【文献】
WEBSTER S. P.,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS,NL,PERGAMON,2007年 4月27日,V17 N10,P2838-2843
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物が、歯磨き剤、マウスウォッシュ、クリーム、ローション、バーム、デオドラント、ゲル、メイクアップ組成物、ボディウォッシュ、シャンプー又はコンディショナーである、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
トリシクロデカンアミド
一般に、本発明で使用してよいトリシクロデカンアミドに関して、消費者が使用する組成物での使用に該トリシクロデカンアミドが好適であるという以外に制限はない。しかし、本発明での使用に好適なトリシクロデカンアミドは、式I又は式IIを有する少なくとも1つの化合物によって表されることが多い。式Iのトリシクロデカンアミドが好ましい。
【化1】
【0026】
より選択され、更に式中、tは1から8の整数であり;Yは、水素、
【化3】
【0027】
又はハロゲンであり、式中、各R
1は独立して水素又はC
1−4アルキルである。)。
【0028】
好ましくは、Xは、基Xd、Xe、Xf、Xg、より好ましくはXd及びXeより選択され、理想的には、Xは基Xe及びXdより選択され、式中、R
1は、1個を除いた全ての炭素において水素であり、その単一の炭素においてはメチル基又はエチル基によって1置換又は2置換されている。
【0029】
Xが基Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、Xh、Xiである、好ましい式Iの化合物は:
メタノン、(モルホニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C1)
メタノン、(ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C2)
メタノン、(ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C3)
メタノン、(アゼチジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C4)
メタノン、(ヘキサヒドロアゼピニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C5)
メタノン、(4−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C6)
メタノン、(4−アミド−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C7)
メタノン、(トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカニル)−N−トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C8)
メタノン、(デカヒドロイソキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C9)
メタノン、(デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C10)
メタノン、(3,3−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C11)
メタノン、(2−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C12)
メタノン、(4−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C13)
メタノン、(3−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C14)
メタノン、(3,5−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C15)
メタノン、(4−メチル−4−エチル−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C16)
メタノン、(3,3−ジエチル−1−ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C17)である。
【化4】
【0030】
より好ましい化合物は、化合物C9からC17であり、最も好ましい化合物は、C11からC17である。
【0031】
式IIのトリシクロデカンアミドは、以下の一般構造を有する:
【化5】
【0032】
(式中、各Rは、独立して水素、メチル、エチル又はC
3からC
18、好ましくはC
3からC
10直鎖又は分枝アルキル基、シクロアルキル基又はシクロヘテロアルキル基であり、ただし両方のR基は同時に水素ではない。)。
【0033】
メタノン、(N,N−ジイソプロピル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C18)
メタノン、(3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C19)
メタノン、(2,2−ジメチルプロピルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C20)
メタノン、(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C21)
メタノン、(1,3−ジメチル−ブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C22)
【化6】
【0034】
ここで化合物C19、C20、C21及びC22がより好ましく、化合物C21及びC22が最も好ましい。
【0035】
トリシクロデカンアミドは、組成物の0.0001から20重量%、好ましくは0.001%から10重量%、最も好ましくは0.01から5重量%を構成してよく、そこに包含される全ての範囲を含む。組成物前駆物質に関して、トリシクロデカンアミドの重量パーセントは、組成物前駆物質の総重量に基づいて、組成物において定義されたのと同じから少なくとも約15%高い重量パーセントであることが望ましい。
【0036】
本明細書に記載するトリシクロデカンアミドに加えて、他のトリシクロデカンアミド及び他のトリシクロデカン誘導体が本発明の組成物に含まれていてよい。
【0037】
担体/シャシー成分
担体は、本発明の意味において固形剤又は液状剤ではない。担体用の化粧品的に許容される構成成分としては、水、シリコーン油、乳化剤及びポリマー性増粘剤を挙げることができる。これらの材料の量は、組成物の0.1から99重量%、好ましくは0.1から80重量%、最も好ましくは1から50重量%の範囲に及んでよく、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0038】
シリコーン油は揮発性種と不揮発性種に分けられる。「揮発性」という用語は、本明細書で使用する場合、周囲温度にて測定可能な蒸気圧を有する材料を示す。揮発性シリコーン油は、好ましくは3から9個の、好ましくは4から5個のケイ素原子を含有する環式又は直鎖ポリジメチルシロキサンより選ばれる。
【0039】
直鎖揮発性シリコーン材料は一般に、25℃で5センチストーク未満の粘度を有するが、環状材料は通例、10センチストーク未満の粘度を有する。
【0040】
皮膚軟化剤材料として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられる。本明細書で有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンとしては、例えば、25℃で5から100,000センチストークの粘度を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコンなど)が挙げられる。使用に好適なシリコーン油(とりわけ、ジメチコン35から75センチストーク)は、ダウコーニングからよく市販されていて、好ましい。
【0041】
シリコーンの量は、使用する場合、組成物の0.001重量%から80重量%、好ましくは0.01重量%から50重量%、最も好ましくは0.01重量%から30重量%の範囲に及んでよく、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0042】
乳化剤は、アニオン性活性剤、非イオン性活性剤、カチオン性活性剤、ポリマー性活性剤及び両性活性剤から成る群より選択されてよい。特に好ましい非イオン性活性剤は、疎水性物質1モルに付き2から100モルのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと縮合したC
10−C
20脂肪アルコール又は酸疎水性物質を有するもの;2から20モルのアルキレンオキシドと縮合したC
2−C
10アルキルフェノール;エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ及びジC
8−C
20脂肪酸;並びにポリオキシエチレンソルビタン並びにその組合せである。アルキルポリグリコシド及びサッカライド脂肪アミド(例えばメチルグルコンアミド)も、好適な非イオン性乳化剤である。好ましいアニオン性乳化剤としては、アルキルエーテルサルフェート及びスルホネート、アルキルサルフェート及びスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル及びジアルキルスルホスクシネート、C
8−C
20アシルイソチオネート、C
8−C
20アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート及びその組合せが挙げられる。
【0043】
使用してよいカチオン性乳化剤としては、例えばパルミタミドプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド及びその混合物が挙げられる。有用な両性乳化剤としては、ココアミドプロピルベタイン、C
12−C
20トリアルキルベタイン、ナトリウムラウロアンホアセテート及びナトリウムラウロジアンホアセテート又はその混合物が挙げられる。
【0044】
他の一般に好ましい乳化剤としては、グリセリルステアレート、グリコールステアレート、ステラミドAMP、PEG−100ステアレート、セチルアルコール及び長鎖飽和C8−C24脂肪酸が挙げられる。直接エステル化脂肪イセチオネートなどのマイルドクレンジング製剤に見出される構成成分も、本発明の組成物に、通例、0.01から5重量%で含まれてよい。
【0045】
一般に植物ベース液体として分類される乳化安定剤も使用してよい。好ましい安定剤は、オリワックスLCという名称で販売され、ローションクラフターによって市販されている。
【0046】
乳化剤は、本発明の組成物中に存在してよい。乳化剤の総濃度は、0.1から40重量%、好ましくは1から20重量%、最も好ましくは1から5重量%の範囲に及んでよく、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0047】
増粘剤は、本発明の組成物に含まれていてもよい。特に有用なのは、多糖類である。例としては、デンプン、天然/合成ゴム及びセルロース系誘導体が挙げられる。代表的なデンプンとしては、化学修飾デンプン、例えばナトリウムヒドロキシプロピルデンプンホスフェート及びアルミニウムデンプン及びアルミニウムデンプンオクテニルスクシネートが挙げられる。タピオカデンプンが好ましいことが多い。好適なゴムとしては、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、カラギナン、アルギネート及びその組合せが挙げられる。好適なセルロース系誘導体としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースが挙げられる。合成ポリマーは、有効な増粘剤のまた別のクラスである。このカテゴリとしては、架橋ポリアクリレート、例えばカルボマー、ポリアクリルアミド、例えばセピゲル305(登録商標)並びにタウレートコポリマー、例えばシムゲルEG(登録商標)及びアリストフレックス(登録商標)AVCが挙げられ、各コポリマーは、それぞれのINCI命名法によってナトリウムアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート及びアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーと示される。増粘に好適な別の好ましい合成ポリマーは、セピックによって市販され、シムゲルINS100の名称で販売されているアクリレートベースのポリマーである。
【0048】
増粘剤の量は、組成物の約0.001から約5重量%の、好ましくは約0.1から約3重量%の、最も好ましくは約0.2から約1.5重量%の範囲に及んでよく、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0049】
本明細書での使用に好適であってもよい他の構成成分としては、TiO
2及びZnOなどの乳白剤並びに酸化鉄赤、黄及び黒などの着色剤が挙げられる。乳白剤及び着色剤は、通例、50から1200nm、好ましくは50から350nmの粒径を有する。
【0050】
着色料、固定剤及び研磨剤も本発明の組成物に含まれてもよい。これらの物質はそれぞれ0.05から5重量%の、好ましくは0.1から3重量%の範囲に及んでよい。
【0051】
通常の緩衝剤/pH調節剤を使用してよい。これらとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、クエン酸及びクエン酸塩/クエン酸緩衝剤などの普通に用いられる添加剤が挙げられる。とりわけ好ましい実施形態において、本発明の組成物のpHは、4から8、好ましくは4.25から7.75、最も好ましくは6から7.5であり、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0052】
固形/液状化粧品便益剤
本明細書で規定するLog P値を有している限り、本発明の組成物での使用に好適である、化粧品便益剤(特定の薬剤の融点に応じて固体又は液体であってよい)の例を、下に記載する。
【0053】
好適な固形/液状剤の一例は、湿潤剤である。これらは一般に、多価アルコール型材料である。代表的な多価アルコールとしては、ヘキシレンアルコール、イソプレングリコール、プロポキシ化グリセロール、ルーブリゾールが販売するグルカムP−20湿潤剤などのプロポキシ化メチルグルコースエーテル、バイエルマテリアルサイエンスによるArcol PPG−425などのPPG425などのポリプロピレングリコール及びその混合物が挙げられる。最も好ましいのは、プロポキシ化メチルグルコースエーテル、ポリプロピレングリコール又はその混合物である。用いる湿潤剤の量は、組成物のほぼ0.5から20重量%の、好ましくは1から15重量%の範囲に及んでよい。
【0054】
皮膚の加湿を向上させるために、カチオン性アンモニウム化合物として分類される活性物質を、本発明の組成物で使用してもよい。このような化合物としては、ヒドロキシプロピルトリ(C
1−C
3アルキル)アンモニウム1置換サッカライドの塩、ヒドロキシプロピルトリ(C
1−C
3アルキル)アンモニウム1置換ポリオールの塩、ジヒドロキシプロピルトリ(C
1−C
3アルキル)アンモニウム塩、ジヒドロキシプロピルジ(C
1−C
3アルキル)モノ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、グアーヒドロキシプロピルトリモニウム塩、2,3−ジヒドロキシプロピルトリ(C
1−C
3アルキル又はヒドロキシアルキル)アンモニウム塩又はその混合物が挙げられる。最も好ましい実施形態において、望ましい場合、本発明で用いるカチオン性アンモニウム化合物は、第4級アンモニウム化合物の1,2−ジヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。使用する場合、このような化合物は通例、組成物の0.01から30重量%、より好ましくは約0.1から約15重量%を構成する。
【0055】
カチオン性アンモニウム化合物を使用する場合、それと共に使用するための好ましい追加の活性物質は、保湿剤、例えばヒドロキシメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシプロピル尿素などの置換尿素;ビス(ヒドロキシメチル)尿素;ビス(ヒドロキシエチル)尿素;ビス(ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’−ジヒドロキシメチル尿素;N,N’−ジ−ヒドロキシエチル尿素;N,N’−ジ−ヒドロキシプロピル尿素;N,N,N’−トリ−ヒドロキシエチル尿素;テトラ(ヒドロキシメチル)尿素;テトラ(ヒドロキシエチル)尿素;テトラ(ヒドロキシプロピル)尿素;N−メチル−N’−ヒドロキシエチル尿素;N−エチル−N’−ヒドロキシエチル尿素;N−ヒドロキシプロピル−N’−ヒドロキシエチル尿素及びN,N’ジメチル−N−ヒドロキシエチル尿素又はその混合物である。ヒドロキシプロピルという用語が出現する場合、意味は3−ヒドロキシ−n−プロピルラジカル、2−ヒドロキシ−n−プロピルラジカル、3−ヒドロキシ−i−プロピルラジカル又は2−ヒドロキシ−i−プロピルラジカルのいずれかの総称である。最も好ましいのは、ヒドロキシエチル尿素である。
【0056】
本発明の組成物中の置換尿素の量は、使用される場合、組成物の総重量に基づいて0.01から20%、好ましくは0.5から15%、最も好ましくは2から10%であり、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0057】
固形剤/液状剤のまた他の好適な例としては、芳香剤が挙げられる。芳香剤はそれぞれ0.05から5重量%の、好ましくは0.1から3重量%の範囲に及んでよい。
【0058】
他の好適な固形剤/液状剤として、ビタミン及びその誘導体を挙げてよい。本発明の組成物は、所望の活性物質としてビタミンを含んでよい。例示的なビタミンは、ビタミンA(レチノール)並びにレチノールパルミテート及びレチノールプロピオネートなどのレチノールエステル、ビタミンB
2、ビタミンB
3(ナイアシンアミド)、ビタミンB
6、ビタミンC、ビタミンE、葉酸及びビオチンである。ビタミンの誘導体も用いてよい。例えば、ビタミンC誘導体としては、アスコルビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート及びアスコルビルグリコシドが挙げられる。ビタミンEの誘導体としては、トコフェリルアセテート、トコトリエノール、トコフェリルパルミテート及びトコフェリルリノレートが挙げられる。DL−パンテノール及び誘導体も用いてよい。ビタミンの総量は、本発明による組成物中に存在する場合、組成物の0.001から10重量%の、好ましくは0.01から1重量%の、最適には0.1から0.5重量%の範囲に及んでよい。
【0059】
オクタデセン二酸、アゼライン酸、ユビキノン、ジヒドロキシアセトン(DHA)及びその混合物を、本発明の組成物で薬剤として使用してよい。このような化合物は、使用する場合、通例、組成物の0.2から4.5重量%、好ましくは0.5から3重量%を構成し、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0060】
本発明で使用するのに好適な他の必須ではない活性剤としては、レスベラトロール、4−ブチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−フェニルエチルレゾルシノール、ジメトキシトルイルプロピルレゾルシノール、4−シクロペンチルレゾルシノール、4−シクロヘキシルレゾルシノールなどのレゾルシノール、アルファ−及び/又はベータ−ヒドロキシ酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、m−トラネキサム酸、フェニルエチルレゾルシノール(シムライズによるシムホワイト377)、ウンデシレノールフェニルアラニン(セピックによるセピホワイト)、12−ヒドロキシステアリン酸、その混合物などが挙げられる。このような活性物質は、使用する場合、集合的に、組成物の0.001から12重量%を構成する
落屑促進剤も好適な化粧品便益剤である。例は、アルファ−ヒドロキシカルボン酸、ベータ−ヒドロキシカルボン酸である。「酸」という用語は、遊離酸だけでなく、この塩及びC
1−C
30アルキル又はアリールエステル並びに環状又は直鎖ラクトン構造を形成するための水の除去から生じたラクトンも含むことを意味する。代表的な酸は、グリコール酸及びその誘導体、乳酸並びにリンゴ酸である。サリチル酸は、ベータ−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の0.01から15重量%の範囲に及んでよい。
【0061】
多様なハーブ抽出物が、薬剤として本発明の組成物に含まれていてもよい。抽出物は、水溶性でも非水溶性でもよく、それぞれ親水性又は疎水性である溶媒に含まれる。水及びエタノールが好ましい抽出物溶媒である。例示的な抽出物としては、緑茶、ノコギリソウ、カモミール、甘草、アロエベラ、ブドウ種子、ウンシュイミカン、ヤナギ樹皮、セージ、タイム及びローズマリーからの抽出物が挙げられる。大豆抽出物を使用してよく、とりわけレチノールを含む場合に望ましい。
【0062】
好適な固形剤/液状剤の別の例は、皮膚軟化剤である。これらはエステル及び炭化水素の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、ほぼ0.1から95%の、好ましくは1から80%の間の範囲に及んでよく、そこに包含される全ての範囲を含む。 エステル皮膚軟化剤には以下のものがある。
【0063】
(1)10から24個の炭素原子を有する、飽和脂肪酸のアルキルエステル。その例としては、ベヘニルネオペンタノエート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルオレエート、イソノニルイソナノノエート、イソプロピルミリステート及びオクチルステアレート並びにその混合物が挙げられる。
【0064】
(2)ろうエステル、例えばミツロウ、鯨ろう、ミリスチルミリステート、ステアリルステアレート、トリベヘニンろう
(3)好適である炭化水素としては、ペトロラタム、鉱油、C
11−C
13イソパラフィン及びイソヘキサデカンが挙げられる、
(4)ステロールエステル、その大豆ステロール及びコレステロール脂肪酸エステルがその例である。
【0065】
(5)ポリプロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、例えばPPG15ステアリルエーテル
(6)炭酸エステルのジエステル、例えばジカプリリルカーボネートとしても公知のセチトールCC。
【0066】
本明細書での使用に好適な更なる薬剤としては、セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド3B及びセラミド6を含む)並びに疑似セラミドが挙げられる。また使用に好適であってもよいのは、C
8−22脂肪酸置換多糖類、リポ酸、レチンオキシトリメチルシラン(クラリアント社からシルケア1M−75(登録商標)として入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びその組合せなどの材料が含まれる。これらの物質の量は、存在する場合、組成物の0.000001から10重量%の、好ましくは0.0001から1重量%範囲に及んでよい。
【0067】
日焼け止め剤も、本発明の組成物に固体剤/液状剤として含まれてよい。特に好ましいのは、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(エンスリゾール)、エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、パルソールMCX(登録商標)として入手可能なエチルヘキシルp−メトキシシンナメート、パルソール1789(登録商標)として入手可能なアボベンゼン及びオキシベンゾンとしても公知のベンゾフェノン−3などの材料である。オクトクリレンも使用に好適である。日焼け止め剤の量は、存在する場合、一般に0.1から30重量%の、好ましくは0.5から20重量%の、最適には0.75から10重量%の範囲に及んでよい。
【0068】
好適な固体剤/液状剤の他の例は、保存料である。保存料は、潜在的に有害な微生物の増殖を防ぐために、望ましくは本発明の組成物中に包含させることができる。本発明の組成物に好適な従来の保存料は、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになってきた他の保存料としては、ヒダントイン誘導体、プロピオネート塩及び多様な第4級アンモニウム化合物が挙げられる。化粧品化学者は、適切な保存料に精通し、保存料負荷試験を満たし、製品安定性を提供するように日常的に保存料を選択している。特に好ましい保存料は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、C
1−6パラベン(とりわけメチルパラベン及び/又はプロピルパラベン)、イミダゾリジニル尿素、ナトリウムジヒドロアセテート及びベンジルアルコールである。保存料は、組成物の使用及び保存料とエマルジョン中の他の成分との考えられる不相溶性を考慮して選択すべきである。保存料は、好ましくは組成物の0.01%から2重量%に及ぶ量で用いられ、そこに包含される全ての範囲を含む。とりわけ好ましい組合せが、オクトクリレン及びカプリリルグリコールであるのは、カプリリルグリコールがUVA及びUVB保護を向上させることが開示されているためである。
【0069】
トリクロサンなどの抗微生物剤も、好適な固形剤の例であってよい。
【0070】
組成物の粘度は、一般に、0.1Pasから500Pasの、好ましくは0.5Pasから200Pasの範囲にある(ブルックフィールドDV−I+粘度計を使用して測定したように(20RPM、RV6、30秒、25℃)。
【0071】
本明細書での使用に好適な固形剤は通例、−5から15の、好ましくは−3から12の、最も好ましくは−2から10の分配係数を有し、そこに包含される全ての範囲を含む。本明細書での使用に好適な液状剤は通例、−0.75から15の、好ましくは−0.5から12の、最も好ましくは−0.25から10の分配係数を有し、そこに包含される全ての範囲を含む。
【0072】
本発明での使用に好適な最も好ましい固形剤としては、クリンバゾール、エンスリゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸(メギゾリル)、コレステロール、ナイアシンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、グリコール酸、2−ヒドロキシエチル尿素、サリチル酸、ポリクロロフェノキシフェノール、ケルシチンなどのフラボノイド、ワセリン、レチニルパルミテートなどの固形レチノール誘導体、アセチルグルコサミン、ウンデシレロイルフェニルアラミン、オクタデセン二酸などのジカルボン酸、C
4−6レゾルシノール、ビタミンD及びその誘導体、ジカプリリルカーボネート、カプリリルグリコール、C
1−6パラベン、その混合物などの固形便益剤が挙げられる。
【0073】
本発明での使用に好適な最も好ましい液状剤としては、鉱油、共役リノール酸、ペトロセリン酸、イソプロピルミリステート、エチルヘキシルサリチレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、レチノールプロピオネートなどの液状レチノール誘導体、オクトクリレン、メトキシクリレン、オクチルメトキシシンナメート、PPG−20メチルグルコースエーテル(グルカム(商標)P−20湿潤剤)、PPG−425などのポリプロピレングリコール、その混合物などの液状便益剤が挙げられる。
【0074】
本発明の化粧品組成物に好適ないくつかの固形剤及び液状剤の分配係数(Log P
o/w)値及び溶融温度を、下の表1及び表2に挙げる。
【0077】
本発明において、固形剤の液状剤に対する重量比(評価される組成物中の固形剤及び液状剤の総重量に基づく)は、0.001から1、好ましくは0.001から0.9、最も好ましくは0.01から0.8の範囲であり、そこに包含される全ての範囲を含む。この範囲内では、トリシクロデカンアミドの非存在下で固形剤が液状剤にいくらか可溶性である場合でも、液状剤への固形剤の溶解度は、トリシクロデカンアミドの存在下で上昇する。
【0078】
多種多様のパッケージを用いて、本発明の組成物を保存及び送達することができる。パッケージは、パーソナルケア最終用途の種類に依存することが多い。例えば、洗い流さないスキンローション及びクリーム、シャンプー、コンディショナー及びシャワージェルは一般に、閉じ具に覆われた分注端部に開口部を備えたプラスチック容器を用いる。代表的な閉じ具は、スクリューキャップ、非エアゾールポンプ及び跳ね上げ型ヒンジ付き蓋である。発汗抑制剤、デオドラント及び除毛剤のパッケージは、分注端部にロールオンボールを備えた容器を含んでよい。噴射剤によって加圧され、スプレーノズルを有する金属缶は、発汗抑制剤、シェービングクリーム及び他のパーソナルケア製品用のパッケージとして作用する。
【0079】
以下の実施例は、本発明の理解を促進するために提供する。実施例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0080】
[実施例]
実験方法
全ての試薬及び溶媒は、販売元(シグマ−アルドリッチ、EMDケミカルズ)より入手し、別途指摘しない限り、供給されたまま使用した。並列反応及び並列溶媒除去は、ビュッヒシンコア反応装置(ビュッヒコーポレーション、ニューキャッスル、デラウェア州)を使用して行った。反応監視は、薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して行った。TLCは、シリカゲル60 F254プレート(EMDケミカルズ)を使用して、UV(254nm)、エタノール(EtOH)中4%リンモリブデン酸(PMA)、エタノール中4%ニンヒドリンによって描出して、及び/又はヨウ素チャンバを使用して行った。フラッシュクロマトグラフィー(FC)は、バイオタージSP4システム(バイオタージLLC、シャーロッツビル、バージニア州)を使用して行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、ウォーターズ2996フォトダイオードアレイ検出装置を装備して、Empower Proソフトウェアによって操作された、ウォーターズ2695モジュール(ウォーターズ社)を使用して行った。分離は、30℃に維持したレステックピナクルDB C18カラム(5μm、4.6×150mm)で1ml/分にて行った。HPLCの標本は、標本1mgを移動相A:B(1:1)1mlに溶解させて、5μLをカラムに注入することによって調製した。移動相は、A=水中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)及びB=アセトニトリル中0.1%TFA(ACN)より成り、95:5 A:Bから5:95 A:Bまでの勾配溶離(勾配、25分)、続いて100%B(定組成、5分)を使用して操作された。ガスクロマトグラフィー(GC)は、325℃に加熱した、DB−5HT(15m×0.32mm;0.1μ)カラム及びFID検出装置を装備したアジレント7890Aガスクロマトグラフを使用して行った。標本をアセトン中25ppm濃度で調製し、注入体積は1μLであった。空気流、ヘリウム流及び水素流を400、25及び30ml/分に維持して、分離勾配は、100℃(等温、1分)、15℃/分から250℃まで、250℃(等温、4分)、25℃/分から300℃まで及び300℃(等温、3分)より成っていた。液体クロマトグラフィー/質量分析(LC−MS)は、フィニガンマットLCQ質量分析計を使用して、メタノール中への標本(50ppm)の直接注入によって行い、エレクトロスプレーイオン化を(+)モードで使用して、全イオン数を監視した(ESI+)。1H及び13C核磁気共鳴(NMR)分光法は、Eft−60 NMR分光計(Anasazi instruments,Inc.)を使用して行い、WinNutsソフトウェア(エイコーンNMR,Inc.)を使用して処理した。融点は、Meltemp装置(ラボラトリー・デバイセス)を使用して測定した。純度は、HPLC−UV/Vis及び/又はGCを使用して測定した。全ての化合物は、LC−MS及び/又は
1H NMRによって明確に確認した。DCM=ジクロロメタン;DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;RT=室温;MTBE=メチルtert−ブチルエーテル;TFA=トリフルオロ酢酸;ACN=アセトニトリル;IPA=イソプロピルアルコール;FC=フラッシュクロマトグラフィー。
【0081】
提示するような実施例1から28は、本発明で使用するのに好適なトリシクロデカンアミドの合成を示す。
【0082】
一般手順
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリドを窒素雰囲気下、ジクロロメタン中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。選んだアミンの溶液を、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリドの溶液にゆっくり添加した。添加完了時に、反応混合物を室温まで加温して、N
2下で一晩撹拌した。ワークアップ:反応混合物に水を添加して、ジクロロメタンで抽出し、0.1N HCl、飽和NaHCO
3及び飽和NaCl溶液で洗浄し、ナトリウムサルフェートで脱水して、ロータリーエバポレータで蒸発させた。固形分をシリカゲル濾過(シリカゲル床、ヘキサン中15%エチルアセテート)によって精製した。濾液をロータリーエバポレータで蒸発させて、対応する白色結晶性アミドを得た。
【0083】
[実施例1]
メタノン、(3,3−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成(化合物C11)
【化7】
【0084】
DIPEA(144μL、0.8mmol)をDCM(2ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(150mg、0.8mmol)及び3,3−ジメチルピペリジン(2)(85mg、0.8mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて1時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。反応混合物を更に16時間撹拌した。溶液をCHCl
3(10ml)で希釈して、1N HCl(10ml)、飽和NaHCO
3(10ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して、粗生成物を無色油(160mg)として得た。生成物をFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0085】
[実施例2]
メタノン、(デカヒドロイソキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(C9)の合成
【化8】
【0086】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びデカヒドロイソキノリン(3)(1.59ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、所望の生成物として白色固形物を得た。
【0087】
[実施例3]
メタノン、(4,4−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成
【化9】
【0088】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(10ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び4,4−ジメチルピペリジンヒドロクロリド(4)(828mg、5.5mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一化学物質の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、所望の生成物として結晶性白色固形物を得た。
【0089】
[実施例4]
メタノン、(シクロペンチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イルの合成
【化10】
【0090】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びシクロペンチルアミン(5)(1.09ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にヘキサン中15%EAからの結晶化によって精製し、所望の生成物を白色固形物として得た。
【0091】
[実施例5]
メタノン、(4−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C13)の合成
【化11】
【0092】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び4−メチルピペリジン(6)(1.27ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、所望の生成物として白色固形物を得た。
【0093】
[実施例6]
メタノン、(3−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C14)の合成
【化12】
【0094】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(1g、5.5mmol)及び3−メチルピペリジン(7)(1.31ml、11.1mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC[15:85 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成及び多少のSMの残存を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、所望の生成物として白色固形物を得た。
【0095】
[実施例7]
メタノン、(4−アミド−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C7)の合成
【化13】
【0096】
4−ピペリジンカルボキサミド(8)(71mg、0.6mmol)をゆるやかに加温することによって、ACN:CHCl
3(3ml、1:1)溶液に溶解させた。DIPEA(96μL、0.6mmol)を、続いてトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(100mg、0.5mmol)を添加して、溶液を室温にて20時間撹拌した。このとき、TLC[CHCl
3中7%MeOH、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3中15% IPA(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄し、脱水して(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にFCによってシリカゲル上でCHCl
3中7%MeOHを使用して更に精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0097】
[実施例8]
メタノン、(3−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化14】
【0098】
TFA(3ml)をDCM(3ml)中のNboc−3−シアノピペリジン(9)(300mg、1.4mmol)の溶液に添加して、室温にて1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残留物をCHCl3中の15% IPA(8ml)に溶解させ、1N NaOH:飽和NaCl溶液(8ml、1:1)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して、3−シアノピペリジン(10)(141mg、90%収率)を得て、これを粗生成物のまま次のステップで使用した。トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(100mg、0.5mmol)をCHCl
3(1ml)中の3−シアノピペリジン(10)(61mg、0.6mmol)及びDIPEA(96μL、0.6mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。このとき、TLC[40:60 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、主生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にFCによってシリカゲル上で40:60 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0099】
[実施例9]
メタノン、(4−シアノ−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル(化合物C6)の合成
【化15】
【0100】
TFA(3ml)をDCM(3ml)中のNboc−4−シアノピペリジン(11)(300mg、1.4mmol)の溶液に添加して、室温にて1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残留物をCHCl3中の15% IPA(8ml)に溶解させ、1N NaOH:飽和NaCl溶液(8ml、1:1)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して4−シアノピペリジン(12)(141mg、90%収率)を得て、これを粗生成物のまま次のステップで使用した。トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(230mg、1.2mmol)をCHCl
3(2ml)中4−シアノピペリジン(12)(140mg、1.3mmol)及びDIPEA(222μL、1.3mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。このとき、TLC[40:60 EA:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、主生成物の形成を示した。溶液をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl(8ml)、飽和NaHCO
3(8ml)で洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にFCによってシリカゲル上で40:60 EA:ヘキサンを使用して更に精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0101】
[実施例10]
メタノン、(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C21)の合成
【化16】
【0102】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.5mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチルアミン(13)(271μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中15%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0103】
[実施例11]
メタノン、(3,3−ジメチルブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C19)の合成
【化17】
【0104】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.5mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃とした。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,3−ジメチルブチルアミン(14)(228μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中15%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0105】
[実施例12]
メタノン、(デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C10)の合成
【化18】
【0106】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(40.0g、0.200モル)を窒素雰囲気下、DCM(340ml、1.2 M)中で撹拌して、溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。DIPEA(27.3g、18.44ml、0.210モル)及びデカヒドロキノリン(15)(28.35g、30.28ml、0.210モル)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液に添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをシリカゲル上で(3インチシリカゲル床で濾過)15:85 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物を白色結晶性固形物として得た。
【0107】
[実施例13]
メタノン、(トランス−デカヒドロキノリニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化19】
【0108】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(200mg、1ミリモル)を CHCl
3(2ml)中のトランス−デカヒドロキノリン(16)(154mg、1.1ミリモル)及びDIPEA(193μL、1.1ミリモル)に添加して、溶液を室温にて16時間撹拌した。反応混合物をCHCl
3(8ml)で希釈して、0.1N HCl、飽和NaHCO
3で続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによりシリカゲル上でヘキサン中7%EAを使用して精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0109】
[実施例14]
メタノン、(アゼチジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C4)
【化20】
【0110】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(540μL、3.1mmol)及びアゼチジンヒドロクロリド(17)(148mg、1.6mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EA:水(10ml;1:1)を添加して、有機層を分離し、水層をEA(5ml)で洗浄した。合せた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上でヘキサン中15−25%EAを使用して精製して、生成物として白色固形物を得た。
【0111】
[実施例15]
メタノン、(ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化21】
【0112】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びピロリジン(18)(131μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、1N HCl、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物(334mg、95%)として得た。
【0113】
[実施例16]
メタノン、(ヘキサヒドロアゼピニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C5)の合成
【化22】
【0114】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びアゼパン(19)(192μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0115】
[実施例17]
メタノン、(2−メチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C12)の合成
【化23】
【0116】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び2−メチルピペリジン(20)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0117】
[実施例18]
メタノン、(3,5−ジメチル−1−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C15)の合成
【化24】
【0118】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,5−ジメチルピペリジン(21)(226μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。水を添加して、有機層を分離し、水層をDCM(5ml)で洗浄した。合せた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で12:88 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物として白色固形物を得た。
【0119】
[実施例19]
メタノン、(4−メチル−4−エチル−ピペリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C16)の合成
【化25】
【0120】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び4−エチル−4−メチルピペリジン(22)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。水を添加して、有機層を分離し、水層をDCM(5ml)で洗浄した。合せた有機層を0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で12:88 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物として白色固形物を得た。
【0121】
[実施例20]
メタノン、(3,3−ジエチル−ピロリジニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C17)の合成
【化26】
【0122】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び3,3−ジエチルピロリジン(23)(216mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。EAを添加して、有機層を1N HCl、飽和NaClで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で15:85 EA:ヘキサンを使用して精製し、生成物を白色固形物として得た。
【0123】
[実施例21]
メタノン(シクロブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−の合成
【化27】
【0124】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びシクロブチルアミン(24)(150μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、1N HCl、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0125】
[実施例22]
メタノン、(2,2−ジメチルプロピルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C20)の合成
【化28】
【0126】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び2,2−ジメチルプロピルアミン(25)(150μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0127】
[実施例23]
メタノン、(N,N−ジイソプロピル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C18)の合成
【化29】
【0128】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びジイソプロピルアミン(26)(232μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、EAで洗浄した。濾液を合わせ、0.1N HCl、水、飽和NaHCO
3、飽和NaClで続けて洗浄して、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これをFCによってシリカゲル上で20:80 EA:ヘキサンを使用して精製して、生成物として白色固形物を得た。
【0129】
[実施例24]
メタノン、(1,3−ジメチル−ブチルアミニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C22)の合成
【化30】
【0130】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(4mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及び1,3−ジメチルブチルアミン(27)(239μL、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をシリカゲル床上で精製して、生成物を白色固形物として得た。
【0131】
[実施例25]
メタノン、(トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカニル)−N−トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C8)の合成
【化31】
【0132】
トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(300mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下、DCM(3mL)中で撹拌して、溶液を氷浴で0℃まで冷却した。DIPEA(300μL、1.7mmol)及びトリクロロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−アミン(28)(257mg、1.7mmol)を混合して、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニルクロリド溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温まで加温して、窒素下で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過して、水で洗浄し、高真空下で脱水した。粗生成物をFCによってシリカゲル上で、0.1% DIPEAを含有する15:85 EA:ヘキサンを使用して、続いてCHCl
3を用いた溶離で精製し、生成物として白色固形物を得た。
【0133】
[実施例26]
メタノン、(3−アミノテトラヒドロフラニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−
【化32】
【0134】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及び3−アミノテトラヒドロフラン(29)(1.0ml、11mmol)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0135】
[実施例27]
メタノン、(モルホニル)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C1)
【化33】
【0136】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2g、10.1mmol)及びモルホリン(30)(1.1g)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0137】
[実施例28]
メタノン、(ピペリジニ)トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカ−1−イル−(化合物C2)
【化34】
【0138】
DIPEA(1.93ml、11.1mmol)をDCM(20ml)中のトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1−カルボニルクロリド(1)(2.1g、10.1mmol)及びピペリジン(31)(1.1g)の溶液に添加して、溶液を室温にて4時間撹拌した。このとき、TLC 15:85 EA[エチルアセテート:ヘキサン、MTBE:1N HCl(400μL:400μL)中への20μL分割量]は、単一生成物の形成及び多少の出発物質を示した。溶液を0.1N HCl(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)で洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過して、溶媒を除去して粗生成物を得て、これを更にヘキサン中15%EAからの結晶化によって、白色固形物として得た。
【0139】
[実施例29]
以下の前駆物質化粧品組成物を調製して、結晶含有率、すなわち液状剤中の固形剤の溶解度について評価した。
【0140】
本発明の化粧品前駆物質処方物中の固形剤の溶解度の上昇は、固形剤、液状剤及びトリシクロデカンアミドを含むが、水、ポリマー性増粘剤、乳化剤、感覚的粒子(sensory particles)及びpH調節剤又は緩衝剤などの化粧品担体又はシャシーを生成するためだけに使用される成分を含まない、前駆物質組成物を製造することによって、目視確認してよい。組成物を、最も融点の高い化合物の融点より高い温度まで加熱して、次に室温まで冷却させる。次に前駆物質組成物を目視評価した。一般に、本発明の前駆物質組成物は、透明又は半透明であり、少なくとも6時間、好ましくは少なくとも12時間、最も好ましくは少なくとも24時間にわたってそのままであった。最終用途化粧品組成物の場合、固形剤の結晶の視覚化は、トリシクロデカンアミドを含むサンプルと含まないサンプルを比較して、結晶の形成がある場合には、交差偏光子を装着した、倍率10倍以上の光学顕微鏡下で観察することによって行った。本発明の最終用途組成物は、トリシクロデカンアミドを含まない組成物と比べて、含有する結晶が実質的に少なかった、及び/又はなお目視可能であった固形剤結晶は、サイズがはるかに小さいように見えた。本発明の最終用途組成物中の固形剤の含有率の低下/固形剤のサイズの縮小によって、固形剤が組成物中により良好に分散され、固形剤の送達がより良好となり、組成物の感覚的感触が改善された。
【0141】
得られた結果を表3にまとめる。表3の全ての観察結果は、交差偏光子を装着したLeitz Pol S光学顕微鏡を40倍の倍率で使用して得た。
【0142】
OMC=オクチルメトキシシンナメート
ペレモールGTIS=トリイソステアリン
ペレモールTISC=トリイソステアリルシトレート
PPG425=ポリプロピレングリコール
12−HSA=12−ヒドロキシステアリン酸
2−HEU=2−ヒドロキシエチル尿素
グルカムP−20=PPG−20メチルグルコース
エーテル
表3
【表3】
【0143】
[実施例30]
ハイドロゲルベース系を使用する実施例
メインタンク内でまずアリストフレックスAVCを水と合わせ、均質になるまで混合することによって、以下の組成物を生成した。残りの成分をメインタンクに続けて添加して、85℃まで加熱しながら混合した。次に組成物を混合しながら室温まで冷却して、化粧品組成物を得た。水及び水溶性成分並びに油及び油溶性成分を合わせることなどの、代わりの方法を使用することもできる。次に2つの混合物を約85℃まで加熱して、続いて合わせて、室温まで冷却して、化粧品組成物を得ることができる。請求項29で使用した手順に従ってまず前駆物質混合物を調製することを含む、当業者に公知の更に他の方法を使用して、化粧品組成物を調製することもできる。別にシャシー構成成分(ポリマー増粘剤及び水)を、均質なゲルが生成するまで混合した。次に2つの混合物を続いて、混合しながら室温にて合わせ、化粧品組成物を得た。比較例の場合、メインタンク内でまずアリストフレックスAVCを水と合わせ、均質になるまで混合することによって、組成物を生成した。残りの成分をメインタンクに続けて添加して、85℃まで加熱しながら混合した。次に続いて、組成物を混合しながら室温まで冷却して、化粧品組成物を得た。調製した組成物及び得られた観察結果を表4にまとめる。また交差偏光子を装着したLeitz Pol S光学顕微鏡を40倍の倍率で使用して、室温まで冷却した72時間後に作製したサンプル30(
図1)及び比較サンプルA(
図2)の顕微鏡写真を参照のこと。
【0145】
交差偏光子を装着した顕微鏡による両方のサンプルの観察により、トリシクロデカンアミドなしのサンプルと比較して、結晶化固形剤の量が劇的に減少したことが示されている。
【0146】
上の実施例において、化粧品担体は、アリストフレックス及び水を含む。化粧品組成物前駆物質は、クリンバゾール、エステルであるペレモールGTIS及びトリシクロデカンアミドの混合物である。
【0147】
[実施例31]
水中油型エマルジョンを使用する実施例
メインタンク内でまずキサンタンガムを水と合わせ、均質になるまで混合することによって、以下の組成物を生成した。残りの成分をメインタンクに続けて添加して、85℃まで加熱しながら混合した。次に組成物を混合しながら室温まで冷却して、化粧品組成物を得た。水及び水溶性成分並びに油及び油溶性成分を合わせることなどの、代わりの方法を使用することもできる。次に2つの混合物を約85℃まで加熱して、続いて合わせて、室温まで冷却して、化粧品組成物を得ることができる。請求項29で使用した手順に従ってまず前駆物質混合物を調製することを含む、当業者に公知の更に他の方法を使用して、化粧品組成物を調製することもできる。別にシャシー構成成分(ポリマー増粘剤及び水)を、均質なゲルが生成するまで混合した。次に2つの混合物を続いて、混合しながら室温にて合わせ、化粧品組成物を得た。負の例の場合、メインタンク内でまずアリストフレックスAVCを水と合わせ、均質になるまで混合することによって、組成物を生成した。残りの成分をメインタンクに続けて添加して、85℃まで加熱しながら混合した。次に続いて、組成物を混合しながら室温まで冷却して、化粧品組成物を得た。
【0148】
調製した組成物及び得られた観察結果を表5にまとめる。
【0150】
実施例32〜35において、水及び水溶性成分並びに油及び油溶性成分を合わせることにより、以下の組成物を生成した。2つの混合物を約85℃まで加熱して、全ての構成成分を完全に溶解させて、次に合わせて、混合しながら室温まで冷却し、化粧品組成物を得た。当業者は、代わりの方法も使用することができる。
【0151】
[実施例32]
シリコーン中水を使用する実施例
調製した組成物及び得られた観察結果を表6にまとめる。
【0153】
[実施例33]
従来のスキンクリームを使用する実施例
調製した組成物及び得られた観察結果を表7にまとめる。
【0155】
[実施例34]
シミュレートしたバニシングクリームを使用する実施例
調製した組成物及び得られた観察結果を表8にまとめる。
【0157】
[実施例35]
水−油エマルジョンを使用する実施例
調製した組成物及び得られた観察結果を表9にまとめる。
【0159】
現在好ましい実施形態について記載されているが、このような開示が限定的であるとして解釈されるべきでないことを理解されたい。上の開示を読んだ後に、当業者には疑いなく、各種の修正及び変更を着想するであろう。したがって、添付請求項は、本発明の真の精神及び範囲内に含まれるこのような修正及び変更全てを含むとして解釈されることが意図される。