特許第6364056号(P6364056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6364056サポート部材付永電磁式マグネットチャック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364056
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】サポート部材付永電磁式マグネットチャック
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/15 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   B23Q3/15 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-216215(P2016-216215)
(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公開番号】特開2018-69427(P2018-69427A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000189154
【氏名又は名称】カネテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰正
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 浩
(72)【発明者】
【氏名】山木 勝
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−360741(JP,A)
【文献】 特開2009−255221(JP,A)
【文献】 特開2003−117754(JP,A)
【文献】 特開2012−148378(JP,A)
【文献】 特開2014−104572(JP,A)
【文献】 特開2010−105079(JP,A)
【文献】 特開2005−238387(JP,A)
【文献】 特開平06−091464(JP,A)
【文献】 特開平01−216737(JP,A)
【文献】 特開昭61−065740(JP,A)
【文献】 特開昭60−186339(JP,A)
【文献】 実開昭56−104836(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/00−3/154
B23Q 3/16−3/18
H01F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなる台板に設けられた収納穴内に配設された永久磁石と、
該永久磁石を覆って設けられ、ワークを吸着する吸着面を有し、内部に電磁コイルが埋設された磁極部材と、
該磁極部材の前記吸着面に、前記電磁コイルにより及ぼされる吸着エリアを囲むようにして設けられたセパレータと、
流体圧によって突出入し、前記磁極部材の前記吸着面から外方に突出した際、前記ワークの表面に当接するプランジャを有し、前記電磁コイルに囲まれる部位の前記磁極部材に設けられた穴内に配置された複数のサポート部材と、
前記台板、該台板に設けられた前記収納穴を仕切る仕切部および前記磁極部材を通過し、前記サポート部材に至り、流体圧を前記プランジャに及ぼす流体路と、
前記流体路における、前記仕切部と前記磁極部材との間をシールするシール部材とを具備することを特徴とするサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項2】
前記磁極部材における、前記電磁コイルを直接覆う部位が組付鉄心部として別体に形成され、前記シール部材は、前記流体路における、前記仕切り部と前記組付鉄心部との間をシールする第1のシール部材、および前記組付鉄心部と前記磁極部材との間をシールする第2のシール部材であることを特徴とする請求項1記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項3】
前記シール部材がOリングであることを特徴とする請求項1または2記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項4】
前記各サポート部材は、ハウジングと、ハウジングとの間に第1のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、流体圧により第1のスプリングの付勢力に抗して移動するピストンと、該ピストンの外側に位置して、該ピストンとの間に第2のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、前記ピストンと共に移動する前記プランジャとを備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項5】
前記磁極部材の表面に設けられ、前記磁極部材に設けられた前記穴に連通するとともに、前記磁極部材の側面に開口する、ワークの切削屑もしくは研削屑、および加工液を排出する凹溝を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項6】
前記凹溝が、断面逆T字状をなす凹溝であることを特徴とする請求項5記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項7】
前記磁極部材に埋設された消磁用コイルを有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項8】
前記永久磁石が低保持力で高磁束密度の特性を有する磁石材からなる磁石であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【請求項9】
前記永久磁石とは別に、前記磁極部材に埋設された希土類磁石を有することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のサポート部材付永電磁式マグネットチャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサポート部材付永電磁式マグネットチャックに関する。
【背景技術】
【0002】
サポート部材付電磁式マグネットチャックが知られている(特許文献1)。
特許文献1に示されるサポート部材付電磁式マグネットチャックは、磁性体ワークを吸着する吸着面を有し、内部に所要配列で複数の電磁コイルが埋設された磁性体からなる磁極部材と、油圧によって突出入し、前記磁極部材の前記吸着面から外方に突出した際、ワークの表面に当接するプランジャを有し、前記各電磁コイルに囲まれて前記磁極部材に設けられた穴内に固定された複数のサポート部材とを具備している。
【0003】
各サポート部材は、ハウジングと、ハウジングとの間に第1のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、油圧により第1のスプリングの付勢力に抗して移動するピストンと、該ピストンの外側に位置して、該ピストンとの間に第2のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、ピストンと共に移動するプランジャとを備える。
【0004】
電磁コイルに通電することで、磁極部材の吸着面に磁力が発生し、ワークが吸着面に吸着可能となる。一方で、油圧により、各ピストンが第1のスプリングの付勢力に抗して移動され、これによりピストンと共に各プランジャが移動し、各プランジャがワークの表面に当接し、なおもピストンが移動すると、各プランジャがワークに当接したまま、ピストンが第2のスプリングを圧縮するようにしてプランジャ内に突入するようになっている。これにより、各プランジャが一定の押圧力によって、ワークの表面に当接した状態で、ワークが吸着面に吸着される状態となる。
このサポート部材付電磁式マグネットチャックによれば、プランジャがワークの表面に当接して支持することから、表面が凹凸面をなすワークの吸着も良好に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−255221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に示されるものは、電磁石式のマグネットチャックであるため、大電流を要し、消費電力が大きいという課題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、消費電力が小さく、さらには油(流体)漏れを極力抑えることができるサポート部材付永電磁式マグネットチャックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るサポート部材付永電磁式マグネットチャックは、磁性体からなる台板に設けられた収納穴内に配設された永久磁石と、該永久磁石を覆って設けられ、ワークを吸着する吸着面を有し、内部に電磁コイルが埋設された磁極部材と、該磁極部材の前記吸着面に、前記電磁コイルにより及ぼされる吸着エリアを囲むようにして設けられたセパレータと、流体圧によって突出入し、前記磁極部材の前記吸着面から外方に突出した際、前記ワークの表面に当接するプランジャを有し、前記電磁コイルに囲まれる部位の前記磁極部材に設けられた穴内に配置された複数のサポート部材と、前記台板、該台板に設けられた前記収納穴を仕切る仕切部および前記磁極部材を通過し、前記サポート部材に至り、流体圧を前記プランジャに及ぼす流体路と、前記流体路における、前記仕切部と前記磁極部材との間をシールするシール部材とを具備することを特徴とする。
【0008】
前記磁極部材における、前記電磁コイルを直接覆う部位を組付鉄心部として別体に形成し、前記シール部材を、前記流体路における、前記仕切り部と前記組付鉄心部との間をシールする第1のシール部材、および前記組付鉄心部と前記磁極部材との間をシールする第2のシール部材とすることができる。
前記シール部材はOリングとすることができる。
【0009】
前記各サポート部材を、ハウジングと、ハウジングとの間に第1のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、流体圧により第1のスプリングの付勢力に抗して移動するピストンと、該ピストンの外側に位置して、該ピストンとの間に第2のスプリングを介在させてハウジング内に移動可能に設けられ、前記ピストンと共に移動する前記プランジャ等とで構成することができる。
【0010】
前記磁極部材の表面に、前記磁極部材に設けられた前記穴に連通するとともに、前記磁極部材の側面に開口する、ワークの切削屑もしくは研削屑、および加工液を排出する凹溝を設けることができる。
前記凹溝を、断面逆T字状をなす凹溝に形成することができる。
前記磁極部材に、消磁用コイルを配設することができる。
前記永久磁石をアルニコ磁石等の低保持力で高磁束密度の特性を有する磁石材からなる磁石とすることができる。
さらに、前記永久磁石とは別に、前記磁極部材に希土類磁石を配設することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接続ブロックを無くし、永久磁石を、台板に設けた収納穴内に配設するとともに、収納穴間の仕切部に油路(流体路)を貫通して設けたことにより、台板と接続ブロックとの間をシールするシール部材を無くすことができ、それだけ、油(流体)漏れを少なくでき、また、吸着面側から最深部となるシール部材を無くすことで、修理も容易となる効果を奏する。また、消費電力を低く抑えることができるサポート部材付永電磁式マグネットチャックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】サポート部材付永電磁式マグネットチャックの断面図である。
図2】サポート部材の断面図である。
図3】改良されたサポート部材付永電磁式マグネットチャックの部分平面図である。
図4図3におけるY−Y線断面図である。
図5図3におけるX−X線断面図である。
図6】希土類磁石をさらに設けたサポート部材付永電磁式マグネットチャックの、電磁コイルOFF時の断面図である。
図7】希土類磁石をさらに設けたサポート部材付永電磁式マグネットチャックの、電磁コイルON時の断面図である。
図8】消磁コイルをまたさらに設けたサポート部材付永電磁式マグネットチャックの、電磁コイルOFF時の断面図である。
図9】消磁コイルをまたさらに設けたサポート部材付永電磁式マグネットチャックの、電磁コイルON時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
永久磁石と電磁コイルとを組み合わせた永電磁式マグネットチャックは知られている(例えば特開2005−305565)。この永電磁式マグネットチャックの場合には、可逆性永久磁石を用い、電磁コイルにより、可逆性永久磁石の吸着面に現れる磁力を制御するようにしているので、電磁コイルに給電する電力は少なくて済み、省力化ができる。
そこで、発明者は、特許文献1(特開2009−255221)に示されるサポート部材付電磁式マグネットチャックにも永久磁石を組み込み、省力化を図ることに想到し、図1に示すようなサポート部材付永電磁式マグネットチャック10を考案した。
【0014】
まず、図1および図2により、このサポート部材付永電磁式マグネットチャック10について説明する。図1は、サポート部材付永電磁式マグネットチャック10の断面図、図2は、サポート部材30の断面図である。
磁性体からなる台板12上に複数のアルニコ製の永久磁石14が配置され、各永久磁石14の間にステンレス製の接続ブロック16が配置されている。この永久磁石14と接続ブロック16とは磁性材料からなる組付鉄心18によって覆われている。なお接続ブロック16はボルト19により台板12に固定されている。接続ブロック16はアルニコ磁石であってもよい。
【0015】
そして、組付鉄心18上に磁性材料からなる磁極部材20が配置されている。なお、組付鉄心18は磁極部材20と一体のものとすることができる。
磁極部材20の表面側が吸着面となる。磁極部材20の組付鉄心18側の面には長いリング状をなす穴22が開口され、この長いリング状の穴22内に電磁コイル24が配設されている。そして穴22内はエポキシ樹脂が充填され、電磁コイル24を封止している。
【0016】
磁極部材20の吸着面に、電磁コイル24により及ぼされる吸着エリアを囲むようにして非磁性材料からなるセパレータ26が設けられている。
磁極部材20の、電磁コイル24に囲まれる部位に、吸着面側が大径部となる穴28が所要間隔をおいて一列に複数個開口されている。この各穴28の小径部内に嵌入するようにしてサポート部材30が配設されている。サポート部材30の上部は大径部内に露出している。なお、このようなサポート部材30の列が適宜複数列設けられている(図示せず)。
【0017】
サポート部材30は、油圧、空気圧等の流体圧(以下油圧で説明する)によって突出入し、磁極部材20の吸着面から外方に突出した際、ワークの表面に当接するプランジャ32を有する。
各穴28の大径部は、蓋体34によって覆われている。蓋体34はネジ35によって、磁極部材20に固定されている。また、蓋体34には、開口部36が形成され、この開口部36を通じてプランジャ32が吸着面から突出入可能となっている。穴28の大径部の底部には、磁極部材20、組付鉄心18、接続ブロック16および台板12を貫通するドレイン孔42が設けられている。
穴28を蓋体34で覆うのは、切削屑、研削屑等が穴28内に入り込むのを防止するためである。蓋体34に設けた開口部36から穴28内に入り込んだ加工液等は、ドレイン孔42から外部に排出される。
【0018】
台板12、接続ブロック16、組付鉄心18および磁極部材20を通過し、サポート部材に至る油路(流体路)38が設けられ、この油路38を通じて圧油がサポート部材30に供給、排出されることにより、プランジャ32がサポート部材30の本体から突出入可能になっている。
そして、油路38における、台板12と接続ブロック16との間、接続ブロック16と組付鉄心18との間、および組付鉄心18と磁極部材20との間の3箇所にシール部材たるOリング40が配設されている。
【0019】
上記サポート部材30の構造は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、図2に示す構造をなしている。
すなわち、サポート部材30は、ハウジング44と、ハウジング44との間に第1のスプリング43を介在させてハウジング44内に移動可能に設けられ、油路38からの油圧により第1のスプリング43の付勢力に抗して移動するピストン45と、該ピストン45の外側に位置して、ピストン45との間に第2のスプリング46を介在させてハウジング44内に移動可能に設けられ、ピストン45と共に移動可能なプランジャ32とを備えている。なお、47はプランジャ32の移動をガイドするガイド筒である。
【0020】
油路38に圧油が供給されると、ピストン45が移動し、これに伴ってプランジャ32が蓋体34から上方に突出し、プランジャ32先端がワークに当接する。第1のスプリング43および第2のスプリング46によって、プランジャ32は、所要の押圧力でワークに当接することになる。
【0021】
図1および図2に示すサポート部材付永電磁式マグネットチャック10を用いてワーク(図示せず)を吸着保持するには次のようになされる。
まず、ワークを磁極部材20の吸着面上に載置する。
次いで、図示しない油圧源から圧油を油路38に供給し、油圧により各プランジャ32を吸着面から突出させ、プランジャ32先端をワークに当接させ、ワークを支持するようにする。
この状態で、電磁コイル24に必要な大きな電力を供給し、吸着面を強い磁力を発生させ、ワークを吸着面に吸着、固定する。
この状態で、ワークに必要な切削加工、研削加工等を施すようにする。
【0022】
なお、アルニコ製の永久磁石14は、電磁コイル24に短時間通電するだけで、必要な磁力を継続的に得ることができ、これにより省エネルギー化を図ることができる。
ワーク加工後、ワークを解放するには、電磁コイル24に、吸着時とは逆方向に通電することで、保持力の小さいアルニコ製の永久磁石14の磁力を低下させればよい。
なお、必要に応じて、ワークに残留する残留磁力を消磁する消磁用コイルを設けてもよい(図示せず)。
【0023】
上記のようにして、省エネルギー化を図れるサポート部材付永電磁式マグネットチャック10を提供できた。
しかしながら、図1に示す実施の形態に係るサポート部材付永電磁式マグネットチャック10にも、次のような課題が生じた。
すなわち、上記のように、圧油をサポート部材30に供給される油路(流体路)38を、台板12、接続ブロック16、組付鉄心18および磁極部材20を通過し、サポート部材に至る油路(流体路)38としている。
【0024】
そして、油路38における、台板12と接続ブロック16との間、接続ブロック16と組付鉄心18との間、および組付鉄心18と磁極部材20との間の3箇所にシール部材たるOリング40を配設して、各部材間をシールするようにしている。
しかしながら、上記のように、3箇所もの間をOリングによりシールすることは、シールが不完全になりやすく、油漏れが生じるおそれがある。そして油漏れが生じた場合の修理も厄介であるという課題が生じた。
【0025】
そこで、以下の実施の形態では、上記実施の形態をさらに改良し、油(流体)漏れを極力回避し、またたとえ油(流体)漏れが生じた場合にも修理が容易な、サポート部材付永電磁式マグネットチャック10を提供する。
図3図5は、改良型のサポート部材付永電磁式マグネットチャック10を示す、図3は、その部分平面図、図4図3におけるY−Y線断面図、図5図3におけるX−X線断面図である。
図1および図2における実施の形態と同一の部材は同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0026】
改良型実施の形態における特徴は、接続ブロック16を無くし、アルニコ磁石製の永久磁石14を、台板12に設けた収納穴15内に配設するとともに、収納穴15間の仕切部12a(台板12と一体)に油路(流体路)38を貫通して設けた点にある。
そして、シール部材40を、流体路38における、仕切部12aと組付鉄心18との間をシールする第1のシール部材、および組付鉄心18と磁極部材20との間をシールする第2のシール部材の2つのシール部材とした。なお、組付鉄心18と磁極部材20とを一体のものとすれば、シール部材を、仕切り部12aと磁極部材20との間をシールする1つのシール部材のみとすることもできる。
【0027】
すなわち、本実施の形態では、図1図2に示す実施の形態における、台板12と接続ブロック16との間をシールするシール部材を無くしたので、それだけ、油(流体)漏れを少なくでき、また、吸着面側から最深部となるシール部材を無くすことで、修理も容易となる利点がある。
なお、図5において、48は、絶縁性を向上させるために、電磁コイル24を収納する孔22内に配設したガラスビーズであり、49は、電磁コイル24等を封止するエポキシ樹脂である。
【0028】
この改良型のサポート部材付永電磁式マグネットチャック10における、さらに望まれる改良点は、蓋体34およびドレイン孔42を無くし、ドレイン溝となる凹溝50を磁極部材20の吸着面に形成する点にある(なお、この改良点は、必ずしも設けなくともよい)。
凹溝50は、図3に示すように、磁極部材20の側面に開口すると共に、通路51を通じて、穴28の大径部28aに通じている。これにより、穴28の大径部28a内に入り込んだ切削屑、研削屑、加工液等は、通路51および凹溝50を通じて、磁極部材20の側方に排出されることになる。
【0029】
なお、穴28の大径部28aとサポート部材30との間にはシール部材52が配設され、これにより当該部位に加工液が入り込むのを防止している。
この改良型によれば、蓋体34およびドレイン孔42を無くしているので、構成を簡易なものとすることができる。
また、凹溝50を断面逆T字状のものに形成すれば、この凹溝50を、加工具取り付け用の係止溝等としての利用も可能となる。
さらに、図3に示すように、空間部となる凹溝50を、非磁性体からなるセパレータ26と併せて、セパレータ部としても利用可能となる。
【0030】
上記各実施の形態におけるサポート部材付永電磁式マグネットチャック10では、アルニコ磁石からなる1種類の永久磁石14を用いたが、これに限定されるものではない。
図6図7に示すものは、電磁コイル24の直上に、フェライトからなる希土類磁石54を配設したものである。なお、上記実施の形態と同一の部材は同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、電磁コイル24OFF時であり、磁路は矢印に示すように閉回路を構成する。図7は、電磁コイルON時であり、矢印に示すような磁路となり、吸着面にN極、S極が現れる。
【0031】
図8図9は、図6図7のものにさらに消磁コイル56を設けたものである。上記実施の形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図8は、電磁コイル24OFF時であり、磁路は矢印に示すように閉回路を構成する。図9は、電磁コイルON時であり、矢印に示すような磁路となり、吸着面にN極、S極が現れる。
【符号の説明】
【0032】
10 サポート部材付永電磁式マグネットチャック、12 台板、14 永久磁石、15 収納穴、16 接続ブロック、18 組付鉄心、20 磁極部材、22 穴、24 電磁コイル、26 セパレータ、28 穴、28a 大径部、30 サポート部材、32 プランジャ、34 蓋体、36 開口部、38 油路(流体路)、40 シール部材、42 ドレイン孔、43 第1のスプリング、44 ハウジング、45 ピストン、 46 第2のスプリング、47 ガイド筒、48 ガラスビーズ、49 エポキシ樹脂、50 凹溝、51 通路、52 シール部材、54 希土類磁石、56 消磁コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9