特許第6364039号(P6364039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364039
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】核酸の単離方法およびキット
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/00 20060101AFI20180712BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20180712BHJP
【FI】
   C12N15/00
   C12Q1/68
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-77485(P2016-77485)
(22)【出願日】2016年4月7日
(62)【分割の表示】特願2013-168812(P2013-168812)の分割
【原出願日】2000年12月21日
(65)【公開番号】特開2016-198093(P2016-198093A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2016年4月28日
(31)【優先権主張番号】09/470,944
(32)【優先日】1999年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507051972
【氏名又は名称】アボツト・モレキユラー・インコーポレイテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジエラード・ジエイ・ガンドリング
【審査官】 西村 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−501321(JP,A)
【文献】 米国特許第05973138(US,A)
【文献】 特開平02−286100(JP,A)
【文献】 特開平11−155567(JP,A)
【文献】 特開平11−262387(JP,A)
【文献】 特開平11−191509(JP,A)
【文献】 特開平11−146783(JP,A)
【文献】 特開平11−271193(JP,A)
【文献】 特開平11−169170(JP,A)
【文献】 特表2004−500067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C12Q 1/68
CA/MEDLINE/WPIDS/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験サンプルからRNAを分離するための方法であって、
a)試験サンプルを酸化鉄担体物質および結合バッファーと接触させて、RNA/酸化鉄担体物質複合体を形成させ(該結合バッファーはカオトロピック剤、15%未満の濃度の有機溶媒、および界面活性剤を含み、該結合バッファーは4〜10のpHを有し、該結合バッファーの引火点は54.4℃(華氏130度)より高く、および該有機溶媒はエタノール、メタノール、プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される)、
b)該複合体を該試験サンプルから分離し、ならびに
c)該RNAを該酸化鉄担体物質から溶出することを含み、該RNAを該酸化鉄担体物質から溶出することが、該複合体を6.5〜9のpHを有するホスファート含有バッファーと接触させることを含み、
ここで、該方法によって溶出バッファーを交換することなく該RNAを増幅反応において直接使用することが可能となる該方法。
【請求項2】
該結合バッファーが更に還元剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該RNAを該酸化鉄担体物質から溶出した後、該RNAを検出する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該RNAを該酸化鉄担体物質から溶出した後で且つ該RNAを検出する前に、該RNAを増幅する工程を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該RNAが、異なる起源に由来するRNAを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
該結合バッファーが7.5%の濃度の有機溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該酸化鉄担体が酸化第一鉄第二鉄または酸化第二鉄である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、核酸を単離するための方法およびキット、より詳しくは、有意な濃度の可燃性成分を使用しない、核酸を単離するための方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
種々の起源から核酸を単離するための幾つかの方法が良く知られている。初期の方法は、タンパク質を選択的に沈殿させ次いでそれを核酸含有溶液から除去するためにフェノールおよび/またはクロロホルムのような有機溶媒を使用するものであった。タンパク質を除去したら、ついで溶存核酸を、アルコールを使用して沈殿させ、固体表面上に集めることが可能であった。ついで、該核酸を可溶化してそれを該固体表面から取り出すために、適当なバッファーを使用するものであった。
【0003】
前記のとおり、核酸配列を精製するための初期方法は、典型的には、起源材料中に存在するタンパク質または他の望ましくない物質から核酸配列を分別的に沈殿させるために有機溶媒を使用するものであった。核酸は、一旦沈殿すると、ガラス攪拌棒のような基体である固体上に容易に集められ、ついでそれは、精製された状態で可溶化される。また、核酸を精製するために、カオトロピック(chaotropic)剤の存在下で固体基体に対して核酸が示すアフィニティーも利用されている。カオトロピック剤の使用も含めたこれらのサンプル精製方法は、典型的には、該核酸が該固体基体に結合すること又は洗浄操作中に該基体に結合したままであることを確認するために、アルコールのような有機溶媒を使用するものである。そのような方法では、初期の核酸単離方法(この場合、有機溶媒は、使用する唯一の試薬であった)と比較して比較的低い濃度の有機溶媒を使用するが、それでもなお、これらの方法で用いるアルコール濃度は、大容積のサンプルを加工する場合には特に、処分および安全性についての重大な懸念を招く。
【0004】
核酸増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼチェイン反応(LCR)、および多コピーの標的核酸配列を合成するように設計された他の同様の方法の出現に伴い、起源材料(「サンプル調製物」または「サンプル・プレップ」と、様々に称される)からの核酸配列の単離は、益々重要な研究領域となりつつある。核酸配列の単なる精製以外にも幾つかの点を考慮すると、有用なサンプル調製方法の発見は困難なものとなる。例えば、外部核酸によるサンプルからサンプルへの汚染は、十分に立証されている重大な懸念である。また、所望の核酸配列(または「標的核酸配列」)を含有する初期サンプルは、しばしば、非常に低濃度の標的配列および比較的高濃度の外部核酸を含有する。さらに、サンプルの調製は、しばしば、使用され最終的には廃棄されうる試薬に関して厳しく管理された領域内で行われる。さらに、増幅反応に使用する目的で核酸を精製する場合には、増幅反応に一般に使用する酵素を阻害する成分を含まないバッファー中に、該核酸を最終的に存在させることが重要である。したがって、有用なサンプルの調製方法の設計においては、核酸配列の単なる精製以外にも幾つかの点を考慮しなければならない。
【0005】
このように、最低限の扱いで核酸の定量的単離をもたらし可燃性有機溶媒を必要としないサンプル調製方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、試験サンプルを酸化金属担体物質および結合バッファーと接触させて核酸/酸化金属担体物質複合体を形成させ、該複合体を該試験サンプルから分離し、該核酸を該酸化金属担体物質から溶出する工程を含む、試験サンプルから核酸を分離するための方法を提供する。該結合バッファーは、一般には、カオトロピック(chaotropic)剤および界面活性剤を含むが、有機溶媒および還元剤をも含みうる。好ましくは、該結合バッファーは、華氏125度より高い引火点を有する。該方法は、核酸が、異なる核酸含有起源(例えば、細菌およびウイルス)から精製されそれが後に検出されうる程度に十分に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図1B】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図1C】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図1D】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図1E】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図1F】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2A】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2B】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2C】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2D】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2E】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
図2F】実施例において得たデータのコンピューター解析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な記載)
本発明で提供する方法は、核酸を、試験サンプル中に存在する他の(必ずしも全てではない)成分から分離するために酸化金属担体物質を使用するものである。特に、該酸化金属は、試験サンプル中の他の成分から核酸を精製するために使用する。本発明で教示する酸化金属担体物質の使用は、現在利用可能なサンプル調製方法より優れた幾つかの重要な利点をもたらすことが見出された。例えば、酸化金属は核酸配列に対して高いアフィニティーを有し、したがって、サンプルからサンプルへの汚染が最小限に抑制される。なぜなら、核酸は、望ましくない領域に逃れることなく該酸化金属担体に制御可能に結合しうるからである。また、酸化金属担体は、試験サンプル中の核酸の、より定量的な精製をもたらし、したがって、該試験サンプル中に存在しうる少量の所望の核酸でさえ、集められる。さらに、他のサンプル調製方法に従い一般に使用されるが処分についての重大な懸念を招く有機溶媒(例えば、アルコール、フェノールまたはクロロホルム)を低濃度で含む(または有機溶媒の使用を有意には伴わない)試験サンプルから核酸を分離するために、酸化金属粒子を使用することができる。さらに、増幅反応に完全に適合したバッファーを使用して、核酸を酸化金属担体から溶出することができる。すなわち、該溶出バッファーを増幅反応に適したバッファーと交換することなく、本発明で提供する方法で試験サンプルから分離された核酸を増幅反応において使用することができる。
【0009】
また、本発明で提供する方法は、DNAおよび種々の形態のRNAの両方を単一の試験サンプルから分離するために使用することができる。したがって、本発明で提供する方法を用いて、同じ試験サンプル中の種々の異なる細胞および/または生物から核酸を、それが後に検出されうるように分離することができる。
【0010】
一般には、該方法は、試験サンプルを酸化金属担体物質および結合バッファーと接触させることを含む。結合バッファーの存在下では、試験サンプル中に含有される全てのタイプの核酸、例えばDNAおよび種々の形態のRNAが該酸化金属担体物質に結合する。ついで該酸化金属担体物質およびそれに結合したいずれかの核酸が、該試験サンプルから分離されうる。所望により、該担体物質およびいずれかの結合核酸を、溶出バッファーを使用して、該核酸を溶出する前に洗浄することができる。ついで、溶出したいずれかの核酸を、よく知られた種々の検出技術のいずれかを用いて検出することができる。
【0011】
本発明で用いる「試験サンプル」なる語は、核酸を含有すると疑われるいずれかのものを意味する。該試験サンプルは、例えば血液、眼レンズ液、脳脊髄液、乳、腹水液、滑液、腹膜液、羊水、組織、発酵ブロス、細胞培養、増幅反応の産物、核酸合成産物などを含む生物学的起源のような任意の起源であることが可能であり、あるいはそれらに由来するものであることが可能である。また、試験サンプルは、例えば、下水または布を含む環境的または法的起源からのものでありうる。該試験サンプルは、該起源から得られたままの状態で直接的に、あるいは該サンプルの特性を修飾するための前処理の後に使用することができる。したがって、該試験サンプルは、使用前に、例えば血液からの血漿の調製、生物学的流体からの細胞の単離、組織のホモジネーション、細胞またはウイルス粒子の破壊、固体物質からの液体の調製、粘性流体の希釈、液体の濾過、液体の蒸留、液体の濃縮、阻害成分の不活性化、試薬の添加、核酸の精製などにより前処理することができる。
【0012】
本発明で用いる「酸化金属担体物質」は、金属元素の酸化物および水酸化物(その種々の原子価状態のいずれかのもの)を意味する。したがって、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、鉄、ケイ素、ニッケル、クロム、亜鉛および前記の組合せの酸化物は酸化金属担体物質である。酸化鉄は、好ましい酸化金属担体物質である。したがって、酸化第一鉄第二鉄(Fe)および酸化第二鉄(Fe)は、好ましい酸化金属担体物質である。酸化金属担体物質は、例えば、プレート、粒子、コーティング、繊維、多孔性構造体(例えば、フィルター)のような任意の形態でありうる。粒子は、その大きな表面積のため、該酸化金属担体物質の好ましい形態である。
【0013】
「結合バッファー」は、試験サンプル中に存在する核酸の、酸化金属担体物質に対する結合を促進する。核酸は、多種多様なバッファー中、該バッファーのpHとは無関係に、酸化金属担体物質に結合することが判明している。したがって、該結合バッファーは、酸性pH(7未満)、中性pH(7に等しい)または塩基性pH(7より大きい)を有しうる。結合バッファーは、一般には緩衝系を含む。緩衝系は良く知られており、当業者により選択される。緩衝系は、典型的には、弱酸およびその対応塩基(例えば、リン酸ナトリウムおよびリン酸)の水溶液である。結合バッファーは、好ましくは3〜12、より好ましくは3〜11、最も好ましくは4〜10のpHを有する。該結合バッファーはまた、当業者に良く知られた界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤を、1%〜25%、好ましくは5%〜20%の総濃度で含有しうる。
【0014】
核酸を、例えば、核酸を含有する細胞またはウイルス粒子から直接的に精製する場合には、該結合バッファーは、好ましくは更に、2M〜10M、好ましくは3M〜6Mの濃度のカオトロピック剤を含む。カオトロピック剤は当技術分野で良く知られており、タンパク質を分解または可溶化する物質を含む。代表的なカオトロピック試薬には、グアニジンイソチオシアナート(GITC)、グアニジンHCl、ヨウ化カリウム、尿素などが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、還元剤、例えばメルカプトエタノール、ジチオトレイトールおよび2−メルカプトエタンスルホン酸を、25mM〜150mM、好ましくは50mM〜100mMの濃度で該結合バッファーに加えることができる。
【0015】
必ずしも必要ではないが、該結合バッファーはまた、華氏125°より高い引火点を有する結合バッファーを与えない濃度のアルコールまたは他の有機溶媒を含みうる。該バッファーの引火点は、液体の引火点を測定するための良く知られた方法のいずれかを用いて測定することができる。一般には、15%未満の濃度で使用する有機溶媒は、華氏125°より高い引火点を有する結合バッファーを与える。該結合バッファーに溶媒を加える場合には、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールが、好ましいアルコールである。
【0016】
前記のとおり、該結合バッファーの存在下では、該試験サンプル中の核酸は該担体物質に結合する。該核酸と担体物質との複合体が形成したら、該担体物質を該結合バッファーおよび残りの試験サンプルから分離することができる。該担体物質の形態に応じて、分離方法が当業者により選択される。例えば、該担体物質が粒子形態である場合には、該担体物質は、例えば、沈降することが可能であり、残りの液体物質を、吸引により又は該担体物質から該液体を単に排出させることにより、該担体から除去することができる。本発明の担体物質の組成を考慮すると、粒子状担体物質の沈降または単離を促進させるために磁界を用いることが好ましい。
【0017】
所望により、該担体物質と複合体形成した核酸配列を、該担体物質から該核酸を解離しない任意のバッファーで洗浄することができる。典型的には、該担体物質およびそれと複合体形成した任意の核酸を、残留する及び望ましくない任意の試験サンプル成分から取り出すために、洗浄バッファーを使用する。そのような洗浄バッファーは当技術分野において良く知られており、典型的には、既に挙げられているような界面活性剤の同様の濃度の溶液を含有する。そのような界面活性剤は、典型的には、同様に前記で示した緩衝系中に希釈される。
【0018】
該担体物質と複合体形成した核酸は、洗浄されたか否かにかかわらず、水または溶出バッファーを使用して、該酸化金属担体物質から取り出したり又は解離させることができる。本発明の「溶出バッファー」は、該酸化金属担体物質から結合核酸を分離する任意の試薬または任意の試薬の組合せでありうる。好ましくは、そのような試薬は、該核酸に使用する検出系に適したものであり、特に、核酸増幅系において使用する試薬に適したものである。水(これは蒸留、脱イオン化または精製されうる)は、本発明の目的のための溶出バッファーとして役立ちうる。リン酸塩(ホスファート)またはビシンを含有する溶出バッファー(典型的には、前記の緩衝系を含む)はまた、適当な溶出バッファーであることが判明しており、他のバッファーは、当技術分野の通常の技術(例えば、酸化金属−核酸複合体をバッファーと接触させ、分離が生じたか否かを判定すること(後記で例示する))を用いて実験的に容易に見出されうる。該溶出バッファーは、10mM〜300mM、好ましくは10mM〜100mMの濃度の、少なくとも1つのホスファート官能性を含有する有機化合物であるリン酸ナトリウムまたは有機ホスファート化合物の添加を介して無機または有機ホスファートを含有しうる。O−ホスホセリン、ホスホエタノールアミン、カルバミルホスファート、ホスホクレアチン、アデノシン一リン酸(AMP)およびリンタングステン酸は、有機ホスファート化合物の典型例である。溶出バッファーのための適当なpHは、6〜10、好ましくは7〜9でありうる。
【0019】
ついで、精製された核酸を、当技術分野で良く知られたアッセイを用いて検出することができる。例えば、検出の前に増幅工程を行い又は行うことなく、サンドイッチハイブリダイゼーションアッセイを用いることができる。例えばTMA、QB−レプリカーゼ、NASBA、SDA、LCRおよびPCRのような良く知られた増幅反応は、本発明に従い精製された核酸を増幅するために用いることができる増幅反応の具体例である。
【0020】
前記増幅反応は、典型的には、広く知られた増幅試薬を使用する。本発明で用いる「増幅反応試薬」なる語は、核酸増幅反応に使用されることが良く知られた試薬を意味し、プライマー、プローブ、単一または複数の試薬、酵素、または逆転写、ポリメラーゼおよび/またはリガーゼ活性を別々に又は個々に有する酵素;酵素補因子、例えばマグネシウムまたはマンガン;塩;ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD);およびデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、例えばデオキシアデノシン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、デオキシシトジン三リン酸およびチミジン三リン酸を含みうる(それらに限定されるものではない)。使用する厳密な増幅試薬は、概ね、使用する個々の増幅反応に基づき当業者により選択される。
【0021】
前記のとおりに精製した核酸の増幅は、該酸化金属担体物質から該核酸を解離させるために使用する溶出バッファー中で行うことができる。特に、増幅試薬を該溶出バッファー中の核酸と組合せ、該核酸の増幅を直接的に行うことができる。
【0022】
本発明は更に、本発明の核酸を単離するための適当にパッケージングされた試薬を含むキットを提供する。該キットは、酸化金属担体物質、結合バッファー(前記のとおり)および溶出バッファー(前記のとおり)を含みうる。該キットはまた、単離された核酸を個々のアッセイにおいて使用するための他の適当にパッケージングされた試薬および物質を含有しうる。例えば、該キットは更に、核酸増幅プライマーおよび/または核酸プローブ、バッファー、ヌクレオチド、酵素、コンジュゲートなどを含みうる。
【0023】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、特許請求の範囲および明細書を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0024】
実施例1
酸化金属担体物質を使用する放射能標識RNAの結合および溶出
本実施例では、放射能標識されたRNAを種々の酸化金属担体物質に結合させ、洗浄し、ついで該担体物質から溶出した。結合RNAの量および該洗浄中に失われたRNAの量、そして最終的には、溶出したRNAの量を測定するための方法の経過の全体にわたり、計数/分(CPM)をモニターした。
【0025】
本実施例で使用する放射能標識RNAは、Riboprobe T7 RNAポリメラーゼ転写系およびpGEMEX−1陽性対照鋳型(Promega Corporationからのもの)を使用して調製した。該結合および溶出実験においては、約8,000,000 CPMの該放射能標識プローブを、6mlのグアニジンイソチオシアナート−界面活性剤溶液(6M GITC,10% Tween−20,16mM セチルトリメチルアンモニウムブロミド,100mM 酢酸ナトリウム,100mM ジチオトレイトール,pH4.2,7.5% エタノール)中の5mgのFeまたはFe酸化金属粒子(ISK Magnetics;Valparaiso,INから入手される)の懸濁液に加えた。該RNAをそれぞれの粒子懸濁液に加えた後、該懸濁液を手短にボルテックスし、37℃で30分間インキュベートした。
【0026】
該インキュベーションの後、該酸化金属粒子をそれぞれのミクロフュージチューブの表面に磁石で引き付け、該上清をピペットで吸引した。該上清のCPMを測定した。それを、後記表1に「未結合」RNAとして示す。
【0027】
ついで、前記のとおりに該粒子を該ミクロフュージチューブの表面に引き付け、該洗浄溶液を該ミクロフュージチューブから吸引する前に、0.5mlの洗浄溶液を加え、新たに生成した懸濁液をボルテックスすることにより、該粒子を洗浄した。該粒子をグアニジニウムイソチオシアナート−界面活性剤溶液(2M GITC,5% Tween−20,50mM KOAc,pH6)で2回洗浄し、50mM Trisバッファー,pH8.0で2回洗浄した。該洗液をプールし、該粒子から除去された標識の量を測定した。それを表1に「洗液」として示す。
【0028】
該洗浄溶液を吸引した後、200μlの溶出バッファーを、該洗浄粒子を含有するチューブに加えた。該溶出バッファーは、100mM o−ホスホセリン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)および300mM Tris塩基の溶液(8.0の最終pHを有する)であった。該溶出バッファーを加えた後、新たに生成した粒子懸濁液を手短にボルテックスし、該懸濁液を70℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、該粒子を、磁気ラック(magnetic rack)を使用して該チューブの表面上に捕捉し、溶離液を取り出した。該CPMを測定した。それを表1に「溶離液1」として示す。新鮮な溶出バッファーを該粒子に加え、該溶出方法を繰返した。該第2溶出のCPMを表1に「溶離液2」として示す。
【0029】
該粒子を200μlの第3アリコートの溶出バッファーに再懸濁させ、溶出バッファーおよび再懸濁粒子を含有するサンプルを使用して、該粒子から遊離されないプローブの量を測定した。これを表1に「結合」として示す。
【0030】
表1に示す全ての値は、全CPMに対する割合(%)として表されている。
【0031】
【表1】
【0032】
表1のデータにより示されるとおり、該酸化第二鉄および酸化第一鉄第二鉄粒子はRNAに結合し、該RNAは該リン酸バッファーでそれぞれの粒子から溶出した。
【0033】
実施例2
種々のリン酸濃度を用いるFeからのRNAの溶出
本実施例では、実施例1のとおりに調製した放射能標識RNAをFe磁気粒子に結合させ、洗浄し、種々の濃度のリン酸ナトリウム(NaHPO)バッファーで溶出した。該溶出バッファー濃度は10〜50mM NaHPO(pH9)の範囲であった。約23,000,000 CPMの該放射能標識核酸を30mlのグアニジンイソチオシアナート−界面活性剤溶液(4M GITC,10% Tween−20,16mM セチルトリメチルアンモニウムブロミド,100mM 2−メルカプトエタンスルホン酸,100mM 酢酸カリウム,pH6)中の25mgのFe酸化金属粒子の懸濁液(水中の10% w/v 粒子懸濁液0.25ml)に加えた。ついで、5つの1mlサンプルの希釈効果を刺激するために、5mlの水を該懸濁液に加えた。該懸濁液を手短にボルテックスし、それぞれ7mlの5つの等しいアリコートに分割し、該懸濁液の全てを37℃で20分間インキュベートした。
【0034】
該インキュベーション後、該酸化金属粒子をそれぞれのミクロフュージチューブの表面に磁石で引き付け、該上清をピペットで吸引した。未結合プローブの量をガイガー計数管でモニターし、同じ様態でモニターした該粒子に結合した放射能の量と比較して非常に少量の放射能標識核酸を捕捉した。該未結合物質の厳密なCPMは測定しなかった。
【0035】
ついで、前記のとおりに該ミクロフュージチューブの表面に該粒子を引き付け該洗浄溶液を該ミクロフュージチューブから吸引する前に、0.5mlの洗浄溶液を加え、新たに生成した懸濁液をボルテックスすることにより、該粒子を洗浄した。該粒子を2M GITC、5% Tween−20、50M KOAc(pH6)で2回洗浄し、50mM Trisバッファー(pH8.0)で2回洗浄した。該洗浄をガイガー計数管でモニターした。また、該洗浄操作中に遊離された放射能の量は無視しうるものであることが判明した。該サンプルを該溶出バッファーのそれぞれの0.2mlで73℃で10分間にわたり溶出した。該溶離液を、該粒子の磁気捕捉後に集め、保存した。該溶出プロトコールを繰返し、該第2溶離液も保存した。また、溶出バッファーの第3アリコートを該粒子に加え、懸濁液中の粒子を使用して、結合プローブの量を測定した。該溶離液および粒子懸濁液のそれぞれの20μl アリコートを5mlのシンチレーション蛍光体と混合し、計数した。表2は、この実験で使用した溶出バッファー中のリン酸ナトリウムの濃度(第1欄)、第1および第2溶出後に回収された全計数に対する割合(%)(第2欄および第3欄)、ならびに両方の溶出後の磁気粒子上に残存する計数に対する割合(%)(「結合」)を示す。
【0036】
【表2】
【0037】
表2に示すとおり、種々の濃度のリン酸バッファーが該酸化金属粒子から該RNAを溶出した。
【0038】
実施例3
有機ホスファート溶出バッファーの使用
本実施例では、種々の有機ホスファートバッファーを、それらが酸化金属担体物質から核酸を溶出する能力に関して、無機ホスファートバッファーと比較して試験した。該溶出バッファー中で使用した有機ホスファート化合物の全ては、Sigma Chemical Co.から入手した。表3に示す場合を除き、すべてのバッファーは50mMで調製し、1M トリス塩基で6.5〜9の最終pHにpH調節した。前記実施例と同様、該放射能標識RNAを実施例1のとおりに調製した。約1,000,000 CPMの該放射能標識RNAを12mlのグアニジンイソチオシアナート−界面活性剤溶液(6M GITC,10% Tween−20,16mM セチルトリメチルアンモニウムブロミド,100mM 酢酸ナトリウム,100mM ジチオトレイトール,pH4.2,7.5% エタノール)中の10mgのFe酸化金属粒子の懸濁液に加えた。サンプルの添加を刺激するために、2mlの水を該懸濁液に加えた。該懸濁液を手短にボルテックスし、37℃で25分間インキュベートした。該粒子を磁気的に集め、該上清を除去した。ガイガー計数管で調べたところ、該上清中でシグナルの有意な喪失は観察されなかった。該粒子を6mlの50mM 酢酸カリウム(pH6.0)に再懸濁させることにより、該粒子を洗浄した。該粒子を磁気的に集め、該洗浄流体を取り出した。ガイガー計数管で調べたところ、該上清中でシグナルの有意な喪失は観察されなかった。該洗浄操作を繰返した。ついで該粒子を6mlの該酢酸カリウム洗浄流体に再懸濁させ、十分に混合し、0.5ml アリコートを10個の別々の1.5ml ミクロフージチューブ内に分注した。該チューブを磁気ラックに移し、該粒子を該チューブの表面に集め、該洗浄流体を除去した。ついで100μlの種々の溶出バッファーを該微粒子に加え、70℃で10分間インキュベートした。ついで50μlの該溶出サンプルをシンチレーション計数管中で計数して、遊離したプローブの量を測定した。出発物質(核酸)のおよその全計数は40,000 CPM/サンプルであった。表3は、この実験の結果を示し、該溶出バッファーおよびその溶出バッファーで遊離した計数を示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表3に示すとおり、有機ホスファートバッファーは、酸化金属担体物質から結合核酸を溶出するための適当なバッファーである。
【0041】
実施例4
血漿中のHIVビリオンからのRNAの抽出
本実施例では、前記の酸化金属粒子を使用して、種々のレベルのHIVビリオンを含有する4つの試験パネルの血漿から、HIV核酸を抽出した。陰性血漿を陰性対照として使用した。また、商業的に入手可能なQiagenウイルス核酸抽出キット(Qiagen Inc.;Valencia CA)を使用して、該血漿サンプルからの核酸を抽出した。Abbott LCx(登録商標)Quantitiative HIVアッセイ(Abbott Laboratories;Abbott Park,ILから入手可能)を用いて、該サンプル中のHIV核酸を分析した。
【0042】
それぞれのサンプル調製方法は、それらの4つの試験パネルおよび該陰性対照のそれぞれからの1mlの血漿サンプルに対して行った。Qiagen法を、該製造業者の説明に従い、該パネルに対して行い、Abbott LCx(登録商標)HIVアッセイを用いて該サンプルを定量した。試験パネル1〜4は、それぞれ、28ビリオン/ml、110ビリオン/ml、800ビリオン/mlおよび10,000ビリオン/mlを含有していた。1mlの試験血漿サンプルを6mlの結合バッファー(5M グアニジニウムイソチオシアナート,10% Tween−20,16mM セチルトリメチルアンモニウムブロミド,100mM ジチオトレイトール,100mM 酢酸Na,pH4.1)および5mgのFe粒子と混合することにより、該酸化金属法を行った。該ライセートを37℃で20分間インキュベートした。ついで、前記のとおりに該粒子を該ミクロフュージチューブの表面に引き付け該洗浄溶液を該ミクロフュージチューブから吸引する前に、0.5mlの洗浄溶液を加え、新たに生成した懸濁液をボルテックスすることにより、該粒子を洗浄した。該粒子を2M GITC、5% Tween−20、50mM KOAc(pH6)で2回洗浄し、50mM Trisバッファー(pH8.0)で2回洗浄した。該洗浄溶液を吸引した後、200μlの溶出バッファーを、該洗浄粒子を含有するチューブに加えた。該溶出バッファーは、50mM o−ホスホセリンおよび150mM Tris塩基の溶液(8.0の最終pHを有する)であった。該溶出バッファーを加えた後、新たに生成した粒子懸濁液を手短にボルテックスし、該懸濁液を70℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、該粒子を、磁気ラック(magnetic rack)を使用して該チューブの表面上に捕捉し、該溶離液を取り出した。ついで、それぞれのサンプル調製方法に従い回収された50μlの該溶液を増幅および検出に付した。
【0043】
それぞれのサンプル調製方法から50μl アリコートを逆転写し、PCRを用いて増幅した。1×EZバッファー、2.5mM 塩化マンガン、それぞれ0.15mMの最終濃度で存在するdNTP(dATP,dGTP,dTTPおよびdCTP)および5単位/反応の濃度の組換えテルムス・テルモフィルス(Thermus thermophilus)ポリメラーゼを使用して、RT−PCRを行った。該標識プライマーは40nMの濃度で使用し、該未標識プライマー濃度は40nMの濃度で使用した。該プローブ(これは、前記のとおりに標識されており、最終的には、生じたハイブリッド複合体の検出の前に該標識プライマーの産物とハイブリダイズする)は、10nMの濃度で使用した。
【0044】
反応混合物を逆転写し、増幅した。これはPerkin−Elmer 480 Thermal Cycler中で行った。反応混合物を、まず、該RNAを逆転写するために62℃で30分間、ついで94℃で2分間インキュベートした。ついで、増幅の初期段階における該反応のストリンジェンシーを促進するために、タッチダウン(touchdown)またはステップ・ダウン(step−down)プロトコールによりPCR増幅を開始した。これは、以下のとおりの8サイクルを用いるものであった:94℃で30秒間およびそれに続く70℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く69℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く68℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く67℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く66℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く65℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く64℃で80秒間の1サイクル、ついで94℃で30秒間およびそれに続く63℃で80秒間の1サイクル。ついで、94℃で30秒間およびそれに続く62℃で80秒間の35サイクルで、更なる増幅を行った。該反応混合物をサーマル(熱的)サイクルに付した後、すべての複製体をプールし、サイクリングによるばらつきの排除のためにピペッティングにより混合した。ついで該混合物を分割し、97℃で5分間変性させた。この後、温度を15℃に5分間低下させることにより、プローブオリゴハイブリダイゼーションを行った。ついで該温度を4℃に低下させ、該反応産物が検出されるまでサンプルを4℃に維持した。
【0045】
それらの4つの試験パネルおよび陰性対照に関して得られた結果を、後記表4にコピー/mlとして示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表4からの結果において示されるとおり、該酸化金属サンプル調製方法は、増幅および検出に十分な量で核酸を血漿から成功裏のうちに抽出した。
【0048】
実施例5
血漿中のHIVおよびHBVビリオンからの核酸の抽出
本実施例では、前記の酸化金属粒子を使用して、HIVビリオンおよびHBVビリオンの両方をそれぞれ1000ビリオン/mlの濃度で含有する1mlの血漿から、HIV核酸(RNA)およびHBV核酸(DNA)を抽出した。陰性血漿を陰性対照として使用した。該細胞溶解条件は、GITC(3.33〜4.66M)、DTT(0〜100mM)、Tween−20(13.3〜24%)およびCTAB(0〜24mM)の濃度ならびにpH(4〜10)ならびに温度(35℃〜55℃)の範囲に及ぶよう、様々に変化させた。45個の異なる組合せの試薬および条件を該細胞溶解工程において使用し、3mlの細胞溶解バッファーで全てのサンプルを抽出した。各抽出において5mgのFe粒子を使用した。各条件は少なくとも3回使用し、中心(centerpoint)条件は30回使用した。該粒子を2M GITC、5% Tween−20、50M KOAc(pH6)で2回洗浄し、50mM Trisバッファー(pH8.0)で2回洗浄した。該洗浄溶液を吸引した後、200μlの溶出バッファーを、該洗浄粒子を含有するチューブに加えた。該溶出バッファーは、50mM o−ホスホセリンおよび150mM Tris塩基の溶液(8.0の最終pHを有する)であった。該溶出バッファーを加えた後、新たに生成した粒子懸濁液を手短にボルテックスし、該懸濁液を70℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、該粒子を、磁気ラック(magnetic rack)を使用して該チューブの表面上に捕捉し、該溶離液を取り出した。ついで、それぞれのサンプル調製方法に従い回収された溶液50μlを増幅および検出に付した。該溶出物質を分割し、PCRに基づく2つのアッセイ(1つはHIVおよび1つはHBV)を用いて分析した。該アッセイは「ビーコン」アッセイであり、ハイブリダイゼーションプローブ(これは、増幅された標的物質への該プローブの結合に際して蛍光の増加を示す)を用いる。
【0049】
該HIVアッセイのためには、それぞれのサンプル調製方法から50μl アリコートを逆転写し、PCRを用いて増幅した。1×EZバッファー、3mM 塩化マンガン、それぞれ0.100mMの最終濃度で存在するdNTP(dATP,dGTP,dTTPおよびdCTP)および14.4単位/反応の濃度の組換えテルムス・テルモフィルス(Thermus thermophilus)ポリメラーゼを使用して、RT−PCRを行った。フォワードプライマー(配列番号1)は188nMの濃度で使用し、リバースプライマー(配列番号2)は469nMの濃度で使用した。該HIVビーコンプローブ(配列番号3)は100nMの濃度で使用した。反応混合物を逆転写し、増幅した。これは、96ウェル増幅トレイを使用してPerkin−Elmer 9700 Thermal Cycler中で行った。反応混合物を、まず、該RNAを逆転写するために59℃で30分間インキュベートした。ついで92℃で15秒間およびそれに続く59℃で30秒間およびそれに続く72℃で15秒間の5サイクルでPCR増幅を行った。この後、92℃で4秒間およびそれに続く64℃で8秒間およびそれに続く72℃で4秒間の55サイクルを行った。ついで該反応を92℃に30秒間加熱し、ついで45℃で15分間維持し、ついで25℃に低下させた。Cytofluor Series 4000プレートリーダー中で該プレートを読み取ることにより、シグナルの量を測定した。
【0050】
該HBVアッセイのためには、それぞれのサンプル調製方法から50μl アリコートを、PCRを用いて増幅した。1×PCRバッファー、3.5mM 塩化マグネシウム、それぞれ0.100mMの最終濃度で存在するdNTP(dATP,dGTP,dTTPおよびdCTP)および7単位/反応の濃度のAmpliTaq Goldを使用して、RT−PCRを行った。フォワードプライマー(配列番号4)は200nMの濃度で使用し、リバースプライマー(配列番号5)は300nMの濃度で使用した。該HBVビーコンプローブ(配列番号6)は50nMの濃度で使用した。反応混合物を、96ウェル増幅トレイを使用してPerkin−Elmer 9700 Thermal Cycler中で増幅した。反応混合物を、まず、該酵素を活性化するために94℃で10分間インキュベートした。ついで94℃で60秒間およびそれに続く58℃で30秒間の45サイクルでPCR増幅を行った。ついで該反応を58℃で10分間維持し、該温度を94℃に5分間上昇させ、ついで55℃で15分間維持し、ついで25℃に低下させた。Cytofluor Series 4000プレートリーダー中で該プレートを読み取ることにより、シグナルの量を測定した。
【0051】
該研究において種々のサンプルから生じたシグナルを、該HIVサンプルに関しては表5に、該HBVサンプルに関しては表6に示す。これらの表は、該サンプルに用いた細胞溶解条件、該サンプルで加工された内部対照(int Ctrl)から生じたシグナル、および該サンプルからのHIVまたはHBVシグナルを示す。陰性(Neg)サンプルからのシグナルに対する陽性(Pos)サンプルからのシグナルの比率をプロットし、SAS Institute Inc.からのJMPソフトウェアを使用して解析した。該HIV抽出物および該HBV抽出物の両方からの結果(それぞれ図1および2)は、HIVおよびHBVの両方に関する方法において、広範囲の条件を使用することが可能であること、および多数の条件がHIVおよびHBVの両方に関する同時抽出を可能にすることを示している。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
実施例6
尿中のクラミジア・トラコマチスおよびナイセリア・ゴノレエからの核酸の抽出
本実施例では、前記の酸化金属方法を用いて、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)の両方を含有する1mlの尿から核酸を抽出した。また、LCx(登録商標)Urine Specimen Preparation Kitを使用して、該尿サンプルからの核酸を抽出した。Abbott LaboratoriesからのLCx(登録商標)を使用して、該抽出サンプルをクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)の両方に関して試験した。
【0055】
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)の両方に関して陰性であると試験判定されたプールされた尿を使用して、Abbott Laboratoriesからの(登録商標)アッセイを使用して該サンプルパネルを作製した。クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(N.gonorrhoeae)の陽性ストックを該陰性尿に加えることにより、陽性尿パネルを作製した。「低陽性」パネルは、尿1ml当たり0.5基本小体(EB)のクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)および0.5コロニー形成単位(cfu)のナイセリア・ゴノレエ(N.gonorrhoeae)を含有していた。「高陽性」パネルは、尿1ml当たり10 EBのクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)および10 cfuのナイセリア・ゴノレエ(N.gonorrhoeae)を含有していた。
【0056】
それぞれのサンプル調製方法は、それらの2つの試験パネルおよび該陰性対照のそれぞれからの1mlの尿サンプルに対して行った。1mlの試験尿サンプルを3mlの細胞溶解バッファー(4.3M グアニジニウムイソチオシアナート,18% Tween−20,12mM セチルトリメチルアンモニウムブロミド,50mM ジチオトレイトール,100mM Tris,pH7.6)および5mgのFe粒子(M−2038,ISK Corporation)と混合することにより、該酸化金属法を行った。該抽出混合物はまた、7.5μgのポリA RNアーゼを担体として含有していた。該ライセートを45℃で20分間インキュベートした。該粒子を磁気的に捕捉し、該ライセートを吸引により除去した。該粒子を2M GITC、5% tween−20、50mM 酢酸K(pH6)で2回洗浄し、50mM Trisバッファー(pH8.0)、0.45% アジ化Naで2回洗浄した。該洗浄溶液を吸引した後、100μlの溶出バッファーを、該洗浄粒子を含有するチューブに加えた。該溶出バッファーは、保存剤として0.045% アジ化Naを含有する水であった。該溶出バッファーを加えた後、該粒子をピペッティングにより再懸濁させ、該懸濁液を70℃で20分間インキュベートした。インキュベーション後、該粒子を、磁気ラック(magnetic rack)を使用して該チューブの表面上に捕捉し、該溶離液を取り出した。ついで、該サンプルから回収された100μlを900μlのLCx(登録商標)Urine Specimen Resuspension Buffer(50mM MgCl2および界面活性剤)で希釈した。該アッセイにおいて必要なMgCl2を加えるためには、該抽出サンプルに該再懸濁バッファーを加えなければならない。ついで50μlの該サンプルを、Abbott Laboratoriesからのクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)LCx(登録商標)アッセイにおいて使用した。
【0057】
また、LCx(登録商標)Urine Sample Preparation Kitを使用して、該サンプルを調製した。1mlの尿サンプルを9,000×gで15分間にわたり遠心分離し、該上清を除去した。900μlのLCx(登録商標)Urine Specimen Resuspension Bufferを該ペレットに加え、該サンプルをボルテックスして該サンプルを再懸濁させた。ついで該サンプルを97℃で15分間加熱して、該DNAを遊離させた。冷却後、該酸化金属法に使用した100μlの該溶出バッファー(水および0.045% アジ化Na)を該抽出サンプルに加えて、該酸化金属抽出サンプルに対する成分の濃度を平衡化した。ついで50μlの該サンプルを、Abbott Laboratoriesからのクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)(登録商標)アッセイにおいて使用した。また、陰性および陽性対照を該アッセイにおいて使用した。クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)アッセイに関する結果は、0 比率(rate)シグナルを有する陰性対照、および1600の比率シグナルを有する陽性対照を含んでいた。クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)アッセイに関する残りの結果を表7に示す。ナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)アッセイに関する結果は、0の比率シグナルを有する陰性対照、および950の比率シグナルを有する陽性対照を含んでいた。ナイセリア・ゴノレエ(Neiseria gonorrhoeae)アッセイに関する残りの結果を表8に示す。両方の細胞型に関するLCx(登録商標)アッセイのための標準的抽出方法および該酸化金属法を行った。
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]