンズ要素を使用して見るレンズ要素の視覚に従ってレンズ装用者に最適化された、累進レンズ設計を含むことができる。
【0072】
したがって、一実施例では各系は、レンズ装用者の処方に対応するとともに「装着位置」特性にも適合された、遠用視力の視力矯正をもたらす累進レンズ要素を含む。同一の処方及び「装着位置」特性を有する累進レンズ要素のマトリックスの構造の例を表2に示す。
【0073】
好ましくは、列内の累進レンズ要素は、(レンズ要素が装用者の顔面に配置される方法を特徴付ける)「装着位置」パラメータの特定の値又はカテゴリーに対応することができるので、本発明によるマトリックスの一実施例では、レンズ装用者のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリー並びに実質的に同一の装着位置特性に関連する、累進レンズ設計を有する累進レンズ要素の系が得られる。同様に、列内で累進レンズ要素の累進レンズ設計を様々なフレーム形状及び/又はサイズに適合させることができる。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1A】従来の累進レンズ要素のRMSぼやけの輪郭線図である。
図1B】単一のRMSぼやけで示す従来の累進レンズ要素の概略図である。
図2】本発明の実施例による、列に配置された累進レンズのRMSぼやけの輪郭線図である。
図3】2桁の列指数に関連付けられた累進レンズを有する図2の列を示す図である。
図3A図3の2桁列指数の実施例である。
図4】本発明の実施例による別の列のRMSぼやけの輪郭線図である。
図4A図4の3桁列指数の実施例を示す図である。
図5】本発明の実施例の系の例を示す図である。
図6】本発明の実施例のマトリックスの例を示す図である。
図7】本発明の実施例によるシステムのシステムブロック図である。
図8】本発明の実施例による方法のフロー図である。
【実施例】
【0075】
本発明を添付の図面に示された好ましい実施例に関連して説明する。ただし、図示されたものは本発明の一実施例を表すに過ぎないことを理解されたい。他の実施例も、一般に上述された本発明の範囲内であることが想定されている。
【0076】
図1Aは従来の累進レンズ要素100におけるRMSぼやけの輪郭線図を示す。累進レンズ要素100は、+2.00/−1.50×45°及び加入度2.00Dの処方箋を表す。角膜頂点間距離12mm及び前傾角10°によって特徴付けられる装着位置で光線トレースを実施した。示された光線トレースの対物視野は、無限大の遠用基準点(DRP)から40cmの近用基準点(NRP)までであった。近用領域における度数誤差の測定では、0.5Dの予備を設けると仮定した。図示された累進レンズ要素100の直径は60mmである。
【0077】
図1Bは、図1Aに示すものとは異なる累進レンズ設計を有する累進レンズ要素100を示す概略図である。図に示すように、累進レンズ要素100は遠用視力用の屈折度を有する上方視野領域102(「遠用領域」)、近用視力用の屈折度を有する下方視野領域104(「近用領域」)、及び上方視野領域102と下方視野領域104を連結する累進帯106を含む。この場合、遠用領域102及び近用領域は、双曲線102A、104Aによってそれぞれ境界されたレンズ面の領域として全体的に示されている。双曲線102Aは、標準加入度の4分の1の光学屈折値と等しい無限対物距離輪郭線に合わせて光線トレースされた二乗平均平方根(RMS)ぼやけに適合されている。双曲線104Aは、特定の標準加入度のレンズ装用者の特定の読書距離に合わせて光線トレースされた二乗平均平方根(RMS)ぼやけの同じ輪郭線に適合されている。
【0078】
累進帯106の屈折度は、遠用領域102の屈折度から近用領域104の屈折度へと累進帯長108にわたって変化する。図示された累進レンズ100はまた、周辺領域112、並びにそれ自体が遠用領域102、近用領域104及び累進帯106を含む中心領域も含む。
【0079】
図2は本発明の実施例による累進レンズ100の列200のRMSぼやけの輪郭線図である。主なレンズ度数測定位置を分かり易くするために、基準マークDRP、NRPが示されている。
【0080】
列200の各累進レンズ要素100は、実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の処方視力を有するが、列200の各累進レンズ要素100は、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータがライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーにそれぞれ起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する、異なる累進レンズ設計を提供する。
【0081】
図2の累進レンズ要素100は、可変の対物距離に対するRMSぼやけの輪郭線図を使用して示されている。図2に示す列200は、異なる累進レンズ設計をそれぞれ有する9つの累進レンズ要素100を含む。ただし、どのような数の累進レンズ要素100が列200に含まれていてもよい。
【0082】
上述のように、列200内に含まれる各累進レンズ要素100は、実質的に同一の遠用視力の視力処方及び実質的に同一の加入度処方を有する。この場合、各累進レンズ要素102は、加入度2.00Dの平面遠用視力領域を有する。
【0083】
本実施例では、列200の各累進レンズ要素100はまた、同一の装着位置パラメータ、すなわち前傾角10°、ラップ角0°及び角膜頂点間距離12mm、によって特徴付けられる累進設計も示している。列200の各累進レンズ要素100は、必ずしも同一の装着位置パラメータによって特徴付けられる累進設計を示す必要はない。
【0084】
上述のように、累進レンズ要素100のそれぞれの2つのレンズ設計パラメータ202、204は、レンズ装用者の個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因した各値又は特性を有する。本実施例では、2つのレンズ設計パラメータ202、204は、累進帯長204及び遠用−近用領域のサイズ・バランス208を含む。
【0085】
図示された実施例では、下方視が増大すると累進帯長204の値が増加するように、累進帯長204の値はレンズ装用者の眼球運動のカテゴリー(この場合は読書中の下方視傾向)に基づいている。
【0086】
さらに、近用視力の必要度206が増加すると遠用−近用領域のサイズ・バランス202の値が減少するように、遠用−近用領域のサイズ・バランス202の値はレンズ装用者の近用視力の必要度206のカテゴリーに基づいている。すなわち、遠用−近用領域のサイズ・バランス202が大きいほど、近用視力の必要度206は小さくなる。
【0087】
図3に示すように、列200の各累進レンズ要素100は、個々の装用者のために設定されたライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの値又はカテゴリーに起因又は関連した、少なくとも2つの累進レンズ設計パラメータを表す個々の2桁の列指数300並びにこれらの累進レンズ設計パラメータの値又はカテゴリーに関連付けられている。
【0088】
図示された実施例では、図3Aを参照すると、2桁コード300の第1の数値パラメータ302は、累進レンズ設計の累進帯長値の値又はカテゴリーを表し、眼の下方視の値に基づいている。この場合、コード番号が大きいほど累進帯長が長いことを表す。
【0089】
第2の数値パラメータ304は、遠用−近用領域のサイズ・バランスを表し、近用視力の必要度スコアに基づいている。
【0090】
累進レンズ設計パラメータの他の組合せも可能であることを理解されたい。実際、図4は本発明による列の別の実施例を示している。図4に示す実施例では、各累進レンズ要素は3桁の列指数400に関連付けられている。本実施例では、図4Aを参照すると、中心−周辺領域サイズ・バランスを表す第3の数値パラメータ402が設けられており、この実施例では、レンズ装用者が周辺視野に入ってきた物体に注目しようとするとき、頭部を向ける前に自然に眼球が向く範囲の関数である。
【0091】
図5を参照すると、実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進レンズ要素の列200−1、200−2、200−3の系500内に配置された累進レンズのRMSぼやけの輪郭線図を示している。ただし、異なる列200−1、200−2、200−3の累進レンズ要素は、異なる加入度502、504、506を有する。本実施例では、列200−1は加入度1.50Dを有する累進レンズ要素を含み、列200−2は加入度2.00Dを有する累進レンズ要素を含み、列200−3は加入度2.50Dを有する累進レンズ要素を含む。
【0092】
各列200−1、200−2、200−3の累進レンズ要素は、レンズ装用者の少なくとも2つのライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータのある範囲の値又はカテゴリーに対して、少なくとも2つのレンズ設計パラメータが個々のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーにそれぞれ起因又は関連した各値又は特性をそれぞれ有する異なる累進レンズ設計を提供する。この場合、値の範囲にはある範囲の近用視力必要度スコア及びある範囲の下方視スコアを含み、各レンズ設計パラメータは遠用−近用領域のサイズ・バランス及び累進帯長を含む。
【0093】
図6は本発明の実施例による、マトリックスに配置された累進レンズのRMSぼやけの輪郭線図である。図に示すように、マトリックス600は累進レンズ要素の2つの系500−1、500−2を含む。各系500−1、500−2はそれぞれ、実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進レンズ要素の3つの各列を含む。この場合、系500−1は列200−1、200−2、200−3を含み、系500−2は列200−4、200−5、200−6を含む。本実施例では、系500−1の累進レンズ要素は、+0.00Dの視力処方(「視力処方A」)を提供し、系500−2の累進レンズ要素は、+3.00Dの視力処方(「視力処方B」)を提供する。
【0094】
図7は、処方者704がレンズ装用者702に累進レンズ設計を処方する際に使用する、本発明の実施例による方法を実施するためのシステム700の実施例を示すブロック図である。
【0095】
図示されたシステム700はプロセッサ706、メモリ708、ユーザ入力デバイス710及びユーザ出力デバイス712を含む。本例では、プロセッサ706、メモリ708、ユーザ入力デバイス710及びユーザ出力デバイス712は、プロセッサ706と互換性のあるオペレーティング・システムを備えた適切な計算デバイスに組み込まれている。適切な計算デバイスの例には、Microsoft Windows(登録商標)オペレーティング・システムを備えたデスクトップ・コンピュータ、適切なオペレーティング・システムを備えたモバイル・コンピュータ(ポケットPC又はラップトップ・コンピュータ)、又は個人用携帯情報端末(PDA)がある。
【0096】
明らかなように、プロセッサ706のタイプは計算デバイスのタイプによって様々であり、したがって、例えばIntel Pentium(登録商標)タイプのプロセッサ、68Kプロセッサ又はカスタムプロセッサ設計などを含むことができる。入力デバイス710は、例えばタッチ・パネル、キーボード、キーパッド、マウス、ポインタ、トラック・ボールなど、何らかの適切なデバイスを含む。
【0097】
この場合、メモリ708はRAMなどの動的メモリを含む。ただし、他の実施例では、メモリ708はPROM、EPROM、FLASH PROM、又は他のメモリチップ、カートリッジ、又はプロセッサ706を読み出し又は書き込みできる他の媒体を含むこともできる。メモリ708は、プロセッサ706によって実行するための、コンピュータ・プログラムの形態である一連の命令714によってプログラムされている。
【0098】
命令714は、ユーザ入力デバイス710を通して、レンズ装用者702のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの少なくとも2つの値又はカテゴリーを許容するように、プロセッサ706によって実行可能である。次いで、プロセッサ706は、その値又はカテゴリーを、実質的に同一の加入度及び実質的に同一の遠用視力の視力処方を有する累進レンズ設計の列へと割り当てる。上述のように、各レンズ設計は、ライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の値又はカテゴリーに関連した各値又は特性を有する、少なくとも2つのレンズ設計パラメータを含む。
【0099】
列は、メモリ708内部、又は遠隔コンピュータに保存され適切な通信リンクを通してプロセッサにアクセス可能なデータベース816などのメモリ外部に保存することができる。
【0100】
列への割り当てによって、レンズ装用者704のライフスタイル及び/又はバイオメトリック・パラメータの特定の入力された値又はカテゴリーに関連した少なくとも2つのレンズ設計パラメータ値を有する累進レンズ設計の列からの検索が行われる。次いで、検索されたレンズ設計がユーザ出力デバイス712によって出力される。図8は上述のプロセスを示す簡略化されたフロー図800である。
【0101】
最後に、本願明細書に記載された構成には他の変形又は修正も考えられ、それらも本発明の範囲内であることが理解されよう。
図1A
図1B
図2
図3
図3A
図4
図4A
図5
図6
図7
図8