【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
説明される特徴は、概して、複数の基準マーカを組織内に埋め込むための1つ以上の改善された方法、システムおよびデバイスに関連する。本開示の様々な実施例によると、複数の基準マーカを組織内に埋め込むためのデバイスが説明される。デバイスは、近位端部、遠位端部、およびそれらの間に延在する管腔を有する針と、近位端部および遠位端部を有するスタイレットとを含み得る。スタイレットの遠位端部は、針の管腔内をスライドするように寸法取りされている。デバイスは、複数の停止機構を有する多停止部スタイレットスペーサも含み得、複数の停止機構は、スタイレットに係合することにより、針の遠位端部から複数の所定の距離においてスタイレットの遠位端部を停止させるように構成されている。
【0005】
ある局面において、多停止部スタイレットスペーサは、スタイレットの近位端部に直交する平面において多停止部スタイレットスペーサを作動させることによって、複数の位置の間で調整可能である。そのような実施例において、スタイレットの近位端部は、複数の位置の各々において異なる停止機構に係合し得る。
【0006】
いくつかの実施例によると、多停止部スタイレットスペーサは、3つの位置の間で調整可能である。第1の位置において、スタイレットの近位端部は、第1の停止機構に係合することにより、針の遠位端部に関する第1の場所にスタイレットの遠位端部を停止させ得る。第2の位置において、スタイレットの近位端部は、第2の停止機構に係合することにより、第1の場所に対して遠位に位置する第2の場所にスタイレットの遠位端部を停止させ得、第3の位置において、スタイレットの近位端部は、第3の停止機構に係合することにより、第2の場所に対して遠位に位置する第3の場所にスタイレットの遠位端部を停止させ得る。
【0007】
いくつかの実施例において、デバイスは、針の管腔内に収容されている複数の基準マーカをさらに含み、第1の位置において、第1の停止機構は、針の遠位端部からの複数の基準マーカのうちの任意のものの展開を防止し、第2の位置において、第2の停止機構は、複数の基準マーカのうちの第1の基準マーカの展開を可能にする一方で、複数の基準マーカのうちの第2の基準マーカの展開を防止する。
【0008】
針の遠位端部からの複数の所定の距離は、針の前記管腔内に収容されている複数の基準マーカの数および大きさに基づき得る。ある実施例において、多停止部スタイレットスペーサの複数の停止機構は、階段ステップ構成に配列された複数のレッジを備えている、
【0009】
加えてまたは代替的に、デバイスは、針の管腔内に収容されている複数の基準マーカをさらに含み、その複数の基準マーカは、少なくとも1つの基準マーカスペーサによって隔てられている。基準マーカは、ざらざらまたは犬の骨形状であり得る。さらに、デバイスは、針の遠位端部に結合されている基準マーカ保留部材も含み得る。ある実施例によると、基準マーカ保留部材は、骨蝋、または、針の遠位端部を覆ってフィットするように構成されているキャップ、または、針の管腔内に配置された1つ以上の戻り止め、または、それらの機構の組み合わせを含む。いくつかの実施例において、スタイレットは、その遠位端部がその近位端部より小さい直径を有するようにテーパー状である。
【0010】
本開示のある局面によると、複数の基準マーカを組織内に埋め込むためのシステムが説明される。システムは、近位端部、遠位端部およびそれらの間に延在する管腔を有するハンドル部材アセンブリと、近位端部、遠位端部およびそれらの間に延在する管腔を有するシースとを含み得、シースの近位端部は、ハンドル部材アセンブリの遠位端部に結合され、これにより、ハンドル部材の近位端部からシースの遠位端部まで連続的な管腔を形成する。システムは、近位端部と遠位端部とそれらの間に延在する管腔とを有する針も含み得、その針は、ハンドル部材アセンブリおよびシースの連続的な管腔を通って前進するように寸法取りされている。複数の基準マーカが針の管腔内に収容され得る。加えて、システムはまた、近位端部と遠位端部とを有するスタイレットと、複数の停止機構を有する多停止部スタイレットスペーサとを含み得、そのスタイレットは、針の管腔を通って前進するように寸法取りされており、複数の停止機構は、スタイレットに係合することにより、複数の基準マーカを針の遠位端部から制御可能に展開するように構成されている。
【0011】
システムのある実施例によると、複数の停止機構のうちの第1の停止機構が、スタイレットに係合することにより、スタイレットが複数の基準マーカのうちの任意のものを針の遠位端部から展開することを防止する。そのような実施例において、複数の停止機構のうちの第2の停止機構が、スタイレットに係合することにより、第1の基準マーカを針の遠位端部から展開することを可能にし得、複数の停止機構のうちの第3の停止機構が、スタイレットに係合することにより、スタイレットが第2の基準マーカを針の遠位端部から展開することを可能にする。
【0012】
ある局面によると、システムの多停止部スタイレットスペーサは、スタイレットの近位端部に直交する平面において多停止部スタイレットスペーサを作動させることによって、複数の位置の間で調整可能である。そのような実施例において、スタイレットの近位端部は、複数の位置の各々において異なる停止機構に係合し得る。
【0013】
特定の実施例において、多停止部スタイレットスペーサは、3つの位置の間で調整可能であり、その結果、第1の位置において、スタイレットの近位端部は、第1の停止機構に係合することにより、スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、複数の基準マーカのうちの任意のものが針の遠位端部から展開されることを防止し;第2の位置において、スタイレットの近位端部は、第2の停止機構に係合することにより、スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、複数の基準マーカのうちの第1の基準マーカの展開を可能にする一方で、複数の基準マーカのうちの第2の基準マーカの展開を防止し;第3の位置において、スタイレットの近位端部は、第3の停止機構に係合することにより、スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、複数の基準マーカのうちの第2の基準マーカの展開を可能にする。いくつかの実施例によると、多停止部スタイレットスペーサの複数の停止機構は、階段ステップ構成に配列された複数のレッジを備えている。
【0014】
いくつかの実施例において、システムは、複数の基準マーカのうちの少なくとも2つの間に配置されている少なくとも1つの基準マーカスペーサをさらに含む。加えて、システムは、針の遠位端部に結合されている基準マーカ保留部材を含み得る。ある局面によると、ハンドル部材の遠位端部は、内視鏡に結合されるように構成され得る。
【0015】
様々な実施例によると、複数の基準マーカを組織内に埋め込むための方法が説明される。方法は、針と、針に収容されている複数の基準マーカと、スタイレットと、多停止部スタイレットスペーサとを備えている基準マーカ埋め込みデバイスを提供することを含み得る。方法は、針を組織に挿入することと、スタイレットスペーサを安全位置から第1の展開位置まで調整することと、スタイレットスペーサがスタイレットに係合してスタイレットを停止させるまでスタイレットを遠位方向に前進させることによって第1の基準マーカを組織内へ展開することとをさらに含み得る。様々な実施例において、方法は、スタイレットスペーサを第1の展開位置から第2の展開位置まで調整することと、スタイレットを遠位方向に前進させることによって第2の基準マーカを組織内へ展開することとをさらに含む。様々な実施例によると、多停止部スタイレットスペーサは、安全位置および第1の展開位置の各々においてスタイレットに係合してスタイレットを停止させる複数の停止機構を備えている。
【0016】
本開示のある実施例は、上記の利点または特徴の一部を含むか、全てを含むか、またはどれも含まないことがある。1つ以上の他の技術的特徴または利点が、本願に含まれる図面、明細書および特許請求の範囲から当業者にはすぐ分かることがある。さらに、特定の利点または特徴が上で列挙されたが、様々な実施例は、列挙された利点または特徴の一部を含むか、全てを含むか、またはどれも含まないことがある。
【0017】
説明された方法および装置の適用可能性の更なる範囲が、以下の詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかとなる。説明の精神および範囲の内の様々な変化および改変が当業者に明らかとなるので、詳細な説明および具体的な実施例が、単なる例証として与えられる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
複数の基準マーカを組織に埋め込むためのデバイスであって、前記デバイスは、
近位端部と遠位端部とそれらの間に延在する管腔とを有する針と、
近位端部と遠位端部とを有するスタイレットであって、その遠位端部は、前記針の前記管腔内をスライドするように寸法取りされている、スタイレットと、
複数の停止機構を有する多停止部スタイレットスペーサであって、前記複数の停止機構は、前記スタイレットに係合することにより、前記針の遠位端部から複数の所定の距離において前記スタイレットの遠位端部を停止させるように構成されている、多停止部スタイレットスペーサと
を備えている、デバイス。
(項目2)
前記多停止部スタイレットスペーサは、前記スタイレットの近位端部に直交する平面において前記多停止部スタイレットスペーサを作動させることによって、複数の位置の間で調節可能である、上記項目に記載のデバイス。
(項目3)
前記スタイレットの近位端部は、前記複数の位置の各々において、異なる停止機構に係合する、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目4)
前記多停止部スタイレットスペーサは、3つの位置の間で調整可能であり、
第1の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第1の停止機構に係合することにより、前記針の遠位端部に関する第1の場所に前記スタイレットの遠位端部を停止させ、
第2の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第2の停止機構に係合することにより、前記第1の場所に対して遠位に位置する第2の場所に前記スタイレットの遠位端部を停止させ、
第3の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第3の停止機構に係合することにより、前記第2の場所に対して遠位に位置する第3の場所に前記スタイレットの遠位端部を停止させる、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目5)
前記針の前記管腔内に収容されている複数の基準マーカをさらに備えており、
前記第1の位置において、前記第1の停止機構は、前記針の遠位端部からの前記複数の基準マーカのうちの任意のものの展開を防止し、
前記第2の位置において、前記第2の停止機構は、前記複数の基準マーカのうちの第1の基準マーカの展開を可能にする一方で、前記複数の基準マーカのうちの第2の基準マーカの展開を防止する、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目6)
前記複数の所定の距離は、前記針の前記管腔内に収容されている複数の基準マーカの数および大きさに基づく、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目7)
前記多停止部スタイレットスペーサの前記複数の停止機構は、階段ステップ構成に配列された複数のレッジを備えている、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目8)
前記針の前記管腔内に収容されている複数の基準マーカをさらに備えており、前記複数の基準マーカは、少なくとも1つの基準マーカスペーサによって隔てられている、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目9)
前記針の遠位端部に結合されている基準マーカ保留部材をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目10)
前記基準マーカ保留部材は、骨蝋を含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目11)
前記基準マーカ保留部材は、前記針の遠位端部を覆ってはまるように構成されているキャップを含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目12)
前記基準マーカ保留部材は、前記針の前記管腔内に配置された1つ以上の戻り止めを含む、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目13)
前記スタイレットは、その遠位端部がその近位端部より小さい直径を有するようにテーパー状である、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目14)
複数の基準マーカを組織に埋め込むためのシステムであって、前記システムは、
近位端部と遠位端部とそれらの間に延在する管腔とを有するハンドル部材アセンブリと、
近位端部と遠位端部とそれらの間に延在する管腔とを有するシースであって、前記シースの近位端部は、前記ハンドル部材の近位端部から前記シースの遠位端部まで連続的な管腔を形成するために、前記ハンドル部材アセンブリの遠位端部に結合されている、シースと、
近位端部と遠位端部とそれらの間に延在する管腔とを有する針であって、前記針は、前記ハンドル部材アセンブリおよび前記シースの前記連続的な管腔を通って前進するように寸法取りされている、針と、
前記針の管腔内に収容されている複数の基準マーカと、
近位端部と遠位端部とを有するスタイレットであって、前記スタイレットは、前記針の管腔を通って前進するように寸法取りされている、スタイレットと、
複数の停止機構を有する多停止部スタイレットスペーサであって、前記複数の停止機構は、前記スタイレットに係合することにより、前記複数の基準マーカを前記針の遠位端部から制御可能に展開するように構成されている、多停止部スタイレットスペーサと
を備えている、システム。
(項目15)
前記複数の停止機構のうちの第1の停止機構が、前記スタイレットに係合することにより、前記スタイレットが前記複数の基準マーカのうちの任意のものを前記針の遠位端部から展開することを防止する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記複数の停止機構のうちの第2の停止機構が、前記スタイレットに係合することにより、前記スタイレットが第1の基準マーカを前記針の遠位端部から展開することを可能にし、前記複数の停止機構のうちの第3の停止機構が、前記スタイレットに係合することにより、前記スタイレットが第2の基準マーカを前記針の遠位端部から展開することを可能にする、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目17)
前記多停止部スタイレットスペーサは、前記スタイレットの近位端部に直交する平面において前記多停止部スタイレットスペーサを作動させることによって、複数の位置の間で調整可能である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記スタイレットの近位端部は、前記複数の位置の各々において異なる停止機構に係合する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目19)
前記多停止部スタイレットスペーサは、3つの位置の間で調整可能であり、
第1の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第1の停止機構に係合することにより、前記スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、前記複数の基準マーカのうちの任意のものが前記針の遠位端部から展開されることを防止し、
第2の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第2の停止機構に係合することにより、前記スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、前記複数の基準マーカのうちの第1の基準マーカの展開を可能にする一方で、前記複数の基準マーカのうちの第2の基準マーカの展開を防止し、
第3の位置において、前記スタイレットの近位端部は、第3の停止機構に係合することにより、前記スタイレットの遠位端部を停止させ、これにより、前記複数の基準マーカのうちの前記第2の基準マーカの展開を可能にする、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記複数の基準マーカのうちの少なくとも2つの間に配置されている少なくとも1つの基準マーカスペーサをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(摘要)
複数の基準マーカを組織に埋め込むための方法、装置およびシステムが説明される。システムは、針と、針の管腔内をスライドするように寸法取りされているスタイレットと、停止機構を有する多停止部スタイレットスペーサとを含み、停止機構は、スタイレットに係合することにより、針の遠位端部から1つ以上の所定の距離においてスタイレットの遠位端部を停止させる。複数の基準マーカを組織に埋め込む方法が説明されており、その方法は、基準マーカが予め装填された針を組織に挿入することと、多停止部スタイレットスペーサを安全位置から第1の展開位置まで調整することと、第1の基準マーカを組織内へ展開することと、スタイレットスペーサを第1の展開位置から第2の展開位置まで調整することと、第2の基準マーカを組織内へ展開することとを含む。