(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
重金属類汚染土壌を解砕する第一の工程と、該第一の工程により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する第二の工程と、該第二の工程により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する第三の工程と、該第三の工程により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する第四の工程とを有し、
前記第四の工程において、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程と、該第1吸着鉄粉分離工程で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程を備えたことを特徴とする重金属類汚染土壌の処理方法。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
前記第2吸着鉄粉分離工程は、磁気エレメントが挿入された複数の管体を、管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように千鳥配列した流路内に土壌スラリーを流すことを特徴とする請求項1記載の重金属類汚染土壌の処理方法。
前記第1吸着鉄粉分離工程において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記第一の工程、前記第二の工程、前記第三の工程のうちの一つ又は複数の工程で処理する処理対象に添加することを特徴とする請求項1又は2記載の重金属類汚染土壌の処理方法。
重金属類汚染土壌を解砕する土壌解砕機と、該土壌解砕機により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する酸洗浄槽と、該酸洗浄槽により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する鉄粉混合槽と、該鉄粉混合槽により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する吸着鉄粉分離装置とを有し、
該吸着鉄粉分離装置は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上の組合せからなる第1吸着鉄粉分離装置と、該第1吸着鉄粉分離装置で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離装置を備えたことを特徴とする重金属類汚染土壌の処理装置。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
前記第1吸着鉄粉分離装置において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記土壌解砕機、前記酸洗浄槽、前記鉄粉混合槽のうちのいずれか又は複数に対して供給する土壌スラリー循環装置を設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の重金属類汚染土壌の処理装置。
【背景技術】
【0002】
鉛などの重金属類に汚染された土壌(以下、単に「重金属類汚染土壌」と表記する場合あり)を浄化する技術として、a水洗分級法、b加熱処理法、c電気泳動法が知られている。
【0003】
水洗分級法は、水洗・分塊,もしくは物理的な土壌研磨等により粗い土壌粒子表面から汚染物質または汚染物質を多量に含む微粒子を分離、濃集、捕捉する方法である。
水洗分級法の場合、土壌磨砕が不十分であると、粗い土壌粒子からの汚染物質または汚染物質を多量に含む微粒子が完全に除去されず、汚染物質を土壌指定基準値以下まで低減できない可能性がある。
また、土壌磨砕時間を長くしたり、粗い土壌粒子表面を完全に研磨する高度磨砕装置を適用したりすることにより、粗い土壌粒子からの汚染物質または汚染物質を多量に含む微粒子の除去率を向上させることは可能であるが、この場合においても高濃度に汚染された土壌では、汚染物質を土壌指定基準値以下まで確実に低減できるとは限らない。さらに、前者はランニングコストの増大、後者は装置イニシャルコストの増大となることが指摘されている。また、磨砕による微粒子量が増加し浄化土壌の歩留まりを低下させることとなる。
【0004】
加熱処理法は、土壌をロータリーキルンや電気抵抗炉等で加熱焼結またはガラス固化することにより、汚染物質である鉛等の重金属類を非常に安定な状態として封じ込める方法である。
加熱処理法の場合、鉛などの重金属類により汚染されている土壌の場合、加熱焼結またはガラス固化状態にするために、加熱焼結:800〜1200℃、ガラス固化:1600〜2000℃まで加熱する必要があり、大量の熱源を必要とし、ランニングコストの増大を招く。
さらに、加熱時に発生する排ガスに対しても適切に処理する付加設備等が必要となり、イニシャルコスト増大につながる。また、汚染物質である鉛などの重金属類を揮発除去していない場合、加熱焼結やガラス固化状態が完全に形成されていないと、汚染物質が再溶出する可能性のあることが指摘されている。
【0005】
電気泳動法は、汚染された土壌に対して陽極と陰極を設け、電解液等を加えた後に直流電流を流すことにより、汚染物質を電極近傍に集め、除去する方法である。
電気泳動法の場合、低電圧、低電流で実施した場合、その浄化速度は非常に遅くなり、浄化完了まで非常に長時間を要する。また、高電圧,高電流で実施した場合、浄化速度は速くなると考えられるが、多量の電力を必要とし、ランニングコストが非常に高いものとなる。また、電極表面が汚染物質等で覆われてしまうと、その除去効率が劣化するため、随時、電極近傍に濃集された汚染物質を除去しなければならず、特別な構造をもった電極及び汚染物質回収装置が必要となることが指摘されている。
【0006】
上述したように、水洗分級法、加熱処理法、電気泳動法のいずれの方法にも、欠点があるため近年では装置の簡便化、汚染物質の除去効率の向上を図ることを目的として、吸着材を用いた処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には薬剤洗浄により洗浄液に重金属類を移動させ、重金属類を吸着する鉄粉に担持させる方法が記載されている。
また、特許文献2では重金属類汚染土壌スラリーに鉄を含有する鉄含有粒子を混合して重金属類を吸着させた後、磁気にて鉄含有粒子を回収し再利用する方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に開示されている浄化方法においては、吸着材の回収効率が悪く吸着材が土壌に残留した場合、吸着材に吸着した重金属類の影響により局所的な高濃度部が点在することとなり、土壌溶出量基準を再超過する恐れがある。特に、浄化土壌を埋め戻し材に利用する場合などでは、周辺環境の影響により浄化土壌の酸化還元電位、pHなどが変化する可能性があり、土壌溶出量基準の再超過の可能性が高くなる。
この点をより詳細に説明する。
【0009】
通常、鉄粉添加量は、ランニングコストや生産性の面から土壌重量に対して1から30重量%である。これら鉄粉を重金属汚染処理に使用した場合、鉄粉には一定量の重金属類が吸着され、特に鉄粉を回収して繰り返し利用する場合や高濃度汚染にて使用した場合においては、鉄粉に吸着されている重金属類吸着量が増大する。
これら重金属類を吸着した鉄粉が回収されず土壌中に点在した場合、土壌の溶出量や含有量基準を再超過する恐れがある。例えば、1(g/kg)の砒素を吸着した鉄粉が土壌に存在し、鉄粉に吸着された砒素が環境変化で全量再溶出すると仮定した場合、砒素の溶出量基準:0.01mg/Lを満たすためには土壌重量に対して0.01%以下の鉄粉量でなければならない。
【0010】
したがって、吸着の観点から土壌重量に対して1から30重量%を添加した場合において、残置される鉄粉量が0.01%以下になるまで吸着材の回収率を高める必要がある。このためには、鉄粉回収装置の処理能力(時間処理量)を低下して運転する、または、土壌に対する吸着材の選別効率を低下して運転するなどの方法が考えられるが、前者は装置:大型化に伴うランニングコストの増大が想定され、後者は吸着材とともに回収された土壌の分別、あるいは、土壌と土壌が一体となった回収物の処分が必要となり、浄化コストが増大する可能性がある。
逆に、吸着材を回収、再利用する場合においては、吸着材の回収率を高めることはランニングコストの低減につながる。
このように、吸着材として鉄粉を利用した場合において、その回収率を高めることが、吸着鉄粉に吸着された重金属類の再溶出を防止して、かつランニングコストの低減には重要であり、これを実現するための方法の開発が望まれていた。
【0011】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、ランニングコストを増大させることなく吸着材の回収率を高め、コストパフォーマンスに優れた重金属類汚染土壌の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、重金属類に汚染された土壌の処理方法について鋭意検討し、酸性溶液で重金属類の汚染土壌を洗浄することによって、土壌粒子表層の溶解作用により、砂質やシルト・粘土などの土壌粒子表層に強固に結合した重金属類を液相に分離し、これに鉄粉を添加することにより効果的に重金属類を鉄粉に担持させた後、選別装置によって鉄粉等を分離した後の汚染土壌からなるスラリーに対して、さらに所定の磁束密度の磁力選別を行うことによって最初の選別装置にて分離できなかった鉄粉を効果的に分離することができるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
【0013】
(1)本発明に係る重金属類汚染土壌の処理方法は、重金属類汚染土壌を解砕する第一の工程と、該第一の工程により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する第二の工程と、該第二の工程により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する第三の工程と、該第三の工程により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する第四の工程とを有し、
前記第四の工程において、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程と、該第1吸着鉄粉分離工程で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程を備えたことを特徴とするものである。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
【0014】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記第2吸着鉄粉分離工程は、磁気エレメントが挿入された複数の管体を、管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように千鳥配列した流路内に土壌スラリーを流すことを特徴とするものである。
【0015】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記第1吸着鉄粉分離工程において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記第一の工程、前記第二の工程、前記第三の工程のうちの一つ又は複数の工程で処理する処理対象に添加することを特徴とするものである。
【0016】
(4)また、本発明に係る重金属類汚染土壌の処理装置は、重金属類汚染土壌を解砕する土壌解砕機と、該土壌解砕機により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する酸洗浄槽と、該酸洗浄槽により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する鉄粉混合槽と、該鉄粉混合槽により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する吸着鉄粉分離装置とを有し、
該吸着鉄粉分離装置は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上の組合せからなる第1吸着鉄粉分離装置と、該第1吸着鉄粉分離装置で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離装置を備えたことを特徴とするものである。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
【0017】
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記第2吸着鉄粉分離装置は、土壌スラリーを流す流路と、該流路内に管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度となる磁気エレメントが挿入された複数の管体を有し、
該管体が管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように前記流路内に千鳥配列されていることを特徴とするものである。
【0018】
(6)また、上記(4)又は(5)に記載のものにおいて、前記第1吸着鉄粉分離装置において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記土壌解砕機、前記酸洗浄槽、前記鉄粉混合槽のうちのいずれか又は複数に対して供給する土壌スラリー循環装置を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、重金属類を吸着した鉄粉を、ランニングコストを増大させることなく回収率を高めることができ、コストパフォーマンスに優れた重金属類汚染土壌の処理方法となる。また、重金属類を吸着した鉄粉が土壌スラリー中に残置されることによる土壌溶出量や含有量基準の再超過を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る重金属類汚染土壌の処理方法は、
図1に示すように、重金属類汚染土壌を解砕する第一の工程(S1)と、該第一の工程(S1)により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する第二の工程(S2)と、該第二の工程(S2)により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する第三の工程(S3)と、該第三の工程(S3)により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する第四の工程(S4)とを有している。
以下、各工程及び各工程に用いる装置について詳細に説明する。
【0022】
<第一の工程(S1)>
第一の工程(S1)は、掘削された重金属類汚染土壌を土壌解砕機1により、土壌粒子が凝集し、塊状となった状態から単粒子にときほぐすことを目的とする。
第一の工程(S1)により、単体粒子にときほぐされた土壌は、土壌粒子の大きさごとに分級が可能となる。
また、第二の工程(S2)である酸性溶液による洗浄において、土壌粒子と酸性溶液の接触面積が増大し、洗浄時間が短縮し、汚染物質を除去する効率も向上する。
【0023】
土壌解砕機1としては、ドラムウオッシャー、パドルミキサー、ロットミル、アトライター、ボールミルなど既存の装置を利用する。
尚、解砕する前、又は解砕後の土壌から、重金属類汚染物質が付着しやすい炭ガラ、金属片などの異物を比重選別機、磁力選別機、浮遊選別機で取り除いたり、大きな土壌粒子を振動スクリーンで取り除いたりすることが望ましい。
【0024】
<第二の工程(S2)>
第二の工程(S2)は、第一の工程(S1)で単体粒子にときほぐされた土壌を、酸性溶液を貯留した酸洗浄槽3に投入して洗浄し、土壌粒子表層の溶解作用により土壌表層より重金属類を分離することを目的とする。この第二の工程(S2)を行う理由は、土壌から重金属類を溶液中に溶出(分離)させて吸着に要する混合時間を短くし、また吸着材量を少なくするためである。
【0025】
また、洗浄条件として酸性溶液の濃度、pHおよび洗浄時間等を調整する。
ふっ素汚染土壌を対象として、ふっ素溶出量、土壌回収率に及ぼすpHの影響を調査する実験を行った。実験は、ふっ素汚染土壌と塩酸溶液の固液重量比を1:10、ふっ素吸着性を有する鉄粉の添加量を土壌重量に対して3%として、鉄粉添加後10分間混合した後、磁石にて鉄粉を回収し、浄化土壌回収率(重量%)とふっ素溶出低減率(%)を調査するというものである。
実験結果を
図2に示す。
図2の左側の縦軸は浄化土壌回収率(重量%)を示し、右側の縦軸はふっ素溶出低減率(%)を示し、横軸は酸性溶液を混合した後の土壌のpHを示している。
【0026】
図2に示すとおり、洗浄に用いる酸性溶液の濃度または量は、酸性溶液を混合した後の土壌のpHを4.0〜6.0なるように調整することが好ましい。
なぜならば、pHが4.0未満の場合、重金属類を溶解、抽出するほか、土壌を構成する主要鉱物、物質の溶解、抽出比率が増加し、浄化土壌の回収率歩留まりが低下する上、洗浄後の液の処理、その残渣の分離などコストパフォーマンスが著しく低下するため、pH4.0以上が好ましい。さらには、鉄粉を繰り返し使用する場合、pHが4.0未満では、鉄粉表面に吸着した重金属類を剥離、または、脱着する恐れがある。
また、pHが高い場合、土壌粒子表層に付着・結合している、あるいは、地下水等に溶解しやすい状態である重金属類の汚染物質を土壌から効率的に分離することができないため、pH6.0以下が好ましい。
【0027】
また、重金属類汚染土壌と酸性溶液の固液重量比は、洗浄の効率、効果、設備への負荷、規模などを考慮すると1:1〜1:20が好ましい。
なお、還元性の異なる複数の鉄粉を吸着材として使用、添加する場合は、酸性溶液による土壌からの重金属類の溶液中への溶出(脱離)の阻害作用とならないように還元性の低い鉄粉より順次添加した方がよい。
【0028】
図3は、pH4.0〜6.0に調整後に洗浄を行い、ふっ素吸着性を有する鉄粉の添加量を土壌重量に対して3%として、鉄粉添加後10分間混合した後、磁石にて鉄粉を回収した場合のふっ素溶出量(mg/L)と洗浄時間との関係を示すグラフであるが、この
図3に示すように洗浄時間は土壌の粒子径によらず、5分経過することでふっ素溶出量がほぼ一定となるので、洗浄時間としては5分以上とするのが好ましい。また、洗浄装置のイニシャルコストを抑制する観点からは好ましくは30分以下、さらに好ましくは15分以下とすればよい。
【0029】
なお、本工程は、第一の工程(S1)で単体粒子にときほぐされた土壌を、粒子群に分級した後に、それぞれの粒子群に対して行ってもよい。
また、分級はスクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどを単独または組み合わせて行う。
解砕された重金属類の汚染土壌で粒子径0.075mm未満はシルト・粘土質、粒子径0.075mm以上2.0mm以下は砂質で土壌の性質が異なり、汚染濃度、重金属類を吸着するための鉄粉量の条件が大きく相違するため、本発明では粒子径0.075mm未満と粒子径0.075mm以上2.0mm以下の少なくとも2種類の粒子群に分級してもよい。また、粒子径0.075mm未満と粒子径0.075mm以上2.0mm以下のそれぞれを更に分級しても良い。
【0030】
<第三の工程(S3)>
第三の工程(S3)は、第二の工程(S2)により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、鉄粉混合槽5にて重金属類を吸着する鉄粉を添加混合し、鉄粉に重金属類を担持することを目的とする。
鉄粉としては重金属類を吸着するものであればよいが、重金属類に対する吸着性の観点から、マンガンが0.1重量%から10重量%含有しているものがよく、また、平均粒子径としては、10μmから500μmのものがよい。すなわち、平均粒子径が10μm未満の場合、重金属類を担持した後の土壌と鉄粉の分離が困難であり、また、粒径500μm超の粒径の場合、鉄粉の比表面積が小さくなるため反応性が著しく劣化し、さらに、土壌と混合する場合には、混合容器やその混合スラリーを圧送する配管、ポンプにて詰りや摩耗が発生するためである。
【0031】
さらに、鉄粉の比表面積が高いものほど重金属の吸着性が優れているため、比表面積の大きな鉄粉を使用することにより吸着材の使用量を低減することができる。
そのため、重金属類を吸着するための鉄粉、または、重金属類を吸着するための鉄粉として使用するために乾式・湿式による表面処理や加工処理を行う前の材料鉄粉においては、水素等の還元ガス雰囲気下にて加熱による還元処理を行うことで熱振動による鉄の拡散進行や結晶粒の粗大化によって比表面積が著しく低下すると推定されるため、還元処理前の鉄粉を用いた方がよい。
【0032】
<第四の工程(S4)>
第四の工程(S4)は、第三の工程(S3)により鉄粉が添加された土壌より、鉄粉を分離する工程であり、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)と、該第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)を備えている。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]・・・・・・(1)
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
第四の工程(S4)においては、吸着鉄粉分離装置6が用いられ、この吸着鉄粉分離装置6は、第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で用いられる第1吸着鉄粉分離装置7と、第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)で用いられる第2吸着鉄粉分離装置9で構成される。
【0033】
《第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)》
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種の選別方法によって、鉄粉が添加された土壌より鉄粉を粗分離する工程である。
第1吸着鉄粉分離装置7の具体的な装置としては磁力選別機、スクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどの既存の装置がある。
【0034】
《第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)》
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機からなる第2吸着鉄粉分離装置9により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが上述の式(1)を満たすように回収する工程である。
ここで、回収率Yが式(1)を満たすようにした理由を説明する。
【0035】
土壌重量に対する鉄粉添加率をX、対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量:θ(mg/kg)とすると、土壌溶出量基準に対して吸着飽和に達する直前の鉄粉を使用した場合、
[鉄粉回収前の単位重量土壌中の重金属量]=X・θ(mg)----- (a)
今、投入鉄粉重量に対する鉄粉の回収率をYとすると、
[鉄粉回収後の単位重量土壌中の重金属量]=X・θ・(1−Y)(mg) ----- (b)
今、対象重金属の溶出量基準値をC0(mg/L)とし、鉄粉に吸着された砒素が環境変化で全量再溶出すると仮定した場合、鉄粉回収後の土壌が対象重金属の溶出量基準以下を満たすためには、
X・θ・(1−Y)/10≦C0 ----- (c)
(c)式を整理すると、
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]----- (1)
となり、上記(1)式を満たすように鉄粉を回収することにより、仮に洗浄処理後の土壌において、環境変化が生じた場合においても対象重金属に対する土壌溶出基準を超過する恐れを大幅に低減することができる。
【0036】
次に、第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)において用いる第2吸着鉄粉分離装置9として、管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機を用いて磁力選別を行うとしている理由について説明する。
【0037】
まず、第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)において、磁力選別を行う理由は以下の通りである。
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)による粗分離後においては土壌と吸着鉄粉との間に粒径や比重等に大きな差異はなく比重選別や篩選別では土壌に残存する鉄粉を分離することは難しい。他方、磁力選別はその特性から粒径や比重等の影響を受けず土壌から吸着鉄粉を分離することができる。
【0038】
次に、管体表面の磁束密度が0.6テスラ以上の磁力選別機を用いる理由について説明する。
図4は砒素汚染土壌の処理として30回繰り返し使用した後の吸着鉄粉に対して、回収された吸着鉄粉の粒度分布を測定したものである。なお、鉄粉回収方法としては、前段として管体表面の磁束密度が0.3テスラの磁石板を使用し、その後、0.3,0.45,0.6,1.0テスラ磁石板を使用した。
なお、30回繰り返し使用後の吸着鉄粉の金属鉄の重量割合は74重量%であった。
【0039】
図4に示すように、管体表面の磁束密度が0.6テスラや1.0テスラの条件の場合には、使用前の積算分布と同等になっているのに対して0.3テスラ、及び、0.45テスラの条件において回収された鉄粉は細粒分の比率が低いものとなっている。
これは、細粒分の鉄粉ほど酸化によって磁性が失われやすく、回収されにくくなっていくためと考えられる。
しかし、細粒分の鉄粉ほど比表面積の関係で鉄粉重量あたりの重金属類の吸着量は大きく、これら吸着鉄粉が回収されず土壌中に点在した場合、土壌溶出量や含有量基準を再超過する恐れがある。したがって、吸着鉄粉の回収率を向上するためには、鉄粉の粗選別後の処理として、管体表面の磁束密度が0.6テスラ以上の磁力選別を行った方がよいことが分かる。
また、第2吸着鉄粉分離工程は(S4-2)は、一つの装置での構成に限定されるのではなく、処理量や吸着鉄粉の添加量などにより複数の装置を直列、または、並列に組み合わせてもよい。
【0040】
なお、第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)において、鉄粉を粗分離した土壌スラリーと永久磁石などの磁気エレメントとの接触時間が短いと土壌に残存する吸着鉄粉の回収率が低下するため、前記接触時間を長くすることが望ましい。
図5は、土壌スラリーと磁気エレメントとの接触時間を長くすることのできる第2吸着鉄粉分離装置9の構造を示す斜視図であり、また
図6は
図5の矢視A−A線に沿った断面図、
図7は
図5の矢視B−B線に沿った断面図である。
【0041】
図5〜
図7に示す第2吸着鉄粉分離装置9は、土壌スラリーを流す流路11と、流路11内に管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁気エレメント13が挿入された複数の管体15を有し、管体15が流路11を横切るように垂直に立設されている。そして、
図7に示すように、管体15は管体中心間ピッチPが一定になるようにして流路11内に千鳥配列されている。
【0042】
第2吸着鉄粉分離装置9の流路11内に流入した土壌スラリーは管体15と接触することにより、管体15内に挿入されている磁気エレメント13による磁性によって土壌スラリー中の吸着鉄粉が管体表面に選択的に着磁する。着磁された吸着鉄粉は磁気エレメント13を管体15から引き抜くことにより容易に管体表面から脱着、回収することができる。回収にあたっては土壌スラリーとは別の流体を第2吸着鉄粉分離装置9内に流入させフラッシングすることにより更に回収性を高めることができる。
【0043】
なお、一般的に土壌スラリーと管体15の接触効果を高めるためには、土壌スラリーのレイノルズ数Reを高める必要がある。今、管体径D、管体中心間ピッチPとした場合、Re∝P・D/(P-D)の関係と考えられるところ、
図8に示すように、ピッチP/管径DとP・D/(P-D)の関係のシミュレーション結果より、P/D<2にて“P・D/(P-D)∝Re”は高い数値になることが分かる。よって、P/D<2に設定することが好ましい。
さらに、管体15と磁気エレメント13とのクリアランスCは小さいほど磁性の低下を抑制することができるが、クリアランスCがあまり小さいと管体15に磁気エレメント13を挿入、引き抜き時に時間、労力を要する。そこで、管体15と磁気エレメント13とのクリアランスCとしては、1〜2mmに設定するのが好ましい。
なお、
図5においては土壌スラリーと管体15の接触効果の向上を目的として、第2吸着鉄粉分離装置9の入側と出側で流路11の断面積を変更しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0044】
本実施の形態においては、上述した第一の工程(S1)〜第四の工程(S4)を有し、特に第四の工程(S4)においては第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)と第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)を備えたことにより、ランニングコストを増大させることなく吸着材の回収率を高めることができ、コストパフォーマンスに優れた重金属類汚染土壌の処理方法となっている。
なお、第四の工程(S4)にて回収された吸着鉄粉は
図1の破線の矢印で示すように第三の工程(S3)において使用すればよい。
【0045】
上記の実施の形態においては、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)について、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種の選別方法を用いて一工程のみ行う例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、
図9に示すように、磁力選別、比重選別、篩選別のうちから2種のものを選択してこれらを組み合わせて用い、第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)を2工程で行うようにしてもよい。もっとも、3種以上を組み合わせて、3工程以上で行ってもよい。
この場合、第1吸着鉄粉分離装置7の具体的な装置としては磁力選別機、スクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどの既存の装置を組み合わせて使用すればよい。
【0046】
また、
図10に示すように、吸着鉄粉を回収した浄化土壌に対して土壌分級装置17を用いて土壌の分級を行い、例えば浄化土壌-1、浄化土壌-2に浄化土壌を分ける工程を設けてもよい。
また、
図11に示すように、土壌解砕機1によって解砕した土壌に対して土壌分級機13を用いて土壌の分級を行って解砕土壌を2つに分け、各解砕土壌ごとに第二の工程(S2)〜第四の工程(S4)を行うようにしてもよい。
なお、
図10、
図11に示す例では、土壌を粒度によって2つに区分しているが、区分する数は特に限定されるものではなく、土壌の特性や処理後土壌の取り扱い方法によって決定すればよい。
また、
図11に示す例では、回収された吸着鉄粉の循環使用を別々の系で実施しているが、これらを統合してひとつの系として、それぞれの粒度区分ごとの土壌に供給するようにしてもよい。
【0047】
また、土壌の汚染状況が既知である場合、
図12に示すように、土壌分級機13によって土壌の分級を行った後、汚染されている一つの土壌粒度区分に対して第二の工程(S2)〜第四の工程(S4)を実施するようにしてもよい。
【0048】
[実施の形態2]
本実施の形態に係る重金属類汚染土壌の処理方法は、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、第一の工程(S1)、第二の工程(S2)、第三の工程(S3)のうちの一つ又は複数の工程で処理する処理対象に添加することを特徴とするものである。
具体的には、
図13に示すように、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)において第1吸着鉄粉分離装置7で吸着鉄粉を粗分離した後の土壌スラリーを、土壌スラリー循環装置19を用いて第一の工程(S1)の土壌解砕機1に供給、あるいは第二の工程(S2)の酸洗浄槽3に供給、あるいは第三の工程(S3)の鉄粉混合槽5に供給、またあるいは途中の配管に供給する。
【0049】
このように、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前工程に循環させる理由は以下の通りである。
一般に、第1吸着鉄粉分離装置7にて鉄粉を分離した後の土壌スラリーには、まだ所定量の鉄粉が残されている。したがって、第1吸着鉄粉分離装置7を通過後の土壌スラリー中の土壌濃度が低く該土壌スラリーを前工程に再使用しても土壌スラリーに残留する土壌が処理中の土壌に及ぼす影響が小さい場合には、これら土壌スラリーをそのまま第三工程以前に循環することにより回収できなかった鉄粉を繰り返し利用することができ、さらには磁気分離装置9の運転費用を低減することもでき、生産性の向上にも繋がる。
【0050】
なお、再循環する土壌スラリーの戻し先や、その量は、土壌スラリーを循環する配管ラインに設けたバルブ、流量調整装置等の土壌スラリー循環装置19を構成する機器によって戻し先やその配分を調整するようにすればよい。
また、
図14に示すように、第1吸着鉄粉分離装置7で吸着鉄粉を粗分離した後、土壌分級装置17によって土壌を回収した後の土壌濃度の薄い土壌スラリーを再循環するようにしてもよい。
【0051】
なお、土壌スラリー中の土壌濃度が高くなった場合や吸着性能の低下により吸着鉄粉の交換が必要となった場合には、土壌スラリーの再循環を停止して、第2吸着鉄粉分離装置9によって吸着鉄粉を回収するのが好ましい。
【0052】
また、シールド工事に本発明方法を適用する場合には、
図15に示すように、第一の工程(S1)の土壌解砕機1を削孔機と考えることができ、この場合、削孔機の削孔水として土壌スラリーを再循環して使用してもよい。
【実施例】
【0053】
本発明の効果を確認するための実験を行ったので、以下これについて説明する。
粘性土である溶出量基準不適合の砒素汚染土壌(砒素溶出量:0.04mg/L)を採取し、パドルミキサーにより100rpm、10分間の解砕を行った後、固液重量比1:2で0.3mol/lの塩酸溶液を添加し、15分間攪拌(攪拌条件:攪拌翼の回転数300rpm)した。この時の塩酸洗浄液のpHは洗浄終了直後で5.3であった。
【0054】
次に、砒素汚染土壌と塩酸洗浄液のスラリーに対し、平均粒子径:80μm、砒素濃度0.01mg/Lに対して平衡となる吸着量:1.0g/kgの砒素吸着鉄粉を土壌の最初の重量に対して5重量%で添加し、15分間攪拌(攪拌条件:攪拌翼の回転数300rpm)した。
この土壌スラリーに対し、0.6m
3/hにて、前段処理として接触面の磁束密度が0.6テスラのドラム式磁力選別機(回転数5rpm)に供給し鉄粉回収を実施した後、後段処理として前段処理後の土壌スラリーを接触面の磁束密度が0.6テスラのドラム式磁力選別機(回転数5rpm)に供給して砒素吸着鉄粉を回収した。
回収された鉄粉、土壌は風乾を行い、回収量を測定した。また、風乾後の土壌を環境省告示第18号の方法に準拠し、砒素溶出量を測定した。
【0055】
実施例2として、実施例1での後段処理を高さ20cm、幅40cm、奥行き50cmの容器にて、土壌スラリーの流れ方向に対して垂直にて外径50mmの管体をピッチ90mm、千鳥配列で設置し、その管体内に磁気エレメントを挿入する構造を持った磁気分離装置を用いた。この場合、ピッチP/管径D=90/50=1.8<2という関係になっている。
なお、管体表面の磁束密度は0.6テスラであった。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
さらに、実施例3として、後段処理における管体ピッチを180mm、千鳥配列で設置し、それ以外の条件は実施例2と同じとした場合のケースを示す。このケースではピッチP/管径D=180/50=3.6>2という関係になっている。
【0056】
また、比較例として、実施例1での後段処理を実施しなかった場合のケースを示す。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
実施例1、2、3、比較例の実験の結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1に示すように、実施例1〜3は、前段処理である吸着鉄粉選別処理のみの比較例と比較して鉄粉回収量が大幅に向上している。
また、実施例2と実施例3を比較すると、ピッチP/管径D<2とした実施例2の方が鉄粉回収量が多く、ピッチP/管径D<2とすることの優位性が実証された。
【0059】
なお、今回の鉄粉は吸着破過前の鉄粉であったため、砒素溶出量は基準値以下となったが、仮に、1(g/kg)の砒素を吸着した鉄粉が比較例のように、添加量:5重量%×残存量:8重量%=0.4重量%(4g/土壌kg)残留し、この残留鉄粉より環境変化で砒素が全量再溶出すると仮定した場合、土壌溶出量として土壌溶出量基準の40倍の0.4(mg/L)となる恐れがあり、処理後土壌の再利用、環境保全の観点からも実施例1〜3の方が望ましいことが分かる。