特許 6363955 二重機能キャップを有する喫煙物品

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6363955

(24)【登録日】2018年7月6日

(45)【発行日】2018年7月25日

(54)【発明の名称】二重機能キャップを有する喫煙物品

(51)【国際特許分類】

   A24D 1/04 20060101AFI20180712BHJP

   A24F 7/04 20060101ALI20180712BHJP

   A24F 47/00 20060101ALI20180712BHJP

   A24F 13/18 20060101ALI20180712BHJP

   A24D 3/18 20060101ALI20180712BHJP

【ＦＩ】

   A24D1/04

   A24F7/04

   A24F47/00

   A24F13/18

   A24D3/18

【請求項の数】15

【全頁数】16

(21)【出願番号】特願2014-551594(P2014-551594)

(86)(22)【出願日】2013年1月8日

(65)【公表番号】特表2015-509706(P2015-509706A)

(43)【公表日】2015年4月2日

(86)【国際出願番号】EP2013050210

(87)【国際公開番号】WO2013104616

(87)【国際公開日】20130718

【審査請求日】2016年1月5日

(31)【優先権主張番号】12150518.4

(32)【優先日】2012年1月9日

(33)【優先権主張国】EP

(73)【特許権者】

【識別番号】596060424

【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム

(74)【代理人】

【識別番号】100092093

【弁理士】

【氏名又は名称】辻居 幸一

(74)【代理人】

【識別番号】100082005

【弁理士】

【氏名又は名称】熊倉 禎男

(74)【代理人】

【識別番号】100067013

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 文昭

(74)【代理人】

【識別番号】100086771

【弁理士】

【氏名又は名称】西島 孝喜

(74)【代理人】

【識別番号】100109070

【弁理士】

【氏名又は名称】須田 洋之

(74)【代理人】

【識別番号】100109335

【弁理士】

【氏名又は名称】上杉 浩

(74)【代理人】

【識別番号】100120525

【弁理士】

【氏名又は名称】近藤 直樹

(74)【代理人】

【識別番号】100141553

【弁理士】

【氏名又は名称】鈴木 信彦

(72)【発明者】

【氏名】グラント クリストファー ジョン

【審査官】 土屋 正志

(56)【参考文献】

【文献】 実開昭５０−０５６７００（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 国際公開第２００７／１１９６７８（ＷＯ，Ａ１）

【文献】 英国特許出願公開第００６１０２２５（ＧＢ，Ａ）

【文献】 実開昭５４−１２４１００（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ２４Ｄ １／０４

Ａ２４Ｄ ３／１８

Ａ２４Ｆ ７／０４

Ａ２４Ｆ １３／１８

Ａ２４Ｆ ４７／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

喫煙物品であって、
第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、
前記ロッドの第２の端部に又は近接して配置された可燃性熱源と、
前記ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方に着脱自在に結合可能な着脱式キャップと、
を備え、
前記喫煙物品の第１の構成において、前記着脱式キャップが前記ロッドの第１の端部に結合されて、前記着脱式キャップを通って前記ロッドから空気を吸い込むことができるようになり、
前記喫煙物品の第２の構成において、前記第２の端部が前記着脱式キャップによって少なくとも実質的に覆われるように前記着脱式キャップが前記ロッドの第２の端部に結合されて、該第２の構成において前記着脱式キャップにより使用後の前記喫煙物品の廃棄が容易になり、前記可燃性熱源が燃焼中又は高温である間に、前記着脱式キャップが、前記ロッドの第２の端部に結合されたときに前記可燃性熱源を熱的に絶縁するための断熱材料を含み、
前記着脱式キャップは、前記可燃性熱源が燃焼中又は高温である間に前記ロッドの前記第２の端部に結合されるとき、（ａ）分解して熱源を消化する分解生成物を生成し、又は、（ｂ）相転移を生じ、熱源によって生成される熱エネルギーを消費する、１又は複数の材料を更に備え、相転移を生じる前記１又は複数の材料は、ポリマー、ワックス、又は、ポリマー及びワックスの両方を備える喫煙物品。

【請求項2】

前記着脱式キャップが管状シースを含み、該管状シースは、前記ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方を受けて、前記着脱式キャップを前記ロッドの第１の端部又は第２の端部の何れかに結合できるような寸法にされている、請求項１に記載の喫煙物品。

【請求項3】

前記ロッドが、前記第１の端部と前記第２の端部の間に位置するエアロゾル形成基材を含む、請求項１又は２に記載の喫煙物品。

【請求項4】

前記ロッドがタバコ含有材料を含む、請求項１、２、又は３に記載の喫煙物品。

【請求項5】

前記着脱式キャップが、不燃性材料、難燃性材料、及び熱伝導性材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を更に含む、請求項１〜４の何れかに記載の喫煙物品。

【請求項6】

前記管状シースが、アルミニウムホイル、グラファイト、相転移材料、及び発泡体からなる群から選択された１又はそれ以上の材料から形成又は裏打ちされる、請求項２に記載の喫煙物品。

【請求項7】

前記着脱式キャップは、該着脱式キャップが第１の構成で前記ロッドの第１の端部に結合されたときに、前記ロッドから空気を通過させて吸い込むことができるように位置付けられるフィルタを含む、請求項１〜６の何れかに記載の喫煙物品。

【請求項8】

喫煙物品用の着脱式キャップであって、前記キャップが、前記喫煙物品を形成するロッドの第２の端部に又は近接して配置された可燃性熱源とエアロゾル形成基材を含むロッドの第１の端部及び第２の端部の両方に着脱自在に結合可能であり、前記キャップは、前記ロッドの第１の端部に結合されたときには前記ロッドから前記キャップを通過して空気を吸い込むことができ、前記ロッドの第２の端部に結合されたときには前記喫煙物品の使用後に前記キャップが前記喫煙物品の廃棄を容易にするように構成されており、前記可燃性熱源が燃焼中又は高温である間に、前記着脱式キャップが、前記ロッドの第２の端部に結合されたときに前記可燃性熱源を熱的に絶縁するための断熱材料を含み、前記着脱式キャップは、前記ロッドの前記第２の端部に結合されるとき、（ａ）分解して熱源を消化する分解生成物を生成し、又は、（ｂ）相転移を生じ、熱源によって生成される熱エネルギーを消費する、１又は複数の材料を更に備え、相転移を生じる前記１又は複数の材料は、ポリマー、ワックス、又は、ポリマー及びワックスの両方を備える着脱式キャップ。

【請求項9】

管状シースを備え、該管状シースは、前記ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方を受けて、前記着脱式キャップを前記ロッドの第１の端部又は第２の端部の何れかに結合できるような寸法にされている、請求項８に記載の着脱式キャップ。

【請求項10】

不燃性材料、難燃性材料、及び熱伝導性材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を更に含む、請求項８又は９に記載の着脱式キャップ。

【請求項11】

前記管状シースが、アルミニウムホイル、グラファイト、相転移材料、及び発泡体からなる群から選択された１又はそれ以上の材料から形成又は裏打ちされる、請求項９に記載の着脱式キャップ。

【請求項12】

エアロゾル形成基材を含むロッドの第１の端部に結合されたときにマウスピースとして、使用後に前記ロッドの第２の端部に結合されたときに前記ロッドの廃棄を容易にする手段として、請求項８〜１１の何れかに記載の着脱式キャップを使用する方法。

【請求項13】

サーモクロミック材料又は着色剤を含む、請求項８〜１１の何れかに記載の着脱式キャップ。

【請求項14】

第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、該ロッドの第２の端部に又は近接して配置された可燃性熱源と、前記ロッドの第１の端部に結合される着脱式キャップとを備え、前記可燃性熱源が燃焼中又は高温である間に、前記着脱式キャップが、前記ロッドの第２の端部に結合されたときに前記可燃性熱源を熱的に絶縁するための断熱材料を含み、前記着脱式キャップは、更に、前記ロッドの前記第２の端部に結合されるとき、（ａ）分解して熱源を消化する分解生成物を生成し、又は、（ｂ）相転移を生じ、熱源によって生成される熱エネルギーを消費する、１又は複数の材料を更に備え、相転移を生じる前記１又は複数の材料は、ポリマー、ワックス、又は、ポリマー及びワックスの両方を備える喫煙物品を使用する方法であって、
前記ロッドの第２の端部に対して熱源を作動させるステップと、
前記ロッドから前記着脱式キャップを通って空気を吸い込むステップと、
前記ロッドの第１の端部から前記着脱式キャップを取り外すステップと、
前記ロッドの第２の端部が前記着脱式キャップにより少なくとも実質的に覆われるように前記着脱式キャップを前記ロッドの第２の端部に結合するステップと、
を含む、方法。

【請求項15】

第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、前記ロッドの第２の端部に又は近接して配置された可燃性熱源と、エアロゾル形成基材とを備えた喫煙物品の使用後の廃棄を容易にする方法であって、着脱式キャップを設けることを含み、該着脱式キャップが、前記ロッドから前記着脱式キャップを通って空気を吸い込むことができるように前記ロッドの前記第１の端部に着脱自在に結合可能であり、且つ前記着脱式キャップにより前記可燃性熱源が少なくとも実質的に覆われるように前記ロッドの前記第２の端部に着脱自在に結合可能であり、前記可燃性熱源が燃焼中又は高温である間に、前記着脱式キャップが、前記ロッドの第２の端部に結合されたときに前記可燃性熱源を熱的に絶縁するための断熱材料を含み、前記着脱式キャップは、更に、前記ロッドの前記第２の端部に結合されるとき、（ａ）分解して熱源を消化する分解生成物を生成し、又は、（ｂ）相転移を生じ、熱源によって生成される熱エネルギーを消費する、１又は複数の材料を更に備え、相転移を生じる前記１又は複数の材料は、ポリマー、ワックス、又は、ポリマー及びワックスの両方を備える方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本明細書は、喫煙物品の消費中に喫煙物品用のマウスピースとして機能することができ、また、喫煙物品の着火端部に移動させて、廃棄のため着火端部をシールドして消火することができるキャップを備えた喫煙物品に関する。

【背景技術】

【0002】

従来の着火式シガレットのような既知の喫煙物品は、喫煙可能材料、典型的にはタバコを燃焼又は熱分解し、吸入可能エアロゾルを発生させることができる。燃焼しているタバコの温度は、最大で約９００°Ｃに達する場合がある。シガレットが燃焼し尽くすと、シガレットの着火端部は一般に、燃焼しているタバコをもみ消すことにより消火することができる。

【0003】

タバコを燃焼させずに加熱する喫煙物品もまた、当該技術分野で公知である。このような加熱式喫煙物品の目的は、従来の着火式シガレットで見られるような、タバコの燃焼及び熱分解により生成される既知の有害な煙成分を低減することである。加熱式喫煙物品において、エアロゾルは、香味発生基材又はエアロゾル形成基材（例えば、タバコを含む基材）のような揮発性化合物を放出する基材を加熱することによって発生する。既知の加熱式喫煙物品は、例えば、可燃性燃料要素又は熱源から物理的に別個のエアロゾル形成基材に熱を伝達することによりエアロゾルが発生する喫煙物品を含む。エアロゾル形成基材は、熱源の内部、周囲、又は下流側に配置することができる。喫煙中、熱源からの熱伝達によって揮発性化合物がエアロゾル形成基材から放出され、喫煙物品を通って吸い込まれる空気に同伴される。揮発性化合物が冷却すると、凝縮してエアロゾルを形成し、消費者によって吸入される。

【0004】

加熱式喫煙物品の１つの特定の種類は、蒸留ベースの喫煙物品である。例えば、国際特許出願公開第２００９／０２２２３２号では、可燃性熱源と、該可燃性熱源の下流側のエアロゾル形成基材と、可燃性熱源の後方部分及びエアロゾル形成基材の隣接する前方部分の周りで接触している熱伝導要素とを備えた蒸留ベースの喫煙物品が開示されている。

【0005】

加熱式喫煙物品の使用中、喫煙物品の熱源は高温に達する可能性がある。例えば、加熱式喫煙物品の熱源は、平均温度で約５００°Ｃに達し、場合によっては最大で約８００°Ｃに達する可能性がある。

【0006】

使用後、例えば、ヒートシンク、化学的熱源又は可燃性熱源を含む従来の着火式シガレット及び加熱式喫煙物品は両方とも、十分な冷却を可能にして廃棄を容易にするために適切に消火又はシールドする必要がある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【特許文献1】国際特許出願公開第２００９／０２２２３２号

【特許文献2】米国特許第５，０４０，５５２号明細書

【特許文献3】米国特許第５，５９５，５７７号明細書

【発明の概要】

【0008】

本発明の目的は、使用後の喫煙物品の廃棄を容易にするのに好適な手段を提供することである。有利には、このような手段は、二重機能を有し、使用中にマウスピースとして、及び使用後の廃棄を容易にする手段として機能するのに好適である。

【0009】

本明細書で使用される用語「エアロゾル発生物品」又は「喫煙物品」は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能なエアロゾル形成基材を備えた物品を意味する。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、使い捨てとすることができる。以下では通常、用語「喫煙物品」が使用される。

【0010】

喫煙物品は、加熱式喫煙物品とすることができ、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱することを目的としたエアロゾル形成基材を備える喫煙物品である。エアロゾル形成基材を加熱することにより形成されるエアロゾルは、エアロゾル形成基材の燃焼又は熱分解によって生成されることになる既知の有害成分よりも少ない有害成分を含むことができる。喫煙物品は、可燃性喫煙物品であってもよく、これは、例えば従来のシガレットと同様にエアロゾル形成基材の直接燃焼によりエアロゾルを放出する喫煙物品である。加熱式喫煙物品は、エアロゾル形成基材を加熱する可燃性熱源を含むことができる。

【0011】

用語「可燃性熱源」は、加熱式喫煙物品におけるエアロゾル形成基材から物理的に分離された可燃性物質を意味する。可燃性熱源は、燃焼することができる炭素系材料とすることができ、燃焼時にエアロゾル形成基材を燃焼することなくエアロゾル形成基材を加熱する。

【0012】

本明細書で使用される用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能な基材を意味する。このような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材を加熱することにより放出することができる。エアロゾル形成基材は、固体又は液体であり、固体成分及び液体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、担体又は支持体上に吸着、コーティング、含浸、又は他の方法で充填することができる。エアロゾル形成基材は、好都合には、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることができる。

【0013】

エアロゾル形成基材は、ニコチンを含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコを含むことができ、例えば、加熱時にエアロゾル形成基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むことができる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質タバコ材料、例えば、キャスト葉タバコを含むことができる。エアロゾル形成基材は、プロピレングリコール又はグリセリンのような少なくとも１つのエアロゾルフォーマを含むことができる。可燃性喫煙物品において、エアロゾル形成基材は、従来のタバコとすることができる。喫煙物品は、タバコスティックであるか、又はタバコスティックを含むことができる。

【0014】

本発明の１つの態様によれば、第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、着脱式キャップとを備えた喫煙物品が提供される。キャップは、ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方に着脱自在に結合可能である。喫煙物品の第１の構成において、着脱式キャップがロッドの第１の端部に結合されて、着脱式キャップを通ってロッドから空気を吸い込むことができるようになる。喫煙物品の第２の構成において、第２の端部が着脱式キャップによって少なくとも実質的に覆われるように着脱式キャップがロッドの第２の端部に結合される。第２の構成において、キャップは、使用後の喫煙物品の廃棄を容易にする。

【0015】

用語「着脱自在に結合可能」は、本明細書では、着脱式キャップが喫煙物品のロッドの第１の端部及び第２の端部に取り外し可能に固定できることを指すのに使用される。着脱式キャップは、機械的締結手段（例えば、スクリュー嵌め、差込カップリング、フック及びマジックテープ、その他）によって、又は非機械的締結手段（例えば、非恒久的接着）によって、もしくは機械的締結手段と非機械的締結手段との組み合わせによってロッドの第１の端部及び第２の端部の一方又は両方に着脱自在に結合可能とすることができる。好ましくは、着脱式キャップは、締まり嵌めによりロッドの第１の端部及び第２の端部の一方又は両方に着脱自在に結合可能である。例えば、着脱式キャップは、ロッドの外側表面と着脱式キャップの内側表面との間の締まり嵌めによりロッドの第１の端部及び第２の端部の一方又は両方に着脱自在に結合可能とすることができる。

【0016】

喫煙物品の第２の構成において、着脱式キャップは、好ましくは、喫煙物品の廃棄を容易にするようにロッドの第２の端部を少なくとも実質的に覆う。

【0017】

着脱式キャップは、ロッドの第２の端部を熱的にシールドする１又はそれ以上の材料を含むことができる。代替として、又はこれに加えて、着脱式キャップは、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置された熱源からのエネルギー伝達を他の方法で制限する１又はそれ以上の材料を含むことができる。好ましくは、ロッドの第２の端部に結合されたときに、着脱式キャップは、廃棄時の喫煙物品の発火性を低下させる。一部の実施形態において、一部の実施形態において、ロッドの第２の端部に結合されたときに、着脱式キャップは、喫煙物品の触り心地がよく、これにより使用後の喫煙物品の廃棄を容易にするようにロッドの第２の端部の温度を低下させる。

【0018】

一部の実施形態において、着脱式キャップは、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置された熱源からの熱エネルギーを放散させる手段を含むことができる。例えば、着脱式キャップは、熱伝導により熱エネルギーを放散させる１又はそれ以上の熱伝導性材料を含むことができる。

【0019】

一部の実施形態において、着脱式キャップは、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置された熱源を環境から熱的に絶縁させる手段を含むことができる。例えば、着脱式キャップは、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置された熱源からの熱エネルギー伝達を阻止する熱障壁として機能する１又はそれ以上の断熱材料を含むことができる。好適な断熱材料は、熱伝導性が低いか、又は実質的に熱伝導性がない。

【0020】

一部の実施形態において、着脱式キャップは、放熱手段と断熱手段の組み合わせを含むことができる。

【0021】

ロッドの第１の端部は、喫煙物品が消費されているときにユーザの口腔に最も近接したロッドの端部であるので、ロッドの唇側端部と呼ぶことができる。ロッドの第２の端部は、ロッドの遠位端部と呼ぶことができ、唇側端部と反対側にあるロッドの端部に位置する。

【0022】

着脱式キャップは、喫煙物品の第１の構成でロッドの唇側端部に結合されることにより、喫煙物品のマウスピースとして機能できることは有利とすることができる。着脱式キャップが喫煙物品の第１の構成でロッドの唇側端部に結合されたときには、ユーザは、喫煙物品の廃棄時にロッドの第２の端部も結合するための別個の追加の構成要素又は部品を求める必要はない。

【0023】

着脱式キャップの外側表面は、好ましくは、消費者が触るのを許容でき、着脱式キャップが喫煙物品のマウスピースとして使用されるときにあらゆる適用可能な規制要件に適合する１又はそれ以上の材料から作られる。

【0024】

好ましい実施形態において、喫煙物品は、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置される可燃性熱源を備える。このような実施形態では、喫煙物品の第２の構成において、着脱式キャップは、熱源を少なくとも実質的に覆い、熱源によってもたらされるあらゆる可能性のある発火のリスクを有意に低減又は排除する。好ましくは、着脱式キャップは、例えば、熱源に対する酸素供給を排除又は制限することにより、熱源を密封して消火する。

【0025】

好ましくは、第２の構成において、喫煙物品の発火性は、火災を起こすリスクなしに喫煙物品を廃棄することができる程十分に低い。第２の構成において、着脱式キャップは、ロッドの第２の端部の温度を喫煙物品の触り心地がよい程度に十分に低下させることができる。

【0026】

固体熱源の燃焼によって熱が発生する加熱式喫煙物品である喫煙物品の実施形態において、熱源は、限定ではないが、炭素、並びにアルミニウム、マグネシウム、１又はそれ以上の炭化物、１又はそれ以上の窒化物、及びこれらの組み合わせを含有する炭素系材料を含む、あらゆる好適な可燃性燃料を含むことができる。加熱式喫煙物品用の固体可燃性熱源及びこのような熱源を製造する方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、米国特許第５，０４０，５５２号及び米国特許第５，５９５，５７７号において記載されている。典型的には、加熱式喫煙物品用の公知の固体可燃性熱源は炭素系であり、すなわち、一次可燃性物質として炭素を含む。従来の着火端シガレットである喫煙物品の実施形態において、熱源は、多くの量のタバコであろう。

【0027】

熱源が燃焼中又は高温である間、熱源を着脱式キャップで覆うことによって障壁が形成され、熱源に隣接する材料の発火防止を助けることができる。従って、熱源は、隣接する材料の可能性のある発火のリスクを有意に低減又は排除する程十分に低温に冷却されるまで着脱式キャップでシールドすることができる。障壁としての機能を果たすために、着脱式キャップは、熱源を絶縁するように働く１又はそれ以上の好適な障壁材料を含むことができる。

【0028】

好適な障壁材料は、実質的に不燃性の材料又は実質的に難燃性の材料とすることができる。好ましくは、障壁材料は、喫煙物品の熱源によって達成される最高温度にて空気中で熱的に安定している。好適な障壁材料は、例えば、金属材料又はセラミック材料を含むことができる。

【0029】

喫煙物品は、可燃性物質を使い果たすまでに約４分〜約８分の期間で着火したままとすることができる。熱源が冷却する間又は残りの可燃性物質が燃焼している間、着脱式キャップ上へのホットスポットの形成が回避されるはずである。キャップ上へのホットスポットの形成の低減又は阻止をするために、広範囲にわたって喫煙物品の消費後に熱源内に残るあらゆる熱エネルギーを拡散することが有利とすることができる。従って、一部の実施形態において、着脱式キャップは、熱伝導により広範囲にわたって熱源からの熱エネルギーを効率的に拡散できる熱伝導性材料を含むことができる。好適な熱伝導性材料は、例えば、金属箔、又はグラファイトシート、或いは高い熱伝導性を有する他の材料を含むことができる。

【0030】

着脱式キャップがロッドの第２の端部に結合されたときに熱源を熱的に絶縁する働きをする１又はそれ以上の熱障壁材料を含むことが有利とすることができる。熱障壁材料は、熱源から喫煙物品の外側表面及び外部環境への熱伝達を阻止するのを助けることができる。従って、一部の実施形態において、着脱式キャップは、例えば、熱源を熱的に絶縁するための断熱材料を含むことができる。好適な断熱材料は、例えば、ボール紙、発泡体、ポリマーもしくはセラミック材料、又は低熱伝達性を有する他の材料を含むことができる。

【0031】

着脱式キャップは、加熱時、例えば、着脱式キャップがロッドの第２の端部に結合されたときに相転移を生じる１又はそれ以上の材料を含むことができる。着脱式キャップは、熱源にわたって流れて、熱源への酸素供給を排除又は制限することにより熱源を融解し消火する１又はそれ以上の材料を含むことができる。着脱式キャップは、吸熱反応又は相転移を生じ、熱源によって生成された熱エネルギーを消費することにより熱源を冷却する１又はそれ以上の材料を含むことができる。着脱式キャップは、熱源と接触したときに分解し、熱源を消火する分解生成物を生成する１又はそれ以上の材料を含むことができる。熱源に近接したときに相転移を生じることのできる材料の実施例は、例えば、特定のポリマー及びワックスを含む。

【0032】

着脱式キャップは、障壁材料、不燃性材料、難燃性材料、熱伝導性材料、断熱材料、発泡材料、相転移材料、金属材料、及びセラミック材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を含むことができる。例えば、着脱式キャップは、不燃性材料、難燃性材料, 熱伝導性材料及び断熱材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を含むことができる。

【0033】

一部の実施形態において、着脱式キャップは、異なる材料の組み合わせを含むことができる。例えば、着脱式キャップは、全てが着脱式キャップの別個の層として配置された、難燃性材料、熱伝導性材料及び断熱材料を含むことができる。

【0034】

着脱式キャップは、ロッドを受けるためのシースを定めることができる。一部の実施形態において、着脱式キャップは、管状シースを含み、該管状シースは、ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方を受けて、着脱式キャップをロッドの第１の端部又は第２の端部の何れかに結合できるような寸法にされている。例えば、喫煙物品は、実質的に円筒形のロッドを備えることができ、着脱式キャップは、ロッドの何れかの端部を受けるような寸法にされた実質的に管状のシースを含むことができる。換言すると、シースは、ロッドの第１の端部及びロッドの第２の端部を受けるような寸法にされる。好ましくは、シースは、ロッドの第１の端部及び第２の端部と結合されたときに締まり嵌めを形成する。

【0035】

一部の実施形態において、シースは、障壁材料、不燃性材料、難燃性材料、熱伝導性材料、断熱材料、発泡材料、相転移材料、金属材料、及びセラミック材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料から形成又は裏打ちすることができる。例えば、管状シースは、アルミニウムホイル、グラファイト、相転移材料、及び発泡体からなる群から選択された１又はそれ以上の材料から形成又は裏打ちすることができる。

【0036】

一部の好ましい実施形態において、シースは、金属箔、例えば、アルミニウムホイルの層で裏打ちすることができる。一部の実施形態において、シースは、熱源からの熱の通過に対して熱障壁の機能を果たすポリマー発泡体の層で裏打ちすることができる。

【0037】

一部の実施形態において、シースは、熱源を絶縁するための難燃性材料と、熱源からの熱を迅速に放散しホットスポットの形成を阻止するために熱エネルギーを拡散する熱伝導性材料の両方の機能を果たす金属箔の層で裏打ちすることができる。シースはまた、熱障壁の機能を果たす断熱材料（ボール紙又はポリマー発泡体など）の層で裏打ちすることができる。このような実施形態において、着脱式キャップがロッドと接触したときに、金属箔の層がロッドと接触した内側層を形成するのが好ましい。従って、喫煙物品の第２の構成において、金属箔の層は、熱源との直接接触から断熱材料をシールドするように働くことができる。このようにして、断熱材料中の可燃性物質は、熱源から十分にシールドされ、着脱式キャップにおける熱障壁材料として使用することができる。

【0038】

一部の実施形態において、シースは、異なる材料の組み合わせを含むことができる。例えば、シースは、全てがシースの別個の層として配置された、難燃性材料、熱伝導性材料及び断熱材料を含むことができる。

【0039】

一部の実施形態において、着脱式キャップは、温度に対して色が変化する１又はそれ以上のサーモクロミック着色剤又は材料を含むことができる。これは、喫煙物品を扱う際に注意を促す視覚的ワーニングをユーザに提供するといった利点がある。更に、サーモクロミック着色剤又は材料を使用することで、予防措置を追加することなく、廃棄するのに十分に低い温度に喫煙物品がいつ達したかに関する簡単な視覚的指示を提供することができる。

【0040】

一部の実施形態において、着脱式キャップの一部は、１又はそれ以上のサーモクロミック材料、例えば、サーモクロミックポリマーから形成することができる。一部の実施形態において、着脱式キャップは、１又はそれ以上のサーモクロミック着色剤を含む包装紙で包むことができる。

【0041】

一部の実施形態において、サーモクロミック着色剤又は材料は、着脱式キャップがマウスピースとして使用される場合にサーモクロミック着色剤又は材料とユーザの唇とが接触する可能性を排除又は制限するよう着脱式キャップの一部に含めてもよい。サーモクロミック着色剤又は材料が、着脱式キャップがマウスピースとして使用される場合にサーモクロミック着色剤又は材料とユーザの唇とが場合によっては接触する可能がある着脱式キャップの一部に含まれる場合には、含めるサーモクロミック着色剤又は材料は、経口用のものであるのが好ましい。

【0042】

好ましくは、着脱式キャップは、喫煙物品の第２の構成でロッドの第２の端部を密封する役割を果たす。これは、熱源への酸素供給を排除又は制限するのを助けることができる。これはまた、ロッドの第２の端部にて何らかの灰又は不快な臭いを保持するのを助けることができる。

【0043】

一部の実施形態において、ロッドは、タバコ含有材料を含む。

【0044】

好ましくは、喫煙物品は、エアロゾル形成基材を含む。好ましい実施形態において、可燃性熱源は、ロッドの第２の端部又はその近傍に配置され、ロッドは、第１の端部と第２の端部との間に配置されるエアロゾル形成基材を含む。

【0045】

エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材とすることができる。代替として、エアロゾル形成基材は、固体成分と液体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、加熱されると基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むことができる。或いは、エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は更に、１又はそれ以上のエアロゾルフォーマを含むことができる。好適なエアロゾルフォーマの実施例は、限定ではないが、グリセリン及びプロピレングリコールを含む。

【0046】

エアロゾル形成基材が固体エアロゾル形成基材である場合、固体エアロゾル形成基材は、例えば、ハーブ葉、タバコ葉、タバコリブの断片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、及び膨張タバコの１又はそれ以上を含有する粉体、顆粒、ペレット、細断片、スパゲッティ・ストランド、ストリップ、又はシートのうちの１又はそれ以上を含むことができる。固体エアロゾル形成基材は、遊離形態とすることができ、或いは、好適なコンテナ又はカートリッジで提供することができる。例えば、固体エアロゾル形成基材のエアロゾル形成材料は、紙又は他のラッパー内に収容され、プラグの形態を有することができる。エアロゾル形成基材がプラグの形態である場合、あらゆるラッパーを含むプラグ全体がエアロゾル形成基材と見なされる。

【0047】

任意選択的に、固体エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材の加熱時に放出される追加のタバコ又は非タバコの揮発性香味化合物を含有することができる。固体エアロゾル形成基材はまた、例えば、追加のタバコ又は非タバコの揮発性香味化合物を含むカプセルを含有することができ、このようなカプセルは、固体エアロゾル形成基材の加熱中に溶融することができる。

【0048】

任意選択的に、固体エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けるか、又は内部に埋め込むことができる。担体は、粉体、顆粒、ペレット、細断片、スパゲッティ・ストランド、ストリップ、又はシートの形態をとることができる。固体エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリーの形態で担体の表面上に堆積することができる。固体エアロゾル形成基材は、担体の表面全体上に堆積することができ、或いは、使用中に非均一な香味送出を提供するためにパターンで堆積することができる。

【0049】

喫煙物品は、移送セクション又は移送要素を含むことができる。このような要素は、ロッド内のエアロゾル形成基材の下流側に位置する中空管体の形態をとることができる。

【0050】

用語「上流側」及び「下流側」は、本明細書では、ユーザにより喫煙物品を通って空気が吸い込まれる方向を基準として定められる喫煙物品に沿った相対位置を指すのに使用される。従って、第１の端部又は唇側端部は、第２の端部又は遠位端部から下流側にある。

【0051】

喫煙物品のロッドを形成する要素は、好ましくは、好適なラッパー（例えば、シガレットペーパー）を用いて組み立てられる。シガレットペーパーは、ロッドの形態で喫煙物品の構成要素を包むのに好適な何らかの材料とすることができる。シガレットペーパーは、喫煙物品が組み立てられてロッド内の所定位置に保持されたときに、喫煙物品の構成要素を把持する必要がある。好適な材料は、当該技術分野で公知である。喫煙物品は、実質的に円筒形状とすることができる。喫煙物品は、実質的に細長とすることができる。喫煙物品は、ある長さと、長さに対して実質的に垂直な周囲とを有することができる。

【0052】

エアロゾル形成基材は、実質的に円筒形状とすることができる。エアロゾル形成基材は、実質的に細長とすることができる。エアロゾル形成基材はまた、ある長さと、長さに対して実質的に垂直な周囲とを有することができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル形成基材の長さが喫煙物品における空気流方向に実質的に平行であるように喫煙物品内に配置することができる。

【0053】

移送セクション又は要素は、実質的に細長とすることができる。

【0054】

喫煙物品は、あらゆる望ましい長さを有することができる。例えば、喫煙物品は、ロッドと着脱式キャップが結合されたときに、およそ６５ｍｍとおよそ１００ｍｍの間の全長を有することができる。

【0055】

喫煙物品は、あらゆる望ましい外径を有することができる。例えば、喫煙物品は、およそ５ミリメートルとおよそ１２ミリメートルの間の外径を有することができる。

【0056】

着脱式キャップは、フィルタを含むことができる。着脱式キャップがフィルタを含む場合、フィルタは、好ましくは、着脱式キャップが第１の構成でロッドの第１の端部に結合されたときに、ロッドからフィルタを通って空気を引き込むことができるような位置に配置される。

【0057】

例えば、着脱式キャップは、１又はそれ以上のセグメントを有するフィルタプラグを含むことができる。着脱式キャップがフィルタプラグを含む場合には、好ましくは、フィルタプラグは、単一セグメントのフィルタプラグである。一部の実施形態において、着脱式キャップは、該着脱式キャップが喫煙物品の第１の構成でロッドの第１の端部に結合されたときに着脱式キャップの下流側にて配置されるフィルタプラグを含むことができる。

【0058】

フィルタプラグは、セルロースアセテート、紙、又は他の好適な既知の濾過材料、もしくはこれらの組み合わせを含む１又はそれ以上のセグメントを含むことができる。好ましくは、フィルタプラグは、低濾過効率の濾過材料を含む。着脱式キャップに含まれるあらゆる濾過材料は、第２の構成でロッドの第２の端部に結合されたときに着脱式キャップの機能を損なうべきではない。

【0059】

着脱式キャップは、例えば、低通気性の外側ラッパー（例えば、シガレットペーパー）によって囲むことができる。代替として、又はこれに加えて、着脱式キャップは、チップペーパーによって囲むことができる。

【0060】

本発明の別の態様によれば、喫煙物品用の着脱式キャップが提供される。キャップは、喫煙物品を形成するエアロゾル形成基材を含むロッドの第１の端部及び第２の端部の両方に着脱自在に結合可能である。キャップは、ロッドの第１の端部に結合されたときにはロッドからキャップを通過して空気を吸い込むことができ、ロッドの第２の端部に結合されたときには喫煙物品の使用後にキャップが喫煙物品の廃棄を容易にするように構成されている。着脱式キャップは、好ましくは、ロッドの第２の端部に結合されたときに喫煙物品の発火性を低下させる。

【0061】

第２の端部は、着脱式キャップがロッドの第２の端部に結合されたときに着脱式キャップによって少なくとも実質的に覆われる。

【0062】

着脱式キャップは、障壁材料、不燃性材料、難燃性材料、熱伝導性材料、断熱材料、発泡材料、相転移材料、金属材料、及びセラミック材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を含むことができる。例えば、着脱式キャップは、不燃性材料、難燃性材料, 熱伝導性材料及び断熱材料からなる群から選択された１又はそれ以上の材料を含むことができる。

【0063】

好ましい実施形態において、着脱式キャップは管状シースを含む。管状シースは、ロッドの第１の端部及び第２の端部の両方を受けて、着脱式キャップをロッドの第１の端部又は第２の端部の何れかに結合できるような寸法にされている。

【0064】

管状シースは、アルミニウムホイル、グラファイト、相転移材料、及び発泡体からなる群から選択された１又はそれ以上の材料から形成又は裏打ちすることができる。

【0065】

着脱式キャップは、好ましくは、喫煙物品の構成部品である。着脱式キャップは、本明細書で説明されるような何れかの喫煙物品の構成部品を形成することができる。

【0066】

本発明の別の態様によれば、エアロゾル形成基材を含むロッドの第１の端部に結合されたときにマウスピースとして、並びに使用後にロッドの第２の端部に結合されたときにロッドの廃棄を容易にする手段としての本発明による着脱式キャップの使用が提供される。

【0067】

本発明の別の態様によれば、複数のロッドと１又はそれ以上の着脱式キャップを備えた喫煙システム又はキットが提供される。ロッドは、着脱式キャップに結合されて喫煙物品を形成することができる。

【0068】

好ましい実施形態において、可燃性熱源は、ロッドの各々の第２の端部又はその近傍で配置され、ロッドの各々は、第１の端部と第２の端部の間に位置するエアロゾル形成基材を含む。

【0069】

本発明の別の態様によれば、第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、ロッドの第１の端部に結合される着脱式キャップとを備えた喫煙物品を使用する方法が提供される。本方法は、ロッドの第２の端部に対して熱源を作動させるステップと、ロッドから前記着脱式キャップを通って空気を吸い込むステップと、ロッドの第１の端部から着脱式キャップを取り外すステップと、ロッドの第２の端部が着脱式キャップにより少なくとも実質的に覆われるように着脱式キャップをロッドの第２の端部に結合するステップと、を含む。

【0070】

好ましくは、ロッドの第２の端部に対して熱源を作動させるステップは、ロッドの第２の端部又はその近傍に位置する可燃性熱源を点火するステップを含む。

【0071】

好ましくは、着脱式キャップをロッドの第２の端部に結合するステップは、熱源を覆って、好ましくは、ロッドの第２の端部にてあらゆる点火された材料を消火する。

【0072】

本方法は、本明細書で説明されるようなあらゆる喫煙物品又は着脱式キャップと共に用いることができる。

【0073】

本発明の別の態様によれば、熱源とエアロゾル形成基材とを含むロッドを備えた喫煙物品の使用後の廃棄を容易にする方法が提供される。本方法は、着脱式キャップを設けることを含み、該着脱式キャップは、ロッドから着脱式キャップを通って空気を吸い込むことができるようにロッドの第１の端部に着脱自在に結合可能であり、且つ着脱式キャップにより熱源が少なくとも実質的に覆われるようにロッドの第２の端部に着脱自在に結合可能である。

【0074】

本方法は、本明細書で説明されるようなあらゆる喫煙物品又は着脱式キャップと共に用いることができる。

【0075】

本発明の１つの態様に関して説明した特徴要素は、本発明の別の態様にも適用可能とすることができる。

【0076】

ここで本発明の特定の実施形態について図面を参照しながら説明する。

【図面の簡単な説明】

【0077】

【図1】第１の構成にあるロッド及び着脱式キャップを備えた喫煙物品の第１の実施形態の概略断面図である。

【図2】ロッド及び着脱式キャップが分離されている、図１の喫煙物品の概略断面図である。

【図3】第２の構成にある図１の喫煙物品の概略断面図である。

【図4】図１の喫煙物品の着脱式キャップの概略断面図である。

【図5】第１の構成にあるロッド及び着脱式キャップを備えた喫煙物品の第２の実施形態の概略断面図である。

【図6】第２の構成にある図５の喫煙物品の概略断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0078】

図１、２及び３は、本発明の第１の実施形態による喫煙物品１０を示している。喫煙物品１０は、２つの分離可能な構成部品、すなわちロッド２０と着脱式キャップ３０とを備える。ロッド２０は、第１の端部すなわち唇側端部２１と、第２の端部すなわち遠位端部２２とを有する。

【0079】

着脱式キャップ３０は、図１に示すように、着脱式キャップ３０がロッド２０の唇側端部２１に結合された第１の構成でロッド２０に結合することができる。着脱式キャップ３０は、図３に示すように、着脱式キャップ３０がロッド２０の遠位端部２２に結合された第２の構成でロッド２０に結合することができる。ロッド２０は、シガレットペーパー４０によって囲まれた３つの要素を含む。３つの要素は、可燃性熱源５０、エアロゾル形成基材５５、及び移送要素６０である。これら３つの要素は、順次的に同軸整列で配列され、シガレットペーパー４０により組み立てられてロッド２０を形成する。

【0080】

組み立てられると、ロッド２０は、長さが約６５ミリメートルと約９０ミリメートルの間であり、約７．２ミリメートルと約７．９ミリメートルの間の外径を有する。

【0081】

エアロゾル形成基材５５は、移送要素６０の上流側に位置する。エアロゾル形成基材５５は、フィルタペーパー（図示せず）により包まれてプラグを形成するタバコを含む。タバコは、エアロゾル形成添加剤として添加剤（グリセリンを含む）を含む。

【0082】

可燃性熱源５０は、エアロゾル形成基材５５の上流側に位置し、エアロゾル形成基材５５と接触している。代替の実施形態（図示せず）において、金属箔のような熱伝導性要素が可燃性熱源の一部及びエアロゾル形成基材の一部の周りに円周方向に配置され、可燃性熱源からエアロゾル形成基材への熱伝達を促進することができる。

【0083】

移送要素６０は、フィルタペーパーから形成された中空管体である。移送要素６０は、エアロゾル形成基材５５から放出された揮発性化合物を受け、これらの化合物を凝縮してエアロゾルを形成できるようにする。移送要素６０はまた、ユーザの口腔へのエアロゾルの移送を容易にし、好適な長さをロッド２０に提供する。着脱式キャップ３０は、フィルタ３１と、フィルタペーパー３３によって囲まれた管状シース３２とを含む。フィルタ３１は、セルロースアセテートから形成された従来のマウスピースフィルタであり、約７ミリメートルと約１０ミリメートルの間の長さを有する。着脱式キャップ３０は、チップペーパー（図示せず）によって囲むことができる。

【0084】

着脱式キャップ３０の構造は、図４において詳細に示されている。管状シース３２は、約２０ミクロンの厚さを有するアルミニウムホイルから形成された内側管体３５からなる。外側管体３６は、内側管体３５の外部に同心状に配置され、約０．２ｍｍの厚さを有するボール紙から形成される。シース３２は、フィルタ３１の面と当接し、２つの要素はフィルタペーパー３３によって囲まれる。

【0085】

喫煙物品の第１の構成において、着脱式キャップ３０は、図１に示すように、ロッド２０の唇側端部２１に結合される。第１の構成において、ロッド２０の唇側端部２１は、着脱式キャップ３０の管状シース３２内に受けられて喫煙物品を形成する。着脱式キャップ３０及びロッド２０は、ロッド２０の外側表面と管状シース３２の内側表面との間の締まり嵌めにより第１の構成で維持される。

【0086】

喫煙物品を消費するために、ユーザは、可燃性熱源５０を点火し、次いで着脱式キャップ３０の唇側端部３８で吸引することにより喫煙物品１０を通じて空気を吸い込む。熱源５０の温度が上昇し、伝導及び対流などのプロセスによって熱エネルギーがエアロゾル形成基材５５を通過する。エアロゾル形成基材から発生したエアロゾルは、移送要素６０に沿ってフィルタ３１を通過し、ユーザによって吸入される。

【0087】

ユーザが喫煙物品を繰り返し吸い込み又は吸煙すると、エアロゾル形成基材５５から発生したエアロゾルを消費する。

【0088】

喫煙物品が消費されると、図２に示すように、管状シース３２の外側にロッド２０を滑動することにより、着脱式キャップ３０がロッド２０から分離される。

【0089】

次いで、着脱式キャップ３０は、図３に示すように、喫煙物品の第２の構成においてロッド２０の遠位端部２２に結合される。第２の構成において、ロッド２０の遠位端部２２は、着脱式キャップ３０の管状シース３２内に受けられ、着脱式キャップ３０によって覆われる。

【0090】

第２の構成において、可燃性熱源５０の前方部分は、フィルタ３１と接触することができる。可燃性熱源５０から放射及び伝導された熱エネルギーは、管状シース３２の熱伝導性アルミニウムホイルの内側管体３５によって管状シース３２の区域にわたり拡散される。これにより、着脱式キャップ３０上にホットスポットが形成されるのが防止される。

【0091】

第２の構成において、着脱式キャップ３０の管状シース３２の外側管体３６は、喫煙物品１０の外側表面を可燃性熱源５０からの熱から絶縁する。第２の構成において、着脱式キャップ３０は、喫煙物品１０の廃棄を容易にする。より好ましくは、第２の構成にある喫煙物品１０は、他の材料の発火の有意なリスクなしで廃棄することができる。

【0092】

本発明による喫煙物品の第２の実施形態は、図５及び６に例示されている。第２の特定の実施形態の喫煙物品１００は、２つの構成部品、すなわちロッド１２０と着脱式キャップ１３０とを備える。

【0093】

ロッド１２０は、シガレットペーパー１６０で包まれてロッド１２０を形成するエアロゾル形成基材１５５を含む。エアロゾル形成基材１５５はタバコであり、ロッド１２０は、事実上従来のフィルタなしシガレットである。ロッド１２０は、喫煙物品が消費されているときにユーザの口腔に最も近接した唇側端部１２１と、唇側端部１２１の反対側にあるロッド１２０の端部にて遠位端部１２２とを有する。着脱式キャップ１３０は、図１〜４に示す本発明の第１の実施形態に関して上記で説明した着脱式キャップ（参照符号３０）と同一である。第１の構成において、ロッド１２０の唇側端部１２１は、着脱式キャップ３０の管状シース３２内で受けられる。

【0094】

喫煙物品１００を消費するために、ユーザは、着脱式キャップ１３０の唇側端部１３８をユーザの口腔内に置く。次いで、ロッド１２０の遠位端部１２２を点火し、ユーザは喫煙物品を通して空気を吸い込む。ロッド１２０の遠位端部１２２にあるタバコ１５５の部分は、燃焼し、タバコ１５５から吸入可能エアロゾルを形成するための熱源１５０となる。ユーザは、着脱式キャップ１３０の唇側端部１３８で吸入又は吸煙することにより喫煙物品１００を消費する。吸入可能エアロゾルは、ロッド１２０内で発生し、着脱式キャップ１３０のフィルタ１３１を通過してユーザにより吸入される。各連続する吸煙によって、燃焼ライン又はチャーライン１９０が未使用の未燃のタバコ１５５に向けて下流側に移動するようになる。その結果、各吸煙に伴いロッド１２０が短くなる。

【0095】

喫煙物品１００が消費されると、着脱式キャップ１３０がロッド１２０の残りの部分から取り外される。次いで、図６に示すように、着脱式キャップ１３０は、喫煙物品の第２の構成において、ロッド１２０の遠位端部１２２に結合され、ここで熱源１５０を覆う。

【0096】

上述のように、第２の構成において、熱源１５０からの熱エネルギーは、管状シース１３２の熱伝導性層により拡散される。管状シース１３２の断熱層は、喫煙物品の表面が高温になり過ぎるのを防ぐ役割を果たす。更に、着脱式キャップ１３０は、熱源１５０への酸素供給を排除又は制限することができ、これは、熱源１５０の消火を助けることができる。加えて、着脱式キャップ１３０は、熱源１５０に関連する何らかの残りの灰分のための容器として機能し、灰分が可能性のある火災リスクを生じる可能性を低減する。着脱式キャップ１３０はまた、消火したときに熱源１５０から生じる可能性がある何らかの不快な臭いを保持することができる。

【0097】

上述の例示的な実施形態は、例証であり、本発明を限定するものではない。上記で考察した例示的な実施形態に照らして、上記の例示的な実施形態と適合する他の実施形態が、当業者であれば理解されるであろう。

【符号の説明】

【0098】

１０ 喫煙物品
２０ ロッド
３０ 着脱式キャップ
３１ フィルタ
３２ 管状シース
３８ 唇側端部
４０ シガレットペーパー
５０ 熱源
５５ エアロゾル形成基材
６０ 移送要素

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】