【文献】
WEBSTER S. P.,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS,NL,PERGAMON,2007年 4月27日,V17 N10,P2838-2843
【文献】
NED EGEN,JOURNAL OF CHEMICAL EDUCATION,1976年 5月 1日,V53 N5,P303
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
洗い流さない又は洗い流すスキンローション及びクリーム、シャワージェル、発汗抑制剤、デオドラント、歯科用製品、シェービングクリーム、除毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナー及び日焼け止めローションから成る群より選択される、請求項1に記載の組成物。
洗い流さないスキンローション及びクリーム、シャワージェル、発汗抑制剤、デオドラント、歯科用製品、シェービングクリーム、除毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナー及び日焼け止めローションから成る群より選択される、請求項3に記載の組成物。
さらに、胎盤抽出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、レゾルシノール及び4置換レゾルシノールを含む誘導体並びにその組合せからなる群から選択される、皮膚美白成分を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
さらに、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ナトリウムデヒドロアセテート、カプリリルグリコール及びベンジルアルコールからなる群から選択される保存料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一環として、芳香剤構成成分のアルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラル、ジヒドロミルセノール、アルファシトロネロール、ベータシトロネロール、ゲラニオール、リリアール及びその混合物は、揮発性抑制剤の使用によって、オイルを含有するパーソナルケア組成物からのその香りを長期化できる(揮発性が抑制される)ことが確認されている。この薬剤は、トリシクロデカンアミドであることが確認されている。式Iのトリシクロデカンアミドは、列挙した全ての香料に対してこの驚くべき抑制効果を有し、式IIのトリシクロデカンアミドは、香料のサブセット:アルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラルに対してこの効果を有することが確認されている。同様の炭素数を有する直鎖(非環状)アミドは、この効果を有しない。理論に拘束されることを望むものではないが、トリシクロデカンアミドの「かご」構造によって、ある高揮発性芳香剤との特異的な相互作用が生じ、芳香剤のヘッドスペースの蒸気圧が低下して、したがってこれらの高揮発性芳香剤が長期間放出されると考えられる。本発明で使用するトリシクロデカンアミドは、トリシクロデカンアミドが皮脂の産生を抑制し、UV−A、UV−B及びSPF光保護を向上させるために、パーソナルケア組成物のために特に好適であることが確認されている。
【0016】
パーソナルケア組成物という用語は、外観、洗浄、臭気制御又は美的価値全般を改善するために人体に適用されるあらゆる製品を意味する。パーソナルケア組成物の非制限的な例としては、洗い流さない又は洗い流すスキンローション及びクリーム、シャンプー、コンディショナー、シャワージェル、化粧石鹸、発汗抑制剤、デオドラント、歯科用製品、シェービングクリーム、除毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナー及び日焼け止めローションが挙げられる。洗い流さない組成物がとりわけ好ましいのは、洗い流さない組成物による香りが持続することを人々が期待し、予想しているためである。その香りの消失が速すぎる場合、製品のプラスの認識に影響を及ぼす。
【0017】
なお、濃度又は量の任意の範囲を規定する際、任意の特定の上限濃度を、任意の特定の下限濃度又は量と関連付けることができる。「皮膚」は、本明細書で使用する場合、顔、首、胸、背中、腕(わきの下を含む)、手、脚、臀部の皮膚及び頭皮を含むことを意味する。とりわけ好ましい実施形態において、本発明の化粧品組成物は、皮膚へ局所適用するための洗い流さない組成物である。
【0018】
本発明の重要な物質は、式I又は式IIのトリシクロデカンアミドである。式Iのトリシクロデカンアミドが好ましいのは、それらがより大きな群の芳香剤に対して効果を有するためである。
【化5】
【0020】
より選択され、
さらに式中、tは1から8の整数であり;
Yは、
【化7】
【0021】
であり、
式中、各R
1は独立して水素又はC
1−4アルキルである。)
好ましくは、Xは、基Xd、Xe、Xf、Xg、より好ましくはXd及びXeより選択され、理想的には、Xは基Xe及びXdより選択され、式中、R
1は、1個を除いた全ての炭素において水素であり、その単一の炭素においてはメチル基又はエチル基によって1置換又は2置換されている。
【0022】
Xが基Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、Xh、Xiである、好ましい式Iの化合物は:
メタノン、(モルホニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C1)
メタノン、(ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C2)
メタノン、(ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C3)
メタノン、(アゼチジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C4)
メタノン、(ヘキサヒドロアゼピニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C5)
メタノン、(4−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C6)
メタノン、(4−アミド−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C7)
メタノン、(トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカニル)−N−トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C8)
メタノン、(デカヒドロイソキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C9)
メタノン、(デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C10)
メタノン、(3,3−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C11)
メタノン、(2−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C12)
メタノン、(4−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C13)
メタノン、(3−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C14)
メタノン、(3,5−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C15)
メタノン、(4−メチル−4−エチル−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C16)
メタノン、(3,3−ジエチル−1−ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C17)である。
【化8】
【0023】
より好ましい化合物は、化合物C9からC17であり、最も好ましい化合物は、C11からC17である。
【0024】
式IIのトリシクロデカンアミドは、以下の一般構造を有する:
【化9】
【0025】
(式中、各Rは、独立して水素、メチル、エチル又はC
3からC
18の、好ましくはC
3からC
10の、直鎖又は分枝アルキル基、シクロアルキル基又はシクロヘテロアルキル基であり、ただし両方のR基は同時に水素ではない。)及び
(iii)化粧品に許容される担体を含む。
【0026】
好ましくは、Rは、第3級窒素上に置換を有する、直鎖又は分枝アルキルである。
【0027】
式IIの好ましい構造の例は:
メタノン、(N,N−ジイソプロピル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C18)
メタノン、(3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C19)
メタノン、(2,2−ジメチルプロピルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C20)
メタノン、(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C21)
メタノン、(1,3−ジメチル−ブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C22)である。
【化10】
【0028】
ここで化合物C19、C20、C21及びC22がより好ましく、化合物C21及びC22が最も好ましい。
【0029】
トリシクロデカンアミドの量は、組成物の0.0001から20重量%の、好ましくは0.001から10重量%の、最適には0.01から5重量%の範囲に及んでよい。
【0030】
本明細書に記載するトリシクロデカンアミドに加えて、他のトリシクロデカンアミド及び他のトリシクロデカン誘導体が本発明の組成物に含まれていてよい。同様に、上に挙げられていない追加の香料も含まれていてよい。
【0031】
本発明による長期化効果を受けやすい芳香剤構成成分は、アルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラル、ジヒドロミルセノール、アルファシトロネロール、ベータシトロネロール、ゲラニオール、リリアール及びその混合物である。これらの構成成分それぞれの量は、パーソナルケア組成物の0.000001から2重量%、好ましくは0.00001から1.5重量%、より好ましくは0.0001から1重量%、最適には0.001から0.8重量%の範囲にそれぞれ及んでよい。
【0032】
本発明の組成物は、化粧品に許容される担体も含む。担体の量は、組成物の1から99.9重量%の、好ましくは70から95重量%の、最適には60から90重量%の範囲に及んでよい。中でも有用な担体は、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、湿潤剤、増粘剤及びその組合せである。担体は水性、無水又はエマルジョンであってよい。本発明の組成物は、トリシクロデカンアミド及び芳香剤を溶解するために油を含む必要がある。通例、油は、トリシクロデカンの量の少なくとも2倍の量で存在する。好ましくは、組成物は水性、とりわけW/O又はO/W又はトリプレックスW/O/W種の水及び油エマルジョンである。水は、存在する場合、5から95重量%、好ましくは20から70重量%、最適には35から60重量%の範囲に及ぶ量であってよい。
【0033】
皮膚軟化剤物質は、化粧品に許容される担体として作用してよい。これらはシリコーン油、合成エステル及び炭化水素の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、組成物のほぼ0.1から95重量%の、好ましくは1から50重量%の範囲に及んでよい。
【0034】
シリコーン油は揮発性種と不揮発性種に分けられる。「揮発性」という用語は、本明細書で使用する場合、周囲温度にて測定可能な蒸気圧を有する材料を示す。揮発性シリコーン油は、好ましくは3から9個の、好ましくは4から5個のケイ素原子を含有する環式(シクロメチコン)又は直鎖ポリジメチルシロキサンより選ばれる。
【0035】
皮膚軟化剤材料として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられる。本明細書において有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンとしては、例えば25℃にて5×10
−6から0.1m
2/秒の粘度を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。本組成物中で有用な好ましい不揮発性皮膚軟化剤には、25℃にて1×10
−5から4×10
−4m
2/秒の粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。
【0036】
別のクラスの不揮発性シリコーンは、乳化及び非乳化シリコーンエラストマーである。このカテゴリの代表は、ダウコーニング9040、ゼネラルエレクトリックSFE839、及び信越KSG−18として入手可能なジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーである。Silwax WS−L(ジメチコンコポリオールラウラート)のようなシリコーンワックスも有用なことがある。
【0037】
エステル皮膚軟化剤には以下のものがある:
1)10から24個の炭素原子を有する、飽和脂肪酸のアルキルエステル。その例としては、ベヘニルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、イソプロピルミリステート及びオクチルステアレートが挙げられる。
【0038】
2)エーテルエステル、例えばエトキシ化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステル。
【0039】
3)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)モノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、十分な多価アルコールエステル。特に有用なのは、C
1−C
30アルコールのペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン及びネオペンチルグリコールエステルである。
【0040】
4)ろうエステル、例えばみつろう、鯨ろう及びトリベヘニンろう。
【0041】
5)脂肪酸の糖エステル、例えばスクロースポリベヘネート及びスクロースポリコットンシーデート。
【0042】
好適な化粧品に許容される担体である炭化水素としては、ペトロラタム、鉱油、C
11−C
13イソパラフィン及びとりわけプレスパース社よりペルメチル101Aとして市販されているイソヘキサデカンである。
【0043】
10から30個の炭素原子を有する脂肪酸も、化粧品に許容される担体として好適であってよい。このカテゴリの例は、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸及びベヘン酸である。
【0044】
10から30個の炭素原子を有する脂肪アルコールは、化粧品に許容される担体の別の有用なカテゴリである。このカテゴリの例は、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール及びセチルアルコールである。
【0045】
多価アルコール型の湿潤剤を化粧品に許容される担体として用いることができる。代表的な多価アルコールとしては、グリセロール、ポリアルキレングリコール、並びにより好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びその誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシ化グリセロール、プロポキシ化グリセロール及びその混合物を含む、アルキレンポリオール及びその誘導体が挙げられる。湿潤剤の量は、組成物のほぼ0.5から50重量%の、好ましくは1から15重量%の範囲に及んでよい。
【0046】
増粘剤は、本発明による組成物の化粧品に許容される担体の一部として利用できる。代表的な増粘剤としては、架橋アクリレート(例えばカルボポール982(登録商標))、疎水性修飾アクリレート(例えばカルボポール1382(登録商標))、セルロース系誘導体及び天然ゴムが挙げられる。有用なセルロース系誘導体には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメトセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に好適な天然ゴムとしては、グアー、キサンタン、スクレロチウム、カラギナン、ペクチン及びこれらのゴムの組合せが挙げられる。無機物質、特にベントナイト及びヘクトライトなどの粘土、ヒュームドシリカ及びマグネシウムアルミニウムシリケート(ビーガム(登録商標))などのシリケートを、増粘剤として利用してもよい。増粘剤の量は、組成物の0.0001から10重量%、通常は0.001から1重量%、最適には0.01から0.5重量%の範囲に及んでよい。
【0047】
本発明のパーソナルケア組成物は、いずれの形態でもよい。これらの形態としては、これに限定されるわけではないが、ローション、クリーム、ロールオン製剤、ムース、エアゾール及び非エアゾールスプレー並びにファブリック(例えば不織布)適用製剤が挙げられる。
【0048】
界面活性剤も、本発明の成物中に存在してよい。界面活性剤の総濃度は、存在する場合、組成物の0.1から40重量%の、好ましくは1から20重量%の、最適には1から5%の範囲に及んでよい。界面活性剤は、アニオン性活性剤、非イオン性活性剤、カチオン性活性剤及び両性活性剤から成る群より選択されてよい。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、疎水性物質1モルに付き2から100モルのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと縮合したC
10−C
20脂肪アルコール又は酸疎水性物質を有するもの;2から20モルのアルキレンオキシドと縮合したC
2−C
10アルキルフェノール;エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ及びジC
8−C
20脂肪酸;並びにポリオキシエチレンソルビタン並びにその組合せである。アルキルポリグリコシド及びサッカライド脂肪アミド(例えばメチルグルコンアミド)も、好適な非イオン性界面活性剤である。
【0049】
好ましいアニオン性界面活性剤としては、石鹸、アルキルエーテルサルフェート及びスルホネート、アルキルサルフェート及びスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル及びジアルキルスルホスクシネート、C
−8−C
20アシルイセチオネート、C
8−C
20アルキルエーテルホスフェート、C
8−C
20サルコシネート及びその組合せが挙げられる。
【0050】
日焼け止め活性物質も、本発明の組成物に含まれてよい。特に好ましいのは、エチルヘキシルp−メトキシシンナメート(パルソールMCX(登録商標)として入手可能)、アボベンゼン(パルソール1789(登録商標)として入手可能)、オクチルサリチレート(デルマブロックOS(登録商標)として入手可能)、テレフタリリデンジカンファースルホン酸(メギゾリルSX(登録商標)として入手可能)、ベンゾフェノン−4及びベンゾフェノン−3(オキシベンゾン)並びにオクトカイレン(Octocaylene)などの物質である。無機日焼け止め活性物質、例えば超微粒二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレン及び各種の他のポリマーが使用されてよい。「超微粒」という用語は、10から200nmの、好ましくは約20から約100nmの範囲に及ぶ平均径の粒子を意味する。日焼け止め剤の量は、存在する場合、一般に組成物の0.1から30重量%の、好ましくは2から20重量%の、最適には4から10重量%の範囲に及んでよい。
【0051】
保存料は、潜在的に有害な微生物の増殖を防ぐために、望ましくは本発明の化粧品組成物中に包含させることができる。本発明の組成物に好適な従来の保存料は、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになってきた他の保存料としては、ヒダントイン誘導体、プロピオネート塩及び多様な第4級アンモニウム化合物が挙げられる。化粧品化学者は、適切な保存料に精通し、保存料負荷試験を満たし、製品安定性を提供するように日常的に保存料を選択している。特に好ましい保存料は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリイニル尿素、ナトリウムデヒドロアセテート、カプリリルグリコール及びベンジルアルコールである。保存料は、組成物の使用及び保存料とエマルジョン中の他の成分との考えられる不相溶性を考慮して選択すべきである。保存料は、好ましくは組成物の0.01%から2重量%に及ぶ量で用いられる。
【0052】
とりわけ好ましい組合せは、オクトクリレン及びカプリリルグリコールであり、それは、カプリリルグリコールがUVA及びUVB保護を向上させることが開示されているためである。
【0053】
本発明の組成物は、ビタミンも含んでよい。例示的なビタミンは、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB
2、ビタミンB
3(ナイアシンアミド)、ビタミンB
6、ビタミンC、ビタミンE及びビオチンである。ビタミンの誘導体も用いてよい。例えば、ビタミンC誘導体としては、アスコルビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート及びアスコルビルグリコシドが挙げられる。ビタミンEの誘導体としては、トコフェリルアセテート、トコフェリルパルミテート及びトコフェリルリノレートが挙げられる。DL−パンテノール及び誘導体も用いてよい。特に好適なビタミンB
6誘導体は、ピリドキシンパルミテートである。フラボノイド、特にグリコシルヘスペリジン、ルチン及び大豆イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール及びそのグリコシル誘導体を含む)及びその混合物も有用である。ビタミン又はフラボノイドの総量は、存在する場合、組成物の0.0001から10重量%の、好ましくは0.01から重量1%の、最適には0.1から0.5重量%の範囲に及んでよい。
【0054】
有用な物質の別の種類は、オキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ及びこれらの組合せなどの酵素の種類であることができる。特に好ましいスーパーオキシドジスムターゼであり、バイオセルSODとして米国のブルックスカンパニーから市販されている。
【0055】
皮膚美白化合物は、本発明の組成物に含まれてよい。物質の例は、胎盤抽出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、レゾルシノール及び4置換レゾルシノールを含む誘導体並びにその組合せである。これらの薬剤の量は、組成物の0.1から10重量%の、好ましくは0.5から2重量%の範囲に及んでよい。
【0056】
落屑促進剤が存在してよい。例は、アルファ−ヒドロキシカルボン酸及びベータ−ヒドロキシカルボン酸である。「酸」という用語は、遊離酸だけでなく、この塩及びC
1−C
30アルキル又はアリールエステル並びに環状又は直鎖ラクトン構造を形成するための水の除去から生じたラクトンも含むことを意味する。代表的な酸は、グリコール酸、乳酸及びリンゴ酸である。サリチル酸は、ベータ−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の0.01から15重量%の範囲に及んでよい。
【0057】
多様なハーブ抽出物が、本発明の組成物に含まれていてもよい。例は、ザクロ、シラカバ(ベチュラ・アルバ)、緑茶、カモミール、甘草及びその抽出物の組合せである。抽出物は、水溶性でも非水溶性でもよく、それぞれ親水性又は疎水性である溶媒に担持される。水及びエタノールが好ましい抽出物溶媒である。
【0058】
また、リポ酸、キネチン、レチンオキシトリメチルシラン(クラリアント社からシルケア1M−75(登録商標)として入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びその組合せなどの物質も含まれてよい。セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド3B、セラミド6及びセラミド7を含む)並びに擬似セラミドも本発明の多くの組成物に利用されてもよいが、排除されてもよい。これらの物質の量は、存在する場合、組成物の0.000001から10重量%の、好ましくは0.0001から1重量%範囲に及んでよい。
【0059】
着色料、乳白剤及び研磨剤も本発明の組成物に含まれてよい。これらの物質はそれぞれ、組成物の0.05から5重量%の、好ましくは0.1から3重量%の範囲に及んでよい。
【0060】
本発明の組成物はまた、処理済み拭き取り用品の形態などの、皮膚に適用するための非水溶性基材に場合に包含させることができる。
【0061】
「含む(comprising)」という用語は、任意の続いて示される要素に限定されるのではなく、むしろ機能的な重要性の高い又は低い非特定の要素を含むことを意味する。すなわち、列挙したステップ、要素又は選択肢は必ずしも網羅的ではない。「含む(including)」又は「有する(having)」という語が使用される場合、これらの用語は上で定義した「含む(comprising)」と同等であることを意味する。
【0062】
施工例及び比較例を除いて、又は明示的に指摘する場合を除いて、物質の量を示す本記載における全ての数は、「約」という語によって修飾されていると理解すべきである。
【0063】
全ての特許、特許出願及び刊行物を含む本明細書にて言及した全ての文献は、本開示においてその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0064】
以下の実施例は、本発明の実施形態をより十分に例証する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で言及する全ての部、パーセンテージ又は割合は、別途例証しない限り重量による。
【0065】
[実施例]
実験方法
全ての試薬及び溶媒は、販売元(シグマ−アルドリッチ、EMDケミカルズ)より入手し、別途指摘しない限り、供給されたまま使用した。並列反応及び並列溶媒除去は、ビュッヒシンコア反応装置(ビュッヒコーポレーション、ニューキャッスル、デラウェア州)を使用して行った。反応監視は、薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して行った。TLCは、シリカゲル60 F254プレート(EMDケミカルズ)を使用して、UV(254nm)、エタノール(EtOH)中4%リンモリブデン酸(PMA)、エタノール(EtOH)中4%ニンヒドリンによって描出して、及び/又はヨウ素チャンバを使用して行った。フラッシュクロマトグラフィー(FC)は、バイオタージSP4システム(バイオタージLLC、シャーロッツビル、バージニア州)を使用して行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、ウォーターズ2996フォトダイオードアレイ検出装置を装備して、Empower Proソフトウェアによって操作された、ウォーターズ2695モジュール(ウォーターズ社)を使用して行った。分離は、30℃に維持したレステックピナクルDB C18カラム(5μm、4.6×150mm)で1ml/分にて行った。HPLCの標本は、標本1mgを移動相A:B(1:1)1mlに溶解させて、5μLをカラムに注入することによって調製した。移動相は、A=水中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)及びB=アセトニトリル中0.1%TFA(ACN)より成り、95:5 A:Bから5:95 A:Bまでの勾配溶離(勾配、25分)、続いて100%B(定組成、5分)を使用して操作された。ガスクロマトグラフィー(GC)は、325℃に加熱した、DB−5HT(15m×0.32mm;0.1μ)カラム及びFID検出装置を装備したアジレント7890Aガスクロマトグラフを使用して行った。標本をアセトン中25ppm濃度で調製し、注入体積は1μLであった。空気流、ヘリウム流及び水素流を400、25及び30ml/分に維持して、分離勾配は、100℃(等温、1分)、15℃/分から250℃まで、250℃(等温、4分)、25℃/分から300℃まで及び300℃(等温、3分)より成っていた。液体クロマトグラフィー/質量分析(LC−MS)は、フィニガンマットLCQ質量分析計を使用して、メタノール中への標本(50ppm)の直接注入によって行い、エレクトロスプレーイオン化を(+)モードで使用して、全イオン数を監視した(ESI+)。1H及び13C核磁気共鳴(NMR)分光法は、Eft−60 NMR分光計(Anasazi instruments,Inc.)を使用して行い、WinNutsソフトウェア(エイコーンNMR,Inc.)を使用して処理した。融点は、Meltemp装置(ラボラトリー・デバイセス)を使用して測定した。純度は、HPLC−UV/Vis及び/又はGCを使用して測定した。全ての化合物は、LC−MS及び/又は
1H NMRによって明確に確認した。DCM=ジクロロメタン;DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;RT=室温;MTBE=メチルtert−ブチルエーテル;TFA=トリフルオロ酢酸;ACN=アセトニトリル;IPA=イソプロピルアルコール;FC=フラッシュクロマトグラフィー。
【0066】
提示するような実施例1から28は、本発明で使用するのに好適なトリシクロデカンアミドの合成を示す。
【0067】
一般手順
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリドを窒素雰囲気下、ジクロロメタン中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。 選んだアミンの溶液を、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリドの溶液にゆっくり添加した。 添加完了時に、反応混合物を室温まで加温して、N
2下で一晩撹拌した。 ワークアップ:反応混合物に水を添加して、ジクロロメタンで抽出し、0.1N HCl、飽和NaHCO
3及び飽和NaCl溶液で洗浄し、ナトリウムサルフェートで脱水して、ロータリーエバポレータで蒸発させた。固形分をシリカゲル濾過(シリカゲル床、ヘキサン中15%エチルアセテート)によって精製した。濾液をロータリーエバポレータで蒸発させて、対応する白色結晶性アミドを得た。
【0068】
[実施例1]
メタノン、(3,3−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成(化合物C11)
【化11】
【0069】
DIPEA(144μL、0.8mmol)をDCM(2ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(150mg、0.8mmol)及び3,3−ジメチルピペリジン(2)(85mg、0.8mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて1時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。反応混合物をさらに16時間撹拌した。溶液をCHCl
3(10ml)で希釈して、1N HCl(10ml)、飽和NaHCO
3(10ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して、粗生成物を無色油(160mg)として得た。生成物をFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0070】
[実施例2]
メタノン、(デカヒドロイソキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C9)の合成
【化12】
【0071】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びデカヒドロイソキノリン(3)(1.59ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0072】
[実施例3]
メタノン、(4,4−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成
【化13】
【0073】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(10ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び4,4−ジメチルピペリジンヒドロクロリド(4)(828mg、5.5mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一化学物質の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、所望の生成物を結晶性白色固形物として得た。
【0074】
[実施例4]
メタノン、(シクロペンチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成
【化14】
【0075】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びシクロペンチルアミン(5)(1.09ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにヘキサン中15%EAからの結晶化によって精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0076】
[実施例5]
メタノン、(4−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C13)の合成
【化15】
【0077】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び4−メチルピペリジン(6)(1.27ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0078】
[実施例6]
メタノン、(3−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C14)の合成
【化16】
【0079】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び3−メチルピペリジン(7)(1.31ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成及び多少のSMの残存を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0080】
[実施例7]
メタノン、(4−アミド−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C7)の合成
【化17】
【0081】
4−ピペリジンカルボキサミド(8)(71mg、0.6mmol)をゆるやかに加温することによって、ACN:CHCl
3(3ml、1:1)溶液に溶解させた。DIPEA(96μL、0.6mmol)を、続いてトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(100mg、0.5mmol)を添加して、溶液を室温にて20時間撹拌した。このとき、TLC[CHCl
3中7%MeOH、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3中15% IPA(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄し、脱水して(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにFCによってシリカゲル上でCHCl
3中7%MeOHを使用してさらに精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0082】
[実施例8]
メタノン、(3−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化18】
【0083】
TFA(3ml)をDCM(3ml)中のNboc−3−シアノピペリジン(9)(300mg、1.4mmol)の溶液に添加して、室温にて1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残留物をCHCl3中の15% IPA(8ml)に溶解させ、1N NaOH:飽和NaCl溶液(8ml、1:1)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して、3−シアノピペリジン(10)(141mg、90%収率)を得て、これを粗生成物のまま次のステップで使用した。トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(100mg、0.5mmol)をCHCl
3(1ml)中の3−シアノピペリジン(10)(61mg、0.6mmol)及びDIPEA(96μL、0.6mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。このとき、TLC[40:60 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、主生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにFCによってシリカゲル上で40:60 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0084】
[実施例9]
メタノン、(4−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C6)の合成
【化19】
【0085】
TFA(3ml)をDCM(3ml)中のNboc−4−シアノピペリジン(11)(300mg、1.4mmol)の溶液に添加して、室温にて1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残留物をCHCl3中の15% IPA(8ml)に溶解させ、1N NaOH:飽和NaCl溶液(8ml、1:1)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して4−シアノピペリジン(12)(141mg、90%収率)を得て、これを粗生成物のまま次のステップで使用した。トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(230mg、1.2mmol)をCHCl
3(2ml)中4−シアノピペリジン(12)(140mg、1.3mmol)及びDIPEA(222μL、1.3mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。このとき、TLC[40:60 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、主生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにFCによってシリカゲル上で40:60 EA:ヘキサンを使用してさらに精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0086】
[実施例10]
メタノン、(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C21)の合成
【化20】
【0087】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.5mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミン(13)(271μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中15%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0088】
[実施例11]
メタノン、(3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C19)の合成
【化21】
【0089】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.5mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃とした。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,3−ジメチルブチルアミン(14)(228μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中15%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0090】
[実施例12]
メタノン、(デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C10)の合成
【化22】
【0091】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(40.0g、0.200モル)を窒素雰囲気下、DCM(340ml、1.2M)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。DIPEA(27.3g、18.44ml、0.210モル)及びデカヒドロキノリン(15)(28.35g、30.28ml、0.210モル)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液に添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをシリカゲル上で(3インチシリカゲル床で濾過)15:85 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物を白色結晶性固形物として得た。
【0092】
[実施例13]
メタノン、(トランス−デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−
【化23】
【0093】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(200mg、1ミリモル)をCHCl
3(2ml)中のトランス−デカヒドロキノリン(16)(154mg、1.1ミリモル)及びDIPEA(193μL、1.1ミリモル)に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。反応混合物をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl、飽和NaHCO
3で続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中7%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0094】
[実施例14]
メタノン、(アゼチジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C4)
【化24】
【0095】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(540μL、3.1mmol)及びアゼチジンヒドロクロリド(17)(148mg、1.6mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EA:水(10ml;1:1)を添加して、有機層を分離し、水層をEA(5ml)で洗浄した。合わせた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上でヘキサン中15−25%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0096】
[実施例15]
メタノン、(ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化25】
【0097】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びピロリジン(18)(131μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、1N HCl、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物(334mg、95%)として得た。
【0098】
[実施例16]
メタノン、(ヘキサヒドロアゼピニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C5)の合成
【化26】
【0099】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びアゼパン(19)(192μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄し、(Na
2SO
4),濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0100】
[実施例17]
メタノン、(2−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C12)の合成
【化27】
【0101】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び2−メチルピペリジン(20)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄して、脱水し(Na
2SO
4),濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0102】
[実施例18]
メタノン、(3,5−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C15)の合成
【化28】
【0103】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,5−ジメチルピペリジン(21)(226μm、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。水を添加して、有機層を分離し、水層をDCM(5ml)で洗浄した。合わせた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で12:88 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0104】
[実施例19]
メタノン、(4−メチル−4−エチル−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C16)の合成
【化29】
【0105】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び4−エチル−4−メチルピペリジン(22)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。水を添加して、有機層を分離し、水層をDCM(5ml)で洗浄した。合わせた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で12:88 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0106】
[実施例20]
メタノン、(3,3−ジエチル−ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C17)の合成
【化30】
【0107】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,3−ジエチルピロリジン(23)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄し、(Na
2SO
4),濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0108】
[実施例21]
メタノン(シクロブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化31】
【0109】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びシクロブチルアミン(24)(150μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、1N HCl、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0110】
[実施例22]
メタノン、(2,2−ジメチルプロピルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C20)の合成
【化32】
【0111】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び2,2−ジメチルプロピルアミン(25)(150μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0112】
[実施例23]
メタノン、(N,N−ジイソプロピル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C18)の合成
【化33】
【0113】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びジイソプロピルアミン(26)(232μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、EAで洗浄した。濾液を合わせ、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で20:80 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0114】
[実施例24]
メタノン、(1,3−ジメチル−ブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C22)の合成
【化34】
【0115】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(4mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び1,3−ジメチルブチルアミン(27)(239μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0116】
[実施例25]
メタノン、(トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカニル)−N−トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C8)の合成
【化35】
【0117】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びトリクロロ[3.3.1.1
3,7]アミン(28)(257mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をFCによってシリカゲル上で、0.1% DIPEAを含有する15:85 EA:ヘキサンを使用して、続いてCHCl
3を用いた溶離で精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0118】
[実施例26]
メタノン、(3−アミノテトラヒドロフラニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−
【化36】
【0119】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及び3−アミノテトラヒドロフラン(29)(1.0ml、11mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0120】
[実施例27]
メタノン、(モルホニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C1)
【化37】
【0121】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びモルホリン(30)(1.1g)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0122】
[実施例28]
メタノン、(ピペリジニ)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C2)
【化38】
【0123】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2.1g、10.1mmol)及びピペリジン(31)(1.1g)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC 15:85 EA[エチルアセテート:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成及び多少の出発物質を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをさらにヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0124】
[実施例29]
化粧用ローションの形態の本発明の代表的なパーソナルケア組成物を表1にまとめる。
【表1】
【0125】
[実施例30]
本発明による油中水型局所液体メイクアップファンデーションを下の表IIに記載する。
【表2】
【0126】
[実施例31]
トリシクロデカンアミド及びリモネンを芳香剤の主構成成分として有する、エアゾール包装発泡洗浄剤を表IVにまとめる。
【表3】
【0127】
[実施例32]
使い捨て単回使用パーソナルケアウェットティッシュ製品を本発明に従って説明する。重量1.8グラム及び寸法15cm×20cmの、70/30ポリエステル/レーヨン不織ウェットティッシュを作製する。このウェットティッシュに、下の表Vにまとめるようなトリシクロデカンアミド並びに20%リモネン及び20%アルファピネンを有する芳香剤を含む組成物1.0グラムを含浸させる。
【表4】
【0128】
[実施例33]
一連の実験を行って、香料混合物の代表的な構成成分の放出及び長期香り発生を評価した。水中で0.5重量%のトリシクロデカンアミド及び1%大豆油を混合することにより、サンプルを調製した。香料を用いる実施例では、サンプルは0.1%の芳香油を含んでいた。このモデル芳香油は、これに限定されるわけではないが、フェニルエチルアルコール、ベンジルアセテート、アルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラル、ジヒドロミルセノール、アルファシトロネロール、ベータシトロネロール、ゲラニオール及びリリアールを含む構成成分の混合物であった。対照サンプルは、0.1重量%の同じモデル芳香剤、1%の、トリシクロデカンアミドを含まない水中大豆油を用いて作製した。
【0129】
ヘッドスペースガスのガスクロマトグラフィー(GC)分析によって、サンプルを分析した。本手順において、利用した装置は、ガスクロマトグラフィー(GC)6890/質量分析法(MS)5973/水素炎イオン化検出器(FID)を用いる、固相微量抽出(SPME)システムであった。本装置は、上述の混合物の上の、並びに対照サンプルの上のヘッドスペース中の相対香料化合物存在量を測定した。混合物2グラムを、20ml GCヘッドスペース・サンプリング・バイアル内に調製して、バイアルを隔膜を有するキャップ(ゲステル,Inc.製)で密閉した。GCカラムは、アジレント製HP−5MSカラム(内径0.25mm、長さ30m、固定相厚さ0.25um)であった。GC条件は次の通りであった。スプリットレスモードのインジェクタ、担体ガスとしてのヘリウムガス。注入ポートを250℃に加熱し、0分におけるスプリットベントまでのパージフローは50ml/分であった。カラムを1.3ml/分の流量にて一定フローモードにした。オーブン温度勾配は、2分間75℃に保持し、次いでオーブン温度を6℃/分の速度で100℃まで、1.5℃/分で150℃まで、3℃/分で190℃まで、30℃/分で300℃まで上昇させ、2分間保持した。MS条件は、0.5分間の溶媒遅延、ローマス35から開始し、ハイマス300まで走査した。オートサンプラの条件は、インキュベーションなしであった(全ての実験は室温で行った。)。SPME繊維をサンプルヘッドスペースに挿入し、5分間抽出した後、インジェクタに注入し、15分間脱着させた。
【0130】
実験の結果を、以下の表II−VIIIに示す。下の表では、正規化ヘッドスペースを、対照(アミドを含まない油/水混合物)の濃度で割った、トリシクロデカンアミド(式I及び式II)又は直鎖アミドを含有する油/水混合物の芳香剤ヘッドスペース濃度として計算する。正規化ヘッドスペース濃度がより低いことは、芳香剤化合物の揮発性がより低いことを、したがって潜在的に長期化された放出を示す。低減比は、アミドを含むサンプルの濃度で割った、対照ヘッドスペースの濃度である。低減比が大きければ大きいほど、トリシクロデカンアミド添加時に芳香剤化合物がより長期にわたって持続する。
【表5】
【表6】
【表7】
【0131】
表II−VIIIの結果から明らかなのは、トリシクロデカンアミドが存在することによって、ある芳香剤成分が、ヘッドスペース中に特に抑制されることである。式Iのトリシクロデカンアミド(例えば化合物C10及び14)では、これらの成分は、アルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラル、ジヒドロミルセノール、アルファシトロネロール、ベータシトロネロール、ゲラニオール、リリアールである。式IIのトリシクロデカン(例えば化合物C21)は、香料の一部:アルファピネン、ベータピネン、ヘキシルアセテート、リモネン、(+)−シトロネラルのサブセットに対して効果を有する。同様の数の炭素(例えばオクタデカンアミド)を有する直鎖アミド(例えばオクタデカンアミド)は、この効果を有していなかった。
【0132】
長期持続性芳香剤は、各種のパーソナルケア製品形態(例えばローション、発汗抑制剤/デオドラントなど)からの最も望ましい感覚的便益の1つである。大半の芳香剤化合物の高い揮発性のために、大半のパーソナルケア製品の即時適用後に、揮発性が高い香料は急速に蒸発して、香料の影響が経時的により弱くもしくはなくなり、又は最初に設計された香料の快い特徴が変化する。驚くべきなのは、式I及び式IIのトリシクロデカンが選択された香料化合物の揮発性(例えばヘッドスペース濃度の低下)を抑制し、このことがこれらの選択された香料化合物の放出を低速化させて、したがって持続性効果をより長期化することである。
【0133】
現在好ましい実施形態について記載されているが、このような開示が限定的なものとして解釈されるべきでないことを理解されたい。上の開示を読んだ後に、当業者には疑いなく、各種の修正及び変更を着想するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、このような改変及び変更全てを、本発明の真の精神及び範囲内に含まれるものとして包含するものと解釈されることが意図される。